JP3333325B2 - 半導体装置、半導体装置のシミュレーション方法、及び半導体装置のシミュレータ - Google Patents

半導体装置、半導体装置のシミュレーション方法、及び半導体装置のシミュレータ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に係り、特
に、半導体基板上に単結晶からなる絶縁膜を具備する半
導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体単結晶基板に形成した電界効果型
MOS素子は、昨今の素子の高速化及び高集積化の技術
開発の中で、ゲ―ト酸化膜を薄膜化する方向に向かって
いる。ゲ―ト絶縁膜を薄膜化すると、閾値電圧は浅くな
り、この分だけ動作速度は早くなり、これにより特にA
C特性が格段に改良される。しかし、EEPROM等を
考えてみると、素子が微細化される一方、使用状況は非
常に苛酷になってくる。このような場合には、従来の通
常の製法により得た酸化膜では、もはや、充分な信頼性
が得られない。
【0003】また、MOS素子が微細化されても、酸化
膜自体の特性の改善は余り省みられないため、電源電圧
はさほど下がらない。このような状態では、特に、動作
時にゲ―ト酸化膜に高電界がかかってしまう。チャネル
領域からインパクトイオン化等により発生した電子・正
孔は、それぞれゲ―ト電極の極性及びドレイン電圧等の
境界条件に応じて、酸化膜中に注入される。そしてこれ
らのキャリアは、酸化膜中にトラップされ、長期信頼性
を低下させるだけでなく、耐圧低下等をも引き起こして
しまう。
【0004】また更に原子レベルでみると、例えば熱酸
化により形成されたシリコン酸化膜に高電界を印加した
場合、シリコン酸化膜のネットワ−クを構成するSi−
O結合が、外部から印加された高電圧と相互作用を行な
う。その結果、結合が切断され、電子や正孔が捕獲され
る捕獲中心が形成される。続いて通過する電子や正孔は
この捕獲中心に捕獲され、それによって膜厚方向の電界
強度分布が局部的に平均電界より高くなり、やがて絶縁
破壊に至ってしまうと言われている。
【0005】このような問題を改善しようとして、最近
では、ゲ―ト絶縁膜を単結晶化するアイデアが提唱され
始めている。例えば、シリコン(111)面上に酸化セ
リウムCeO2 の単結晶を成長させることが、J.Appl.
Phys., Vol.69(12), p8313(1991)に報告されている。ま
た、弗化カルシウムCaF2 の単結晶をシリコン単結晶
上に成長させることが、Japan. J.Appl. Phys. Supp
l., Vol.21-1, p187(1982)に報告されている。
【0006】しかし、これらは、単に研究の段階にとど
まっていたり、未だアイデアの状態であるものが多い。
しかも、その指針のもとになる計算手法にも多々疑問が
残っている。また、例えば酸化膜を例に上げても、それ
を用いたゲ―ト絶縁膜の単結晶の構造自体が充分正しく
認識されていない状況にある。この単結晶酸化膜の構造
についは、次のような報告がある。
【0007】一つは、M.Hane、et.al.“Atomic and Ele
ctronic Structures of an interface between silicon
and β-cristobalite.Physical Review.B.Vol 41,No.
18(1990) 12637-12640. である。ここでは、単結晶ゲ―
ト酸化膜としてβクリストバライトを用い、それを下地
Si基板上に形成するときの安定構造を計算により求め
ている。しかし、この文献では、Si−O−Si又は、
O−Si−O間の角度や距離の初期配置を誤って用いて
いる。
【0008】また、W.A.Tiller.,“On the Kinetics of
the Thermal Oxidation of Silicon.III ”J.E.C.S.vo
l 128.,No.3.(1981)689.には、同様に単結晶酸化膜クオ
―ツについて記述されている。ここでも、下地と単結晶
酸化膜クオ―ツの位置関係を論じているが、単結晶酸化
膜の構造を単純化しており、必ずしもその指針は正しく
はない。
【0009】即ち、β低温クリストバライトについて、
1977年には、すでに、J.R.Chelikowsky,et.al.“Electr
on states in αquartz ”,Physical Review.B.Vol
15,No.8(1977) 4020-4029.の論文の中で、「多くの論文
では、単純にSi−O−Siの角度を180度とした
り、酸素の位置を、ダイアモンド格子の各原子間に一律
に置くなどのモデルがあるが正確ではなく、しばしばあ
やまった結果を導く」との記述がある。これをみれば、
上記1990年の論文や、1981年の論文などは、ここで指摘
されたのと同様の誤りに基づいており、むしろ問題解析
が後退していると言っても過言ではない。
【0010】一方、絶縁膜で周囲を囲まれた浮遊電極
に、トンネル絶縁膜を通して電荷を蓄積したり除去する
ことによって情報を記憶する半導体装置における、トン
ネル絶縁膜についても、先に説明したゲ―ト絶縁膜と同
様のことが言える。即ち、トンネル絶縁膜に高電界を印
加すると、シリコン酸化膜のネットワ−クを構成するS
i−O結合が、外部から印加された高電圧と相互作用を
行なう。その結果、結合が切断され、電子や正孔が捕獲
される捕獲中心が形成される。続いて通過する電子や正
孔はこの捕獲中心に捕獲され、それによって膜厚方向の
電界強度分布が局部的に平均電界より高くなり、劣化が
更に進行してしまう。
【0011】絶縁膜を構成する原子の結合と電界との相
互作用は、絶縁膜を構成する原子の結合の向きと電界の
向きとに依存する。従って、この相互作用を弱くするに
は、原子の結合の向きを、相互作用が強い向きのものが
より少なくなるようにすればよい。非晶質のように、原
子の結合の向きが全くランダムな場合には、原子の結合
の一部は必ず電界との相互作用が強い向きとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
単結晶絶縁膜をどのように設計するかに至っては殆ど正
しい議論ができていないのが現状である。また他方、絶
縁膜そのものの特性の向上に関しては、形成プロセス上
の手段によっているのが現状である。例えば、出来るだ
け清浄な面を予め用意するとか、或いは、基板を単に酸
化してその表面に酸化膜を形成したりしている。これら
のことから、単結晶絶縁膜に関する構造を含めての認識
がまだ極めて低いと言わざるを得ない。
【0013】本発明の目的は、電界による絶縁膜の絶縁
破壊及び劣化を抑制し、信頼性の高い半導体装置を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、単結晶基板上
に形成される単結晶絶縁膜の構造を、厳密に独自の計算
手法により再現するとともに、特性評価関数を考慮に入
れ、これに基づき、基板単結晶と単結晶絶縁膜との位置
関係をどのよう様にすれば良いか検討した結果なされた
ものである。
【0015】即ち、本発明者等は、単結晶絶縁膜の設置
条件として、両物質が界面をはさんで相対する原子構造
のうち、特にSi原子に着目し、両物質のそれぞれのS
i−Si距離の相違が±7%以内になるように両物質の
結晶方位を選定することにより、界面に準位が形成され
るのを防止し、これによって高性能のMOS素子を得る
ことを可能とした。
【0016】特に、系の全体のエネルギを求めるにあた
り、単結晶絶縁膜の構造を確実に再現することと、各構
成原子がどのように運動するかを厳密に、しかも正確に
把握する必要があったが、本発明者らは、分子動力学に
おいて独自のかつこれまで例をみない厳密なポテンシャ
ル積算法を確立し、初めてこれらの計算を可能とした。
しかも、かかるポテンシャル積算法を用い、電気的特性
等の向上を充分に保証する意味から、単結晶絶縁膜の品
質をも明らかにしようとするものである。
【0017】即ち、本発明によると、シリコン単結晶基
板と、このシリコン単結晶基板の表面に形成された単結
晶シリコン酸化物からなる絶縁膜と、この絶縁膜上に形
成された導電膜とを具備する半導体装置が提供される。
【0018】かかる半導体装置において、シリコン単結
晶基板と絶縁膜の結晶方位は、単結晶基板及び絶縁膜の
それぞれの相対する位置に存在するSi原子のSi−S
i間距離の相違が±7%以内となるように設定されるこ
とが好ましく、より好ましくは±4%以内がよい。ま
た、絶縁膜の酸素欠損濃度は0.01%以下であること
が好ましく、より好ましくは0.005以下であるのが
よい。
【0019】また、シリコン単結晶基板は(110)の
面方位を有し、絶縁膜は、(1,−1,0,1)の面か
ら好ましくは±6°以内、より好ましくは±4°以内の
面方位を有する単結晶石英である。更に、シリコン単結
晶基板は(100)の面方位を有し、絶縁膜は、(1,
−1,0,1)または(1,0,−1,0)の面から好
ましくは±6°以内、より好ましくは±4°以内の面方
位を有する単結晶石英である。
【0020】また、本発明のよると、シリコン単結晶基
板と、このシリコン単結晶基板の表面に形成された単結
晶シリコン酸化物からなる絶縁膜と、この絶縁膜上に形
成された導電膜とを具備し、前記シリコン単結晶基板は
(100)の面方位を有し、前記絶縁膜はβクリストバ
ライトからなり、このβクリストバライトのP41 1
2構造表現の単位構造において、C軸のまわりに並ぶ4
