JP4125767B2 - 光変調器 - Google Patents

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Description

本発明は、電気光学効果を利用して、光導波路に入射した光を高周波電気信号で変調して光信号パルスとして出射する光変調器に関する。
近年、高速、大容量の光通信システムが実用化されている。このような高速、大容量の光通信システムに組込むための高速、小型、かつ低価格の光変調器の開発が求められている。
このような要望に応える光変調器として、リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、LN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)がある。このLN光変調器は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光通信システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光通信システムにも適用が検討されている。
以下、従来、実用化され、又は提唱されてきたリチウムナイオベートの電気光学効果を利用した各LN光変調器の特徴を順番に説明していく。
(第1の従来技術)
図8は、z−カットLN基板を用いて構成した特許文献1に開示された第1の従来技術のLN光変調器についての斜視図であり、図9は図8のA−A’線における断面図である。
z−カットLN基板1上に光導波路3が形成されている。この光導波路3は、金属Tiを1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。したがって、光導波路3の電気信号と光が相互作用する部(相互作用部と言う)には2本の相互作用光導波路3a、3b、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームが形成されている。
この光導波路3の上面にSiOバッファ層2が形成され、このSiOバッファ層2の上面に進行波電極4が形成されている。進行波電極4としては、1つの中心導体4aと2つの接地導体4b、4cを有するコプレーナウェーブガイド(CPW)を用いている。なお、通常、進行波電極4はAuにより形成されている。5はz−カットLN基板1を用いて製作したLN変調器に特有の焦電効果に起因する温度ドリフトを抑圧するためのSi導電層である。なお、説明の簡単のために、図9においては図8には図示したSi導電層5を省略している。
変調用の高周波(RF)電気信号をこのLN光変調器の高周波電気信号給電線6を介して中心導体4aと接地導体4bに供給すると、中心導体4aと接地導体4bの間に電界が印加される。z−カットLN基板1は電気光学効果を有するので、この電界により屈折率変化を生じ、2本の相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の位相にずれが発生する。このずれがπになった場合、光導波路3のマッハツェンダ光導波路としての合波部において、高次モードを励振し、光はOFF状態になる。なお、7は高周波電気信号出力線であり、終端抵抗で置き換えても良い。
図9からわかるように、図8に示した特許文献1のLN光変調器の特徴としては、1)中心導体4aの幅Sを相互作用光導波路3a、3bの幅とほぼ同じ6μm〜12μm程度としている、2)中心導体4aと接地導体4b、4c間のギャップ(あるいは、CPWのギャップ)Wを15μm〜30μmと広くしている、さらに3)相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の中心導体4aと接地導体4b、4cからなる進行波電極4を構成する金属による吸収を抑えるためにのみ使用されてきたSiOバッファ層2の比誘電率が4〜6と比較的低いことを利用して、SiOバッファ層2の厚みDを400nm〜1.5μm程度と厚くすることにより、高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nを低減して、相互作用光導波路3a、3bを導波する光の等価屈折率nに近づけるとともに、特性インピーダンスをなるべく50Ωに近づけている。また、図9に示した第1の従来技術では、特許文献2に開示された進行波電極4の厚みTを厚くすることによりマイクロ波等価屈折率nをよりいっそう低減して、光の等価屈折率nに近づけている。
こうした構造をとることにより、中心導体4aの幅Sが30μm程度、中心導体4aと接地導体4b、4c間のギャップWが6μm程度、SiOバッファ層2の厚みDが300nm程度であったそれまでの構造と比べて、光変調帯域、特性インピーダンスなどLN光変調器としての特性が大幅に改善できた。しかしながら、光変調帯域、駆動電圧、特性インピーダンスなどについてさらに改善された特性が必要となり、次に述べる第2の従来技術として、いわゆるリッジ構造が提案された。
