JP4143259B2 - 組レンズの調整方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク方式の情報記憶媒体、例えばDVD(Digita1 Versatile Disk)に情報を読み書きする光学レンズ、またレーザ加工機、レーザ露光機、レーザ顕微鏡などにおいて光を結像して光スポットを形成する光学レンズの組立調整を行う方法及びその装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
光ディスク方式の高密度情報記憶媒体から情報を読み取り、またこの高密度情報記憶媒体に情報を記憶するためには、光源から出射された光を目的の場所に正確に照射できる光学系が必要である。このような要求に対し、高い記録密度を実現するためには、使用する波長を短くする、照射光学レンズのNA(開口数)を大きくする、などの方法が知られている。ここで、一般に、NAを大きくするためには、ただ一つのレンズの形状を変えるように設計するのではなく、複数のレンズを組み合わせて一つのレンズとして扱う、いわゆる「組レンズ」の形態にした方が、必要な光学系を実現しやすいことが知られている。そのため、光ディスクにおいても、対物レンズは、NAを大きくする目的で、組レンズが用いられる。ところが、組レンズは、正確に調整しなければ所望の特性が得られない。そこで、正確な調整を行うために、一般的には、図1に示す干渉計測装置が使用されている。
【0003】
この干渉計測装置によれば、光源ドライバ10の指示に基づいて光源11から出射された光は、コリメートレンズ12により平行光に変換された後、ハーフミラー13へ入射する。ハーフミラー13において、光は、ハーフミラー13を透過する光と、ハーフミラー13で反射する光に分かれる。ハーフミラー13を透過した光は、被調整レンズ14,15により集光され、カバーガラス16を透過して結像点(集光スポット位置)Fに結像する。その後、結像した光は再び広がりながら進行し、球面形状の反射面を持つ参照球面17へ入射する。ここで、参照球面17の曲率中心が結像点Fに一致すれば、一般的に知られているように、参照球面17の反射光は再び集光スポット位置Fで集光する。集光した光は、再度被調整レンズ14,15を通り、ハーフミラー13に入射する。入射した光の一部はハーフミラー13で反射し、受像素子18に入射する。
【0004】
一方、コリメートレンズ12からハーフミラー13に入射した光のうち、このハーフミラー13で反射した光は、基準平面19で反射し、再びハーフミラー13に戻り、その一部がハーフミラー13を透過して受像素子18に受像される。
【0005】
以上のようにして受像素子18に入射した2つの光は、互いに干渉して干渉縞を形成する。解析装置20は干渉縞を解析し、この干渉縞に含まれる収差を検出する。
【0006】
解析装置20で実行される解析において、基準平面19と参照球面17との反射面の形状は理想的な幾何形状とみなされ、検出した収差は被調整レンズ14,15に起因するものとして扱われる。そして、検出された収差に基づき、被調整レンズ14,15を保持しているレンズ保持具21,22を移動機構23,24によって移動し、被調整レンズ14,15の位置が調整される。
【0007】
ところが、この調整方法では、被調整レンズ14,15を調整すればこれらの被調整レンズ14,15による光の集光スポット位置Fが移動する。そのため、被調整レンズ14,15の位置調整に併せて、参照球面17の位置調整を行う必要がある。しかし、参照球面17の調整量は、数ミクロン程度と非常に小さいうえ、しかもそのような非常に小さい程度の調整を正確に行なわなければならないことから、多くの時間を要する。その結果、被調整レンズの調整を含めた全体の調整に多くの時間を要していた。また、被調整レンズ14,15をそれらの光軸を中心に回転調整する場合、回転中心のずれのため、回転方向だけでなく、例えば水平方向や垂直方向など回転方向以外の方向へもレンズが変位してしまい、所望の特性に達するまでに多くの調整回数が必要となり、結果的に調整に多くの時間を要していた。
【0008】
そこで、本発明は、短い時間で組レンズを調整することができる調整方法および調整装置を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】
この目的を達成するため、本発明の組レンズ調整方法は、
(a)コリメートした光を被調整レンズで集光する工程と、
(b)上記集光された光を透過型回折格子で回折して干渉させ干渉光を形成する工程と、
(c)上記干渉光を集光して干渉像撮像素子へ結像する工程と、
(d)上記干渉像撮像素子における干渉像から収差を検出する工程と、
