JP2004311352A - サーマルプロテクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】保護装置としての信頼性や使用形態の汎用性が高いサーマルプロテクタを提供すること。
【解決手段】合成樹脂製のハウジング3から第1ないし第4の端子4b,5b,6b,7bを導出すると共に、ハウジング3の内部にトリメタル片8を変位可能(揺動可能)に配設し、このトリメタル片8の固定端を第1の端子4bに導通させる。また、トリメタル片8の固定端側に形成した狭小部10の先端を第2の端子5bに導通させることにより、第1の端子4bと第2の端子5bとの間に電流ヒューズを形成する。そして、トリメタル片8の自由端側に設けた可動接点部材9を第3の端子6bに設けた第1の固定接点6aと第4の端子7bに設けた第2の固定接点7aとの間に位置させ、トリメタル片8が所定温度で反転することにより、可動接点部材9と第1および第2の固定接点6a,7aとの導通状態が切り替わるように構成した。
【選択図】 図9
【解決手段】合成樹脂製のハウジング3から第1ないし第4の端子4b,5b,6b,7bを導出すると共に、ハウジング3の内部にトリメタル片8を変位可能(揺動可能)に配設し、このトリメタル片8の固定端を第1の端子4bに導通させる。また、トリメタル片8の固定端側に形成した狭小部10の先端を第2の端子5bに導通させることにより、第1の端子4bと第2の端子5bとの間に電流ヒューズを形成する。そして、トリメタル片8の自由端側に設けた可動接点部材9を第3の端子6bに設けた第1の固定接点6aと第4の端子7bに設けた第2の固定接点7aとの間に位置させ、トリメタル片8が所定温度で反転することにより、可動接点部材9と第1および第2の固定接点6a,7aとの導通状態が切り替わるように構成した。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリ装置の二次電池等の異常発熱を検知して給電を遮断するサーマルプロテクタに係り、特に、熱応動スイッチと電流ヒューズを備えたサーマルプロテクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池は放電状態の電池を充電することによって繰り返し使用できる電池であり、このような二次電池を直列または並列に接続した電池群を備えたバッテリ装置は、ノート型パソコンやビデオカメラ等の携帯機器の電源として広く用いられている。
【0003】
従来より、この種のバッテリ装置において、直列接続された複数の二次電池にノーマルクローズ型の熱応動スイッチを直列に接続することにより、二次電池が異常発熱した時にこの熱応動スイッチをオフ動作させて給電を停止するようにしたサーマルプロテクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、熱応動スイッチは、熱膨張係数の異なる金属板を複数枚接合してなるバイメタル片等の熱応動素子を備え、このバイメタル片を片持ち梁状にハウジングに取り付けると共に、バイメタル片の自由端部に固設された可動接点をハウジングに固設された固定接点と接離可能に対向させたものである。
【0004】
上記特許文献1に開示されたバッテリ装置では、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチが直列接続された一対の二次電池間に介設されており、各二次電池が正常に機能して所定温度以下のとき、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチはバイメタル片によって可動接点が固定接点に押し付けられことによりスイッチオン状態に保たれているので、この熱応動スイッチを介して各二次電池から携帯機器等へ給電することができる。また、いずれかの二次電池が劣化等の要因で異常発熱して所定温度を超えると、バイメタル片が反転して可動接点が固定接点から離れ、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチがスイッチオフ状態に切り替わるため、各二次電池から給電が遮断されて携帯機器等を保護することができる。
【0005】
また、他の従来例として、熱応動スイッチの内部に電流ヒューズを直列接続したサーマルプロテクタが知られている(例えば、特許文献2参照)。このサーマルプロテクタは、熱応動スイッチの固定側端子部材の一部に幅狭な狭小部を形成し、可動接点と固定接点が溶着した場合に、固定側端子部材を流れる電流によって狭小部を溶断するようにしたものであり、狭小部を電流ヒューズとして機能させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2636615号公報(第2−3頁、図2−図4)
【0007】
【特許文献2】
特開平11−120853号公報(第4−5頁、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術のうち、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチを電池群に直列接続した前者のサーマルプロテクタにあっては、許容電流以上の大電流により熱応動スイッチの接点間の切り替えが行われる等の不所望な事態に起因して、熱応動スイッチの接点同士が溶着してしまう虞があった。そして、このような不具合が起きた場合には、異常発熱時に給電を遮断するというサーマルプロテクタの本来の機能が発揮されないという問題が発生する。
【0009】