(第2の従来技術)
第1の従来技術をさらに高性能化するために特許文献3に提案された、いわゆるリッジ構造を第2の従来技術として図10に示す。ここで、8aは中心導体4aの下のリッジ、8bは接地導体4bの下のリッジ、8cは接地導体4cの下のリッジである。また、9a、9bはリッジ間の底部、10a、10b、10cはリッジの頂部、11bはリッジ8a、8b間の空隙、11aはリッジ8a、8c間の空隙である。
Hはリッジの高さ、Tは進行波電極の厚み、Dはリッジ8aの底部9aとリッジ8aの頂部10aにおけるSiOバッファ層2の厚みである。また、図10において12は中心導体4aから出て接地導体4b、4cに入る電気力線であり、相互作用光導波路3a、3bに作用してそれらの屈折率を変化させる(あるいは、相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光と相互作用するとも言える)。
この第2の従来技術ではz−カットLN基板1に8aや8bなどのリッジが形成されているので、電気力線12はリッジ8a、8b間の空隙11bやリッジ8a、8c間の空隙11aを感じるので、高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nがより低減して、相互作用光導波路3a、3bを導波する光の等価屈折率nに近づく、あるいは特性インピーダンスが50Ωに向かって高くなるという利点がある。さらに、電気力線12には比誘電率が高い領域に閉じこもる性質があるので、相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光との相互作用の効率が高くなり、結果的に駆動電圧を低減できる。通常、リッジ8a、8b、8cの高さHとしては2〜5μm程度、進行波電極の厚みTとしては6〜18μm程度、SiOバッファ層2の厚みとしては400nm〜1.5μm程度が使用される。
この第2の従来技術により、光変調帯域、駆動電圧、特性インピーダンスなど、LN光変調器としての基本性能について図9に示した第1の従来技術よりも大幅に改善された特性が実現できた。
しかしながら、この第2の従来技術にも改善すべき課題が残っている。次に、この改善すべき課題について考える。図10の中心導体4aと接地導体4bの間の拡大図を図11に示す。図11において、中心導体4aの下にあるリッジ8aの頂部10aの端点18と接地導体4b側の下にあるリッジ8bの頂部10bの端点19との距離をWとする。また、13は中心導体4a側のリッジ8aの頂部10aに対する法線である。
リッジ間の底部9bにおいて、中心導体4aの下にあるリッジ8aの頂部10aの端点18から水平方向の距離W/2の位置を14(あるいは中間点14と呼ぶ)、端点18から水平方向の距離W/Nの位置を15(あるいは途中点15と呼ぶ)とし、中間点14と途中点15を結ぶ直線を直線16とする。この第2の従来技術では、リッジ間の底部9b(リッジ間の底部9aも)はリッジ8aの頂部10aやリッジ8bの頂部10bと平行なので、法線13と直線16のなす角度θは90度となる。なお、Nとしては5から25の間の数値であるが、この第2の従来技術ではどの値をとっても角度θは90度となる。
図11には中心導体4aと接地導体4bの間に存在する電気力線の一部を12として記している。図からわかるように、電気力線12のうち、下に凸な電気力線の一部(図11の17として表記)がz−カットLN基板1を通過している。
z−カットLN基板1の比誘電率は基板表面に垂直方向と光導波路3の長手方向において異方性があるが、平均すると約34と極めて高く、高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nを低減して、光導波路3a、3bを導波する光の等価屈折率nに近づける、あるいは特性インピーダンスを50Ωに向かって高くするためのリッジ構造において、図11の17として表記した電気力線の影響によりリッジの効果を最大限には発揮できている訳ではない。
またz−カットLN基板1を通過する図11の17のような電気力線を少なくするには、図10に示したリッジの高さHを高くする必要があり、その形成に工数がかかるため、LN光変調器のコストと歩留まりに影響を与える。
特開平2−51123号公報 特開平1−91111号公報 特開平4−288518号公報
