JP2000326443A - ポリオレフィン樹脂化粧金属板 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂化粧金属板

Info

Publication number
JP2000326443A
JP2000326443A JP13627499A JP13627499A JP2000326443A JP 2000326443 A JP2000326443 A JP 2000326443A JP 13627499 A JP13627499 A JP 13627499A JP 13627499 A JP13627499 A JP 13627499A JP 2000326443 A JP2000326443 A JP 2000326443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
polypropylene
weight
decorative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13627499A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Kuroda
誠二 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP13627499A priority Critical patent/JP2000326443A/ja
Publication of JP2000326443A publication Critical patent/JP2000326443A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポリオレフィン系樹脂を使用した化粧
金属板の加工時の耐熱性、耐折り曲げ白化性、耐寒衝撃
性が不十分であったのを解消し、ポリオレフィン系樹脂
を使用しながら、「塩ビ鋼板」並みの性能を持つ化粧金
属板を提供しようとするものである。 【解決手段】 金属板2上に接着剤層3を介しポリオレ
フィン系着色ベース4、模様層7、透明ポリプロピレン
層5、および透明保護層6を順次積層し、凹凸8を形成
する等して構成した化粧金属板1の透明ポリプロピレン
層5を、特定のペンタッド分率、融解ピーク温度、およ
び融解エンタルピーの数値範囲で特定されるプロピレン
のホモポリマーで構成したことにより、課題の解決が実
現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹
脂で金属板の表面を被覆し、金属板の酸化による腐食を
防止すると同時に金属板表面に壁紙や化粧合板のような
意匠的な外観を与えた、ポリオレフィン樹脂化粧金属板
に関する。また、本発明は、特定の構成からなるポリオ
レフィン樹脂化粧シートを金属板に適用したものであ
る。
【0002】
【従来の技術】建築や車両の内外装用、家具、家電製
品、雑貨品の表面化粧用の素材として、種々のものが使
用されている。大別すれば、木質系;材木、板、木質繊
維板等、窯業系;レンガ、タイル、スレート板等、金属
系;金属板、箔等、紙;壁紙等であり、このほか、モル
タルや塗料のようなものもある。これらのうち、板状の
基板を用いて、表面に化粧を施したものとしては、木質
系基板を用いた化粧板、タイル、化粧金属板等がある。
銘木の柱や板、大理石を切り出した板等は、木目や大理
石の模様の見栄えがよいために、そのままでも使用され
るが、これら以外のものは、必ずしも本来の外観をその
まま見せず、塗装や化粧シートのラミネート等を行なっ
ている。また、石や金属の場合、実際に触った際の触感
が固い、あるいは冷たいものであることから、手に触れ
なくても、過去の経験等から、触感がよみがえり、質感
というイメージを与えるため、むしろ、基材を隠蔽し
て、全く別の意匠を施すことがある。
【0003】従来から、金属板を基板とする化粧金属板
として、鉄、ステンレス、アルミニウム等を基板とする
ものがあり、メラミン化粧板を貼ったものを除くと、多
くはポリ塩化ビニル樹脂の塗膜を表面に形成したか、あ
るいは塩化ビニル樹脂のシートを表面に貼ったもの(両
タイプを総称して「塩化ビニル樹脂化粧鋼板」、通称
「塩ビ鋼板」と言う。)である。ここで使用している塩
化ビニル樹脂は、次に例示するように、多くの長所を持
っている。 (1)溶剤等に対して適度な溶解度を備えており、塗料
化したり、溶融する等して、対象物に適用するのに適し
ている。 (2)防錆効果がある。 (3)周囲に燃焼するものがあれば燃えるが自身は燃え
にくい。 (4)接着性を有しているので、印刷やラミネートが容
易である。 (5)可塑剤の種類、添加量により、固さの調整が容易
である。 (6)加熱により軟化するので、凹凸加工を行なうのが
容易である。 (7)汎用されているため、価格が安定している。
【0004】しかし、塩化ビニル樹脂は、燃焼するとき
に発煙しやすい。また、塩化ビニル樹脂を焼却処分する
際、塩化ビニル樹脂が分解して生じる塩素と可塑剤とし
て使用されているフタル酸エステルとに由来する高温下
での反応が起こり、非常に微量ではあるが、毒性のある
ダイオキシン(代表的には、2,3,7,8−テトラク
ロロ−ダイベンゾダイオキシン、付加した塩素原子の数
や位置により、幾つかのタイプがある。)が生成され
る。従って、多くの長所を持ちながらも、他の樹脂への
代替が、塩化ビニル樹脂を使用する各分野で検討されて
いる。そこで注目されるのが、ポリエチレンやポリプロ
ピレン等のオレフィン系樹脂であるが、従来の塩化ビニ
ル樹脂が長期間、様々な検討を経て、上記の特徴を持つ
に至ったのにくらべると、製造・加工上、製品性能上、
クリアすべき点が未だ多い。特に金属板、中でも鋼板を
基板とする場合には、折り曲げ、絞り等の際に必要とさ
れる性能があり、食品包装等でポリエチレンやポリプロ
ピレンに要求される性能とは異なるものであるため、従
来の樹脂、処方がそのまま適用できない。特に必要な性
能としては、加工時の耐熱性、耐折り曲げ白化性、耐寒
衝撃性の項目であり、これらをクリアするものが無かっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、従
来のポリオレフィン系樹脂を使用した化粧金属板の加工
時の耐熱性、耐折り曲げ白化性、耐寒衝撃性が不十分で
あったのを解消し、ポリオレフィン系樹脂を使用しなが
ら、「塩ビ鋼板」並みの性能を持つ化粧金属板を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決する手段】耐熱性の向上の目的で、プロピ
