JP4130299B2 - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ヘッド及びその製造方法に関するものであり、特に、磁気ヘッドの構成部品を製造工程にて再利用可能な磁気ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体に対して非接触状態で磁気情報を記録/再生を行う磁気ヘッドは、一般的に、サスペンションの先端に設けられたフレキシャに浮上式磁気ヘッドを保持させて構成されている。
上記の磁気ヘッドは、フレキシャに浮上式磁気ヘッドを接着剤によって接着し、次にフレキシャ側の電極を浮上式磁気ヘッドのパッド部に金ボール等を介して電気的に接続し、更に浮上式磁気ヘッドの電気特性を検査して良品のみを選別する、といった工程を経て製造されるのが一般的である。
電気特性を検査して不良品と判定された浮上式磁気ヘッドは、フレキシャに接合されたままの状態で廃棄されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで最近では、性能向上のために、サスペンション自体にマイクロアクチュエータや半導体素子を取り付けたものを用いる場合がある。従って、浮上式磁気ヘッドが不良品と判定された場合であっても、サスペンション自体を再使用したいという要望があった。
【0004】
しかし、浮上式磁気ヘッドは接着剤によってフレキシャに強固に固定されているため、一旦フレキシャに接着したあとで取り外そうとすると、フレキシャの強度が極めて低いためにサスペンションを損傷させる可能性が高い。従ってフレキシャから浮上式磁気ヘッドを分離してサスペンションのみを再利用することは極めて困難であった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、浮上式磁気ヘッドが不良品であった場合にサスペンションのみを再利用可能な磁気ヘッド製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した
【0014】
本発明の磁気ヘッドの製造方法は、磁気ヘッド素子及び該磁気ヘッド素子に電気的に接続されるパッド部がスライダに備えられてなる浮上式磁気ヘッドを、付勢電極を備えたフレキシャに接着樹脂によって接合することにより磁気ヘッドを製造する方法であり、前記接着樹脂は、溶剤に溶解されたポリエステル系樹脂からなり、前記溶剤に分散されたゾル状態から温度Tgでゲル状態に変化し、温度Tmでゲル状態から溶融状態に変化し、温度Tcで溶融状態から硬化状態に変化するものであってTg<Tm<Tcの関係を有するものであり、該接着樹脂を前記フレキシャの接着面に塗布するとともにTg以上Tm以下に加熱することにより前記接着樹脂をゲル化して前記スライダの被接着面を前記接着面に圧着することにより、前記パッド部に前記付勢電極を圧着させた状態で前記浮上式磁気ヘッドを前記フレキシャに仮固定して仮止め品とする仮固定工程と、前記付勢電極を介して前記浮上式磁気ヘッドの電気特性を基準値と比較し、前記仮止め品を基準内のものと基準外のものに選別する検査工程と、前記基準内の仮止め品を、温度Tc以上に加熱することにより前記接着樹脂を硬化状態にして、前記浮上式磁気ヘッドを前記フレキシャに固定して磁気ヘッドとする完成化工程と、前記基準外の仮止め品を、温度Tm以上Tc以下に加熱して前記接着樹脂を溶融状態にして、前記浮上式磁気ヘッドと前記フレキシャとを分離する分解工程と、前記分解工程により得られた前記フレキシャを、前記仮固定工程に返送する返送工程とを具備してなることを特徴とする。
【0015】
係る磁気ヘッドの製造方法によれば、フレキシャに浮上式磁気ヘッドを仮固定した状態で浮上式磁気ヘッドの電気特性を測定し、電気特性が基準外のもののみを選別して接着樹脂を溶融状態とし、フレキシャと浮上式磁気ヘッドを分離するので、フレキシャを損傷させずに浮上式磁気ヘッドを取りはずすことができ、フレキシャの再利用が可能になる。
また、電気特性が基準内のものは、接着樹脂を加熱するだけで浮上式磁気ヘッドをフレキシャに強固に固定できるので、特別な設備を必要とせず、製造工程を簡略化することが可能になる。
【0016】
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法は、磁気ヘッド素子及び該磁気ヘッド素子に電気的に接続されるパッド部がスライダに備えられてなる浮上式磁気ヘッドを、端子電極を備えたフレキシャに接着樹脂によって接合することにより磁気ヘッドを製造する方法であり、前記接着樹脂は、溶剤に溶解されたポリエステル系樹脂からなり、前記溶剤に分散されたゾル状態から温度Tgでゲル状態に変化し、温度Tmでゲル状態から溶融状態に変化し、温度Tcで溶融状態から硬化状態に変化するものであってTg<Tm<Tcの関係を有するものであり、前記浮上式磁気ヘッドのパッド部に接触突起を有する接続電極を取り付ける電極形成工程と、前記接着樹脂を前記フレキシャの前記接着面に塗布するとともにTg以上Tm以下に加熱して前記接着樹脂をゲル化して前記スライダの被接着面を前記接着面に圧着すると同時に、前記接触突起を前記端子電極に接触させた状態で、前記浮上式磁気ヘッドを前記フレキシャに仮固定して仮止め品とする仮固定工程と、前記端子電極を介して前記浮上式磁気ヘッドの電気特性を基準値と比較し、前記仮止め品を基準内のものと基準外のものに選別する検査工程と、前記基準内の仮止め品を、温度Tc以上に加熱することにより前記接着樹脂を硬化状態にして前記浮上式磁気ヘッドを前記フレキシャに固定するとともに、前記接触突起を潰しつつ前記接続電極を前記端子電極に圧着して磁気ヘッドとする完成化工程と、前記基準外の仮止め品を、温度Tm以上Tc以下に加熱することにより前記接着樹脂を溶融状態にして、前記浮上式磁気ヘッドと前記フレキシャとを分離する分解工程と、前記分解工程により得られた前記フレキシャを、前記仮固定工程に返送する返送工程とを具備してなることを特徴とする。
