JP4125967B2 - ローマンシェード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の生地を備えた多重生地使いのローマンシェードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のローマンシェードとしては、ヘッドレールの前後の壁に第1の生地及び第2の生地が取り付けられ、ヘッドレールから昇降可能に垂下され、それぞれの生地に連結される第1及び第2の昇降コードの一端部が、それぞれの生地の後面側に配されるようにした多重生地使いのローマンシェードが知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載されたローマンシェードでは、第1の昇降コードまたは第2の昇降コードを操作することによって、それぞれ第1の生地を昇降させたり、第2の生地を昇降させたりすることができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−211993号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に示されたローマンシェードでは、第1の生地の上端はヘッドレールの前壁の前面に、第2の生地の上端はヘッドレールの後壁の後面に取り付けられているが、生地を洗濯や取替えのために着脱しようとした場合には、ヘッドレールを固定するブラケットによって形成される後壁後方の隙間が大きくないことや、後壁に形成される生地取付部が後に隠れているために、直接目で確認することができないことによって、第2の生地の着脱作業が非常に行いずらいという課題がある。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、第1及び第2の生地の着脱作業を簡単に行うことができるローマンシェードを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ヘッドレールに形成される前後壁に第1の生地及び第2の生地の上端がそれぞれ取り付けられ、ヘッドレールから昇降可能に垂下され、それぞれの生地に連結される第1及び第2の昇降コードの一端部が、それぞれの生地に沿って上下方向に配されるローマンシェードにおいて、第1及び第2の生地の上端は前後壁のそれぞれの前面側の生地取付部分に着脱自在に取り付けられており、前記後壁の生地取付部分は、前壁の生地取付部分よりも下側に上下方向にオーバラップせずにずれて配置され、第2の昇降コードの他端部が第1の昇降コードの他端部よりも下方位置でヘッドレール(12)に沿って導かれることを特徴とする。
【0008】
前後壁の生地取付部分は、上下方向にオーバラップせずにずれて配置されることから、それぞれの生地取付部分からのまたは生地取付部分への生地の着脱を行う際に、他の生地取付部分や機構部品が邪魔になることなく、また、各生地取付部分を直接目視することができるので、その作業性を格段に向上させることができる。
【0009】
後壁の生地取付部分を直接目視することができるので、後壁の生地取付部分への第2の生地着脱を簡単に行うことができる。また、後壁に取り付けられる第2の生地の高さ方向の要尺を小さくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。尚、以下の実施形態は本発明を限定するものではない。
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態に係るローマンシェードを表す正面図、図2はその斜視図である。このローマンシェード10は、壁面または天井面に取り付けられるヘッドレール12を有している。ヘッドレール12は、押出成形等によって一体成形されて、図3に示す横断面形状をなしており、天板部12eと、該天板部12eの前後から適宜間隔を隔てて垂下する前壁12a及び後壁12bとを有している。天板部12eは、壁面または天井面に固定されるブラケット13に取付け可能な支持部12fをさらに有している。後壁12bと前壁12aの上下方向の長さは同じではなく、後壁12bは前壁12aよりも長く、前壁12aよりも下方まで延びている。
【0015】
前壁12aと後壁12bのそれぞれの前面には、生地を取り付けるべく、面ファスナ16a、16bを保持する係合部12g、12hが設けられており、この係合部12g、12hの部分が生地取付部分となる。後壁12bの生地取付部分である係合部12hは、前壁12aの生地取付部分である係合部12gよりも低い位置にあり、上下方向に全くオーバラップしないようにずらした位置に配置されている。
【0016】