つのシリコン原子のうち1つおきに取り出した2つの各
シリコン原子が、Si(100)面上の[110]軸方
向に隣接して並ぶ2つのシリコン原子上に配置されると
ともに、前記βクリストバライトのC軸と前記[11
0]軸方向とを含む平面が、前記(100)面に対して
垂直となることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0021】更に、本発明によると、シリコン単結晶基
板と、このシリコン単結晶基板の表面に形成された単結
晶シリコン酸化物からなる絶縁膜と、この絶縁膜上に形
成された電極とを具備する半導体装置の製造方法におい
て、構成原子の数、外圧及び温度が一定の条件で、この
系と外界とを含むエネルギの収支を制御し、前記絶縁膜
中の原子の運動量初期分布としてマクスウエル分布にの
っとり初期値を設定するプログラムと、所定の原子数を
用いて無限個の原子からの原子間力の総和を算出する手
段として逆格子空間内での原子間力の積算計算を用いる
にあたり、フ−リエ変換部分及び位置エネルギ部分を完
全に含むエネルギ保存式を過不足なく展開し、絶縁膜の
外界とのエネルギのやりとりがある系をも計算可能なプ
ログラムとを有する分子動力学シミュレ−タを用いて、
前記シリコン単結晶基板と前記絶縁膜の結晶方位を設定
する工程を具備する半導体装置のシミュレ−ション方法
が提供される。
【0022】
【作用】上述のように、本発明の特徴は、ゲート絶縁膜
と基板とにより形成される界面に発生する不整合を最低
にしようとするものである。この界面の不整合を少なく
することは、伝導現象の妨げになる準位の形成抑止や、
信頼性の向上につながる。本発明は、このような不整合
を最低とする構造を、分子動力学シミュレータによって
予測するものである。
【0023】即ち、本発明者らは、電子計算機を用いて
行なう装置の設計プロセスの素過程に、原子レベルや電
子レベルにまで立ち入ることにより、現象の背後にある
支配原則を把握し、それを新しい材料選定やプロセス設
計に繋げようとするものである。
【0024】
【実施例】以下、本発明の種々の実施例を示し、本発明
についてより詳細に説明する。
【0025】本発明者等は、半導体基板としてSi単結
晶を用いた電界効果型MOS素子のゲート絶縁膜の最適
設計を行い、これに従い、実際に素子を試作し、その特
性を評価した。以下、これらの最適化手順ならびに、試
作結果を記す。
【0026】本実施例では、単結晶絶縁膜として、例え
ばβクリストバライトを例に取り、またSi表面を例え
ば(100)面とした。ここで重要な問題は、単結晶絶
縁膜であるβクリストバライトとSi(100)面とを
どのような結晶位置関係に配置すれば良いかという問題
である。ここでは、評価関数として系の全自由エネルギ
を取り上げ、しかも、この系としては、Si/SiO2
界面を取り上げた。
【0027】本発明者等は、厳密な評価関数としての自
由エネルギの式を予め作成しておき、これを用いること
により、電界印加下でのβクリストバライトと、Si
(100)の位置関係は以下の様にするのが最適である
ことを見い出した。即ち、βクリストバライトのP41
1 2構造表現のa1 軸とa2 軸のなす角内にある直線
mを、Si(100)面上の[110]軸方向に合わ
せ、且つC軸を傾け、第1Siと第3Siの位置をSi
(100)面上のSiに向かわせることが最適値である
ことを見い出した。
【0028】即ち、上記βクリストバライトのP41
1 2構造表現の単位構造においてC軸のまわりに並ぶ4
つのシリコン原子のうち1つおきに取り出した2つの各
シリコン原子(第1Si原子及び第3Si原子)がSi
(100)面上の[110]軸方向に隣接して並ぶ2つ
のシリコン原子上に配置されるとともに、上記βクリス
トバライトのC軸と前記[110]軸方向とを含む平面
が、前記(100)面に対して垂直となるものが最も好
ましい。このような知見の下に作成したSi/SiO2
界面の概念図を図1に示す。
【0029】図1(a)は、βクリストバライトの単一
格子の平面図を示し、図1(b)は、Si(100)面
のスケッチである。図1(a)中のI,II,III ,IVの
文字はSiの番号を示している。また、I3 、II2 、 I
II4 、IV1 等の表現は、それぞれシリコンIに属する酸
素の内3番目のもの、シリコンIIに属する酸素の内2番
目のもの、シリコンIII に属する酸素の内4番目のも
の、シリコンIVに属する酸素のうち1番目のものを示
している。
【0030】本発明によれば、図1(b)に示す[11
0]Si方向に対して、クリストバライトのIとIII の
Siを結ぶ線mを平行に配置させるのが最も良いことが
見出されている。この時、後に詳細は説明するが、シリ
コンIとシリコンIII とを結ぶ直線mが[110]Si
方向に平行になる為には、クリストバライトのC軸を傾
ける必要がある。本発明者らの計算によれば、クリスト
バライトのC軸を傾けることによって、単にクリストバ
ライトのIとIII のSiを結ぶ線を[110]方向に平
行に配置させるだけで、C軸を傾けない場合にくらべ、
βクリストバライトとSi(100)との界面における
全エネルギがさらに10%低下することを見い出した。
【0031】ちなみに従来の提案構造の概念図を図2に
示す。この図からもわかるように、従来は例えば、クリ
ストバライトの構造は、単にSi−O−Si結合が直線
であるかのように考えられていた。即ち、M.Hane、et.a
l.“Atomic and ElectronicStructures of an interfac
e between silicon and β-cristobalite. Physical R
eview. B. Vol 41, No.18 (1990) 12637-12640.におい
ても、この図と同様の概念で界面設計を行っている。
【0032】本発明において問題とされる界面の自由エ
ネルギは、以下に説明するように素子特性に大きな影響
を及ぼすものである。ゲート絶縁膜と基板とが形成する
界面に発生する不整合による自由エネルギの増加は、不
対原子を形成し易くし、これにより、界面準位の形成を
助長することになる。この界面準位は、伝導現象を妨
げ、信頼性の低下につながる。また、絶縁膜中において
も、πボンド等の欠陥が形成され、センタ−となる可能
性がある。これらの欠陥は、後に示すように、その許容
範囲を定めることが出来る。
【0033】本発明に係るMOS素子と従来例のMOS
素子の界面準位分布を図3に示す。Ecは伝導帯のエネ
ルギ−準位、Evは価電子帯のエネルギ−準位を示す。
図3に示すデ−タは、特に界面準位を効果的に評価でき
る方法としてCV法を用いて得たものである。図3から
分かるように、本発明のMOS素子の界面準位は、従来
例に比べ、約1/10に低下していることがわかる。ま
た、本発明のMOS素子は、同一電界状況下で評価する
と約12%の移動度の向上が見られるとともに、信頼性
も向上した。
【0034】図4は、本発明者らが、初めて厳密な構造
を示すことができたクリストバライトの原子配列を示す
透視図である。図中の大きい玉は酸素を示し、小さい玉
はSiを示している。Z軸はクリストバライトのC軸を
示しており、図からわかるように、クリストバライトの
構造は極めて複雑であるので、クリストバライトのどの
面とSiのどの面が巧く接合するかを推測することは、
非常に困難である。
【0035】図5は、図4の原子配列をY軸(C軸に対
して垂直な方向)から見た図である。図5から良く分か
るように、クリストバライトの構造には大きな間隙があ
ることがわかる。このクリストバライトに静水圧を印加
して若干の歪を加えた場合の構造を図6に示す。ここ
で、図中のSi1とSi2とに着目すると、間隔は、か
なり開いていることがわかる。この時、本発明者らは他
の面についても切断した場合をみた結果、状況はかなり
特異的で、C軸方向(Z軸方向)にそった変形が非常に
優先的におこっていることがわかった。
【0036】図7(a)〜(c)に、本発明者らが作成
した新しいシミュレータを用いて、クリストバライトの
原子間距離分布や、角度分布を調べた結果を示す。図7
(a)からわかるように、距離の最大頻度は1.6オン
グストロ−ムに相当し、また、最大頻度角は、図7
(b)と図7(c)から、それぞれ、142°と109
°である。このように、本発明における分子動力学シミ
ュレータが実際の実験値とも良く適合していることが確
認できる。
【0037】分子動力学シミュレータの精度チェックの
1つの方法として、分光デ−タの対比がある。即ち、刻
々変化するSi原子や酸素原子の位置から、0−Si−
OやSi−O−Siのロッキングモ−ドやストレッチン
グモ−ドの振動数を読取り、これらの数値から固有振動
数を求めた。これらの値と実測値とを比べたところ、4
40cm-1及び1100cm-1に対し、実測値はそれぞ
れ490cm-1及び1111cm-1であり、妥当な範囲
と言える。また、絶縁膜に圧力を加えた場合、0−Si
−Oモ−ドの強度が増大することも実測値と良く一致し
ていることがわかった。このときの0−Si−O角度の
振動出力の計算結果を図8に示す。この図では、横軸は
時間を示し、0.0fsから出発しているが、本発明者
らは、分子動力学計算;における外圧に充分追随したこ
とを確認するまで1500fsの時間をかけた。従っ
て、図8は、1500fsの後からのものである。
【0038】本発明者らは、更に非常に大きな圧縮応力
を印加した場合についても計算してみた。その結果を図
9(a)〜(c)に示す。この結果は、体積圧縮率0.
