JP4125092B2 - 制振遮音シートの製造方法および制振遮音シート - Google Patents

制振遮音シートの製造方法および制振遮音シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振遮音シートに関するものであり、特に住宅などの建物の床や壁などに使用して振動や騒音の伝達を防止する制振遮音シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅等の建物の制振材料、遮音シート料としては、加工性、搬送性、施工性等に鑑みて、シート状のものが多用されている(制振機能および/または遮音機能を有するシート状材料、すなわち制振シートおよび遮音シートを総称して、以下、制振遮音シートという場合がある)。
制振シートとしては、床振動吸収や、床材などの建物躯体を通して伝播する固体伝播音の遮音(発生および/または伝播の防止)を目的として例えば床下地材として敷き込んで用いることが多く、遮音シートとしては、空気伝播音の遮音を目的として建物壁中に埋め込んで用いることが多い。これら制振遮音シートとしては、アスファルトなどのバインダーに、砂鉄、スラグ、鉄粉などのフィラーを混入分散してシート状に加工したものが一般的である。
【0003】
ところで、近年、建物に対する制振、遮音性能に関する要求が高まってきており、これに対応できる高性能の制振遮音シートの開発が急務になってきている。制振、遮音性能を向上させるため、例えば、アスファルトとフィラー等を含むアスファルト系混合物からなる基材の一方の面にエンボス加工を施し、このエンボス加工面と反対の面に、接着剤等を介して、ポリエチレン、ポリウレタンなどの発泡体を積層してなる制振遮音シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2735812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような発泡体を積層した制振遮音シートでは、発泡材をシート状に成形し、これを接着剤等で積層する必要があるため、製造コストの増大するという問題がある。このため、制振、遮音性能の高い制振遮音シートを安価で提供するため、アスファルト系混合物からなる基材の表面に直接凹凸形状を設け、この凹凸形状により現出される空洞部の制振、吸音作用を利用することが試みられている。しかし、アスファルト系混合物の表面に直接凹凸形状を形成することは極めて困難であり、従来の方法では、特許文献1に記載されているように、表面粗さにして1000μm以下のエンボスを形成するのがやっとである。
【0006】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、優れた制振、遮音性能を安価かつ単純な構成で得られる制振遮音シートを容易に製造できる制振遮音シートの製造方法および制振遮音シートを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る制振遮音シートの製造方法は、アスファルトとフィラーとを含有するアスファルト系混合物を、対向配置された第1および第2のロールの間を通過させて基材に成形する際、前記ロールの表面と前記アスファルト系混合物との間にシート状の表面材を供給し、該表面材を前記基材の両面に積層接合して、前記基材と前記表面材とからなる制振遮音シートを製造する制振遮音シートの製造方法であって、前記第1のロールの表面に供給される表面材として、前記第2のロールの表面に供給される表面材よりも、低融点のものを用い、前記第1のロールは表面に凹凸が設けられたものであり、これにより基材の表面に凹凸形状を形成することを特徴とする制振遮音シートの製造方法である。
【0008】
このような制振遮音シートの製造方法によれば、対向配置された第1および第2のロール(ツインロール)によりアスファルト系混合物をシート化して基材に成形する際に、前記ロールの表面と前記アスファルト系混合物との間にシート状の表面材を供給するので、ロールとアスファルト系混合物との粘着を防ぎ、充分な加工性を確保することができる。また、第1のロールの表面に形成された凹凸を該基材に転写することができるので、表面に凹凸形状を有する制振遮音シートを連続的に大量生産することができ、生産性が極めて高い。
制振遮音シートの表面に凹凸形状を設けたことにより、優れた制振性能、遮音性能が得られる。
また、シート状の表面材は、アスファルト系混合物の粘着力(タック)により、基材に対して一体に貼着するので、接着剤などの塗布をすることなく、積層が可能である。また、制振遮音シートの表面に表面材を設けることにより、制振遮音シートの表面の粘着力が抑えられ、運搬や施工の際に手や足などに粘着することがなくなり、取扱い性に優れたものとなる。
