JP4128250B2 - 電源用サーマルプロテクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源用サーマルプロテクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、充電電池などからなる電池パックで各セルと収容ケースとの隙間に配置され、温度上昇時に、電流を遮断する器具として、電源用サーマルプロテクタが利用されている。
【0003】
一般的な電源用サーマルプロテクタは、固定電極と、スナップ機構を有する可動電極と、これらを対面させて支持する樹脂ケースとから構成されている。両電極は互いに絶縁されたリード部を樹脂ケース外に導出され、また、樹脂ケース内では先端の接点部同士が接触している。ただし、可動電極は所定の温度以上になるとスナップ機構によって跳ね上がり、固定電極から離れるようになっている。また、可動電極自体が抵抗素材で形成されており、過電流が流れた場合には自分自身で温度上昇し、固定電極から離れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような電源用サーマルプロテクタは、単三型の充電電池を並べてバッテリーケースの壁面に当接させたときに生じる隙間に挿入されるといった設置場所の制約から、極めて小型でなければならない。従って、固定電極と可動電極の接点部も小型であり、電池パックの電極を短絡させたようなときには可動電極がスナップアクションを実行しようとしても接点部同士が溶着しかねない。
【0005】
本出願人は、特願平・・・・・号にて可動電極にくびれ部を形成しておくことにより、接点部同士が溶着した場合にも可動電極自体が溶断する電源用サーマルプロテクタを提案し、十分な効果を上げているが、このような短絡電流を遮断するまでに要する時間をさらに短くしたいという希望があった。しかしながら、上述したように電源用サーマルプロテクタ自身が既に超小型に形成されており、通常の技術を応用することは殆ど不可能であった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、可動電極が溶着した場合にも備える二重の安全性を有するとともに、溶着時には瞬時に遮断することが可能な電源用サーマルプロテクタの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、端子素材にて略短冊形に形成され、一端を接点部とするとともに他端をリード部とし、かつ、中間に短絡電流によって溶断するヒューズ部を有する固定電極と、
抵抗素材にて略短冊形に形成され、一端を上記固定電極の接点部に接する接点部とするとともに、他端に位置決め部位を有し、かつ所定温度でスナップアクションを実行し、上記接点部同士を離反させるスナップ機構を有するスナップ板と、このスナップ板の他端に載置するリード部となるリード板でなる可動電極と、
上記固定電極と上記可動電極とを対面させつつ上記両リード部側で、絶縁板を介して、互いに絶縁して収容固定する上下側樹脂ケースと、で構成する電源用サーマルプロテクタにおいて、
この下側樹脂ケース内に、上記固定電極、上記絶縁板、及び上記可動電極のスナップ板、リード板を順次積層し、この積層時に、上記下側樹脂ケースに設けたダボに、この固定電極、絶縁板、及びスナップ板、リード板にそれぞれ設けた貫通孔を挿通し、またこの積層時において、上記固定電極のリード部と、上記可動電極のリード板を、上記下側樹脂ケースより突出するとともに、この突出する部分を、上記スナップ板に載置される部分の略半分の幅として、角のある凹みを形成し、この角のある凹みに、上記絶縁板の角の突起が入り込み、また、上記リード板には、凹みを形成し、この凹みに、上記スナップ板に設けた位置決め部位が入り込むことを特徴とした構成としてある。
【0008】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、上下側樹脂ケース(中空樹脂ケースとする)内に、略短冊形に形成された固定電極と可動電極とを対面して収容固定しており、当該中空樹脂ケース外ではそれぞれのリード部側で互いに絶縁しているものの、内部では固定電極の一端を接点部と可動電極の一端の接点部とが互いに接しており、両リード部を電流経路に直列に介在せしめれば当該電流経路は連通する。また、固定電極は端子素材にて形成されているので定格電流では低抵抗となっているし、抵抗素材にて形成されている可動電極についても定格電流の範囲内であれば発熱量は十分に小さく、中間のスナップ機構は作動しない。
【0009】
一方、本電源用サーマルプロテクタが装着される電池パックで定格範囲を越える電流が流れたりする場合、当該電池パック自体が発熱するので、可動電極のスナップ機構が作動して接点部を跳ね上げ動作させ、電流経路を遮断する。この場合、電流が遮断されることによって発熱が停止するので、温度は徐々に低下し、所定温度となればスナップ機構が復帰して再び固定電極と可動電極の接点部は接続する。
