JP4127952B2 - 収差測定方法と収差評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク方式の情報記憶媒体、例えばDVD(Digital Versatile Disk)に情報を読み書きする光学レンズ、またレーザ加工機、レーザ顕微鏡などにおいて光を結像して光スポットを形成する光学レンズの特性を検出する方法及びその装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
光ディスク方式の高密度情報記憶媒体から情報を読み取り、またこの高密度情報記憶媒体に情報を記憶するためには、光源から出射された光を目的の場所に正確に照射できる光学系が必要である。そのため、特に、光学系の対物レンズは、それ自体に厳格な光学的特性が要求されるだけでなく、目的の場所に精度よく固定されなければならない。
【0003】
そこで、対物レンズの検査又は調整の方法として、図1に示すような、干渉計測で収差検出し、検出された収差をもとに対物レンズを検査、調整する方法(回折干渉方式)が提案され実施されている(例えば、特願平11−138584号参照)。
【0004】
この回折干渉方式について以下に簡単に説明する。本方式では、まず可干渉性を持つ、例えばHe−Neレーザなどの光源101から出射された光をビームエキスパンダ102で略平行光に拡大する。次に、拡大された略平行光をハーフミラー103で反射し、被測定レンズ104に所定の角度で入射する。続いて、被測定レンズ104を透過した光を、反射型の回折格子105で反射する。回折格子105で反射した光は再び被測定レンズ104に入射される。回折格子105の反射光は、0次回折光と土1次回折光を含み、これら0次回折光と+1次回折光、そして0次回折光と−1次回折光が重なり干渉縞(干渉パターン)を生じる。そして、この干渉パターンを、結像レンズ107で撮像素子(例えば、CCD)8上に結像する。その結果、撮像素子8上には、図2に示す干渉パターンが得られる。最後に、収差検出装置9は、0次回折光110と+1次回折光111+、そして0次回折光110と−1次回折光111-が重なった領域に現れた干渉縞121+、121-を解析し、被測定レンズ4の収差を検出する。
【0005】
収差の種類と、それによって生じる干渉縞を図3に示す。図3の(a)はデフォーカスによる縞パターン、(b)、(c)はコマ収差による縞パターン、(d)は非点収差による縞パターン、(e)は球面収差による縞パターン、(f)無収差のときの縞パターンである。なお、無収差の場合、干渉領域内に干渉模様は現れない。一般に、一つの光学系について複数の収差が複合して発生する。したがって、干渉縞は、図3の(a)から(f)に示す単純な形とならず、これら複数の縞パターンが重なり合った複雑な形になる。
【0006】
複雑な形の縞パターンから各収差を抽出する方法として、位相シフト法を用いることができる。簡単に説明すると、この位相シフト法では、干渉させる2つの波面の位相を互いにずらせることで縞パターンを変化させ、その変化の仕方の分布、つまり強度変化の位相の分布を解析し、各収差を求める。このとき、収差解析は、干渉領域全面のデータを用いず、特定の領域のデータを用いて行なう。したがって、処理すべきデータ数は限られており、比較的短時間で各収差を評価できる。
【0007】
しかし、収差の展開式は、3次、5次、7次、9次……の項を含む。そして、いわゆるザイデルの5収差と呼ばれる3次項の収差(非点収差、コマ収差、球面収差)は上述の収差解析によって求めることができるが、5次以上の収差は測定できないという問題がある。
【0008】
5次項以上の収差を検出する従来方法として、例えば図4に示すような構成で基準波面と測定波面との干渉縞を発生させ、この干渉縞の全体のデータから測定波面の収差を計算するやり方がある。この方法では、可干渉性を持つ、例えばHe−Neレーザなどの光源1からの光をビームエキスパンダ202で略平行光に拡大する。次に、拡大された略平行光をハーフミラー203で、反射光と透過光の2光束に分割される。分割された一方の反射光は、ミラー204で反射し、その後ハーフミラー203を透過して、撮像素子(例えば、CCD)205で受像される(基準波面)。また、分割された他方の反射光は、被測定レンズ206に入射し集光されて参照球面ミラー207で反射する。参照球面ミラー207は、該参照球面ミラー207の反射光が被測定レンズ206からの入射光の光路を逆に辿るように設計してある。したがって、参照球面ミラー207の反射光は、再び被測定レンズ206に入射して略平行光となり、ハーフミラー203で反射し、撮像素子205で受像される(測定波面)。したがって、撮像素子205で受像される光は、上記一方の反射光と他方の透過光の重なって干渉縞を含み、この干渉縞が撮像素子205で受像される。そして、信号処理装置208は、撮像素子205の出力から収差を計算する。この収差計算では、干渉縞全体のデータを使用し、半径rと角度θを軸に持つ座標系で収差が関数展開される(いわゆるZernike級数展開)。しかし、この収差検出方法では、干渉縞全体のデータを使う必要があるため、計算処理に多くの時間を要する。
【0009】
そこで、本発明は、5次以上の非点収差とコマ収差を高速に測定できる収差測定方法、収差評価装置を提供することを目的とする。
【0010】
【発明の概要】
上記目的を達成するため、本発明の収差測定方法及び収差評価装置は以下の構成を採用している。
【0011】
具体的に、本発明の第1の形態の収差測定方法は、
(a)レンズから出射された光を回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
(b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
(c)上記シェアリング干渉像において、特定の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求める工程と、