これに対し、熱応動スイッチの内部に電流ヒューズを直列接続した後者のサーマルプロテクタでは、接点同士が溶着した場合でも電流ヒューズを溶断することができるため、熱応動スイッチの接点切り替え動作と電流ヒューズの溶断動作という二重の安全性を有し、保護装置としての信頼性を高めることができる。しかしながら、熱応動スイッチを流れる電流回路に電流ヒューズが直列接続されたサーマルプロテクタであるため、熱応動スイッチと電流ヒューズを並列接続する保護回路に適用することはできず、使用形態の汎用性が低いという問題があった。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、保護装置としての信頼性や使用形態の汎用性が高いサーマルプロテクタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明のサーマルプロテクタでは、ハウジングと、このハウジングから導出する第1、第2、第3の端子と、前記第1の端子から前記第2の端子までの導通経路内に形成された電流ヒューズと、前記ハウジングの内部に一端側を固定端として変位可能に配設された熱応動素子と、この熱応動素子の自由端側に設けられた可動接点と、この可動接点と対向するように前記第3の端子に設けられた固定接点とを備え、前記熱応動素子の固定端側を前記第1の端子に電気的に接続し、この熱応動素子が所定温度で反転することにより、前記可動接点と前記固定接点との導通状態が切り替わるように構成した。
【0012】
このように構成されたサーマルプロテクタにあっては、可動接点と固定接点が溶着した場合でも、第1の端子から第2の端子までの間に形成した電流ヒューズを溶断することができるため、保護装置としての信頼性を大幅に高めることができ、しかも、電流ヒューズを有する第1および第2の端子のいずれか一方の端子と固定接点を有する第3の端子とを保護回路として使用した場合は、熱応動スイッチと電流ヒューズが直列接続された形態となり、第1ないし第3の端子の全てを保護回路に用いた場合は、熱応動スイッチと電流ヒューズが並列接続された形態とすることができるため、使用形態の汎用性を高めて使い勝手が向上する。
【0013】
上記の構成において、ハウジングから導出する第4の端子を備えると共に、この第4の端子に熱応動素子の可動接点を介して第3の端子の固定接点と対向する別の固定接点を設け、熱応動素子が所定温度で反転することにより、可動接点が第3および第4の端子に設けられた固定接点のいずれか一方から離反していずれか他方に接触するように構成すると、第3の端子と第4の端子を保護回路に選択的に用いることで熱応動スイッチがノーマルクローズ型にもノーマルオープン型にもなり、使用形態の汎用性をより一層高めることができる。
【0014】
また、上記の構成において、電流ヒューズは第1の端子や第2の端子に形成することも可能であるが、熱応動素子の固定端側から延出するリード片に幅狭な狭小部を形成して電流ヒューズとなし、このリード片の前記狭小部よりも先端側を第2の端子に固定することが好ましい。すなわち、熱応動素子は熱膨張係数の異なる金属板を複数枚接合してなるバイメタル片やトリメタル片であるが、第1および第2の端子よりも板厚が薄く比抵抗の高い材料であるため、このような熱応動素子に狭小部を形成して電流ヒューズとなすと、電流ヒューズの溶断電流値を規定する狭小部の寸法を簡単かつ高精度に設定することができる。その際、第1の端子にハウジングの内底面から突出する座部を設け、この座部に熱応動素子の固定端側を固定することにより、ハウジングの内底面に露出する第2の端子と狭小部とが所定間隔を存して対向するように構成すると、電流ヒューズ(狭小部)の溶断時に熱応動素子と第2の端子との間を確実に遮断できて好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係るサーマルプロテクタを一方向から見た斜視図、図2は該サーマルプロテクタを別方向から見た斜視図、図3は該サーマルプロテクタに備えられる熱応動スイッチのノーマル状態を示す断面図、図4は該熱応動スイッチのトリメタル片が反転した状態を示す断面図、図5は該トリメタル片の斜視図、図6は該サーマルプロテクタに備えられる上ケースの底面図、図7は該サーマルプロテクタに備えられる下ケースの平面図、図8は該下ケースにトリメタル片を組み込んだ状態を示す平面図、図9は該熱応動スイッチと電流ヒューズの接続状態を示す説明図である。
【0016】
これらの図に示すように、本実施形態例に係るサーマルプロテクタTは、合成樹脂からなる絶縁性の下ケース1と合成樹脂からなる絶縁性の上ケース2を組み合わせてなる平面視矩形状のハウジング3と、下ケース1の成形時に一体化された良導電性の金属板4,5,6と、上ケース2の成形時に一体化された良導電性の金属板7と、導電性の熱応動素子であるトリメタル片8と、このトリメタル片8の自由端部にかしめ固定された良導電性の可動接点部材9とによって概略構成されており、トリメタル片8には電流ヒューズとして機能する狭小部10が形成されている。
【0017】
図7に示すように、金属板4は、下ケース1の内底面に露出する平坦部4aと、下ケース1の外方へ突出する第1の端子4bとを有しており、平坦部4aには段付き状の座部4cが形成されている。金属板5は、下ケース1の内底面に露出する平坦部5aと、下ケース1の外方へ突出する第2の端子5bとを有しており、第2の端子5bには段付き状の座部5cが形成されている。これら座部4c,5cは下ケース1の内底面に露出する平坦部4a,5aから上方へ突出しており、両座部4c,5cの上面は同一平面内に位置している。金属板6は、下ケース1の内底面に露出する第1の固定接点6aと、下ケース1の外方へ突出する第3の端子6bとを有している。また、図6に示すように、金属板7は、上ケース2の天井面に露出する第2の固定接点7aと、上ケース2の外方へ突出する第4の端子7bとを有する。金属板4〜7は例えばリン青銅や黄銅等からなり、下ケース1と上ケース2にそれぞれインサート成形により一体化されている。
【0018】
