JP4132611B2 - 感光材料処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料を処理液によって処理するときに、毛材が設けられた帯状部材をローラ本体に螺旋状に巻付けて形成したブラシローラによって感光材料の表面をブラッシングする感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光材料には、アルミニウム板等を用いた支持体の表面に感光層を形成した感光性平版印刷版(以下「PS版」と言う)があり、また、PS版には、感光層として光重合層を形成した所謂フォトポリマー版がある。
【0003】
このPS版を現像処理する現像処理装置(以下「PS版プロセッサー」と言う)では、PS版を現像液に浸漬することにより、露光画像に応じて感光層(光重合層)の不要な部分を膨潤させて、支持体上から除去することにより画像を形成する。また、PS版プロセッサーでは、現像液に浸漬したPS版の表面をブラシローラによってブラッシングすることにより、支持体上からの不要な感光層の除去を促進するようにしている。
【0004】
このような、PS版の処理に用いられブラシローラには、予め毛材が植え付けられた布、すなわち、帯状部材である織毛布をローラ本体に螺旋状に巻き付けたものがある。
【0005】
ところで、ローラ本体に織毛布を螺旋状に巻き付けた場合、ローラ本体の軸線方向に沿って隣接する織毛布の境界部分がローラ本体の周囲に螺旋状に生じる。この織毛布の境界部分では、毛材の密度が少なくなっている。
【0006】
一方、CTP(Computer to Plate)に用いられるフォトポリマー版などでは、ブラッシング時の毛材によるPS版への接触圧を高くする必要がある。
【0007】
しかしながら、ブラッシング時の接触圧を高くした場合、ローラ本体に巻付けた織毛布の境界部分の毛材の密度のムラがPS版の表面に、スジ状の擦りムラとして現れてPS版に形成した画像の仕上がり品質を低下させてしまう。
【0008】
このようなスジ状の擦りムラは、例えば2本のブラシローラを用いて、PS版の表面をブラッシングしたときに、2本のブラシローラの織毛布の境界部分のPS版の表面へのそれぞれの接触部分が接近したり重なると、擦りムラが鮮明に現れてしまうことがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、織毛布等の帯状部材をローラ本体に螺旋状に巻付けて形成したブラシローラによってPS版等の感光材料をブラッシングするときに、帯状部材の境界部分の感光材料への接触部分が擦りムラとして現れてしまうのを防止する感光材料処理装置を提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、表面に毛材が設けられた帯状部材をローラ本体の周面に一端側から他端側へ螺旋状に巻き付け、前記帯状部材を固定手段によって前記ローラ本体に固定して形成したブラシローラによって感光材料の表面をブラッシングして処理する感光材料処理装置であって、前記ローラ本体に幅寸法が異なる前記帯状部材が巻き付けられて形成された少なくとも2本のブラシローラを前記感光材料の同一面側に対向させて感光材料の搬送路に沿って配置し、前記少なくとも2本の前記ブラシローラのそれぞれによって前記感光材料をブラッシングすることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、ブラッシング用の毛材を配置した帯状部材をローラ本体に螺旋状に巻き付けて形成したブラシローラを、処理する感光材料の同一面側に感光材料の搬送方向に沿って少なくとも2本配置し、それぞれのブラシローラによって感光材料の同一面をブラッシングする。
【0012】
このとき、ブラシローラの帯状部材の境界部分の軌跡は、感光材料上にスジ状となって現れる。このときの軌跡のスジは、帯状部材の幅寸法に応じた間隔で現れる。ここで、例えば2本のブラシローラの間で帯状部材の幅寸法を変えることにより、境界部分の軌跡が重なるのを抑える。
【0013】
これにより、2本のブラシローラの間で互いの軌跡を打ち消すように感光材料をブラッシングできるので、2本のブラシローラによるそれぞれの軌跡が重なることにより感光材料上にこすりムラとして現れて、感光材料の仕上がり品質を低下させてしまうのを防止することができる。
【0018】
このような本発明では、前記少なくとも2本のブラシローラの回転方向を変えても良く、前記少なくとも2本のブラシローラのローラ本体に巻付ける前記帯状部材の巻付け方向を変えたものでも良い。
【0019】
これにより、複数本のブラシローラによる軌跡のパターンが互いに重ならないようにすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1には、感光材料処置装置の一例として適用した感光性平版印刷版処理装置(以下「PS版プロセッサー10」と言う)の概略構成を示している。このPS版プロセッサー10は、感光材料として図示しない露光装置によって画像露光されたフォトポリマー版などの感光性平版印刷版(以下「PS版12」と言う)の現像処理を行う。なお、PS版12は、アルミニウム板等の薄肉矩形平板を支持体として、この支持体に感光層を形成しており、フォトポリマー版は、光接合層、光重合層及びオーバーコート層が重ねられて感光層が形成され、レーザ光により画像の露光がなされることにより光重合層の画像部の重合反応が促進される。
【0023】
PS版プロセッサー10は、PS版12を現像液によって処理するための現像部14と、PS版12に付着した現像液を水洗処理する水洗部16と、水洗後のPS版12にガム液を塗布して不感脂化処理するフィニッシャー部18と、PS版12を乾燥させる乾燥部20と、が配設されている。
【0024】
PS版プロセッサー10内には、処理タンク22が設けられている。この処理タンク22には、現像部14となる位置に現像槽24が形成され、水洗部16及びフィニッシャー部18となる位置に水洗槽26及びフィニッシャー槽28が処理槽として形成されている。