(d)上記測点位置をs、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置sの関数で近似し、該関数の係数値で上記レンズの5次以上のコマ収差を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0012】
第1の形態の収差測定方法の他の形態は、nを5以上の整数としたとき、上記位相φを測定位置sの(n−1)次関数またはn次関数で近似し、該関数の(n−l)次の係数値an-1で上記レンズのn次のコマ収差を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の形態の収差測定方法は、
(a)レンズから出射された光を回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
(b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
(c)上記シェアリング干渉像において、特定の複数の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求める工程と、
(d)上記測点位置をs1、s2、上記位相をφ1、φ2としたとき、上記位相φ1、φ2を測定位置s1、s2の関数で近似し、該関数の係数値で上記レンズの5次以上のコマ収差を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0014】
第2の形態の収差測定方法の他の形態は、nを5以上の整数としたとき、上記位相φ1、φ2を測定位置s1、s2の(n−1)次関数またはn次関数で近似し、該2つの関数の(n−1)次の係数値をそれぞれan-1、bn―1としたとき、an-1とbn-1の差で上記レンズのn次のコマ収差を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0015】
第2の形態の収差測定方法の他の形態は、請求項の方法で評価したn次のコマ収差の値をKn1とし、請求項の方法で評価したn次のコマ収差の値をKn2とし、SQRT(Kn12+Kn22)でn次のコマ収差の大きさを評価することを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の形態の収差測定方法は、
(a)レンズから出射された光を回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
(b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
(c)上記シェアリング干渉像において、特定の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求める工程と、
(d)上記測点位置をs、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置sの関数で近似し、該関数の係数値で上記レンズの5次以上の非点収差を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
第3の形態の収差測定方法の他の形態は、nを5以上の整数としたとき、上記位相φを測定位置sの(n−2)次関数または(n−1)次関数で近似し、該関数の(n−2)次の係数値an-2で上記レンズのn次の非点収差を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の第1の形態の収差評価装置は、光学系に含まれる集光レンズの評価装置であって、
(a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
(b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させる移動機構と、
(c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
(d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、特定の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの5次以上のコマ収差を求める特性検出器とを有することを特徴とする収差評価装置。
【0020】
本発明の第2の形態の収差評価装置は、光学系に含まれる集光レンズの評価装置であって、
(a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
(b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させる移動機構と、
(c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
(d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、特定の複数の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの5次以上のコマ収差を求める特性検出器とを有することを特徴とする。
【0021】
本発明の第3の形態の収差評価装置は、光学系に含まれる集光レンズの評価装置であって、
(a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
(b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させる移動機構と、
(c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
(d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、特定の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの5次以上の非点収差を求める特性検出器とを有することを特徴とする収差評価装置。
【0022】