【0017】
係る磁気ヘッドの製造方法によれば、接触突起を潰しつつ前記接続電極を前記端子電極に圧着して磁気ヘッドとするので、接続電極と端子電極との電気的接続を確実なものとすることができ、磁気ヘッドの歩留まりを向上させることが可能になる。
【0018】
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法は、先に記載の磁気ヘッドの製造方法であって、前記電極形成工程が、前記浮上式磁気ヘッドを接続電極形成用の型面に対して前記パッド部の表面が起立した状態で配置し、接続電極用材料を前記パッド部に接合すると同時に前記型面に圧着して、前記型面に対応した接触突起を有する接続電極を形成し、前記接続電極を前記型面から剥離する工程からなることを特徴とする。
【0019】
係る磁気ヘッドの製造方法によれば、接続電極形成用の型面を用いて接触突起付きの接続電極を形成するので、一定の形状の接続電極を量産することができ、接続電極の生産性を高めることが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に本発明の第1の実施形態である磁気ヘッド1の斜視図を示し、図2に磁気ヘッド1の平面図を示し、図3には磁気ヘッド1の側面図を示す。
図1に示すように、この磁気ヘッド1は、ロードビーム2の先端2aに取り付けられたフレキシャ3と、フレキシャ3に保持された浮上式磁気ヘッド4とを主体として構成されている。これらフレキシャ3とロードビーム2とによりサスペンション3dが構成されている。
【0021】
図1に示すように、浮上式磁気ヘッド4は、Ai23-TiC等の非磁性体からなるスライダ5に磁気ヘッド素子6が形成されて構成されている。
磁気ヘッド素子6はスライダ5の一端面5a上に、再生ヘッド部と書込ヘッド部とを積層して構成されている。そして、磁気ヘッド素子6の一部がスライダ5の媒体対向面5bに露出している。
また、図1及び図3に示すように、スライダ5の一端面5a上には金等からなる4つのパッド部7…が設けられている。これらのパッド部7…は磁気ヘッド素子6に電気的に接続され、磁気ヘッド素子6と外部との間でやりとりされる電気信号の端子としての役割を果たす。尚、パッド部7…の数は4つに限られるものではない。
そして図1及び図3に示すように、スライダ5の媒体対向面5bの反対面である被接着面5cが、フレキシャ3のフレキシャ舌部3aに接着されている。
【0022】
図2に示すように、フレキシャ3は厚さ数十μmのステンレス等の薄板からなり、その先端にはフレキシャ舌部3aが形成されている。フレキシャ舌部3aは、フレキシャ3の先端中央を打ち抜いて舌状に形成されたもので、フレキシャ3の先端側から基端側に向けて延在している。
そして、フレキシャ舌部3aの接着面3bには、凸部3c…が形成されている。凸部3c…は図3に示すように、接着面3bから浮上式磁気ヘッド4側に突出して形成されている。
【0023】
また図1〜図3に示すように、フレキシャ3には、少なくとも表面が金からなる付勢電極8…が取り付けられている。付勢電極8…は、フレキシャ3の基端側から先端側に向けて延在する外部配線9…の先端に設けられており、図1及び図3に示すように、外部配線9…の先端が折り曲げられて折曲部10が形成され、付勢電極8…はその折曲部10…を介して外部配線9…に接続されている。
そして付勢電極8…は、折曲部10…を固定点とする片持ちばねとされ、浮上式磁気ヘッド4のパッド部7…側に付勢されてパッド部7に圧着されている。尚、パッド部7…が金で構成された場合は、付勢力によって付勢電極8…がパッド部7…に若干くい込むため、付勢電極8…とパッド部7…との電気的な接続が良好なものとなる。
【0024】
そして、浮上式磁気ヘッド4のスライダ5の被接着面5cが、フレキシャ3のフレキシャ舌部3aの接着面3bに接着樹脂11により接着されている。即ち図3に示すように、被接着面5cと接着面3bとの間に接着樹脂11が充填され、浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ3とがこの接着樹脂11により接合されている。
浮上式磁気ヘッド4の被接着面5cは、凸部3c…の上面に当接し、被接着面5cと接着面3bとの間に微小な隙間が設けられ、接着樹脂11はこの隙間に充填される。
また凸部3cは、図2に示すように、接着面3bを取り囲むように形成されている。そして接着樹脂11は、凸部3c…によってせき止められ、凸部3c…に囲まれた領域のみに塗布されている。このように、凸部3c…は、浮上式磁気ヘッド4を支持するとともに接着樹脂11の流動を防止する。
【0025】
接着樹脂11は、温度Tgでゾル状態からゲル状態に変化し、温度Tmでゲル状態から溶融状態に変化し、温度Tcで溶融状態から硬化状態に変化するものである。ここで、各温度は、Tg<Tm<Tcの関係を示す。浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ3を接合する際には、接着樹脂11が硬化状態またはゲル状態となる。