(e)上記干渉光をスポット像撮像素子上で集光スポットにする工程と、
(f)上記検出した収差と、上記検出した集光スポットの位置に基づいて上記被調整レンズを調整する工程とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る組レンズ調整方法の形態は、
上記工程に
(g)被調整レンズの位置を所定量変化させる工程と、
(h)(g)における、検出収差量の変化を検出する工程と、
(i)レンズの位置変化量あたりの収差変化量を算出する工程と
を付加し、上記収差変化量に基づいて上記調整する量を制御すること
を特徴とする。
【0011】
本発明に係る組レンズ調整方法の形態は、
上記透過型回折格子の格子ピッチが
0.5<λ/sin(θ)/p<2.0
λ:光の波長
θ:回折角
p:格子ピッチ
の関係を満たすことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る組レンズ調整方法の形態は、上記収差のうちの非点収差を、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を格子方向と直交する方向に関して左右2等分する垂直なラインでの位置yと位相データξ(y)の関係を1次関数フィッティングさせたときの1次係数の大きさとして検出すること
を特徴とする。
【0013】
本発明に係る組レンズ調整方法の形態は、上記収差のうちのコマ収差を、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を、格子方向と直交する方向に関して左右2等分する垂直なラインでの位置yと位相データξ(y)の関係を2次関数フィッティングさせたときの2次係数の大きさとして検出すること
を特徴とする。
【0014】
本発明に係る組レンズ調整方法の形態は、上記収差のうちのデフォーカスを、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を、格子方向に上下2等分する水平なラインでの位置xと位相データξ(x)の関係を1次関数フィッティングさせたときの1次係数の大きさとして検出することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る組レンズ調整方法の形態は、上記収差のうちのコマ収差を、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を格子方向と直交する方向に関して左右2等分する垂直なラインと、上記干渉領域を格子方向に関して上下2等分する水平なラインとの交点を通り、上記水平なラインと略±45度を成す2本の2本の斜めなラインでの位置zと位相データξ(z)、および位置z’と位相データξ(z’)の関係を2次関数フィッティングさせたときの2次係数の大きさの差として検出すること
を特徴とする。
【0016】
本発明に係る組レンズ調整方法の形態は、上記収差のうちの球面収差を、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を格子方向と直交する方向に関して左右2等分する垂直なライン以外の2本の垂直なラインでの位置yと位相データξ(y)、および位置y’と位相データξ(y’)の関係を2次関数フィッティングさせたときの2次係数の大きさの差として検出することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る組レンズ調整装置は、
(a)コリメートされた光を出射する光源と、
(b)上記被調整レンズからの集光光を回折して干渉させ干渉光を形成する透過型回折格子と、
(c)上記干渉光を受像する干渉像撮像素子と、
(d)上記干渉光を集光して上記撮像素子に導く結像光学系と、
(e)上記干渉像を処理して収差を検出する第1処理装置と、
(f)上記干渉光を集光して受像するスポット像撮像素子と、
(g)上記スポット像の位置を検出する第2処理装置と、
(h)上記第1処理装置で検出した収差と、上記第2処理装置で検出した集光スポットの位置に基づいて、複数の被調整レンズを個別に調整する調整装置と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る組レンズ調整装置の他の形態は、
(a)コリメートされた光を出射する光源と、
(b)上記被調整レンズからの集光光を回折して干渉させる透過型回折格子と、
(c)上記干渉光を受像する干渉像撮像素子と、
(d)上記干渉光を集光して上記撮像素子に導く結像光学系と、
(e)上記干渉像を処理して収差を検出する第 1処理装置と、
(f)上記干渉光を集光して受像するスポット像撮像素子と、