レンのコポリマーではなく、ホモポリマーを使用し、ま
た、耐折り曲げ白化性および耐寒衝撃性の向上の目的
で、立体規則性の低いポリプロピレンを使用することに
より、課題の解決が実現した。
【0007】第1の発明は、同位体炭素核磁気共鳴(13
C−NMR)スペクトルによるペンタッド分率におい
て、rrrr/(1−mmmm)×100が15〜50
%であり、示差走査熱量分析計(DSC)にて測定した
融解ピーク温度(Tm)が150℃以上であり、かつD
SCにて測定した融解エンタルピー(ΔH)が100J
/g以下であるプロピレンの単独重合体および/又は4
重量%以下の他のオレフィン単位を含有するプロピレン
系共重合体からなるポリプロピレン系樹脂、又は前記ポ
リプロピレン系樹脂99〜60重量%と熱可塑性エラス
トマー共重合体1〜40重量%との樹脂組成物からなる
透明ポリプロピレン層が積層されたポリオレフィン系樹
脂化粧シートが接着剤層を介して金属板と積層されてい
ること特徴とするポリオレフィン樹脂化粧金属板に関す
るものである。第2の発明は、第1の発明において、前
記ポリオレフィン系樹脂化粧シートがポリオレフィン系
着色ベースフィルムと透明ポリプロピレン層との間に模
様層を有することを特徴とするポリオレフィン樹脂化粧
金属板に関するものである。第3の発明は、第1または
第2の発明において、前記ポリオレフィン系樹脂化粧シ
ートが透明ポリプロピレン層上に凹凸を有することを特
徴とするポリオレフィン樹脂化粧金属板に関するもので
ある。第4の発明は、同位体炭素核磁気共鳴(13C−N
MR)スペクトルによるペンタッド分率において、rr
rr/(1−mmmm)×100が15〜50%であ
り、示差走査熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピ
ーク温度(Tm)が150℃以上であり、かつDSCに
て測定した融解エンタルピー(ΔH)が100J/g以
下であるプロピレンの単独重合体および/又は4重量%
以下の他のオレフィン単位を含有するプロピレン系共重
合体からなるポリプロピレン系樹脂、又は前記ポリプロ
ピレン系樹脂99〜60重量%と熱可塑性エラストマー
共重合体1〜40重量%との樹脂組成物からなる透明ポ
リプロピレン層が積層され、前記透明ポリプロピレン層
には、表面に凹凸が施されているか、裏面に模様層を有
しているか、あるいは下層の接着剤層が着色されること
により化粧が施されており、かつ前記ポリオレフィン系
樹脂化粧シートが接着剤層を介して金属板と積層されて
いること特徴とするポリオレフィン樹脂化粧金属板に関
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図はいずれも本発明の実施態様を
示すもので、本発明のポリオレフィン樹脂化粧金属板
は、基本的には図1に示すように、金属板2上に接着剤
層3を介して着色ベース4、透明ポリプロピレン層5、
および透明保護層6が、この順に積層されたものであ
る。ここで層4および5の積層体が原則的にはポリオレ
フィン系樹脂化粧シートであるが、これには種々の変形
があり得る。例えば、図2に示すように、層4と層5と
の間には、模様層7を有していてもよい。あるいは、図
3に示すように、層5上の透明な保護層6には、凹凸8
を有していてもよい。凹凸8の凹部は着色材の充填によ
り着色されていてもよい。図4は、図1〜図3を引用し
つつ説明したいままでの例と相違していて、着色層4を
省いたものである。
【0009】金属板2の素材として適しているのは、ア
ルミニウム又はアルミニウム合金(ジュラルミン等)、
鉄、ステンレス、その他の鋼板、チタン、銅、または真
鍮等の金属単独または合金の板である。接着性の改善と
腐食防止とを目的として、酸化処理を施したり、クロム
酸塩処理、リン酸塩処理等を行ない、亜鉛、錫、または
クロム等のめっき等を施して使用する。建材としての一
般性からすると、アルミニウム、アルミニウムとマグネ
シウム等のアルミニウム合金、または鋼板、が好まし
く、中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金を使用
すると、曲げ加工や絞り加工が容易で、かつ、施工現場
で寸法を合わせるために鋸引きできる利点があり、重量
的にも軽く、また、後述する熱の拡散性も高いので好ま
しい。金属板2の厚みは、0.1mm〜5mm程度、一
例として0.5mm程度である。大きさは、910mm
×910mm、1000mm×1000mm、910m
m×1820mm、あるいは1000mm×2000m
m等が一般的であるが、このほか、任意に決めてよい。
【0010】接着剤層3は、ポリオレフィン系樹脂化粧
シートと金属板を接着するものであり、各々との接着性
を考慮して選択された接着剤を使用して構成する。接着
剤としては、熱可塑性樹脂のものと、熱硬化性樹脂のも
のとがある。熱可塑性樹脂の接着剤としては、ポリ酢酸
ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタ
ール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール
等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メ
チル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エ
ポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマ
ー、またはエチレン−アクリル酸エチルコポリマー等が
挙げられる。熱硬化性樹脂の接着剤としては、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹
脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等
が挙げられる。ゴム(エラストマー)接着剤としては、
天然ゴム、再生ゴム、スフチレン−ブタジエンゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、
ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポ
リウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチ
レンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SB
