JP4131142B2 - 床材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建築物における室内の床面や階段踏面等に用いられる床材に関し、特に、化粧面から溝を切削加工する際にバリやヒゲ、白化等の切削不良を発生しにくい、切削性が向上された床材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、住宅等の建築物における室内床面等に用いられる床材としては、厚み6〜15mm程度の天然木材の無垢板や、厚み6〜15mm程度の積層合板等の木質基材上に厚み0.2〜1mm程度の天然木突板を貼着したもの等の、木質系フローリング材が、最も広く使用されている。しかし、この木質系フローリング材は、表面が天然木材からなるため、本質的に耐水性が弱く、厨房や洗面所等の様に床面が水に濡れる機会の多い箇所に使用すると、水分の滲み込みにより突板層の膨れや剥離、床材全体の反りや腐蝕等が発生し易いという問題がある。
【0003】
そこで、積層合板等の木質基材上に、従来の天然木突板に代えて、耐水性に優れた熱可塑性樹脂シートに、木目模様等を印刷等により人工的に表現した意匠を付与してなる化粧シートを貼着した床材も、既に提案されている(実用新案登録第3051530号等)。しかし、床材には一般に、古来の寄せ木貼り床面の意匠を模倣して、表面に溝加工が施される場合が多いが、化粧シートは高々300μm以下程度の薄いシート体であるから、一般的な深さ(0.2mm〜2mm程度)の溝加工を施すと、溝部には木質基材が露出し、ここから滲み込んだ水分により、化粧シート層の膨れや剥離、床材全体の反りや腐蝕等が発生してしまうという問題がある。
【0004】
この問題を解決するために、積層合板等の木質基材と化粧シートとの間に熱可塑性樹脂板を介在させ、該熱可塑性樹脂板を貫通しない深さの溝加工を施すことにより、溝部から木質基材への水分の染み込みを防止し、耐水性を向上した床材の提案もある(特開2001−191454号等)。しかし、熱可塑性樹脂板は木質基材と異なり熱可塑性樹脂からなるため、溝加工時の切削刃との摩擦による発熱のために軟化して引き伸ばされ、バリやヒゲを発生したり、切削部分が白化したりして、床材の表面の意匠を損ない易いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記のような問題点を解決するためになされたものであり、化粧面から溝加工を施しても十分な耐水性を維持できると共に、該溝加工時にバリやヒゲ、白化等の切削不良を発生しにくい、切削性が向上された床材を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、木質基材の表面に熱可塑性樹脂中間層を介して化粧シートが積層され、該化粧シートの表面から該化粧シートの厚みを越え前記熱可塑性樹脂中間層の層内に至る深さの溝加工が施されてなる床材において、前記熱可塑性樹脂中間層が、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、及びポリブタジエンから選ばれたガラス転移温度が0℃以下の熱可塑性樹脂90〜25重量%と、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及びポリメチルメタクリレートから選ばれたガラス転移温度が45℃以上の熱可塑性樹脂10〜75重量%との混合熱可塑性樹脂組成物に対して、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる相溶化剤を0.005〜10重量部添加した樹脂からなることを特徴とする床材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の床材は、図1に示す様に、積層合板等からなる木質基材1の表面に、耐水性に優れた熱可塑性樹脂中間層2を介して、耐水性に優れた熱可塑性樹脂シートからなる意匠性付与のための化粧シート3が積層され、該化粧シート3の表面から、熱可塑性樹脂中間層2の層内に至り、木質基材1には達しない深さの溝加工が施されて溝部4が形成されてなる床材であって、該溝部4を形成するための溝加工の際に、熱可塑性樹脂中間層2が切削熱により引き伸ばされてバリやヒゲ、白化等を発生しにくく、溝加工後に良好な意匠性が得られる様に、熱可塑性樹脂中間層2を、ガラス転移温度が0℃以下の熱可塑性樹脂90〜25重量%と、ガラス転移温度が45℃以上の熱可塑性樹脂10〜75重量%との混合熱可塑性樹脂組成物を主体として構成したことを特徴とするものである。
【0008】