以上のように、光変調帯域、駆動電圧、あるいは特性インピーダンスなど、LN光変調器としての特性を大幅に改善できた第2の従来技術も、リッジ間の底部がリッジの頂部と平行であるために、中心導体と接地導体の間に生じる高周波電気信号の電気力線のうち、ある程度の量の電気力線がz−カットLN基板1を通過してしまい、高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率の上昇、あるいは特性インピーダンスの低下をきたし、LN光変調器としての特性の劣化を生じてしまう、あるいはz−カットLN基板1を通過してしまうこの電気力線の数を少なくするには、リッジの高さを高くする必要があり、その形成に工数がかかるため、LN光変調器のコストが上昇する。またリッジの形成時間が長いとエッチングを行っている間にz−カットLN基板が割れるなどLN光変調器の歩留まりに影響を与える。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、光変調帯域が広く、特性インピーダンス、さらには駆動電圧も低くて、かつコストや製作の歩留まりについて改善された光変調器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板(1)と、前記基板の上に形成されたバッファ層(2)と、該バッファ層の少なくとも一部の上に配置された中心導体(4a)と接地導体(4b、4c)からなる進行波電極と、前記進行波電極を伝搬する高周波電気信号の電界強度が強い領域における前記基板の一部分の厚さを掘り下げにより少なくして空隙(20a、20b)を作ることにより前記基板に形成したリッジ(8a、8b、8c)と、該リッジに設けられた少なくとも一本の光導波路(3a、3b)とを有し、前記リッジの上方に前記中心導体、及び前記接地導体が形成されている光変調器において、前記中心導体と前記接地導体の間に形成されたギャップ(W)が50μm以下であり、前記中心導体の下にある前記リッジの頂部の端点(18)と、これに相対向する前記接地導体の下にある前記リッジの頂部の端点(19)との距離をWとする時、前記進行波電極に印加される前記高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率が前記光導波路を伝搬する光の等価屈折率に近づくように、かつ高周波電気信号の駆動電圧が低くなるように、前記中心導体の下にある前記リッジの前記頂部の前記端点(18)から、前記相対向する前記接地導体の下にある前記リッジの前記頂部の前記端点(19)へ向かってW/2の距離におけるリッジ間の底部の点(23)と、前記中心導体の下にある前記リッジの前記頂部の前記端点(18)から、相対向する前記接地導体の下にある前記リッジの前記頂部の前記端点(19)へ向かってW/N(5≦N≦25)の距離における前記リッジ間の底部の点(24)とを結ぶ直線(25)と、前記中心導体の下にある前記リッジの前記頂部に対する法線(13)とがなす角度を90度より大きく構成することを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、請求項に記載の光変調器において、前記リッジ間の底部が平面形状を含むことを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、請求項1と請求項2に記載の光変調器において、前記リッジ間の底部が平面形状を含むことを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、請求項1から請求項に記載の光変調器において、前記リッジ間の底部と前記リッジとの交点近傍が曲率を持つことを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、請求項に記載の光変調器において、前記曲率が半径Rの円弧からなり、該半径Rが0.5μm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、請求項に記載の光変調器において、前記曲率が半径Rの円弧からなり、該半径Rが0.5μm以上であることを特徴とする。
本発明は、リッジとリッジの間に形成される、いわゆるリッジ間の底部を中心導体や接地導体の下にあるリッジの頂部と平行でなくし、リッジ間の底部をz−カットLN基板側に凸の形状とすることにより、中心導体と接地導体の間に生じる高周波電気信号の電気力線の多くが、比誘電率が低い空気を感じる構造としている。これにより、効率的に高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率を低減して、高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率と光の等価屈折率の差を小さくできるとともに、特性インピーダンスを50Ωに向かって高くすることが可能となる。さらに、本発明を適用することにより、高周波電気信号の電気力線がリッジの中に明確に閉じこもる効果もあるので、駆動電圧も低減できる。