S,SIS,SEBS等)等が挙げられる。
【0011】ポリオレフィン系着色ベース4は、以下に
のべるようなポリオレフィン系樹脂を着色したものであ
る。本発明に適したポリオレフィン系樹脂としては、大
別すると、非エラストマーと、熱可塑性エラストマーの
2つのタイプがある。非エラストマーの具体例は、ポリ
エチレン(低密度、又は高密度)、ポリプロピレン(イ
ソタクチック型、シンジオタクチック型、又はこれらの
混合型)、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン
/プロピレン共重合体、プロピレン/ブテン共重合体等
の高結晶質のものである。熱可塑性エラストマーは、次
の(1)〜(8)のようなものである。
【0012】(1)主原料がハードセグメントである高
密度ポリエチレン、又はアイソタクチックポリプロピレ
ン等からなり、更に、ソフトセグメントとしてのエラス
トマー及び、必要に応じて無機充填剤を添加したもの。
ここで、エラストマーとしては、ジエン系ゴム、水素添
加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等が用いられ
る。ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエ
ンゴム、ブチルゴム、プロピレン/ブタジエンゴム、ア
クリロニトリル/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/
イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム等がある。
水素添加ジエンゴムは、上記のジエン系ゴム分子の二重
結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させてなるも
ので、ポリオレフィン系樹脂(本発明においては、高密
度ポリエチレン又はポリプロピレン)の結晶化を抑え、
柔軟性を向上させたものである。オレフィンエラストマ
ーとしては、2種類又は3種類以上のオレフィンと共重
合しうるポリエンを少なくとも1種加えた弾性共重合体
であり、オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、α
−オレフィン等が使用され、ポリエンとしては、1,4
−ヘキサジエン、環状ジエン、ノルボルネン等が使用さ
れる。好ましいオレフィン系共重合体ゴムとしては、例
えばエチレン/プロピレン共重合体ゴム等のオレフィン
を主成分とする弾性共重合体が挙げられる。なお、これ
らのエラストマーは、必要に応じて有機過酸化物、硫黄
等の架橋剤を用いて、適量架橋させてもよい。
【0013】(2)ハードセグメントがアイソタクチッ
クポリプロピレン、ソフトセグメントがアタクチックポ
リプロピレンであるもの(特公平6−23278号公報
記載)。 (3)エチレン/プロピレン/ブテンの共重合体で、ブ
テンとして、1−ブテン、2−ブテン、またはイソブチ
レンの3種の構造異性体の1種を含むもの。次の(3
a)〜(3c)が代表的である。 (3a)エチレン/プロピレン/ブテンの3元のランダ
ム共重合体であり、モノマー中のプロピレンが、好まし
くは90重量%であるもの(特開平9−111055号
公報記載)。 (3b)プロピレン成分含有率が50重量%以上であ
る、エチレン/プロピレン/ブテンの3元の共重合体か
らなる非晶質と、結晶質ポリプロピレンからなるもの
(特開平5−77371号公報記載)。 (3c)プロピレン及び/又は1−ブテンの含有量が5
0重量%以上の低結晶質と、アイソタクチックポリプロ
ピレン等の結晶性ポリオレフィンを含むものに、更に、
油ゲル化剤を0.5重量%添加したもの(特開平7−3
16358号公報記載)。
【0014】(4)ハードセグメントがポリエチレン、
ポリプロピレン又はポリメチルペンテン等の結晶質であ
り、ソフトセグメントが部分架橋したエチレン/プロピ
レン非共役ジエン3元共重合体ゴム等のモノオレフィン
共重合体ゴムであるもの(特公昭53−21021号公
報記載)。 (5)ハードセグメントとしてのオレフィン系共重合体
(結晶質)とソフトセグメントとしての未架橋モノオレ
フィン共重合体ゴムとを加熱しつつ剪断応力を加え、部
分架橋させてあるもの(特公昭53−34210号公報
記載)。 (6)過酸化物と混合・加熱すると分子量が減って流動
性が増す過酸化物分解型オレフィン重合体、例えば、ア
イソタクチックポリプロピレン、プロピレン/エチレン
共重合体、又はプロピレン/ブテン−1共重合体をハー
ドセグメントとし、同様な操作で流動性が減る過酸化物
架橋型モノオレフィン重合体、例えば、エチレン/プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン/プロピレン/非共役ジ
エン3元共重合体ゴム等をソフトセグメントとし、更に
は、同様な操作で架橋せず、流動性も変わらない過酸化
物非架橋型炭化水素ゴム、等を過酸化物の存在下で混合
・加熱して得られるもの(特公昭56−15741号公
報記載)。 (7)エチレン/スチレン/ブタジエン共重合体(特開
平2−139232号公報記載)。 (8)水酸基又はカルボキシル基を持たせた上記(1)
〜(7)のオレフィン系エラストマー。
【0015】本発明においては、着色ベース4は、必ず
しもポリオレフィン樹脂でなくても構成できるが、もと
もと、「塩ビ鋼板」の欠点を補おうとしてポリオレフィ
ンに置き換えたのであり、また、異種の素材を用いる
と、加熱時の伸縮等の機械的挙動が表裏で異なるため
に、化粧材のカールや他の物品に貼った際の剥離を生じ
やすいため、ポリオレフィン系樹脂の範囲で選択し、構
成する。なお、ポリオレフィン系着色ベース4を製造す
るには、樹脂のほか、顔料、充填剤、艶消し剤、発泡
剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、または光安定剤等の各種の添加剤を添加する。ポ
リオレフィン系着色ベース4の厚みは、50〜200μ
m程度である。
【0016】透明ポリプロピレン樹脂層5は、着色ベー
ス4用の素材として前述したような、非エラストマー、
または熱可塑性エラストマーの2つのタイプのいずれの
ものからも構成できる。より好ましい透明ポリプロピレ
ン樹脂層5は、特開平9−226071号公報に記載さ
れた樹脂、即ち、同位体炭素核磁気共鳴(13C−NM
R)スペクトルによるペンタッド分率において、rrr
r/(1−mmmm)×100が15〜50%であり、