【0025】
処理タンク22を覆う外板パネル30には、スリット状の挿入口32が形成され、処理タンク22には、乾燥部20側に排出口34が形成されている。また、処理タンク22を覆うカバー36には、現像部14と水洗部16との間にPS版12を挿入するためのリエントリー用の挿入口(副挿入口)38が設けられている。そのリエントリー挿入口38は、現像部14での処理を除くPS版プロセッサー10での処理を行うためのPS版12の挿入口となっている。
【0026】
挿入口32の外部には、挿入台40が設けられ、現像部14のPS版12の挿入側には、ゴム製の搬送ローラ対42が配設されている。画像が焼付けられたPS版12は、挿入台40に載置されて挿入口32から、矢印A方向に沿って挿入されて、搬送ローラ対42の間に送り込まれる。
【0027】
搬送ローラ対42は、図示しない駆動手段の駆動力によって回転して、挿入されたPS版12を引き入れ、水平方向に対して約15°から31°の範囲の角度で現像部14へ送り込む。なお、本実施の形態では、支持体の一方の面に感光層を形成した片面タイプのPS版12を用いており、PS版12は、感光層が上方へ向けられた状態で挿入口32からPS版プロセッサー10内へ挿入される。
【0028】
処理タンク22に形成されている現像槽24は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、PS版12の現像処理を行うための現像液を貯留する。この現像槽24には、PS版12の搬送方向に沿った下側にガイド板44が、底部に沿って配設されている。
【0029】
ガイド板44は、現像槽24の上流部(挿入口32側)に設けられ、自由回転をする複数のコロ(小型のローラ)46が取り付けられている。搬送ローラ対42によって現像部14内に送り込まれたPS版12は、このコロ46によって案内されながらガイド板44上を搬送される。
【0030】
現像槽24には、水洗部16側に、外周がゴム製の搬送ローラ対48が配置されており、現像槽24内を略U字状に案内搬送されたPS版12は、この搬送ローラ対48によって挟持されて現像槽24から引き出される。PS版12は、このようにして現像槽24内を搬送されるときに現像液に浸漬され、画像露光によって感光した感光層の不要な部分が現像液により膨潤し、支持体から剥離され、露光画像に応じた不要な感光層が除去される。
【0031】
なお、現像槽24内には、図示しないスプレーパイプが設けられており、図示しないポンプによって吸引した現像槽24内の現像液を、このスプレーパイプによってPS版12の感光層面に吹き付ける。また、現像槽24内の現像液は、このスプレーパイプによって吹出されることにより循環される。
【0032】
現像部14には、下面が現像槽24に貯留される現像液の液面より下方となるように液面蓋52が配置されている。また、現像槽24の壁面及び液面蓋52には、挿入口32側に遮蔽部材54A、54Bが設けられ、水洗部24側に遮蔽部材54C、54Dが取り付けられている。処理タンク22には、排出口34の周囲に遮蔽部材54E、54Fが取り付けられ、カバー36のリエントリー挿入口38には、遮蔽部材54Gが取り付けられている。
【0033】
遮蔽部材54A〜54Gは、シリコンゴム等によって形成されている。現像槽24は、現像液の液面より上方の大きい空間が大容量の液面蓋52によって埋められ、現像槽24内は、液面蓋52、遮蔽部材54A〜54G及び搬送ローラ対42、48等によって密閉され、また、これらと現像液の液面との間の空気容量が少なくされている。これにより、現像槽24内の現像液の液面近傍には、新鮮な空気が入り込んでくるのが防止され、空気中の炭酸ガスによる現像液の劣化と水分の蒸発が抑えられている。なお、液面蓋52には、PS版12の搬送方向の上流側及び下流側の端部下面に串ローラ52A、52Bが設けられ、現像部14内を搬送されるPS版12が液面蓋52の下面と接触することによるPS版12の表面(主に感光面)の損傷が防止されている。
【0034】
搬送ローラ対48によって現像槽24から引き出されたPS版12は、搬送ローラ対48によって表面に付着している現像液が絞り落とされながら水洗部16へ送り込まれる。
【0035】
水洗部16には、水洗槽26の上方に配設された搬送ローラ対58、60によってPS版12の搬送路が形成されており、PS版12は、搬送ローラ対58、60に挟持されて水洗部16内を水平搬送される。
【0036】
搬送ローラ対58、60の間には、PS版12の搬送路を挟んで上下に対で、スプレーパイプ62A、62Bが設けられている。スプレーパイプ62A、62Bは軸線方向がPS版12の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って配置され、PS版12の搬送路に対向して複数の吐出孔が形成されている。
【0037】
スプレーパイプ62A、62Bには、PS版12の搬送に同期して、図示しない水洗水タンクからポンプによって供給される水洗水を、吐出孔からPS版12へ向けて噴出し、PS版12の表裏面を洗浄する。PS版12を洗浄した水は、搬送ローラ対60によってPS版12から絞り落とされ、水洗槽26内に回収され、水洗槽26から排出される。なお、スプレーパイプ62A、62Bからの水洗水の吐出方向は、スプレーパイプ62AがPS版12の搬送方向上流側で、スプレーパイプ62BがPS版12の搬送方向下流側としているが、これに限定されず他の方向であっても良い。
【0038】
フィニッシャー部18には、フィニッシャー槽28の上方に搬送ローラ対56が設けられ、PS版12は、この搬送ローラ対56によってフィニッシャー部18内を搬送された後に、排出口34から送り出される。
【0039】
フィニッシャー部18には、PS版12の搬送路の上方側にスプレーパイプ64が設けられている。スプレーパイプ64は、軸線方向がPS版12の幅方向に沿って配置され、PS版12の搬送路に対向して複数の吐出孔が形成されている。また、フィニッシャー部18には、PS版12の搬送路の下方に、PS版12の幅方向に亘って連続するスリットが形成された吐出ユニット66が配設されている。