熱可塑性樹脂中間層2を構成する混合熱可塑性樹脂組成物の第一の成分である、ガラス転移温度が0℃以下の熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン(ガラス転移温度約−125℃)、高密度ポリエチレン(同約−125℃)、ポリプロピレン(同約−10〜−20℃)、ポリブテン(同約−25℃)、ポリブタジエン(同約−100℃)等、第二の成分である、ガラス転移温度が45℃以上の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(同約67〜82℃)、ポリブチレンテレフタレート(同約60℃)、ポリエチレンナフタレート(同約112〜120℃)、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート(同約78℃)、ポリカーボネート(同約150℃)、ポリスチレン(同約98℃)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(同約100〜110℃)、ポリアミド系樹脂(同約45〜70℃)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(同約55〜65℃)、ポリメチルメタクリレート(同約90〜105℃)等を、それぞれ単独で若しくは複数種を任意に組み合わせて使用することができる。
【0009】
上記のように、ガラス転移温度が0℃以下及び45℃以上の熱可塑性樹脂を混合することにより、熱可塑性樹脂中間層2の切削性が向上する原理については、必ずしも定かではないが、この混合樹脂組成物中においては、微視的に見れば、ガラス転移温度の低い樹脂と高い樹脂とは均一に混合しているのではなく、ガラス転移温度が低い樹脂からなる部分と、ガラス転移温度が高い樹脂からなる部分とがランダムに配列した集合体によって構成されていると考えられ、溝加工中の切削刃との摩擦熱による熱軟化挙動が両者間で異なっていることにより、樹脂組成物全体が均一に伸びることができずに伸びが阻害され、その結果、バリやヒゲ、白化などの発生が抑制されるものと考えられる。
【0010】
従って、両者の混合比率に関しても、両者の熱軟化挙動の差が樹脂組成物全体としての熱軟化挙動に顕著に影響する範囲内から選ぶ必要がある。ガラス転移温度が低い熱可塑性樹脂を主とし、ガラス転移温度が高い熱可塑性樹脂を従とする混合比率領域では、前者のマトリックスの中に後者の粒子が分散した形態を取り易く、従って、後者の比率が比較的に少なくても、熱軟化状態において後者が前者の変形の阻害要因となり易いため、後者は10重量%以上混合されていれば、切削性向上効果が発現する。一方、後者を主とする混合比率領域では、後者のマトリックスの中に前者の粒子が分散した形態を取り易く、そうすると、樹脂組成物全体としての熱軟化挙動は実質的に後者の熱軟化挙動によって決定されてしまうことになるので、後者のマトリックスが前者によって適当に分断された形態を取る混合比率範囲、すなわち後者が75重量%以下の範囲において、顕著な切削性向上効果が発現するものと考えられる。
【0011】
ガラス転移温度の異なる複数種の樹脂を混合して用いるにあたり、各樹脂間の相溶性(界面密着性)が乏しいと、機械的強度が低下して脆く割れ易くなり、床材として要求される表面強度や耐衝撃性が不十分となる場合がある。この問題を回避するためには、上記混合樹脂組成物に、例えばスチレン−ブタジエン共重合体や、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレンに代表される不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂などの相溶化剤を添加することが望ましい。相溶化剤の添加量は、一般的には、上記混合樹脂組成物100重量部当たり0.05〜10重量部程度である。
【0012】
本発明の床材に、床材として十分な表面強度(耐傷付き性、耐圧痕性、耐キャスター性)を与えるべく、熱可塑性樹脂中間層2の機械的強度を強化するために、熱可塑性樹脂中間層2には適宜の充填剤を添加することができる。この充填剤として具体的には、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、ガラス粉、ガラス繊維、ガラスビーズ、雲母粉、金属粉等の無機系充填剤や、木粉、紙粉、籾殻、木材パルプ、合成樹脂ビーズ等の有機系充填剤等を任意に使用することができる。充填剤の配合量としては通常、混合熱可塑性樹脂組成物100重量部当たり5〜400重量部程度であるが、表面硬度の強化には高充填化が必要であり、より好ましくは150〜400重量部程度の充填剤を配合することが望ましい。
