JP3981032B2 - たくし上げカーテン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たくし上げカーテンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、たくし上げカーテンの一種類として、取付面に固定されるフレームからカーテン生地を吊下支持し、同フレームに回転可能に支持される巻取パイプから昇降コードを垂下してカーテン生地の下端部に接続し、昇降コードを巻取りあるいは巻戻すことにより、カーテン生地を昇降するようにしたものがある。このようなたくし上げカーテンに関連する従来技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−49531号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなたくし上げカーテンにおいて、カーテン生地の取付けは、該カーテン生地の上端部に取着されたカーテンフックをフレームに設けられたランナーに掛け止めすることにより行う。
【0005】
このため、フレームの取付面となるカーテンボックスが深い場合や、カーテン生地のサイズが大きい場合は、ランナーにカーテンフックを掛け止めし難く、たくし上げカーテンの組み立て作業が煩雑であるという問題があった。又、カーテン生地を取付ける際に、生地に汚れや傷を発生させてしまう虞があった。
【0006】
これらの対策として、フレームのサイズ(高さ寸法)を大きくしてランナーの取付位置を低くするという方法が考えられる。しかしながら、この方法は、フレームの高さ寸法の増大によって、巻取パイプの施工性やメンテナンス性を低下させるという問題を新たに生じさせる。又、この方法は、フレーム材料のコストアップにつながるという問題を有していた。
【0007】
この発明の目的は、カーテン生地の取付け作業を容易に行い得るたくし上げカーテンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1では、取付面に取り付けられた支持部材からカーテン生地を吊下支持するたくし上げカーテンにおいて、前記支持部材から所定の長さを有する仮止部材を吊下支持し、前記仮止部材と前記カーテン生地とを前記支持部材から所定の長さ下方の位置で着脱可能に接続して前記仮止部材により前記カーテン生地を吊下支持し、前記支持部材と前記カーテン生地の上端部とを接続部材を介して取着した。
【0009】
請求項2では、前記仮止部材は、所定の長さの可撓性部材を介して掛止部材を吊下支持して構成した。
請求項3では、前記可撓性部材をコードとし、該コードを介して前記支持部材から前記掛止部材を吊下支持し、前記掛止部材に掛止め支持される被掛止部を前記カーテン生地の上端部から所定の長さ下方に設けた。
【0010】
請求項4では、前記取付面は前記支持部材を収容可能とするボックス構造をなし、該ボックス構造をなす前記取付面の開口付近に前記掛止部材を前記コードを介して吊下支持した。
【0011】
請求項5では、前記掛止部材を前記支持部材に移動可能に設けられるランナーから前記コードを介して吊下支持した。
請求項6では、前記ランナーを前記カーテン生地を昇降する昇降コードの数に対応して設け、各ランナーからそれぞれ前記コードを介して前記掛止部材を吊下支持した。
【0012】
請求項7では、前記被掛止部は、前記昇降コードを挿通可能とするリングであり、前記カーテン生地の高さ方向に等間隔で複数設けられ、前記掛止部材は、前記カーテン生地の最上段に設けられるリングを掛止め支持するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、たくし上げカーテン1は、取付面としてのボックス構造を有したカーテンボックス2に取付金具を介して支持部材としてのフレーム3が取り付けられ、該フレーム3の前面(室内側;図において左側)からカーテン生地4が吊下支持されている。このカーテン生地4の下端にはウエイトバー5が取着されている。
【0014】
カーテン生地4にはその水平方向(幅方向)における所定の間隔毎に複数本のリングテープが縫製によって垂直方向(高さ方向)に取着され、各リングテープには、複数のリング6が該テープに沿って等間隔に取り付けられている。各リングテープのリング6は幅方向に並んで配置されている。
