JP3574765B2 - レンズの評価方法、レンズの評価装置 - Google Patents

レンズの評価方法、レンズの評価装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク方式の情報記憶媒体、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、に情報を読み書きする光学レンズ、またレーザ加工機、レーザ顕微鏡などにおいて光を結像して光スポットを形成する光学レンズの特性を検出する方法及びその装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
光ディスク方式の高密度情報記憶媒体から情報を読み取り、またこの高密度情報記憶媒体に情報を記憶するためには、光源から出射された光を目的の場所に正確に照射できる光学系が必要となる。そのため、特に、光学系の対物レンズは、それ自体に厳格な光学的特性が要求されるだけでなく、目的の場所に精度よく固定されなければならない。
【0003】
そこで、対物レンズの検査又は調整の方法として、対物レンズを透過した光を回折し、異なる次数の回折光を干渉させてシェアリング干渉像を形成し、このシェアリング干渉像における複数の点で測定した光強度の位相の差を用いて各種収差(デフォーカス、球面収差、非点収差、コマ収差)を評価し、対物レンズを調整する方法が、本出願人による特許出願(特願平11−138584号)で提案されている。
【0004】
しかし、上記特許出願で開示された方法では、デフォーカスと球面収差を正しく測れない場合がある。その原因は、対物レンズの製造過程で該対物レンズの中心部に生じる凹部又は凸部にある。
【0005】
この原因について具体的に説明すると、対物レンズを製造するプロセスには、まず対物レンズの外形を決める金型を製造する工程と、次に出来あがった金型にレンズ材料を注入する工程が含まれる。また、金型の製造プロセスには、図12に示すように、金型40を回転させながら、精密な切削バイト41を使って対物レンズの外形に対応した形に金型40の表面を切削加工していく工程が含まれる。このとき、金型は一定速度で回転しているので、金型40に対する切削バイト41の移動速度(切削速度)は、回転中心から離れるほど速く、金型40の中心に向かうに従ってほど遅くなる。そのため、図13に示すように、金型40の中心部分に、周囲と比べて加工状態の異なる部位42が生じ、この部位が凹部あるいは凸部となってレンズの外形に現れる。
【0006】
そして、このような局所的な金型形状誤差は、回折格子から得られた0次回折光と±1次回折光を部分的に重ねてシェアリング干渉像を得た場合、図14に示すように、各回折光43,44,45の中心付近の領域46,47,48の干渉模様に影響を与える。そのため、図15、16、17に示すように、上記回折干渉法に基づいて、例えば、シェアリング干渉領域48内の、+1次光と−1次光の中心を通る線分上に測定点P1、P2、…Pnをとり、位相シフトさせたときの光強度変化の位相を各点で測定し、位相Yを対応する測定位置Xの1次関数または1次以上の次数を有する関数で近似して該近似関数の1次の係数値でデフォーカスを評価すると、また、位相Yを測定位置Xの3次関数または3次以上の次数を有する関数で近似して該近似関数の3次の係数値で球面収差を評価すると、それら評価結果には上述した形状誤差が含まれる。
【0007】
そこで、本発明は、上述したレンズの局所的な変形に影響されずに正しく球面収差やデフォーカスを測定できるレンズ評価方法、レンズの評価装置を提供することを目的とする。
【0008】
【発明の概要】
本発明のレンズの評価方法は、
(a)レンズから出射された光を回折格子で回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
(b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
(c)上記シェアリング干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通らず、上記2つの光軸を結ぶ直線と垂直な線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求める工程と、
(d)上記測点位置をY、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Yの2次関数または3次関数で近似し、該関数の2次の係数値で上記レンズの球面収差を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の他の形態の評価方法は、
(a)レンズから出射された光を回折格子で回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
(b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
(c)上記シェアリング干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通り、上記2つの光軸を結ぶ直線と所定の角度をなす線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求める工程と、