【0040】
フィニッシャー槽28には、PS版12の版面保護に用いるガム液が貯留されており、このガム液がPS版12の搬送に同期して作動する図示しないポンプによってスプレーパイプ64及び吐出ユニット66に供給される。スプレーパイプ64は、このガム液をPS版12へ向けて滴下してPS版12の表面に広げて塗布する。また、吐出ユニット66は、PS版12の裏面側がスリット部分に接触しながら通過するときに、スリットから吹出するガム液をPS版12の裏面側の全面に塗布する。
【0041】
PS版12は、表裏面に塗布されるガム液によって保護膜が形成される。なお、スプレーパイプ64からのガム液の吐出方向は、PS版12の搬送方向下流側に限らず、他の方向であってもよい。また、PS版12の搬送路の下側に吐出ユニット66を設けてガム液を塗布するようにしているが、これに限らず、スプレーパイプを設けてガム液を塗布するようにしてもよい。
【0042】
フィニッシャー部18でガム液が塗布されたPS版12は、搬送ローラ対56に挟持されて、ガム液が表裏面に若干残った状態で排出口34から排出され、乾燥部20へ送られる。
【0043】
乾燥部20には、排出口34の近傍にPS版12を支持する支持ローラ68が配設され、乾燥部20内でのPS版12の搬送路の中央部及び排出口70の近傍に、搬送ローラ対72及び搬送ローラ対74が配設され、PS版12は、支持ローラ68及び搬送ローラ対72、74によって乾燥部20内を搬送される。
【0044】
支持ローラ68と搬送ローラ対72との間、及び搬送ローラ対72と搬送ローラ対74との間には、PS版12の搬送路を挟んで対でダクト76A、76Bが配設されている。ダクト76A、76Bは、長手方向がPS版12の幅方向に沿って配設されており、PS版12の搬送路に対向する面にスリット孔78が設けられている。
【0045】
ダクト76A、76Bは、図示しない乾燥風発生手段によって発生された乾燥風が、長手方向の一端側から供給されると、この乾燥風をスリット孔78からPS版12の搬送路へ向けて吐出し、PS版12に吹き付ける。これにより、PS版12は、表裏面に塗布されているガム液が乾燥され、保護膜が形成される。なお、排出口34には、PS版12を処理液によって処理するフィニッシャー部18までのプロセッサ部と乾燥部20とを分離する図示しないシャッタが設けられ、排出口34が不必要に開放されて、乾燥部20内の加熱された空気がフィニッシャー部18へ入り込むのを防止している。
【0046】
このように構成されているPS版プロセッサー10では、図示しない焼付装置等によって画像が記録されたPS版12が挿入台40に載置されて、挿入口32へ挿入されと、搬送ローラ対42によってこのPS版12を引き入れ、現像部14へ送り込む。なお、PS版プロセッサー10では、挿入口32を通過するPS版12を図示しないセンサによって検出すると、タイマーをスタートさせる。このタイマーは、PS版プロセッサー10でPS版12を搬送するための駆動手段の動作と共に、水洗部16のスプレーパイプ62A、62Bから水洗水を吐出させるタイミングや、フィニッシャー部18におけるガム液の吐出タイミングの計測に用いる。
【0047】
現像部14では、搬送ローラ対42によってPS版12が水平方向に対して15°〜31°の範囲の挿入角度で送りこまれて現像液に浸漬されながら搬送される。また、このPS版12は、17°〜31°の範囲の排出角度で現像液中から送り出される。PS版12は、現像部14で現像液に浸漬されることにより、露光画像に応じて感光層の不要な部分が膨潤し、膨潤した感光層が支持体から除去される。
【0048】
現像部14の現像液中から送り出されたPS版12は、搬送ローラ対48によって引き出され、表裏面に付着している現像液が絞り取られながら水洗部16へ送られる。水洗部16では、このPS版12を搬送ローラ対58、60によって挟持搬送しながら、スプレーパイプ62A、62Bから噴出する洗浄水によってPS版12の表裏面を洗浄する。この水洗水は、搬送ローラ対60によってPS版12から絞り落とされる。
【0049】
水洗処理の終了したPS版12は、搬送ローラ対60によってフィニッシャー部18へ送り込まれる。搬送ローラ対56によってフィニッシャー部18内を搬送された後に、排出口34から送り出される。フィニッシャー部18では、このPS版12の表裏面にスプレーパイプ64及び吐出ユニット66から吐出するガム液を塗布して、PS版12に版面保護のための不感脂化処理を施す。
【0050】
ガム液が塗布されたPS版12は、排出口34から乾燥部20へ送り込まれる。なお、排出口34に設けている図示しないシャッタは、PS版12の処理開始のタイミングないしPS版12がフィニッシャー部18から送り出されるタイミングで作動して排出口34を開き、乾燥部20の乾燥風が不必要にフィニッシャー部18へ入り込んで、搬送ローラ対56にガム液が固着してしまうのを防止すると共に、排出口34から空気が入り込み、現像部14にまで及んで空気中の炭酸ガスにより現像液が劣化するのを防止したり、現像液中の水分や水洗水さらにガム液中の水分が蒸発するのを防止している。
【0051】
乾燥部20では、支持ローラ68及び搬送ローラ対72、74によってPS版12を搬送しながら、ダクト76A、76Bから乾燥風を吹き付ける。これにより、PS版12は、塗布されているガム液によって保護膜が形成されて排出口70から排出される。
【0052】
ところで、PS版プロセッサー10では、現像槽24内にブラシローラ80、82が設けられている。ブラシローラ80、82は、PS版12の搬送路に沿って配置され、それぞれがPS版12の感光層側の面に対向されている。これにより、現像槽24の現像液中を搬送されるPS版12は、このブラシローラ80、82によって感光層側の面がブラッシングされることにより、現像液によって膨潤した感光層の剥離が促進される。
【0053】