6%のときのものであり、これを応力に換算すると、6
〜8×108 dyne/cm2 である。図9(a)から分かる
ように、圧縮応力を極めて大きくすると、距離分布は広
い範囲に分散していることが分かる。また図9(b)、
図9(c)からも、角度分布が大きく分散していること
が分かる。そして、このような構造をとったほうが、S
iO2 の内部全エネルギの利得があることもわかった。
【0039】本発明者らは、このような新しいシミュレ
−ションを開発するとともに、これを用いて、Si単結
晶のどの面とクリストバライトのどの面が最も整合性が
良いかについて調べた。その結果、β−クリストバライ
トのP41 1 2構造表現の単位構造において、C軸の
回りに並ぶ4つのシリコン原子のうち、1つおきに取り
出した2つのシリコン原子が、Si(100)面上の
[011]軸方向に隣接して並ぶ2つのシリコン原子上
に配置されるとともに、前記β−クリストバライトのC
軸と前記[011]軸方向とを含む平面が、前記(10
0)面に対して垂直になる面が最も良いことを見出し
た。
【0040】このとき、クリストバライト構造の第1S
iと第3Siとの距離と、Si単結晶中のSi(10
0)面上のSi−Si距離との相違(ミスフィット率)
は、4.7%であった。
【0041】本発明者らは、このような指針に基づき、
SiO2 /Si界面の作成を試みた。以下に、そのよう
なSiO2 /Si界面を有する素子作成の手順を示し、
その特性をも併せて示す。
【0042】図10(a)に示すように、(100)面
を有するSi単結晶基板101上に、熱酸化膜102を
例えば10nmの厚さに成長させ、その上に多結晶Si
膜103を例えば200nmの厚さに堆積し、更にSi
3 4 を形成して、写真食刻法を用いてパタ−ニング
し、Si3 4 膜パタ−ン104を形成する。次に、S
3 4 膜パタ−ン104をマスクとして用いてRIE
によりエッチングし、図10(b)に示すように、Si
単結晶基板101に例えば深さ0.7μmの溝を形成す
る。
【0043】その後、この溝に非晶質SiO2 膜105
を低温で埋め込んだ後、Si単結晶基板101上の熱酸
化膜102、多結晶Si膜103及びSi3 4 膜パタ
−ン104を除去し、図10(c)に示す構造を得る。
そして、図10(c)に示す構造の表面に、図10
(d)に示すように、所定の面を切り出したクリストバ
ライト膜106を接着法により形成する。
【0044】このとき、β−クリストバライトのP41
1 2構造表現の単位構造において、C軸の回りに並ぶ
4つのシリコン原子のうち、1つおきに取り出した2つ
のシリコン原子が、Si(100)面上の[110]軸
方向に隣接して並ぶ2つのシリコン原子上に配置される
とともに、前記β−クリストバライトのC軸と前記[1
10]軸方向とを含む平面が、前記(110)面に対し
て垂直になるようにする。このとき、Siの素子領域の
寸法は、例えば1.25μmとする。
【0045】次に、図10(e)に示すように、クリス
トバライト膜106をパタ−ニングし、ゲ−ト絶縁膜1
07を及びゲ−ト電極108を形成する。このとき、ゲ
−ト幅は0.25μm、ソ−ス及びドレイン領域が形成
されるべき部分の幅は、それぞれ0.5μmとした。
【0046】本発明者らは、クリストバライトの面を、
上記の面、即ち(1,−1,0,1)の面から種々の方
向、例えば±1°、±3°、±4°、±6°、±10
°、±15°に傾けてシリコン基板上に接着した。そし
て、その接着界面をTEM(透過電子顕微鏡)により調
べた。その結果、±6°まではSi及びSiO2 ともに
転位が入っていなかった。しかし、±6°を越えると、
特に±10°以上では、Si又はSiO2 に転位が発生
していることが見出された。このように、(110)の
面方位を有するSi単結晶基板とクリストバライトとの
界面において、転位の発生を防止するためには、クリス
トバライトの面方位が、(1,−,1,0,1)の面か
ら±6°以内、好ましくは±4以内にあればよいことが
わかる。
【0047】なお、Si単結晶基板101が(100)
の面方位を有する場合には、クリストバライトの面方位
は、(1,−1,0,1)又は(1,0,−1,0)の
面から±6°以内、好ましくは±4以内にあればよい。
【0048】また、ゲ−ト幅についても、上記実施例で
は0.25μmであったが、0.3μm、1.0μm、
2.0μmの場合についても調べてみた。その結果、
0.3μmの場合には転位は発生しなかったが、1.0
μm、2.0μmの場合については、転位が発生した。
【0049】図30は、横軸に上述のクリストバライト
の面の傾斜角、及びクリストバライト構造のSi−Si
距離とSi(100)面上のSi−Si距離との間のミ
スフィット率をとり、縦軸に転位密度をとった場合のそ
れらの間の関係を示す。なお、曲線aはゲ−ト幅0.5
μmの場合、曲線bはゲ−ト幅0.25μmの場合をそ
れぞれ示す。
【0050】図30のグラフから、ゲ−ト幅0.5μm
において、クリストバライトの面の傾斜角が6°以下、
ミスフィット率が7%以下、好ましくは4%以下の場合
に、低い転位密度が得られることがわかる。なお、ゲ−
ト幅0.25μmでは、クリストバライトの面の傾斜角
が6°以下、ミスフィット率が7%以下で、殆ど転位が
認められない。
【0051】このように、クリストバライトの面の方向
とゲ−ト幅により転位が発生したりしなかったりする理
由については、未だ完全には理解されていない。しか
し、恐らく、以下のような理由に基くものと考えられ
る。
【0052】即ち、クリストバライトのSi−Si間隔
と、Si(100)上の[110]Siとの間隔は必ず
しも一致しておらず、上述のように5%程度のずれはあ
る。このように間隔がずれているもの同士を接着させた
とき、Si/SiO2 界面をTEM(透過電子顕微鏡)
により調べたところ、原子の4〜7層ぐらいまで、少し
歪んでいるのが見出された。このように、Si/SiO
2 界面の近傍で原子の配列が自然に歪むことにより、界
面において面の方向が多少ずれていても、狭い領域で
は、SiとSiO2 とは整合しているものと思われる。
【0053】これに対し、ズレの角度が6°を越える
と、Si−Si間隔の相違が8%以上になり、これによ
って転位が入るものと思われる。また、素子領域が1.
0μmと大きくなると、中心付近ではほぼ整合していて
も、周辺部ではやはり不整合が大きくなり、確実に転位
が入るものと考えられる。
【0054】このように、本発明者らがSi−Si間隔
に着目したのは、上述のように、Si基板とクリストバ
ライトとを接着することにより、原子間間隔が変化する
ことを見出したためであり。この場合、新たな表面が形
成されると原子間間隔もすぐに変化するため、代表値と
しては、表面ではなく内部の値を採用している。
【0055】本発明者らは、酸化膜とSi単結晶を含む
領域に対して、厳密なイオン結合ポテンシャルの厳密積
算式を開発し、これまでにない新しい手法で酸化膜とS
i単結晶の最適な位置関係を見いだすことが出来た。従
来の手法では、厳密性に欠け、特に系のエネルギを正確
に求めることが出来なかった。即ち、本発明者らは、従
来にない新しいシミュレータを構築し、一実施例とし
て、酸化膜の単結晶、具体的にはクリストバライトにつ
いて計算を行った。
【0056】以下に、本発明者が作成したシミュレータ
について、従来例との比較をしながら説明する。まず、
Si−O間、O−O間、Si−Si間の3種類のポテン
シャルを厳密に表現する必要がある。Si−O間とO−
O間、Si−Si間のト−タルのポテンシャルを表現す
ることは実際は非常に難しく、3種類のポテンシャルと
も距離rの項により積算量は無限大に発散することにな
る。また、計算自体もクーロンポテンシャルは遠くまで
裾を引くので途中で打ち切ることができず、少し厳密な
計算をする場合には従来の手法ではEwald の方法を使っ
ていた。しかし、この方法では計算に厳密性を欠いてい
る。
【0057】本発明者らが提案した新しい分子動力学シ
ミュレ−ションの全体の構成を図11に示す。以下、こ
のシミュレ−ションシステムの要点について、図11及
び12を参照して説明する。
【0058】まず、計算手順に関し、従来の方法との比
較のため、工夫した点及び新規な点を説明する。最初に
初期状態として、粒子の配置等を決定する。これは、図
11において、[CRYST]、[TETRA]、[R
HOMBO]、[DIAMOND]であり、これは従来
の方法と同じである。
【0059】次に、[TERSOF]や[EWALD]
で運動方程式を解き、粒子間に働く力と方向を計算す
る。その後、次の時刻の各粒子の位置を求める。この手
順を所定のプロセス時間だけ続ける。
【0060】運動方程式のもとになるポテンシャル表現
式としては、Siの場合は、本発明者らは第1原理から
求めたポテンシャルを用いた。本発明者らは、定積・定
圧問題も扱えるように、運動方程式は、ラグランジュア
ンと連立させている。また、対象とする系全体のエネル
ギをも議論出来るように配慮している。出力は、各粒子
の時々刻々の位置、速度、力等である。また、コンピュ
−タグラフィックを用いてアニメ−ション表示をするこ
