JP4130182B2 - 水晶薄膜 - Google Patents

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Description

本発明は、発振子、振動子、高周波フィルタ用表面弾性波素子、光導波路、半導体基板等に用いる水晶薄膜に関する。
水晶薄膜は発振子、振動子、高周波フィルタ用表面弾性波素子、光導波路等に広く用いられ、産業上非常に重要な材料である。それらの作製法としては、水熱合成法で得られる水晶単結晶を研磨し薄膜化する方法、あるいはゾルゲル法、プラズマ化学的気相堆積(CVD)法、スパッタ法、レーザアブレーション法により直接水晶薄膜を作製する方法がある。
近年、単結晶水晶の薄膜化技術として、下記文献等に多くの報告がなされている。
特開平8−157297号 特開平8−225398号 特開平8−268718号 特開平8−91977号 特開平9−315897号
これらの研究において、水晶単結晶薄膜は、珪素のアルコキシドを原料とするゾルゲル法や、プラズマCVD法やスパッタ法などにより作製されている。ゾルゲル法では、原料溶液へのアルコール、水、アミンの添加、還流、基板へのコーティング、乾燥、熱処理等の多くの複雑な工程が必要である。また、プラズマCVD法、スパッタ法、レーザアブレーション法は、大がかりな装置を必要とする。例えば、レーザアブレーション法は、超高真空下に置かれた焼結体ターゲットに紫外線レーザパルス光を照射してプラズマ状に蒸発させ、基板結晶上に薄膜を成長させるものであって、高減圧が可能な真空装置、エキシマレーザおよび焼結体が必要である。また、基板上に形成された水晶薄膜の成長速度も0.25μm/hと、かなり小さいものであった。
ゾルゲル法は、作製工程が多く複雑であり、工業的な生産に不向きである。レーザアブレーション法は、真空装置など高価な装置と、ターゲットとして高純度の二酸化珪素などの高価な原料を必要とし、また、結晶成長速度が遅いなどの問題点があり、デバイスの工業的な生産には不向きである。
これに対して、発明者らは、真空装置を用いない大気圧下で、珪酸エチルと酸素との反応により基板上にエピタキシャル成長をさせる、大気圧気相エピタキシャル成長法(AP−VPE)を用いて、発振子、振動子、高周波フィルタ用表面弾性波素器、光導波路、半導体基板等に用いることができる有用な水晶薄膜を提供することを目的とする。
発明者らは、真空装置を用いない大気圧下で、安価な珪素のアルコキシド原料と酸素との反応により、基板上にエピタキシャル成長をさせる、大気圧気相エピタキシャル成長法(AP−VPE)を用いて、水晶薄膜を作製する方法を見いだした。
また、上記の水晶エピタキシャル薄膜製造方法は、大気圧下において、珪素のアルコキシドを気化し、基板上に導入する工程と、導入された珪素のアルコキシドを酸素と反応させて基板上に水晶を堆積させる工程を含むことを特徴とする。
さらに、上記の水晶エピタキシャル薄膜製造方法は、珪素アルコキシドと酸素の反応促進剤、例えば塩化水素を供給することを特徴とする。また、基板上にバッファ層を設ける工程を行い、ついでこのバッファ層の上に水晶エピタキシャル薄膜を成長させることを特徴とするものである。
さらに、上記の水晶エピタキシャル薄膜製造方法は、基板上への単位時間当たりの堆積厚が3μmと速い成長速度を有することを特徴とする。
上記の方法において、酸素と反応し水晶の生成に使用可能な珪素のアルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランなどが挙げられる
また、珪素のアルコキシドと反応して、水晶を生成するための酸素ガスは、酸素ほかオゾン、一酸化二窒素、水等を挙げることができる。
本発明による請求項1記載の水晶薄膜は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランの群から選択された一種または複数種の珪素アルコキシドを珪素源とし、この珪素源を大気圧下において気化し、基板上に導入する工程と、
導入された珪素源を酸素と反応させて基板上に水晶を堆積させる工程と、