【0026】
この接着樹脂11は、通常、溶剤に溶解された状態でフレキシャ舌部3aの接着面3bに塗布される。溶剤に溶解された状態の接着樹脂11は、溶剤中に溶解分散、若しくはコロイド状に分散した状態となっており、外見上は液状体あるいは半流動状体のような性状を示し、いわゆるゾル状態になっている。
そして温度Tgを越えると溶剤がほとんど揮発し、接着樹脂11が析出したゲル状態になる。このゲル状態でフレキシャ3に浮上式磁気ヘッド4を圧着させることにより、フレキシャ3と浮上式磁気ヘッド4とを仮固定できる。図1〜図3に示す磁気ヘッド1では、接着樹脂11がゲル状態であっても良い。
【0027】
更に温度がTmを越えると、接着樹脂11はゲル状態から溶融状態に変化し、ジェリー状から液状若しくは半流動体状になる。溶融状態の接着樹脂11は粘着性が著しく低下し、これによりフレキシャ3に機械的な負荷を与えることなくフレキシャ3から浮上式磁気ヘッド4を分離可能となる。
そして、温度がTcを越えると、接着樹脂11は溶融状態から化学的な反応、例えば重合反応、縮合反応等の化学反応を経て硬化して硬化状態になる。この硬化状態への反応は不可逆的反応であり、接着樹脂11が一旦硬化すると、温度が低下したとしても溶融状態に戻ることがない。
図1〜3に示す磁気ヘッド1の接着樹脂11は硬化状態であり、これによりフレキシャ3と浮上式磁気ヘッド4を強固に固定できる。
【0028】
上記の接着樹脂11の具体例としては、ポリエステル系が好ましい。また、溶剤の具体例としては、グリコールエステル類、ケトン類、芳香族類等を例示できるが、特にケトン類が好ましい。
【0029】
上記の磁気ヘッド1によれば、化学的に硬化した接着樹脂11により浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ舌部3aに接着しているので、実際の使用によって磁気ヘッドに温度が上昇した場合でも接着強度が低下することがなく、安定した磁気記録情報の記録再生を行うことができる。
また、接着樹脂11がゲル状態の場合であっても、充分な接着強度が得られるので、浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ3を仮固定することができ、この状態で浮上式磁気ヘッド4の電気特性等を測定することができる。
更に、接着樹脂がゲル状態の場合には、接着樹脂を更にTmまで加熱して溶融状態とすることにより、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ3から容易に取り外せるので、フレキシャ3に機械的な負荷がかかることがなく、サスペンション3dを損傷させることがない。
【0030】
また、浮上式磁気ヘッド4と外部との電気的な接続をパッド部7…と付勢電極8…のみにより行うので、従来のように金ボールを介して溶接する必要がなく、部品点数が低減して信頼性の高い磁気ヘッドを構成することが可能になる。
更にパッド部7…と付勢電極8…の接続は、付勢電極8…をパッド部7…に付勢して圧着することのみで維持されているので、フレキシャ3から浮上式磁気ヘッド4を取りはずす際に、パッド部7…と付勢電極8…を切り離すための操作は特に必要なく、単に接着樹脂11を溶融状態にするだけでフレキシャ3から浮上式磁気ヘッド4を取りはずすことができ、パッド部7…や付勢電極8…を損傷させることがない。
【0031】
また、フレキシャ舌部3aの接着面3b上に接着樹脂11の流動を防止する凸部3c…が設けられているので、接着樹脂11が過度に広範囲に広がることがなく、フレキシャ3と浮上式磁気ヘッド4の接着強度が低下することがないので、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ3に確実に固定させることができる。
【0032】
また、付勢電極に接続電極を取り付け、この接続電極にパッド部を付勢させることによって、浮上式磁気ヘッドを外部配線に電気的に接続しても良い。
この例の磁気ヘッドの要部を図4に示す。なお、図4に示す磁気ヘッドの構成要素のうち、図1〜図3に示した磁気ヘッド1と同一の構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
図4に磁気ヘッド20は、図1〜3に示した磁気ヘッドと同様に、パッド部7…を有する浮上式磁気ヘッド4と、フレキシャ23と、付勢電極28とを主体として構成されている。
【0033】
付勢電極28は、フレキシャ舌部23aの一部を打ち抜いて舌状に形成されたもので、フレキシャ舌部23aの先端側から基端側に向けて延在している。
付勢電極28は、浮上式磁気ヘッド4から離れる側に向けてフレキシャ舌部23aから折り曲げられており、この折り曲げられた部分が折曲部30とされている。そして、外部配線9の先端がこの折曲部30近傍に接続されている。
【0034】
また、浮上式磁気ヘッド4のパッド部7…には、接続電極40…が取り付けられている。接続電極40…は、一端がパッド部7…に接合し、他端がフレキシャ舌部23a側に突出している。接続電極40…の他端は、付勢電極18…の打ち抜きによって形成された打抜孔18aを貫通して付勢電極18側に突出している。
そして付勢電極18…は、折曲部30…を固定点とする片持ちばねとされ、浮上式磁気ヘッド4のパッド部7…側に付勢され、接続電極40…に圧着されている。
【0035】