(g)上記スポット像の位置を検出する第2処理装置と、
(h)上記第1処理装置で検出した収差と、上記第2処理装置で検出した集光スポットの位置に基づいて、ある被調整レンズを他の被調整レンズの駆動装置ごと駆動できるように配置した調整装置と、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る別の組レンズ調整装置は、
(a)コリメートされた光を出射する光源と、
(b)複数の被調整レンズを駆動する調整装置と、
(c)上記被調整レンズからの集光光を回折して干渉させる透過型回折格子と、
(e)上記干渉光を受像する干渉像撮像素子と、
(d)上記干渉光を集光して上記撮像素子に導く結像光学系と、
(f)上記干渉像を処理して収差を検出する処理装置と、
(g)上記干渉光を集光して受像するスポット像撮像素子と、
(h)上記スポット像の位置を表す装置と、
(i)上記調整装置を所定量駆動する手段と、調整装置駆動時に上記処理装置で検出した収差量の変化から、被調整レンズの位置変化量あたりの収差変化量を算出する手段と、上記収差変化量に基づいて上記調整する量を制御する手段とを備えた制御装置とを有することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る組レンズ調整装置の他の形態は、上記回折格子を、その格子面内で格子方向と直交する方向の成分を含む方向へ駆動する微動ステージを有することを特徴とする。
【0021】
本発明に係る組レンズ調整装置の他の形態は、上記透過型回折格子のピッチが
0.5<λ/sin(θ)/p<2.0
λ:光の波長
θ:回折角
p:格子ピッチ
の関係を満たすことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的実施の形態を説明する。
(1)第1実施形態
図2は本発明の第1実施形態にかかる組レンズ調整システムを示す。この図に示す組レンズ調整システムにおいて、光源ドライバ50の駆動に基づいて光源51から出射した光は、コリメートレンズ52によって平行光に変換された後、被調整レンズ53,54に入射する。レンズ53,54を通過した光は、これらレンズ53,54によって透過型回折格子55上に集光される。回折格子55を透過した光は、広がりながらコリメートレンズ56に入射する。コリメートレンズ56を透過した光は平行光となり、ハーフミラー57に入射する。ハーフミラー57は、これに入射した光を、該ハーフミラー57を透過する光と、該ハーフミラー57で反射する光に分ける。そして、ハーフミラー57を透過した光は集光レンズ58により集光され、該集光レンズ58の瞳面が受像素子(撮像素子)59に受像される。一方、ハーフミラー57で反射した光は、結像レンズ60によって撮像素子(受像素子)61に集光スポットとして結像される。
【0023】
このシステムにおいて、光は透過型回折格子55により回折を起こす。したがって、回折格子55を透過した光は、図3に示すように、0次、±1次、±2次、・・の回折光となる。このとき、回折格子55に角度(回折格子に対する光の入射絞り角)φで絞られながら入射した光は、回折角(出射角度)θの広がりをもつ±1次回折光を生じる。また、±1次光の出射角度θは、よく知られているように、回折格子ピッチpと波長λから、式(1)で与えられる。
p=λ/sin(θ) (1)
したがって、角度θを適宜選択すれば、図3に示すように、±1次回折光の輪郭が互い近づき、0次回折光と+1次回折光、また0次回折光と−1次回折光が重なる。また、これらの重なった光は、集光レンズ56の瞳面上で干渉縞を形成し、この干渉縞が受像素子59に結像される。そして、処理装置62は、受像素子59に受像された干渉縞をもとに、集光レンズ56の瞳面に入射した光のもつ収差を検出する。
【0024】
処理装置62では以下の処理が行なわれる。まず、収差について説明すると、図4に示すように、得られる干渉縞は、レンズ53,54に含まれる収差の種類によってさまざまな模様となって現れる。収差の種類は、一般的に知られているが、ここではデフォーカス〔図4(a)〕、x方向のコマ収差〔図4(b)〕、y方向のコマ収差〔図4(c)〕、非点収差〔図4(d)〕、球面収差〔図4(e)〕が表されている。なお、図4(f)は収差ゼロのときの干渉縞(無模様)であり、このような無模様の状態が得られるようにレンズ53,54を調整することが目標である。
【0025】
レンズの位置ずれの種類(例えば、光軸方向へのずれ、光軸と直交する特定方向へのずれ、光軸と該特定方向の両方に直交する方向のずれ)によって、生成される収差は異なる。いずれの位置ずれがいかなる収差を生じるかは、レンズの設計に依存する。換言すれば、干渉縞から各収差を検出し、それに相当する位置ずれを補正することができる。