を含む水晶エピタキシャル薄膜の製造方法であり、前記珪素源を触媒の存在下で酸素と反応させて反応を促進したことを特徴とする水晶エピタキシャル薄膜の製造方法により製造された水晶薄膜であって、
前記水晶薄膜は、その赤外線吸収スペクトルにおいて、OH基を示す波数3585cm-1に吸収が見られ、かつ前記水晶薄膜の結晶の程度を示すX線回折ピークの半値幅が10.0分以内であることを特徴とする。
本発明による請求項記載の水晶薄膜は、基板表面に、六方晶を形成する物質によりアモルファス結晶のバッファ層を堆積させる工程と、
前記バッファ層の上に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランの群から選択された一種または複数種の珪素アルコキシドを珪素源とし、この珪素源を大気圧下において気化し、導入する工程と、
導入された珪素源を酸素と反応させて前記バッファ層上に水晶エピタキシャル薄膜を堆積させる工程と、を含む製造方法で製造された水晶薄膜であって、
前記バッファ層の厚みは、25nm以上で80nm以下であることを特徴とする。
本発明による水晶薄膜の1実施例は、請求項2記載の水晶薄膜において、前記バッファ層は、アモルファス水晶を堆積させたものであり、
その上にエピタキシャル成長させた水晶薄膜の結晶の程度を示すX線回折ピークの半値幅が、前記バッファ層の厚さが50nmのとき約1.0分であることを特徴とする。
本発明による請求項記載の水晶薄膜は、請求項2記載の水晶薄膜において、前記バッファ層は水晶と同じ六方晶の結晶を生ずるGaN、ZnOのいずれかであることを特徴とする。
本発明により、珪素源として珪素のアルコキシド(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランなど)を用い、真空装置を使わない簡便な方法により、発振子、振動子、高周波フィルタ用表面弾性波素子、光導波路に有用な水晶エピタキシャル薄膜を提供することができた。
また、上記水晶エピタキシャル薄膜を製造するための方法は、珪素のアルコキシドを原料とする大気圧気相エピタキシャル成長法であり、この方法は、従来薄膜が得られていたレーザアブレーション法やスパッタ法に比ベ、(1)大気圧下で行うことができ、高価な真空装置が不要であり、大がかりな装置は必要としない、(2)薄膜の成長速度が極めて大きく、量産性にも優れる、(3)高純度の原料は必要なく、簡単かつ安価にできる、(4)しかも、結晶性に優れ、高純度で光学特性のよい薄膜が得られるなどの種々の特徴を示すものである。したがって、この方法は水晶単結晶薄膜の作製に極めて有用な方法である。よって、本発明による水晶エピタキシャル薄膜は、極めて優れた振動特性を示す。
本発明の大気圧下でのエピタキシャル成長は、原料として珪素のアルコキシドを用い、これを加熱により蒸発させ、窒素などのキャリヤガスで基板上へ輸送し、基板上で酸素ガスと反応させることにより水晶薄膜としたものである。珪素のアルコキシドの加熱源としては、高周波誘導加熱ヒータや抵抗加熱ヒータなどのヒータを用いることができる。
本発明では、原料である珪素のアルコキシドを加熱することにより、その一部を気相として成長部に供給するが、供給量は加熱温度とキャリヤガス流量により調節することができる。一般に加熱温度は、珪素のアルコキシドの蒸気圧を考慮し、25〜120°C程度である。
また、原料の一部を成長部に供給するためにキャリヤガスとしては、不活性なガスであればよく、窒素、アルゴン、ヘリウムなどを用いることができるが、窒素が安価という点で好ましいものである。
珪素原料としては、レーザアブレーション法のターゲットとして用いるような高純度(例えば3Nや5N)である必要はなく、99.5%程度の純度があれば充分であるが、純度が高ければ高いほど結晶性や結晶品位を向上させることができる。