【0015】
前記フレーム3の両端には一対の支持ブラケット7が取着され、両支持ブラケット7間には巻取パイプ8が回転可能に支持されている。この巻取パイプ8からは複数本の昇降コード9が吊下支持され、各昇降コード9は前記各リングテープのリング6に挿通されてそれぞれ下端が取付け部材10を介して最下段のリング6に掛け止めされている。
【0016】
従って、巻取パイプ8がカーテン生地4の引き上げ方向に回転駆動されると、昇降コード9が巻取パイプ8に巻き取られてカーテン生地4が引き上げられ、巻取パイプ8がカーテン生地4の引き下げ方向に回転駆動されると、昇降コード9が巻取パイプ8から巻き戻されてカーテン生地4が下降される。
【0017】
前記カーテン生地4は、その上端部が前記フレーム3の前面に接続部材としての面ファスナーで接着固定される。詳しくは、図2に示すように、カーテン生地4の上端部裏面には面ファスナー11aが貼着され、フレーム3の前面には面ファスナー11bが貼着されている。そして、カーテン生地4の面ファスナー11aをフレーム3の面ファスナー11bに接着することにより、カーテン生地4の上端部がフレーム3に固定される。
【0018】
図1及び図2に示すように、フレーム3の前面下端部には、ランナー12が該フレーム3の長手方向に沿って移動可能に支持されている。ランナー12は、前記昇降コード9の本数に対応して設けられ、各ランナー12には前記リング6を掛け止め支持する掛止部材としてのリングフック13が所定の長さを有する可撓性部材としてのフックダウンコード14を介して吊下支持されている。
【0019】
その具体的構成を説明すると、フックダウンコード14は、その一端がランナー12に固定されて同ランナー12から垂下され、その他端がリングフック13に固定されている。本実施形態では、このフックダウンコード14とリングフック13とによって仮止部材を構成している。
【0020】
フックダウンコード14の長さは、ランナー12から同コード14を介して吊下支持されるリングフック13がフレーム3を収容するカーテンボックス2の開口付近に位置するように、ランナー12からリングフック13にて掛け止め支持されるリング6までの距離に応じてあらかじめ設計段階で設定される。
【0021】
例えば本実施形態では、カーテンボックス2の開口付近に吊下支持されたリングフック13が、カーテン生地4の上端部から所定の長さ下方の位置にて前記各リングテープに取り付けられた最上段のリング6を掛け止め支持する場合を想定してあらかじめフックダウンコード14の長さが設定されている。
【0022】
即ち、図1に示すように、本実施形態のフックダウンコード14は、リングフック13が最上段のリング6を掛け止め支持した状態で、フレーム3の前面にカーテン生地4の上端部を接着可能とする長さに設定されている。この場合、図1及び図2に示すように、昇降コード9を最上段のリング6に挿通せず、その下段のリング6から挿通させるようにするのが好ましい。
【0023】
次に、上記のように構成されたたくし上げカーテン1におけるカーテン生地4の取り付け方法について説明する。
先ず、図2に示すように、昇降コード9を取着したカーテン生地4の各リングテープ最上段に取り付けられたリング6を、各ランナー12から吊下げられているリングフック13に掛け止めする。すると、カーテン生地4は、各リングフック13に吊下支持され、フレーム3からの吊下げ位置が位置決めされた仮施工状態となる。
【0024】
次いで、この状態から、前記掛け止めされたリング6の位置より上側のカーテン生地4をフレーム3の前面まで折り返し、図1に示すように、カーテン生地4とフレーム3とにそれぞれ貼着されている面ファスナー11a,11bを接着させる。
【0025】
上記のように構成されたたくし上げカーテンでは、以下に示す作用効果を得ることができる。
(1)カーテン生地4のリング6を掛け止めするリングフック13をフックダウンコード14を介してランナー12から吊下支持させるようにした。リングフック13をフレーム3からフックダウンコード14を介して垂下させることにより、カーテン生地4をリングフック13に掛け止めする位置を低くすることができる。このため、カーテンボックス2が深い場合やカーテン生地4が大きい場合にも、カーテン生地4の取り付けを容易に行うことができる。