ここで、まず、図2及び図3(A)乃至図3(D)を参照しながらPS版プロセッサー10に設けているブラシローラ80、82について説明する。なお、ブラシローラ80、82の基本的構成は同一であり、図2及び図3(A)乃至図3(D)では、ブラシローラ80を例示している。
【0054】
図2に示すように、ブラシローラ80は、芯材としてのローラ本体164と、このローラ本体160の外周部に巻き付けられた帯状部材であるブラッシング用帯体166(以下、単に帯体166という)とで構成されている。
【0055】
帯体166は、図3(A)に示すように、まずシート状の基材である織物168を対で対向させて保持し、これら織物168に掛け渡すように毛材170を織り込む。
【0056】
毛材170には、例えば天然繊維または人造繊維材が適用されている。なお、毛材170は、天然繊維、人造繊維に限らず適度な細さであれば、金属であってもよい。すなわち、毛材170の材質としては、植物繊維、動物繊維等の天然繊維や、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6・10、ナイロン11等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸アルキル等のポリアクリル系、ポリプロピレン、ポリスチレン等の人造繊維及びステンレススチール、真鍮等の金属繊維の適用が可能である。
【0057】
ここで、毛材170を織物168に緊張状態で織り込んだ後、毛材170の中間部でカットすることにより、本実施形態で適用される帯体166(図3(B)参照)が完成する。この帯体166をローラ本体164の周面に螺旋状に巻き付けた後( 図3(C)参照)、毛材170の長さを均等に整えるようにさらにシャーリングすることにより( 図3(D)参照)、ブラシローラ80を得ている。
【0058】
図2に示すように、ブラシローラ80は、例えばローラ本体164の両端部に巻いた帯体166の上方から締結バンドを巻き付けることにより、帯体166の基材である織物168をローラ本体164の両端部に固定している。
【0059】
なお、締結バンド172によって帯体166をローラ本体164に固定するときには、毛材170を織物168に織り込んだまま、締結バンド172によって締め付けて固定するようにしてもよいが、図2に示すように、締結バンド172に対向する帯体166の両端部の所定の領域の毛材170をシャーリング等を行うことにより刈り込むか、予めローラ本体164の両端部に対向する領域に毛材170を織物168に織り込まないようにして帯体166を形成するようにしても良い。
【0060】
また、締結バンド172を用いて帯体166をローラ本体164の端部で固定するときには、ローラ本体164の軸端部の周面に対向する織物168の裏面側に若干の接着剤を塗布するなどして、織物168をローラ本体164に仮止めした状態で行うことが好ましい。
【0061】
さらに、ブラシローラ80、82としては、締結バンド172に限らず任意の固定手段を用いて帯体166をローラ本体164に固定したものを用いることができる。また、ブラシローラ80、82としては、ローラ本体164の周面に対向する織物168の裏面側に接着剤等を塗布してローラ本体164に接着するなどして固定しても良く、ブラシローラ80、82としては、ローラ本体164に帯体166を螺旋状に緊密に巻き付けたものであれば良い。
【0062】
一方、図2に示すように、ローラ本体164に帯体166を螺旋状に巻き付けて形成したブラシローラ80、82では、ローラ本体164の軸線方向に沿って隣接する帯体166の境界部分(以下「境界部90」と言う)が、ローラ本体164の周面に沿って螺旋状に形成される。
【0063】
この帯体166の境界部90は、ブラシローラ80、82によってPS版12をブラッシングするときにPS版12の表面に対向しながらPS版12の面上をPS版12の搬送方向下流側に向かって移動する。これにより、図4に二点鎖線で示すように、PS版12の表面上での境界部90が対向する軌跡92は、傾斜したスジとなる。
【0064】
PS版12の搬送方向(矢印A方向)に対する軌跡の角度θは、ブラシローラ80、82を回転せずにPS版12を搬送した時には、0度(θ=0)となり、PS版12の搬送を停止し、ブラシローラ80、82を回転させたときには、略90度(θ=90°)となる。
【0065】
また、PS版12の幅方向に沿った軌跡92の間隔Xは、帯体166の幅Wと帯体166のローラ本体164への巻付角度に応じた値となる(X=f(W)。すなわち、軌跡92は、帯体166の幅Wに応じた間隔Xで、PS版12の搬送速度V、ブラシローラ80(82)の外径D及び回転数Nに応じた角度θとなる。
【0066】
一方、この境界部90では、毛材170の密度が周囲より少なく(低く)なるため、ブラシローラ80、82によってPS版12の表面をブラッシングしたときに、軌跡92がこすりムラとしてPS版12の表面に現れ易い。特に、フォトポリマー版のように版面に対する毛材170の接触圧を高くしてブラッシングする必要があるときには、この軌跡92がこすりムラとしてPS版12上に現れて、PS版プロセッサー10によって処理したPS版12の仕上がり品質の低下を生じさせ易い。
【0067】
ここでPS版プロセッサー10では、PS版12の搬送路に沿ってPS版12の感光層側に2本のブラシローラ80、82を配置し、ブラシローラ80、82によってPS版12の感光層側の面をブラッシングすることにより、PS版12の表面からの不要な感光層の除去の促進を図ると共に、ブラシローラ80、82の間で互いの軌跡92を打ち消すようにし、PS版12の表面に境界部90によって生じるこすりムラが現れるのを防止するようにしている。
【0068】
以下に実施例1〜5として、2本のブラシローラ80、82によって互いの軌跡92の打ち消すことにより、PS版12の表面にこすりムラが現れるのを抑える例を説明する。
【0069】
(実施例1)
図5には、実施例1に適用したブラシローラ80、82の配置を示している。実施例1では、ブラシローラ80、82として、幅Wの帯体166をローラ本体164に螺旋状に巻付けた同一形状のブラシローラ84を用いている。これにより、ブラシローラ80、82は、間隔Wで螺旋状に境界部90が形成されている。