本発明の第3の形態の収差評価装置の他の形態は、上記回折格子が格子面に垂直な軸を中心に回転でき、5次以上の非点収差の大きさを評価することを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的実施の形態を説明する。
【0039】
(1)第1実施形態
図5は本発明の第1実施形態を示す。この図に示す収差評価システムは、基本的に、上述した従来の収差評価システムに類似している。具体的に、本収差評価システムでは、可干渉性を持つ、例えばHe−Neレーザなどの光源1が、光を出射する。出射された光は、ビームエキスパンダ2で略平行光に拡大される。この拡大された略平行光は、ハーフミラー3で反射し、被測定レンズ4に所定の角度で入射して該被測定レンズ4を透過し、反射型の回折格子5で反射する。回折格子5で反射した光は、再び被測定レンズ4に入射される。回折格子5の反射光は、0次回折光と土1次回折光を含み、これら0次回折光と+1次回折光、そして0次回折光と−1次回折光が重なり干渉縞(干渉パターン)を生じる。この干渉パターンは、結像レンズ7で撮像素子(例えば、CCD)8上に結像される。その結果、撮像素子8上には、図2に示す干渉パターンが得られる。そして、信号処理及び表示装置9は、0次回折光と+1次回折光、そして0次回折光と−1次回折光が重なった領域に現れた干渉縞を解析し、被測定レンズ4の収差を検出し、その結果を表示する。
【0040】
干渉像の一例が図6に示されている。この干渉像は、+1次回折光111+と−1次回折光111-が互いに重なりあることなく、0次回折光110と+1次回折光111+が重なり合って表出されている。以下、このような異なる次数の回折光の干渉を「シェアリング」または「シェアリング干渉」、干渉によりできる像を「シェアリング干渉像」、回折光の中心を結ぶ軸(図6に示すX軸)を「シェアリング軸」、シェアリング軸の方向を「シェアリング方向」という。
【0041】
レンズが全く収差を含まず、しかもレンズが回折格子2に対して正確に焦点合わせされている場合、図3(f)のように、干渉領域に何らの模様(干渉縞)も現れない。しかし、現実のレンズは種々の収差、例えば、デフォーカス〔図3(a)〕、コマ収差〔図3(b)、(c)〕、非点収差〔図3(d)〕、3次の球面収差〔図3(e)〕を含む。通常、実際の干渉縞は複数の収差を含み、それらが複合的に組み合わされた干渉縞が現れる。
【0042】
干渉領域内の離れた2点の光強度についてみると、これら2点の光強度は対物レンズの収差等に応じて異なる値を示す。例えばピエゾ素子などを用いた適当な移動機構(図5に符号6で示す。)を利用して回折格子をその格子溝と直交する方向(図5の左右方向)に移動すると、干渉領域における2点の光強度が正弦曲線を描きながら周期的に変化する。同時に、収差が2つの正弦曲線の位相差として現れる。
【0043】
具体的に、図6を参照して説明する。本図は、0次回折光110と+1次回折光111+との干渉領域121+に着目する。そして、0次回折光110の回折円中心Oと+1次回折光111+の回折円中心O1とを結ぶシェアリング軸(X軸)上で、これら中心OとO1との中心から等距離Lにある2点P1、Pnで光強度の時間変化を測定すると、図7に示すように、点P1の光強度変化を表した正弦曲線T1の位相φ(P1)と点Pnの光強度変化を表した正弦曲線Tnの位相φ(Pn)との間には位相差△φが表れ、その位相差△φは対物レンズの収差などに依存する。
【0044】
一方、平面波を基準としたときの各収差による波面はZernike多項式により極座標(r、φ)で記述されることが一般に知られている。また、その極座標上で、5次のコマ収差Φcoma5の波面は、定数Aを用いて数式(1)、(2)の成分を持つベクトル量で表される。
Φ1=A((10r4−12r2+3)×r)×cos(φ) (1)
Φ2=A((10r4−12r2+3)×r)×sin(φ) (2)
【0045】
これらの式からわかるように、成分Φ1、Φ2は直角座標系をなす各軸の成分である。そこで、φ=0に対応するξ軸と、このξ軸に直交するη軸を選ぶと、これらξ軸とη軸で定義される直角座標系(ξ、η)(図8参照)のξ成分Φξ、及びη成分Φηは、次のように表される。
Figure 0004127952
【0046】
次に、直角座標系(ξ、η)においてξ方向にシェアリングした場合、つまり、5次のコマ収差の方向(一方の座標成分がゼロとなるように座標軸を設定したときに、他方の座標成分の軸方向)と同じ方向にシェアリングさせた場合、干渉光の強度差(すなわち、位相差)は、数式(5)の関数として表される。
dΦξ/dξ
=A(10(ξ2+η2(3/2)−12(ξ2+η2(1/2)+3(ξ2+η2(-1/2)十40ξ(ξ2+η2(3/2)−24ξ(ξ2+η2(1/2)) (5)
【0047】
このことは、レンズに他の収差などがなく5次のコマ収差のみがある場合、このコマ収差はその収差の方向へのシェアリング干渉領域121+、121-で、図9に示す干渉縞として現れることからも理解できる。
【0048】
また、η方向ヘシェアリングした場合、つまり、5次のコマ収差の方向と直角方向にシェアリングさせた場合、干渉光の強度差(すなわち、位相差)は、数式(6)の関数として表される。
dΦξ/dη
=A(10(ξ2+η2(3/2)−12(ξ2+η2(1/2)+3(ξ2+η2(-1/2)+40η(ξ2+η2(3/2)−24η(ξ2+η2(1/2)) (6)
【0049】
これらのことは、シェアリング干渉パターンから数式(5)で表される成分を検出することでシェアリング方向と同一方向の5次コマ収差成分を評価でき、数式(6)で表される成分を検出することでシェアリング方向と直角方向の5次コマ収差成分を評価できることを表す。
【0050】