【0013】
熱可塑性樹脂中間層2は、適宜の色彩に着色されていても良く、特に、床材における溝部4に所望される色彩に着色されていると、溝加工後の溝部4への塗装工程を省略することができる利点がある。この着色は、例えば酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、コバルトブルー等の無機顔料や、アントラキノン、イソインドリノン、キナクリドン、フタロシアニン等の有機顔料等の着色剤の添加によるのが通例である。また、充填剤として木粉が添加されている場合には、この木粉によっても木材に近似した色彩に着色されると共に、木材に近似した繊維感や照り感などの木質感も付与されるので、木目調の化粧シート3を用いた木目調の床材の場合には特に好適である。
【0014】
熱可塑性樹脂中間層2の厚みには特に制限はないが、少なくとも表面から施そうとする溝加工による溝部4の深さから、表面に積層する化粧シート3の厚みを差し引いた厚み以上は必要であり、さらに溝部4の底部における残厚が少なくとも0.2mm以上となる様な厚みを選ぶことが望ましく、通例0.5〜5mm程度の範囲内から選ばれる。
【0015】
木質基材1としては、例えば積層合板や、単板積層材、配向性ボード、パーティクルボード、高密度繊維板等、従来公知の各種の木質系ボード類を任意に使用2することができる。中でも最も代表的なのは積層合板であり、これは、複数枚(通常は奇数枚)の木材単板をその繊維方向を交互に直交させて積層接着してなるものであり、該木材単板の材種としては、ラワン材等の広葉樹材やパイン材等の針葉樹材のいずれか若しくはそれらの混合であっても良い。最表面の木材単板として、例えばクルイン材、カプール材、メンクラン材等、シリカ分を含み硬質で耐久性の高い南洋材系の材種を使用すれば、更に表面強度に優れた床材を得ることができる。
【0016】
木質基材1の厚みには特に制限はないが、床材の総厚としては通例6〜15mm程度の範囲内から選ばれるから、これから熱可塑性樹脂中間層2及び化粧シート3の厚みを差し引いた厚みに設定され、通例2.5〜12mm程度の範囲内で設計される。
【0017】
化粧シート3は、床材の表面に所望の意匠や耐摩耗性、耐傷付き性、耐溶剤性、耐候性、耐油性等の表面物性を付与するために設けられるものであり、薄葉紙等の紙の表面に絵柄の印刷及び表面保護コート層を施した紙質系の化粧シートなどであっても良いが、上記した表面物性の観点からは、熱可塑性樹脂製の化粧シート3を使用することが最も望ましい。
【0018】
上記熱可塑性樹脂製の化粧シート3とは具体的には、熱可塑性樹脂からなる不透明な基材シートの表面に絵柄層を設けたものや、熱可塑性樹脂からなる透明な基材シートの裏面及び/又は表面に絵柄層を設けたもの、それらの表面に表面保護層を設けたものなどの単層構成の化粧シートであっても良い。しかし、意匠性、接着適性、耐候性、耐溶剤性、耐摩耗性等の各種要求品質を考慮すると、透明又は不透明の熱可塑性樹脂からなる基材シート上に、絵柄層を介して、透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設けてなる、複層構成の化粧シートを使用することが最も好適である。なお、絵柄層は、基材シートと透明樹脂層との層間に設けるほか、透明樹脂層の表面や、基材シートが透明である場合にはその裏面などに設けることも、勿論差し支えない。
【0019】
化粧シート3の主体である、基材シートや透明樹脂層等の構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用することができる。特に、床材としての表面物性や加工性、経済性、廃棄性(焼却性も含む)等を考慮すると、化粧シート3の材料としてはポリオレフィン系樹脂及び/又はポリエステル系樹脂を使用することが望ましい。さらに、床材の使用後や加工中に発生する廃材の処理を考慮すると、熱可塑性樹脂中間層2に含まれる樹脂と同系のものを使用すれば、熱可塑性樹脂中間層2と化粧シート3とを分離することなく、そのまま熱可塑性樹脂中間層2の原料として再利用することができる利点がある。
【0020】
化粧シート3に施す絵柄層の絵柄の種類には特に制限はなく、例えば木目柄、石目柄、抽象柄等、所望により任意である。また、化粧シート3には、木質基材1及び/又は熱可塑性樹脂中間層2の表面の好ましくない色彩や色ムラ、欠陥等を隠蔽して意匠性を高めるために、隠蔽性が要求される場合が多い。化粧シート3に隠蔽性を付与するには、絵柄層より裏面側の熱可塑性樹脂層、すなわち上述した複層構成の化粧シートにおける基材シートに、酸化チタンや酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄等の不透明顔料を添加して、隠蔽性に着色しておくことが最も有効である。その他、絵柄層の裏面側に、不透明顔料を含有する不透明印刷インキ等により隠蔽層を形成したり、これらを併用することもできる。