示差走査熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク
温度(Tm)が150℃以上であり、かつDSCにて測
定した融解エンタルピー(ΔH)が100J/g以下で
あるプロピレンの単独重合体および/又は4重量%以下
の他のオレフィン単位を含有するプロピレン系共重合体
からなるポリプロピレン系樹脂(以下、単にポリプロピ
レン系樹脂と称する。)からなる。又は前記ポリプロピ
レン系樹脂99〜60重量%と熱可塑性エラストマー共
重合体1〜40重量%との樹脂組成物からなる。
【0017】本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、
同位体炭素核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルによ
るペンタッド分率において、rrrr/(1−mmm
m)×100が15〜50%であり、より好ましくは、
20〜40%である。15%未満では耐熱性が不足し、
50%を越えると柔軟性が不足するために、耐折り曲げ
性、耐寒衝撃性が悪化する。ここで、rrrrとは、ポ
リプロピレン系樹脂の任意の5つのプロピレン単位にお
ける炭素−炭素結合による主鎖に関して、側鎖の5つの
メチル基の隣り合うメチル基どうしが反対方向に位置す
ることを表し、mmmmは、隣り合うメチル基どうしが
同方向に位置する状態を表すと同時に、そのような立体
構造を取る割合をも示している。
【0018】本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、
示差走査熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク
温度(Tm)が150℃以上であり、通常150〜16
0℃である。150℃未満であると、耐熱性が不足す
る。本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、DSCに
て測定した融解エンタルピー(ΔH)が100J/g以
下である。100J/gを越えると、柔軟性が損なわ
れ、耐折り曲げ性、耐寒衝撃性が悪化する。またΔHが
あまり小さすぎると強度が不十分となる恐れがあるの
で、より好ましいΔHの範囲は10〜100J/gであ
る。なお、本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、沸
騰n−ヘプタン可溶分量が7〜50重量%であるものが
好ましく、7重量%未満では、柔軟性が不足し、耐折り
曲げ性、耐寒衝撃性が悪化する恐れがあり、50重量%
を超えると、十分な機械的強度や耐熱性が得られない。
なお、柔軟性、機械的強度及び耐熱性のより良いバラン
スを得るためには、沸騰n−ヘプタン可溶分量が10〜
40重量%であることがより好ましい。
【0019】本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、
4重量%以下の他のオレフィン単位を含有するプロピレ
ン系共重合体であってもよい。その場合の他のオレフィ
ン単位としては、エチレンが好ましいが、エチレン以外
の、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−1−ペン
テン、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノ
ネン−1、デセン−1などのα−オレフィンであっても
よい。
【0020】本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、
メルトインデックス(MI)が0.1〜50g/10分
の範囲にあることが望ましい。MIが0.1g/10分
未満では成形が困難であり、また50g/10分を超え
ると機械的物性が不十分となる。成形性と機械的物性の
より良いバランスを得るためには、MIが0.2〜30
g/10分の範囲にあることがより好ましい。
【0021】上記のポリプロピレン系樹脂には、熱可塑
性エラストマー共重合体をブレンドして用いてもよい。
ブレンドして用いる熱可塑性エラストマー共重合体とし
ては、例えばスチレン−ジエン系共重合エラストマーお
よびその水素添加物、エチレン−炭素数3以上のα−オ
レフィン系共重合エラストマー、エチレン−炭素数3以
上のα−オレフィン−ポリエン系共重合エラストマー及
びその水素添加物、エチレン−不飽和カルボン酸−α,
β−不飽和カルボン酸エステル系共重合エラストマー、
アクリロニトリル系共重合エラストマーなどが挙げられ
る。ポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマー共重
合体のブレンド比は、ポリプロピレン系樹脂/熱可塑性
エラストマー共重合体=99/1〜60/40(いずれ
も重量%)である。熱可塑性エラストマー共重合体が4
0重量%を超えると透明性が低下するとともに、柔軟性
が過剰となり、また1重量%未満では、熱可塑性エラス
トマー共重合体をブレンドした効果が十分に発揮されな
い。
【0022】本発明で用いるポリプロピレン系樹脂を製
造するには、次の3成分からなる触媒の存在下でプロピ
レン単独か、必要に応じ、その他のα−オレフィンと共
に重合させることにより得られる。触媒としては、第1
の成分としてマグネシウム、チタン、ハロゲン原子およ
び電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分、
第2の成分として有機アルミニウム化合物、および第3
の成分として、一般式Ph(OR1 m (R2 n(た
だし、式中Phはベンゼン環で、ベンゼン環の水素が
(OR1 m および(R2 n と置換したことを意味
し、R1 は炭素数1〜20のアルキル基、R2 は炭素数
1〜10の炭化水素、水酸基またはニトロ基、mは1〜
6の整数、nは0または1〜(6−m)の整数である)
で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物の3つの成分
の組み合わせからなる触媒の存在下で重合させることに
より、所望ポリプロピレン系樹脂を得ることができる。
【0023】透明ポリプロピレン樹脂層には、このほ
か、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃
剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ま
たは光安定剤等の各種の添加剤を添加する。透明ポリプ