【0026】
干渉縞から各収差成分を抽出する方法を以下に述べる。精度よく各収差を検出するには、一般に知られているフリンジスキャン法が好適に用いられる。具体的に、例えばピエゾ素子を利用したピエゾ型移動機構(微動ステージ)63を用いて回折格子55を、該回折格子55の格子方向と直交する方向又は該直交する成分を含む方向に移動すると、干渉領域における各の光強度が正弦波状に変化する。いま、収差がなく、そのために干渉領域に何らの模様もない状態を考えると、干渉領域内のすべての点において、光の強度変化が一様に(同時に)起こる。換言すれば、ある点と別の点との間で、それぞれの光強度変化に位相差が存在しない。逆に、干渉領域における任意の2つの点で位相差があれば、そのことはレンズ53,54に何らかの収差が存在することを意味する。
【0027】
なお、位相差を無視し、単に光強度だけに着目した場合、レンズ53,54へ入射する光に強度むらがあれば、レンズ53,54に収差が無いにも拘わらず、収差が存在するという誤って認識する可能性がある。これに対し、フリンジスキャン法の場合、強度むらに影響されることなく、位相差に基づいて高い精度の収差検出が行なえる。そして、処理装置62は、回折格子55をピエゾ型移動機構63によって移動(微動)し、干渉領域内に設定されたある基準線上の複数の点で光強度の位相を求め、それらの位相差をもとに対応する収差を求める。
【0028】
干渉領域内に設定する基準線について図5を参照して説明する。なお、図5において、符号Yは、回折格子55に形成されている格子(例えば、スリット)の長手方向(格子方向)又は縦軸を指す。また、符号Xは、方向Yに直交する方向又は横軸を指す。この図に示されている複数の線のうち、デフォーカスの検出は、干渉領域の中心を通りX方向に伸びる横ライン(X軸)上の複数の点における強度位相データを使う。なお、デフォーカスは縦じま成分〔図4(a)参照〕なので、横ライン(X軸)上の複数の点における、位置と位相との関係の一次成分を抽出すればよい。具体的に、横ライン上の位置xにおける位相ξ(x)の関係を一次関数でフィッティングし、その一次関数の1次係数の大きさとして検出される。
【0029】
同様に、X方向コマ収差は、干渉領域の中心を通りY方向に伸びる縦ライン(Y1)上の位置yにおける位相ξ(y)の関係を2次関数でフィッティングした2次式の2次係数の大きさとして検出される。
【0030】
Y方向コマ収差は、干渉領域の中心を通り且つ横ライン(X軸)と所定の角度(例えば、135°)をもって交叉する第1の斜めライン(Z1)上の位置zにおける位相ξ(z)の関係を2次関数でフィッティングした2次式の2次係数と、干渉領域の中心を通り且つ横ライン(X軸)と所定の角度(例えば、45°)をもって交叉する第2の斜めライン(Z2)上の位置z’における位相ξ(z’)の関係を2次関数でフィッティングした2次式の2次係数の差で検出する。
【0031】
非点収差は、縦ライン(Y軸)上の位置yにおける位相ξ(y)の関係を1次関数でフィッティングした1次式の1次係数の大きさとして検出する。
【0032】
球面収差は、縦ライン(Y1)と平行に伸び且つ干渉領域を4等分する複数の縦ラインのうち、中央の縦ライン(Y1)の一方側(図面上は左側)にある縦ライン(Y2)上の位置yにおける位相ξ(y)を2次関数でフィッティングした2次係数と、中央の縦ライン(Y1)の他方側(図面上は右側)にある縦ライン(Y2)上の位置y’における位相ξ(y’)を2次関数でフィッティングした2次係数との差で検出する。
【0033】
そして、以上のようにして処理装置62で検出された各収差は制御装置69に送られる。そして、制御装置69は、各収差をもとに、移動機構(調整装置)66,67を駆動し、レンズ保持具64、65及びこれらに保持されたレンズ53,54を位置調整する。
【0034】
一方、受像素子61で受像したスポット像の位置は、回折格子55上でのスポット位置を表す。そして、レンズ53,54の位置(光軸と直交する方向の位置)によってスポット位置が変化する。そこで、システムの光学系とレンズ53,54の光軸が大きく外れないように、受像素子61で受像したスポット位置を処理装置68が検出する。処理装置で検出されたスポット位置に関する情報は制御装置69に送られる。制御装置69は、スポット位置がシステム光学系の光軸から外れている場合、移動機構66,67を駆動し、レンズ保持具64,65を介して、レンズ53,54を光軸と直交する方向に移動し調整する。
【0035】
