JP3349487B2 - ノーリンギング通信装置 - Google Patents

ノーリンギング通信装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電話回線を利用し
てノーリンギング通信によりデータを伝送するノーリン
ギング通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電話回線を利用してデータの伝送を行う
システムの中には、各家庭のガスや電気の使用量を管理
センターに伝送するテレメータシステムが含まれる。そ
して、このテレメータシステムでは、各家庭より発呼し
てくる”端末発呼”およびセンターより随時検針する”
センター起動”の二種類の起動方法を持っている。
【0003】このセンター側からの起動要求は、一般的
にはノーリンギングトランクを使用することにより行わ
れる。”ノーリンギング”とは”宅内電話機のベルを鳴
らすことが無い”という意味であり、ノーリンギングト
ランクはそれを実現する交換機設備として実現化されて
いる。すなわち、図5に示すように、ノーリンギング通
信装置は、ホストコンピュータとセンター側網制御装置
を備えたセンター側機器1と各家庭の端末側制御装置2
とがセンター側および端末側交換機3,4を介して電話
回線5によって接続されている。そして、端末側交換機
4には、ノーリンギングトランク6が設置されている。
なお、図中、7はガスや水道のメータ、8は電話機であ
る。
【0004】次にノーリンギングトランクの動作を説明
する。ノーリンギングトランクは、宅内電話機が”チ
ン”鳴りをするのを防ぐために緩やかな極性反転を行
い、それと同時に、いくつかある宅内機器の一つを選択
するためのNRS信号(DTMF信号)を送出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ノーリンギングトランクの使用は、普通の電話回線使用
量に比べ非常に少ないため、料金が非常に高いという問
題があり、さらに、このトランクがすべての電話回線に
備えられている設備ではなく、トランク設備設置の申請
をしても、即座に対応できないという問題があった。さ
らに、ノーリンギングトランクが発する信号を受信する
ため、特殊な緩やかな極性反転を検出する機能とDTM
F信号を受信する機能が端末機器に要求される。また、
センター側においても、ノーリンギングトランクをコン
トロールするための複雑な装置が必要となる。
【0006】本発明は、上記に鑑み、ノーリンギングト
ランクを使用しないでノーリンギング通信を行うことが
できるノーリンギング通信装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、呼出信号に発信者番号が付加されている電話回線
を利用して、センター側から呼び出したとき、端末側の
制御装置において電話回線から送出される呼出信号と発
信者番号を検出する手段と、検出された発信者番号が、
センター側からの番号であることを識別すると、応答し
てノーリンギングによりデータの伝送を端末側機器とセ
ンター側機器との間で開始する手段と、検出された発信
者番号が、センター側からの番号でないことを識別する
と、電話回線を電話機等の機器に接続し電話使用者が利
用可能とする手段とを備えている。
【0008】端末側機器の制御装置に、電話機等の機器
の使用状態を検出する手段と、前記機器が使用されたと
き電話回線を前記機器に接続し前記機器が待機状態のと
き電話回線から前記機器を切り離しておく手段とが設け
られている。
【0009】
【発明の実施の形態】本実施例のノーリンギング通信装
置は、電話回線を利用して端末側機器とセンター側機器
との間でノーリンギング通信によるデータ伝送を行うも
のであって、図1の如く、各家庭に設置された端末側の
制御装置10に、図示しない交換機に接続された電話回
線の双方の回線L1,L2が接続され、制御装置10は
センター側機器に交換機を介して接続されている。
【0010】前記制御装置10には、宅内の電話機11
が接続されており、極性の反転検出を行う極反検出部1
2と、交換機から送出される発信者番号信号を検出する
FSK部13と、端末側から発呼する時ダイヤリングす
るためのダイヤル部14と、電話機11を電話回線L
1,L2に対して接続したり切り離したりするスイッチ
切換部15と、特定の相手の発信者番号を設定する半導
体メモリーあるいはディップスイッチ等より構成された
コード設定部16と、検出された発信者番号信号を設定
された発信者番号と比較して特定の相手か否かを識別す