従って、光変調帯域が広がるとともに、外部駆動回路との特性インピーダンス不整合を軽減でき、かつ、駆動電圧を低減することが可能となり、さらにはリッジの高さを低くできるのでLN光変調器製造コストの低減や製作時の歩留まりの改善を実現できる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図8から図11に示した従来技術と同一の符号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一の符号を持つ機能部の説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係わるLN光変調器の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図10に示した第2の従来技術と異なり、第1の実施形態では接地導体4a、4bの下方のz−カットLN基板1はドライエッチングによりエッチングしていないが、エッチングしていても勿論良いことは言うまでもない。
なお、この第1の実施形態では中心導体4aの幅Sを9μm、中心導体4aと接地導体4b、4cとのギャップWを30μm、中心導体4aと接地導体4b、4cの厚みTを26μm、リッジの高さHを2μm、リッジ間の底部21a、21bとリッジの頂部10a、10b、10cにおけるSiOバッファ層14の厚みDを1.5μmとした。
ここで、20bはリッジ8a、8b間の空隙、20aはリッジ8a、8c間の空隙である。また、21a、21bはリッジ間の底部であり、図1に示す本発明の第1の実施形態では下に凸の曲面となっている。
また、図1において22は中心導体4aから出て接地導体4b、4cに入る電気力線であり、相互作用光導波路3a、3bに作用してそれらの屈折率を変化させる。
図1における中心導体4aと接地導体4bの間の拡大図を図2に示す。図2において、中心導体4aの下にあるリッジ8aの頂部10aの端点18と接地導体4b側の下にあるリッジ8bの頂部10bの端点19との距離を第2の従来技術と同じくWとする。また、13は中心導体4a側のリッジ8aの頂部10aに対する法線である。
リッジ間の底部21bにおいて、中心導体4aの下にあるリッジ8aの頂部10aの端点18から水平方向の距離W/2の位置を23(あるいは中間点23と呼ぶ)、端点18から水平方向の距離W/Nの位置を24(あるいは途中点24と呼ぶ)とし、中間点23と途中点24を結ぶ直線を直線25とする。図2からわかるようにこの本発明の第1の実施形態では、リッジ間の底部21b(リッジ間の底部21aも)は下に凸の曲面である。よって、中間点23と途中点24を結んだ直線25が法線13となす角度θは110度と90度よりも大きな角度をなしている。なお、Nとしては5から25の間の数値であり、一般には8が好ましい。なお、この角度θは110度に限らず、90度以上であることが重要である。
そのため、図11に示した第2の従来技術における電気力線17のように、z−カットLN基板1を通過していた電気力線は、本実施形態では図2からわかるようにz−カットLN基板1を通過することを免れることができる。
図3は中間点23と途中点24を結んだ直線25が法線13となす角度θを90度より大きくした場合における高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nの値を示す。なお、図中には、相互作用光導波路3a、3bを導波する光の等価屈折率nも示している。図からわかるように、角度θが大きくなると高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nは小さくなり、角度θがあまり大きくなり過ぎると高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nは光の等価屈折率nよりも小さくなってしまう。
図4は角度θを変数とした場合のLN光変調器の3dB帯域Δfである。この図からわかるように、角度θについては最適値がある。この角度θの最適値は図3において高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nと光の等価屈折率nが一致する角度θであることは言うまでもない。但し、この角度θの最適値はリッジ8a、8b、8cの高さ、バッファ層2の厚み、電極の厚み、さらに中心導体4aの幅S、ギャップWの大きさなどに依存する。
また、マイクロ波等価屈折率nが光の等価屈折率nに完全に一致しなくても、以上に述べた構造を採用することにより、マイクロ波等価屈折率nと光の等価屈折率nの差を改善できる限り、それらのすべての実施形態は、本発明に属する。
図5は角度θを変数とした場合のLN光変調器の特性インピーダンスZである。特性インピーダンスZは角度θとともに上昇する。
従って、本実施形態を使用することにより、高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nを低減して、相互作用光導波路3a、3bを導波する光の等価屈折率nに近づける、あるいは特性インピーダンスを50Ωに向かって高くすることができるという、リッジ構造の持つ利点をより生かすことが可能となる。
