JP4130497B2 - 負荷時タップ切換器 - Google Patents

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  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタップ切換方式として1個の限流抵抗、2個の真空バルブとこの真空バルブに直列に接続した1組の切換スイッチを用いて主に電力用変圧器タップ巻線のタップを負荷時に切換えて電圧調整を行う負荷時タップ切換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地下変電所は安全性を高めるため、従来の油入機器からSF6 ガスを用いたガス絶縁機器に移行してきている。このような変電所内に設置される変圧器も同様で、この変圧器に取付けられる負荷時タップ切換器もガス絶縁が採用されている。
【0003】
周知のように負荷時タップ切換器は、負荷時に電圧調整を可能とする機器で、多頻度の電流遮断が行われる。従って、ガス中での電流遮断はガスを分解させることから、有害ガスの発生を招くなど保守の利便性に難点が生じる。
【0004】
最近ではこれらの不具合を解消するために、真空バルブが用いられるようになってきたが、この真空バルブはコンパクトな絶縁容器の中で電流遮断を行い、高温となることからセラミック材が用いられ、また可動接点には多頻度の伸縮に耐え、且つ高真空を維持するための金属ベローズなどの高靭性の材料を用いているので、製作費が高価になる。
【0005】
そこで、機器の信頼性を高め、且つ安価に製作するには最小要素によって基本要素を確保する必要がある。
負荷時タップ切換器も同様でこの要求を満足するものとして、1抵抗2バルブ方式を採用したものが知られている。これは1個の限流抵抗と2個の真空バルブ及び1組の切換スイッチで構成される。
【0006】
図9は切換回路、図10は動作シーケンスをそれぞれ示すもので、まず図9により切換回路の構成について説明する。
図9(A)において、T1,T2は変圧器巻線のタップ、M1,M2はタップ選択器の可動接点で、可動接点M1は奇数タップ選択用、可動接点M2は偶数タップ選択用である。SA,SBは可動接点M1,M2に各々直列接続された切換スイッチSの固定接点、Smはコモン接点SCと固定接点SAまたはSBを橋絡する可動接点、Hは一端がコモン接点SCに接続され、他端が中性点Nに接続された主バルブである。
【0007】
また、Rはタップ間の循環電流を制限する限流抵抗で、一端は固定接点SBに接続されている。
さらに、Wは一端が限流抵抗Rの他端に接続された抵抗バルブで、この抵抗バルブWの他端は主バルブHと同様に中性点Nに接続され、1抵抗2バルブ方式の回路を構成している。
【0008】
次に上記のような構成の負荷時タップ切換器の作用を図9(A)〜(F)及び図10を用いて説明する。
図10において、太線部は電流通電状態を示し、細線は無電流状態を示す。また、(A)〜(F)の各動作点の回路状態は図9(A)〜(F)に対応して示されている。
【0009】
図9(A)はタップT1での運転状態を示し、負荷電流IL はタップT1、可動接点M1、固定接点SA、可動接点Sm、コモン接点SC、主バルブHを通して流れる。
【0010】
このような状態からタップT2への切換動作は次のようになる。
(1)まず、抵抗バルブWが閉じると図9(B)に示すようにタップT1とT2との間で循環電流Icが流れる。
(2)次に主バルブHを開き、負荷電流を遮断すると図9(C)に示すようにタップT2、可動接点M2,限流抵抗R及び抵抗バルブWの回路に電流が移る。
(3)主バルブHが開いた後、一定時間経過すると図9(D)に示すように無電流状態で切換スイッチSの可動接点Smが動作を開始する。図はその動作の中間位置を示す。
(4)そして、切換スイッチSの可動接点Smがさらに移動し、図9(E)に示すように相手固定接点SBに投入した時点で動作を完了する。この間負荷電流IL は抵抗バルブWの回路を流れ続ける。