上記の磁気ヘッド20によれば、先に説明した磁気ヘッド1と同様な効果の他に次の効果が得られる。即ち、付勢電極18とパッド部7…との間に接続電極40…が配置され、付勢電極18…が接続電極40…側に付勢されているので、浮上式磁気ヘッドと外部配線9とを確実に接続することができる。
また、フレキシャ舌部23aを打ち抜くだけで、あるいはエッチングすることにより付勢電極18…を形成できるので、構造が簡略化されて磁気ヘッド20の信頼性を高めることができる。
【0036】
次に、本発明の第1の実施形態の磁気ヘッド1の製造方法を図面を参照して説明する。
磁気ヘッド1の製造方法は、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ3に仮固定して仮止め品とする仮固定工程と、浮上式磁気ヘッド4の電気特性に基づいて仮止め品を選別する検査工程と、仮止め品が良品の場合に浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ3に完全に固定する完成化工程と、仮止め品が不良品の場合に浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ3を分離する分解工程と、フレキシャ3を仮固定工程に返送する返送工程とから構成されている。
【0037】
まず仮固定工程では、図5の符号100で示すように、フレキシャ舌部3aの接着面3bに接着樹脂11を塗布する。接着樹脂11は凸部3c…に囲まれた領域に塗布することが望ましい。
また、接着樹脂11は前述したように、加熱によってゾル状態からゲル状態へ、更に溶融状態から硬化状態に変化するものであり、この仮固定工程においては溶剤に溶解されてゾル状態の接着樹脂11を塗布する。そして、Tg以上Tm以下の温度に加熱して溶剤を揮発させることにより接着樹脂11をゲル化する。接着樹脂11が例えばポリエステル系樹脂の場合、Tgは25℃(室温)程度、Tmは100℃程度である。
【0038】
次に、図5の符号101で示すように、フレキシャ舌部3aに浮上式磁気ヘッド4を圧着して仮固定し、仮止め品Aとする。ゲル状態の接着樹脂11は、外見的にはジェリー状であり、粘着性を示す。従って接着樹脂11がゲル状態のときに、フレキシャ3に浮上式磁気ヘッド4を圧着させることにより、フレキシャ3と浮上式磁気ヘッド4とを仮固定できる。
フレキシャ3に浮上式磁気ヘッド4を仮固定した状態では、図5の符号101で示すように、パッド部7…に付勢電極8…が圧着された状態になる。
なお、浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ3とを冶具等により固定した状態で接着樹脂11を加熱してゲル状態とし、浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ3を仮固定しても良い。
【0039】
次に検査工程では、まず図5の符号102に示すように、仮止め品Aの外部配線9に測定機器Bを接続する。これにより測定装置Bを、外部配線9から付勢電極8…及びパッド部7…を介して浮上式磁気ヘッド4の磁気ヘッド素子(図示せず)に電気的に接続する。浮上式磁気ヘッド4はフレキシャ3に仮固定された状態であるが、付勢電極8…をパッド部7…に圧着した状態であるので、付勢電極8…とパッド部7…との間の電気的な接続が良好な状態に保たれている。
この状態で、浮上式磁気ヘッド4の磁気ヘッド素子の電気特性を測定機器Bにより測定する。測定する電気特性としては、例えば、磁気ヘッド素子の再生ヘッド部に設けられたMR素子の電気抵抗や、再生出力、出力波形の対称性、安定性、磁気ヘッド素子の寸法、位置関係等を例示できる。
【0040】
そして、測定した電気特性とあらかじめ決められた基準値(若しくは許容範囲)とを比較し、測定した仮止め品Aが基準内のものか、基準外のものかを選別する。
例えば、測定した電気特性がMR素子の電気抵抗である場合には、この電気抵抗値を基準となる電気抵抗値の許容範囲と比較する。そして、MR素子の電気抵抗が許容範囲外である場合はその仮止め品を基準外のもの(不良品)A1とし、MR素子の電気抵抗が許容範囲内である場合はその仮止め品を基準内のもの(良品)A2とする。
【0041】
次に、上記の検査工程で基準内のもの(良品)と判定された仮止め品A1は、完成化工程に進んで以下の処理が行われる。
完成化工程では仮止め品A1に対し、図5の符号103で示すように、仮止め品A1を温度Tc以上に加熱して接着樹脂11を化学反応させて硬化状態とすることにより、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ3に完全に固定する。接着樹脂11を温度Tcまで加熱すると、接着樹脂11は溶融状態を経て化学的な反応、例えば重合反応、縮合反応等を引き起こして硬化する。溶融状態から硬化状態への反応は不可逆的反応であり、接着樹脂11が一旦この硬化状態になると温度が低下しても溶融状態に戻ることはない。また、加熱する温度は、浮上式磁気ヘッド4の耐熱温度以下の温度とすることが好ましい。尚、接着樹脂11がポリエステル系樹脂の場合、Tcは120〜130℃程度となる。
このようにして磁気ヘッド1が得られる。
【0042】
次に、上記の検査工程で基準外のもの(不良品)と判定された仮止め品A2は、分解工程に進んで以下の処理が行われる。