とも可能である。
【0061】ところで、酸化膜の計算に用いるポテンシ
ャルは、各方面で提案されたものであるが、そのままで
は利用出来ない。即ち、酸化膜中の各原子間に働く力に
はイオン成分の寄与が大きく、イオン成分の力は収束が
遅く、従って計算結果は計算寸法に依存する。
【0062】本発明者らは、上記不都合を回避するた
め、このような問題を数学的に扱ったEwald ( P. Ewal
d, “ Die Berrechnung optischer und electrostatis
cher Gitterpotentiale ” Ann. Phys. (1921) Vol. 6
4. p.253 )の原典に戻り、厳密な方程式を開発した。
【0063】下記式1及び図13に示すように、ポテン
シャルΦijは、ク−ロン力(第1項)、内殻間反発力
(第2項)及び共有結合補正項(第3項)からなる。結
晶内で正確に積算するため、本発明者らは、厳密な逆格
子積算方程式を開発した。下記式2〜6にその一部を示
す。なお、ijは粒子番号であり、酸素原子やSi原子
に対応する。Nは粒子の総数である。r,m,
n,Lは、それぞれ距離ベクトル、逆格子ベクト
ル、単位ベクトル、単位格子ベクトルである。
【0064】
【数1】 収束の遅いポテンシャル積算に関して、φ1 、φ2 φ3
の他に、第4番目の定数項である、下記式6に示すφ4
が存在することを導きだした。従来の多くの報告では、
この項が欠落している。しかし、この項がないと、正確
な計算は出来ないのである。
【0065】上述のように、ク−ロンポテンシャルQi
j /rは、下記式(2)に示すように、4つの項にな
る。
【0066】
【数2】 更に、各要素は、下記式(3)〜(6)に示すようにな
る。
【0067】
【数3】 式中、n=nx ・(Lx ,0,0)+ny ・(0,L
y ,0)+nz ・(0,0,Lz )m =mx ・(1/Lx ,0,0)+my ・(0,1/
y ,0)+mz ・(0,0,1/Lz ) 次に、クーロンポテンシャルは、以下のように求められ
る。本発明者らは、クーロンポテンシャルを分解してゆ
くと、4項に分かれる事を見い出した。特に、従来は3
項しか考慮されていなかったが、新しく第4項を考慮す
べきことを確認した。これらの計算手順を以下に示す。
【0068】本発明者らは、まず厳密な式の出発とし
て、誘電率を加味した下記式(7)により表わされる基
本式から解き始めた。
【0069】
【数4】 導体ε=∞と真空ε=1の場合とでクーロンポテンシャ
ルが異なり、Lは(立方体の)単位結晶の一稜、Σは単
位結晶内でとり、Zi 、ri は酸素の第i粒子の荷電
と位置である。これは球内の荷電によって球の内面に分
極が生じることによる。導体でない球の内面に双極子の
層が出来るが、上記式(7)の最終項がちょうどその効
果を打ち消す働きをする。Ewald の方法は、左辺がε=
∞のものを与えるから、真空内の値を求めるには、上記
式の最終項を加えなければならない。ここでは結果だけ
を掲げる。
【0070】クーロン・ポテンシャルを下記式(8)に
より表わされるものとする。
【0071】
【数5】 式(8)において、Nは単位結晶内の原子数、単位結晶
内の第1原子の位置と荷電がr1 、Z1 であり、n
は単位結晶とそれを周期的にずらしたものを指定するベ
クトルであって、下記式(9)に示すように設定した。
【0072】n =nx x +ny y +nz z …(9) 上記式(9)において、Zx 、Zy 、Zz がそれぞれ
x,y,z方向の稜のベクトルであり、nx ,ny ,n
z はそれぞれ(バルク結晶の場合)−∞から+∞にわた
る整数である。Σ′の′はn=0の時のj=iを除くこ
とを意味するものである。
【0073】ここで、本発明者らは下記(10)に示す
新しいF関数を導入する。
【0074】
【数6】 上記式(10)において、G(r,t)はrの周期
関数である。本発明者らは、これをフーリエ級数で表現
できることを見い出した。
【0075】G(r,t)は、更に下記式(11)に
より表わされるように変形することが出来る。
【0076】
【数7】 上記式(11)において、mは逆格子ベクトルであ
り、下記式(12)により表わされる。
【0077】
【数8】 上記式(12)において、指数mx ,my ,mz はそれ
ぞれ−∞から∞にわたる整数である。m=mの時は、
exp […]=1だから、ΣZi =0であり、単位結晶内
の総荷電が0であれば、m=mの項は消える。あらか
じめm=mの項を除くと、下記式(13)となる。
【0078】本発明者等は、積分範囲をkで分け、G
(r,t)の2つの形を使い分けて、下記(14)を
得る。
【0079】
【数9】 ここで、公式として下記式(15)を用いた。
【0080】
【数10】 これにより、始めのクーロンポテンシャルは、下記式
(16)により表わされる。
【0081】
【数11】 式(16)において、Σ′の右上の′印は、n=m
の時、j=iを除くことを意味する。
【0082】さらに、下記式(17)が成立する。
【0083】
【数12】 この式(17)は、rを含まないから力には関係はな
い。この式(17)は、更に下記式(18)により表さ
れるように変形することが出来る。
【0084】
【数13】 以上の結果をまとめると、クーロンポテンシャルは、結
局、下記式(19)、(20)、(21)、(22)、
(23)により表される。
【0085】
【数14】 式(19)〜(23)において、nは、n=nx
(Lx ,0,0)+ny・(0,Ly ,0)+nz
(0,0,Lz )であり、mは、m=mx ・(1/
x ,0,0)+my ・(0,1/Ly ,0)+mz
(0,0,1/Lz)である。
【0086】式(19)〜(23)の表現の具合のいい
点は、もとのΣの項が逆数のオーダーでしか減衰しない
のに対して、Φ(1) ではΣの項がerfcの因子によっ
て、Φ(2) ではΣの項がexpの因子によって、急速に
減衰することである。Φ(3)では減衰との遅速に逆向き
に効くから、両者のバランスがとれるような適当なκを
選ぶ必要がある。これらは、距離の近いところから順に
クーロン力の寄与を計算した結果であり、しかも周囲が
導体である場合の結果である。
【0087】周囲が真空である場合では、もう1項が加
わる。これが特に、従来考慮されなかった部分である。
【0088】図14、15、16に、本発明による厳密
出力を示す。
【0089】次に、本発明者等が作成した回転点群を図
17、18を用いて示す。即ち、Si原子を半径rの球
の中心(0,0,0)に置き、球面上正四面体の頂点の
位置に4個の酸素原子を置く。C原子の位置は、オイラ
ー角(θ,φ)で指定できる。それを(x,y,z)座
標で表すには、北極に向かうベクトル(0,0,γ)に
対して、まずy軸まわりに角度θの回転、次いでz軸ま
わりに角度φの回転をしてやればよい。
【0090】その回転行列は、下記に示す式(24)に
より表される。
【0091】
【数15】 ここで、4個の酸素原子のうち1つを北極(0,*)に
置いた時、しかもφは不定で*としておくと、他の3つ
の酸素原子の位置は、未定の角ψによって、それぞれ
(109°28′,ψ)、(109°28′,ψ+12
0°),(109°28′,ψ+240°)と表され
る。従って、それらの(x,y,z)座標は、式(2
5)で、cosθ=−1/3、sinθ=2(2)1/2
/3、そしてφをそれぞれψ、ψ+120°、ψ+24
0°としたものを、 t(0,0,r)に作用させること
により、下記式(25)に示すものとなる。
【0092】
【数16】 北極を指していた第1の酸素原子を(θ,φ)の向きに
するには、式(24)のR(φ,θ)をそのまま作用さ
せればよい。その結果、本発明者等は以下のように求め
た。即ち、4個の酸素原子の(x,y,z)座標は、下
記式(26)示すものとなる。
【0093】
【数17】 単位格子内の4個のSi原子の(x,y,z)座標をパ
ラメータa,b,cで表し、図1と照合すると、2aが
縦方向、横方向に共通の周期である。
【0094】I (0,0,0) II (a,b,c) III (a−b,a+b,2c) IV (−b,a,3c) V (0,0,4c) 即ち、第1原子を原点におき、z座標が一定値cずつ上
り、(x,y)面に正射影すると、I、II、III 、IVで
正方形をなしている。第5原子は、次の単位格子の第1
原子でz座標が4cふえて、第1原子の真上にある。各
Si原子に属する4個の酸素原子の配置は、Si原子に
相対的な配置がz軸まわりに90°ずつ回転して行く。
それに上述のようなSi原子の移動が加算される。第1
Si原子周囲の4個の酸素原子の(x,y,z)座標
は、式(24)をそのまま使えばよく、第2、第3、第
4Si原子の周囲の酸素原子の(x,y,z)座標は、
第1原子周囲の酸素原子に対して、それぞれ R(0,90°)の回転と(a,b,c)の平行移動 R(0,180°)の回転と(a−b,a+b,2c)
の平行移動 R(0,270°)の回転と(−b,a,3c)の平行
移動 を作用させれば得られる。
【0095】その他に、II1と III2、 III1とIV2、
