JP4128162B2 - ビルトイン型空気調和機および吹出チャンバ - Google Patents

ビルトイン型空気調和機および吹出チャンバ Download PDF

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本発明は、建屋の天井部に設置され、内部に熱交換器およびファンを備え、熱交換された空気を吹出チャンバを介して被調和室へ導き吹き出す構造を有したビルトイン型空気調和機および吹出チャンバに関する。
一般に、建屋の天井部に設置され、熱交換器及びファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設され、この吹出ダクトには被調和室に吹出口が臨む吹出チャンバを接続したビルトイン型空気調和機が知られている。この種のビルトイン型空気調和機では、ユニット本体にて熱交換された空気を、吹出ダクト及び吹出チャンバを介して被調和室へ吹き出すため、室内に室内機が露出せず、室内の美観を損なうことなく最適な空気調和を実現できる。
従来の吹出チャンバにおいては、被調和室内への熱交換された空気の流量を調整すべく吹出ダクト及び吹出チャンバで構成される風路内に風量調整板を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−185237号
ところで、風量調整板は、風路内に設けられているため、冷房時のように風路内を外気よりも冷たい空気が流れている場合には、吹出チャンバを構成する筐体から熱が伝導することにより、筐体から熱を奪い、筐体表面の温度が下がって、筐体表面に結露が発生してしまうおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、風量調整板を風路内に設ける場合であっても、吹出チャンバの筐体表面への結露の発生を抑制することが可能なビルトイン型空気調和機及び吹出チャンバを提供することにある。
上記課題を解決するため、建屋の天井部に設置され、熱交換器及びファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設され、この吹出ダクトには、被調和室に吹出口が臨む吹出チャンバが接続されたビルトイン型空気調和機において、前記吹出チャンバは、前記吹出ダクトに連通する風孔が形成されたチャンバ本体と、前記風孔に対応する位置に、連結部を介して折り曲げ自在に設けられた風量調整板と、前記連結部の近傍に形成され、当該連結部を介した前記風量調整板と前記チャンバ本体との間の熱伝導を遮断するためのスリットと、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、ユニット本体において熱交換された空気を吹出ダクトおよび吹出チャンバを介して被調和室内に吹き出すに際し、風孔を流れる空気により風量調整板から熱が奪われたとしても、スリットは、連結部を介した風量調整板とチャンバ本体との間の熱伝導を遮断するため、チャンバ本体から熱が奪われるのを抑制し、チャンバ本体の結露の発生を抑制することができる。
この場合において、前記チャンバ本体は、その内部に吹出空気を前記吹出口に案内する案内風路が形成されており、前記スリットは、前記案内風路の外部に形成されているようにしてもよい。
また、前記チャンバ本体は、略箱形形状を有し、前記風孔が形成された第1部材と、前記第1部材の風孔が形成された面を覆う略板状の第2部材と、を備え、前記風量調整板は、前記第2部材の前記風孔に対応する位置に設けられ、当該第2部材に前記連結部を介して連結されているようにしてもよい。
さらに、前記スリットの前記チャンバ本体側には、当該スリットの開口部を覆うように断熱材が配置されているようにしてもよい。
さらにまた、前記スリットは、前記風孔の形状に沿って形成されているようにしてもよい。
また、建屋の天井部に設置され、熱交換器及びファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設されたビルトイン型空気調和機を構成し、前記吹出ダクトに接続されるとともに、被調和室に吹出口が臨む吹出チャンバにおいて、前記吹出ダクトに連通する風孔が形成されたチャンバ本体と、前記風孔に対応する位置に、連結部を介して折り曲げ自在に設けられた風量調整板と、前記連結部の近傍に形成され、当該連結部を介した前記風量調整板と前記チャンバ本体との間の熱伝導を遮断するためのスリットと、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、ユニット本体において熱交換された空気を吹出ダクトを介して、吹出チャンバから被調和室内に吹き出すに際し、風孔を流れる空気により風量調整板から熱が奪われたとしても、スリットは、連結部を介した風量調整板とチャンバ本体との間の熱伝導を遮断するため、チャンバ本体から熱が奪われるのを抑制し、チャンバ本体の結露の発生を抑制することができる。