分解工程では仮止め品A2に対し、図5の符号104で示すように、仮止め品A2を温度Tm以上Tc以下の範囲に加熱してゲル状態の接着樹脂11を溶融状態にすることにより、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ3から分離する。接着樹脂11を温度Tm以上Tc以下の範囲に加熱すると、ゲル状態の接着樹脂11は溶融状態に変化し、液状若しくは半流動体状になる。溶融状態の接着樹脂11は粘着性が著しく低下し、これによりフレキシャ3に機械的な負荷を与えることなくフレキシャ3から浮上式磁気ヘッド4を分離することができる。
【0043】
特に浮上式磁気ヘッド4はフレキシャ舌部3aに仮固定されており、このフレキシャ舌部3aはフレキシャ3の一部を切り欠いてフレキシャ3に対して撓みやすく形成されている。
従ってフレキシャ3自体の機械的強度は極めて低いものであるが、溶融状態になった接着樹脂11は粘着性が極めて低くなっているので、フレキシャ3を変形させることなく、浮上式磁気ヘッド4を取りはずすことができる。
更にパッド部7…と付勢電極8…の接続は、付勢電極8…をパッド部7…に付勢して圧着することのみで維持されているので、フレキシャ3から浮上式磁気ヘッド4を取りはずす際に、パッド部7…と付勢電極8…を切り離すための操作は特に必要なく、単に接着樹脂11を溶融状態にするだけでフレキシャ3から浮上式磁気ヘッド4を取りはずすことができ、パッド部7…や付勢電極8…を損傷させることがない。
【0044】
そして検査工程に続く返送工程では、図5の符号105で示すように、分解工程において浮上式磁気ヘッド4を分離した後のフレキシャ3とロードビーム2を含むサスペンション3dを、仮固定工程に返送する。このフレキシャ3には、仮固定工程にて再び別の浮上式磁気ヘッド4が仮固定される。
尚、返送工程において、返送するフレキシャ3のフレキシャ舌部3aに接着樹脂11の一部が残存している場合には、適当な溶剤中にフレキシャ3ごと浸漬して接着樹脂11を除去することが好ましい。
また本発明の磁気ヘッド1の製造方法によれば、サスペンション3dを再利用することができる。特にサスペンション3dに付加機能を追加すべくマイクロアクチュエータや半導体素子等を取り付けたものであっても、サスペンション3dを破棄することなく再利用できるので、省資源化できるとともに磁気ヘッド1の製造コストを大幅に低減できる。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
図6に本発明の第2の実施形態である磁気ヘッド41の側面図を示し、図7には上記の磁気ヘッド41のフレキシャ33の平面図を示す。
尚、図6及び図7に示す磁気ヘッド41の構成要素のうち、第1の実施形態で説明した磁気ヘッド1の構成要素と同一のものには、同一符号を付してその説明の一部若しくは全部を省略する。
図6に示す磁気ヘッド41は、第1の実施形態の磁気ヘッド1と同様に、ロードビーム2の先端に設けられたフレキシャ33と、フレキシャ33に保持された浮上式磁気ヘッド4とを主体として構成されている。また、フレキシャ33とロードビーム2とによりサスペンションが構成されている。
【0046】
浮上式磁気ヘッド4は、Ai23-TiC等の非磁性体からなるスライダ5に図示しない磁気ヘッド素子が形成されて構成され、スライダ5の一端面5a上には金等からなるパッド部7…が設けられている。これらのパッド部7…は磁気ヘッド素子に電気的に接続され、磁気ヘッド素子と外部との間でやりとりされる電気信号の端子としての役割を果たす。
そして図6に示すように、スライダ5の媒体対向面5bの反対面である被接着面5cが、フレキシャ33のフレキシャ舌部33aに接着されている。
【0047】
図7に示すように、フレキシャ33は厚さ数十μmのステンレス等の薄板からなり、フレキシャ舌部33a及びフレキシャ本体33dを有し、更に外部配線39と、端子電極38とを主体として構成されている。
フレキシャ33の中央にはフレキシャ舌部33aが形成されている。フレキシャ舌部33aは、フレキシャ33の先端中央を打ち抜いて舌状に形成されたもので、フレキシャ本体33dにより弾性支持されている。
また、フレキシャ舌部33aの接着面33bには、凸部33c…が形成されている。凸部33c…は図6に示すように、接着面33bから浮上式磁気ヘッド4側に突出して形成されている。
【0048】
また図6及び図7に示すように、フレキシャ33の端子電極38…は、フレキシャ本体33dとフレキシャ舌部33aの接続部分において、フレキシャ舌部33aの一部を打ち抜いて平面視コ字状のスリット39bを設けて形成され、フレキシャ舌部33aにより弾性支持されている。そして端子電極38…は、フレキシャ舌部33aとの接続部分を固定点とする片持ちばねとされている。
また端子電極38には、図6及び図7に示すように、外部配線39の先端39aが位置している。
【0049】
浮上式磁気ヘッド4のパッド部7と端子電極38の外部配線の先端39aは、接続電極50により電気的に接続されている。接続電極50は、金ボールを超音波成形等により断面視略L字型に形成してなるもので、パッド部7と外部配線先端39aに双方に接合されている。
【0050】
そして、浮上式磁気ヘッド4のスライダ5の被接着面5cが、フレキシャ舌部33aの接着面33bに接着樹脂11により接着されている。即ち図6に示すように、被接着面5cと接着面33bとの間に接着樹脂11が充填され、浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ33とがこの接着樹脂11により接合されている。