その結果、リッジの高さHを必要以上に高くする必要がなく、リッジ構造の形成における工数を削減できるので、LN光変調器のコストを引き下げることが可能となるとともに歩留まりも向上できる。なお、こうした効果は中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップが50μm以下で顕著である。
図6には角度θを変数とした場合のLN光変調器の半波長電圧Vπと、進行波電極4を伝搬する高周波電気信号と相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光との相互作用長Lとの積Vπ・Lを示す。この図からわかるように、角度θについては最適値がある。つまり、電気力線はz−カットLN基板1のように高い比誘電率の媒質に閉じこもる性質があるので、高周波電気信号の電気力線がリッジの中に明確に閉じこもるための最適な角度θがあり、駆動電圧を低減できる。
また、本発明の全ての実施形態では角度θが90度より大きいことが重要であるので、この条件が満たされる限りリッジ間の底部の曲面の一部もしくは全部に平面形状が入っていても良いことは言うまでもない。
なお、本発明におけるリッジの定義は広く、第1の実施形態のみならず、その他の実施形態においても、接地導体4bと4cのどちらか一方、あるいは両方の下方にあるz−カットLN基板1は掘り下げていても、掘り下げていなくても本発明の効果を発揮できる。
(第2の実施形態)
図7に本発明の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態ではリッジ8a、8bとリッジ間の底面21bの交点近傍である26、27の部分に半径Rで曲率がついている。なお、高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nを低減するとともに、特性インピーダンスを高くし、駆動電圧を効率良く低減するという観点からこの曲率の半径Rとしては0.5μm以下が望ましいが、0.5μm以上であっても良い。さらに、曲率として半径Rの円弧としたが、実際には明確な円弧でなくても良いことは言うまでもない。また、以上のことは、図1に示したリッジ8a、8cとリッジ間の底面21aの交点近傍についても勿論成り立つ。
(各実施形態)
分岐光導波路の例としてマッハツェンダ光導波路を用いたが、方向性結合器などその他の分岐合波型の光導波路にも本発明を適用可能であることは言うまでもないし、考え方は3本以上の光導波路にも適用可能であるし、光導波路が1本の位相変調器にも適用できる。また光導波路の形成法としてはTi熱拡散法の他に、プロトン交換法など光導波路の各種形成法を適用できるし、バッファ層としてSiO以外の各種材料も適用できる。
また、z−カットLN基板について説明したが、その他のカットのLN基板でも良いし、リチウムタンタレート基板、さらには半導体基板などその他の基板でも良い。さらに、これまでの説明では簡単のために省略してきたが、図8に示したSi導電層5のような温度ドリフト抑制用の導電層があっても良い。
以上の実施形態としては、リッジが3つある場合について説明したがリッジの数は1つや2つ、あるいはこれら以外の数でも良い。また、本発明において述べているリッジは広い意味を表しており、z−カットLN基板を掘り下げた箇所を中心導体と接地導体の間のみとし、その他の場所は接地導体4b、4cの下方も含め掘り下げない構造も含んでいる。
電極構成としては構造が対称なCPW電極を用いた構成について説明したが、構造が非対称なCPW電極でも良いし、さらには非対称コプレーナストリップ(ACPS)あるいは対称コプレーナストリップ(CPS)など、その他の構成でも良いし、進行波電極を構成する中心導体と接地導体の一部が基板に接触していても良い。
また、以上の実施形態においては、中心導体4aの幅がリッジ8aの頂部の幅とほぼ等しい、あるいはやや狭い場合について説明したが、逆に中心導体4aの幅がリッジ8aの頂部の幅よりも広くても良いし、複数のリッジの高さが異なっていても良いことは言うまでもない。
一般に、中心導体4aの下の相互作用光導波路3bについては、相互作用光導波路3bの水平方向における中心と中心導体4aの水平方向における中心がほぼ一致するように、中心導体4aのほぼ真下に相互作用光導波路3bを配置すると光変調の効率が最も高いが、中心導体4aの幅が広い場合には中心導体4aのエッジの下に相互作用光導波路3bを配置しても良い。
また、電気信号の出力側を40Ωや50Ω、あるいはそれ以外の抵抗値を有する終端器で終端しても良いことは言うまでもない。さらに、以上の説明では外部回路の特性インピーダンスとして50Ω系として説明したが、ここで述べたような構造を適用して、マイクロ波等価屈折率を低減する、あるいは特性インピーダンスを高める限り、外部回路あるいは光変調器の特性インピーダンスが50Ωに近くなくても本発明に帰属する。