【0070】
現像部14では、PS版12を速度V(mm/min)で搬送するときに、2本のブラシローラ84(80、82)を同一方向(例えば矢印C方向)へ回転駆動する。このとき、実施例1では、2本のブラシローラ84の間で回転数Nを変えている。
【0071】
例えば、ブラシローラ80として用いるブラシローラ84を回転数N1(r/min)で回転するのに対して、ブラシローラ82として用いるブラシローラ84をこの回転数N1より多い回転数N2(N1<N2)で回転駆動するようにしている。なお、回転数Nの変更は、駆動力を伝達するときのギア比を変更するなどの任意の方法を用いることができる。
【0072】
このようなブラシローラ80、82を用いた現像部14では、PS版12の感光層面をブラシローラ80によってブラッシングし、次に、ブラシローラ82によってブラッシングする。
【0073】
ここで、図6に示すように、ブラシローラ80の境界部90AがPS版12の表面に対向する軌跡92を軌跡92Aとし、、ブラシローラ82の境界部90BがPS版12の表面に対向する軌跡92を軌跡92Bとすると、ブラシローラ80、82の間では、帯体166の幅Wが同じであるために、軌跡92Aと軌跡92Bとでは、それぞれ間隔Xとなる。
【0074】
一方、ブラシローラ80、82では、回転方向が同じであるが、回転数Nが異なっている。このために、軌跡92Aの角度θ1と軌跡92Bの角度θ2が異なる。これにより、ブラシローラ80、82はPS版12の表面に異なる軌跡のパターンを形成している。
【0075】
このとき、ブラシローラ82の回転数N2が、ブラシローラ80の回転数N1よりも大きい(N1<N2)ため、軌跡92Aの角度θ1が軌跡92Bの角度θ2よりも小さくなる(θ1<θ2)。これにより、軌跡92A、92Bは、PS版12上で交差し、重なり合うことがない。
【0076】
したがって、ブラシローラ80による軌跡92Aと、ブラシローラ82による軌跡92BがPS版12の表面で重なり合うことにより、PS版12にこすりムラが現れるのを抑えることができ、ブラシローラ80、82によって互いの軌跡92A、92Bを打ち消すようにブラッシングすることができる。
【0077】
なお、ブラシローラ80、82の回転数N1、N2の差は、任意に設定することができるが、大きい方がより好ましい。この回転数N1、N2の差を大きくすることにより、軌跡92Aの角度θ1と軌跡92Bの角度θ2の差が大きくなり、より確実にこすりムラが現れる(目立つ)のを抑えることができる。
【0078】
また、実施例1では、ブラシローラ82の回転数N2をブラシローラ80の回転数N1よりも大きくした(N1<N2)が、逆にブラシローラ80の回転数N1をブラシローラ82の回転数N2よりも大きくするようにしても良い(N1>N2)。
【0079】
(実施例2)
図7には、実施例2に適用したブラシローラ80、82の配置を示している。この実施例2では、ブラシローラ80、82としてブラシローラ84を用いており、また、実施例1でブラシローラ80、82の間の回転数Nを変更しているのに対して、実施例2では、ブラシローラ80、82の間で回転方向を変えている。
【0080】
すなわち、実施例2では、ブラシローラ80、82として用いているブラシローラ84を回転数Nで回転するときに、ブラシローラ82として用いるブラシローラ84を矢印C方向へ回転させるのに対して、ブラシローラ80として用いるブラシローラ84を矢印C方向と反対方向である矢印E方向へ回転駆動するようにしている。なお、2本のブラシローラ84の間での回転方向の変更は、駆動力を伝達するときのギア数を変えるなどの任意の方法を用いることができる。
【0081】
これにより、図8に示すように、ブラシローラ80の境界部90がPS版12の表面に対向する軌跡92を軌跡92Dとし、ブラシローラ82の境界部90がPS版12の表面に対向する軌跡92を軌跡92Cとすると、ブラシローラ80、82の間では、帯体166の幅Wが同じであるために、軌跡92Cと軌跡92Dとでは、それぞれの間隔Xが同じとなる。
【0082】
一方、ブラシローラ80、82では、回転方向が異なっている。このために、軌跡92Cと軌跡92Dでは、傾き方向が異なる。すなわち、ブラシローラ82による軌跡92Cが角度θ3でPS版12の搬送方向に対して右側に傾くのに対して、ブラシローラ80による軌跡92Dは、角度θ4でPS版12の搬送方向に対して左側に傾く。これにより、ブラシローラ80、82はPS版12の表面に異なる軌跡のパターンを形成している。
【0083】
このとき、軌跡92C、92Dは、PS版12上で交差し、重なり合うことがない。
【0084】
したがって、ブラシローラ80による軌跡92Dと、ブラシローラ82による軌跡92CがPS版12の表面で重なり合うことにより、PS版12にこすりムラが現れるのを抑えることができ、ブラシローラ80、82によって互いの軌跡92(92D、92C)を打ち消すようにブラッシングすることができる。
【0085】
なお、ブラシローラ80、82の回転方向は、互いに異なれば良く、本実施例に限定するものではない。
【0086】
(実施例3)
図9には、実施例3に適用したブラシローラ80、82の配置を示している。実施例3では、ブラシローラ82としてブラシローラ84を用いると共に、ブラシローラ80としてブラシローラ86を用いている。
【0087】
ブラシローラ86は、ブラシローラ84に対して、帯体166のローラ本体164への巻付け方向を変えている。すなわち、ブラシローラ84は、図9の紙面右側から見てローラ本体164に反時計方向に帯体166を巻付けているのに対して、ブラシローラ86は、帯体166を図9の紙面右側から見て時計方向に巻付けている。
【0088】
これにより、ブラシローラ86では、ブラシローラ84の境界部90Aと反対方向に螺旋状となっている境界部90Cが形成されている。
【0089】
このように、実施例3では、2本のブラシローラ80、82の間の帯対166の巻付け方向を変えている。
【0090】