ロピレン樹脂層5の厚みは、20〜100μm程度であ
る。
【0024】なお、透明ポリプロピレン層5、着色ベー
ス4は、印刷又は接着に関与する面にコロナ放電処理を
行なって、接着性を改善しておくとよい。透明ポリプロ
ピレン層5の上面は、透明保護層6を積層することが多
いので、コロナ放電処理を施しておく方がよい。着色ベ
ース4は、上面は模様層7または接着剤層が接着する
し、下面は、金属板に貼る際の接着力確保の意味で、コ
ロナ放電処理を施しておく方がよい。
【0025】また、同様の主旨で、好ましくは、コロナ
放電処理を施した後の面に、プライマー層を形成してお
いてもよい。プライマー層を構成する樹脂としては、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂
等が使用できるほか、アルキルチタネート系やエチレン
イミン系の化合物も使用できる。これらの樹脂やふ化合
物は、単独、若しくは混合して塗料組成物、又はインキ
組成物とし、適宜な塗布手段、又は印刷手段を用いてプ
ライマー層とする。
【0026】模様層7は本発明の化粧金属板に、外観意
匠的な価値を与えるためのものであり、通常、インキを
用いる印刷法により形成する。現在、あまり使用実績は
ないが、電子写真法やインキジェット等も原則的には模
様層7の形成手段として使用可能であり、絵柄の変更が
電子データの変更のみで可能なため、小ロット多品種の
生産に適している。さらには、一旦別の仮の基材シート
上に印刷しておき、転写する等の方法により、形成して
もよい。印刷法としては、接着性を考慮した場合のバイ
ンダーの選択範囲が広い、グラビア印刷法が適している
が、これ以外の手法によってもよい。模様層7のデザイ
ンは任意であるが、建装材として付与することの多いデ
ザインとして、木目柄、石目柄、布目柄、皮革柄、また
は砂目柄や、もしくはタイルを並べて貼った状態または
煉瓦を積んだ状態を模したタイル柄または煉瓦柄等があ
る。
【0027】印刷する位置は、透明ポリプロピレン層5
の下面か、またはポリオレフィン系着色ベース4の上面
である。透明ポリプロピレン層5の下面に印刷するいわ
ゆる「裏刷り」の場合には、透明ポリプロピレン層5の
上側から模様層7を眺めるので、左右のある絵柄模様の
場合は、左右を逆に作成した、いわゆる逆版を用いて印
刷するのがよい。「裏刷り」の場合に、模様層7の濃度
の低い部分や、印刷の網点で形成されている場合には、
下層が透けて見えるので、模様層7としては、パターン
状のものだけでなく、パターン状のものの下層側を覆う
隠蔽層も併せて形成するとよい。隠蔽層は絵柄模様のハ
イライトの部分に相当し、模様層の一部をなす。着色ベ
ースを伴なうときは、その色相が上記の隠蔽層の役割を
果たすので、通常、特別に隠蔽層を形成する必要は無
い。
【0028】印刷法で模様層7を形成する際には、ポリ
オレフィン樹脂層に対するインキの接着性が、塩化ビニ
ル樹脂に対する場合のように良好ではない。インキのバ
インダーとしては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、
アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、またはポリアミド樹
脂等の単独、または混合したものがポリオレフィン樹脂
層に対する接着性の良好なものとして挙げられる。着色
剤としては、染料も使用可能であるが、耐久性の観点か
ら有機系または無機系の顔料を使用することか好まし
い。二酸化チタン、カーボンブラック、二酸化鉄、フタ
ロシアニンブルー等である。金属色や真珠様の光沢を出
すため、それぞれの顔料を使用することもできる。バイ
ンダーおよび着色剤は必要に応じて、他の添加剤と共に
混練してインキまたは塗料組成物として使用する。な
お、模様層7をインキで形成する場合には、インキに含
まれる顔料や染料等の着色剤は、接着性についてはマイ
ナスに働く傾向があるので、模様層7の表面に、模様層
7を形成するのに用いるインキのバインダーと同じバイ
ンダーを含み、着色剤を含まない無色のレジューサー
(エキステンダー、メジュウム等とも呼ばれる。)を塗
布して、透明樹脂層を形成しておくと、模様層7上の接
着性が改善され、好ましい。
【0029】着色ベースと透明ポリプロピレン層とは、
熱融着で貼れないこともないが、接着剤を使用したラミ
ネーションによる方が、接着が確実である。着色ベース
(あるいはその上のプライマー層)4と、透明ポリプロ
ピレン層5下面の模様層7(あるいは、模様層7上に形
成した透明樹脂層)との間、または、着色ベース4上に
形成した模様層7(あるいは、模様層7上に形成した透
明樹脂層)と透明ポリプロピレン層5(あるいはその下
のプライマー層)との下面との間を接着剤を使用してラ
ミネートする。接着剤としては、ポリエステルポリオー
ルとイソシアネート化合物からなるポリウレタン樹脂性
接着剤が適しており、接着する2つの面の片方、または
両方に塗布し、通常、一旦乾燥した後に、両者を重ね合
わせ、加熱および加圧して接着する。最もよいラミネー
ションは、着色ベース4上に透明ポリプロピレン層5
を、透明ポリプロピレン層5の溶融押し出しを行ないつ
つ接着剤層(着色ベース4上に適用しておく。)を介し
てラミネートする方法であり、熱効率がよく、また生産
速度が早いため、経済的でもある。
【0030】本発明の化粧板は最表層をポリオレフィン
樹脂層そのままにしておくと、表面の物理的、化学的性
状が不足することがある。このため、透明保護層6を最
上層に形成するのがよい。透明保護層6は、アクリルウ
レタン樹脂系のものや紫外線又は電子線の照射により硬
化する電離放射線硬化性の樹脂組成物を用いて形成し、
それぞれに応じて硬化の手段を施す。透明保護層6に
は、表面の耐擦傷性を向上させる意味での耐摩耗剤、表
面の艶を調整する意味での艶消し剤等を含ませてもよ
い。前者の例としては、アルミナ、シリカ、または炭酸
カルシウム等を、後者の例としては、シリカ、または炭
酸カルシウム、シラスバルーン、樹脂ビーズ等がある。
【0031】本発明においては化粧シートがポリオレフ
ィン樹脂層からなるため、化粧材を実際に使用する際
に、太陽光等の紫外線の悪影響がある。この悪影響は、
積層してある各層間の接着性の低下や甚だしい場合には
剥離をも伴なうため、このための対策を講じておくのが
よい。このため、本発明の化粧板においては、化粧シー
トの各層のうち、剥離の起きやすい部分の上層に、好ま
しくは、紫外線吸収剤と光安定剤とからなる添加剤を含
ませておく。