【0010】
しかし、電池パックの電極同士が短絡するような場合には、定格範囲前後の電流の比ではない短絡電流が流れる。すると、抵抗素材からなる可動電極は急速に発熱し、これによってスナップ機構が作動し、短絡電流を遮断する。ただし、電池パックの残量などの各種の要因の違いにより、スナップ機構が作動しようとしても接点部同士が溶着してしまう可能性もある。短絡電流は上記可動電極のみならず固定電極にも流れ、本来であれば端子素材であるが故に低抵抗であって電流抵抗を生じていない。しかしながら、短絡電流のように大きな電流が流れる場合にはヒューズ部が瞬時に溶断する。ヒューズ部の溶断は抵抗素材からなる可動電極が発熱して溶断するのとは比較にならないほど短時間である一方、通常の定格範囲の電流では殆ど発熱もしない。これは端子素材で形成されているためである。すなわち、可動電極と同様に固定電極を抵抗素材で形成して溶断させようとした場合には、溶断に要する時間は大きくなるし、同じ時間で溶断させようとすれば定格電流程度でも発熱を開始するようにしておく必要があり、ヒータとなってしまうので非現実的である。なお、短絡電流が流れたような場合、瞬時に遮断することが必要であり、必ずしも可動電極がスナップアクションを実行してから溶断しなければならないわけではない。
【0011】
固定電極は、いわゆる端子素材で形成され、低抵抗となっている。低抵抗の素材としては、銅、鉛、あるいは銅合金である真鍮などがあるが、端子となりうるためにもある程度の強度も必要であり、これらの中では銅合金の真鍮などが好適である。むろん、これら以外にも強度や抵抗値に基づいて端子金具として好適な素材であれば適用可能である。ただし、両端の接点部とリード部との間にヒューズ部が形成される必要があり、溶断温度は比較的低めである方が好ましい。
【0012】
この場合のヒューズ部は、短絡電流によって溶断するような設計が必要であり、ヒューズとして通常時は低抵抗であり、所定条件において瞬時に溶断する必要がある。ヒューズ部としてはさまざまな形状が可能であるものの、その好適な一例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の電源用サーマルプロテクタにおいて、上記固定電極のヒューズ部は、上記端子素材を細幅としつつ長く形成した構成としてある。
【0013】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、端子素材を細幅とすることによって電流経路の断面積を小さくするとともに長く形成することにより、通常時は低抵抗でありながらも短絡電流によっては熱伝導で熱が拡散することなく瞬時に溶断して短絡電流を遮断する。
【0014】
ところで、可動電極は上記固定電極に対応して略短冊形に形成され、中間にスナップ機構を備えることにより、所定温度でスナップアクションを実行して接点部同士を離反させるようなものであれば良い。スナップ機構としては既知の各種のものを採用可能であるし、特にその形状などは限定されるものではない。また、過電流によって発熱するように抵抗素材で構成されるものの、必ずしも全体が抵抗素材で形成される必要はなく、スナップ機構の部分だけが抵抗素材で形成され、接点部やリード部を低抵抗の端子素材などで形成しても構わない。特に、可動電極と固定電極の接点部はオン・オフの繰り返しに耐えることができるような合金などで形成することも可能である。
【0015】
樹脂ケースについては、基本的に固定電極と可動電極とを対面させつつリード部側で互いに絶縁して収容固定できればよく、各種の形状を採用することができる。特に、対埃性が許す範囲で開口部を有するものであってもよいし、その素材についても各種の樹脂素材を採用可能である。従って、ここにいう樹脂は広義に解釈すれば良く、所定形状に形成されて両電極を支持可能なものであれば、各種の素材を広く適用可能である。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、電池パックなどの電源が短絡して過大な短絡電流が流れ、可動電極と固定電極の接点部が溶着したような場合に、固定電極自身のヒューズ部が溶断して電流を遮断することができるため、瞬時に電流を遮断できるし、固定電極は端子素材から形成されているので通常時の余分な発熱も生じないようにすることが可能な電源用サーマルプロテクタを提供することができる。また固定電極、絶縁板、スナップ板、及び可動電極と順次、積層し、この積層時に、下側樹脂ケースに設けたダボに、固定電極、スナップ板、及び可動電極を構成するリード板にそれぞれ設けた貫通孔を挿通し、また積層時において、スナップ板の直上に位置するリード板に、スナップ板に設けた位置決め部位が、入り込むための凹み形成し、こみのスナップ板とリード板を位置合わせでき、かつリード板は、下側樹脂ケースの外部に突出する部分を、約半分の幅とし、絶縁板の突起の凹みに位置合わせされ、リード板と絶縁板を位置合わせできる電源用サーマルプロテクタを提供することができる。