【0021】
上記のほか、化粧シート3には必要に応じて、表面にエンボス加工を施したり、該エンボスの凹部にワイピング法により着色剤を充填したり、表面に艶調整及び表面保護を兼ねたトップコート層を施したり、該トップコート層として艶状態の異なる樹脂層を設けて艶差により視覚的立体感を表現したり、該トップコート層に減摩剤を添加して耐摩耗性や耐傷付き性を向上させたり、裏面にプライマー層を設けて熱可塑性樹脂中間層2との接着性を向上させたりしてもよい。また、化粧シート3における透明樹脂層及び/又はトップコート層に紫外線吸収剤、光安定剤等を添加して耐候性を向上させることも、任意に行うことができる。
【0022】
本発明の床材の製造にあたり、木質基材1と熱可塑性樹脂中間層2との積層方法、及び、熱可塑性樹脂中間層2と化粧シート3との積層方法に関しては、何ら限定されるものではなく、例えば適宜の接着剤を介したウェットラミネート法又はドライラミネート法や、接着剤を介するか又は介さない熱ラミネート法、溶融熱可塑性樹脂の押出層を介するサンドラミネート法、超音波融着法、高周波融着法等、従来公知の任意の積層方法から任意に選択して実施することができる。
【0023】
また、これら3層の積層の順序も特に問わず、予め木質基材1と熱可塑性樹脂中間層2とを積層しておいてから、その熱可塑性樹脂中間層2側の面に化粧シート3を積層しても良いし、逆に、予め熱可塑性樹脂中間層2と化粧シート3とを積層しておいてから、その熱可塑性樹脂中間層2側の面に木質基材1を積層しても良く、或いは、木質基材1、熱可塑性樹脂中間層2及び化粧シート3の3層を同時に積層しても勿論構わない。
【0024】
また、予め板状に成形された熱可塑性樹脂中間層2を木質基材1及び化粧シート3と積層する代わりに、熱可塑性樹脂中間層2の押出成形法又は射出成形法等による成形と同時に、その溶融状態における粘着力を利用して、木質基材1及び/又は化粧シート3と積層することも可能である。例えば押出成形法であれば、木質基材1の表面に、又は化粧シート3の裏面に、若しくは木質基材1と化粧シート3との層間に、熱可塑性樹脂組成物を溶融状態で押出すと同時に積層し、冷却固化させて熱可塑性樹脂中間層2を形成させる手法を採用することもできる。
【0025】
また、溝部4の切削加工の時期についても、少なくとも熱可塑性樹脂中間層2と化粧シート3との積層後であれば良く、この両者の積層後に木質基材1を積層する場合にあっては、木質基材1との積層前であっても積層後であっても良い。
【0026】
本発明の床材には、従来の木質系床材の場合と同様に、木質基材1の裏面に溝加工を施したり、及び/又は、木質基材1の裏面に発泡層及び/又は繊維質層を積層したりして、床下地の不陸の吸収性、防音・遮音性、クッション性、断熱性、耐衝撃性等を付与することもできる。また、発泡層等は、木質基材1と熱可塑性樹脂中間層2との間に挟持させても良く、その方が床材表面におけるクッション性及び断熱性が高まり、素足で歩行した時の歩行感の向上や冷たい触感の解消などに有効である。
【0027】
【実施例】
実施例1
電子線架橋により長鎖分岐を持つガラス転移温度が−10℃のポリプロピレン樹脂100重量部に、ガラス転移温度が65℃のポリエチレンテレフタレート樹脂40重量部、及び、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン系相溶化剤5重量部を、二軸押出混練機によって混合、ペレット化し、該ペレットをT型押出機に投入して厚み1mmに押し出しながら両面にコロナ放電処理を施し、熱可塑性樹脂中間層を作製した。
【0028】
酸化鉄及び酸化チタンにより不透明に着色された厚み80μmのランダムポリプロピレン系樹脂シートの表面に、ウレタン系インキにて木目柄を印刷し、該印刷面に押出ラミネート法にてホモポリプロピレン樹脂を厚み100μmに積層すると同時に、その表面に木目導管柄のエンボスを施し、更にその表面に紫外線硬化型樹脂を塗布量6g/m2に塗布し、紫外線照射により硬化させてトップコート層を形成して、化粧シートを作製した。
【0029】
上記熱可塑性樹脂中間層の表面に、上記化粧シートの着色シート面を、反応型ホットメルト接着剤(日立化成ポリマー株式会社製YR210−3)を温度120℃の溶融状態で厚み100μmに押し出しながらラミネートした。
【0030】