本発明によれば、簡単な構成で吹出チャンバの筐体表面への結露の発生を抑制することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るビルトイン型空気調和機を示し、(A)がパネル仕様ビルトイン型空気調和機、(B)がダクト仕様ビルトイン型空気調和機をそれぞれ示す側面図である。
図1(A)に示すパネル仕様ビルトイン型空気調和機30と、図1(B)に示すダクト仕様ビルトイン型空気調和機40は、共に、建屋31の天井32と天井板33との間の天井空間34内に懸吊して配設され、ユニット本体35、吹出ダクト36、吹出チャンバ48及び運転制御用の電装箱37を有して構成されている。
上記ユニット本体35は、互いに対向配置されて四角枠形状に設けられた4枚の側板38の上縁部に天板39が、下縁部の一部に底板46がそれぞれ固定されて構成される。これらの側板38、天板39及び底板46の内外表面に断熱材が貼着されている。このユニット本体35の側板38には吊り金具41が固着され、この吊り金具41が、建屋31の天井32から垂下された吊りボルト42に止着されて、パネル仕様ビルトイン型空気調和機30、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機40が建屋31の天井32に懸吊可能に構成される。このユニット本体35の内部には、図示しない室内熱交換器、ファンおよびファンモータが収容される。室内熱交換器は、図2及び図3に示す冷媒配管接続口43に接続された冷媒配管(液管)、及び冷媒配管接続口44に接続された冷媒配管(ガス管)を用いて、図示しない室外機に接続される。ユニット本体35内の室内熱交換器は、室外機から導かれる冷媒の蒸発または凝縮により、ユニット本体35内に吸い込まれた空気を冷却し又は暖房する。45Aはドレン配管接続口、45Bはドレン排出口を示している。
上記吹出ダクト36は、ユニット本体35から複数本が延設され、吹出ダクト36のそれぞれは、ユニット本体35の一つの側板38に一体に設置された吹出口47に一端が嵌装され、他端に吹出チャンバ48が取付けられる。この吹出チャンバ48は、天井板33の適宜位置に設置される。ユニット本体35内のファンの回転により、後述の如くユニット本体35内に室内空気が吸い込まれ、室内熱交換器により熱交換された空気が、吹出ダクト36を経て吹出チャンバ48から被調和室へ吹き出される。
図1(A)及び図2に示すパネル仕様ビルトイン型空気調和機30では、ユニット本体35の下部開口に天井パネル49が嵌装されている。この天井パネル49は、中央位置に吸込板50を備え、この吸込板50との隙間から室内空気を吸い込み、ユニット本体35内へ導入する。
また、図1(B)及び図3に示すダクト仕様ビルトイン型空気調和機40は、ユニット本体35の一つの側板38で、吹出口47が設置された側板38に対向する側板(すなわちダクト仕様ビルトイン型空気調和機40の背面板38B)に、図示しない吸込開口が形成され、この側板38(背面板38B)に、例えばフィルタボックス51を介して、通常一本の吸込ダクト52が連接されている。吸込ダクト52の一端部に吸込グリル53が嵌装され、この吸込グリル53が、天井板33の適宜位置に設置される。この吸込グリル53から室内空気が取り込まれ、吸込ダクト52を経てユニット本体35内へ吸い込まれる。尚、ユニット本体35の下部開口は、本体蓋77により閉鎖されている。
吹出チャンバ48は、図4(A)(B)に示すように、吹出グリル55と組になっており、吹出チャンバ48の側板に固定された吊り金具48Aに、建屋31の天井32から垂下された吊りボルトを引っ掛けることによって、天井裏に設置されている。そして、吹出ダクト36を経て送られる調和空気は、図中において矢印で示すように流れて、吹出グリル55の二つの開口55Aを通じて、被調和室に吹き出される。
吹出チャンバ48は、図5(A)に示すように、略箱状に形成された鋼板製の外装材81(第1部材を構成)と、この外装材81の内側に配置され、その内側には、吹出空気の案内風路83A(図4(B)参照)が形成された発泡スチロール製の風路形成体83(第1部材を構成)と、この風路形成体83を覆う略板状の鋼板製の蓋材85(第2部材を構成)とで構成されている。
ここでまず、蓋材85の構成について説明する。
本実施形態では、図5(A)及び図6に示すように、蓋材85に、一対の風量調整板93が配設されている。この一対の風量調整板93は、風孔83D相当位置に設けられ、略円弧状の切り欠き93A、及び略直線状の切り欠き93Bで切り抜かれた、蓋材85の残存部によって形成され、当該風量調整板93は、一対の連結部93Cを介して蓋材85に折り曲げ自在に連結される。