【0017】
また、請求項2にかかる発明によれば、端子素材を細幅としつつ長くして形成されているので、溶断に要する時間が短くなるとともに、熱量も少なくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる電源用サーマルプロテクタを電池パックに使用する状態を模式図により示している。
【0019】
この電源用サーマルプロテクタ10は、矩形箱形の電池パック100に使用される極めて小型のものである。
【0020】
図2は本電源用サーマルプロテクタ10を分解斜視図により示しており、図3は断面図により示しており、図4は一部破断平面図により示しており、図5は固定電極を平面図により示している。
【0021】
図に示すように、この電源用サーマルプロテクタ10は、上面を開口した略樋型の下側樹脂ケース21と平板型の上側樹脂ケース22とからなる樹脂ケース20と、固定電極30と、絶縁板40と、可動電極50とから構成されている。本実施形態においては、組み立てやすくするため、下側樹脂ケース21の内底面に円柱状のダボ21aを形成してあり、固定電極30などを順次上方から装着していくことにより、正確に位置決めして組み付けていくことができるようになっている。
【0022】
下側樹脂ケース21の内底面には、中央部分に長手方向に長い凹み21bを形成してある。この凹み21bは後述する固定電極30のヒューズ部31に対面するものであり、同ヒューズ部31と非接触となるように形成してある。本実施形態においては、長手方向に長くすることにより、ヒューズ部31と非接触となる領域が長くなるようにしているが、ヒューズ部31の溶断部位に合わせて領域を変化させても良い。内底面にはこの凹み21bの他にも固定電極30の接点金具32aに対応して凹み21cを形成してあるが、これらは一連として形成することも可能である。
【0023】
固定電極30は中央部分に上述したヒューズ部31を有しており、一端は上記接点金具32aを備える接点部32となっているとともに、他端は約半分の幅となって外部に突出するリード部33となっている。なお、リード部33には上述したダボ21aを挿通して位置決めするための貫通孔33aを形成してある。固定電極30自体は、後述するような端子素材で形成されており、低抵抗となっている。しかしながら、接点部32とリード部33との間に介在されるヒューズ部31において細幅で長く形成されており、その素材と形状によっていわゆるヒューズ性能を備えている。
【0024】
図6は、このヒューズ部31の幅に対応するヒューズ性能を表すグラフ図であり、ヒューズ幅を変化させたときの遮断に要する時間を実線で示している。ここで固定電極30の素材は0.3mm板厚の黄銅であり、ヒューズ長12.6mmで固定しつつヒューズ幅を変化させてグラフ化している。12V1100mAhの電池パックを想定した遮断時間を0.4秒以内とするには最大幅0.5mmとなった。グラフからも明らかなようにヒューズ幅が細いほど遮断時間が短くなるが、これにともなって耐久性能が低下する。
【0025】
同図において一点鎖線は作動耐久性能の試験結果を示しており、安定化電源12V120Aのオン・オフ耐久回数とヒューズ幅の関係を示している。500回を最低充足回数とすると、最低幅は0.41mmであることが分かる。
【0026】
さらに、板厚変動や体積抗率の変動などがあるため、安全率として片側0.04mmを見込み、0.48±0.03mmに決定した。むろん、これらの具体的数値は要求される遮断性能に基づき上述したようにして適宜決定すればよい。
【0027】
ヒューズ部31におけるヒューズ性能は同じ素材であっても板厚とヒューズ幅だけでは決定できない。これはジュール熱の熱拡散の影響を無視できないからであり、図7に示すようにヒューズ部31の長さが短い場合には溶断部分での熱伝導が少なくなり、溶断に要する時間が安定する。
【0028】
このために図5に示すようにヒューズ部31が細幅で長くなるように接点部32とリード部33との間で二度にわたって方向を変えることにより、固定電極30自体の長さを一定としつつヒューズ部31の長さをできる限り長くしている。
【0029】