IV1とV2の組がそれぞれ同一の酸素原子であるが、こ
れらは(当然のことだが)上と同じ関係式を与える。酸
素原子I1とII4は、横方向に1周期分2aだけずれて
いる。
【0096】次に、計算に用いた領域等について、やや
詳細に説明する。計算ではSi基板側に、深さ方向に数
十原子層をとり、また、表面での奥行き方向に数十原子
層をとり、計算領域をとった。また、βクリストバライ
トにおいても、縦横高さをそれぞれ数十原子層ずつとっ
た。
【0097】酸化膜の劣化原因の解明については、これ
まで長い歴史と多くのデ−タがある。本発明は、上述の
計算手法を用い、原子や電子の移動を追及することによ
り、酸化膜の劣化原因の解明に一石を投じようとするも
のである。また、近年、各所で使用されているFT−I
R等の測定結果にも、理論的同定を行なわんとするもの
である。
【0098】更に、本発明者らは、実際のゲ−ト酸化膜
形成プロセスを考えて、どの程度の欠陥密度まで許容さ
れるかについて調べた。即ち、例えば3200個のSi
と6400個の酸素を用意し、これに0個から100個
の酸素欠陥を作った。この場合の時々刻々のSi原子や
酸素原子の位置等から、O−Si−Oの角度及びSi−
Oの距離の分布を求めた。これらの結果を図19及び2
0に示す。
【0099】図19及び20に示す結果から以下のこと
が明らかとなった。まず、酸素原子及びSi原子の動作
挙動と酸化膜構造因子の関連を調べたところ、単結晶酸
化膜中に酸素欠陥が存在すると、数原子先の遠方のSi
原子及び酸素原子までも、無欠陥の場合と比較すると明
らかに擾乱を受けており、しかも点欠陥の移動度は非常
に大きい。これらの動作挙動を単結晶Siの場合と比較
すると、酸化膜の場合の方が影響も範囲も非常に大きい
ことがわかった。このような活発な動きは、酸化膜には
イオン結合成分がかなり存在し、分極し易い性格を持っ
ており、従って、局所的な欠損が引き金になってポテン
シャル変化に連動するものと考えられる。本発明者ら
は、このような手順によって詳細に調査したところ、酸
素欠陥密度が0.01%以下であれば、単結晶絶縁膜の
利点を十分に引き出し得ることを見出だした。
【0100】上述の式(4)の計算は、一種のフ−リエ
変換に相当するが、その中で三角関数の演算が多々あ
る。また、この式では、粒子数及び逆格子数にわたって
の組合せ全体について計算しなければならない。現在の
汎用大型電子計算機では、三角関数の演算スピ−ドは非
常に遅いので、出来るだけ演算回数を減らすことが演算
の高速化につながる。本発明者らは、これらの点につい
て、特に留意した。
【0101】即ち、項cos(2πmx)は、項cos
(mx x +my y +mz z )の形に変形出来る。
ここに、mx 、my 、mz は整数であるので、コンピュ
−タ−プログラムは非常に複雑になるが、加法定理を繰
り返すことにより、下記式(27)、(28)に示すよ
うに展開することが出来る。
【0102】 cos(mx x +my y +mz z ) = (cosmx x )(cosmy y )(cosmz z ) −(cosmx x )(sinmy y )(sinmz z ) −(sinmx x )(cosmy y )(sinmz z ) −(sinmx x )(sinmy y )(cosmz z ) …(27) sin(mx x +my y +mz z ) = (sinmx x )(cosmy y )(cosmz z ) −(cosmx x )(sinmy y )(cosmz z ) −(cosmx x )(cosmy y )(sinmz z ) −(sinmx x )(sinmy y )(sinmz z ) …(28) 更に、下記式(29)〜(32)が成立する。
【0103】
【数18】 プログラムの長さとしては、84行から895行に、約
10倍となったが、このようにすることにより、演算時
間は、典型的な場合に、Cray−YMPによると、1
3.32分から6.51分と、約半分になった。このよ
うな演算時間の短縮は、本発明を極めて実用的なものと
する。
【0104】本発明者らは、更に弾性エネルギに着目
し、本発明の接合構造では、弾性エネルギが最小となる
ことを見出した。なお、弾性エネルギ−は、以下のよう
にして求めた。
【0105】各Si側及び酸化膜の格子寸法をd0 Si
びd0 SiO2と置いてみる。界面での最も縮んだ場合ある
いは伸びた場合の距離を1.64d0 −2Xと置く。X
は未知数であり、界面の両側で受けもたせたという形で
ある。この移動の仕方によって、4×3=12個の2次
最近接原子のうち、更に4個だけが影響を受けて距離が
増大する。それをd0 +ε2 と置く。もし4個を固定す
ればここで終りであるが、更に遠くのものも動いてそれ
ぞれ3個の最近接原子の3次の最近接原子との距離がd
0 +ε3 となり、以下、同様にして、6次の最近接原子
まで考慮に入れる。6次目の原子は不動とした。そし
て、d0 からの伸びの大きさが公比1/2の等比数列を
なすとする。即ち、以下のようになる。
【0106】ε3 =ε2 /2、ε4 =ε2 /22 、ε5
=ε2 /23 、ε6 =ε2 /24 従って、歪による自由エネルギ−Hは、下記の式(3
3)により表される。
【0107】
【数19】 上記式(33)に上述の関係を代入すると、下記の式
(34)に示すようになる。
【0108】 H=2D{1+exp[−2α(0.64d0 −2X)]−2exp[−α( 0.64d0 −2X)]}−2D{1+exp(−2α×0.64d0 )−2e xp(−α×0.64d0 )} …(34) 上記式(34)では、{ }内の1が消しあって、下
記の式(35)が得られる。
【0109】 H=2D{exp[−2α(0.64d0 −2X)]−2exp[−α(0. 64d0 −2X)]−exp(−2α×0.64d0 )+2exp(−α×0. 64d0 )} …(35) 次に、本発明の他の態様に係る実施例について説明す
る。
【0110】上述の実施例では、クリストバライトやS
i酸化膜について説明したが、本発明では、それらの代
わりにクオ−ツを用いることが可能である。その具体例
を図21〜25に示す。
【0111】ここでは、例として図23(a)、(b)
及び図24について説明する。いずれの図も小さい球が
Siを示し、少し大きい球がOを示している。また、S
iは4配位になっていることもわかる。
【0112】まず図23(a)について説明すると、こ
の図は、本発明者らが作成した新しい分子動力学シミュ
レ−タを用いて、水晶について調べたものである。ここ
では水晶のC軸を含む面に着目し、C軸を中心として一
定の角度を回転させた場合である。図中のA1 2 2
1 をみると、ほぼ正方形になっていることがわかる。
しかも、A1 2 、A2 2 …の寸法は、Si(10
0)面のSi−Si距離に対してほぼ4%程度の相違で
あることもわかった。この面を用いて、先に示した実施
例の手法を用いてSiをMBEで成長させると、本発明
による通り、Si(100)面を成長させることが出来
た。
【0113】ところで、図23(b)に示された面は、
やはりC軸を含む面であるが、もう1つの面である。実
は、このような関係は、60°づつ回転させると、3つ
あることもわかった。
【0114】次に、図24について説明する。図24
は、水晶のC軸について垂直な面で切断した場合を示
す。図中のA1 、A2 、A3 はいずれもSiを示してお
り、この3つのSiは同一面上にある。また、本発明者
らは、この面とSi(111)面とはSi−Si距離に
対してほぼ5.1%程度の相違であることも見出だし
た。そして、この面を用いて、先に示した実施例の手法
を用い、SiをMEBで成長させると、本発明による通
り、Si(111)面を成長させることが出来た。
【0115】なお、図21においても、小さい記号はS
i、大きい記号はOを示している。単結晶絶縁膜として
は、Si酸化膜に限らず、スピネル(MgAl
2 4 )、酸化セリウム(CeO2 )、チタン酸ストロ
ンチウム(SrTiO3 )、酸化アルミニウムAl2
3 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化イットリウ
ム(Y2 3 )、イットリウム安定化ジルコニウムYS
Z、PrO2 、弗化カルシウム(CaF2 )等、及びこ
れらの積層膜を用いることが出来る。
【0116】また、単結晶絶縁膜と下地シリコンウエハ
又は下地電極との界面に、シリコン酸化膜を介在させる
ことも可能である。
【0117】次に、本発明の更に他の実施例について説
明する。この実施例では、本発明者らは、分子線エピタ
キシ(MBE)法を用いて人工的に単結晶Si/単結晶
SiO2 の界面の作成を行った。以下にその手順につい
て詳細に説明する。
【0118】まず、X線を用いてクリストバライトの方
位を調べ、所定の面に目印をつけ、これを基にして面を
切り出した。この時、板厚は約0.1mmであった。こ
の厚みは、後々のことを考えれば、出来るだけ薄い方が
よいが、ここで用いる分子線エピタキシ(MBE)法で
は、試料を搬送・装着したりするため、ある一定の厚み
が必要である。そこで本実施例では、上述のように0.