【0026】
(2)リングフック13によるリング6の掛け止め位置を低くしてカーテン生地4の取り付け作業を行い易くしたことで、その取り付け時にカーテン生地4に汚れや傷を発生させる虞も小さくできる。
【0027】
(3)リングフック13にリング6を掛け止めすることで、カーテン生地4のフレーム3からの吊下げ位置が位置決めされる。この位置決めされた状態から、カーテン生地4の上端部をフレーム3に固定するだけで取り付けを完了することができる。従って、カーテン生地4の取り付けを手早く且つ正確に行うことができる。
【0028】
(4)カーテン生地4の上端部をフレーム3に固定する際に、カーテン生地4を支持する必要がないため、カーテン生地4が大型である場合にもその取り付けを軽微な力で行うことができる。
【0029】
(5)リングフック13をフックダウンコード14を介してランナー12に吊下支持させたことで、ランナー12の移動によって、カーテン生地4の幅方向の調整も容易に行うことができる。
【0030】
(6)フレーム3の高さ寸法を大きくして、ランナー12の取付け位置を低くする必要がない。このため、フレーム3の高さ寸法の増大によって、巻取パイプ8の施工性やメンテナンス性が低下することもない。又、フレーム3の材料コストが大きくなることもない。
【0031】
(7)本実施形態は、リングフック13を吊下支持するフックダウンコード14を設け、同リングフック13にリング6を掛け止めする構成であるため、既存の製品に対して部品点数が増加することもない。
【0032】
尚、上記実施の形態は、次に示すように変更してもよい。
・上記実施の形態では、リングフック13に掛け止めするリング6の構成を省略して、リングフック13にカーテン生地4を直接掛け止めする構成としてもよい。
【0033】
・リングフック13を吊下げ支持する可撓性部材としては、上記実施の形態で説明したフックダウンコード14に限らず、生地やテープ(織物、樹脂)、あるいはワイヤ等であってもよい。
【0034】
・カーテン生地4とフレーム3とを取着する接続部材としては、面ファスナー11a,11bに限らず、ホック等であってもよい。
・上記実施の形態において、仮止部材は、例えば図3に示すような構成でもよい。このたくし上げカーテン1は、仮止部材が、ランナー12に対して回転可能に吊り下げられた所定の長さを有する樹脂フック部材21で構成され、該樹脂フック部材21によりカーテン生地4を直接引っ掛けて同生地4を吊下支持するようになっている。即ち、同図において、仮止部材は掛止部材として機能する樹脂フック部材21のみによって構成され、この樹脂フック部材21はカーテンボックス2の開口付近にてカーテン生地4を吊下支持する。尚、樹脂フック部材21をランナー12に対して回転可能に設けたが、フレーム3に対して回転可能に設けてもよい。また、樹脂フック部材21にリング6を引っ掛けてカーテン生地4を吊下支持するようにしてもよい。このような構成によっても、上記実施の形態で得られた効果と同様な効果を奏する。
【0035】
・上記実施の形態において、仮止部材は、例えば図4に示すような構成でもよい。このたくし上げカーテン1は、仮止部材が可撓性部材22と接続部材とから構成されている。ここで、可撓性部材22としては、上記実施の形態で説明したフックダウンコード14のようなコードの他、生地やテープ、或いはワイヤ等を用いることができる。また、接続部材としては、面ファスナー、ホック等を用いることができる。同図では、可撓性部材22とカーテン生地4とが面ファスナー23a,23bを介して接着固定され、可撓性部材22とフレーム3とが面ファスナー24a,24bを介して接着固定されている。即ち、可撓性部材22は、その上端部が面ファスナー24a,24bを介してフレーム3に取着されて該フレーム3から吊下支持され、その下端部が面ファスナー23a,23bを介してカーテン生地4に取着されてカーテンボックス2の開口付近で同生地4を吊下支持する。このような構成によっても、上記実施の形態で得られた効果と同様な効果を奏する。
【0036】
・又、上記実施の形態において、仮止部材は、フックダウンコード14とリングフック13とで構成されるもの、或いは、図3,図4に例示するものに限定されず、フレーム3から所定の長さ下方の位置でカーテン生地4に着脱可能に接続して同生地4を吊下支持するものであれば、その他の構成でもよい。