5次コマ収差の、シェアリング方向と同一方向成分は次の手順で求められる。まず、図8に示すように、シェアリング干渉像上で、中心O、O1の中点を通り且つシェアリング軸と垂直な線分上に複数の点(P1、P2、…Pn-1,Pn)をとり、回折格子5をその格子溝と直交する方向に移動させ、各点(P1、P2、…Pn-1,Pn)の座標(上記線分上での座標をsとする)と各点の位相(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)を座標上にプロットし、そしてプロットした点を4次関数で近似(フィッティング)することにより、5次のコマ収差の、シェアリング方向と同じ方向の成分を定量的に求めることができる。
【0051】
5次のコマ収差の、シェアリング方向と同じ方向の成分を評価する具体的手順は以下の通りである。
(i)図10に示すように、干渉像上で回折光(回折円)の中心(光軸O、O1)、シェアリング軸(X軸)を定める。
(ii)OとO1の中点を通り且つX軸と垂直をなす線上に、複数の測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)を定める。これらの測点は、X軸に関して対称に配置するのが望ましい。
(iii)回折格子を格子と直交する方向に移動する。
(iv)測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)の光強度を測定する。
(v)各測点について光強度正弦波形の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)を求める。
(vi)各測点のs座標と、対応する光強度の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)とを、図10に示すように、直交座標系(s、φ)にプロットする。
(vii)プロットした点に4次関数(φ=a44+a33+a22+als+a0)または5次関数をフィッティングする。
(viii)フィッティングした関数の4次係数(a4)を求め、5次のコマ収差の、シェアリング方向と同一方向の成分を評価する。
【0052】
5次のコマ収差の、シェアリング方向と同一方向の成分は、以下の方法でも求めることができる。図10に示すように、シェアリング干渉像上で、中心O、O1の中点を通り且つシェアリング軸と垂直な線分上で、複数の点(P1、P2、…Pn-1,Pn)をとる。また、O、O2の中点を通り且つシェアリング軸と垂直な線分上で複数の点(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)をとる。回折格子5をその格子溝と直交する方向に移動させ、各点(P1、P2、…Pn-1,Pn)のs座標と各点の位相(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)を座標上にプロットし、そしてプロットした点に4次関数(φP=a44+a33+a22+als+a0)または5次関数をフィッティングする。同様に、各点(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)のs座標と各点の位相(φQ1、φQ2、…、φQn-1、φQn)を座標上にプロットし、そしてプロットした点に4次関数(φQ=b44+b33+b22+bls+b0)または5次関数をフィッティングする。これらの係数の和(a4+b4)あるいは平均(a4+b4)/2で5次のコマ収差の、シェアリング方向と同一方向の成分を定量的に求めることができる。
【0053】
5次のコマ収差の、シェアリング方向と一致する成分を評価する具体的手順は以下の通りである。
(i)図10に示すように、干渉像上で回折光(回折円)の中心(光軸O、O1)、シェアリング軸(X軸)を定める。
(ii)OとO1の中点を通り且つX軸と垂直な線分上に複数の測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)を定める。これらの測点は、X軸に関して対称に配置するのが望ましい。
(iii)OとO2の中心を通りX軸と垂直な線分上に複数の測点(Q1、Q2、…Qn-1,Qn)を定める。これらの測点は、X軸に関して対称に配置するのが望ましい。
(iv)回折格子を格子と直交する方向に移動する。
(v)測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)、(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)の光強度を測定する。
(vi)各測点について光強度正弦波形の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)、φQ(φQ1、φQ2、…φQn-1、φQn)を求める・
(vii)各測点のs軸座標と、対応する光強度の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)およびφQ(φQ1、φQ2、…、φQn-1、φQn)とを、図10中に示すように、直交座標系(s、φ)にプロットする。
(viii)プロットした点に4次関数(φP=a44+a33+a22+a1s+a0、φQ=b44+b33+b22+b1s+b0)または5次関数をフィッティングする。
(ix)フィッティングした関数の4次係数(a4、b4)を求め、a4+b4、あるいは(a4+b4)/2から5次のコマ収差の、シェアリング方向と同一方向の成分を評価する。
【0054】
5次コマ収差のシェアリング方向と垂直方向成分を、以下の手順で求めることができる。図11に示すように、0次回折光と+1次回折光のシェアリング干渉像上で、中心O,O1を通りシェアリング軸と45°をなす2本の線分上で、複数の測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)および(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)をとる。回折格子5をその格子溝と直交する方向に移動させ、各点(P1、P2、…Pn-1,Pn)、(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)のs座標と各点の位相(φP1、φP2、…、φPn 1、φPn)、(φQ1、φQ2、…、φQn-1、φQn)を座標上にプロットし、そしてプロットした点に4次関数(φP=a44+a33+a22+a1s+a0)、(φQ=b44+b33+b22+b1s+b0)または5次関数をフィッティングする。これらの係数の差(a4−b4)で5次のコマ収差の、シェアリング方向と垂直方向成分を定量的に求めることができる。
