JP4130853B2 - パチンコ機における球受皿の球抜き装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の前面に取着される球受皿の球抜き装置に関し、特に球抜き孔を開放状態に保持し得るようにしたパチンコ機における球受皿の球抜き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、球受皿の球抜き孔を開放状態に保持し得るようにしたパチンコ機における球受皿の球抜き装置として、例えば特公平3−53954号公報のものが知られている。
【0003】
この従来の球受皿の球抜き装置は、球受皿の球抜き孔を開閉する摺動体と、球受皿の係合部に係脱自在なように設けられた係止部材と、係合部と係止部材との係合を外す押圧部材とを備え、係止部材を係合部に係合させることにより摺動体を球抜き孔を開放する位置に拘束すると共に、押圧部材を押圧操作して係合部と係止部材との係合を解除することにより摺動体を球抜き孔を閉止する位置に移動させるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のパチンコ機における球受皿の球抜き装置は、摺動体,係止部材,押圧部材をそれぞれ付勢する付勢部材を必要とするため、部品点数が増加し、しかも構造が複雑で組立てに手間が掛かりコストアップにつながっていた。
【0005】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、部品点数が少なく、かつ簡単な構造で球受皿の球抜き孔を開放状態に保持し得るようにしたパチンコ機における球受皿の球抜き装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のパチンコ機における球受皿の球抜き装置は、パチンコ球を貯留する皿部を有する球受皿本体と、前記球受皿本体に設けられた操作部材を押すことにより回動支軸を中心として回動し、開閉部材を球抜き孔を開放する位置又は閉止する位置に移動させるレバー部材と、該レバー部材を球抜き孔を閉止する位置に付勢する付勢部材とからなり、前記回動支軸に挿通するレバー部材の軸通孔を回動支軸の直径より大きく形成して該レバー部材を回動支軸と軸通孔との間の隙間の範囲内で軸方向に移動自在なように設けると共に、球受皿本体又はレバー部材のいずれか一方に係合部を、他方には係合突起を設け、前記付勢部材によりレバー部材を上方へ移動させて係合部と係合突起とを係合させることにより開閉部材を球抜き孔を開放する位置に保持するようにしたものである。
【0007】
上記のように構成されたパチンコ機における球受皿の球抜き装置は、操作部材を指で押すとレバー部材が付勢部材の付勢に抗して回動し、開閉部材を球抜き孔を開放する方向に移動させる。一方、レバー部材は、付勢部材により回動支軸と軸通孔との間の隙間によって上方へ移動しようとする作用力が働く。そして、開閉部材が球抜き孔を開放する位置まで移動するとレバー部材の上方への移動により係合部と係合突起とが係合し、レバー部材を球抜き孔を開放する位置に保持する。また、この状態で操作部材を指で押してレバー部材を押し下げると係合部と係合突起との係合が外れ、これによりレバー部材が付勢部材の付勢により元の位置に回動して球抜き孔を閉止する。
【0008】
なお、本発明のパチンコ機における球受皿の球抜き装置は、パチンコ機の前面枠の前面に設けられる打球供給用球受皿又は打球供給用球受皿の余剰球を貯留する下部球受皿のいずれにも適用可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1はパチンコ機の正面図であり、1はパチンコ機の機枠、2は機枠1の前面に開閉自在に装着された前面枠である。前面枠2は、ほぼ中央に窓孔が形成された額縁状に形成されており、該窓孔の上部にガラス扉3が、その下部に前面板4がそれぞれ開閉自在に設けられている。前記ガラス扉3の後方であり、前面枠2の窓孔の裏面部分には遊技盤5が着脱自在に取付けられている。この遊技盤5の前面には円状の誘導レール6が設けられており、その誘導レール6で囲まれる領域が遊技領域として構成されている。また、前記前面板4の前面には誘導レール6の発射位置にパチンコ球を供給する打球供給用の上部球受皿7が設けられており、前面枠2の前面下部には、上部球受皿7から溢出する余剰球を貯留する下部球受皿8が設けられている。
【0010】