一方、珪素のアルコキシドと反応し水晶を形成するための酸素は、ガスとしてキャリヤガスとともに成長部に供給する。供給する酸素の量が多いと、得られる水晶薄膜の成長速度が速く、結晶性も向上する傾向を示し、逆に酸素の量が少ない場合にはその逆となる傾向を示す。これは、珪素のアルコキシドと酸素から水晶が得られる反応の平衡定数が小さいことに起因すると考えられる。したがって、供給する酸素の量は珪素のアルコキシドに対して、過剰に供給することが好ましく、この量を酸素分圧として表せば、蒸発させる珪素のアルコキシドの量により異なるが、一般に0.1〜0.3atm 程度の量となる。また、珪素のアルコキシドと酸素の反応に塩化水素(HCL)を供給することで水晶の成長速度が増加する。これは、珪素のアルコキシドと酸素の反応において、塩化水素が触媒的効果をもたらしていると考えられる。この量を酸素分圧として表せば、蒸発させる珪素のアルコキシドの量により異なるが、一般に0.001〜0.003atm 程度の量となる。
本発明で使用される基板としては、サファイア、シリコン、GaAsなどが挙げられる。これらの基板は加熱され、一定の成長温度に保たれる。また、原料ガスの流れに対する基板の向きは、原料ガスの流れに平行であっても、垂直であってもよく、さらにある角度をもって配置されていてもよい。
また、基板上への水晶のエピタキシャル成長は、基板に直接成長させてもよいが、基板上にバッファ層を設け、この上にさらに水晶のエピタキシャル層を成長させることにより、エピタキシャル層の結晶性が良くなる。
このようなバッファ層は、例えば、比較的低温で基板上にアモルファス水晶を成長させた後、アニールして得ることができる。また、他の物質、例えば水晶と同じ六方晶であるGaN,ZnOなどを前もってサファイア基板上に形成することによっても得ることができる。バッファ層は、格子不整合差の緩和に寄与するものである。
実際、サファイア基板上に、550°Cで水晶を堆積させてアニールして得た50nmのアモルファス水晶のバッファ層を設けた場合に、エピタキシャル層の結晶性の程度を示すX線回折ピークから求められる半値幅(FWHM)が、1.0分となり、バッファ層を設けない場合の同条件で成長させたもののFWHMは約10.0分であったことから、両者を比較することによりバッファ層を設けた場合に水晶エピタキシャル層の結晶性が向上していることがわかる。なお、FWHMはこの値が小さいほどシャープなピークであり、結晶性が良いことを示すものである。
このように、バッファ層の存在によりさらに結晶性が良くなる理由としては、(1)格子不整合度の緩和、(2)熱膨張係数差によるクラックの抑制、(3)成長初期過程における横方向(基板方向)成長の促進など種々の理由が考えられるが、実験の結果からバッファ層の厚さとしては、25〜80nm程度が好ましいことがわかった。
次に、本発明の大気圧下でのエピタキシャル成長の一例として、キャリヤガスに窒素を用いた場合について以下に説明する。本発明で用いた気相エピタキシャル成長装置は、縦形の石英反応器である。図1に示すように、反応装置1は原料供給部2と成長部3とからなり、それぞれの温度に保持されている。原料供給部は25〜120°Cの間(70°Cの場合を図示)に加熱され、ここで珪素原料の珪素のアルコキシドをバブラー4(気化器)からその一部を気化し、これは左側から供給される窒素により成長部に運ばれる。一方、水晶を形成するための酸素と、反応を促進させる塩化水素(触媒)は所定の分圧をもって、窒素とともに装置内の成長部に導入される。
成長部は、通常、水晶の成長温度である550〜850°Cの間に加熱され、基板5となるサファイアも同温度で保持されている。そして、成長部に供給された珪酸エチルと酸素が、塩化水素の触媒効果により効率よく反応し、水晶を生じサファイア(0001)表面上に吸着、成長し、エピタキシャル層を形成する。装置の下方から導入される窒素は(1)成長部に滞流を作り反応を促進する、(2)所定の排気口にガスを誘導するためのものであり、装置内の全圧力は大気圧に保たれる。反応後に生じるエタン、二酸化炭素、水や、未反応のテトラエトキシシラン、酸素はキャリヤガスの窒素とともに排気口より排出される。なお、図中のロッド6は石英の棒で、サファイア基板をその上に乗せて出し入れするためのものである。典型的な反応条件を表1に示す。なお、表中の「SCCM」は「Standard cubic centimeter per minute」のことである。