(5)この状態で、再び主バルブHが動作し閉路すると図9(F)に示すように負荷電流IL が抵抗バルブWの回路から、主バルブHの回路に移り、タップT2への切換を完了して運転状態となる。
【0011】
図8は前述した1抵抗2バルブ方式の従来の負荷時タップ切換器の構成例を示し、本図では主バルブ及び抵抗バルブの構造は省略されている。
図8に示すように、絶縁筒19は外周面側から適宜の間隔を存して設けられた複数個のサポート18により保持されている。この絶縁筒19の内周面に3等配にして固定接点SA,SB及びコモン接点SCがそれぞれ上下方向に取付けられている。
【0012】
また、絶縁筒19の中心部には駆動軸2が軸方向に設けられ、この駆動軸2にはアーム21が取付けられ、その先端にローラ23が回動自在に取付けられている。
【0013】
さらに、絶縁筒19の一部に設けられた開口部より絶縁筒内に回動端部を臨ませてリンク22が設けられ、このリンク22はベアリング34を介して所定のサポート18に回動自在に支持されている。このリンク22には回動端部側にV形溝35と回動端近傍の中央に細長溝36がそれぞれ設けられ、V形溝35にはアーム21の先端に取付けられたローラ23が転動自在に係合され、駆動軸2の回動に伴ってリンク22が断続的に回動可能に構成されている。
【0014】
一方、可動部50は絶縁筒19内に駆動軸2を中心に回動可能に設けられ、前述した固定接点SA,SBと接触又は開離する可動接点Smが接点サポート53に3等配にしてそれぞれ取付けられている。
【0015】
また、この可動部50にはアーム51が固定され、このアーム51の先端にはローラ52が回動自在に取付けられ、このローラ52が回動リンク22に設けられている細長溝36に沿って転動することにより、可動部全体が回動可能になっている。
【0016】
このように構成した切換スイッチSの動作を説明する。
駆動軸2には図示していないが主バルブ及び抵抗バルブを開閉するカムが取付けられ、このカムの回動により両バルブを開閉させる。
【0017】
いま、図8の状態から駆動軸2が回動すると、アーム21も回動すると同時にローラ23がリンク22のV形溝35内を移動する。このローラ23がV形溝35内を移動開始後、直ちに抵抗バルブWおよび主バルブHが開く(図9(C))。
【0018】
以降ローラ23がV形溝35の頂点35aに到達するまでの間、アーム21は溝35bを空転動作を行い、主バルブHが開いた後の消弧時間を確保する。そして、ローラ23が頂点35aに達するとV形溝35の反対側円弧面に当接してリンク22を回動させる。同時に細長溝36、ローラ52、アーム51及び接点サポート53に3等配して配置されている可動接点Smが移動し、固定接点SAからSBへ切換える。
【0019】
この可動接点Smが固定接点SBに切換完了した時点では、ローラ23はV形溝35の反対側の円弧面35cに達しており、それ以降の回動ではリング22は回動せず、ローラ23は空転動作を行う(図9(E))。
そして、この空転動作完了間隙で主バルブHが閉じ、切換動作を完了する(図9(F))。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の切換スイッチSの構造においては、次のような難点がある。
(1)駆動源から回動エネルギを受けて駆動軸2及びアーム21が回動すると、ローラ23がV形溝35を介してリンク22を回動せしめ、そしてその負荷となる切換スイッチSの可動部50を回動させて切換動作が行われるが、ローラ23がV形溝35の頂点35aに当接した際、弾性衝突現象が生じる。この衝突によって駆動軸2から伝達される駆動源の回動エネルギは大きな損失を伴い、回転速度がその分低下することになる。このため、可動部50に所定の回転速度を付与するには、この損失エネルギ分に見合ったエネルギを駆動源に加算する必要があるため、大形化する。
(2)V形溝35の頂点35aにローラ23が衝突すると、両者に衝突速度に見合った衝撃力が作用する。この衝撃力に耐えるようにローラ23の支持部材を製作する必要が生じるため、大形化する。
(3)駆動軸2、アーム21、ローラ23は駆動源側の装置内に設けられた鎖錠装置により両動作終端に停止(静止)させ、静止の状態となっている。しかし、リンク22、可動部50はV形溝35の円弧形溝35b,35cとローラ23によって動作が拘束されている。
