JP3944289B2 - パチンコ機における球受皿の球抜き装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の前面に取着される球受皿の球抜き装置に関し、特に球抜き孔を開放状態に保持し得るようにしたパチンコ機における球受皿の球抜き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、球受皿の球抜き孔を開放状態に保持し得るようにしたパチンコ機における球受皿の球抜き装置として、例えば特公平3−53954号公報のものが知られている。
【0003】
この従来の球受皿の球抜き装置は、球受皿の球抜き孔を開閉する摺動体と、球受皿の係合部に係脱自在なように設けられた係止部材と、係合部と係止部材との係合を外す押圧部材とを備え、係止部材を係合部に係合させることにより摺動体を球抜き孔を開放する位置に拘束すると共に、押圧部材を押圧操作して係合部と係止部材との係合を解除することにより摺動体を球抜き孔を閉止する位置に移動させるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のパチンコ機における球受皿の球抜き装置は、摺動体,係止部材,押圧部材をそれぞれ付勢する付勢部材を必要とするため、部品点数が増加し、しかも構造が複雑で組立てに手間が掛かりコストアップにつながっていた。
【0005】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、部品点数が少なく、かつ簡単な構造で球受皿の球抜き孔を開放状態に保持し得るようにしたパチンコ機における球受皿の球抜き装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のパチンコ機における球受皿の球抜き装置は、パチンコ球を貯留する皿部を有する球受皿本体と、前記球受皿本体に設けられた操作部材を押すことにより回動支軸を中心として回動し、かつ球抜き孔を開閉する幅広の板状部を一体に設けたレバー部材と、該レバー部材を球抜き孔を閉止する位置に付勢する付勢部材とからなり、前記回動支軸に挿通するレバー部材の軸通孔を回動支軸の直径より大きく形成して該レバー部材を回動支軸と軸通孔との間の隙間の範囲内で軸方向に移動自在なように設けると共に、球受皿本体又はレバー部材のいずれか一方に係合部を、他方には係合突起を設け、レバー部材を付勢部材により付勢して係合部と係合突起とを係合させることにより該レバー部材を球抜き孔を開放する位置に保持するようにしたものである。
【0007】
上記のように構成されたパチンコ機における球受皿の球抜き装置は、操作部材を指で押すとレバー部材が付勢部材の付勢に抗して回動する。そして、レバー部材が球抜き孔を開放する位置まで回動すると該レバー部材が付勢部材に付勢されて回動支軸と軸通孔との間の隙間により軸方向に移動し、これにより係合部と係合突起とが係合してレバー部材を球抜き孔を開放する位置に保持する。また、この状態で操作部材を指で押してレバー部材を軸方向に移動させると係合部と係合突起との係合が外れ、これによりレバー部材が付勢部材の付勢により元の位置に回動して球抜き孔を閉止する。
【0008】
なお、本発明のパチンコ機における球受皿の球抜き装置は、パチンコ機の前面枠の前面に設けられる下部球受皿又は打球供給用球受皿のいずれにも適用可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1はパチンコ機の正面図であり、1はパチンコ機の機枠、2は機枠1の前面に開閉自在に装着された前面枠である。前面枠2は、ほぼ中央に窓孔が形成された額縁状に形成されており、該窓孔の上部にガラス扉3が、その下部に前面板4がそれぞれ開閉自在に設けられている。前記ガラス扉3の後方であり、前面枠2の窓孔の裏面部分には遊技盤5が着脱自在に取付けられている。この遊技盤5の前面には円状の誘導レール6が設けられており、その誘導レール6で囲まれる領域が遊技領域として構成されている。また、前記前面板4の前面には誘導レール6の発射位置にパチンコ球を供給する打球供給用の上部球受皿7が設けられており、前面枠2の前面下部には、上部球受皿7から溢出する余剰球を貯留する下部球受皿8が設けられている。
【0010】