システム光学系の光軸とレンズ53,54を含む光学系の光軸との位置ずれの許容範囲は、図1に示す参照球面17とスポット位置Fとの位置ずれ許容値よりも大きくとれる。また、図1従来のシステムの場合、位置ずれによって生じる波面収差は干渉縞に現れてしまう。これに対し、図2に示す本願発明の光学系の場合、回折格子55を出射して干渉した後に、干渉縞そのものは変化しない。したがって、干渉縞解析において、本願発明の光学系における位置ずれ許容値は大きくとれる。
【0036】
なお、回折格子55の格子ピッチpは式(1)を満足する値に近いほど好ましい。式(1)を満足する値からずれると、たとえば±1次回折光が離れすぎ、結果として0次回折光と+1次回折光の干渉領域、および0次回折光と−1次回折光の緩干渉領域が小さくなったり、±1次回折光が接近し過ぎて+1次回折光と−1次回折光の干渉も生じてしまい、結果として0次回折光と+1次回折光の干渉領域、および0次回折光と−1次回折光の緩干渉領域が小さくなってしまう。この点から、格子ピッチpは式(3)の関係を満足するように設定するのが好都合である。
0.5<λ/sin(θ)/p<2.0 (3)
【0037】
(2)第2実施形態
図6は本発明の第2実施形態を示す。この実施形態は、上述した第1実施形態と、レンズ53,54を移動する機構が異なる。具体的に、レンズ54の移動機構が、他方のレンズ53のレンズ保持具64に支持されている。この実施形態によれば、両レンズ53,54を、両者の相対的位置関係を保持した状態で、移動できる。したがって、例えば、一方の移動機構66だけを駆動することにより、両レンズ53,54の位置関係を保ったまま、レンズ53,54を共に所定距離だけ特徴の方向に移動できる。そのため、調整に要する時間が大幅に短縮できる。なお、格子ピッチは第一実施形態で説明した通り、本実施形態でも式(3)の関係を満足するように設定するのが好都合である。
【0038】
なお、レンズ53,54の収差は、移動機構66,67でレンズ53,54を所定量だけ移動すると共に、移動前と移動後の各収差を比較し、その比較結果から各調整軸(調整方向)に対する収差変化量を求め、その収差変化量から当該調整軸に関する収差をゼロにする変位量を求め、その変位量だけレンズ53,54を移動してもよい。なお、これらの処理は、制御装置69に格納されているプログラムの各処理ステップ又は手段として与えることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明に係る組みレンズ調整方法および調整装置によれば、組レンズと該組レンズを組み込まれたシステムとの正確な光軸調整が短時間で正確に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の組レンズ調整システムの一例を示す概略図
【図2】 本発明の第一実施形態の概略図
【図3】 回折格子での回折を示す図
【図4】 干渉縞の一例を示す図
【図5】 干渉領域に設定されるラインの説明図。
【図6】 本発明の第2実施形態の概略図
【符号の説明】
51:光源
53,54:被調整レンズ
55:透過型回折格子
59,61:受像素子(撮像素子)
62,68:処理装置
66,67:移動機構(調整装置)
69:制御装置
Claims (13)
- 組レンズの調整方法であって、
(a)コリメートした光を被調整レンズで集光する工程と、
(b)上記集光された光を透過型回折格子で回折して干渉させ干渉光を形成する工程と、
(c)上記干渉光を集光して干渉像撮像素子へ結像する工程と、
(d)上記干渉像撮像素子における干渉像から収差を検出する工程と、
(e)上記干渉光をスポット像撮像素子上で集光スポットにする工程と、
(f)上記検出した収差と、上記検出した集光スポットの位置に基づいて上記被調整レンズを調整する工程とを有すること
を特徴とする組レンズ調整方法。 - 上記工程に
(g)被調整レンズの位置を所定量変化させる工程と、
(h)(g)における、検出収差量の変化を検出する工程と、
(i)レンズの位置変化量あたりの収差変化量を算出する工程と
を付加し、上記収差変化量に基づいて上記調整する量を制御すること
を特徴とする請求項1記載の組レンズ調整方法。 - 上記透過型回折格子の格子ピッチが
0.5<λ/sin(θ)/p<2.0
λ:光の波長
θ:回折角
p:格子ピッチ
の関係を満たすこと
を特徴とする請求項1または2記載の組レンズ調整方法。 - 上記収差のうちの非点収差を、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を格子方向と直交する方向に関して左右2等分する垂直なラインでの位置yと位相データξ(y)の関係を1次関数フィッティングさせたときの1次係数の大きさとして検出すること