(d)上記測点位置をZ、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Zの3次関数または4次関数で近似し、該関数の3次の係数値で上記レンズの球面収差を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の形態の評価方法は、
(a)レンズから出射された光を回折格子で回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
(b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
(c)上記シェアリング干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通り、上記2つの光軸を結ぶ直線と所定の角度をなす線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求める工程と、
(d)上記測点位置をZ、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Zの1次関数または2次関数で近似し、該関数の1次の係数値で上記レンズのデフォーカスを評価する工程とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のレンズの評価装置は、上述した評価方法を実施するもので、
(a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
(b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させる移動機構と、
(c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
(d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通らず、上記2つの光軸を結ぶ直線と垂直な線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの球面収差を求める特性検出器とを有する。
上記回折格子は、透過型回折格子、反射型回折格子のいずれでもよい。
【0012】
本発明の他の形態の評価装置は、
(a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
(b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させる移動機構と、
(c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
(d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通り、上記2つの光軸を結ぶ直線と所定の角度をなす線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの球面収差またはデフォーカスを求める特性検出器とを有する。
上記回折格子は、透過型回折格子、反射型回折格子のいずれでもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的実施の形態を説明する。
(1)第1実施形態
図1はレンズ評価装置の概略構成図である。このレンズ評価装置において、レンズ光ヘッド1の対物レンズ2から出射された光は、集光しながら透過型回折格子3へ入射し、検出レンズ4で略平行光に調整された後、結像レンズ5を通して撮像素子6に入射する。撮像素子6は信号処理・表示装置7に接続され、撮像素子6で受像した像が信号処理・表示装置7に表示される。
【0014】
この装置は、透過型回折格子3から0次、±1次、±2次・・・の回折光が得られ、検出レンズ4の開口領域で0次回折光と+1次回折光、あるいは0次回折光と−1次回折光などが部分的に重なり合って干渉が起こるように設計されている。そして、検出レンズ4上に出来た干渉像を、結像レンズ5で撮像素子6に結像させ、干渉像が得られる。
【0015】
撮像素子6上で形成される干渉像の一例を図2に示す。この干渉像は、0次回折光31上で±1次回折光32,33が互いに重なり合っている形成されている。以下、このような異なる次数の回折光の干渉を「シェアリング」または「シェアリング干渉」、干渉によりできる像を「シェアリング干渉像」、回折光の中心を結ぶ軸(図2に示すX軸)を「シェアリング軸」、シェアリング軸の方向を「シェアリング方向」という。
【0016】
シェアリング干渉像は図3に示す干渉縞を含む。図3において、(A)はデフォーカスによる干渉縞、(B)と(C)はコマ収差による干渉縞、(D)は非点収差による干渉縞、(E)は球面収差による干渉縞をそれぞれ示す。一般に、これらの収差は複合的に発生し、実際に得られる干渉縞は(A)から(E)の干渉縞が重なり合った模様となる。ただし、対物レンズ2が回折格子3に正確に焦点合わせされている場合、図3(F)のように、干渉領域に何らの模様も現れない。ただし、対物レンズが全く収差を含まず、しかも対物レンズが回折格子3に対して正確に焦点合わせされている場合、図3(F)のように、干渉領域に何らの模様も現れない。しかし、現実のレンズは種々の収差を含み、これらの収差に応じた干渉縞が干渉領域に現れる。
【0017】
干渉領域において離れた2点の光強度についてみると、これら2点の光強度は対物レンズの収差等に応じて異なる値を示す。また、例えばピエゾ素子などを用いた適当な移動機構8を用いて、回折格子をその格子溝と直交する方向(図1の左右方向)に移動すると、干渉領域における2点の光強度が正弦曲線を描きながら周期的に変化する。同時に、収差が2つの正弦曲線の位相差として現れる。