その際、第1の端子4bと第3の端子6bとは下ケース1から互いに逆向きに導出されており、第2の端子5bはこれら第1および第3の端子4b,6bの導出方向に対して直交する方向に下ケース1から導出されている。これにより、3つの端子4b,5b,6bが下ケース1から全て異なる向きに導出されることになり、各金属板4〜6をインサート成形により下ケース1と一体化する場合、同じフープ材からなる金属材料を用いて3つの端子4b,5b,6bを加工することができ、生産性に優れたものとなっている。また、図1と図2に示すように、下ケース1と上ケース2を接合・一体化してハウジング3を構成した状態において、第4の端子7bは第2の端子5bの導出方向とは逆向きに上ケース2から導出されており、この第4の端子7bにはクランク状の曲げ加工が施されている。これにより、4つの端子4b,5b,6b,7bがハウジング3から全て異なる向きに導出されることになり、かつ、各端子4b,5b,6b,7bの下面が全て同一平面上に位置することになり、表面実装対応のサーマルプロテクタTとなっている。
【0019】
トリメタル片8は良導電性の中間層を熱膨張係数の異なる2枚の金属板で挟んで積層接合したものであり、このような三層構造のトリメタル片8の代わりに、中間層を省略した二層構造のバイメタル片を熱応動素子として用いても良い。本実施形態例の場合、中間層としての銅板を銅・ニッケル・マンガン合金板とニッケル・鉄合金板で挟んで積層接合したトリメタル片8が使用されている。図5に示すように、トリメタル片8の中央部には反転動作を確実に行わせるためのドーム状の反転部8aが形成されており、この反転部8aを挟んでトリメタル片8の長手方向に沿う両端部が自由端と固定端になっている。トリメタル片8の自由端側には取付孔8bが穿設されており、この取付孔8bには銅・ニッケル合金や銀酸化錫等からなる可動接点部材9がかしめ固定されるようになっている。また、トリメタル片8の固定端側は接続部8cとなっており、この接続部8cから側方に向かってリード片8dが突出形成され、このリード片8dの途中に電流ヒューズとして機能する幅狭な狭小部10が形成されている。その際、トリメタル片8(バイメタル片を含む)等の熱応動素子には端子材料よりも比抵抗の高い材料が用いられており、その板厚も各金属板4〜7に比べて薄いものが用いられているため、電流ヒューズの溶断電流値を規定する狭小部10の寸法を簡単かつ高精度に設定することができる。
【0020】
図8に示すように、このトリメタル片8は下ケース1の内底面に載置された状態で、その固定端の接続部8cが金属板4の座部4cにスポット溶接等を用いて固定されると共に、下ケース1の外部に突出するリード片8dの先端部(狭小部10よりも先端側)が金属板5の座部5cにスポット溶接等を用いて固定される。その際、下ケース1の内部で狭小部10は金属板5の平坦部5aと対向することになるが、前述したように、トリメタル片8の接続部8cとリード片8dが固定される座部4c,5cは平坦部4a,5aから上方へ突出しているため、これら狭小部10と平坦部5aとの間に両者を離間するのに十分なクリアランスが確保されている。このようにして、トリメタル片8はその固定端を支点としてハウジング3(下ケース1と上ケース2)の内部に変位可能(揺動可能)に支持され、その自由端側に取り付けられた可動接点部材9が第1の固定接点6aと第2の固定接点7aとの間を移動可能となっている。
【0021】
すなわち、図9に示す等価回路から明らかなように、本実施形態例に係るサーマルプロテクタTでは、第1の端子4bと第2の端子5bとの間に狭小部10(電流ヒューズ)が形成されると共に、これら第1の端子4bと狭小部10との間にトリメタル片8(熱応動素子)の固定端が接続され、このトリメタル片8の自由端が第1の固定接点6aと第2の固定接点7aに対して接離可能となっている。したがって、第2の端子5bと第3の端子6bとの間について見ると、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチと電流ヒューズが直列接続された形態になり、第1の端子4bと第2の端子5bおよび第3の端子6bとの間について見ると、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチと電流ヒューズが並列接続された形態になる。また、第3の端子6bの代わりに第4の端子7bを用いた場合はノーマルオープン型の熱応動スイッチとして動作するため、ノーマルオープン型の熱応動スイッチと電流ヒューズが直列または並列接続された形態も可能となり、合計で4種類の使用形態を採用することができる。
【0022】
なお、上記実施形態例では、熱応動素子(トリメタル片8)に電流ヒューズ(狭小部10)を一体形成した場合について説明したが、電流ヒューズは熱応動素子が接続される第1の端子から第2の端子に至る導通経路内であればどこに形成しても良く、例えば、第1の端子と熱応動素子の固定端との間や第2の端子自体に形成することも可能である。また、第1の端子と第2の端子とを同一の金属板にて一体に形成し、第1の端子に相当する部分に熱応動素子の固定端を取り付け、第2の端子に相当する部分に狭小部を設けて、この狭小部を電流ヒューズとしても良い。
【0023】
次に、上記サーマルプロテクタTのバッテリ装置への適用例を図10と図11を参照して説明する。
【0024】
図10に示すバッテリ装置は、複数の二次電池11を直列接続した電池群12と、この電池群12に直列に接続された電流ヒューズ13とノーマルクローズ型熱応動スイッチ14とを備えており、上述したサーマルプロテクタTはノーマルクローズ型の熱応動スイッチと電流ヒューズが直列接続された形態で使用されている。この場合、電池群12の正極側に第2の端子5bが接続されると共に、バッテリ装置の外部端子側に第3の端子6bが接続されており、残りの第1の端子4bと第4の端子7bは回路構成に関与しないダミー端子となっている。
【0025】
このように構成されたバッテリ装置において、サーマルプロテクタTのトリメタル片8が所定温度以下のノーマル状態(通常の使用状態)では、図3に示すように、可動接点部材9が第1の固定接点6aに当接しているため、第2の端子5bと第3の端子6bとの間がトリメタル片8を介して導通されている。すなわち、図10において、電池群12の各二次電池11に何ら異常がない場合、ノーマルクローズ型熱応動スイッチ14は閉路されているため、電池群12の各二次電池11から外部端子に接続された図示せぬ携帯機器などの外部機器に電流ヒューズ13とノーマルクローズ型熱応動スイッチ14を介して給電することができる。