本実施形態においては、接点金具32aを装着するためのスペースや上述したダボ21aを挿通させるためのスペースが必要であるため、ヒューズ部31を図5に示す形状としているが、必ずしもこれに限られるものではない。図8は形状をシンプルにしつつ全長を稼ぐ例を示している。一方、図9は接点金具などに要するスペースを確保しながら屈曲部位の影響を少なくするために曲率を大きくした例を示しており、図10は屈曲部位は生じるもののヒューズ部31を長くした例を示している。さらに、図11は全長を稼ぐうえで最も効率的な渦巻き型の例を示している。これらは固定電極30としての剛性の確保の観点などから適宜最適なものを選べばよい。
【0030】
図5に示す形状の場合、接点部32とリード部33とを結ぶ方向に対して平行な部位が三ヶ所あり、幅方向に往復する場合に比べて屈曲部位が少なくなるとともに直線部分を長くできる。屈曲部位というのは断面積が大きくなりがちであってヒューズ性能を発揮しにくいので、このように直線部分が長くなる方が安定したヒューズ性能を得られる。
【0031】
一方、理論上、ヒューズ部31で最も溶断しやすいのは熱伝導で熱が逃げにくい中央部分となるが、各種の要因によって多少は前後する。しかしながら、図5に示す形状の場合は、三つの直線部分のうちの中央の直線部分で溶断するのは確かであり、さらに、この長手方向にそって下側樹脂ケース21の内底面に凹み21bを形成してあるので、確実に溶断部位が下側樹脂ケース21と非接触となるようにすることができる。これに対してヒューズ部31が幅方向に往復する場合には溶断位置が中央からずれた場合に、全幅の範囲で溶断位置が変化することがあるし、その場合には屈曲部位も含んでしまうので好適ではない。なお、できるだけ中央部分で溶断しやすくなるよう、ヒューズ部31の中でも中央部分が僅かに細幅となるようにしている。
【0032】
このような固定電極30は図12の表図に示すような端子素材で形成してあり、低抵抗となっている。同表図には銅、黄銅、鉛の例を示しているが、必ずしも低抵抗であれば良いというわけではなく、端子金具としての剛性を備えていなければ組付性や生産性が悪化するため、これらを考慮した上で決定すればよい。なお、同表図には黄銅の組成比として銅60%亜鉛40%〜銅90%亜鉛10%の範囲を示しているが、断面積として表示したのは銅70%亜鉛30%のものである。
【0033】
このような端子素材であれば過電流といった程度では発熱することはなく、短絡電流のような非常に大きな電流の場合に瞬時に溶断するといった性質を備えている。これに対して後述する可動電極50のように抵抗素材で形成する場合には通常時において発熱し、且つ、溶断させるには時間がかかるので好ましくない。
【0034】
固定電極30を下側樹脂ケース21内に収容したら、ダボ21aに対して位置合わせして絶縁板40を載置させ、その上から可動電極50を構成するスナップ板51とリード板52を載置する。スナップ板51はトリメタル材で形成され、中央部分に球面の凸部51aを形成することによって所定温度となったときに上方に跳ね上がる。また、先端側には固定電極30の側の接点金具32aと同様の接点金具51bを備えてあり、オン・オフの繰り返しに耐えられるようになっている。なお、スナップ板51の先端が接点部を構成し、リード板52がリード部を構成している。
【0035】
可動電極50としてはこのスナップ板51を延長してリード部とすることも可能であるものの、本実施形態においては、端子としての剛性を確保するために端子素材からなるリード板52を載置している。両者は積層されて接触することにより導通しており、一つの可動電極50を構成する。すなわち、可動電極50としては接点部とリード部との間にスナップ機構を備えてスナップアクションが可能であり、固定電極30と離反することができるようになっていれば良く、二部材であっても一部材であっても構わない。
【0036】
スナップ板51には上記ダボ21aに挿通するための貫通孔51cを形成するとともに、角部を上方に屈曲して位置決め部位51dを形成してあり、また、リード板52には同位置決め部位51dが入り込むための凹み52aを形成するとともに、上記ダボ21aに挿通するための貫通孔52bを形成してある。従って、スナップ板51とリード板52とは積層時に位置合わせされることになる。また、上記絶縁板40の上面にはスナップ板51と干渉しない位置に突起41を形成してあり、リード板52は下側樹脂ケース21の外部に突出する部分が約半分の幅となっているので角のある凹みが形成されている。従って、絶縁板40の突起41がこの凹みに位置合わせされ、両者を位置合わせすることができるようになっている。なお、リード板52における細幅となった部分は固定電極30とは反対の側となっており、両者が重なり合わないようにしてある。
【0037】
リード板52を載置した状態で上方から押圧しつつダボ21aの上面側を溶融させることにより、各積層板が所定の圧力で押さえつけられつつ固定される。固定電極30においては接点部32の先端の角部で下側樹脂ケース21と位置合わせされるし、絶縁板40は幅方向の端部で当該下側樹脂ケース21の内壁面と接触して位置合わせされるため、積層する作業においてそれぞれが位置合わせされて組み付けられることになる。