次に、図2ないし図4を参照して上部球受皿7の構成について説明する。上部球受皿7は、前面板4の前面に取付ける飾りベース9と、パチンコ球を貯留する皿部10を有する球受皿本体10aと、該球受皿本体10aの前面を覆う装飾カバー11とを一体に組付けて構成されている。前記皿部10は、飾りベース9に開設した景品球排出口12が臨む一端から他側端に向かって底面が緩るやかに下り傾斜すると共に、その下流側に誘導側壁13を介して段状に高くした球圧受部14と、該球圧受部14の誘導側壁13によって順次幅狭に形成されパチンコ球を一列に整列して流下させる整流通路15が形成されている。この整流通路15の終端には流路変更用ガイド16と整流通路15を流下するパチンコ球が上下に積み重なるのを防ぐ球均し板17が設けられており、整流通路15のパチンコ球を流路変更用ガイド16により飾りベース9の供給口18から前面板4の裏面側に流出させて図示しない打球供給装置に導くようになっている。また前記整流通路15の終端底面には球抜き孔19が開設されており、該球抜き孔19の下方に下部球受皿8と連通する球抜通路20が設けられている。
【0011】
次に、図4ないし図6を参照して球抜き孔19を開閉する機構について説明する。前記球抜き孔19には開閉部材21が横方向へスライド自在に設けられている。この開閉部材21には球抜き孔19を開閉する平板状のシャッター部21aと係合ピン21bが設けられている。また球抜き孔19の前部位置には操作部材22とレバー部材23がそれぞれ設けられている。
【0012】
操作部材22は、長さのほぼ中間が支軸24により上下方向へ回動自在に軸支されており、その上面部分は山形状に形成されて回動により上面壁10aの開口25から外方へ交互に突出する押圧部26a,26bが形成されている。また、支軸24より下方に係合溝部27が形成されている。
【0013】
前記レバー部材23は、上端に軸通孔28と係合片29が形成され、下端には縦長孔30が形成されている。このレバー部材23は、係合片29を操作部材22の係合溝部27に係合させると共に、軸通孔28を側壁10bに突設した回動支軸31に挿通して該回動支軸31を中心に回動自在なように支持されている。また、縦長孔30に開閉部材21の係合ピン21bを臨ませることによりレバー部材23を介して操作部材22と開閉部材21とが連動可能なようになっている。また、レバー部材23には付勢部材としてのスプリング32の一端が連結されている。このスプリング32は図5における右方向、すなわちレバー部材23を常に開閉部材21のシャッター部21aが球抜き孔19を閉止する方向に付勢するようになっている。このとき操作部材22の一方の押圧部26aが上面壁10aの開口25から外方へ突出されている。
【0014】
しかして、前記レバー部材23の長さ方向のほぼ中間位置の側面に係合突起33が一体に設けられている。また、レバー部材23の軸通孔28は、回動支軸31の直径より大きい楕円孔として形成されており、レバー部材23が回動支軸31と軸通孔28との間の隙間の範囲内で移動できるようになっている。
【0015】
一方、レバー部材23の係合突起33に対応する側壁10bには、円弧状のガイド部34aと係合部34bとを有する規制片34が突設されている。この規制片34のガイド部34aは、図5に示すように開閉部材21のシャッター部21aが球抜き孔19を閉止している状態において、レバー部材23の係合突起33の上方に位置し、かつ該レバー部材23の回動時に係合突起33を接触させてレバー部材23の移動を規制するようになっている。また規制片34の係合部34bは、図6に示すように開閉部材21のシャッター部21aが球抜き孔19を開放している状態において、レバー部材23の係合突起33が係合し得るようになっている。
【0016】
次に、上記した球受皿の球抜き装置の作用について図5及び図6を参照して説明すると、まず、図5実線で示すように開閉部材21のシャッター部21aが球抜き孔19を閉止している状態において、操作部材22の一方の押圧部材26aを指で押すと、該操作部材22が図5鎖線のように支軸24を支点として時計廻り方向に回動し、これの係合溝部27でレバー部材23の係合片29を上方へ押し上げる。これによって、レバー部材23がスプリング32の付勢に抗して回動支軸31を中心に時計方向に回動し、開閉部材21を左方向に摺動させて球抜き孔19を開放する方向に移動させる。このとき、レバー部材23はスプリング32の付勢により回動支軸31と軸通孔28との間の隙間によって上方に移動しようとするが規制片34のガイド部34aに接触してその上方への移動が規制される。
【0017】
一方、図6実線で示すように開閉部材21のシャッター部21aが球抜き孔19を開放する位置まで移動するとレバー部材23の係合突起33が規制片34のガイド部34aから外れ、同時にレバー部材23がスプリング32の付勢により上方に移動して係合突起33が規制片34の係合部34bに係合し、該レバー部材23をその回動位置に保持する。このため、押圧部26aから指を離しても開閉部材21は球抜き孔19を開放した状態に保持されることになり、皿部10のパチンコ球は球抜き孔19から球抜き通路20を通過して下部球受皿8に流出する。