1mmの板厚で作業を進め、単結晶Siを成膜した後
に、研磨し、所定の厚みに調整した。
【0119】図26(a)に示すように、クリストバラ
イト板201の上述の所定面(面方位を既に若干傾斜さ
せている)上に、MBE法により、単結晶Si膜202
を成膜した。成膜にあたっては、まず、クリストバライ
ト板201を予備チャンバ−内に導入し、ゲ−トバルブ
を開き、次いで主チャンバ−内に収容した。その後、主
チャンバ−内を充分に排気し、クリストバライト板20
1を700℃に保持した。そして、Siを分子線を用い
て成長させた。この時、成長状態を逐次観察した。
【0120】本発明者らは、極めて小さな角度で電子線
を成長面に導き、Siの成長状況を電子線回折により調
べた。その結果、(100)面の成長を示す極めて明瞭
な回折スポットが認められた。なお、本実施例で用いた
試料は、クリストバライト上にSiを堆積したものであ
り、通常のMOS構造とは上下が逆になっている。
【0121】MBEでは、Si膜の成長速度が極めて遅
いので、本発明者らは1つの便法として、上記MBE成
長のSi上に単結晶Siを継ぎ足した。この時、その継
ぎ足したSi膜の成長温度には特に注意をはらった。そ
れは、成長温度を上述の700℃より高くすると、折角
良好な界面が生成されているのに、これを破壊する恐れ
があるからである。
【0122】図26(a)に示す構造の単結晶Si膜2
02の上にSi膜を継ぎ足す方法としては、次の方法が
挙げられる。即ち、まず図26(b)に示すように、非
晶質Si膜203を例えば約1.3μmの膜厚に、例え
ば580℃で堆積させた。その後、これを不活性雰囲気
の600℃の炉に導き、約30分間熱処理すると、約
1.3μmの膜厚の非晶質Si膜203は、全て単結晶
化した。
【0123】この現象は、いわゆる固相成長と呼ばれる
ものであり、このように継ぎ足した非晶質Si膜203
が単結晶化するのは、MEBにより成長した単結晶Si
が種となって、単結晶化が伝播していくことによるので
ある。この固相成長については、特願平4−11179
5号、特願平4−191180号、特願平4−2452
89号に詳細に記載されている。
【0124】図26(b)に示す構造の上に、更に例え
ばSi基板204を接着法により接着した。なお、以上
の方法では、CVD法により非晶質Si膜203を形成
した後にSi基板204を接着したが、CVD法による
非晶質Si膜203の形成工程を省略することも可能で
ある。ここで、Si単結晶と酸化膜との界面の断面を観
察したところ、約107 /cm2 の転位が存在すること
がわかった。
【0125】本発明者らは、界面の面積を十分に小さく
すれば転位のない界面が形成されると考え、上述のMB
E成長実験によるSi膜の成膜の際に、クリストバライ
トの表面のある面積の正方形領域を残して覆いをかけ、
覆いの存在しない領域にのみ成膜を行う実験を行った。
成膜を行う領域の面積を種々変えたところ、正方形領域
一辺の長さが0.1μm以下の場合には転位が存在しな
いことが確認された。従って、Si単結晶上に単結晶ゲ
−ト酸化膜を形成する場合には、ゲ−ト領域を0.1μ
m四方以下にすればよいことがわかった。
【0126】その後、本発明者らは、上下を逆にし、即
ちクリストバライト板201側を上にし、このクリスト
バライト板201を研磨法により削って、約10μmの
単結晶酸化膜とした。次いで、図26Cに示すように、
この単結晶酸化膜上に、アルミニウム膜205をゲ−ト
電極用として堆積した。
【0127】次に、図26(c)に示す構造のSi基板
204にも電極を形成してバラクタ構造とし、このMO
SバラクタのCV評価を行った。即ち、容量の周波数分
散等から界面準位の分布を求め、従来のMOS構造と比
較した。その結果、界面準位は1/50にも低下したこ
とがわかった。このことは、本発明のMOS構造を適用
したSi/SiO2 界面は、従来の熱酸化膜を用いて作
成したSi/SiO2界面よりも準位が減少したことを
示しており、良好な界面が形成されたことを示してい
る。
【0128】また、図26(b)に示す構造において、
クリストバライト板201側に多結晶シリコンからなる
ゲ−ト電極206を形成し、Si層202,203にソ
−ス領域207及びドレイン領域208を形成し、これ
らソ−ス領域207及びドレイン領域208上に高融点
金属からなるソ−ス電極及びドレイン電極(図示せず)
を形成して、図27に示すようにMOSトランジスタを
形成した。
【0129】このMOSトランジスタについて、高電圧
下でクリストバライトの劣化特性を測定し、従来のMO
S構造と比較した。即ち、Si側の反転層の移動度を測
定し、この値から界面凹凸散乱の寄与を抽出し、凹凸の
寸法を求め、従来のMOS構造と比較した。その結果を
図28及び図29に示す。
【0130】次に、本発明の更に他の実施例について説
明する。
【0131】従来のMOSトランジスタの製造方法で
は、シリコン単結晶基板の表面を熱酸化した後、ゲ−ト
領域以外の部分の酸化膜を除去するのであるが、本発明
の方法では、既に述べたように、シリコン単結晶基板の
表面の1μm四方のゲ−ト領域以外の部分にマスクを形
成し、ゲ−ト領域にMBE法によりクリストバライトを
成膜してゲ−ト酸化膜を形成する。この後、マスクを除
去し、ゲ−ト酸化膜の両側にイオン注入を行い、ソ−ス
領域及びドレイン領域を形成する。このようにして得た
ゲ−ト構造の断面を観察したところ、転位の存在しない
境界面が形成されていることが確認された。
【0132】ここで、以下、最近のMOS素子に関する
課題について簡単に説明する。即ち、現在、補助記憶装
置としてはハ−ドディスクが主流である。しかし、ハ−
ドディスクは、読みだし書き込みに時間がかかるととも
に、機械的動作の部分があるため振動等に不利であり、
かつ部品コストも高い。そこで、ハ−ドディスクをE2
PROMに置き換えることが検討されている。
【0133】E2 PROMは、高電界の下でのトンネル
電流を利用し、浮遊ゲ−トに電荷を注入し、情報の書き
込みを行うものである。この場合、浮遊ゲ−トに蓄積さ
れた電荷を、電源を切っても十分に保持しようとするも
のである。ところで、E2 PROMを補助記憶装置とし
て利用するにあたり、MOS構造の部分のゲ−ト酸化膜
に対し、非常に厳しい要求が課される。例えば、12〜
13MV/cmもの高電界下で、1000万回もの安定
した書き込み動作を補償し、かつ10年間のデ−タを保
持することが要求される。
【0134】しかし、これまでのMOS構造では、酸化
膜の劣化が大きな問題となっており、そのため上述の要
求を満たすことが出来ず、製造プロセスの面から種々の
工夫がされているが、未だ十分な結果が得られていな
い。これに対し、本発明のMOS構造によると、約10
0倍もの長寿命化を達成することが可能となった。
【0135】図31(a)〜(c)は、本発明の他の態
様における第1の実施例に係る、浮遊ゲ−ト型電気的書
き込み消去可能なROM(EEPROM)の製造工程を
示す断面図である。
【0136】まず、図31(a)に示すように、例えば
比抵抗が10Ω・cm、面方位(100)のp型シリコ
ンウエハ301の表面に、素子分離用フィ−ルド酸化膜
302を形成した後、薬品洗浄により表面に付着した金
属汚染を除去する。その後、該シリコンウエハ1を5×
10-11 Torr程度の超高真空中に設置し、900℃でシ
ラン還元法により自然酸化膜を除去した後、文献(井上
他;電気化学、Vol.56,No.7,p498
(1988))に示すように、H2 をキャリアガスとし
て用いて2種類のソ−スガス(AlCl3 、MgC
2 )をシリコンウエハ上に輸送し、別途同様にH2
キャリアガスとして用いて輸送されたCO2 ガスと混合
し、反応させることによって、単結晶スピネル(MgA
2 4 )膜303をエピタキシャル成長させる。
【0137】次に、500℃程度の低温で燐添加非晶質
シリコン膜を形成し、続く600℃での熱処理により単
結晶絶縁膜から結晶情報を得ることにより、図31
(b)に示すように、単結晶電極304を形成する。更
に、単結晶シリコン電極304の表面を酸化して、電極
間絶縁膜であるシリコン酸化膜305を形成する。その
後、図31(c)に示すように、制御電極としての多結
晶シリコン電極306をシリコン酸化膜305の上に形
成する。そして、図示しないが、所定の配線プロセスを
経て、EEPROMを完成する。
【0138】図31(a)〜(c)に示すEEPROM
における浮遊ゲ−ト電極を単結晶により構成することは
必ずしも必要ないが、単結晶化することによって、浮遊
ゲ−ト電極と下地の単結晶絶縁膜との界面の、後の熱工
程に対する安定性が増す。
【0139】図32は、本発明の他の態様における第2
の実施例に係るEEPROMを示す断面図である。面方
位(100)のp型シリコンウエハ401の表面に、第
1の実施例と同様の単結晶スピネル(MgAl2 4
膜402を形成した後、高温、例えば800℃の酸化性
雰囲気に晒して、MgAl2 4 膜402とp型シリコ
ンウエハ401の界面に、例えば厚さ約3nmのシリコ
ン酸化膜403を形成する。その後、第1の実施例と同
様の製造プロセスに従い、EEPROMを形成する。
【0140】本実施例において、シリコン酸化膜の厚さ
を3nm程度としたが、これは絶縁膜の電荷に対する実
効的な障壁高さを増加させることを目的としたものであ
り、シリコン酸化膜403の厚さが厚いほど、この実効
的な障壁高さは高くなる。もちろん、シリコン酸化膜4
03の厚さが厚すぎると、本発明の目的を達成すること
は困難となる。このシリコン酸化膜403の厚さは、E
EPROMの動作電圧、信頼性等の仕様で決定されるべ
きものであるが、実用上の好ましい膜厚は3〜5nm程
度である。
【0141】本実施例においては、単結晶絶縁膜402