被接着面5cは、凸部33c…の上面に当接し、被接着面5cと接着面33bとの間に微小な隙間が設けられ、接着樹脂11はこの隙間に充填される。
また凸部33cは、図7に示すように、接着面33bを取り囲むように形成されている。そして接着樹脂11は、凸部33c…によってせき止められ、凸部33c…に囲まれた領域のみに塗布されている。このように、凸部33c…は、浮上式磁気ヘッド4を支持するとともに接着樹脂11の流動を防止する。
【0051】
接着樹脂11は、第1の実施形態にて説明した接着樹脂11と同様のもので、温度Tgでゾル状態からゲル状態に変化し、温度Tmでゲル状態から溶融状態に変化し、温度Tcで溶融状態から硬化状態に変化するものである。浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ33を接合する際には、接着樹脂11が硬化状態となる。
【0052】
上記の磁気ヘッド41によれば、パッド部7及び端子電極38(外部配線先端39a)とが接続電極50に接合されているので、外部配線39と浮上式磁気ヘッド4とを電気的に確実に接続することができる。
また、この磁気ヘッド41によれば、接着樹脂11により浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ33に接着しているので、実際の使用によって磁気ヘッドに温度が上昇した場合でも接着強度が低下することがなく、安定した磁気記録情報の記録再生を行うことができる。
また、接着樹脂11がゲル状態の場合であっても、充分な接着強度が得られるので、浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ33を仮固定することができ、この状態で浮上式磁気ヘッド4の電気特性等を測定することができる。
更に、接着樹脂がゲル状態の場合には、接着樹脂を更にTmまで加熱して溶融状態とすることにより、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ33から容易に取り外せるので、フレキシャ33に機械的な負荷がかかることがなく、フレキシャ33を損傷させることがない。
【0053】
また、フレキシャ33の接着面33b上に接着樹脂11の流動を防止する凸部33c…が設けられているので、接着樹脂11が過度に広範囲に広がることがなく、フレキシャ33と浮上式磁気ヘッド4の接着強度が低下することがないので、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ33に確実に固定させることができる。
【0054】
次に、上記の磁気ヘッド41の製造方法を説明する。この磁気ヘッド41の製造方法は、浮上式磁気ヘッド4に接続電極50を接合する電極形成工程と、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ33に仮固定して仮止め品とする仮固定工程と、浮上式磁気ヘッド4の電気特性に基づいて仮止め品を選別する検査工程と、仮止め品が良品の場合に浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ33に完全に固定するとともに接続電極50をフレキシャ33に圧着する完成化工程と、仮止め品が不良品の場合に浮上式磁気ヘッド4とフレキシャ33を分離する分解工程と、フレキシャ33を仮固定工程に返送する返送工程とから構成されている。
【0055】
まず、電極形成工程では、図8の符号201に示すように、浮上式磁気ヘッド4を媒体対向面5aを上にして接続電極形成用の型Cの型面C1上に配置する。この型Cの型面C1は例えばステンレス等により構成されており、そして型面C1上にはディンプルDが設けられている。浮上式磁気ヘッド4は、この型面C1に対し、パッド部7…の表面が起立した状態で配置される。
次に、金ボール等の接続電極用材料51をパッド部7…と型面C1のディンプルDとに接触するように配置し、超音波溶着を行って接続電極用材料50をパッド部7…と型面C1に圧着させる。接続電極用材料51が型面C1に圧着される際に、材料51の一部が型面C1上のディンプルDに充填される。このようにして、接続電極50が形成される。
接続電極用材料51が金ボールからなるとともにパッド部7…も金から構成される場合には、接続電極50がパッド部7の表面に完全に接合する。一方、接続電極50は材質の異なる型面C1には完全に接合せず、剥離可能な状態となる。
【0056】
そして、図8の符号202に示すように、型Cから接続電極50及び浮上式磁気ヘッド4を剥離する。
接続電極50には、スライダ5の被接着面5cよりも図中下方に突出する接続突起50aが設けられる。この接続突起50aは、型面C1上に設けられたディンプルDに対応するものである。
【0057】
次に図8の符号203で示すように、仮固定工程では、第1の実施形態の仮固定工程と同様にして、フレキシャ舌部33aの接着面33bに接着樹脂11を塗布し、Tg以上Tm以下の温度に加熱して接着樹脂11をゲル化し、そしてフレキシャ舌部33aに浮上式磁気ヘッド4を圧着して仮固定し、仮止め品Aとする。フレキシャ舌部33aに浮上式磁気ヘッド4を仮固定した状態では、図8の符号203で示すように、接続電極50の接触突起50aが端子電極38に接触して端子電極38を図中下側に付勢させた状態になる。
【0058】