【0018】
次に、球抜き孔19を閉止するには、操作部材22の他方の操作部26bを指で押すと、操作部材22が図6鎖線のように支軸24を支点として反時計廻り方向に回動し、これの係合溝部27でレバー部材23の係合片29を押し下げる。これによって、レバー部材23が回動支軸31と軸通孔28との間の隙間によって下方に押し下げられて係合突起33が規制片34の係合部34bから外れる。このため、レバー部材23はスプリング32の付勢により回動支軸31を中心に反時計廻り方向に回動し、開閉部材21が図5実線に示す元の位置に戻されてシャッター部21aにより球抜き孔19が閉止される。
【0019】
なお、上記した実施の形態では、レバー部材23の軸通孔28を楕円孔として示したが、回動支軸31より大径の円孔であってもよい。また、レバー部材23に係合突起33を設け、該係合突起33に対応する側壁10bにガイド部34aと係合部34bとを有する規制片34を設けたものを示したが、図7に示すようにレバー部材23に規制片34を設け、側壁10bに係合突起33を設けるようにしてもよい。この場合、係合突起33の下面がガイド部34aの用を果すことになる。
【0020】
図8ないし図10に示す第2実施の形態は、操作部材22aの下面に突起部35と突段部36とを設け、図9鎖線で示すように操作部材22aの突起部35でレバー部材23の係合片29を押し下げて該レバー部材23aを回動させることにより開閉部材21を図10実線で示すように球抜き孔19を開放する位置に移動させるようにしたものである。そして図10鎖線で示すように操作部材22aの突段部36をレバー部材23aの上端37に接触させることにより該レバー部材23aを押し下げて係合突起33と規制片34の係合部34bとの係合を外すようになっている。
【0021】
また、図11及び図12に示す第3実施の形態は、操作部材22bにL字形に屈曲する腕部38を設けると共に、レバー部材23bに側片39を設け、図12鎖線で示すように腕部38でレバー部材23bの側片39を押して該レバー部材23bを回動させることにより開閉部材21を球抜き孔19を開放する位置に移動させるようにしたものである。その他の構成は第2実施の形態と同じである。
【0022】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、操作部材を指で押すだけの簡単な操作で開閉部材を球抜き孔を開放する位置に保持し、又はその保持を解除して球抜き孔を閉止することができるので、球受皿に貯留されるパチンコ球の球抜き操作を極めて容易に行うことができる。
【0023】
また、構造が簡単で部品点数が少なくて済み、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるパチンコ機の正面図である。
【図2】本発明に係る球抜き装置が組込まれた上部球受皿の斜視図である。
【図3】図2の上部球受皿の分解斜視図である。
【図4】図2の上部球受皿の要部斜視図である。
【図5】球抜き孔を閉止した状態の要部正面図である。
【図6】球抜き孔を開放した状態の要部正面図である。
【図7】他の実施の形態の要部正面図である。
【図8】他の実施の形態の要部分解斜視図である。
【図9】図8の実施の形態の球抜き孔を閉止した状態の要部正面図である。
【図10】図8の実施の形態の球抜き孔を開放した状態の要部正面図である。
【図11】他の実施の形態の要部分解斜視図である。
【図12】図11の実施の形態の作用を説明する要部正面図である。
【符号の説明】
10 皿部
10a 球受皿本体
19 球抜き孔
21 開閉部材
22 操作部材
23 レバー部材
28 軸通孔
31 回動支軸
32 スプリング(付勢部材)
33 係合突起
34b 係合部
Claims (1)
- パチンコ球を貯留する皿部を有する球受皿本体と、前記球受皿本体に設けられた操作部材を押すことにより回動支軸を中心として回動し、開閉部材を球抜き孔を開放する位置又は閉止する位置に移動させるレバー部材と、該レバー部材を球抜き孔を閉止する位置に付勢する付勢部材とからなり、
前記回動支軸に挿通するレバー部材の軸通孔を回動支軸の直径より大きく形成して該レバー部材を回動支軸と軸通孔との間の隙間の範囲内で移動自在なように設けると共に、球受皿本体又はレバー部材のいずれか一方に係合部を、他方には係合突起を設け、前記付勢部材によりレバー部材を上方へ移動させて係合部と係合突起とを係合させることにより開閉部材を球抜き孔を開放する位置に保持するようにしたことを特徴とするパチンコ機における球受皿の球抜き装置。
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