【0026】
しかるに、いずれかの二次電池11に異常が発生し、バッテリパックの温度がノーマルクローズ型熱応動スイッチ14の動作温度(例えば80℃)まで上昇すると、図4に示すように、サーマルプロテクタTのトリメタル片8が反転し、可動接点部材9が第1の固定接点6aから離れて第2の固定接点7aに当接する。つまり、第2の端子5bと第3の端子6bとが非導通状態となるので、図10において、電池群12とバッテリ装置の外部端子との間がオフ動作したノーマルクローズ型熱応動スイッチ14によって開路され、各二次電池11からの給電が停止される。また、サーマルプロテクタTの可動接点部材9が第1の固定接点6aに溶着してしまい、ノーマルクローズ型熱応動スイッチ14が正常にオフ動作しない事態が発生した場合でも、サーマルプロテクタTの第2の端子5bと第3の端子6b間を流れる過電流によって狭小部10(電流ヒューズ)が溶断する。したがって、図10において、電池群12とバッテリ装置の外部端子との間が溶断した電流ヒューズ13によって開路され、各二次電池11から外部機器への給電を確実に停止することができる。なお、前述したように、狭小部10と平坦部5aとの間に両者を離間するのに十分なクリアランスが確保されているため、狭小部10の溶断時にリード片8dと平坦部5aが導通してしまうことを防止でき、第2の端子5bと第3の端子6bとの間を確実に遮断することができる。
【0027】
図11に示すバッテリ装置は、並列接続された2個の二次電池15を直列に複数組接続した電池群16と、この電池群16に直列に接続された電流ヒューズ17と、これら電池群16と電流ヒューズ17との直列回路に並列に接続されたノーマルオープン型熱応動スイッチ18とを備えており、上述したサーマルプロテクタTはノーマルオープン型の熱応動スイッチと電流ヒューズが並列接続された形態で使用されている。この場合、電池群16の正極側に第2の端子5bが接続され、電池群16の負極側に第4の端子7bが接続され、バッテリ装置の外部端子側に第1の端子4bが接続されており、残りの第3の端子6bは回路構成に関与しないダミー端子となっている。
【0028】
このように構成されたバッテリ装置において、サーマルプロテクタTのトリメタル片8が所定温度以下のノーマル状態(通常の使用状態)では、図3に示すように、可動接点部材9が第1の固定接点6aに当接して第2の固定接点7aから離反しているため、第1の端子4bと第4の端子7bとの間は非導通状態となっている。すなわち、図11において、電池群16の各二次電池15に何ら異常が見られずに使用されている場合、ノーマルオープン型熱応動スイッチ18は開路されているため、電池群16に直列に接続された電流ヒューズ17には規定値よりも十分に小さい電流が流れ、電流ヒューズ17は溶断することはない。
【0029】
しかるに、いずれかの二次電池15に異常が発生し、バッテリパックの温度がノーマルオープン型熱応動スイッチ18の動作温度まで上昇すると、図4に示すように、サーマルプロテクタTのトリメタル片8が反転し、可動接点部材9が第1の固定接点6aから離れて第2の固定接点7aに当接する。すなわち、第1の端子4bと第4の端子7bとの間がトリメタル片8を介して導通された状態となると共に、第2の端子5bと第4の端子7bとの間がトリメタル片8および狭小部10を介して導通された状態になるので、図11において、電池群16と電流ヒューズ17およびオン動作したノーマルオープン型熱応動スイッチ18とで閉回路が形成される。その結果、この閉回路を流れる電池群16からの短絡電流Iによって電流ヒューズ17(サーマルプロテクタTの狭小部10)が溶断するため、各二次電池15から携帯機器等の外部機器への給電を確実に停止することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】
可動接点と固定接点が溶着した場合でも、第1の端子から第2の端子までの間に形成した電流ヒューズを溶断することができるため、保護装置としての信頼性を大幅に高めることができ、しかも、電流ヒューズを有する第1および第2の端子のいずれか一方の端子と固定接点を有する第3の端子とを保護回路に使用した場合は、熱応動スイッチと電流ヒューズが直列接続された形態となり、第1ないし第3の端子の全てを保護回路に用いた場合は、熱応動スイッチと電流ヒューズが並列接続された形態とすることができるため、使用形態の汎用性を高めて使い勝手の良いサーマルプロテクタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係るサーマルプロテクタを一方向から見た斜視図である。
【図2】該サーマルプロテクタを別方向から見た斜視図である。
【図3】該サーマルプロテクタに備えられる熱応動スイッチのノーマル状態を示す断面図である。
【図4】該熱応動スイッチのトリメタル片が反転した状態を示す断面図である。
【図5】該トリメタル片の斜視図である。
【図6】該サーマルプロテクタに備えられる上ケースの底面図である。
【図7】該サーマルプロテクタに備えられる下ケースの平面図である。
【図8】該下ケースにトリメタル片を組み込んだ状態を示す平面図である。
【図9】該熱応動スイッチと電流ヒューズの接続状態を示す説明図である。
【図10】該サーマルプロテクタを適用したバッテリ装置の回路図である。
【図11】該サーマルプロテクタを適用したバッテリ装置の回路図である。
【符号の説明】
1 下ケース
2 上ケース
3 ハウジング
4,5,6,7 金属板
4a 平坦部
4b 第1の端子
4c 座部
5a 平坦部
5b 第2の端子
5c 座部
6a 第1の固定接点
6b 第3の端子
7a 第2の固定接点
7b 第4の端子
8 トリメタル片(熱応動素子)
8a 反転部
8c 接続部
8d リード片