Figure 0004130182
エピタキシャル層の成長速度は、温度とともに増加し、最大3μm/hの成長速度が得られた。この成長速度は通常のレーザアブレーション法などによる成長速度である0.25μm/h程度に比べて、12倍ほど大きな成長速度が得られている。
また、このようにして得られた本発明の水晶薄膜エピタキシャル層は、不純物を含まず、高い結晶性を有するものであった。したがって、得られた薄膜は、発振子、振動子、高周波フィルタ用表面弾性波素子、光導波路、半導体基板等に用いることができる。
本発明を実地例により詳細に説明する。
図1に示す装置で、図1の上中央から酸素(純度99.9%以上)を流量200sccmで、および窒素ガス(99.9%以上)を流量20sccmで流し、また、バブラー中のテトラエトキシシラン(純度99.5%)を、70°Cに加熱するとともに、図1の左側から窒素ガスを流量95sccmで流した。また、図1の右側から窒素で5%に希釈された塩化水素ガスを20sccmで流した。さらに図1の下方から窒素ガスを280sccmで流した。これらの流量と希釈窒素ガスを加えて、全量を800sccmにし、全圧を1atm に調整した。このときの、酸素分圧は3.3×10-1atm であり、テトラエトキシシランの分圧は3.3×10-3atm であった。基板にはサファイア(0001)(格子不整合度3.3%)を用い、基板の温度を550〜850°Cに設定して、厚さ3μmの水晶エピタキシー薄膜を得た。得られた薄膜について、2結晶X線回折(DC−XRD)、走査型電子顕微鏡(SEM)および反射型赤外線分光装置を用いて赤外線吸収特性を測定することで評価した。
次に実施例1で得られた水晶エピタキシャル層について説明する。まず、本研究で得られた水晶エピタキシャル層の一例として、成長温度を800°Cとした場合の、X線回折(XRD)の結果を図2に示す。測定は「RIGAKU RINT 2000」を用いて行い、測定条件は表2に示すとおりである。
Figure 0004130182
図2に示すX線回折プロフィールによれば、六方晶水晶相(0003)に対する強い回折ピークが2θ=50.6°にあり、成長した層は六方晶系の構造を有していることがわかる。2θ=41.8°に見られるピークは、サファイア基板(0006)の回折ピークである。
また、エピタキシャル膜では基板表面が特定の成長面が配向するので、ある特定面のみのピークが強く表れる。本発明ではサファイア(0001)基板上に六方晶構造を有する水晶を成長させているので、水晶(000x)のピークが強く表れることが期待され、現実に水晶(0003)のピークが強く表れていることから、得られた水晶薄膜は、c軸配向のエピタキシャル成長を示すことがわかる。
次に、各温度で成長した水晶相(0003)の2結晶X線回折のピークより半値幅(FWHM)を求め、各成長温度に対してプロットした結果を図3に示した。図3によれば、結晶性の程度を示す半値幅(FWHM)は成長温度の増加とともに減少した。実施例1では850°Cにおいて10.0分という値であり、結晶性の優れた水晶薄膜が作製できたことがわかる。
また、各成長温度における成長速度を走査型電子顕微鏡(SEM)の断面写真の膜厚から算出し、図4に示した。測定には「SHIMADZU SUPERSCAN-220」を用いた。図4によれば、成長温度600°Cから結晶化し始め、850°Cで3μmの値を示した。温度の逆数と成長速度をプロットし、このグラフの傾きから活性化エネルギー求めたところ16.7kcal/molとなった。一般に、テトラエトキシシランのみの熱分解やテトラエトキシシランと酸素の反応による二酸化珪素薄膜(絶縁膜)の作製は1000°C以上での高温でのみ可能であり、その温度以下ではSiO2 が基板上に堆積しないことが報告されている。また、その活性化エネルギーは190kcal/mol(テトラエトキシシランのみの熱分解)、230kcal/mol(珪酸エチルと酸素の反応)と非常に大きい。この結果より、テトラエトキシシラン−酸素−塩化水素−窒素系による水晶薄膜の作製において、HCLは反応を促進させる触媒的効果をもたらしていると考えられる。