【0021】
このローラ23を回動させるため、ローラ外径と円弧溝の溝幅には0.2〜0.5mm程度のギャップを持たせておく必要がある。この場合、細長溝36とローラ52も同様にローラ外径と細長溝の溝幅には0.2〜0.5mm程度のギャップを持たせておく必要がある。
【0022】
変圧器運転時には周知の通り、励磁振動を伴い、可動部50の周辺も同様にこの振動を受ける。可動部50は可動接点Smの接触摩擦力及び回動中心部の軸受部の摩擦力は受けているものの、何ずれも微小なもので可動部50を拘束するには至らず、常に振動を受けている。この振動荷重は円弧溝35b、35cとローラ23との接触点で繰返し、受けることになる。
【0023】
また、長年月運転を継続すると、この接触点に応力が集中し、疲労破壊(フレッテングコロージョン)を起こし、ついには切換動作不能に至ることも想定される。
(4)可動部50は両終端において自由振動を伴うため、可動接点と固定接点との間にチャタリングを起こすことも考えられる。
【0024】
以上のようなことから、装置全体が大形化し、高価になる難点がある。
本発明は上記のような問題点を解消するためなされたもので、装置全体を小形化できると共に、安価に製作することができる負荷時タップ切換器を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により構成された切換スイッチを備えた負荷時タップ切換器とするものである。
請求項1に対応する発明は、絶縁筒内に、変圧器タップ巻線に有する複数個のタップに各々接続された固定接点及びコモン接点上を摺動しながら前記固定接点間を切換接続する可動接点を備えた切換スイッチと、この切換スイッチの前記コモン接点と隣接する一方のタップとの間に直列接続して設けられた1個の限流インピーダンス及び2個の真空バルブと、前記2個の真空バルブを外部より与えられる駆動力により開閉する真空バルブ開閉機構と、前記切換スイッチを作動させ、且つ前記真空バルブ開閉機構により前記2個の真空バルブが開閉すると隣接するタップ間に流れる循環電流を前記限流インピーダンスにより限流し隣接するタップを選択して切換接続させる切換スイッチ作動機構と、駆動軸に直結したアーム、このアームに取り付けたローラがリンクに形成されたV形溝に回動自在に係合し、このV形溝の頂点近傍のみ前記ローラによってリンクを回動せしめ、他の両側溝部では前記真空バルブのしゃ断動作との間に時間差を持たせるための空転動作を行なわせる構成とし、負荷電流をしゃ断する真空バルブがしゃ断動作を終了するまで前記切換スイッチを作動させないように前記真空バルブ開閉機構と切換スイッチ作動機構との間に時間差を持たせる空転機構とを具備した負荷時タップ切換器において、前記リンクのV形溝の頂点近傍で動作する前記切換スイッチの可動部の円周端に複数個の可動接点を保持する接点サポートを形成し、この接点サポートの回動方向の両端面にそれぞれ当接するように少なくとも左緩衝部と右緩衝部なる一対の緩衝装置を配設する一方、この緩衝装置は、前記接点サポートに押出力を与える受板と作用力源となるばねを複数個配置し、前記ばねの弾性力を作用方向に案内する案内棒を設け、その弾性力による反力を受けて押出力及びエネルギ吸収作用が可能なように前記絶縁筒の内周面に受台を配設して構成することにより、前記切換スイッチの可動部が動作開始時には初速度を与え、動作終端では前記可動部の回転エネルギを吸収するように作用し、さらに前記接点サポートの静止時には前記接点サポートに押圧力を与えることにより変圧器の励磁振動による自由動作をしないようにしたものである。
【0028】
従って、上記請求項1に対応する発明の負荷時タップ切換器にあっては、可動部を構成する接点サポートにその動作両終端において当接する緩衝装置を設け、この装置は可動部が動作開始する点、すなわちローラがV形溝の頂点に衝突する直前において可動部を回転方向に押出すように作用せしめ、終端位置直前では反対方向の緩衝装置が接点サポートの反対面に当接し、上記とは逆に可動部の回転エネルギを吸収する作用を行わせる機能を持たせることにより、従来の技術課題を解決することができる。
