JP4122838B2 - スクリーンおよびその製造方法ならびに投影システム - Google Patents
スクリーンおよびその製造方法ならびに投影システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スクリーンおよびその製造方法ならびに投影システムならびに表示装置に関し、各種の映像(画像)の投影あるいは表示に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスクリーンは、可視波長領域のほとんどの光を散乱または反射することができる白地のスクリーンが基本である。この場合、映像に関係のない外部の光がスクリーンに入射したときにも同様に散乱または反射されてしまうので、映像のコントラストが劣化してしまう。このため、暗室で投影する方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、暗室で投影しても、環境光(外部からの漏れ光や暗室内部での映像と無関係な光など)やスクリーンの照り返しなどの外光ノイズがあると、映像のコントラストが劣化するとともに、黒が沈まないことになる。ここで、映像において黒が沈むと、人間の目は、高いコントラストによって奥行き感を感じたり、低輝度域の弁別能力が高いことなどから、暗い部分の表現がリアリティを増すという利点があるところ、黒が沈まないとこのような利点を得ることができない。
【0004】
したがって、この発明が解決しようとする課題は、外光ノイズが小さく、映像のコントラストが高く、黒が沈んだ映像を得ることができるスクリーンおよびその製造方法ならびにこのスクリーンを用いた投影システムを提供することにある。
【0005】
この発明が解決しようとする他の課題は、外光ノイズが小さく、映像のコントラストが高く、黒が沈んだ映像を得ることができる表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
標準的なシアター環境と同等の、スクリーン面上における映像の最大輝度を確保しつつ、スクリーン面の全面平均の反射率を少なくとも白地のスクリーンの反射率より低い値に設定することにより外光ノイズの反射を低減させた
ことを特徴とするスクリーンである。
【0007】
この発明の第2の発明は、
第1の反射率を有する下地面上に第1の反射率より高い第2の反射率を有する反射面を離散的に配置した
ことを特徴とするスクリーンである。
【0008】
ここで、典型的には、反射面の間の部分の下地面を黒の吸収面とし、反射面を白の反射面とする。典型的には、反射面は二次元的に周期的に配置される。反射面の形状は基本的には任意であるが、典型的には正方形または長方形である。反射面の大きさおよび間隔は、好適には、想定される視距離に対して視角がたとえば約1分以下となるように選ばれ、かつ、間隔は反射面の大きさの20〜50%程度に選ばれる。
【0009】
この発明の第3の発明は、
複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置した
ことを特徴とするスクリーンである。
【0010】
ここで、典型的には、反射面の間の部分の下地面を黒の吸収面とする。典型的には、反射面は二次元的に周期的に配置される。反射面の形状は基本的には任意であるが、典型的には正方形または長方形である。反射面の大きさおよび間隔は、好適には、想定される視距離に対して視角がたとえば約1分以下となるように選ばれ、かつ、間隔は反射面の大きさの20〜50%程度に選ばれる。また、反射面による反射スペクトルの半値幅は、色純度を良好とする観点より、好適には30nm±20nmとする。一般的には、反射面をn原色のそれぞれに対応した波長の光を反射し、他の光は透過するようにそれぞれ構成し、これらの反射面を積層する。たとえば、3原色の場合は、反射面を青、緑および赤のそれぞれに対応した波長の光を反射し、他の光は透過するようにそれぞれ構成し、これらの反射面を積層する。反射面の積層順序は基本的には任意であり、たとえば、スクリーン表面から見て長波長のものから短波長のものへ順に積層しても良いし、スクリーン表面から見て短波長のものから長波長のものへ順に積層しても良い。前者の場合には、視覚的な解像力が光の短波長化に伴って低下する性質によって、短波長側の反射が多少散乱されても、映像の見えの劣化を防止することができる利点がある。
【0011】
反射面は、具体的には、たとえば、大きさが1μm以下の微粒子を規則的に配列した構造としたり、大きさが1μm以下の微粒子が規則的に配列された微粒子クラスターを配列した構造としたり、フォトニック結晶を用いて特定の波長の光を反射するように構成したり、誘電体多層膜を用いて特定の波長の光を反射するように構成したりする。
【0012】
ここで、フォトニック結晶とは、屈折率(誘電率)が互いに大きく異なる透明な媒質(たとえば、二種類の透明媒質)を光の波長程度の周期、たとえば数百〜1000数百nmの周期で規則正しく配置した人工結晶であり、周期構造を持つ次元数に応じて、一次元フォトニック結晶、二次元フォトニック結晶、三次元フォトニック結晶と呼ばれる。このフォトニック結晶は、周期構造を有し、光を反射する機能を有する点で、上記の微粒子の規則配列構造と同等である。言い換えれば、微粒子の規則配列構造はフォトニック結晶の一種と考えることができる。また、誘電体多層膜は、一次元フォトニック結晶と考えることができる。