このように構成したブラシローラ80(86)、82(84)を用いた現像部14では、PS版12を搬送速度Vで搬送しながら、ブラシローラ80、82を同一方向(例えば矢印C方向)へ、略同一の回転数Nで回転駆動し、PS版12の感光層面を、まず、ブラシローラ80によってブラッシングし、次に、ブラシローラ82によってブラッシングする。
【0091】
これにより、PS版12の表面には、実施例2に近い軌跡のパターンが得られる(図8参照)。すなわち、ブラシローラ82の境界部90Aの軌跡92は、軌跡92Cとなる。これに対して、ブラシローラ80として用いたブラシローラ86の境界部90Cに対する軌跡92は、間隔XでPS版12の搬送方向に対して左側に傾斜し、軌跡92Dに近似する。
【0092】
したがって、帯体166の巻付け方向が異なるブラシローラ84(82)、86(80)を用いて、ブラシローラ84(82)、86(80)を同一方向へ回転駆動させたときにも、それぞれの軌跡92がPS版12上で交差し、重なり合うことがない。
【0093】
これにより、2本のブラシローラ80、82によってそれぞれの境界部90に対する軌跡92を打ち消すようにブラッシングでき、PS版12にこすりムラが現れるのを抑えることができる。なお、ブラシローラ80としてブラシローラ84を用い、ブラシローラ82としてブラシローラ86を用いても良いことは言うまでもない。
【0094】
(実施例4)
図10には、実施例4に適用したブラシローラ80、82の配置を示している。実施例4では、ブラシローラ80としてブラシローラ84を用い、ブラシローラ82としてブラシローラ88を用いている。
【0095】
このブラシローラ88は、ローラ本体164としてブラシローラ84のローラ本体164Aよりも外径寸法の大きいローラ本体164Bを用いている。すなわち、ブラシローラ88は、外径d1のローラ本体164Aよりも大きい外径d2(d1<d2)のローラ本体164Bを用い、このローラ本体164Bに帯体166を螺旋状に巻付けている。これにより、ブラシローラ88の外径D2をブラシローラ84の外径D1よりも大きくしている(D1<D2)。
【0096】
現像部14では、PS版12を搬送速度Vで搬送しながら、ブラシローラ84、88を同一方向(例えば矢印C方向)へ、略同一の回転数Nで回転駆動し、PS版12の感光層面を、まず、ブラシローラ80として用いているブラシローラ84によってブラッシングし、次に、ブラシローラ82として用いているブラシローラ88によってブラッシングする。
【0097】
このように外径寸法の異なるブラシローラ84、88でPS版12をブラッシングした場合、帯体166の幅Wが同じであるために、ブラシローラ84の境界部90Aによる軌跡92の間隔X1は、ブラシローラ88の境界部90Dによる軌跡92の間隔X2より広くなる(X1>X2)。また、帯体166の巻付け方向及びブラシローラ84、88の回転方向も同じとなるために、軌跡92の傾き方向は同じになる。
【0098】
これに対して、ブラシローラ88の帯体166の巻付け角度は、ブラシローラ84の帯体166の巻付け角度より小さくなるので、ブラシローラ84の境界部90Aによる軌跡92の角度θよりも、ブラシローラ88の境界部90Cによる軌跡92の角度θが大きくなる。
【0099】
すなわち、外形寸法の異なるブラシローラ84、88をブラシローラ80、82として用いたときには、実施例1の図6に近い軌跡92のパターンが得られる。
【0100】
したがって、PS版12には、ブラシローラ80(84)の軌跡92とブラシローラ82(88)の軌跡92が交差する2パターンの軌跡92が形成され、互いの境界部90による軌跡92を打ち消すようにブラッシングすることができる。これにより、実施例4においても、PS版12にこすりムラが現れるのを抑えることができ。
【0101】
(実施例5)
図11には、実施例5に適用したブラシローラ80、82の配置を示している。この実施例5では、ブラシローラ82としてブラシローラ84を用い、ブラシローラ80としてブラシローラ94を用いている。
【0102】
ブラシローラ84は、幅W1の帯体166Bを螺旋状に巻付けているのに対して、ブラシローラ94は、幅W1よりも広い幅W2(W1<W2)となるように形成した帯体166Aをローラ本体164に螺旋状に巻付けている。すなわち、実施例5では、ブラシローラ80、82の間で帯体166の幅寸法を変えている。
【0103】
これにより、ブラシローラ82として用いるブラシローラ84では、間隔X3の境界部90Aが螺旋状に形成されているのに対して、ブラシローラ80として用いるブラシローラ94では、間隔X4の境界部90Eが螺旋状に形成される。
【0104】
ブラシローラ80、82として、このようなブラシローラ94、84を用いた現像部14では、PS版12の感光層面をまず、ブラシローラ94によってブラッシングし、次に、ブラシローラ84によってブラッシングする。このとき、現像部14では、PS版12を搬送速度Vで搬送しながら、ブラシローラ84、94を同じ回転数N及び同じ回転方向(例えば矢印C方向)で回転駆動して、PS版12をブラッシングする。
【0105】
ここで、ブラシローラ84、94の間では、回転数N、回転方向(矢印C方向)及びPS版12の搬送速度Vが同一である。したがって、ブラシローラ84の境界部90Aによる軌跡92の角度θよりも、ブラシローラ94の境界部90Eによる軌跡92の角度θが大きくなる(図示省略)。
【0106】
一方、ブラシローラ84のローラ本体164に巻付けている帯体166Bが幅W1であるのに対して、ブラシローラ94のローラ本体164に巻付けている帯体166Aが幅W2となっている。このために、ブラシローラ84の境界部90Aによる軌跡92の間隔X3となるのに対して、ブラシローラ94の境界部90Eによる軌跡90は、間隔X3より広い間隔X4となる(X3<X4)。すなわち、PS版12には、間隔Xの異なるパターンの軌跡92が形成される。
【0107】
したがって、ブラシローラ94を用いたブラシローラ80と、ブラシローラ84を用いたブラシローラ82の間で、互いの軌跡92が重なり合うのを抑えるようにブラッシングできる。