【0029】
すなわち、衝突によるエネルギーの損失は衝突直前で可動部からリンクに初速度を与えることで損失を最小限に止める。その結果、ローラが当接する際に生ずる衝撃力が緩和され、コンパクトにまとめられる。
【0030】
また、両終端位置では一方の緩衝装置によって可動部に押出力を与えているので、V形溝とローラとの間の接触点にはこの押出力による荷重が作用しており、変圧器励磁振動を受けても振動荷重は受けない。
さらに、動作両終端においてはエネルギを吸収するように作用するため、自由振動は回避され、可動接点のチャタリング防止に有効である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明による負荷時タップ切換器の第1の実施の形態における切換スイッチSの構成を示し、図2は図1の緩衝装置の詳細な構成を示すもので、図8と同一部品には同一符号を付して説明する。
【0032】
図1において、絶縁筒19は外周面側から適宜の間隔を存して設けられた複数個のサポート18により保持されている。この絶縁筒19の内周面に3等配にして固定接点SA,SB及びコモン接点SCがそれぞれ上下方向に取付けられている。
【0033】
また、絶縁筒19の中心部には駆動源に連結されて主バルブ及び抵抗バルブを開閉する駆動軸2が軸方向に設けられ、この駆動軸2にはアーム21が2個のキー54を介して取付けられ、その先端にローラ23が回動自在に取付けられている。
【0034】
さらに、絶縁筒19の一部に設けられた開口部より絶縁筒内に回動端部を臨ませてリンク22が設けられ、このリンク22はベアリング34を介して所定のサポート18に回動自在に支持されている。このリンク22には回動端部側にV形溝35と回動端近傍の中央に細長溝36がそれぞれ設けられ、V形溝35にはアーム21の先端に取付けられたローラ23が転動自在に係合され、駆動軸2の回動に伴ってリンク22が断続的に回動可能に構成されている。
【0035】
一方、可動部50は絶縁筒19内に駆動軸2を中心に回動可能に設けられ、前述した固定接点SA,SBと接触又は開離する左右一対の可動接点SmがY形状に形成された接点サポート53に3等配にしてそれぞれ取付けられている。
【0036】
また、この可動部50にはアーム51が固定され、このアーム51の先端にはローラ52が回動自在に取付けられ、このローラ52が回動リンク22に設けられている細長溝36に沿って転動し、可動部全体が回動することにより可動接点Smが固定接点SA,SBとコモン接点Scに橋絡、接触して通電経路を形成するようになっている。
【0037】
さらに、3等配して配置された固定接点SA,SBの相互間に対応する絶縁筒19の内周面の2か所に形成された支持ブロックに右緩衝部101と左緩衝部102からなる緩衝装置100がそれぞれ設けられている。
【0038】
この緩衝装置100は図2に示すように、右緩衝部101と左緩衝部102を支持ブロックに受台106を介してそれぞれ支持されている。これらの緩衝部101,102は接点サポート53に接し、ばね105の押出力を接点サポート53に伝達する受板103と、この受板103を作用方向に案内する案内棒104と押出力の源となるばね105によって構成されている。
【0039】
従って、可動部50が駆動され、可動接点Smが固定接点SAに接触しているときは、接点サポート53のY形辺の図示右側面に右緩衝部101が圧接し、逆に固定接点SBに接触したときは左緩衝部102が圧接する。
【0040】
また、圧接している側はばね105によって押出す方向にばね力が作用し、他方(図1では左緩衝部102)は自由な状態になっており、次の動作に備えている。
【0041】
次にこのように構成された切換スイッチSの動作及び機能を図3乃至図7を用いて説明する。
図3は可動接点Smが固定接点SAに接触した状態、即ち図9(A)の回路図での運転状態である。可動部50の接点サポート53の一辺は右緩衝部101に圧接して押出力Aを受け、その力を接点サポート53、アーム51を経てローラ52へ、さらにリンク22の細長溝36からV形溝35の円弧形溝35bを経てローラ23に接触荷重を与え、変圧器の励磁振動程度では自由動作が行われないようになっている。