【0018】
例えば、図5に示すように、0次回折光31と+1次回折光32との干渉領域34についてみると、0次回折光31の回折円中心Oと+1次回折光32の回折円中心Oとを結ぶシェアリング軸(X軸)上で、これら中心OとOとの中心から等距離Lにある2点P、Pで光強度の時間変化を測定すると、図6に示すように、点Pの光強度変化を表した正弦曲線Tの位相φ(P)と点Pの光強度変化を表した正弦曲線Tの位相φ(P)との間には位相差Δφが表れ、その位相差Δφは対物レンズの収差などに依存する。
【0019】
以下、球面収差、デフォーカスの評価方法について説明する。
〔球面収差〕
図7に示すように、平面波を基準としたとき、球面収差の波面は、光軸を中心とした回転対称形をとり、数式(1)で表すことができる。
φ=d・(ξ+η (1)
d:定数
【0020】
したがって、ξ方向にシェアリングした場合、またη方向にシェアリングした場合、それぞれの方向に関する2つの干渉光の強度差(すなわち、位相差)が、シェアリング方向に関して数式(2)、数式(3)の3次関数として表される。dφ/dξ=2d(ξ+η)(2ξ) (2)
dφ/dη=2d(ξ+η)(2η) (3)
【0021】
このことは、レンズに他の収差などがないとした場合、球面収差が、シェアリング干渉像上で図7に示す干渉縞として現れることからも理解できる。したがって、図8(a)に示すように、シェアリング干渉像34上で、0次回折光31と1次回折光32の中心O、Oの中心を通らず、中心OからOOを結ぶ線分の4分の1の距離(又は中心Oから中心OOの4分の1の距離)だけ離れた点を通り、シェアリング軸に垂直な線分上で、複数の点(P、P、…Pn−1,P)をとり、回折格子3をその格子溝と直交する方向に移動させ、各点(P、P、…Pn−1,P)のY座標と各点の位相(φP1、φP2、…、φPn−1、φPn)を座標上にプロットし、そしてプロットした点を2次関数で近似(フィッティング)することにより、球面収差(数式(1)から(3)の定数d)を定量的に求める。
【0022】
球面収差を評価する具体的手順は以下の通りである。
(i)図8(a)に示すように、干渉像上で回折光(回折円)の中心(光軸O、O)、シェアリング軸(X軸)を定める。
(ii)OとOの中心を通らず、中心OからOOを結ぶ線分の4分の1の距離(又は中心Oから中心OOの4分の1の距離)だけ離れた点でX軸と直交する垂線を定め、この垂線上に複数の測点(P、P、…Pn−1,P)を定める。これらの測点は、X軸に関して対称に配置するのが望ましい。
(iii)回折格子3を格子と直交する方向に移動する。
(iv)測点(P、P、…Pn−1,P)の光強度を測定する。
(v)各測点について光強度正弦波形の位相φ(φP1、φP2、…、φPn−1、φPn)を求める。
(vi)各測点のY軸座標と、対応する光強度の位相φ(φP1、φP2、…、φPn−1、φPn)とを、図8(b)に示すように、直交座標系にプロットする。
(vii)プロットした点に2次関数(φ=a・Y+b・Y+c)または3次関数をフィッティングする。
(viii)フィッティングした関数の2次係数(a)を求め、球面収差を評価する。
【0023】
〔デフォーカス〕
図7(b)に示すように、焦点はずれ(デフォーカス)の波面は平面波を基準としたとき、光軸を中心とした回転対称形をとり、数式(4)で表すことができる。
φ=m・(ξ+η) (4)
m:定数
【0024】
したがって、ξ方向に2つの回折光が干渉した場合、また、η方向に2つの回折光が干渉した場合、それぞれの方向に関する2つの干渉光の強度差(すなわち、位相差)が、シェアリング方向に関して、数式(5)、数式(6)の1次関数として表される。
dφ/dξ=2mξ (5)
dφ/dη=2mη (6)
【0025】
このことは、レンズに他の収差等がないとした場合、デフォーカスが、シェアリング干渉像上で図3(B)に示す干渉縞として現れることからも理解できる。
【0026】
したがって、図9(a)に示すように、シェアリング干渉像上で、X軸とY軸と所定の角度(例えば45°)をなすZ軸上に、好ましくはX軸とY軸の交点に関して対称に複数の(P、P、…Pn−1,P)をとり、回折格子3を格子と直交する方向に移動させながら各点(P、P、…Pn−1,P)の位相を求め、これらの座標Zと各点の位相φ(φP1、φP2、…、φPn−1、φPn)を座標上にプロットし、またプロットした点を1次関数(φ=a・Z+b)または2次関数で近似し、さらにこの1次関数または2次関数の1次の係数aを求めることにより、デフォーカスを求めることができる。
【0027】
デフォーカス成分を評価する具体的手段は以下の通りである。
(i)図9(a)に示すように、シェアリング干渉像上で、回折光(回折円)の中心(光軸O、O)、シェアリング軸(X軸)、及び光軸O、Oを結ぶ線分の垂直二等分線(Y軸)、X軸とY軸との交点を通り且つX軸に対して所定の角度θ(30°≦θ≦60°、好ましくは45°)をなすZ軸を定める。
(ii)Z軸上に、複数の測点(P、P、…Pn−1,P)を定める。これらの測点は、X軸とY軸の交点に関して対称に配置するのが好ましい。
(iii)回折格子3を格子と直交する方向に移動する。
(iv)測点(P、P、…Pn−1,P)の光強度を測定する。