次に検査工程では、第1の実施形態にて説明した検査工程と全く同様にして、図示しない測定機器を外部配線39に接続し、接続電極50及びパッド部7を介してこの測定機器を浮上式磁気ヘッド4に電気的に接続し、浮上式磁気ヘッド4の磁気ヘッド素子の電気特性を測定する。
【0059】
そして、測定した電気特性とあらかじめ決められた基準値(若しくは許容範囲)とを比較し、測定した仮止め品Aが基準内のものか、基準外のものかを選別する。
例えば、測定した電気特性がMR素子の電気抵抗である場合には、この電気抵抗値を基準となる電気抵抗値の許容範囲と比較する。そして、MR素子の電気抵抗が許容範囲外である場合はその仮止め品を基準外のもの(不良品)とし、MR素子の電気抵抗が許容範囲内である場合はその仮止め品を基準内のもの(良品)とする。
【0060】
次に、上記の検査工程で基準内のもの(良品)と判定された仮止め品は、完成化工程に進んで以下の処理が行われる。
完成化工程では図8の符号204で示すように、仮止め品を温度Tc以上に加熱して接着樹脂11を化学反応させて硬化状態とすることにより、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ33に完全に固定する。
同時に、超音波溶着処理等によって接続電極50を端子電極38に圧着する。圧着の際には、図中上側から超音波溶着用のヘッドを接続電極50に押し当てるとともにフレキシャ舌部33aの図中下方から図示しない冶具等により端子電極38を支持し、接続電極50を上下方向から挟む形で成形する。この圧着によって接続電極50に設けられていた接触突起50aが潰され、接続電極50と端子電極38上の外部配線の先端39aが完全に接合する。
このようにして磁気ヘッド41が得られる。
【0061】
次に、上記の検査工程で基準外のもの(不良品)と判定された仮止め品は、分解工程に進み、第1の実施形態の場合と同様にして、以下の処理が行われる。
分解工程では仮止め品を温度Tm以上Tc以下の範囲に加熱してゲル状態の接着樹脂11を溶融状態にして、浮上式磁気ヘッド4をフレキシャ33から分離する。溶融状態の接着樹脂11は粘着性が著しく低下し、これによりフレキシャ33に機械的な負荷を与えることなくフレキシャ33から浮上式磁気ヘッド4を分離することができる。
【0062】
更にパッド部7…と端子電極38…の接続は、接続電極50の接触突起50aによる点接触のみで維持されているので、フレキシャ33から浮上式磁気ヘッド4を取りはずす際に、パッド部7と端子電極38を切り離すための操作は特に必要なく、パッド部7や端子電極38を損傷させることがない。
【0063】
そして検査工程に続く返送工程では、第1の実施形態の場合と同様にして、フレキシャ33を仮固定工程に返送する。このフレキシャ33には、仮固定工程にて再び別の浮上式磁気ヘッド4が仮固定される。
【0064】
上記の磁気ヘッド41の製造方法によれば、フレキシャ33とロードビーム2からなるサスペンションを再利用することができる。特にサスペンションに付加機能を追加すべくマイクロアクチュエータや半導体素子等をサスペンションに取り付けたものであっても、サスペンションを破棄することなく再利用できるので、省資源化できるとともに磁気ヘッド41の製造コストを大幅に低減できる。
また完成化工程において、接続電極50をパッド部7と端子電極38に完全に接合するので、浮上式磁気ヘッド4を外部配線39に確実に接続することができ、磁気ヘッド41の歩留まりを向上させることができる。
【0065】
なお、上記の製造方法の仮固定工程において、端子電極38が接続電極50によって付勢されているが、付勢されないものであっても良い。即ち、端子電極38がフレキシャ本体33dに対して剛性支持されたものであってもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明の磁気ヘッドによれば、加熱によって硬化する接着樹脂により浮上式磁気ヘッドをフレキシャに接着しているので、実際の使用によって磁気ヘッドの温度が上昇した場合でも接着強度が低下することがなく、安定した磁気記録情報の記録再生を行うことができる。
また、接着樹脂がゲル状態の場合であっても、充分な接着強度が得られるので、浮上式磁気ヘッドとフレキシャを仮固定することができ、この状態で浮上式磁気ヘッドの電気特性等を測定することができる。
更に接着樹脂がゲル状態の場合には、更に接着樹脂を加熱して溶融状態とすることで、浮上式磁気ヘッドをフレキシャから容易に取り外せるので、フレキシャを損傷させることがない。
更に、浮上式磁気ヘッドと外部との電気的な接続をパッド部と付勢電極のみにより行うので、従来のように金ボールを介して溶接する必要がなく、部品点数が低減して信頼性の高い磁気ヘッドを構成することができる。
【0067】
また、本発明の磁気ヘッドの製造方法によれば、フレキシャに浮上式磁気ヘッドを仮固定した状態で浮上式磁気ヘッドの電気特性を測定し、電気特性が基準外のもののみを選別して接着樹脂を溶融状態とし、フレキシャと浮上式磁気ヘッドを分離するので、フレキシャを損傷させずに浮上式磁気ヘッドを取りはずすことができ、フレキシャを再利用することができる。