【0042】
このような状態にあるとき、図4に示すようにタップ切換指令を受けて駆動軸2が回動すると、アーム21が矢視方向(図示反時計方向)に回動し、このアーム21の回動によりローラ23はリンク22のV形溝35の円弧形溝35bに沿って回動し、頂点35aまで達する。この回動動作中に駆動軸2に連結されたバルブ駆動部によって抵抗バルブWが閉じ、次いで主バルブHが開いて負荷電流を遮断し、抵抗回路に移行する(図9(C)の回路図)。
【0043】
ローラ23がリンク22のV形溝35の円弧形溝35bから外れ、頂点35aの直前に達するとそれまでローラ23によって回動を拘束していたリンク22は押出力Aによって矢視方向に回動を開始する。これまでのローラ23の回動は切換スイッチSの可動部50へは何んら影響を与えず空転動作する。
【0044】
やがて、ローラ23はリンク22のV形溝35の頂点35aを越えて、他方の円弧形溝35bに衝突すると、この時リンク22は図5に示すように押出力Aによって可動部50は図示矢印B方向の回動力を受け、回動を開始するため、衝撃力は大幅に低減され、可動部50をスムーズに回動させ始める。
【0045】
さらに、可動部50がローラ23の動力を受けて回動すると可動接点Smは図6に示すように固定接点SAから離れ(図9(D)の回路図)、固定接点SBに接触する。この接触と同時に接点サポート53の他辺面が左緩衝部102に当接し、押出力Aを回転力Bに対向して逆らい、左緩衝部102が回動力Bの回動エネルギを吸収し始める。
【0046】
さらに、図7に示すように可動部50が回動してローラ23がリンク22のV形溝35の円弧形溝35cの端部に達すると、可動接点Smが固定接点SBの所定位置に接触して静止する。
【0047】
この際、回動力Bの回動エネルギは左緩衝部102の押出力が吸収エネルギとなって吸収し、消滅、停止する。静止状態になると左緩衝部102の押出力Aが接点サポート53に作用する状態となって図3に示した状態と同じになり、切換動作を終了する。このとき、ローラ23がリンク22のV形溝35の円弧形溝35cを回動中に主バルブHが閉じ、固定接点SBでの運転状態となる(図9(F)の回路図)。
【0048】
このように本発明の実施の形態によれば、1抵抗2バルブ方式の切換スイッチに前述した構成の緩衝装置100を設けることにより、次のような作用効果を得ることができる。
(1)ローラ23がリンク22を回動し始める直前においては、緩衝部の押出力Aによって初期回動速度が接点サポート53を経てリンク22に与えられているので、ローラ23の衝突時の衝撃力が大幅に減少する。
【0049】
したがって、ローラ23の支持部材は汎用品を用いることが可能となり、安価に製作できる。また、力の大きさが不確定な衝撃力を緩和させることができるので、過度の疲労強度を見込む必要がなくなり、全体をコンパクトに製作することができる。
【0050】
さらに、衝突時の回動エネルギの損失によって従動側となる可動部50に所定の速度を与えるためには原動側のエネルギを増加させなければならないが、その必要がなくなり、その上可動部50に安定した回動速度を与える利点がある。
(2)可動接点Smが固定接点SA,SBの何ずれかに投入、静止状態にあっても緩衝部101,102からの押出力Aが常に作用するため、V形溝35とローラ23及び細長溝36とローラ52にても力が作用し、変圧器の励磁振動によって自由動作を行うので、両者の接触点への繰返し集中荷重によるフレッテングコロージョン(応力腐食)現象を起こすことも完全に解消でき、信頼性を高めることができる。
(3)切換動作終端においては、可動部50の回動エネルギを吸収する作用をなし、安定した停止及び静止状態が得られるので、固定及び可動接点のチャタリング現象を解消でき、安定した接触状態を得ることができる。
【0051】
以上は固定接点SAからSBへの切換動作について述べたが、これとは逆方向の動作についても前述と同様に機能するので、ここではその説明を省略する。