(v)各測点について光強度正弦波形の位相φ(φP1、φP2、…、φPn−1、φPn)を求める。
(vi)各測点のZ軸座標と対応する光強度の位相φ(φP1、φP2、…、φPn−1、φPn)とを、図13に示すように直交座標系にプロットする。
(vii)プロットした点に1次関数φ=a・Z+bをフィッティングする。
(viii)フィッティングした1次関数の1次係数aを求め、デフォーカスを評価する。
なお、後に説明するように、球面収差の検出は、第2実施形態で示す球面収差検出方法で行うこともできる。
【0028】
(2)第2実施形態
図10は本発明の第2実施形態を示す。この図に示すレンズ評価システムにおいて、光源であるレーザ発生源11はレーザ光を発射する。この光は可干渉性を有し、例えばヘリウムネオンレーザ光が好適に利用できる。発射されたレーザ光はビームエキスパンダ12によりビーム径を拡大した略平行光とした後、ハーフミラー13で約90度方向が変えられ、被測定レンズ14により反射型回折格子15に照射される。回折格子15からの回折光は、再びレンズ14に入射される。回折格子15は、0次回折光と+1次回折光または−1次回折光がレンズ15の瞳面でシェアリング干渉を生じるように設計されている。このシェアリング干渉光は、レンズ15で略平行光に戻り、ハーフミラー13を透過し、結像レンズ16を通って撮像素子17(例えばCCDセンサ)に入射する。結像レンズ16は、被測定レンズ16の瞳面を撮像素子17に結像する。撮像素子17は信号処理・表示装置18に接続されており、撮像素子17で受像した像が表示される。
【0029】
球面収差を評価する具体的手段は以下の通りである。
(i)図11(a)に示すように、シェアリング干渉像34上で、回折光(回折円)31,32の中心(光軸O、O)、シェアリング軸(X軸)、及び光軸O、Oを結ぶ線分の垂直二等分線(Y軸)、X軸とY軸との交点を通り且つX軸に対して所定の角度θ(30°≦θ≦60°、好ましくは45°)をなすZ軸を定める。
(ii)Z軸上に、複数の測点(P、P、…Pn−1,P)を定める。これらの測点は、X軸とY軸の交点に関して対称に配置するのが好ましい。
(iii)回折格子3を格子と直交する方向に移動する。
(iv)測点(P、P、…Pn−1,P)の光強度を測定する。
(v)各測点について光強度正弦波形の位相φ(φP1、φP2、…、φPn−1、φPn)を求める。
(vi)各測点のZ軸座標と対応する光強度の位相φ(φP1、φP2、…、φPn−1、φPn)とを、図11(b)に示すように直交座標系にプロットする。
(vii)プロットした点に3次関数φ=a・Z+b・Z+c・Z+dをフィッティングする。
(viii)フィッティングした3次関数の3次係数aを求め、球面収差を評価する。
【0030】
なお、球面収差およびデフォーカスの検出は、第1実施形態で示した方法で行うこともできる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明に係るレンズの評価方法、評価装置によれば、レンズ金型を製作する過程で生じた誤差に基づくレンズの局所的な凹凸部の影響を受けずに、球面収差やデフォーカスを正しく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズの評価装置の概略構成を示す図。
【図2】透過型回折格子から出た回折光が干渉する様子を示す図。
【図3】表示装置に表示される回折光の干渉像を示す図。
【図4】干渉領域に形成される干渉縞を示す図。
【図5】干渉領域に設定する測点を示す図。
【図6】干渉領域に設定された測点の光強度の位相変化を示す図。
【図7】球面収差とでフォーカスの波面形状を示す図。
【図8】球面収差を求めるために干渉領域に設定した測点と各測点で測定された位相を二次関数でフィッティングした状態を示す図。
【図9】デフォーカスを求めるために干渉領域に設定した測点と各測点で測定された位相を一次関数でフィッティングした状態を示す図。
【図10】レンズの評価装置の他の形態を示す図。
【図11】球面収差を求めるために干渉領域に設定した測点と各測点で測定された位相を三次関数でフィッティングした状態を示す図。
【図12】レンズの金型を製作する状況を示す図。
【図13】製作された金型の断面図。
【図14】0次と±1次回折光が干渉した状態を示す図。
【図15】干渉領域に設定した測点の例を示す図。
【図16】図15に示す測点の光強度の位相を一次関数でフィッティングした状態を示す図。
【図17】図15に示す測点の光強度の位相を三次関数でフィッティングした状態を示す図。
【符号の説明】
2…対物レンズ、3…回折格子、6…撮像素子、7…信号処理・表示装置、31,32,33…回折光。

Claims (11)

  1. (a)レンズから出射された光を回折格子で回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
    (b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
    (c)上記シェアリング干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通らず、上記2つの光軸を結ぶ直線と垂直な線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求める工程と、