る情報判定部17と、ガスメータや水道メータの検針デ
ータを送出するためのデータ通信部18と、電話機11
の使用状態を検出するオフフック検出部19とが設けら
れている。なお、制御装置10は、各種制御を行うため
のCPU、ROM、RAM、クロックとしての計時部2
0も備えている。
【0011】そして、前記制御装置10は、センター側
機器からの発信であると判別したとき電話機11を電話
回線L1,L2から切り離した状態でノーリンギング通
信によりデータ伝送を行う機能と、電話機11がオフフ
ックされたとき電話回線L1,L2を電話機11に接続
し電話機11がオンフックのとき電話回線L1,L2か
ら電話機11を切り離しておく機能とを有せしめられて
いる。
【0012】また、前記オフフック検出部19による電
話機の使用状態の検出は、電話機11を電話回線L1,
L2から切り離してオフフック検出部19に接続した状
態において、電話機11に電源から電圧を印加して、電
話機11のインピーダンスを監視している。そして、イ
ンピーダンスが一定値以下になったときオフフックされ
たと判断し、インピーダンスが一定値より大きいときは
オンフックされていると判断している。
【0013】上記構成において、端末側機器においてセ
ンター側からの呼出しを待つ待機状態では、電話機11
の使用状態を検出するためにスイッチ切換部15は電話
機11をオフフック検知部側に接続して、電話機11は
電話回線L1,L2から常時切り離されている。
【0014】そして、センター側からセンター起動を行
ったとき、交換機からは図2に示すような呼出信号が制
御装置10に送り出される。すると、図3の如く、呼出
しが生じた時刻T11において、電話回線L1,L2の
極性を反転させる。この極性の反転は極反検出部12に
よって検出され、極反検出部12は極性の反転を示す出
力を動作の開始を指示する信号としてFSK部13に送
出する。
【0015】一方、交換機においては、時刻T11以降
に16Hzの周波数で75Vの交流信号により構成され
た呼出信号であるリンガ信号Aを1秒の間(図2におい
ては期間t11)送出すると共に、その後に続く2秒間
の休止期間(図2においては期間t12)の間にCCI
TT(国際電信電話諮問委員会) V.23勧告の信号
形態であるFSKで、発信者番号信号Bを送出する。交
換機はこの動作を応答があるまで繰り返す。
【0016】制御装置10においては、動作の開始の指
示が与えられたFSK部13が時刻T11以降において
発信者番号信号を取り出し、情報判定部17に送る。そ
こで、コード設定部16に設定された値と比較し、一致
する時には、FSK部13とデータ通信部18とにより
発信者番号信号と同一の信号形態であるCCITTV.
23勧告のFSKでデータ通信を開始する。
【0017】また、一致しない時には、スイッチ切換部
15により、電話機11を電話回線L1,L2側に切り
換える。これにより、時刻T11から判定に要した時間
(t11+t12)だけ遅れて電話機11に呼出信号が
供給され、電話機11のリンガーが鳴動する。
【0018】センター側からの呼出しを待つ待機状態に
おいては、スイッチ切換部15は電話機11をオフフッ
ク検知部側に接続しているため、電話使用者が使用しよ
うとしてもこのままでは使用できない。そのため、図4
の如く、オフフック検出部19は、電話機11のオフフ
ックを監視しており、宅内の電話使用者が電話機11を
使用するためにオフフックすれば、これによるインピー
ダンスの変化を検知して、スイッチ切換部15により電
話回線L1,L2を電話機11に接続し、電話機11が
使用できるように切り換える。
【0019】このように、発信者を識別して発信者に応
じて電話機に対する電話回線の切換えを行うことによっ
て、センター側からノーリンギングトランクを使用せず
に端末側の制御装置を起動でき、データ伝送を行うこと
ができる。したがって、高価なノーリンギングトランク
を用いずに安価な機器でノーリンギング通信が可能とな
る。
【0020】また、端末側機器でも、緩やかな極性反転
を検出する機能およびDTMF受信機能が不要になるた
め、安価に構成でき、センター側においても、ノーリン
ギングトランクをコントロールするための複雑な装置が
不要となり、低価格でノーリンギング通信システムを広
く普及させることが可能となる。
【0021】さらに、呼出信号の休止期間に送出される
発信者番号を送出する信号と、データ伝送に利用する信
号を同一にしたため、送受信用の装置を安価に構成でき
る。
【0022】また、ノーリンギング通信に有害な機器