【0055】
5次のコマ収差の、シェアリング方向と垂直方向成分を評価する具体的手順は以下の通りである。
(i)図11に示すように、干渉像上で回折光(回折円)の中心(光軸O、O1)、シェアリング軸(X軸)を定める。
(ii)OとO1の中点を通り且つX軸と45°をなす2本の直線上に、複数の測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)および(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)を定める。
(iii)回折格子5を格子と直交する方向に移動する。
(iv)測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)および(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)の光強度を測定する。
(v)各測点について光強度正弦波形の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)およびφQ(φQ1、φQ2、…、φQn-1、φQn)を求める。
(vi)各測点のs座標と、対応する光強度の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)およびφQ(φQ1、φQ2、φQn-1、φQn)を、図11に示すように、直交座標系(s、φ)にプロットする。
(vii)プロットした点に4次関数(φP=a44+a33+a22+a1s+a0、φQ=b44+b33+b22+b1s+b0)または5次関数をフィッティングする。
(viii)フィッティングした関数の4次係数の差(a4−b4)を求め、5次のコマ収差の、シェアリング方向と垂直方向成分を評価する。
【0056】
5次のコマ収差の、シェアリング方向と垂直方向成分は、以下の方法でも求めることができる。図11に示すように、シェアリング干渉像上で、中心O、O1の中点を通り且つシェアリング軸と45°をなす2本の線分上で、複数の点(P1、P2、…Pn-1,Pn)および(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)をとる。また、O、O2の中心を通り、シェアリング軸と45°をなす2本の線分上で、複数の点(R1、R2、…Rn-1、Rn)および(T1、T、…Tn-1、Tn)をとる。回折格子5をその格子溝と直交する方向に移動させ、各点(P1、P2、…Pn-1,Pn)、(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)、(R1、R2、…Rn-1、Rn)および(T1、T、…Tn-1、Tn)のs座標と各点の位相(φP1、φP2、…φPn-1、φPn)、(φQ1、φQ2…、φQn-1、φQn)、(φR1、φR2、…、φRn-1、φRn)および(φT1、φT2、…、φTn-1、φTn)を座標上にプロットし、そしてプロットした点に4次関数(φP=a44+a33+a22+a1s+a0、φQ=b44+b33+b22+b1s+b0、φR=c44+c33+c22+c1s+c0、φT=d44+d33+d22+d1s+d0)または5次関数をフィッティングする。これらの4次係数a4、b4、c4、d4から、(a4−b4+c4−d4)の演算で、5次のコマ収差の、シェアリング方向と垂直成分を定量的に求めることができる。
【0057】
5次のコマ収差の、シェアリング方向と垂直方向成分を評価する具体的手順は以下の通りである。
(i)図11に示すように、干渉像上で回折光(回折円)の中心(光軸O、O1)、シェアリング軸(X軸)を定める。
(ii)OとO1の中点を通りX軸と45度をなす線分上に複数の測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)および(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)を定める。
(iii)OとO2の中点を通りX軸45度をなす線分上に複数の測点(R1、R2、…Rn-1、Rn)および(T1、T、…Tn-1、Tn)を定める。
(iv)回折格子5を格子と直交する方向に移動する。
(v)測点(P1、P2、‥・Pn-1,Pn)、(Q1、Q2、…Qn-1、Qn)、(R1、R2、‥・Rn-1、Rn)および(T1、T、…Tn-1、Tn)の光強度を測定する。
(vi)各測点について光強度正弦波形の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)、φQ(φQ1、φQ2、…、φQn-1、φQn)、φR(φR1、φR2、…、φRn-1、φRn)およびφT(φT1、φT2、…、φTn-1、φTn)を求める。
(vii)各測点のs軸座標と、対応する光強度の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)、φQ(φQ1、φQ2、…、φQn-1、φQn)、φR(φR1、φR2、…、φRn-1、φRn)およびφT(φT1、φT2、…、φTn-1、φTn)を、図9中に示すように、直交座標系(s、φ)にプロットする。
(viii)プロットした点に4次関数(φP=a44+a33+a22+a1s+a0、φQ=b44+b33+b22+b1s+b0、φR=c44+c33+c22+c1s+c0、φT=d44+d33+d22+d1s+d0)または5次関数をフィッティングする。
(ix)フィッティングした関数の4次係数(a4、b4、c4、d4)を求め、a4−b4+c4−d4から5次のコマ収差の、シェアリング方向と垂直方向成分を評価する。
【0058】