【0009】
この制振遮音シートの製造方法においては、前記第1のロールの表面に供給される表面材として、前記第2のロールの表面に供給される表面材よりも、低融点のものを用いることにより、第1のロールの表面に供給される表面材(以下、第1の表面材ともいう)が、第2のロールの表面に供給される表面材(以下、第2の表面材ともいう)よりも高い伸び性を示すとともに、より剛性の高い第2の表面材により、基材に負荷されるテンションを支えることができるので、基材の片面に明瞭な凹凸形状を容易に形成できるとともに、ロール成形時の基材の伸びや凹凸形状の変形を抑制することができる。従って、表面に凹凸を有する制振遮音シートの製造を容易に実現できる。
【0010】
また、本発明に係る制振遮音シートは、アスファルトとフィラーとを含有するアスファルト系混合物がシート状に成形されて基材をなし、該基材の両面にシート状の表面材が積層され接合されているとともに、前記基材の一方の面に凹凸形状が形成されており、凹凸形状が形成されている側の表面材は、他方の面の表面材よりも低融点のものであることを特徴とする制振遮音シートである。
このような制振遮音シートは、基材とシート状の表面材とが、接着剤などを介することなく、アスファルト系混合物の粘着力で積層、接合するので、単純な構成とすることができ、製造を容易に行うことができる。
制振遮音シートの一方の面に凹凸が設けられているので、床材や空気などの振動を遮断でき、高い制振遮音効果を得ることができる。制振遮音シートの表面に表面材が設けられているので、制振遮音シートの表面の粘着力が抑えられ、運搬や施工の際に手や足などに粘着することがなくなり、取扱い性に優れたものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1(a)は、本発明に係る制振遮音シート1の一例を示す斜視図、図1(b)は本発明に係る制振遮音シート1の製造方法を説明する概略図、図2は、この制振遮音シート1を長尺帯状に成形し、巻体とした状態を示す斜視図である。
図1(a)において、制振遮音シート1は、アスファルトにフィラーが混入分散されているアスファルト系混合物によってシート状に成形されている基材2の両面(厚さ方向の両側の面)に、表面材3が積層状態に一体化されたものである。この制振遮音シート1は、住宅、マンション、オフィスビルや工場などの建物の床や壁に適用することができる。
【0013】
ここで、基材2は、アスファルト10〜30質量%とフィラー90〜70質量%の混合物であり、基材2の比重が2.5〜4.0g/cm3に形成される。
アスファルトとしては、ストレートアスファルトやブローンアスファルト、改質アスファルト等が採用可能であるが、特に、JIS K 2207に規定される防水工事用アスファルト(比重約1.0g/cm3)は、耐久性、防水性、信頼性等の点で好適である。
【0014】
フィラーとしては、鉄粉などの金属粉、炭酸カルシウム粉、セメント粉、岩石粉など、各種採用可能であるが、特に、粒径が150μm以下のものが80質量%以上を占める粒度分布のものを用いれば、アスファルトとの混練性や、アスファルトとの混合により得られるアスファルト系混合物の加工性が向上され、好ましい。
【0015】
表面材3としては、可撓性、柔軟性を有し、制振遮音シート1全体の可撓性、柔軟性を損なわないものが採用される。この表面材3は、制振遮音シート1の形状維持、表面のタックの除去などの機能を果たすものであり、その素材として紙なども採用可能であるが、例えば、引っ張り強度等の強度確保、基材2表面の緩衝材としての機能を果たすものとして、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルの他、ポリウレタン、レーヨン、ガラスなどからなり、不織布やフィルムなどの形態により、目付量30〜80g/m2のシート状としたものが好適である。特に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂からなるものは、柔軟性、加工性、アスファルトとの親和性などに優れ、好ましい。基材2に対する表面材3の固定は、基材2に含まれるアスファルトの粘着性を利用できる。
制振遮音シート1のシート厚は、特に限定されないが、例えば、2〜12mm程度とすることができる。
【0016】
この制振遮音シート1の少なくとも片面には、凹凸形状4が形成されている。この凹凸形状4としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば図1(a)に示すように、多数の凸部5からなるものとされる。または、図3(a)に示すように多数の凹部6からなるものとしたり、図3(b)に示すように、多数の溝7からなるものとすることができる。