厚み12mmの積層合板の表面に、上記熱可塑性樹脂中間層の上記化粧シート積層面とは反対側の面を、変性酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤(中央理化工業株式会社製、リカボンドBA−10Lを100重量部にBA−11Bを2.5重量部混合、塗布量80g/m2wet)を介して貼り合わせた。
【0031】
最後に、市販のVカットマシン(東洋ラジアール工業株式会社製RS−105D、切削刃は株式会社松岡カッター製作所製木工用超硬カッターEK−219(外径220mm、厚み20mm、刃先角度90度30分、刃数10P、材質G1)を装着)を使用し、回転数6000rpm(刃の回転方向は進行方向と同一方向)にて、化粧シートの表面から深さ0.5mmのV字状溝加工を施して、本発明の床材を作製した。
【0032】
実施例2
上記実施例1において、熱可塑性樹脂中間層の樹脂配合中、ポリエチレンテレフタレート樹脂の代わりに、ガラス転移温度が100℃のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂を使用し、その他は上記実施例1と同一の要領で本発明の床材を作製した。
【0033】
比較例1
上記実施例1において、熱可塑性樹脂中間層の樹脂配合中、ポリエチレンテレフタレートの配合量を40重量部から0重量部(配合せず)に変更し、その他は上記実施例1と同一の要領で床材を作製した。
【0034】
比較例2
上記実施例1において、熱可塑性樹脂中間層の樹脂配合中、ポリエチレンテレフタレートの配合量を40重量部から5重量部に変更し、その他は上記実施例1と同一の要領で床材を作製した。
【0035】
比較例3
上記実施例2において、熱可塑性樹脂中間層の樹脂配合中、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂の配合量を40重量部から5重量部に変更し、その他は上記実施例2と同一の要領で床材を作製した。
【0036】
比較例4
上記実施例1において、熱可塑性樹脂中間層の樹脂配合中、ポリエチレンテレフタレートの配合量を40重量部から400重量部に変更し、その他は上記実施例1と同一の要領で床材を作製した。
【0037】
比較例5
上記実施例2において、熱可塑性樹脂中間層の樹脂配合中、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂の配合量を40重量部から400重量部に変更し、その他は上記実施例2と同一の要領で床材を作製した。
【0038】
評価
上記実施例1〜2及び比較例1〜5の床材について、溝加工部分の切削性(ヒゲ及び白化の有無)を目視にて観察したところ、以下の通りの結果であった。
【0039】
【0040】
【発明の効果】
以上詳細に説明した様に、本発明の床材は、木質基材と化粧シートとの間に介在させる熱可塑性樹脂中間層を、ガラス転移温度が0℃以下の熱可塑性樹脂90〜25重量%と、ガラス転移温度が45℃以上の熱可塑性樹脂10〜75重量%との混合物を主成分として構成したことにより、化粧シートの表面からその厚みを越え熱可塑性樹脂中間層の層内に至る深さの溝部を切削加工により形成する際に、バリやヒゲ、白化等の切削不良を殆ど発生しないので、表面強度、耐水性及び意匠性に優れた床材を安定した品質で生産性良く製造可能であるという顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床材の実施の形態を示す模式断面図。
【符号の説明】
1 木質基材
2 熱可塑性樹脂中間層
3 化粧シート
4 溝部
Claims (1)
- 木質基材の表面に熱可塑性樹脂中間層を介して化粧シートが積層され、該化粧シートの表面から該化粧シートの厚みを越え前記熱可塑性樹脂中間層の層内に至る深さの溝加工が施されてなる床材において、前記熱可塑性樹脂中間層が、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、及びポリブタジエンから選ばれたガラス転移温度が0℃以下の熱可塑性樹脂90〜25重量%と、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及びポリメチルメタクリレートから選ばれたガラス転移温度が45℃以上の熱可塑性樹脂10〜75重量%との混合熱可塑性樹脂組成物と、該混合熱可塑性樹脂100重量部に対して、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる相溶化剤を0.005〜10重量部添加した樹脂からなることを特徴とする床材。
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