を形成した後、熱酸化法によりシリコン酸化膜403を
単結晶絶縁膜402とシリコンウエハ401との界面に
形成したのは、単結晶絶縁膜402の結晶情報をシリコ
ンウエハ401から引き継ぐ方法を用いているためであ
って、他の方法、例えば第5の実施例に示すように張り
付け法を用い、シリコン酸化膜403の形成を先に行う
ことも可能である。
【0142】図33は、本発明の他の態様における第3
の実施例に係るEEPROMを示す断面図である。面方
位(100)のp型シリコンウエハ501の表面に、第
1の実施例と同様の単結晶絶縁膜(MgAl2 4 )5
02を形成した後、高温、例えば800℃の酸化性雰囲
気に晒して、MgAl2 4 膜502とp型シリコンウ
エハ501の界面に、シリコン酸化膜503を形成す
る。次いで、単結晶絶縁膜502の表面にシリコン酸化
膜504をCVD法により形成し、3層構造のトンネル
絶縁膜を形成する。その後、第1の実施例と同様の製造
プロセスに従い、EEPROMを形成する。
【0143】本実施例におけるシリコン酸化膜504は
CVD法により形成したが、他のスパッタ法や溶液中で
の反応による方法等、薄いシリコン酸化膜を形成出来れ
ば、どのような方法でもよい。
【0144】図34は、本発明の他の態様における第4
の実施例に係るEEPRPMの断面図である。(10
0)の面方位を有するp型シリコンウエハ601の表面
に、参考文献(H.Nagata,et,al,;Jap. J.Appl. Phys.,
Vol.30, No.6B, p1113687(1991) )に記載されているよ
うに、レ−ザMBE法によりSrTiO3 単結晶絶縁膜
602を形成した後、CeO2 単結晶絶縁膜603を形
成する。その後、第1の実施例と同様の製造プロセスに
従い、EEPROMを形成する。
【0145】図35は、本発明の他の態様における第5
の実施例に係るEEPRPMの製造工程を示す断面図で
ある。図35(a)に示すように、例えば比抵抗が10
Ω・cmで面方位(100)のp型シリコンウエハ70
1の表面の自然酸化膜を希弗酸で除去した後、溶存酸素
濃度がppbレベル以下の超純水中に浸漬し、シリコン
ウエハ701の表面のダングリングボンドを水素で終端
する。このシリコンウエハ701の表面にトンネル絶縁
膜となる石英の薄膜702を接合し、1000℃の窒素
雰囲気中で熱処理し、界面を原子レベルで結合せしめ
る。その後、所望の膜厚まで該石英をエッチングし、薄
膜化する。
【0146】次いで、石英薄膜702の表面にゲ−ト電
極となる多結晶シリコン膜703を被着する。次に、図
35(b)に示すように、写真食刻法により、多結晶シ
リコン電極703、石英薄膜702、及びシリコンウエ
ハ701を順次エッチングし、素子分離領域に溝704
を形成する。続いて、溝704の表面を安定化するた
め、例えば膜厚10nm程度のシリコン酸化膜705を
熱酸化法により形成する。更に、溝704に素子分離用
絶縁膜となるシリコン酸化膜706をCVD法により形
成し、RIEによるエッチバックにより、素子形成領域
上のシリコン酸化膜706を除去し、シリコン酸化膜7
06を溝704内に埋め込む。
【0147】その後、図35(c)に示すように、多結
晶シリコン膜703の表面を薬品で洗浄し、自然酸化膜
を除去し、次いで、熱酸化により電極間絶縁膜となるシ
リコン酸化膜707を形成する。次に、制御電極となる
多結晶シリコン膜708を形成し、写真食刻法によりパ
タ−ンを形成する。そして、配線プロセスを経てEEP
ROMを形成する。
【0148】本実施例では素子分離領域にシリコン酸化
膜706を埋め込む方法を用いたが、埋め込み絶縁膜の
材料はシリコン酸化膜に限られず、シリコン窒化膜や酸
化アルミニウム等、絶縁特性の優れた絶縁膜であればよ
い。また、素子分離用絶縁膜の埋め込み法についても、
CVD法に限らず、溝への埋め込みが可能であれば、本
発明の主旨の範囲内で変更が可能であることは言うまで
もない。
【0149】図36は、本発明の他の態様における第6
の実施例に係るEEPRPMの製造工程を示す断面図で
ある。図36(a)に示すように、例えば比抵抗が10
Ω・cmで面方位(100)のp型シリコンウエハ80
1の表面に、素子分離用フィ−ルド酸化膜802を形成
した後、素子形成領域のシリコンウエハ801の表面に
熱酸化法によりシリコン酸化膜803を形成する。次
に、図36(b)に示すように、シリコン酸化膜803
の表面に非晶質シリコン膜804を形成し、更に、シリ
コンウエハ801から結晶情報をとるべく、非晶質シリ
コン膜804とフィ−ルド酸化膜802を、写真食刻法
により開口する。
【0150】続いて、希弗酸により自然酸化膜を除去し
た後、超純水によりシリコンウエハ801の表面のダン
グリングボンドを終端処理する。その後、再度、燐添加
非晶質シリコン膜806を形成し、約600℃の低温熱
処理により開口部803を介してシリコンウエハ801
から結晶情報を引継ぎ、電極となる非晶質シリコン膜8
04と燐添加非晶質シリコン膜806を単結晶化する。
次に、図36(c)に示すように、単結晶化したシリコ
ン膜806を写真食刻法により開口部808と浮遊ゲ−
ト電極部809を切り離した後、浮遊ゲ−ト電極809
から結晶情報を引継ぎ、第1の実施例と同様に、MgA
2 3 単結晶絶縁膜900を形成する。
【0151】その後は第1の実施例と同様にして、制御
ゲ−ト電極以降のプロセスを経て、EEPROMを形成
する。このようにして得た本実施例のEEPROMで
は、浮遊ゲ−ト電極と制御ゲ−ト電極との間で電荷をや
りとりする動作に対し、有効である。
【0152】本実施例では、単結晶浮遊ゲ−ト電極の形
成方法として、シリコンウエハを単結晶化のシ−ドとし
て非晶質シリコン膜の横方向固相成長を採用した。固相
成長は、エネルギ−ビ−ムの照射による等の種々の変形
が可能である。また、他の単結晶化方法を採用するにあ
たり、非晶質シリコンの形成プロセス等の関連プロセス
が変更されることも、本発明の主旨の範囲内で可能であ
る。
【0153】図37は、本発明の他の態様における第7
の実施例に係るEEPRPMの製造工程を示す断面図で
ある。図37(a)に示すように、例えば比抵抗が10
Ω・cmで面方位(100)のp型シリコンウエハ90
1の表面に、厚さ15nm程度のシリコン酸化膜902
を熱酸化法により形成した後、非晶質シリコン膜903
を形成し、次に、写真食刻法により単結晶化のシ−ド部
とする領域、例えばストライブラインの非晶質シリコン
膜903及びシリコン酸化膜902を開口し、開口部9
04を形成する。
【0154】続いて、希弗酸により開口部904の自然
酸化膜を、第5の実施例に示す方法により除去した後、
再度、燐添加非晶質シリコン膜905を形成し、約60
0℃の熱処理により開口部904を介してシリコンウエ
ハ901から結晶情報を引継ぎ、非晶質シリコン膜90
3と燐添加非晶質シリコン膜905を横方向に順次単結
晶化する。次に、図37(b)に示すように、第5の実
施例と同様にして素子分離用絶縁膜906を埋め込む。
次いで、図37(c)に示すように、単結晶化されたシ
リコン膜907の上に単結晶絶縁膜、例えばMgAl2
4 単結晶絶縁膜908を、第1の実施例と同様にエピ
タキシャル成長させ、続いて制御ゲ−ト電極の形成等を
経て、EEPROMを作成する。
【0155】本実施例によるEEPROMでは、浮遊ゲ
−ト電極と制御ゲ−ト電極との間で電荷をやりとりする
動作に対して有効である。また、本実施例では、浮遊ゲ
−ト電極の単結晶化のためのシ−ドをスクライブライン
としたが、本発明ではこれに限らず、素子形成に影響し
ない領域であれば何等問題とはならない。また、コンタ
クト等の素子の要素として用いる領域であっても、チッ
プ面積の拡大につながるなど、極端な不利益を被る場合
を除いて、浮遊ゲ−ト電極とシ−ドとの間の距離が固相
成長により横方向に結晶情報が伝搬しうる距離であれば
問題はない。
【0156】また、本実施例では素子分離領域にシリコ
ン酸化膜906を埋め込む方法を用いたが、埋め込み絶
縁膜の材料はシリコン酸化膜に限られず、シリコン窒化
膜や酸化アルミニウム等、絶縁特性の優れた絶縁膜であ
ればよい。また、素子分離用絶縁膜の埋め込み法につい
ても、CVD法に限らず、溝への埋め込みが可能であれ
ば、本発明の主旨の範囲内で変更が可能であることは言
うまでもない。
【0157】以上説明した実施例では、単結晶絶縁膜と
してSi酸化膜について説明したが、本発明はSi酸化
膜に限らず、スピネル(MgAl2 4 )、酸化セリウ
ム(CeO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO
3 )、酸化アルミニウムAl2 3 )、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2 )、酸化イットリウム(Y2 3 )、イッ
トリウム安定化ジルコニウムYSZ、PrO2 、弗化カ
ルシウム(CaF2 )等、及びこれらの積層膜を用いる
ことが出来る。
【0158】また、単結晶絶縁膜と下地シリコンウエハ
又は下地電極との界面に、シリコン酸化膜を介在させる
ことも可能である。
【0159】なお本発明は、量子効果素子やSOI(S
ilicon−on−insulator)素子等にも
適用可能である。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ゲート
絶縁膜と基板との界面の不整合を最低にしようとするも
のである。また、ゲート絶縁膜の品質の許容範囲をも示
すものである。この界面における不整合を縮小すること
は、伝導現象の妨げになる準位の形成抑止や、信頼性の
向上につながる。本発明は、分子動力学シミュレータに
よって、この構造を予測するものである。このように、