【0037】
・カーテン生地4を掛け止めするリングフック13の数、即ちリングフック13を吊下支持するランナー12の数は、必ずしも昇降コード9の数に対応させる必要はなく、それより少ない数であってもよい。本実施形態のように、リングフック13の数を昇降コード9の数に対応させることで、カーテン生地4を安定して吊下支持させることが可能である。
【0038】
・フックダウンコード14は、リングフック13に必ずしも最上段のリング6を掛け止めする場合に対応した長さに限られない。即ち、フックダウンコード14の長さは、カーテン生地4の上端部に設けられる面ファスナー11aよりも少なくとも下方の位置でリングフック13を吊下支持可能であり、該リングフック13に掛け止め支持されるリング6の位置に応じた長さで設定される。この際、上記実施の形態で説明したように、カーテン生地4の施工性向上の観点から、カーテンボックス2の開口付近にリングフック13を吊下支持してリング6を掛止め可能とする長さが最も望ましい。
【0039】
・支持部材としては、フレーム3に限らず、ヘッドボックスであってもよい。
・リングフック13に掛け止められる被掛止部としては、リング6に限定されず、その他の部材が別途設けられていてもよい。
【0040】
・リングフック13等の掛止部材をカーテン生地4の裏面に取り付け、リング6等の被掛止部をフックダウンコード14を介して吊下支持する構成であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明は、カーテン生地の取付け作業を容易に行い得るたくし上げカーテンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態を示すたくし上げカーテンの側面図である。
【図2】 一実施の形態を示すたくし上げカーテンの側面図である。
【図3】 別の構成例を示すたくし上げカーテンの概略図である。
【図4】 別の構成例を示すたくし上げカーテンの概略図である。
【符号の説明】
1 たくし上げカーテン
2 取付面としてのカーテンボックス
3 支持部材としてのフレーム
4 カーテン生地
6 被掛止部としてのリング
9 昇降コード
11a,11b 接続部材としての面ファスナー
12 ランナー
13 掛止部材としてのリングフック(仮止部材)
14 可撓性部材としてのフックダウンコード(仮止部材)
22 可撓性部材
Claims (7)
- 取付面に取り付けられた支持部材からカーテン生地を吊下支持するたくし上げカーテンにおいて、
前記支持部材から所定の長さを有する仮止部材を吊下支持し、前記仮止部材と前記カーテン生地とを前記支持部材から所定の長さ下方の位置で着脱可能に接続して前記仮止部材により前記カーテン生地を吊下支持し、前記支持部材と前記カーテン生地の上端部とを接続部材を介して取着したことを特徴とするたくし上げカーテン。 - 前記仮止部材は、所定の長さの可撓性部材を介して掛止部材を吊下支持して構成したことを特徴とする請求項1記載のたくし上げカーテン。
- 前記可撓性部材をコードとし、該コードを介して前記支持部材から前記掛止部材を吊下支持し、前記掛止部材に掛止め支持される被掛止部を前記カーテン生地の上端部から所定の長さ下方に設けたことを特徴とする請求項2記載のたくし上げカーテン。
- 前記取付面は前記支持部材を収容可能とするボックス構造をなし、該ボックス構造をなす前記取付面の開口付近に前記掛止部材を前記コードを介して吊下支持したことを特徴とする請求項3記載のたくし上げカーテン。
- 前記掛止部材を前記支持部材に移動可能に設けられるランナーから前記コードを介して吊下支持したことを特徴とする請求項3又は4記載のたくし上げカーテン。
- 前記ランナーを前記カーテン生地を昇降する昇降コードの数に対応して設け、各ランナーからそれぞれ前記コードを介して前記掛止部材を吊下支持したことを特徴とする請求項5記載のたくし上げカーテン。
- 前記被掛止部は、前記昇降コードを挿通可能とするリングであり、前記カーテン生地の高さ方向に等間隔で複数設けられ、
前記掛止部材は、前記カーテン生地の最上段に設けられるリングを掛止め支持することを特徴とする請求項6記載のたくし上げカーテン。
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