【0032】バックプリントシートの場合、透明保護層
6、または透明ポリプロピレン層5の少なくともいずれ
かに、添加剤を添加し、ダブリングシートの場合には、
透明保護層6、透明ポリプロピレン層5、もしくは、模
様層7または接着剤層3の少なくともいずれかに、上記
の添加剤を添加しておく。添加材を添加する部位は、剥
離がおきやすい部位の上層が好ましく、また、1つの層
に添加剤を添加するよりも、2つの層に添加した方が、
化粧材全体としての添加効果があり、さらに、添加材を
添加する層をふやしてよい。
【0033】紫外線吸収剤と光安定剤とからなる添加剤
を適用するには、対象となる層を形成するための樹脂組
成物、塗料組成物又はインキ組成物中に適量を混練又は
分散させた後、それらを用いて成膜、塗布又は印刷によ
って行なう。透明ポリプロピレン層5や着色ベース4に
添加剤を添加する場合には、樹脂のペレットと共に添加
剤を加熱溶融して混合するか、あるいは、少量の樹脂ペ
レットに予め、添加剤を溶融混合しておいたものを必要
な量の樹脂ペレットと溶融混合する方法によってもよ
い。
【0034】紫外線吸収剤としては、次の(1)〜
(5)のようなものが使用できる。 (1)ベンゾフェノン系;2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン
−5−スルホン酸。 (2)ベンゾトリアゾール系;2−(2’−ヒドロキシ
−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)フェニル
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−
ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェノール]。 (3)アクリレート系;エチル−2−シアノ−3,3’
−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−
シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート。 (4)サリシレート系;フェニルサリシレート、4−t
−ブチルフェニルサリシレート。 (5)オキザニリド系;2−エトキシ−2’−エチルオ
キザリックアシドビスアニリド、2−エトキシン−5−
t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシドビスアニ
リド。 これらの紫外線吸収剤を添加する割合は、添加する対象
の層の樹脂分に対し、好ましくは、0.1〜2重量%の
範囲である。0.1重量%未満では添加効果が乏しく、
2重量%を超えても、効果の向上が見られない。
【0035】光安定材としては、ヒンダードアミン系の
光安定材(Hindered Amine Light
Stabilizerの英語名の頭文字を取って、H
ALSと通称される、次のような化合物が使用できる。
ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニル)セバケート、ビス−(N−メチル、2,2,6,
6,−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、
[コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−
4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペ
リジン]縮合物、ポリ{[6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)イミノ]−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノー
ル]}。これらの光安定剤を添加する割合は、添加する
対象の層の樹脂分に対し、好ましくは、0.1〜2重量
%の範囲である。0.1重量%未満では添加効果が乏し
く、2重量%を超えても、効果の向上が見られない。
【0036】なお、紫外線吸収剤と光安定剤は、それぞ
れを単独で使用した場合でも効果はあるが、併用した方
が、理由は定かではないが、相乗的に効果が向上するた
め、併用する事が望ましい。なお、紫外線吸収剤と光安
定剤は、使用中のブリードが避けがたく、種々の方策が
講じられているが、上記のHALSについては、層を構
成する樹脂に対し、例えば、4−アクリロイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、あるいは4
−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン等の(メタ)アクリロイルオキシ基を持つ
環状アミン化合物をグラフト共重合させ、ブリードを防
止する技術の実用が開始されており、この方式を利用す
るのがよい。
【0037】
【実施例】アイソタクチックポリプロピレン60重量
部、エラストマー(スチレン−ブタジエンゴム)30重
量部、フィラー(炭酸カルシウム)10重量部、顔料5
重量部、ならびに、熱安定剤およびヒンダードアミン系
ラジカル捕捉剤5重量部の各素材をブレンドし、カレン
ダー法により厚み100μmの着色シートを得た。
【0038】上記で得た着色シートの表側の面にポリウ
レタン系プライマーを施し、続いてバインダー樹脂がア
クリル樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル樹脂=1/1のグ
ラビアインキを使用して模様を印刷し、印刷シートを得
た。なお、裏面にも、上記と同じポリウレタン系プライ
マーを施した。
【0039】上記で得た印刷シートの印刷面に、ポリプ
ロピレン系樹脂100重量部、OH基含有ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤3000ppm、ヒンダードアミ
ン系ラジカル捕捉剤5000ppmとをブレンドした透
明樹脂を溶融押し出しして、厚み80μmの透明フィル
ム層をラミネートし、さらに表面の全面にエンボス加工
を施した。ただし、ポリプロピレン系樹脂としては、同
位体炭素核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルによる
ペンタッド分率rrrr/(1−mmmm)×100が
24.2、示差走査熱量分析計(DSC)にて測定した
融解ピーク温度(Tm)が158.7℃、DSCにて測
定した融解エンタルピー(ΔH)が80.7J/gのも
のを使用した。