なお、以下に説明する第2の実施形態の構成でも同様にしてシェアリング干渉パターンが得られ、上記の処理により5次のコマ収差を評価できる。また、0次回折光と+1次回折光のシェアリング干渉像でなく、0次回折光と−1次回折光上のシェアリング干渉像を利用しても5次のコマ収差を評価できる。
【0059】
また、本実施形態では5次のコマ収差について記述したが、7、9、・・、n次のコマ収差についても、n次または(n−1)次の関数にフィッティングしたときの(n−1)次の係数として同様に評価できる。
【0060】
(2)第2実施形態
図12は本発明の第2実施形態を示す。この図に示す収差評価システムにおいて、光源であるレーザ発生源11はレーザ光を発射する。この光は可干渉性を有し、例えばヘリウムネオンレーザ光が好適に利用できる。発射されたレーザ光はビームエキスパンダ12によりビーム径を拡大した略平行光となった後、被測定レンズ13により透過型回折格子14に照射される。回折格子14からの透過回折光は、検出レンズ15に入射する。回折格子14は、0次回折光と+1次回折光または−1次回折光がレンズ15の瞳面でシェアリング干渉を生じるように設計されている。このシェアリング干渉光は、レンズ15で略平行光に戻り、結像レンズ16を通って撮像素子17(例えばCCD)に入射する。結像レンズ16は、検出レンズ15の瞳面を撮像素子17に結像する。撮像素子17は信号処理及び表示装置18に接続されており、処理結果が表示される。干渉像は、例えば上述した図2のように現れる。この干渉像は、+1次回折光と−1次回折光が互いに重なりあることなく、0次回折光上と±1次回折光が重なり合って表出されている。
【0061】
本実施形態においても、レンズが全く収差を含まず、しかもレンズが回折格子2に対して正確に焦点合わせされている場合、図3(f)のように、干渉領域に何らの模様も現れない。しかし、現実のレンズは種々の収差、例えば、デフォーカス〔図3(a)〕、コマ収差〔図3(b)、(c)〕、非点収差〔図3(d)〕、3次の球面収差〔図3(e)〕を含む。通常、実際の干渉縞は複数の収差を含み、それらが複合的に組み合わされた干渉縞が現れる。
【0062】
干渉領域内の離れた2点の光強度についてみると、これら2点の光強度は対物レンズの収差等に応じて異なる値を示す。例えばピエゾ素子などを用いた適当な移動機構(図12に符号19で示す。)を利用して回折格子をその格子溝と直交する方向(図12の左右方向)に移動すると、干渉領域における2点の光強度が正弦曲線を描きながら周期的に変化する。同時に、収差が2つの正弦曲線の位相差として現れる。
【0063】
平面波を基準としたときの各収差による波面がZernike多項式により極座標(r、φ)で記述されることは一般に知られており、5次の非点収差ΦAS5の波面は、定数B1、B2を用いて数式(7)、(8)の成分を持つベクトル量で表される。
ΦAS5-1=B1×(4r2−3)×r2×cos(2φ) (7)
ΦAS5-2=B2×(4r2−3)×r2×sin(2φ) (8)
また、ベクトルの大きさ|ΦAS5|は(9)式で評価できる。
|ΦAS5|=sqrt((ΦAS5-12十(ΦAS5-22) (9)
【0064】
次に、直角座標系(ξ、η)を考え、φをξ軸となす角度とする。そして、φ=0゜になるようξ軸を設定すると、数式(7)、(8)は以下の数式(10)、(11)に書き替えられる。
ΦAS5-1=B1×(4r2−3)×r2 (10)
ΦAS5-2=0 (11)
また、座標系を回転させてφ=45°になるようξ軸を設定すると、数式(7)、(8)は以下の数式(12)、(13)に書き替えられる。
ΦAS5-1=0 (12)
ΦAS5-2=B2×(4r2−3)×r2 (13)
以上のことから、ΦAS5-1とΦAS5-2は、45°の角度をなす2方向の成分を表すことがわかる。
【0065】
したがって、収差の大きさ|ΦAS5|は、ある座標系でのΦAS5-1とΦAS5-2とを求めて(9)式の演算で求められるほか、ある座標系でΦAS5-1を求め(ここで求めた値をΦAS5-1(0)とする。)、そこから45度回転させた座標系でΦAS5-1を求め(ここで求めた値をΦAS5 1(45)とする。)、(14)式の演算をすることでも求められる。
|ΦAS5|=sqrt((ΦAS5-1(0)2+(ΦAS5-1(45)2) (14)
【0066】
さらに同じように、ある座標系でΦAS5-2を求め(これをΦAS5-2(0)とする)、そこから45度回転させた座標系でΦAS5-2を求め(これをΦAS5-2(45)とする)、(15)式の演算をすることでも求められる。
|ΦAS5|=sqrt((ΦAS5-2(0)2+(ΦAS5-2(45)2) (15)
一方、φをξ軸からの角度として(7)、(8)式を直角座標(ξ、η)で表すと、(16)、(17)式のようになる。
ΦAS5-1=[4(ξ2+η2)−3](ξ2−η2) (16)
ΦAS5-2=[4(ξ2+η2)−3]2ξη (17)
(16)、(17)式の導出には、
cos(2φ)=cos2φ−sin2φ (18)
sin(2φ)=2sinφ・cosφ (19)
rcosφ=ξ (20)
rsinφ=η (21)
の関係を利用した。
【0067】
このとき、ξ方向およびη方向にシェアリングした場合、干渉光の強度差(すなわち、位相差)は、数式(22)、(23)、(24)、(25)の関数として表される。
dΦAS5-1/dξ=ξ(16ξ2−6) (22)
dΦAS5-1/dη=−η(16η2−6) (23)
dΦAS5 2/dξ= η(24ξ2+8η−6) (24)
dΦAS5-2/dη= ξ(24η2+8ξ−6) (25)
【0068】
このことは、レンズに他の収差などがなく、数式(16)または数式(17)で表される5次の非点収差のみがある場合に、各ξ、η軸へのシェアリング干渉像上で図11に示す干渉縞として現れることからも理解できる。なお、図13(a)がΦAS5-1をξ方向またはη方向にシェアリングさせたときの干渉像であり、図13(b)がΦAS5-2をξ方向またはη方向にシェアリングさせたときの干渉像である。