9 可動接点部材(可動接点)
10 狭小部(電流ヒューズ)
T サーマルプロテクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリ装置の二次電池等の異常発熱を検知して給電を遮断するサーマルプロテクタに係り、特に、熱応動スイッチと電流ヒューズを備えたサーマルプロテクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池は放電状態の電池を充電することによって繰り返し使用できる電池であり、このような二次電池を直列または並列に接続した電池群を備えたバッテリ装置は、ノート型パソコンやビデオカメラ等の携帯機器の電源として広く用いられている。
【0003】
従来より、この種のバッテリ装置において、直列接続された複数の二次電池にノーマルクローズ型の熱応動スイッチを直列に接続することにより、二次電池が異常発熱した時にこの熱応動スイッチをオフ動作させて給電を停止するようにしたサーマルプロテクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、熱応動スイッチは、熱膨張係数の異なる金属板を複数枚接合してなるバイメタル片等の熱応動素子を備え、このバイメタル片を片持ち梁状にハウジングに取り付けると共に、バイメタル片の自由端部に固設された可動接点をハウジングに固設された固定接点と接離可能に対向させたものである。
【0004】
上記特許文献1に開示されたバッテリ装置では、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチが直列接続された一対の二次電池間に介設されており、各二次電池が正常に機能して所定温度以下のとき、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチはバイメタル片によって可動接点が固定接点に押し付けられことによりスイッチオン状態に保たれているので、この熱応動スイッチを介して各二次電池から携帯機器等へ給電することができる。また、いずれかの二次電池が劣化等の要因で異常発熱して所定温度を超えると、バイメタル片が反転して可動接点が固定接点から離れ、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチがスイッチオフ状態に切り替わるため、各二次電池から給電が遮断されて携帯機器等を保護することができる。
【0005】
また、他の従来例として、熱応動スイッチの内部に電流ヒューズを直列接続したサーマルプロテクタが知られている(例えば、特許文献2参照)。このサーマルプロテクタは、熱応動スイッチの固定側端子部材の一部に幅狭な狭小部を形成し、可動接点と固定接点が溶着した場合に、固定側端子部材を流れる電流によって狭小部を溶断するようにしたものであり、狭小部を電流ヒューズとして機能させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2636615号公報(第2−3頁、図2−図4)
【0007】
【特許文献2】
特開平11−120853号公報(第4−5頁、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術のうち、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチを電池群に直列接続した前者のサーマルプロテクタにあっては、許容電流以上の大電流により熱応動スイッチの接点間の切り替えが行われる等の不所望な事態に起因して、熱応動スイッチの接点同士が溶着してしまう虞があった。そして、このような不具合が起きた場合には、異常発熱時に給電を遮断するというサーマルプロテクタの本来の機能が発揮されないという問題が発生する。
【0009】
これに対し、熱応動スイッチの内部に電流ヒューズを直列接続した後者のサーマルプロテクタでは、接点同士が溶着した場合でも電流ヒューズを溶断することができるため、熱応動スイッチの接点切り替え動作と電流ヒューズの溶断動作という二重の安全性を有し、保護装置としての信頼性を高めることができる。しかしながら、熱応動スイッチを流れる電流回路に電流ヒューズが直列接続されたサーマルプロテクタであるため、熱応動スイッチと電流ヒューズを並列接続する保護回路に適用することはできず、使用形態の汎用性が低いという問題があった。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、保護装置としての信頼性や使用形態の汎用性が高いサーマルプロテクタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明のサーマルプロテクタでは、ハウジングと、このハウジングから導出する第1、第2、第3の端子と、前記第1の端子から前記第2の端子までの導通経路内に形成された電流ヒューズと、前記ハウジングの内部に一端側を固定端として変位可能に配設された熱応動素子と、この熱応動素子の自由端側に設けられた可動接点と、この可動接点と対向するように前記第3の端子に設けられた固定接点とを備え、前記熱応動素子の固定端側を前記第1の端子に電気的に接続し、この熱応動素子が所定温度で反転することにより、前記可動接点と前記固定接点との導通状態が切り替わるように構成した。
【0012】
このように構成されたサーマルプロテクタにあっては、可動接点と固定接点が溶着した場合でも、第1の端子から第2の端子までの間に形成した電流ヒューズを溶断することができるため、保護装置としての信頼性を大幅に高めることができ、しかも、電流ヒューズを有する第1および第2の端子のいずれか一方の端子と固定接点を有する第3の端子とを保護回路として使用した場合は、熱応動スイッチと電流ヒューズが直列接続された形態となり、第1ないし第3の端子の全てを保護回路に用いた場合は、熱応動スイッチと電流ヒューズが並列接続された形態とすることができるため、使用形態の汎用性を高めて使い勝手が向上する。
【0013】