【0040】その後、エンボス加工した面にコロナ放電
処理を施し、アクリルウレタン系樹脂をハインダーとす
るインキをエンボスされて生じた凹部に充填し、さらに
その上に、アクリルウレタン性樹脂をバインダーとする
塗料に平均粒径2μmのシリカを5重量%添加したもの
を厚みが5μmになるよう塗布し、乾燥硬化させて、化
粧シートを得た。
【0041】得られた化粧シートを、厚み0.5mmの
亜鉛メッキ鋼板上にプライマー層を介してポリウレタン
系接着剤を使用して積層し、化粧鋼板とした。この化粧
鋼板を使用し、耐熱性試験(150℃で1時間の加熱
後、冷却してエリクセン6mm押し出し、および曲げ半
径1mmで90°および180°折り曲げ)、および耐
寒衝撃性試験(耐寒性試験、冷熱繰返し試験、および低
温90°折り曲げ試験)を行なったが、化粧シートの剥
離や白化が生じなかった。ただし、耐寒性試験では、0
℃の温度で1時間置いた後に−2Rプレス曲げを行な
い、冷熱繰返し試験では、−20℃で24時間置いた
後、80℃で24時間加熱後にエリクセン6mm押し出
しを行ない、また、低温90°折り曲げ試験では、0℃
に冷却し、90°衝撃プレス曲げ(R=0、1、2)を
行なった。
【0042】
【発明の効果】第1の発明によれば、着色ベースに透明
ポリプロピレン層を積層した構成の化粧シートを表面に
有し、耐熱性、耐折り曲げ白化性、および耐寒衝撃性を
備えた化粧金属板を提供できる。第2の発明によれば、
第1の発明の効果に加え、模様層が化粧シートの間に積
層されているため、より複雑な外観を備えた化粧金属板
とすることができる。第3の発明によれば、第1または
第2の発明の効果に加え、最表面に凹凸を有するため、
平坦な場合にくらべて、異なった外観の化粧紙金属板を
提供できる。第4の発明によれば、第1〜第4の発明の
ものよりも構造的に簡素でありながら、耐熱性、耐折り
曲げ白化性、および耐寒衝撃性については変わりがな
く、かつ、表面の凹凸、裏面の模様、または下層の接着
剤層の着色のいずれかにより、化粧が施された化粧金属
板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧金属板の断面図である。
【図2】模様層を施した化粧金属板の断面図である。
【図3】凹凸を施した化粧金属板の断面図である。
【図4】着色ベースを省いた化粧金属板の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 化粧金属板 2 金属板 3 接着剤層 4 着色ベース 5 透明ポリプロピレン層 6 透明保護層 7 模様層 8 凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA08H AA20H AB01C AB03 AB18 AK03B AK07A AK15 AK22 AK25 AK51 AL01A AL09A BA03 BA07 BA10A BA10C CA13 CB00 DD01B EH17 EH71 EJ55 EJ65 GB32 GB48 GB81 HB00B HB21B HB31 JB16A JJ03 JK10 JL10B JN01A JN01B YY00A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同位体炭素核磁気共鳴(13C−NMR)
    スペクトルによるペンタッド分率において、rrrr/
    (1−mmmm)×100が15〜50%であり、示差
    走査熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク温度
    (Tm)が150℃以上であり、かつDSCにて測定し
    た融解エンタルピー(ΔH)が100J/g以下である
    プロピレンの単独重合体および/又は4重量%以下の他
    のオレフィン単位を含有するプロピレン系共重合体から
    なるポリプロピレン系樹脂、又は前記ポリプロピレン系
    樹脂99〜60重量%と熱可塑性エラストマー共重合体
    1〜40重量%との樹脂組成物からなる透明ポリプロピ
    レン層が積層されたポリオレフィン系樹脂化粧シートが
    接着剤層を介して金属板と積層されていること特徴とす
    るポリオレフィン樹脂化粧金属板。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂化粧シートが
    ポリオレフィン系着色ベースフィルムと透明ポリプロピ
    レン層との間に模様層を有することを特徴とする請求項
    1記載のポリオレフィン樹脂化粧金属板。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン系樹脂化粧シートが
    透明ポリプロピレン層上に凹凸を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載のポリオレフィン樹脂化粧金属
    板。
  4. 【請求項4】 同位体炭素核磁気共鳴(13C−NMR)
    スペクトルによるペンタッド分率において、rrrr/
    (1−mmmm)×100が15〜50%であり、示差
    走査熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク温度
    (Tm)が150℃以上であり、かつDSCにて測定し
    た融解エンタルピー(ΔH)が100J/g以下である
    プロピレンの単独重合体および/又は4重量%以下の他
    のオレフィン単位を含有するプロピレン系共重合体から
    なるポリプロピレン系樹脂、又は前記ポリプロピレン系
    樹脂99〜60重量%と熱可塑性エラストマー共重合体
    1〜40重量%との樹脂組成物からなる透明ポリプロピ
    レン層が積層され、前記透明ポリプロピレン層には、表
    面に凹凸が施されているか、裏面に模様層を有している
    か、あるいは下層の接着剤層が着色されることにより化
    粧が施されており、かつ前記ポリオレフィン系樹脂化粧
    シートが接着剤層を介して金属板と積層されていること
    特徴とするポリオレフィン樹脂化粧金属板。