以上のように、本発明に係る光変調器は、リッジ間の底部を基板側に凸とすることにより、マイクロ波等価屈折率nを光の等価屈折率nに有効に近づけることができるので光変調帯域が広く、また特性インピーダンスについても改善された光変調器である。
本発明の第1の実施形態に係わる光変調器の概略構成を示す断面図 同第1の実施形態におけるギャップ部の拡大図 同第1の実施形態の原理を説明する図 同第1の実施形態の原理を説明する図 同第1の実施形態の原理を説明する図 同第1の実施形態の原理を説明する図 同第2の実施形態におけるギャップ部の拡大図 第1の従来技術の光変調器についての概略構成を示す斜視図 図8のA−A’における断面図 第2の従来技術の光変調器の概略構成を示す断面図 第2の従来技術におけるギャップ部の拡大図
符号の説明
1:z−カットLN基板(基板)
2、14、15:SiOバッファ層(バッファ層)
3:マッハツェンダ光導波路(光導波路)
3a、3b:マッハツェンダ光導波路を構成する相互作用光導波路
4:進行波電極
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
5:Si導電層
6:高周波(RF)電気信号給電線
7:高周波(RF)電気信号出力線
8a:中心導体4aの下のリッジ
8b:接地導体4bの下のリッジ
8c:接地導体4cの下のリッジ
9a、9b、21a、21b:リッジ間の底部
10a、10b、10c:リッジの頂部
11a、11b、20a、20b:リッジ間の空隙
12、17、22:電気力線
13:リッジの頂部10aに対する法線
14、23:リッジの頂部10aの端点から距離W/2のリッジ間の底部の点(中間点)
15、24:リッジの頂部10aの端点からから距離W/20のリッジ間の底部の点(途中点)
16:中間点14と点15を結ぶ線
18:中心導体4aの下にあるリッジ8aの頂部10aの端点
19:接地導体4bの下にあるリッジ8bの頂部10bの端点
25:中間点23と点24を結ぶ線
26:リッジ8aとリッジ間の底面21bの交点近傍
27:リッジ8bとリッジ間の底面21bの交点近傍

Claims (6)

  1. 電気光学効果を有する基板(1)と、前記基板の上に形成されたバッファ層(2)と、該バッファ層の少なくとも一部の上に配置された中心導体(4a)と接地導体(4b、4c)からなる進行波電極と、前記進行波電極を伝搬する高周波電気信号の電界強度が強い領域における前記基板の一部分の厚さを掘り下げにより少なくして空隙(20a、20b)を作ることにより前記基板に形成したリッジ(8a、8b、8c)と、該リッジに設けられた少なくとも一本の光導波路(3a、3b)とを有し、前記リッジの上方に前記中心導体、及び前記接地導体が形成されている光変調器において、
    前記中心導体と前記接地導体の間に形成されたギャップ(W)が50μm以下であり、
    前記中心導体の下にある前記リッジの頂部の端点(18)と、これに相対向する前記接地導体の下にある前記リッジの頂部の端点(19)との距離をWとする時、
    前記進行波電極に印加される前記高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率が前記光導波路を伝搬する光の等価屈折率に近づくように、かつ高周波電気信号の駆動電圧が低くなるように、
    前記中心導体の下にある前記リッジの前記頂部の前記端点(18)から、前記相対向する前記接地導体の下にある前記リッジの前記頂部の前記端点(19)へ向かってW/2の距離におけるリッジ間の底部の点(23)と、前記中心導体の下にある前記リッジの前記頂部の前記端点(18)から、相対向する前記接地導体の下にある前記リッジの前記頂部の前記端点(19)へ向かってW/N(5≦N≦25)の距離における前記リッジ間の底部の点(24)とを結ぶ直線(25)と、
    前記中心導体の下にある前記リッジの前記頂部に対する法線(13)とがなす角度を90度より大きく構成することを特徴とする光変調器。
  2. 前記リッジ間の底部が前記基板側に凸の曲面を含むことを特徴とする請求項に記載の光変調器。
  3. 前記リッジ間の底部が平面形状を含むことを特徴とする請求項1と請求項2に記載の光変調器。
  4. 前記リッジ間の底部と前記リッジとの交点近傍(26、27)が曲率を持つことを特徴とする請求項1から請求項に記載の光変調器。
  5. 前記曲率が半径Rの円弧からなり、該半径Rが0.5μm以下であることを特徴とする請求項に記載の光変調器。
  6. 前記曲率が半径Rの円弧からなり、該半径Rが0.5μm以上であることを特徴とする請求項に記載の光変調器。
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