この場合、風量の調整は、風量調整板93を、形成体83Bの風孔83D内に押し込むように、一対の連結部93Cを中心に図6に示す矢印Xの方向(図5では、図面表面側から裏面側方向)に折り曲げることによって行う。風量調整板93を大きく折り曲げれば風量が増し、反対に、折り曲げ量をすくなくすれば風量が減る。本構成では、風量調整板93が、略円弧状の切り欠き93A、及び略直線状の切り欠き93Bで切り抜かれた、蓋材85の残存部により形成されるため、余分な部材を必要とすることなく、風量調整板93を簡単に形成することができる。
上記構成において、風量調整板93は形成体83Bの風孔83D内に押し込まれるため、調和空気と常に接触することになる。そうなると、冷房運転を行っている場合には、調和空気により、蓋材85から、連結部93Cを介して風量調整板93から一対の連結部93Cを通って熱が奪われ、蓋材85が広い範囲にわたって室温よりも冷却されることとなり、蓋材85の当該冷却部分に結露が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態においては、蓋材85における一対の連結部93Cの近傍、かつ、案内風路83A外に、それぞれスリット93Dを形成している。
また、外装材81及び風路形成体83とで構成されるチャンバ本体側には、スリット93Dの開口部を覆うように断熱材が配置されている。
さらに、スリット93Dは、風孔83Dの形状に沿って形成されており、連結部93Cを支持部93Eの幅を狭くして、蓋材85から風量調整板93への熱伝導を効率よく遮断できるようなっている。
この構成によれば、スリット93Dが、蓋材85から連結部93Cを介して風量調整板93側に伝達される熱を遮断するため、蓋材85の広い範囲からの熱伝達が抑制され、蓋材85への結露が抑制されるのである。
また、吹出チャンバ48を構成する外装材81と、風路形成体83と、蓋材85とは、図5(B)に示すように組み立てられ、その後に、図4(A)に示すように、補強板87及びダクト接続フランジ90がねじ止めされる。本構成では、吹出チャンバ48が、外装材81と、風路形成体83と、蓋材85との三部品で構成されるため、従来のものに比べて、部品点数が大幅に削減され、組み立て工数が削減され、製造コストが大幅に低減される。また、風路形成体83が案内風路83Aを形成すると共に、断熱材として機能するため、従来のように各種断熱材を貼り合わせるものにくらべて、手間がかからず、組み立て容易なチャンバが提供される。
風路形成体83は、図5(A)に示すように、二つの形成体83B,83Cに分割されており、一方の形成体83Bには、吹出ダクト36に連通する風孔83Dがあけられている。そして、他方の形成体83Cの内壁面には、図5(B)に示すように、風の案内面83Eが形成され、この案内面83Eは、吹出開口部に向けて徐々に突出量が増し、上記風孔83Dの最下点の延長線L上より若干吹出開口部側に近づく位置、即ち位置83Fで、最も高くなるように形成されている。本構成では、形成体83Cが発泡スチロール製であるため、風の案内面83Eが仮に複雑な形状であったとしても、従来のように、断熱材を張り合わせて風の案内面を形成するものに比べて、そのプロフィルをきわめて正確にかつ簡単に一体成形することができる。
吹出チャンバ48を、鋼板製の外装材81と、発泡スチロール製の風路形成体83と、鋼板製の蓋材85とで構成した場合、急激な温度変化等に起因して、風路形成体83が大きく伸縮し、比較的伸縮が少ない、鋼板製の外装材81、或いは鋼板製の蓋材85との間できしみ音が発生する。一般的な吹出チャンバ48では、ファン等の動力源を持たず、静寂性の高さが利点であり、この場合、僅かなきしみ音も騒音となる。
本構成では、図5(B)に示すように、各形成体83B,83Cの各面に、外装材81又は蓋材85のいずれかに当接する突起部89が形成されており、それ以外の形成体83B,83Cの面には、外装材81又は蓋材85に当接することのない凹部91が形成されている。本構成では、それぞれの形成体83B,83Cと、外装材81又は蓋材85との接触面積が減るために、急激な温度変化等に起因して、仮にそれぞれの形成体83B,83Cが大きく伸縮したとしても、きしみ音の発生が抑制される。
また、上述した突起部89は、それぞれの形成体83B,83Cにおける各面の最外周周縁部のすべてと、一方の形成体83Bにおける風孔83Dの周縁部のすべてとに一体形成されている。
上記構成では、二つの形成体83B,83Cの合わせ面から案内風路83Aの外側に風が漏れ出すおそれがある。これが漏れ出して、当該風が、各形成体83B,83Cと外装材81又は蓋材85間に回り込み、外装材81又は蓋材85の各内面の広い範囲に接触すると、その広い範囲に亘って結露するおそれがある。