【0108】
これにより、PS版12にスジ状のこすりムラが現れるのを抑え、帯体166の境界部90が起因するPS版12の仕上がり品質の低下を防止することができる。
【0109】
このように、PS版プロセッサー10では、2本のブラシローラ80、82を用いてPS版12をブラッシングするときに、ブラシローラ80、82の間で回転速度、回転方向、外径寸法、帯体166の巻付け方向又は帯体166の幅寸法の何れかを変えることにより、ブラシローラ80、82による帯体166の境界部90に起因するPS版12上のそれぞれの軌跡92のパターンが異なるようにすることにより、境界部90による軌跡92がこすりムラとしてPS版12の表面に現れてしまうのを確実に抑えることができる。
【0110】
これにより、PS版プロセッサー10では、ローラ本体164に螺旋状に巻付けた帯体166の境界部90によってPS版12の表面にこすりムラが生じることによるPS版12の仕上がり品質の低下を確実に防止するようにしている。
【0111】
なお、以上説明した第1の実施の形態では、2本のブラシローラ80、82を設け、ブラシローラ80、82の間で、回転数、回転方向、外径寸法、帯体166の巻付け方向又は帯体166の幅寸法の何れかを変えるようにしたが、例えば、帯体166の幅と回転数を変えるなどのように、これらの変更条件を組み合わせるようにしても良く、これによりPS版12の表面に帯体166の境界部90による軌跡92がこすりムラとして現れてPS版12の仕上がり品質を低下させてしまうのを、より確実に防止することができる。
【0112】
また、第1の実施の形態では、2本のブラシローラ80、82を例に説明したが、3本以上のブラシローラによってPS版12の感光層面をブラッシングするときにも適用することができる。このとき、少なくとも2本のブラシローラの間で、回転速度、回転方向、外径寸法、帯体166の巻付け方向又は帯体166の幅寸法の少なくともひとつの条件を変えることにより、帯体166の境界部90による軌跡92のパターンが少なくとも2パターとなるようにすれば良く、全てのブラシローラの間で、回転数、回転方向、外径寸法、帯体166の巻付け方向又は帯体166の幅寸法の少なくとも一つの条件を変えることにより、それぞれのブラシローラがPS版12の表面で異なる軌跡のパターンを形成することがより好ましい。
[第2の実施の形態]
以下に第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態の基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同一であり、第2の実施の形態において第1の実施の形態と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0113】
図12には、第2の実施の形態に係るブラシローラ80、82の概略配置を示している。ブラシローラ80、82としては、ブラシローラ84を用いている。これにより、ブラシローラ80、82の境界部90に起因するのPS版12上の軌跡92は、PS版12の搬送方向に対して同じ傾斜角度のパターンとなる。
【0114】
一方、ブラシローラ80、82は、PS版12の搬送路に沿って距離L(mm)の間隔で配置されている。これにより、PS版12を搬送速度V(mm/min)でブラシローラ80、82を回転数N(r/min)で回転することにより、搬送路に沿って搬送されるPS版12の先端がブラシローラ80に接触してから、ブラシローラ82に接触するまでにブラシローラ80が回転する回数Mは、
M=L・N/V
となる。
【0115】
第1の実施の形態で述べたように、ブラシローラ84が矢印C方向に回転することにより、PS版12には、軌跡92が間隔Xで形成される。
【0116】
ところで、例えばブラシローラ84をPS版12に接触させた状態で、ブラシローラ84を回すことにより、境界部90がPS版12に接触する位置は、PS版12の幅方向に移動する。すなわち、ブラシローラ84の境界部90のPS版12への接触位置は、ブラシローラ84の回転位置に応じてズレる。
【0117】
ここで、ブラシローラ80として用いるブラシローラ84の軸線方向端部の帯体の境界部90Aの端の部分がPS版12に接触する位置と、ブラシローラ82として用いるブラシローラ84の軸線方向端部の帯体166の境界部90Bの端の部分がPS版12に接触する位置が一致すると、ブラシローラ80の境界部90Aの軌跡92Eとブラシローラ82の境界部90Bの軌跡92Fが重なり、PS版12にこすりムラが現れることになる。
【0118】
すなわち、図13に示すように、ブラシローラ80の境界部90Aによる軌跡92Eとブラシローラ82の境界部90Bによる軌跡92Fのズレを位相差φとすると、この位相差φがφ=0°(又は360°)となることにより、軌跡92Eと軌跡92Fが重なってPS版12にこすりムラが現れ易くなる。なお、位相差φは、0°≦φ≦360°とする。
【0119】
ここで、第2の実施の形態では、ブラシローラ80の境界部90Aによる軌跡92Eと、ブラシローラ82の境界部90Bによる軌跡92Fをずらすことにより、PS版12にこすりムラが現れるのを防止する。
【0120】
すなわち、位相差φを、
φ≠0°
とする。さらに、軌跡92E、92Fの幅を考慮して、好ましくは、
20°≦φ≦340°
とする。
【0121】
これにより、PS版12の表面にこすりムラが現れるのを防止することができる。なお、位相差φがφ=180°のときには、軌跡92Fが2つの軌跡92Eの中間位置となる。
【0122】
ここで、回数Mが整数の時に、ブラシローラ80の境界部90Aによる軌跡92Eと、ブラシローラ82の境界部90Bによる軌跡92Fとの間に所定の位相差φを生じさせるためには、装置の設置時や稼動停止時に予めブラシローラ80、82を相対的に回して、軌跡92Eと軌跡92Fが重ならない位置にブラシローラ80に巻付けられた帯体166の境界部90Aの軸線方向の端の部分のPS版12に対する位置と、ブラシローラ82に巻かれた帯体166の境界部90Bの軸線方向の端の部分のPS版12に対する位置をずらせば良い。勿論、軌跡92Eと軌跡92Fが重ならないように、PS版12の版面に対するブラシローラ80に巻かれた帯体166の境界部90A全体と、ブラシローラ82に巻かれた帯体166の境界部90B全体の位置をずらしても良い。