    (d)上記測点位置をY、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Yの2次関数または3次関数で近似し、該関数の2次の係数値で上記レンズの球面収差を評価する工程とを有することを特徴とするレンズ評価方法。
  2. (a)レンズから出射された光を回折格子で回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
    (b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
    (c)上記シェアリング干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通り、上記2つの光軸を結ぶ直線と所定の角度をなす線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求める工程と、
    (d)上記測点位置をZ、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Zの3次関数または4次関数で近似し、該関数の3次の係数値で上記レンズの球面収差を評価する工程とを有することを特徴とするレンズ評価方法。
  3. (a)レンズから出射された光を回折格子で回折し、異なる次数の2つの回折光を干渉させてシェアリング干渉像を得る工程と、
    (b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させて上記回折光の位相を変化させる工程と、
    (c)上記シェアリング干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通り、上記2つの光軸を結ぶ直線と所定の角度をなす線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求める工程と、
    (d)上記測点位置をZ、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Zの1次関数または2次関数で近似し、該関数の1次の係数値で上記レンズのデフォーカスを評価する工程とを有することを特徴とするレンズ評価方法。
  4. 上記2つの回折光が、0次回折光と、±1次回折光のいずれか一方、または+1次回折光と−1次回折光であることを特徴とする請求項1から3のいずれかのレンズの評価方法。
  5. 光学系に含まれる集光レンズの評価装置であって、
    (a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
    (b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させる移動機構と、
    (c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
    (d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通らず、上記2つの光軸を結ぶ直線と垂直な線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの球面収差を求める特性検出器とを有することを特徴とするレンズの評価装置。
  6. 上記球面収差を、上記測点位置をY、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Yの2次関数または3次関数で近似し、該関数の2次の係数値で求めることを特徴とする請求項5記載のレンズの評価装置。
  7. 光学系に含まれる集光レンズの評価装置であって、
    (a)上記レンズを透過した光を回折すると共に、異なる次数の2つの回折光のシェアリング干渉光を出射する回折格子と、
    (b)上記回折格子を上記回折格子に形成された格子溝と直交する方向に移動させる移動機構と、
    (c)上記シェアリング干渉光を受像する受像体と、
    (d)上記受像体で受像したシェアリング干渉光の干渉像において、上記2つの回折光の光軸を結ぶ中点を通り、上記2つの光軸を結ぶ直線と所定の角度をなす線分上の、複数の測点で、光強度変化の位相を求め、上記位相をもとに上記集光レンズの球面収差またはデフォーカスを求める特性検出器とを有することを特徴とするレンズの評価装置。
  8. 上記球面収差を、上記測点位置をZ、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Zの3次関数または4次関数で近似し、該関数の3次の係数値で求めることを特徴とする請求項7記載のレンズの評価装置。
  9. 上記デフォーカスを、上記測点位置をZ、上記位相をφとしたとき、上記位相φを測定位置Zの1次関数または2次関数で近似し、該関数の1次の係数値で求めることを特徴とする請求項7記載のレンズの評価装置。
  10. 上記2つの回折光が、0次回折光と、±1次回折光のいずれか一方、または+1次回折光と−1次回折光であることを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載のレンズの調整装置。
  11. 上記回折格子が、透過型回折格子または反射型回折格子であることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載のレンズの評価装置。
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