本発明によると、電界による絶縁膜の絶縁破壊及び劣化
を抑制し、信頼性の高い半導体装置を得ることが可能で
ある。
【0161】また、本発明の分子動力学シミュレ−タを
用いたシミュレ−ション方法によれば、MOS型半導体
装置のゲ−ト絶縁膜以外の絶縁膜にも適用することが考
えられる。例えば、STO(ストロンチウム、チタン、
酸素からなる化合物)等の高誘電体薄膜の設計にも有効
である。具体的には、上記STO薄膜は、ペロブスカイ
ト系であるので、Siの結晶系とは本来ならば合致しに
くい。そこで、本シミュレ−ション方法を用いれば、ど
の面とどの面とが適合するかを容易に見出だすことが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるSi/クリストバライトSiO
2 界面の概念図。
【図2】従来例におけるSi/SiO2 界面の概念図。
【図3】本発明に係るMOS素子と従来例のMOS素子
の界面準位分布を示す図。
【図4】本発明者らが、初めて厳密な構造を示すことが
できたクリストバライトの透視図。
【図5】図4のクリストバライトをY軸から見た図。
【図6】クリストバライトに若干の歪を加えた場合の構
造を示す図。
【図7】本発明者らが作成したシミュレータによるクリ
ストバライトの原子間距離分布及び角度分布を示す図。
【図8】本発明者らが作成したシミュレータによる0−
Si−O角度の振動出力の計算結果を示す図。
【図9】大きな圧縮応力を印加した場合のSiO距離分
布とSi−O−Si,0−Si−O角度分布を示す図。
【図10】単結晶SiO2 /Si界面を有する素子作成
の手順を示す断面図。
【図11】本発明に係る新しい分子動力学シミュレ−シ
ョンを示す図。
【図12】本発明に係る新しい分子動力学シミュレ−シ
ョンを示す図。
【図13】SiO4 クラスタの4負価性マ−デルングポ
テンシャルを示す図。
【図14】O−O距離とポテンシャルエネルギ−との関
係を示す図。
【図15】Si−O距離とポテンシャルエネルギ−との
関係を示す図。
【図16】Si−Si距離とポテンシャルエネルギ−と
の関係を示す図。
【図17】Si原子を半径rの球の中心(0,0,0)
に置き、球面上正四面体の頂点の位置に4個の酸素原子
を置いた場合の座標変換図。
【図18】Si原子を半径rの球の中心(0,0,0)
に置き、球面上正四面体の頂点の位置に4個の酸素原子
を置いた場合の座標変換図。
【図19】O−Si−Oの角度分布図。
【図20】Si−Oの距離分布図。
【図21】クオ−ツの原子の配列を示す図。
【図22】クオ−ツの原子の配列を示す図。
【図23】クオ−ツの原子の配列を示す図。
【図24】クオ−ツの原子の配列を示す図。
【図25】クオ−ツの原子の配列を示す図。
【図26】単結晶ゲ−ト酸化膜を具備する本発明のMO
S素子の製造工程を示す断面図。
【図27】単結晶ゲ−ト酸化膜を具備する本発明のMO
S素子を示す断面図。
【図28】単結晶ゲ−ト酸化膜を具備する本発明のMO
S素子の特性を従来のMOS素子の特性と比較して示す
図。
【図29】単結晶ゲ−ト酸化膜を具備する本発明のMO
S素子の特性を従来のMOS素子の特性と比較して示す
図。
【図30】クリストバライトの面の傾斜角及びミスフィ
ット率と、転位密度との間の関係を示すグラフ。
【図31】本発明の他の態様における第1の実施例に係
る、浮遊ゲ−ト型電気的書き込み消去可能なROM(E
PROM)の製造工程を示す断面図。
【図32】本発明の他の態様における第2の実施例に係
るEPROMを示す断面図。
【図33】本発明の他の態様における第3の実施例に係
るEPROMを示す断面図。
【図34】本発明の他の態様における第4の実施例に係
るEEPRPMの断面図。
【図35】本発明の他の態様における第5の実施例に係
るEEPRPMの製造工程を示す断面図。
【図36】本発明の他の態様における第6の実施例に係
るEEPRPMの製造工程を示す断面図。
【図37】本発明の他の態様における第7の実施例に係
るEEPRPMの製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
101,301,401,501,601,701,8
01,901…シリコンウエハ 105,302,705,802,906…フィ−ルド
酸化膜 106,303,402,502,602,702…単
結晶絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間 博顕 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 井上 耕一郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 松下 嘉明 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式 会社東芝堀川町工場内 審査官 河口 雅英 (56)参考文献 特開 平6−69195(JP,A) M.Hane.et.al.,Ato mic and Electronic Structures of an interface between silicon and β−cris tobalite,Physical Review.B.,米国,Ameri can Physical Socie ty,1990年 6月15日,Vol.41, No.18,12637−12640 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 21/336 H01L 21/316

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン単結晶基板と、この単結晶基板
    の表面に形成された単結晶シリコン酸化物からなる絶縁
    膜と、この絶縁膜上に形成された導電膜を具備する半導
    体装置において、前記シリコン単結晶基板と前記絶縁膜
    の結晶方位は、前記単結晶基板及び前記絶縁膜のそれぞ
    れの相対する位置に存在するSi原子のSi−Si間距
    離が±7%以内となるように設定され、前記絶縁膜の酸
    素欠損濃度は0.01%以下であり、前記シリコン単結
    晶基板は(100)の面方位を有し、前記絶縁膜はβク
    リストバライトからなり、このβクリストバライトのP
    1 1 2構造表現の単位構造において、C軸のまわり
    に並ぶ4つのシリコン原子のうち1つおきに取り出した
    2つの各シリコン原子が、Si(100)面上の[11
    0]軸方向に隣接して並ぶ2つのシリコン原子上に配置
    されるとともに、前記βクリストバライトのC軸と前記
    [110]軸方向とを含む平面が、前記(100)面に
    対して垂直となることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記シリコン単結晶基板は(110)の
    面方位を有し、前記絶縁膜は、(1,−1,0,1)の
    面から±6°の面方位を有する単結晶石英であることを
    特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記シリコン単結晶基板は(100)の
    面方位を有し、前記絶縁膜は、(1,−1,0,1)ま
    たは(1,0,−1,0)の面から±6°の面方位を有
    する単結晶石英であることを特徴とする請求項1に記載
    の半導体装置。
  4. 【請求項4】 シリコン単結晶基板と、このシリコン単
    結晶基板の表面に形成された単結晶シリコン酸化物から
    なる絶縁膜と、この絶縁膜上に形成された電極とを具備
    する半導体装置のシミュレ−ション方法において、構成
    原子の数、外圧及び温度が一定の条件で、この系と外界
    とを含むエネルギの収支を制御し、前記絶縁膜中の原子
    の運動量初期分布としてマクスウエル分布にのっとり、
    原子の位置を含む初期値を設定するプログラムと、所定
    の原子数を用いて無限個の原子からの原子間力の総和を
    算出する手段として逆格子空間内での原子間力の積算計
    算を用いるにあたり、フ−リエ変換部分及び位置エネル
    ギ部分を完全に含むエネルギ保存式を過不足なく展開
    し、ゲ−ト絶縁膜の外界とのエネルギのやりとりがある
    系をも計算可能なプログラムとを有する、前記シリコン
    単結晶基板と前記ゲ−ト絶縁膜の結晶方位を設定する分
    子動力学シミュレ−タを用いた半導体装置のシミュレ−
    ション方法。
  5. 【請求項5】 シリコン単結晶基板と、このシリコン単
    結晶基板の表面に形成された単結晶シリコン酸化物から
    なる絶縁膜と、この絶縁膜上に形成された電極とを具備
    する半導体装置のシミュレ−タにおいて、構成原子の
    数、外圧及び温度が一定の条件で、この系と外界とを含
    むエネルギの収支を制御し、前記絶縁膜中の原子の運動
    量初期分布としてマクスウエル分布にのっとり、原子の
    位置を含む初期値を設定する手段と、所定の原子数を用
    いて無限個の原子からの原子間力の総和を算出する手段
    として逆格子空間内での原子間力の積算計算を用いるに
    あたり、フ−リエ変換部分及び位置エネルギ部分を完全
    に含むエネルギ保存式を過不足なく展開し、ゲ−ト絶縁
    膜の外界とのエネルギのやりとりがある系をも計算可能
    な手段とを有する、前記シリコン単結晶基板と前記ゲ−
    ト絶縁膜の結晶方位を設定する分子動力学シミュレ−タ
    を具備する半導体装置のシミュレ−タ。
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