上記の構成において、ハウジングから導出する第4の端子を備えると共に、この第4の端子に熱応動素子の可動接点を介して第3の端子の固定接点と対向する別の固定接点を設け、熱応動素子が所定温度で反転することにより、可動接点が第3および第4の端子に設けられた固定接点のいずれか一方から離反していずれか他方に接触するように構成すると、第3の端子と第4の端子を保護回路に選択的に用いることで熱応動スイッチがノーマルクローズ型にもノーマルオープン型にもなり、使用形態の汎用性をより一層高めることができる。
【0014】
また、上記の構成において、電流ヒューズは第1の端子や第2の端子に形成することも可能であるが、熱応動素子の固定端側から延出するリード片に幅狭な狭小部を形成して電流ヒューズとなし、このリード片の前記狭小部よりも先端側を第2の端子に固定することが好ましい。すなわち、熱応動素子は熱膨張係数の異なる金属板を複数枚接合してなるバイメタル片やトリメタル片であるが、第1および第2の端子よりも板厚が薄く比抵抗の高い材料であるため、このような熱応動素子に狭小部を形成して電流ヒューズとなすと、電流ヒューズの溶断電流値を規定する狭小部の寸法を簡単かつ高精度に設定することができる。その際、第1の端子にハウジングの内底面から突出する座部を設け、この座部に熱応動素子の固定端側を固定することにより、ハウジングの内底面に露出する第2の端子と狭小部とが所定間隔を存して対向するように構成すると、電流ヒューズ(狭小部)の溶断時に熱応動素子と第2の端子との間を確実に遮断できて好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係るサーマルプロテクタを一方向から見た斜視図、図2は該サーマルプロテクタを別方向から見た斜視図、図3は該サーマルプロテクタに備えられる熱応動スイッチのノーマル状態を示す断面図、図4は該熱応動スイッチのトリメタル片が反転した状態を示す断面図、図5は該トリメタル片の斜視図、図6は該サーマルプロテクタに備えられる上ケースの底面図、図7は該サーマルプロテクタに備えられる下ケースの平面図、図8は該下ケースにトリメタル片を組み込んだ状態を示す平面図、図9は該熱応動スイッチと電流ヒューズの接続状態を示す説明図である。
【0016】
これらの図に示すように、本実施形態例に係るサーマルプロテクタTは、合成樹脂からなる絶縁性の下ケース1と合成樹脂からなる絶縁性の上ケース2を組み合わせてなる平面視矩形状のハウジング3と、下ケース1の成形時に一体化された良導電性の金属板4,5,6と、上ケース2の成形時に一体化された良導電性の金属板7と、導電性の熱応動素子であるトリメタル片8と、このトリメタル片8の自由端部にかしめ固定された良導電性の可動接点部材9とによって概略構成されており、トリメタル片8には電流ヒューズとして機能する狭小部10が形成されている。
【0017】
図7に示すように、金属板4は、下ケース1の内底面に露出する平坦部4aと、下ケース1の外方へ突出する第1の端子4bとを有しており、平坦部4aには段付き状の座部4cが形成されている。金属板5は、下ケース1の内底面に露出する平坦部5aと、下ケース1の外方へ突出する第2の端子5bとを有しており、第2の端子5bには段付き状の座部5cが形成されている。これら座部4c,5cは下ケース1の内底面に露出する平坦部4a,5aから上方へ突出しており、両座部4c,5cの上面は同一平面内に位置している。金属板6は、下ケース1の内底面に露出する第1の固定接点6aと、下ケース1の外方へ突出する第3の端子6bとを有している。また、図6に示すように、金属板7は、上ケース2の天井面に露出する第2の固定接点7aと、上ケース2の外方へ突出する第4の端子7bとを有する。金属板4〜7は例えばリン青銅や黄銅等からなり、下ケース1と上ケース2にそれぞれインサート成形により一体化されている。
【0018】
その際、第1の端子4bと第3の端子6bとは下ケース1から互いに逆向きに導出されており、第2の端子5bはこれら第1および第3の端子4b,6bの導出方向に対して直交する方向に下ケース1から導出されている。これにより、3つの端子4b,5b,6bが下ケース1から全て異なる向きに導出されることになり、各金属板4〜6をインサート成形により下ケース1と一体化する場合、同じフープ材からなる金属材料を用いて3つの端子4b,5b,6bを加工することができ、生産性に優れたものとなっている。また、図1と図2に示すように、下ケース1と上ケース2を接合・一体化してハウジング3を構成した状態において、第4の端子7bは第2の端子5bの導出方向とは逆向きに上ケース2から導出されており、この第4の端子7bにはクランク状の曲げ加工が施されている。これにより、4つの端子4b,5b,6b,7bがハウジング3から全て異なる向きに導出されることになり、かつ、各端子4b,5b,6b,7bの下面が全て同一平面上に位置することになり、表面実装対応のサーマルプロテクタTとなっている。
【0019】
トリメタル片8は良導電性の中間層を熱膨張係数の異なる2枚の金属板で挟んで積層接合したものであり、このような三層構造のトリメタル片8の代わりに、中間層を省略した二層構造のバイメタル片を熱応動素子として用いても良い。本実施形態例の場合、中間層としての銅板を銅・ニッケル・マンガン合金板とニッケル・鉄合金板で挟んで積層接合したトリメタル片8が使用されている。図5に示すように、トリメタル片8の中央部には反転動作を確実に行わせるためのドーム状の反転部8aが形成されており、この反転部8aを挟んでトリメタル片8の長手方向に沿う両端部が自由端と固定端になっている。トリメタル片8の自由端側には取付孔8bが穿設されており、この取付孔8bには銅・ニッケル合金や銀酸化錫等からなる可動接点部材9がかしめ固定されるようになっている。また、トリメタル片8の固定端側は接続部8cとなっており、この接続部8cから側方に向かってリード片8dが突出形成され、このリード片8dの途中に電流ヒューズとして機能する幅狭な狭小部10が形成されている。その際、トリメタル片8(バイメタル片を含む)等の熱応動素子には端子材料よりも比抵抗の高い材料が用いられており、その板厚も各金属板4〜7に比べて薄いものが用いられているため、電流ヒューズの溶断電流値を規定する狭小部10の寸法を簡単かつ高精度に設定することができる。