また、電気特性が基準内のものは、接着樹脂を加熱するだけで浮上式磁気ヘッドをフレキシャに強固に固定できるので、特別な設備を必要とせず、製造工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態である磁気ヘッドの斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態である磁気ヘッドのフレキシャの要部を示す平面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態である磁気ヘッドの側面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態である他の磁気ヘッドの要部を示す側面図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態である磁気ヘッドの製造方法を説明するための工程図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態である磁気ヘッドの側面図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態である磁気ヘッドのフレキシャの要部を示す平面図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態である磁気ヘッドの製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1、20…磁気ヘッド、3…フレキシャ、3b…接着面、3c…凸部、4…浮上式磁気ヘッド、5…スライダ、5a…一端面、5b…媒体対向面、5c…被接着面、6…磁気ヘッド素子、7…パッド部、8、18…付勢電極、9…外部配線、10、30…折曲部、11…接着樹脂、40…接続電極

Claims (3)

  1. 磁気ヘッド素子及び該磁気ヘッド素子に電気的に接続されるパッド部がスライダに備えられてなる浮上式磁気ヘッドを、付勢電極を備えたフレキシャに接着樹脂によって接合することにより磁気ヘッドを製造する方法であり、
    前記接着樹脂は、溶剤に溶解されたポリエステル系樹脂からなり、前記溶剤に分散されたゾル状態から温度Tgでゲル状態に変化し、温度Tmでゲル状態から溶融状態に変化し、温度Tcで溶融状態から硬化状態に変化するものであってTg<Tm<Tcの関係を有するものであり、
    該接着樹脂を前記フレキシャの接着面に塗布するとともにTg以上Tm以下に加熱して前記接着樹脂をゲル化して前記スライダの被接着面を前記接着面に圧着することにより、前記パッド部に前記付勢電極を圧着させた状態で前記浮上式磁気ヘッドを前記フレキシャに仮固定して仮止め品とする仮固定工程と、
    前記付勢電極を介して前記浮上式磁気ヘッドの電気特性を基準値と比較し、前記仮止め品を基準内のものと基準外のものに選別する検査工程と、
    前記基準内の仮止め品を、温度Tc以上に加熱することにより前記接着樹脂を硬化状態にして、前記浮上式磁気ヘッドを前記フレキシャに固定して磁気ヘッドとする完成化工程と、
    前記基準外の仮止め品を、温度Tm以上Tc以下に加熱することにより前記接着樹脂を溶融状態にして、前記浮上式磁気ヘッドと前記フレキシャとを分離する分解工程と、
    前記分解工程により得られた前記フレキシャを、前記仮固定工程に返送する返送工程と
    を具備してなることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 磁気ヘッド素子及び該磁気ヘッド素子に電気的に接続されるパッド部がスライダに備えられてなる浮上式磁気ヘッドを、端子電極を備えたフレキシャに接着樹脂によって接合することにより磁気ヘッドを製造する方法であり、
    前記接着樹脂は、溶剤に溶解されたポリエステル系樹脂からなり、前記溶剤に分散されたゾル状態から温度Tgでゲル状態に変化し、温度Tmでゲル状態から溶融状態に変化し、温度Tcで溶融状態から硬化状態に変化するものであってTg<Tm<Tcの関係を有するものであり、
    前記浮上式磁気ヘッドのパッド部に、接触突起を有する接続電極を接合する電極形成工程と、
    前記接着樹脂を前記フレキシャの前記接着面に塗布するとともにTg以上Tm以下に加熱して前記接着樹脂をゲル化して前記スライダの被接着面を前記接着面に圧着すると同時に、前記接触突起を前記端子電極に接触させた状態で、前記浮上式磁気ヘッドを前記フレキシャに仮固定して仮止め品とする仮固定工程と、
    前記端子電極を介して前記浮上式磁気ヘッドの電気特性を基準値と比較し、前記仮止め品を基準内のものと基準外のものに選別する検査工程と、
    前記基準内の仮止め品を、温度Tc以上に加熱することにより前記接着樹脂を硬化状態にして前記浮上式磁気ヘッドを前記フレキシャに固定するとともに、前記接触突起を潰しつつ前記接続電極を前記端子電極に圧着して磁気ヘッドとする完成化工程と、
    前記基準外の仮止め品を、温度Tm以上Tc以下に加熱することにより前記接着樹脂を溶融状態にして、前記浮上式磁気ヘッドと前記フレキシャとを分離する分解工程と、
    前記分解工程により得られた前記フレキシャを、前記仮固定工程に返送する返送工程と
    を具備してなることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記電極形成工程は、前記浮上式磁気ヘッドを接続電極形成用の型面に対して前記パッド部の表面が起立した状態で配置し、
    接続電極用材料を前記パッド部に接合すると同時に前記型面に圧着して、前記型面に対応した接触突起を有する接続電極を形成し、
    前記接続電極を前記型面から剥離する工程からなることを特徴とする請求項に記載の磁気ヘッドの製造方法。
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