このように制振遮音シート1に凹凸形状4が設けられていることにより、制振性能やクッション性が向上する。また、制振遮音シート1の施工後に、床板や壁材等との間に空隙が形成されるため、遮音性能や通気性などの向上が期待できル。従って、より快適な住環境の整備に貢献できる。
制振遮音シート1を床に適用するとき、凹凸形状4の面は上向きまたは下向きとすることができるが、いずれかに一方に揃えて施工することが好ましい。
制振遮音シート1を壁に適用するとき、凹凸形状4の面の向きは屋外側または室内側とすることができるが、いずれかに一方に揃えて施工することが好ましい。
【0017】
上記凸部5または凹部6の形状は、四角柱状として図示したが、特に限定されず、例えば、三角柱や六角柱等の多角柱、三角錐や四角錐等の多角錐、円柱や楕円柱、円錐などから選択される一種類または複数種類とすることができる。
また、上記溝7の断面形状は、特に制限されず、例えば、三角形、正方形、長方形、台形、半円形、円弧状などから選択される一種類または複数種類とすることができる。
凸部5または凹部6の形状、あるいは溝7の断面形状は、制振遮音シート1に対して求められる制振性能、クッション性、通気性などの性能が、良好になるものを選んで決定することが好ましい。
【0018】
制振遮音特性の観点から、凹凸形状4の深さは1mm以上とすることが好ましい。また、凹凸形状4が形成されていない側の面は、なるべく平滑とすることが好ましいが、表面の粗さが1000μm未満となるように、エンボス形状を付けてもよい。
【0019】
次に、本発明の制振遮音シートの製造方法の一実施形態を説明する。
まず、ロール式、バンバリ式などの混練機20等の中で混練中のアスファルトに対してフィラーを投入し、該混練機20等で混練してアスファルト中にフィラーが混入分散されたアスファルト系混合物8を調製する。混練の温度は、混練が充分に実施できる限り、特に限定されないが、150〜200℃程度とすれば、アスファルトの粘性を低下させ、効率的な混練を実現できる。
【0020】
このようにして得られたアスファルト系混合物8をホッパー21から押出機22を経て、第1および第2のロール23a、23bからなる成形ロール23に供給する。成形ロール23のロール間隔は、成形する基材2の厚さに設定されている。成形ロール23の一方(第1のロール23a)には、基材2に転写される凹凸24が設けられている。この凹凸24は、第1のロール23aと一体に形成されたものとすれば、耐久性、量産性に優れたものになるが、例えば、平滑なロールの外周に、凹凸24を有するシート材を巻き付けることにより、別体として設けてもよい。
【0021】
成形と同時に、成形ロール23に表面材3a、3bが表面材供給ロール25a、25bから成形ロール23の表面に連続的に供給される。このようにして、基材2の表裏両面に表面材3a、3bが積層された制振遮音シート1が連続的に製造される。
表面材3a、3bは、不織布に代表される上述のシート状のものであるが、第1のロール23aに供給される第1の表面材3aと第2のロール23bに供給される第2の表面材3bの材料を異なるものとし、少なくとも第1の表面材3aとして熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。特に、第1の表面材3aを第2の表面材3bより低融点のものとすることが好ましい。これにより、第1の表面材3aが高い伸び性を示し、第1のロール23aの表面の凹凸24により、基材2の片面に明瞭な凹凸形状4を容易に形成できる。
また、より剛性の高い第2の表面材3bにより、基材2に負荷されるテンションを支えることができるので、ロール成形時の基材2の伸びや、凹凸形状4の変形を抑制し、成形後の寸法安定性が極めて良好になる。従って、表面に凹凸形状4を有する制振遮音シート1の製造を容易に実現できる。
【0022】
第1および第2の表面材3a、3bの組み合わせとしては、例えば、第1の表面材3aとしてポリプロピレン、第2の表面材3bとしてポリエステルを用いることが好適である。また、第2の表面材3bとしては、ガラス繊維などを用いてもよい。市販のポリプロピレンは、融点が前述した165℃から、176℃までと若干幅があるとされている。本発明者等が確認したところでも、180℃で完全に溶解した。このため、150〜200℃で混練されたアスファルト系混合物により、十分に軟化し、伸び性が高まる。ロール成形時の温度は、表面材3a、3bが溶融しない程度の温度(つまり融点以下)とされる。ロール成形時の温度が余りに高いと、表面材3a、3bの溶融や穴あきなどの不都合が生じるおそれがある。
【0023】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施の形態の制振遮音シート1は、基材2の一方の面のみに凹凸形状4を設けたものであるが、基材2の両面に凹凸形状4を設けてもよい。
