JP4128072B2 - 自動遠隔検針システム及び端末網制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は公衆電話回線網を利用した自動遠隔検針システムとそれに用いる端末網制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気、ガス、水道などは企業や一般家庭において必要不可欠なエネルギーであり、膨大な数の利用者への安全かつ確実な供給と管理が供給者の日々の課題となっている。また、自由化競争の時代にあって、供給者には業務の効率化、省コスト、顧客サービスの向上が求められている。
【0003】
このような背景にあって、定期的に行なわれる利用者への訪問検針や機器のチェックは、供給者にとって大きな負担となるとともに、利用者にとって立合いが必要になる場合もあり、改善の課題となっていた。そのため、大半の利用者が加入している公衆電話回線を利用して、遠隔地から自動的に検針やチェックを行なうシステムが導入され、一般家庭へも普及し始めている。特に、保安効果が重視される都市ガスやLPガス分野における自動遠隔検針や自動遠隔診断の発達と普及は著しいものがある。
【0004】
従来の自動検針システムでは、例えばリンギングによる電話機(留守番電話機も含む)の呼出し回数が予め所定回数になると、端末網制御装置がセンターからの検針呼出しであると判定して端末発信し、センターとの間でデータ通信を行なう。その場合、端末網制御装置は検針メータの値を読み取り、センター側へ送信する。
【0005】
しかしながら、センターからの呼び出しに応じて端末網制御装置の下流側に接続されている電話機がオフフックされると、端末網制御装置とセンターとの間での通信に電話機側からの音声が邪魔になるという欠点があった。この問題を解決するため特許文献1では呼び出し回数が所定の値になると、端末網制御装置の下流側を切り離すことを提案している。
【0006】
特許文献2では、ベル呼出信号の検出回数が設定値と一致すると、一定時間後に端末側起動によりセンター側へデータを伝送することが記載されている。
また、特許文献3では、ベル呼出信号の呼出し検出回数が設定値以上であったら一定時間後に集中監視センターに端末側起動によりデータ伝送するようになっている。
【0007】
特許文献1:特開平8−237385号公報
特許文献2:特開平9−64991号公報
特許文献3:特開平10−79799号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように特許文献1では、端末網制御装置の下流側に接続されている電話機を切断してからセンターとの間でデータ通信を開始するようになっているが、
呼出回数が所定値未満において電話機がオフフックした場合には、端末網制御装置とセンターとの間のデータ通信は実現されず、自動遠隔検針は実質的に不可能になる。
【0009】
また、特許文献2や特許文献3では、鳴音が所定回数又は所定回数以上鳴り続けて停止した場合、一定時間後に起動してセンターに発信するが、一定時間後においては、なお電話機がオフフック状態である可能性が大きく、センターに発信するべくダイヤルしてもセンターへ接続されないことが多い。本発明はこの点を改良したものでリンギング信号の終了と回線の開放を待って端末発信を行なうことにより確実な通信を可能とする。また、現在は殆どの家庭に留守番電話機がセットされているので、センターから呼び出しがあったとき、数回で留守番電話機が着信し、予め定めた回数(通常15回程度)に至らないことが多いので、特許文献2や特許文献3ではやはり自動遠隔検針ができない。
【0010】
本発明は呼出回数が所定回数に至る前に電話機がオフフックした場合であっても、確実にセンターと通信ができるようにした自動遠隔検針システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、予め定めた呼出回数未満において電話機がオフフックした場合、端末網制御装置はループ又は半ループ状態にて一定時間回線をモニターし、その間にセンターからのID(PB信号、データ通信用信号)を受信した場合はセンターからの呼出と認識し、電話機が回線を開放するのを待って、端末発信し、センターとの間でデータ通信を行なう。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1において、センター1側のホスト装置2はセンター網制御装置3を介して公衆電話回線4とその交換局5、6を利用し、端末10側の電話機13などの後方接続機器(下流側接続機器)が接続された端末網制御装置11を介することによりメータ14と交信を行ない、必要な検針データを入手する。
【0013】
図2は端末網制御装置11とその周辺機器の接続を示すブロック図であり、同図において、電話回線4は端末網制御装置11に接続されている。この電話回線4にぶら下がるように、呼び出し検出信号検出回路21と通信回路22が接続されている。主制御装置23は、例えば、マイクロコンピュータ等を備えた回路で構成されており、内部にカウンタ27や記憶装置であるRAM28やタイマー29等を備えている。
【0014】
また、通信回路22は、データと、電話回線に流れる可聴周波数信号との間を相互に変調/復調するモデム機能を備え、主制御装置23に接続されている。一方で電話回線4にぶら下がるように接続されているオフフック検出回路25は他方で後方接続機器(下流側接続機器)26に接続され、後方接続切換回路26に接続されている外部の電話機などの後方接続機器(下流側接続機器)13の使用中の有無、即ちオフフックかオンフックかを検出する回路である。このオフフック検出回路25も主制御装置23に接続されている。メータインターフェース回路24は、一方で主制御装置23に接続され、他方で外部のメータ14に接続されており、メータ14と主制御装置23との間のインターフェースをとり、データの受け渡しを行なう。後方接続機器13の例として電話機が一般的であるが、電話機付のファクシミリ装置や留守番電話機などの場合もある。
【0015】
次に、上記実施形態の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。端末網制御装置11はリンギングによる呼出があると、図3のルーチンを起動し、まずステップ#10においてリンギング回数(呼出回数)が所定回数N未満か否か判定し、N以上であれば、ステップ#15でリンギングの終了を待ってからステップ#20へ進み、ここで他の機器(電話機等)がループしているか、又はオフフックしているか判定する。他の機器がループもオフフックもしていなければ、ステップ50へ進んでセンターに向け端末発信を行なうとともに、次のステップ#55でセンターと通信を行ない検針データをセンターへ送信する。前記ステップ#20で他の機器がループ又はオフフックしている場合は、ステップ#25で回線が他の機器から開放されるのを待った後、前記ステップ#50、#55の処理を実行する。