を特徴とする請求項3記載の組レンズ調整方法。 - 上記収差のうちのコマ収差を、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を、格子方向と直交する方向に関して左右2等分する垂直なラインでの位置yと位相データξ(y)の関係を2次関数フィッティングさせたときの2次係数の大きさとして検出すること
を特徴とする請求項3記載の組レンズ調整方法。 - 上記収差のうちのデフォーカスを、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を、格子方向に上下2等分する水平なラインでの位置xと位相データξ(x)の関係を1次関数フィッティングさせたときの1次係数の大きさとして検出すること
を特徴とする請求項3記載の組レンズ調整方法。 - 上記収差のうちのコマ収差を、上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領域を格子方向と直交する方向に関して左右2等分する垂直なラインと、上記干渉領域を格子方向に関して上下2等分する水平なラインとの交点を通り、上記水平なラインと略±45度を成す2本の2本の斜めなラインでの位置zと位相データξ(z)、および位置z’と位相データξ(z’)の関係を2次関数フィッティングさせたときの2次係数の大きさの差として検出すること
を特徴とする請求項3記載の組レンズ調整方法。 - 上記収差のうちの球面収差を、
上記透過型回折格子又は被調整レンズを格子方向と直交する方向に移動してできる干渉領 域を格子方向と直交する方向に関して左右2等分する垂直なライン以外の2本の垂直なラインでの位置yと位相データξ(y)、および位置y’と位相データξ(y’)の関係を2次関数フィッティングさせたときの2次係数の大きさの差として検出すること
を特徴とする請求項3記載の組レンズ調整方法。 - 複数のレンズを調整して組レンズを組立てる装置であって、
(a)コリメートされた光を出射する光源と、
(b)上記被調整レンズからの集光光を回折して干渉させ干渉光を形成する透過型回折格子と、
(c)上記干渉光を受像する干渉像撮像素子と、
(d)上記干渉光を集光して上記撮像素子に導く結像光学系と、
(e)上記干渉像を処理して収差を検出する第 1処理装置と、
(f)上記干渉光を集光して受像するスポット像撮像素子と、
(g)上記スポット像の位置を検出する第2処理装置と、
(h)上記第1処理装置で検出した収差と、上記第2処理装置で検出した集光スポットの位置に基づいて、複数の被調整レンズを個別に調整する調整装置と、を有すること
を特徴とする組レンズ調整装置。 - 複数のレンズを調整して組レンズを組立てる装置であって、
(a)コリメートされた光を出射する光源と、
(b)上記被調整レンズからの集光光を回折して干渉させる透過型回折格子と、
(c)上記干渉光を受像する干渉像撮像素子と、
(d)上記干渉光を集光して上記撮像素子に導く結像光学系と、
(e)上記干渉像を処理して収差を検出する第1処理装置と、
(f)上記干渉光を集光して受像するスポット像撮像素子と、
(g)上記スポット像の位置を検出する第2処理装置と、
(h)上記第1処理装置で検出した収差と、上記第2処理装置で検出した集光スポットの位置に基づいて、ある被調整レンズを他の被調整レンズの駆動装置ごと駆動できるように配置した調整装置と、を有すること
を特徴とする組レンズ調整装置。 - 複数のレンズを調整して組レンズを組立てる装置であって、
(a)コリメートされた光を出射する光源と、
(b)複数の被調整レンズを駆動する調整装置と、
(c)上記被調整レンズからの集光光を回折して干渉させる透過型回折格子と、
(e)上記干渉光を受像する干渉像撮像素子と、
(d)上記干渉光を集光して上記撮像素子に導く結像光学系と、
(f)上記干渉像を処理して収差を検出する処理装置と、
(g)上記干渉光を集光して受像するスポット像撮像素子と、
(h)上記スポット像の位置を表す装置と、
(i)上記調整装置を所定量駆動する手段と、調整装置駆動時に上記処理装置で検出した収差量の変化から、被調整レンズの位置変化量あたりの収差変化量を算出する手段と、上記収差変化量に基づいて上記調整する量を制御する手段とを備えた制御装置とを有することを特徴とする組レンズ調整装置。 - 上記透過型回折格子を、その格子面内で格子方向と直交する方向の成分を含む方向へ駆動する微動ステージを有すること
を特徴とする請求項9から11いずれか記載の組レンズ調整装置。 - 上記透過型回折格子のピッチが
0.5<λ/sin(θ)/p<2.0
λ:光の波長
θ:回折角
p:格子ピッチ
の関係を満たすことを特徴とする請求項12記載の組レンズ調整装置。
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