図4に示したように、係合部12gに保持される面ファスナ16aには、第1の生地20の上端に固着された面ファスナ21が係合され、こうして、第1の生地20が着脱可能にヘッドレール12の前壁12aの生地取付部分に取り付けられる。同様に、面ファスナ16bには、第2の生地22の上端に取り付けられた面ファスナ23が係合され、こうして、第2の生地22が着脱可能にヘッドレール12の後壁12bの生地取付部分に取り付けられる。第1の生地20と第2の生地22とは、全く同じ生地としても良いが、互いに異なる遮光率、異なる色及び/または異なる柄を持つ生地として、種々の組み合わせとすることが可能である。
【0017】
前壁12aと後壁12bの下部にはそれぞれ下向きの小さなコ字状をなした前側レール部12cと後側レール部12dとが形成されている。前側レール部12cと後側レール部12dには、それぞれ複数のコード挿通リング14がヘッドレール12の長手方向の任意の位置に位置調整可能に取り付けられる。
【0018】
前側レール部12cに取り付けられたコード挿通リング14には、複数本の第1の昇降コード24aが挿通される。各第1の昇降コード24aの一端部は、対応する所定のコード挿通リング14から垂下されて、第1の生地20の後面に沿ってその後面に上下方向に所定間隔を空けて取り付けられた複数のコードリング25aを挿通して、上下方向に配され、第1の生地20の下端に取り付けられたウエイトバー26aまたは最下端のコードリング25a1に連結される。また、第1の昇降コード24aの他端部は、コード挿通リング14を挿通して、ヘッドレール12の端部に導かれて、ストッパ28aを挿通した後、ヘッドレール12の端部から垂下されて、操作つまみ30aに連結される。
【0019】
同様に、後側レール部12dに取り付けられたコード挿通リング14には、複数本の第2の昇降コード24bが挿通される。各第2の昇降コード24bの一端部は、対応する所定のコード挿通リング14から垂下されて、第2の生地22の後面に沿ってその後面に上下方向に所定間隔を空けて取り付けられた複数のコードリング25bを挿通して、上下方向に配され、第2の生地22の下端に取り付けられたウエイトバー26bまたは最下端のコードリング25b1に連結される。また、第2の昇降コード24bの他端部は、コード挿通リング14を挿通してヘッドレール12の端部に導かれて、ストッパ28bを挿通した後、ヘッドレール12の端部から垂下されて、操作つまみ30bに連結される。
【0020】
以上のように構成されるローマンシェードにおいて、各生地20、22をそれぞれ昇降させるのは、ヘッドレール12の端部に配され、生地20または22に対応する操作つまみ30aまたは30bを操作することにより、従来と同様に行うことができる。
【0021】
また、この生地20、22を洗濯または取替えを行うために取り外す場合には、各昇降コード24a、24bの一端部と、ウエイトバー26a、26bまたは最下端のコードリング25a1、25b1との連結を解除して、各昇降コード24a、24bを複数のコードリング25a、25bから抜き取った後、生地20、22の上端の面ファスナ21、23を、それぞれ面ファスナ16a、16bから外す。こうして、生地20、22は、ヘッドレール12から取り外される。そして、洗濯後または取替え後の生地20、22を再び、逆の手順によって、ヘッドレール12に取り付ける。これらの作業の中で、特に第2の生地22を取り外し、または取り付ける際に、後壁12bの生地取付部分が後壁12bの前面にあって、しかも、前壁12aの生地取付部分とオーバラップしていないために、前壁12aを含めてヘッドレール12の他の部分が邪魔になることなく、作業性が向上する。特に、後壁12bの生地取付部分が前壁12aの生地取付部分よりも下側に配置されているため、直接、目視でき、さらには前壁12a、天板部12e及び後壁12bとによって囲まれる狭い空間に手を挿入する必要がなく、前側から後壁12bの部分にアクセスしやすくなっているために、第2の生地着脱の作業性が格段向上することになる(図5参照)。
【0022】
また、後壁12bの生地取付部分が後壁12bの前面にあるために、第2の生地22が後側レール部12dよりも前側に配置され、その結果として第2の昇降コード24bを第2の生地22の後面に配することが容易にできるようになる。また、後壁12bの生地取付部分が前壁12aの生地取付部分よりも下側に配置されるために、第2の生地22は、第1の生地20よりも上下方向の要尺を小さくすることができる。
【0023】