次に、図2を参照して下部球受皿8の構成について説明する。下部球受皿8は、前面枠2の前面に取付ける球受皿本体9と、パチンコ球を貯留する皿部10を有し、該皿部10の底部には球抜き孔11が開設されている。また、皿部10の底部下面には皿状の支持枠12が複数のビス13により固着されており、該支持枠12には球抜き孔11と相対する位置に該球抜き孔11とほぼ同じ大きさの円形孔14が設けられている。
【0011】
しかして、前記皿部10と支持枠12との間に挟まれるように球抜き用の操作部材15とレバー部材16がそれぞれ設けられている。操作部材15は、図3に示すように長さのほぼ中間が支持枠12に突設した支軸17により水平回動自在に軸支されており、その前面部分は山形状に形成されて回動により支持枠12の開口部18から外方へ交互に突出する押圧部19a,19bが形成されている。また、支軸17より内側位置に係合溝部20が形成されている。
【0012】
前記レバー部材16は、前端に軸通孔21と係合片22が形成され、後端には球抜き孔11を開閉する幅広の板状部23が一体に形成されている。このレバー部材16は、係合片22を操作部材15の係合溝部20に係合させると共に、軸通孔21を支持枠12に突設した回動支軸24に挿通して該回動支軸24を中心に回動自在なように支持されている。また、レバー部材16には付勢部材としてのスプリング25の一端が連結されている。このスプリング25は図3における右方向、すなわちレバー部材16を常に板状部23が球抜き孔11を閉止する方向に付勢するようになっている。このとき操作部材15の一方の押圧部19aが支持枠12の開口18から外方へ突出されている。
【0013】
しかして、前記支持枠12の上面と相対するレバー部材16の裏面側に係合突起26が一体に設けられている。また、レバー部材16の軸通孔21は、回動支軸24の直径より大きい楕円孔として形成されており、レバー部材16が回動支軸24と軸通孔21との間の隙間の範囲内で軸方向に移動できるようになっている。
【0014】
一方、レバー部材16の係合突起26に対応する支持枠12の上面には、円弧状のガイド部27と係合部28とを有する規制片29が突設されている。この規制片29のガイド部27は、図3実線で示すようにレバー部材16の板状部23が球抜き孔11を閉止している状態において、レバー部材16の係合突起26と接触状に位置させてレバー部材16の軸方向への移動を規制するようになっている。また規制片29の係合部28は、図4実線で示すようにレバー部材16の板状部23が球抜き孔11を開放している状態において、レバー部材16の係合突起26が係合し得るようになっている。
【0015】
次に、上記した球受皿の球抜き装置の作用について図3及び図4を参照して説明すると、まず、図3実線で示すようにレバー部材16の板状部23が球抜き孔11を閉止している状態において、操作部材15の一方の押圧部材19aを指で押すと、該操作部材15が図3鎖線のように支軸17を支点として反時計廻り方向に回動し、これの係合溝部20でレバー部材16の係合片22を前方へ引寄せる。これによって、レバー部材16が図3鎖線のようにスプリング25の付勢に抗して回動支軸24を中心に反時計廻り方向に回動する。このとき、レバー部材16はスプリング25の付勢により回動支軸24と軸通孔21との間の隙間によって前方に移動しようとするが係合突起26が規制片29のガイド部27に接触してその前方への移動が規制される。
【0016】
一方、図4実線で示すようにレバー部材16が球抜き孔11を開放する位置まで移動するとレバー部材16の係合突起26が規制片29のガイド部27から外れ、同時にレバー部材16がスプリング25の付勢により前方に移動して係合突起26が規制片29の係合部28に係合し、該レバー部材16をその回動位置に保持する。このため、押圧部19aから指を離してもレバー部材16は球抜き孔11を開放した状態に保持されることになり、皿部10のパチンコ球は球抜き孔11から下方に落下して球箱等に収められる。
【0017】
次に、球抜き孔11を閉止するには、操作部材15の他方の押圧部19bを指で押すと、操作部材15が図4鎖線のように支軸17を支点として時計廻り方向に回動し、これの係合溝部20でレバー部材16の係合片22を後方へ押動する。このときレバー部材16が回動支軸24と軸通孔21との間の隙間によって後方に押されて図4鎖線のように係合突起26が規制片29の係合部28から外れる。このため、レバー部材16はスプリング25の付勢により回動支軸24を中心に時計廻り方向に回動して図3実線位置に戻り板状部23により球抜き孔11が閉止される。