以上のことから、珪素原料としてテトラエトキシシラン−酸素−塩化水素−窒素系により結晶性の優れた水晶エピタキシャル薄膜が、従来の方法よりも低温で得られることがわかった。
次に、得られた水晶エピタキシャル層の吸収測定を調べるために、赤外線(2000〜4000cm-1)を照射し、赤外線吸収特性を評価した。測定には、「SHIMADZU FTIR-8700」用いた。図5に作製した水晶薄膜のIR吸収スペクトルを示す。水晶薄膜中に水酸基(OH基)を示す波数3585cm-1の吸収が見られるが、このスペクトルは、これまで報告されている水晶の単結晶の赤外線吸収スペクトルとほぼ同様であることから、結晶性、光学特性の優れた水晶エピタキシャル薄膜を得られることがわかった。
水晶エピタキシャル成長層を形成する前に、基板上に種々の厚さのバッファ層を設け、バッファ層の効果を調べた。バッファ層は、550°Cで水晶を堆積させ、アニールすることにより作製し、その上に水晶エピタキシャル層を成長させた。得られたエピタキシャル層についてDC−XRDを測定し、FWHMを求めた。結果を図6に示した。図6によれば、水晶エピタキシャル薄膜の結晶性は、バッファ層の厚さにより変化し、50nm程度のとき最も結晶性が良いことがわかる。なお、結晶性が良いものは、IR吸収スペクトルにおいて水酸基(OH基)を示す波数3585cm-1の吸収の減少が見られた。
本発明による水晶薄膜のエピタキシャル成長を行うための装置の略図である。 テトラエトキシシラン−酸素−塩化水素−窒素系により作製した水晶エピタキシャル成長層の2結晶X線回折(DC−XRD)のスペクトル図である。 エピタキシャル成長温度と半値幅(FWHM)との関係を示すグラフである。 エピタキシャル成長温度と、エピタキシャル層の成長速度との関係を示すグラフである。 テトラエトキシシラン−酸素−塩化水素−窒素系により作製した水晶薄膜の赤外光吸収スペクトルを示す図である。 バッファ層の厚さと、半値幅(FWHM)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 反応装置
2 原料供給部
3 成長部
4 気化器(バブラー)
5 基板
6 ロッド
7 炉

Claims (3)

  1. テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランの群から選択された一種または複数種の珪素アルコキシドを珪素源とし、この珪素源を大気圧下において気化し、基板上に導入する工程と、
    導入された珪素源を酸素と反応させて基板上に水晶を堆積させる工程と、
    を含む水晶エピタキシャル薄膜の製造方法であり、前記珪素源を触媒の存在下で酸素と反応させて反応を促進したことを特徴とする水晶エピタキシャル薄膜の製造方法により製造された水晶薄膜であって、
    前記水晶薄膜は、その赤外線吸収スペクトルにおいて、OH基を示す波数3585cm-1に吸収が見られ、かつ前記水晶薄膜の結晶の程度を示すX線回折ピークの半値幅が10.0分以内であることを特徴とする水晶薄膜。
  2. 基板表面に、六方晶を形成する物質によりアモルファス結晶のバッファ層を堆積させる工程と、
    前記バッファ層の上に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランの群から選択された一種または複数種の珪素アルコキシドを珪素源とし、この珪素源を大気圧下において気化し、導入する工程と、
    導入された珪素源を酸素と反応させて前記バッファ層上に水晶エピタキシャル薄膜を堆積させる工程と、を含む製造方法で製造された水晶薄膜であって、
    前記バッファ層の厚みは、25nm以上で80nm以下であることを特徴とする水晶薄膜。
  3. 請求項2記載の水晶薄膜において、前記バッファ層は水晶と同じ六方晶の結晶を生ずるGaN、ZnOのいずれかであることを特徴とする水晶薄膜。
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