【0069】
したがって、図14に示すように、シェアリング干渉像上で、中心O、O1の中点を通り且つシェアリング軸と垂直な線分上で、複数の点(P1、P2、…Pn-1,Pn)をとり、回折格子19をその格子溝と直交する方向に移動させ、各点(P1、P2、…Pn-1,Pn)のs座標と各点の位相(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)を座標上にプロツトし、そしてプロットした点を3次関数で近似(フィッティング)するとともに、回折格子を45°回転させるか、あるいは干渉させている光束を光軸を軸に45°回転させるかすることでシェアリング軸を45°回転させたうえで、中心O’、O’1の中心を通り、シェアリング軸と垂直な線分上で、複数の点(P’1、P’2、…P’n-1,P’n)をとり、回折格子11をその格子溝と直交する方向に移動させ、各点(P’1、P’2、‥・P’n-1,P’n)のs座標と各点の位相(φP 1、φP 2、…、φP n-1、φP n)を座標上にプロットし、そしてプロットした点を3次関数で近似(フィッティング)することにより、5次の非点収差の大きさを定量的に求めることができる。
【0070】
5次の球面収差を評価する具体的手順は以下の通りである。
(i)図14に示すように、干渉像上で回折光(回折円)の中心(光軸O、O1)、シェアリング軸(X軸)を定める。
(ii)OとO1の中点を通り、X軸と垂直な線上に、複数の測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)を定める。これらの測点は、X軸に関して対称に配置するのが望ましい。
(iii)回折格子を格子と直交する方向に移動する。
(iv)測点(P1、P2、…Pn-1,Pn)の光強度を測定する。
(v)各測点について光強度正弦波形の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)を求める。
(vi)各測点のs軸座標と、対応する光強度の位相φP(φP1、φP2、…、φPn-1、φPn)とを、図14に示すように、直交座標系にプロットする。
(vii)プロットした点に3次関数(φ=a33+a22+a1s+a0)または4次関数をフィッティングする。
(viii)フィッティングした関数の3次係数(a3)を求める。
(iX)回折格子を45°回転させるか、あるいは、干渉させている元の光を45°回転させ、図15に示すように、シェアリング軸(X’軸)を定める。
(X)O’とO’1の中点を通り且つX’軸と垂直な線上に、複数の測点(P’1、P’2、…P’n-1,P’n)を定める。これらの測点は、X’軸に関して対称に配置するのが望ましい。
(Xi)回折格子を格子と直交する方向に移動する。
(Xii)測点(P’1、P’2、…P’n-1,P’n)の光強度を測定する。
(Xiii)各測点について光強度正弦波形の位相φP (φP 1、φP 2、…、φP n 1、φP n)を求める。
(Xiv)各測点のs軸座標と、対応する光強度の位相φP (φP 1、φP 2、…、φP n 1、φP n)とを、図15に示すように、直交座標系にプロットする。
(Xv)プロットした点に3次関数(φ=a’33+a’22+a’1s+a’0)または4次関数をフィッティングする。
(Xvi)フィッティングした関数の3次係数(a’3)を求める。
(Xvii)SQRT((a’32+(a’32)から、5次の非点収差の大きさを評価する。
【0071】
なお、0次回折光と+1次回折光のシェアリング干渉像でなく、0次回折光と−1次回折光上のシェアリング干渉像を利用しても5次の非点収差を評価できる。さらに、0次回折光と+1次回折光のシェアリング干渉像と、0次回折光と−1次回折光のシェアリング干渉像の両方を利用して5次の非点収差を評価してもよい。また、第1の実施例で示す構成でも同じようなシェアリング干渉パターンが得られ、上記の処理により5次の非点収差を評価できる
【0072】
また、本実施例では5次の非点収差について記述したが、7、9、…、n次の非点収差についても、(n−1)次または(n−2)次の関数にフィッティングしたときの(n−2)次の係数として同じように評価できる。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明に係る収差測定方法、測定装置によれば、5次以上のコマ収差、非点収差を高速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回折干渉法を説明する概略構成図。
【図2】 干渉縞の一例を示す図。
【図3】 各収差により生じる干渉縞を示す図。
【図4】 従来の5次のコマ収差、5次の非点収差を測定する装置の概略構成図。
【図5】 本発明の収差測定装置の概略構成図。
【図6】 位相シフト法を説明するための概略構成図。
【図7】 光強度の位相差を説明するための図。
【図8】 波面形状を説明するための座標系を示す図。
【図9】 5次のコマ収差により生じる干渉縞を示す図。
【図10】 本発明における5次のコマ収差の検出方法を示す図。
【図11】 本発明における5次のコマ収差の検出方法を示す図。
【図12】 本発明における第2実施形態の概略図。
【図13】 5次の非点収差により生じる干渉縞を示す図。
【図14】 本発明における5次の非点収差の検出方法を示す図。
【図15】 本発明における5次の非点収差の検出方法を示す図。
【符号の説明】
1:光源、2:ビームエキスパンダ、3:ハーフミラー、4:被測定レンズ、5:回折格子、6:移動機構、8:撮像素子、110:0次回折光、111+:+1次回折光、111-:−1次回折光、121+、121-:干渉領域。

Claims (11)

  1. (a)レンズから出射された光を回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
    (b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