基材2の両面に凹凸形状4を有する制振遮音シート1を製造する方法としては、例えば、図1(b)において、第2のロール23bを平滑とする代わりに、第2のロール23bの表面にも凹凸を設ければ、第1および第2のロール23a、23bにより、基材2の両面に凹凸形状4を設けることができる。
【0024】
他の方法としては、図4に示すように、凹凸24を有する第1のロール23aと平滑な第2のロール23bとからなる成形ロール23A、23Bを2組用い、これら成形ロール23により、基材2の表面に片面ずつ凹凸形状4を設ける方法が挙げられる。
この方法では、上側の第1のロール23a(31)と下側の第2のロール23b(34)とが第2の表面材3bの側に配設されている。また、上側の第2のロール23b(32)と下側の第1のロール23a(33)とが第1の表面材3aの側に配設されている。
この際、上側および下側の第1のロール23a(31、33)の温度を加熱ロールとし、上側および下側の第2のロール23b(32、34)を冷却ロールとすることが好ましい。また、表面材3a、3bとして、いずれもポリプロピレンのような低融点のものを用いることが好ましい。これにより、凹凸24を有する第1のロール23aに接する表面材3が加熱により、伸びやすくなり、基材2の表面に明瞭な凹凸形状4を容易に形成できる。また、冷却された第2のロール23bに接した表面材3は冷却により比較的剛性が高くなるので、基材2に負荷されるテンションを支えることができる。従って、両面に凹凸形状4を有する制振遮音シート1の製造を容易に実現できる。
上下の成形ロール23A、23Bの間には、上側の第1のロール31と下側の第2のロール34との間に冷却ロールを配設し、上側の第2のロール32と下側の第1のロール33との間に加熱ロールを配設することにより、下側の成形ロール23Bで基材2に凹凸形状4を設ける側を加温しておくことが好ましい。
【0025】
なお、図4においては、第1の表面材3aを供給するロールは、上側の第2のロール32としているが、これを、下側の第1のロール33としてもよい。この場合、上側の第2のロール32の表面に、アルファルト系混合物8が直接接触することになるので、該ロール32表面を水などをで濡らして、離型性を高めておくことが好ましい。
【0026】
【実施例】
混練機20内で、防水工事用アスファルトを150〜160℃に加熱して混練後、40℃に加熱されたフィラーとしての鉄粉を投入し、所定時間混練して、アスファルト系混合物を得た。成形ロール23として、第1のロール23aの表面に、高さ約2mmの凹凸24を有し、第2のロール23bの表面が平滑であるものを用い、第1のロール23aの表面に、第1の表面材3aとしてポリプロピレン不織布を供給し、第2のロール23bの表面に、第2の表面材3bとしてポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)不織布を供給しながら、第1および第2の表面材3a、3bの間に、押出機22によりアスファルト系混合物8を押し出し、これらを第1および第2のロール23a、23bにより挟みこんで、シート状に成形して、厚さ約6mmの制振遮音シート1を得た。
得られた制振遮音シート1を目視により観察したところ、一方の面に深さ約2mmの凹凸形状4が明瞭に形成されており、また、基材2と表面材3a、3bがしっかりと充分な強さで積層接合されていた。
【0027】
次に、図5に示すように、この制振遮音シート1を床下地材として施工した。つまり、パーティクルボードなどから形成された床下地パネル11を、コンクリートスラブ12上に多数立設した支持脚13上に多数敷設して浮き床を形成した。この浮き床を構成する床下地パネル11上に制振遮音シート1を敷設し、さらにこの制振遮音シート1上に床板14を張設して床面を形成し、二重床15を形成した。歩行者にこの二重床15の上を歩行させたが、床板14には傾斜や凸凹は生じず、水平な床面が形成されていた。また、この二重床15の制振試験を行ったところ、優れた制振性能を示した。
この後、制振遮音シート1を二重床15から取り外して制振遮音シート1の凹凸形状4を観察したところ、該凹凸形状4の潰れなどはなく、施工前と同様の形状を維持していた。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の制振遮音シートの製造方法は、アスファルトとフィラーとを含有するアスファルト系混合物を、対向配置された第1および第2のロールの間を通過させて基材に成形する際、前記第1のロールの表面に供給される表面材として、前記第2のロールの表面に供給される表面材よりも、低融点のものを用い、第1のロールとして、表面に凹凸形状が形成されたものを用いるとともに、前記ロールの表面と前記アスファルト系混合物との間にシート状の表面材を供給し、該表面材を前記基材の表面に積層接合して、前記基材と前記表面材とからなる制振遮音シートを製造するものであるので、第1および第2のロールによりアスファルト系混合物をシート化して基材に成形する際に、ロールとアスファルト系混合物との粘着を防ぎ、充分な加工性を確保することができる。また、第1のロールの表面に形成された凹凸形状を該基材に転写することができるので、表面に凹凸を有する制振遮音シートを連続的に大量生産することができ、生産性が極めて高い。