【0018】
なお、上記した実施の形態では、レバー部材16の軸通孔21を楕円孔として示したが、回動支軸24より大径の円孔であってもよい。また、上記した実施の形態ではレバー部材16に係合突起26を設け、該係合突起26に対応する支持枠12にガイド部27と係合部28とを有する規制片29を設けたものを示したが、図5に示すようにレバー部材16に規制片29を設け、支持枠12に係合突起26を設けるようにしてもよい。この場合、係合突起26の下面がガイド部27の用を果すことになる。
【0019】
図6及び図7に示す第2実施の形態は、操作部材15aの後面に突起部30と突段部31とを設け、図6鎖線で示すように操作部材15aの突起部30でレバー部材16aの係合片22aを押し下げて該レバー部材16aを球抜き孔11を開放する位置に回動させるようにしたものである。そして図7鎖線で示すように操作部材15aの突段部31をレバー部材16aの前端32に接触させることにより該レバー部材16aを押し下げて係合突起26と規制片29の係合部28との係合を外すようになっている。
【0020】
また、図8及び図9に示す第3実施の形態は、操作部材15bにL字形に屈曲する腕部33を設けると共に、レバー部材16bに側片34を設け、図8鎖線で示すように腕部33でレバー部材16bの側片34を押して該レバー部材16bを球抜き孔11を開放する位置に回動させるようにしたものである。その他の構成は第2実施の形態と同じである。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、操作部材を指で押すだけの簡単な操作でレバー部材を球抜き孔を開放する位置に保持し、又はその保持を解除して球抜き孔を閉止することができるので、球受皿に貯留されるパチンコ球の球抜き操作を極めて容易に行うことができる。
【0022】
また、レバー部材に球抜き孔を開閉する板状部を一体に設けたものであるから、構造が簡単で部品点数が少なくて済み、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるパチンコ機の正面図である。
【図2】本発明に係る球抜き装置が組込まれた下部球受皿の分解斜視図である。
【図3】球抜き孔を閉止した状態の要部平面図である。
【図4】球抜き孔を開放した状態の要部平面図である。
【図5】図3の他の実施の形態の要部平面図である。
【図6】他の実施の形態の球抜き孔を閉止した状態の要部平面図である。
【図7】図6の実施の形態の球抜き孔を開放した状態の要部平面図である。
【図8】さらに他の実施の形態の球抜き孔を閉止した状態の要部平面図である。
【図9】図8の実施の形態の球抜き孔を開放した状態の要部平面図である。
【符号の説明】
9 球受皿本体
10 皿部
11 球抜き孔
15 操作部材
16 レバー部材
21 軸通孔
23 板状部
24 回動支軸
25 スプリング(付勢部材)
26 係合突起
28 係合部
Claims (1)
- パチンコ球を貯留する皿部を有する球受皿本体と、前記球受皿本体に設けられた操作部材を押すことにより回動支軸を中心として回動しかつ球抜き孔を開閉する幅広の板状部を一体に設けたレバー部材と、該レバー部材を球抜き孔を閉止する位置に付勢する付勢部材とからなり、
前記回動支軸に挿通するレバー部材の軸通孔を回動支軸の直径より大きく形成して該レバー部材を回動支軸と軸通孔との間の隙間の範囲内で軸方向に移動自在なように設けると共に、球受皿本体又はレバー部材のいずれか一方に円弧状のガイド部と係合部とを有する規制片を、他方には係合突起を設け、レバー部材を付勢部材により付勢して係合部と係合突起とを係合させることにより該レバー部材を球抜き孔を開放する位置に保持するようにしたことを特徴とするパチンコ機における球受皿の球抜き装置。
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JP30366397A JP3944289B2 (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | パチンコ機における球受皿の球抜き装置 |
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