【0020】
図8に示すように、このトリメタル片8は下ケース1の内底面に載置された状態で、その固定端の接続部8cが金属板4の座部4cにスポット溶接等を用いて固定されると共に、下ケース1の外部に突出するリード片8dの先端部(狭小部10よりも先端側)が金属板5の座部5cにスポット溶接等を用いて固定される。その際、下ケース1の内部で狭小部10は金属板5の平坦部5aと対向することになるが、前述したように、トリメタル片8の接続部8cとリード片8dが固定される座部4c,5cは平坦部4a,5aから上方へ突出しているため、これら狭小部10と平坦部5aとの間に両者を離間するのに十分なクリアランスが確保されている。このようにして、トリメタル片8はその固定端を支点としてハウジング3(下ケース1と上ケース2)の内部に変位可能(揺動可能)に支持され、その自由端側に取り付けられた可動接点部材9が第1の固定接点6aと第2の固定接点7aとの間を移動可能となっている。
【0021】
すなわち、図9に示す等価回路から明らかなように、本実施形態例に係るサーマルプロテクタTでは、第1の端子4bと第2の端子5bとの間に狭小部10(電流ヒューズ)が形成されると共に、これら第1の端子4bと狭小部10との間にトリメタル片8(熱応動素子)の固定端が接続され、このトリメタル片8の自由端が第1の固定接点6aと第2の固定接点7aに対して接離可能となっている。したがって、第2の端子5bと第3の端子6bとの間について見ると、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチと電流ヒューズが直列接続された形態になり、第1の端子4bと第2の端子5bおよび第3の端子6bとの間について見ると、ノーマルクローズ型の熱応動スイッチと電流ヒューズが並列接続された形態になる。また、第3の端子6bの代わりに第4の端子7bを用いた場合はノーマルオープン型の熱応動スイッチとして動作するため、ノーマルオープン型の熱応動スイッチと電流ヒューズが直列または並列接続された形態も可能となり、合計で4種類の使用形態を採用することができる。
【0022】
なお、上記実施形態例では、熱応動素子(トリメタル片8)に電流ヒューズ(狭小部10)を一体形成した場合について説明したが、電流ヒューズは熱応動素子が接続される第1の端子から第2の端子に至る導通経路内であればどこに形成しても良く、例えば、第1の端子と熱応動素子の固定端との間や第2の端子自体に形成することも可能である。また、第1の端子と第2の端子とを同一の金属板にて一体に形成し、第1の端子に相当する部分に熱応動素子の固定端を取り付け、第2の端子に相当する部分に狭小部を設けて、この狭小部を電流ヒューズとしても良い。
【0023】
次に、上記サーマルプロテクタTのバッテリ装置への適用例を図10と図11を参照して説明する。
【0024】
図10に示すバッテリ装置は、複数の二次電池11を直列接続した電池群12と、この電池群12に直列に接続された電流ヒューズ13とノーマルクローズ型熱応動スイッチ14とを備えており、上述したサーマルプロテクタTはノーマルクローズ型の熱応動スイッチと電流ヒューズが直列接続された形態で使用されている。この場合、電池群12の正極側に第2の端子5bが接続されると共に、バッテリ装置の外部端子側に第3の端子6bが接続されており、残りの第1の端子4bと第4の端子7bは回路構成に関与しないダミー端子となっている。
【0025】
このように構成されたバッテリ装置において、サーマルプロテクタTのトリメタル片8が所定温度以下のノーマル状態(通常の使用状態)では、図3に示すように、可動接点部材9が第1の固定接点6aに当接しているため、第2の端子5bと第3の端子6bとの間がトリメタル片8を介して導通されている。すなわち、図10において、電池群12の各二次電池11に何ら異常がない場合、ノーマルクローズ型熱応動スイッチ14は閉路されているため、電池群12の各二次電池11から外部端子に接続された図示せぬ携帯機器などの外部機器に電流ヒューズ13とノーマルクローズ型熱応動スイッチ14を介して給電することができる。
【0026】
しかるに、いずれかの二次電池11に異常が発生し、バッテリパックの温度がノーマルクローズ型熱応動スイッチ14の動作温度(例えば80℃)まで上昇すると、図4に示すように、サーマルプロテクタTのトリメタル片8が反転し、可動接点部材9が第1の固定接点6aから離れて第2の固定接点7aに当接する。つまり、第2の端子5bと第3の端子6bとが非導通状態となるので、図10において、電池群12とバッテリ装置の外部端子との間がオフ動作したノーマルクローズ型熱応動スイッチ14によって開路され、各二次電池11からの給電が停止される。また、サーマルプロテクタTの可動接点部材9が第1の固定接点6aに溶着してしまい、ノーマルクローズ型熱応動スイッチ14が正常にオフ動作しない事態が発生した場合でも、サーマルプロテクタTの第2の端子5bと第3の端子6b間を流れる過電流によって狭小部10(電流ヒューズ)が溶断する。したがって、図10において、電池群12とバッテリ装置の外部端子との間が溶断した電流ヒューズ13によって開路され、各二次電池11から外部機器への給電を確実に停止することができる。なお、前述したように、狭小部10と平坦部5aとの間に両者を離間するのに十分なクリアランスが確保されているため、狭小部10の溶断時にリード片8dと平坦部5aが導通してしまうことを防止でき、第2の端子5bと第3の端子6bとの間を確実に遮断することができる。
【0027】