【0029】
制振遮音シートの表面に凹凸を設けたことにより、床板などの振動を遮断でき、制振性能、遮音性能、クッション性、通気性などの向上が期待できる。
また、シート状の表面材は、アスファルト系混合物の粘着力(タック)により、基材に対して一体に貼着するので、接着剤などの塗布をすることなく、積層が可能である。また、制振遮音シートの表面に表面材を設けることにより、制振遮音シートの表面の粘着力が抑えられ、運搬や施工の際に手や足などに粘着することがなくなり、取扱い性に優れたものとなる。
【0030】
この制振遮音シートの製造方法においては、前記第1のロールの表面に供給される表面材の材料を、前記第2のロールの表面に供給される表面材の材料よりも、低融点のものとすることにより、第1のロールの表面に供給される表面材(以下、第1の表面材ともいう)が、第2のロールの表面に供給される表面材(以下、第2の表面材ともいう)よりも高い伸び性を示すとともに、より剛性の高い第2の表面材により、基材に負荷されるテンションを支えることができるので、基材の片面に明瞭な凹凸形状を容易に形成できるとともに、ロール成形時の基材の伸びや凹凸形状の変形を抑制することができる。従って、表面に凹凸を有する制振遮音シートの製造を容易に実現できる。
【0031】
本発明に係る制振遮音シートは、アスファルトとフィラーとを含有するアスファルト系混合物がシート状に成形されて基材をなし、該基材の両面にシート状の表面材が積層され接合されているとともに、前記基材の一方の面に凹凸形状が形成されており、凹凸形状が形成されている側の表面材は、他方の面の表面材よりも低融点のものであることを特徴とするものであるので、基材とシート状の表面材とが、接着剤などを介することなく、アスファルト系混合物の粘着力で積層、接合するので、単純な構成とすることができ、製造を容易に行うことができる。
制振遮音シートの表面に凹凸が設けられているので、床材や空気などの振動を遮断でき、制振性能、遮音性能、クッション性、通気性などの向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の制振遮音シートの一実施形態を示す斜視図である。(b)本発明の制振遮音シートの製造方法の一実施形態を説明する概略図である。
【図2】 本発明の制振遮音シートを長尺帯状に成形し、巻体とした状態を示す斜視図である。
【図3】 本発明の制振遮音シートの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の制振遮音シートの製造方法の他の実施の形態を説明する概略図である。
【図5】 本発明の制振遮音シートを床下地材に適用した例を示す(a)斜視図、(b)断面図である。
【符号の説明】
1…制振遮音シート、2…基材、3…表面材、3a…第1の表面材、3b…第2の表面材、4…基材の凹凸形状、8…アスファルト系混合物、23a…第1のロール、23b…第2のロール、24…ロールの凹凸。

Claims (2)

  1. アスファルトとフィラーとを含有するアスファルト系混合物を、対向配置された第1および第2のロールの間を通過させて基材に成形する際、前記ロールの表面と前記アスファルト系混合物との間にシート状の表面材を供給し、該表面材を前記基材の両面に積層接合して、前記基材と前記表面材とからなる制振遮音シートを製造する制振遮音シートの製造方法であって、
    前記第1のロールの表面に供給される表面材として、前記第2のロールの表面に供給される表面材よりも、低融点のものを用い、前記第1のロールは表面に凹凸が設けられたものであり、これにより基材の表面に凹凸形状を形成することを特徴とする制振遮音シートの製造方法。
  2. アスファルトとフィラーとを含有するアスファルト系混合物がシート状に成形されて基材をなし、該基材の両面にシート状の表面材が積層され接合されているとともに、前記基材の一方の面に凹凸形状が形成されており、凹凸形状が形成されている側の表面材は、他方の面の表面材よりも低融点のものであることを特徴とする制振遮音シート。
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