    (c)上記シェアリング干渉像において、特定の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求める工程と、
    (d)上記測点位置をs、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置sの関数で近似し、該関数の係数値で上記レンズの5次以上のコマ収差を評価する工程とを有することを特徴とする収差測定方法。
  2. nを5以上の整数としたとき、上記位相φを測定位置sの(n−1)次関数またはn次関数で近似し、該関数の(n−l)次の係数値an-1
    で上記レンズのn次のコマ収差を評価する工程とを有することを特徴とする請求項1記載の収差測定方法。
  3. (a)レンズから出射された光を回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
    (b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
    (c)上記シェアリング干渉像において、特定の複数の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求める工程と、
    (d)上記測点位置をs1、s2、上記位相をφ1、φ2としたとき、上記位相φ1、φ2を測定位置s1、s2の関数で近似し、該関数の係数値で上記レンズの5次以上のコマ収差を評価する工程とを有することを特徴とする収差測定方法。
  4. nを5以上の整数としたとき、上記位相φ1、φ2を測定位置s1、s2の(n−1)次関数またはn次関数で近似し、該2つの関数の(n−1)次の係数値をそれぞれan-1、bn―1としたとき、an-1とbn-1の差で上記レンズのn次のコマ収差を評
    価する工程とを有することを特徴とする請求項3記載の収差測定方法。
  5. 請求項2の方法で評価したn次のコマ収差の値をKn1とし、請求項4の方法で評価したn次のコマ収差の値をKn2とし、SQRT(Kn12+Kn22)でn次のコ
    マ収差の大きさを評価することを特徴とする収差測定方法。
  6. (a)レンズから出射された光を回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
    (b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
    (c)上記シェアリング干渉像において、特定の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求める工程と、
    (d)上記測点位置をs、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置sの関数で近似し、該関数の係数値で上記レンズの5次以上の非点収差を評価する工程とを有することを特徴とする収差測定方法。
  7. nを5以上の整数としたとき、上記位相φを測定位置sの(n−2)次関数または(n−1)次関数で近似し、該関数の(n−2)次の係数値an-2で上記レ
    ンズのn次の非点収差を評価する工程とを有することを特徴とする請求項6記載の収差測定方法。
  8. 光学系に含まれる集光レンズの評価装置であって、
    (a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
    (b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させる移動機構と、
    (c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
    (d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、特定の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの5次以上のコマ収 差を求める特性検出器とを有することを特徴とする収差評価装置。
  9. 光学系に含まれる集光レンズの評価装置であって、
    (a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
    (b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させる移動機構と、
    (c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
    (d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、特定の複数の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの5次以上のコマ収差を求める特性検出器とを有することを特徴とする収差評価装置。
  10. 光学系に含まれる集光レンズの評価装置であって、
    (a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
    (b)上記回折格子を格子面内でその格子溝と交わる方向に移動させる移動機構と、
    (c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
    (d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、特定の線分上の複数の測点で光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの5次以上の非点収差を求める特性検出器とを有することを特徴とする収差評価装置。
  11. 請求項10記載の収差評価装置であって、上記回折格子が格子面に垂直な軸を中心に回転でき、5次以上の非点収差の大きさを評価することを特徴とする収差評価装置。
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