【0038】
最後に、上側樹脂ケース22を載置して下側樹脂ケース21に超音波溶着させるとともに、下側樹脂ケース21におけるリードの突出部分の開口をモールドし、組付が完了するようになっている。なお、下側樹脂ケース21と上側樹脂ケース22にも位置合わせ用の凹凸を形成してあり、溶着作業性を向上させている。
【0039】
図13は上記構成からなる本実施形態にかかる電源用サーマルプロテクタの性能をグラフ図により示している。図において実線が本電源用サーマルプロテクタ10の性能を示しており、一点鎖線が従来の電源用サーマルプロテクタの性能を示している。電池パック100の短絡時に流れる65Aの短絡電流に対して0.2秒以下という極めて短時間に遮断することは言うに及ばず、それ以下の50Aにおいても0.3秒で遮断している。短絡電流が50Aの場合、従来のものは遮断に0.6秒を要しており、0.5秒を越えると全体の発熱量が大きくなって樹脂ケース20を熱変形させるといった弊害が生じてくる。従って、本電源用サーマルプロテクタ10においては本来の短絡電流に対して十分な性能を発揮するのみならず、それよりも小さな短絡電流に対してもケースを熱変形させることなく瞬時に遮断させることが可能となっている。
【0040】
このように、中空状の樹脂ケース20の内側に、略短冊形の固定電極30と可動電極50とを対面して支持しつつ、端子素材からなる固定電極30における接点部32とリード部33との間に細幅で長く形成したヒューズ部31を形成することにより、通常時には可動電極50がスナップアクションによって電流経路を遮断させるとともに、短絡電流が流れるような場合には可動電極50のスナップアクションの有無に関わらず同ヒューズ部31が瞬時に溶断して電流を遮断する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電源用サーマルプロテクタを電池パックに装着した状態を示す模式図である。
【図2】電源用サーマルプロテクタの分解斜視図である。
【図3】電源用サーマルプロテクタの断面図である。
【図4】電源用サーマルプロテクタの一部破断平面図である。
【図5】固定電極の平面図である。
【図6】ヒューズ幅とヒューズ性能を示すグラフ図である。
【図7】ヒューズ長と熱伝導の関係を示す図である。
【図8】固定電極の平面図である。
【図9】固定電極の平面図である。
【図10】固定電極の平面図である。
【図11】固定電極の平面図である。
【図12】端子素材の一例を示す表図である。
【図13】本電源用サーマルプロテクタのヒューズ性能を示すグラフ図である。
【符号の説明】
10…電源用サーマルプロテクタ
20…樹脂ケース
21…下側樹脂ケース
21b…凹み
22…上側樹脂ケース
30…固定電極
31…ヒューズ部
32…接点部
33…リード部
40…絶縁板
50…可動電極
51…スナップ板
52…リード板
Claims (2)
- 端子素材にて略短冊形に形成され、一端を接点部とするとともに他端をリード部とし、かつ、中間に短絡電流によって溶断するヒューズ部を有する固定電極と、
抵抗素材にて略短冊形に形成され、一端を上記固定電極の接点部に接する接点部とするとともに、他端に位置決め部位を有し、かつ所定温度でスナップアクションを実行し、上記接点部同士を離反させるスナップ機構を有するスナップ板と、このスナップ板の他端に載置するリード部となるリード板でなる可動電極と、
上記固定電極と上記可動電極とを対面させつつ上記両リード部側で、絶縁板を介して、互いに絶縁して収容固定する上下側樹脂ケースと、で構成する電源用サーマルプロテクタにおいて、
この下側樹脂ケース内に、上記固定電極、上記絶縁板、及び上記可動電極のスナップ板、リード板を順次積層し、この積層時に、上記下側樹脂ケースに設けたダボに、この固定電極、絶縁板、及びスナップ板、リード板にそれぞれ設けた貫通孔を挿通し、またこの積層時において、上記固定電極のリード部と、上記可動電極のリード板を、上記下側樹脂ケースより突出するとともに、この突出する部分を、上記スナップ板に載置される部分の略半分の幅として、角のある凹みを形成し、この角のある凹みに、上記絶縁板の角の突起が入り込み、また、上記リード板には、凹みを形成し、この凹みに、上記スナップ板に設けた位置決め部位が入り込むことを特徴とした電源用サーマルプロテクタ。 - 上記請求項1に記載の電源用サーマルプロテクタにおいて、上記固定電極のヒューズ部は、上記端子素材を細幅としつつ長く形成されていることを特徴とする電源用サーマルプロテクタ。
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