図11に示すバッテリ装置は、並列接続された2個の二次電池15を直列に複数組接続した電池群16と、この電池群16に直列に接続された電流ヒューズ17と、これら電池群16と電流ヒューズ17との直列回路に並列に接続されたノーマルオープン型熱応動スイッチ18とを備えており、上述したサーマルプロテクタTはノーマルオープン型の熱応動スイッチと電流ヒューズが並列接続された形態で使用されている。この場合、電池群16の正極側に第2の端子5bが接続され、電池群16の負極側に第4の端子7bが接続され、バッテリ装置の外部端子側に第1の端子4bが接続されており、残りの第3の端子6bは回路構成に関与しないダミー端子となっている。
【0028】
このように構成されたバッテリ装置において、サーマルプロテクタTのトリメタル片8が所定温度以下のノーマル状態(通常の使用状態)では、図3に示すように、可動接点部材9が第1の固定接点6aに当接して第2の固定接点7aから離反しているため、第1の端子4bと第4の端子7bとの間は非導通状態となっている。すなわち、図11において、電池群16の各二次電池15に何ら異常が見られずに使用されている場合、ノーマルオープン型熱応動スイッチ18は開路されているため、電池群16に直列に接続された電流ヒューズ17には規定値よりも十分に小さい電流が流れ、電流ヒューズ17は溶断することはない。
【0029】
しかるに、いずれかの二次電池15に異常が発生し、バッテリパックの温度がノーマルオープン型熱応動スイッチ18の動作温度まで上昇すると、図4に示すように、サーマルプロテクタTのトリメタル片8が反転し、可動接点部材9が第1の固定接点6aから離れて第2の固定接点7aに当接する。すなわち、第1の端子4bと第4の端子7bとの間がトリメタル片8を介して導通された状態となると共に、第2の端子5bと第4の端子7bとの間がトリメタル片8および狭小部10を介して導通された状態になるので、図11において、電池群16と電流ヒューズ17およびオン動作したノーマルオープン型熱応動スイッチ18とで閉回路が形成される。その結果、この閉回路を流れる電池群16からの短絡電流Iによって電流ヒューズ17(サーマルプロテクタTの狭小部10)が溶断するため、各二次電池15から携帯機器等の外部機器への給電を確実に停止することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】
可動接点と固定接点が溶着した場合でも、第1の端子から第2の端子までの間に形成した電流ヒューズを溶断することができるため、保護装置としての信頼性を大幅に高めることができ、しかも、電流ヒューズを有する第1および第2の端子のいずれか一方の端子と固定接点を有する第3の端子とを保護回路に使用した場合は、熱応動スイッチと電流ヒューズが直列接続された形態となり、第1ないし第3の端子の全てを保護回路に用いた場合は、熱応動スイッチと電流ヒューズが並列接続された形態とすることができるため、使用形態の汎用性を高めて使い勝手の良いサーマルプロテクタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係るサーマルプロテクタを一方向から見た斜視図である。
【図2】該サーマルプロテクタを別方向から見た斜視図である。
【図3】該サーマルプロテクタに備えられる熱応動スイッチのノーマル状態を示す断面図である。
【図4】該熱応動スイッチのトリメタル片が反転した状態を示す断面図である。
【図5】該トリメタル片の斜視図である。
【図6】該サーマルプロテクタに備えられる上ケースの底面図である。
【図7】該サーマルプロテクタに備えられる下ケースの平面図である。
【図8】該下ケースにトリメタル片を組み込んだ状態を示す平面図である。
【図9】該熱応動スイッチと電流ヒューズの接続状態を示す説明図である。
【図10】該サーマルプロテクタを適用したバッテリ装置の回路図である。
【図11】該サーマルプロテクタを適用したバッテリ装置の回路図である。
【符号の説明】
1 下ケース
2 上ケース
3 ハウジング
4,5,6,7 金属板
4a 平坦部
4b 第1の端子
4c 座部
5a 平坦部
5b 第2の端子
5c 座部
6a 第1の固定接点
6b 第3の端子
7a 第2の固定接点
7b 第4の端子
8 トリメタル片(熱応動素子)
8a 反転部
8c 接続部
8d リード片
9 可動接点部材(可動接点)
10 狭小部(電流ヒューズ)
T サーマルプロテクタ
Claims (4)
- ハウジングと、このハウジングから導出する第1、第2、第3の端子と、前記第1の端子から前記第2の端子までの導通経路内に形成された電流ヒューズと、前記ハウジングの内部に一端側を固定端として変位可能に配設された熱応動素子と、この熱応動素子の自由端側に設けられた可動接点と、この可動接点と対向するように前記第3の端子に設けられた固定接点とを備え、前記熱応動素子の固定端側を前記第1の端子に電気的に接続し、この熱応動素子が所定温度で反転することにより、前記可動接点と前記固定接点との導通状態が切り替わるように構成したことを特徴とするサーマルプロテクタ。
- 請求項1の記載において、前記ハウジングから導出する第4の端子を備えると共に、この第4の端子に前記可動接点を介して前記固定接点と対向する別の固定接点を設け、前記熱応動素子が所定温度で反転することにより、前記可動接点が前記両固定接点のいずれか一方から離反していずれか他方に接触するように構成したことを特徴とするサーマルプロテクタ。
- 請求項1または2の記載において、前記熱応動素子の固定端側から延出するリード片に幅狭な狭小部を形成して前記電流ヒューズとなし、前記リード片の前記狭小部よりも先端側を前記第2の端子に固定したことを特徴とするサーマルプロテクタ。
- 請求項3の記載において、前記第1の端子に前記ハウジングの内底面から突出する座部を設け、この座部に前記熱応動素子の固定端側を固定することにより、前記ハウジングの内底面に露出する前記第2の端子と前記狭小部とが所定間隔を存して対向するように構成したことを特徴とするサーマルプロテクタ。
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