図6ないし図8は、本発明の参考形態を表すヘッドレールの横断面形状である。この例のヘッドレール32では、押出成形等によって一体成形されるヘッドレール本体34と、一体のレール片36とから構成される。ヘッドレール本体34は、天板部34eと、該天板部34eの後から垂下する後壁34bと、後壁34bの下部に形成された後側レール部34dとを有している。レール片36は、ヘッドレールの前壁36aを構成し、さらに前壁36aの下部には前側レール部36cが形成される。このレール片36の上端部は、ヘッドレール本体34の天板部34eの下面に形成された軸支部34aに軸着されており、この軸支部34aを中心として、レール片36は前後に揺動回動可能となっている。常時は、レール片36は、重力によって上下方向を向いている。前壁36aには、面ファスナ16aを保持する係合部36gが設けられており、後壁34bには、面ファスナ16bを保持する係合部34hが設けられており、この係合部36g、34hの部分が生地取付部分となる。つまり、前壁36aの生地取付部分は、ヘッドレール本体34に対して可動となり、レール片36の前後の揺動によって、後壁34bの生地取付部分に対して上下方向にずれる位置に移動することができるようになっている。
【0024】
この参考形態においても、図7に示す状態から生地20、22を洗濯または取替えを行うために取り外す場合には、第1の生地20を取り外した後、図8に示すように、前壁36aを前側に揺動させると、前壁36a、天板部34e及び後壁34bとによって囲まれるヘッドレール32内部のスペースが広がり、後壁34bの生地取付部分が外部に露出して、第2の生地22の取り外しを簡単に行うことができる。第2の生地22の取付けを行う際も同様である。このように、生地22の着脱作業の際に、前壁36aを含めてヘッドレール32の他の部分が邪魔になることなく、また、後壁34bの生地取付部分が露出して直接、目視でき、さらには、前側から手で該生地取付部分にアクセスしやすいために、第2の生地22着脱の作業性が格段に向上する。
【0025】
前壁36aの生地取付部分はヘッドレール本体34に対して揺動回動可能であったが、これに限るものではなく、ヘッドレール本体34に対して摺動、滑動可能とすることも可能であり、その移動方向は、上下方向または水平方向とすることも可能である。また、前壁36aの代わりに後壁34bの生地取付部分がヘッドレール本体に対して可動とすることも可能であり、いずれの場合においても、生地取付部分が可動であることにより、前壁36a及び後壁34bの上下方向の相対位置がずれて、前壁36aが邪魔になることなく、後壁34bの生地取付部分への第2の生地22の着脱が容易にできる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、前後壁の生地取付部分が、上下方向にずれることから、それぞれの生地取付部分からのまたは生地取付部分への生地の着脱を行う際に、他の生地取付部分や機構部品が邪魔になることなく、また、各生地取付部分を直接目視することができるので、その作業性を格段に向上させることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るローマンシェードを表す正面図である。
【図2】 本発明の実施形態に係るローマンシェードを表す斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態に係るローマンシェードのヘッドレールの横断面図である。
【図4】 図1の4−4線に沿って見た断面図である。
【図5】 第2の生地の着脱を表す図4相当図である。
【図6】 本発明の参考形態に係るローマンシェードのヘッドレールの横断面図である。
【図7】 参考形態の図4に相当する断面図である。
【図8】 参考形態の第2の生地の着脱を表す図7相当図である。
【符号の説明】
10 ローマンシェード
12 ヘッドレール
12a 前壁
12b 後壁
12g 係合部(生地取付部分)
12h 係合部(生地取付部分)
32 ヘッドレール
34 ヘッドレール本体
34b 後壁
34h 係合部(生地取付部分)
36a 前壁
36g 係合部(生地取付部分)

Claims (1)

  1. ヘッドレール(12)に形成される前後壁(12a、12b)に第1の生地(20)及び第2の生地(22)の上端がそれぞれ取り付けられ、ヘッドレール(12)から昇降可能に垂下され、第1及び第2の生地(20、22)にそれぞれ連結される第1及び第2の昇降コード(24a、24b)の一端部が、それぞれの生地(20、22)に沿って上下方向に配されるローマンシェードにおいて、
    第1及び第2の生地(20、22)の上端は前後壁(12a、12b)のそれぞれの前面側の生地取付部分(12g、12h)に着脱自在に取り付けられており、前記後壁(12b)の生地取付部分(12h)は、前壁(12a)の生地取付部分(12g)よりも下側に上下方向にオーバラップせずにずれて配置され、第2の昇降コード(24b)の他端部が第1の昇降コード(24a)の他端部よりも下方位置でヘッドレール(12)に沿って導かれることを特徴とするローマンシェード。
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