(例えばファクシミリ)が制御装置に接続されていて
も、ノーリンギング通信中は電話回線が電話機やファク
シミリから切り離されるので、これによる通信妨害を防
ぐことができる。
【0023】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。
【0024】交換機から発信者番号信号が呼出信号の休
止期間に挿入されて送出されるので、発信者番号信号が
所定の位置である休止期間に挿入されているか判別する
ことによって、特定の相手であるか識別するようにして
もよい。このとき、発信者番号信号が所定の位置に挿入
されていないと、特定の相手ではないと判断して、電話
回線を電話機に接続するように切換える。
【0025】また、発信者番号信号やデータ伝送に利用
する信号形態として、FSKの代わりにPSKやPB信
号を用いてもよい。
【0026】なお、本発明の先行技術として特開平1−
170253号公報に、発信者識別符号を転送すると
き、ディジタル交換機からディジタル電話機に転送する
方式だと従来のアナログ交換機では対応できないという
問題があったので、アナログ交換機を用いて発信者識別
符号を転送できる技術が開示されている。ところが、こ
の技術では、センター側からデータ伝送を要求する信号
が送られてきたとき、電話機側では応答すべき発信者で
あると認識するので、リンガーを鳴動させてしまい、ノ
ーリンギング通信を行うことができないという不具合が
あり、本発明のノーリンギングトランクを使用せずにノ
ーリンギング通信を行うといった目的とは全く相違して
いる。
【0027】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明による
と、発信者情報信号が付加されている電話回線を利用す
ることにより、該発信者情報信号に基づいてデータ伝送
若しくは電話利用者が利用可能状態のどちらか一方の状
態に確実に切換えることができ、高価なノーリンギング
トランクを用いる必要がなく、安価にノーリンギングに
よるデータ伝送を確実におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す端末側制御装置のブロッ
ク図である。
【図2】交換機からの信号を示す図である。
【図3】センター側から呼び出しが行われたときの端末
側における動作を示すフローチャートである。
【図4】待機中の端末側での動作を示すフローチャート
である。
【図5】従来のノーリンギング通信装置の構成図であ
る。
【符号の説明】 10 制御装置 11 電話機 12 極反検出部 13 FSK部 14 ダイヤル部 15 スイッチ切換部 16 コード設定部 17 情報判定部 18 データ通信部 19 オフフック検出部 L1,L2 電話回線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−234455(JP,A) 特開 昭56−119567(JP,A) 特開 昭55−112070(JP,A) 特開 平1−98365(JP,A) 特開 平2−177657(JP,A) 特開 平3−289244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04M 11/00 - 11/10 H04M 1/57

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呼出信号に発信者番号が付加されている
    電話回線を利用して、センター側から呼び出したとき、
    端末側の制御装置において電話回線から送出される呼出
    信号と発信者番号を検出する手段と、検出された発信者
    番号が、センター側からの番号であることを識別する
    と、応答してノーリンギングによりデータの伝送を端末
    側機器とセンター側機器との間で開始する手段と、検出
    された発信者番号が、センター側からの番号でないこと
    を識別すると、電話回線を電話機等の機器に接続し電話
    使用者が利用可能とする手段とを備えたことを特徴とす
    るノーリンギング通信装置。
  2. 【請求項2】 端末側機器の制御装置に、電話機等の機
    の使用状態を検出する手段と、前記機器が使用された
    とき電話回線を前記機器に接続し前記機器が待機状態の
    とき電話回線から前記機器を切り離しておく手段とが設
    けられたことを特徴とする請求項1記載のノーリンギン
    グ通信装置。
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