【0123】
また、位相差φがφ=0°となるようにブラシローラ80、82の向きが固定されているときには、回数Mが整数とならないように、PS版12の搬送速度V、回転数Nないし距離Lを調整すれば良い。
【0124】
このとき、軌跡92E、92Fの幅を考慮して、例えば回数Mの演算結果の小数点以下2桁目を四捨五入などの端数処理を行ったときに処理結果の小数点以下1桁目が「0」 とならないようにすることが好ましい。すなわち、回数Mの小数点以下1桁目を四捨五入した結果をI1(M)とし、回数Mの小数点以下2桁目を四捨五入した結果をI2(M)としたときに、
1(M)≠I2(M)
となるようにすることがより好ましい。
【0125】
このように、ブラシローラ80、82がPS版12の版面に接触するときに、ブラシローラ80の境界部90Aによる軌跡92Eとブラシローラ82の境界部90Aによる軌跡92Fの間に所定の位相差φを持たせて、軌跡92E、92Fをずらすことにより、2本のブラシローラ80、82の境界部90Aが起因するこすりムラがPS版12の版面上に現れるのを抑え、こすりムラの現れない仕上がり品質の高いPS版12を得ることができる。
【0126】
なお、第2の実施の形態では、2本のブラシローラ80、82を例に説明したが、2本以上のブラシローラを設けたときには、少なくとも任意の2本のブラシローラの間で軌跡92がズレるようにすれば良い。
【0127】
なお、以上説明した本実施の形態では、1本の帯体166をローラ本体164に螺旋状に巻付けた所謂1条巻のブラシローラ80、82を例に説明したが、ブラシローラとしては、2本以上の帯体166を螺旋状に巻付けた所謂多数状巻であっても良い。また、本実施の形態では、ローラ本体164に帯体166を密着巻きしたが、帯体166の間に僅かに隙間を空けたピッチ巻きにしたブラシローラを用いても良い。
【0128】
また、本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本発明は、フォトポリマー版やサーマル版、水なし平版印刷版などのPS版に限らず、X線フィルム、一般白黒フィルム、カラーフィルム、黒白印画紙、カラー印画紙等の他の感光材料を処理する感光材料処理装置において、ブラシローラを用いるときには、適用が可能である。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも2本のブラシローラによって感光材料の同一面側をブラッシングするときに、ブラシローラの間で帯状部材の幅寸法を異ならせる。
【0130】
これにより、ブラシローラによってブラッシングした感光材料の仕上がり品質を低下させてしまうのを防止して、仕上がり品質の高い感光材料を得ることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用した自動現像装置の概略構成図である。
【図2】本実施の形態に適用したブラシローラを示す概略斜視図である。
【図3】(A)乃至(D)は、本実施の形態に適用される帯体の製造工程の一例を示す流れ図である。
【図4】ブラシローラの境界部のPS版上の軌跡の一例を示すPS版の表面の概略図である。
【図5】第1の実施の形態の実施例1に係るブラシローラの配置を示す概略図である。
【図6】第1の実施の形態の実施例1に係る境界部による軌跡の一例を示す概略図である。
【図7】第1の実施の形態の実施例2に係るブラシローラの配置を示す概略図である。
【図8】第1の実施の形態の実施例2に係る境界部による軌跡の一例を示す概略図である。
【図9】第1の実施の形態の実施例3に係るブラシローラの配置を示す概略図である。
【図10】第1の実施の形態の実施例4に係るブラシローラの配置を示す概略図である。
【図11】第1の実施の形態の実施例5に係るブラシローラの配置を示す概略図である。
【図12】第2の実施の形態に係るブラシローラの配置を示す概略図である。
【図13】第2の実施の形態に係る境界部の軌跡の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
10 PS版プロセッサー(感光材料処理装置)
12 PS版(感光材料)
14 現像部
80、82(84、86、88、94) ブラシローラ
90(90A、90B、90C、90D) 境界部(境界部分)
92(92A、92B、92C、92D、92E、92F) 軌跡
164(164A、164B) ローラ本体
166(166A、166B) 帯体(帯状部材)
168 織物(帯状部材)
170 毛材

Claims (3)

  1. 表面に毛材が設けられた帯状部材をローラ本体の周面に一端側から他端側へ螺旋状に巻き付け、前記帯状部材を固定手段によって前記ローラ本体に固定して形成したブラシローラによって感光材料の表面をブラッシングして処理する感光材料処理装置であって、
    前記ローラ本体に幅寸法が異なる前記帯状部材が巻き付けられて形成された少なくとも2本のブラシローラを
    前記感光材料の同一面側に対向させて感光材料の搬送路に沿って配置し、
    前記少なくとも2本の前記ブラシローラのそれぞれによって前記感光材料をブラッシングすることを特徴とする感光材料処理装置。
  2. 前記少なくとも2本のブラシローラの回転方向が異なることを特徴とする請求項1に記載の感光材料処理装置。
  3. 前記少なくとも2本のブラシローラの前記ローラ本体に巻付ける前記帯状部材の巻付け方向を変えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光材料処理装置。
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