上記実施の形態では2組の緩衝装置100を取付けた例を示したが、可動部50の回動エネルギによっては1組でもよく、また不足する場合には3組取付けることも可能である。このような構成としても前述した実施の形態と全く同様の機能となる。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、装置全体を小形化できると共に、安価に製作することができる負荷時タップ切換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による負荷時タップ切換器の実施の形態における切換スイッチを示す平面図。
【図2】同実施の形態における緩衝装置を示す断面図。
【図3】同実施の形態において、運転状態にあるときの切換スイッチの平面図。
【図4】同実施の形態において、タップ切換指令を受けて動作を開始したときの切換スイッチの平面図。
【図5】同実施の形態において、動作開始後の第1の動作過程を示す切換スイッチの平面図。
【図6】同実施の形態において、第2の動作過程を示す切換スイッチの平面図。
【図7】同実施の形態において、切換動作が終了するまでの動作過程を示す切換スイッチの平面図。
【図8】従来の負荷時タップ切換器の切換スイッチを示す平面図。
【図9】1抵抗2バルブ方式の切換スイッチの回路図。
【図10】同切換スイッチの切換動作を説明するためのシーケンス図。
【符号の説明】
S……切換スイッチ
Sm……可動接点
SA,SB……固定接点
50……可動部
53……接点サポート
100……緩衝装置
101……右緩衝部
102……左緩衝部
103……受板
104……案内棒
105……ばね
106……受台

Claims (1)

  1. 絶縁筒内に、
    変圧器タップ巻線に有する複数個のタップに各々接続された固定接点及びコモン接点上を摺動しながら前記固定接点間を切換接続する可動接点を備えた切換スイッチと、
    この切換スイッチの前記コモン接点と隣接する一方のタップとの間に直列接続して設けられた1個の限流インピーダンス及び2個の真空バルブと、
    前記2個の真空バルブを外部より与えられる駆動力により開閉する真空バルブ開閉機構と、
    前記切換スイッチを作動させ、且つ前記真空バルブ開閉機構により前記2個の真空バルブが開閉すると隣接するタップ間に流れる循環電流を前記限流インピーダンスにより限流し隣接するタップを選択して切換接続させる切換スイッチ作動機構と、
    駆動軸に直結したアーム、このアームに取り付けたローラがリンクに形成されたV形溝に回動自在に係合し、このV形溝の頂点近傍のみ前記ローラによってリンクを回動せしめ、他の両側溝部では前記真空バルブのしゃ断動作との間に時間差を持たせるための空転動作を行なわせる構成とし、
    負荷電流をしゃ断する真空バルブがしゃ断動作を終了するまで前記切換スイッチを作動させないように前記真空バルブ開閉機構と切換スイッチ作動機構との間に時間差を持たせる空転機構とを具備した負荷時タップ切換器において、
    前記リンクのV形溝の頂点近傍で動作する前記切換スイッチの可動部の円周端に複数個の可動接点を保持する接点サポートを形成し、
    この接点サポートの回動方向の両端面にそれぞれ当接するように少なくとも左緩衝部と右緩衝部なる一対の緩衝装置を配設する一方、
    この緩衝装置は、前記接点サポートに押出力を与える受板と作用力源となるばねを複数個配置し、前記ばねの弾性力を作用方向に案内する案内棒を設け、その弾性力による反力を受けて押出力及びエネルギ吸収作用が可能なように前記絶縁筒の内周面に受台を配設して構成することにより、
    前記切換スイッチの可動部が動作開始時には初速度を与え、動作終端では前記可動部の回転エネルギを吸収するように作用し、さらに前記接点サポートの静止時には前記接点サポートに押圧力を与えることにより変圧器の励磁振動による自由動作をしないようにしたことを特徴とする負荷時タップ切換器。
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