本構成では、突起部89が、それぞれの形成体83B,83Cにおける各面の最外周周縁部のすべてと、一方の形成体83Bにおける風孔83Dの周縁部のすべてとに形成されているため、その部位では、各形成体83B,83Cと、外装材81又は蓋材85とが密に接触し、各形成体83B,83Cの合わせ面から漏れ出した空気の回り込みが阻止される。従って、外装材81又は蓋材85への結露の発生が抑制される。
以上の各構成は、パネル仕様ビルトイン型空気調和機、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機のいずれにも適用可能である。
以上の説明においては、風量調整板を蓋材に設ける構成を採っていたが、ダクト接続フランジと蓋材との間にリング形状を有する調整板支持部材に上述したものと同様の連結部を介して風量調整板を設けるように構成することも可能である。
本発明に係るビルトイン型空気調和機の一実施形態を示し、(A)がパネル仕様ビルトイン型空気調和機、(B)がダクト仕様ビルトイン型空気調和機のそれぞれ側面図である。 図1(A)のパネル仕様ビルトイン型空気調和機の一部を示す斜視図である。 図1(B)のダクト仕様ビルトイン型空気調和機の一部を示す斜視図である。 (A)が吹出チャンバの斜視図、(B)がその断面図である。 (A)が吹出チャンバの分解斜視図、(B)がその斜視図である。 蓋材の正面図である。
符号の説明
30 パネル仕様ビルトイン型空気調和機
35 ユニット本体
36 吹出ダクト
40 ダクト仕様ビルトイン型空気調和機
48 吹出チャンバ
55 吹出グリル
81 外装材
83 風路形成体
83A 案内風路
83B,83C 形成体
85 蓋材
89 突起部
93 風量調整板
93C 連結部
93D スリット
93E 支持部

Claims (6)

  1. 建屋の天井部に設置され、熱交換器及びファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設され、この吹出ダクトには、被調和室に吹出口が臨む吹出チャンバが接続されたビルトイン型空気調和機において、
    前記吹出チャンバは、
    前記吹出ダクトに連通する風孔が形成されたチャンバ本体と、
    前記風孔に対応する位置に、連結部を介して折り曲げ自在に設けられた風量調整板と、
    前記連結部の近傍に形成され、当該連結部を介した前記風量調整板と前記チャンバ本体との間の熱伝導を遮断するためのスリットと、
    を備えたことを特徴とするビルトイン型空気調和機。
  2. 請求項1記載のビルトイン型空気調和機において、
    前記チャンバ本体は、その内部に吹出空気を前記吹出口に案内する案内風路が形成されており、
    前記スリットは、前記案内風路の外部に形成されている、
    ことを特徴とするビルトイン型空気調和機。
  3. 請求項1または請求項2記載のビルトイン型空気調和機において、
    前記チャンバ本体は、略箱形形状を有し、前記風孔が形成された第1部材と、
    前記第1部材の風孔が形成された面を覆う略板状の第2部材と、を備え、
    前記風量調整板は、前記第2部材の前記風孔に対応する位置に設けられ、当該第2部材に前記連結部を介して連結されている、
    ことを特徴とするビルトイン型空気調和機。
  4. 請求項2または請求項3記載のビルトイン型空気調和機において、
    前記スリットの前記チャンバ本体側には、当該スリットの開口部を覆うように断熱材が配置されていることを特徴とするビルトイン型空気調和機。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のビルトイン型空気調和機において、
    前記スリットは、前記風孔の形状に沿って形成されていることを特徴とするビルトイン型空気調和機。
  6. 建屋の天井部に設置され、熱交換器及びファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設されたビルトイン型空気調和機を構成し、前記吹出ダクトに接続されるとともに、被調和室に吹出口が臨む吹出チャンバにおいて、
    前記吹出ダクトに連通する風孔が形成されたチャンバ本体と、
    前記風孔に対応する位置に、連結部を介して折り曲げ自在に設けられた風量調整板と、
    前記連結部の近傍に形成され、当該連結部を介した前記風量調整板と前記チャンバ本体との間の熱伝導を遮断するためのスリットと、
    を備えたことを特徴とする吹出チャンバ。

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