【0016】
上記ステップ#10でリンギング回数がN未満であれば、ステップ#30で他の機器がオフフックしたか否か判定する。オフフックしていなければステップ#10へ戻る。一方、オフフックしていれば、ステップ#35へ進み、回線に対しループ状態又は半ループ状態にして回線を監視する。ここで、ループ状態とは端末制御装置を回線へ低インピーダンス(例えば50Ω〜300Ω)で接続した状態であり、半ループ状態とはそれより高いインピーダンス(例えば数kΩ)で回線に接続した状態をいう。半ループ状態ではループ状態に比べ監視中の消費電力が少なくて済む。また、オフフックの電話機の通話を阻害しにくいという利点がある。
【0017】
監視中にID信号を受信するとステップ#40の判定でYesとなり、ステップ#45へ進んで回線が開放されるのを待ってステップ50へ進み、前述したステップ#50、#51の処理を実行する。
【0018】
上述の動作において、ステップ#40でのID受信は自己のIDと一致しているIDを受信するという意味である。尚、IDとしては例えばセンターからのプッシュボタン信号(PB信号)やデータ通信用信号を用いることができる。そして、IDとしてPB信号を用いる場合に電話機のプッシュボタンに存しないA、B、C、Dの少なくとも1つを用いるようにしてもよい。このA、B、C、D信号は電話機の操作部上において4行4列のマトリクスの4列目、即ち座標にして(1、4)、(2、4)、(3、4)、(4、4)にそれぞれ対応するが、これらの座標点にはプッシュボタンは存しない。センターからのIDとしては前記PB、データ通信用信号以外に音声(「ただいまより検針を行ないます」)であってもよく、これらPB、データ通信用信号、音声の組み合せであってもよい。尚、音声を送る場合、その音声の前後にPB又はデータ通信用信号を送信すると音声のみの場合に比し端末網制御装置側でのIDの認識が確実になる。
【0019】
図4は、N個以上のリンギングを受信した場合における端末網制御装置11の動作をタイムチャート的に表したものであり、図5はN個未満で電話機がオフフックした場合における端末網制御装置の動作をタイムチャート的に示したものである。また、図6は端末網制御装置11が屋外に設置された場合を示しており、図7は端末網制御装置11が屋内に設置され、電話機13が下流側に接続されているだけでなく、上流側にも電話機15が接続されている例を示している。図7の場合は上述した図3のステップ#20やステップ#30での他の機器として下流側の電話機13だけでなく、上流側の電話機15も含まれる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、端末網制御装置は所定の呼出回数に至る前に留守番電話機等がループしても、電話回線を監視してセンターからのID信号を待ち、そのID信号を受信した場合に回線が開放されるのを待ってセンターと通信するようになっているので、呼出回数が所定回数に至る前に電話機がオフフックした場合であっても、確実にセンターと通信ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】公衆電話回線網を利用した本発明実施形態に係る自動遠隔検針システムの概略構成図。
【図2】端末網制御装置とその周辺機器の接続を示すブロック図。
【図3】本実施形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図4】N個以上のリンギングを受信した場合における端末網制御装置の動作を示すタイムチャート。
【図5】N個未満で電話機がオフフックした場合における端末網制御装置の動作を示すタイムチャート。
【図6】端末網制御装置が屋外に設置された場合を示す端末側の構成図。
【図7】端末網制御装置が屋内に設置された場合を示す端末側の構成図。
【符号の説明】
1 センター側
4 電話回線
10 端末側
11 端末側網制御装置
13 電話機
14 検針メータ
Claims (6)
- 検針メータが接続された端末網制御装置とセンターとの間でデータ通信を行なう自動遠隔検針システムにおいて、
前記端末網制御装置は、センターからのリンギング回数が所定数未満において電話機がオフフックした場合は、回線を監視できるループ状態又は半ループ状態にして電話回線を一定期間監視し、その間にセンターからのIDを受信すれば前記オフフックした電話機が回線を開放するのを待って端末発信を行ないセンターとデータ通信を行なうようになっていることを特徴とする自動遠隔検針システム。 - 前記端末網制御装置は前記リンギング回数を所定数以上受信した場合はリンギング信号の終了と回線の開放を待って端末発信を行ないセンターとデータ通信を行なうことを特徴とする請求項1に記載の自動遠隔検針システム。
- 前記データ通信の開始はセンターから送られて来るIDが自己のIDと一致していると前記端末網制御装置が確認した場合に行なわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動遠隔検針システム。
- 前記IDとしてセンターからのPB信号又はデータ通信用信号を用いることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の自動遠隔検針システム。
- 前記IDとしてPB信号を用いる場合、電話機のプッシュボタンに存しないA、B、C、Dの少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動遠隔検針システム。
- 検針メータが接続されるとともにセンターとの間でデータ通信を行なう端末網制御装置において、
前記端末網制御装置は、センターからのリンギング回数が所定数未満において電話機がオフフックした場合は、回線を監視できるループ状態又は半ループ状態にして電話回線を一定期間監視し、その間にセンターからのIDを受信すれば前記オフフックした電話機が回線を開放するのを待って端末発信を行ないセンターとデータ通信を行なうようになっていることを特徴とする端末網制御装置。
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