JP13627499A 1999-05-17 1999-05-17 ポリオレフィン樹脂化粧金属板 Pending JP2000326443A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13627499A JP2000326443A (ja) 1999-05-17 1999-05-17 ポリオレフィン樹脂化粧金属板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13627499A JP2000326443A (ja) 1999-05-17 1999-05-17 ポリオレフィン樹脂化粧金属板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000326443A true JP2000326443A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15171371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13627499A Pending JP2000326443A (ja) 1999-05-17 1999-05-17 ポリオレフィン樹脂化粧金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000326443A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283518A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Shin Etsu Polymer Co Ltd オレフィン系高分子組成物と金属の複合体
JP2002361786A (ja) * 2001-06-01 2002-12-18 Toyo Kohan Co Ltd 目地デザイン樹脂フィルム被覆金属板およびその製造方法
JP2003127273A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Kobe Steel Ltd ラミネート金属板及びその製造方法並びにこれを用いた成形品
JP2006007688A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Toppan Printing Co Ltd 鋼板化粧材の製造方法と鋼板化粧材
JP2006088349A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
WO2013047797A1 (ja) 2011-09-30 2013-04-04 大日本印刷株式会社 化粧シート及びこれを用いた化粧金属板

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283518A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Shin Etsu Polymer Co Ltd オレフィン系高分子組成物と金属の複合体
JP2002361786A (ja) * 2001-06-01 2002-12-18 Toyo Kohan Co Ltd 目地デザイン樹脂フィルム被覆金属板およびその製造方法
JP2003127273A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Kobe Steel Ltd ラミネート金属板及びその製造方法並びにこれを用いた成形品
JP2006007688A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Toppan Printing Co Ltd 鋼板化粧材の製造方法と鋼板化粧材
JP4556513B2 (ja) * 2004-06-29 2010-10-06 凸版印刷株式会社 鋼板化粧材の製造方法
JP2006088349A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
WO2013047797A1 (ja) 2011-09-30 2013-04-04 大日本印刷株式会社 化粧シート及びこれを用いた化粧金属板
US9975313B2 (en) 2011-09-30 2018-05-22 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Decorative sheet and decorative metal plate using same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100876787B1 (ko) 바닥재용 화장 시트 및 이를 이용한 바닥용 화장재
JP7052731B2 (ja) 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板
JP2002105874A (ja) オレフィン系床材
JP2000326443A (ja) ポリオレフィン樹脂化粧金属板
JP4888834B2 (ja) 化粧シート
JP4620204B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂化粧金属板の製造方法
JP4131142B2 (ja) 床材
JPH11147292A (ja) 積層シート及びそれを用いた化粧シート
JPH11240116A (ja) 化粧シート
JP3802265B2 (ja) 化粧材
JP3052138B1 (ja) 化粧材
JP2001179921A (ja) 保護層を有する化粧シートおよび化粧材
JP4830906B2 (ja) 化粧シート
JP4108185B2 (ja) 化粧シート
JP2000202964A (ja) 化粧材
JP4514849B2 (ja) 化粧シートの製造方法
JP5298606B2 (ja) 化粧シート
JPH11227132A (ja) 化粧パネル及びその製造方法
JP3051530U (ja) 床 板
JP2000033678A (ja) 化粧シート
JP3265256B2 (ja) 組立て型化粧パネル及びその製造方法
JPH11105206A (ja) 化粧シート
JP2001088257A (ja) 化粧シートおよびそれを用いた複合化粧材
JP2000108292A (ja) 化粧シートおよびその製造方法
JPH10286930A (ja) 化粧シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080701

A02 Decision of refusal

Effective date: 20081104

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02