【0013】
反射面に用いる微粒子の大きさを1μm以下としたのは、微粒子の大きさとこの微粒子により反射される光の波長とはほぼ比例関係にあるところ、映像形成に寄与する可視光を反射するためには、微粒子の大きさを少なくとも1μm以下とする必要があるためである。特に、微粒子が最密構造で配列している場合、三原色の光を反射するためには、この微粒子の大きさは、典型的には約150nm以上約320nm以下である。
【0014】
反射面に用いる微粒子は、規則配列構造を形成することができれば、基本的にはどのような方法により堆積させても良いが、典型的には、自己組織化技術を用いて容易に堆積させることができる。この微粒子は、典型的には、最密構造に配列される。ここで、最密構造とは、微粒子が面心立方格子を形成するように配列した立方最密構造または微粒子が六方最密格子を形成するように配列した六方最密構造である。
【0015】
典型的には、赤、緑および青の三原色に対応した波長の光を同時に反射することができるようにするために、微粒子の直径またはフォトニック結晶または誘電体多層膜の周期は3種類存在する構造とする。微粒子としては種々のものを用いることが可能であり、必要に応じて選ぶことができるが、好適には、シリカまたはシリカと同じ屈折率を持つ微粒子が用いられる。ここで、シリカの屈折率は、形成時の条件などにもよるが、一般には1.36〜1.47の範囲にある。この場合、典型的には、微粒子の材料によらず、微粒子の屈折率をnとすると、赤色反射用として269×(1.36/n)nm以上314×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子、緑色反射用として224×(1.36/n)nm以上251×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子、青色反射用として202×(1.36/n)nm以上224×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子が用いられ、より典型的には、赤色反射用として278×(1.36/n)nm以上305×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子、緑色反射用として224×(1.36/n)nm以上237×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子、青色反射用として208×(1.36/n)nm以上217×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子が用いられる。ただし、これらの赤色反射用の微粒子、緑色反射用の微粒子および青色反射用の微粒子は、必要に応じて、互いに異なる材料のものを用いても良い。赤、緑および青の三原色に対応した波長の光を同時に反射することができるようにするためには、基板上に、縦方向に赤色反射用、緑色反射用および青色反射用のフォトニック結晶または微粒子層を積層する。これらのフォトニック結晶または微粒子層の積層順序は基本的には任意であるが、たとえば、基板上に赤色反射用、緑色反射用および青色反射用のフォトニック結晶または微粒子層を順番に積層したり、これと積層順序を逆にしたりすることができる。前者の場合にはレイリー散乱による影響を最小限に抑えることができる点で有利であり、後者の場合は特に微粒子層の結晶性を良好にすることができる点で有利である。この場合、各色用のフォトニック結晶または微粒子層の積層周期は、波長の選択性を高めるために、好適には8以上15以下とする。
【0016】
赤色反射用、緑色反射用および青色反射用のフォトニック結晶または微粒子層は基板上に横方向に配列しても良く、この場合も、各色用のフォトニック結晶または微粒子層の積層周期は波長の選択性を高めるために好適には8以上15以下とする。これらの赤色反射用、緑色反射用および青色反射用のフォトニック結晶または微粒子層の配列順序は、基本的には任意である。
【0017】
フォトニック結晶または微粒子層または誘電体多層膜を通って抜け出る、赤、緑および青の三原色以外の波長の可視光を吸収するために、スクリーンは、好適にはその可視光の吸収が可能な層またはバルク基板を有する。最も好適には、この層またはバルク基板は、すべての波長域の可視光を吸収するものである。この可視光を吸収する層またはバルク基板は、好適には、フォトニック結晶または微粒子または誘電体多層膜の下(スクリーンの観察方向から見てそれらの裏側)に設けられる。基板として、透明基板の裏面に可視光を吸収する層を設けたものを用いても良い。基板の材料としては、種々のものを用いることができ、具体的には、たとえば、カーボンその他の無機材料や、ポリエチレンテレフタレート(PET)その他の高分子材料あるいは樹脂材料のような有機材料、更には無機材料と有機材料との複合材料を用いることができる。基板上に液相で微粒子層またはフォトニック結晶を形成する場合、基板の種類によっては必ずしも濡れ性が十分でない場合もあるので、そのような場合には、好適には、微粒子層またはフォトニック結晶を形成する前に、基板表面の濡れ性を向上させる処理が施される。具体的には、たとえば、基板表面に粗面化処理を施して凹凸を形成したり、SiO2 膜その他の膜で表面をコーティングしたり、薬液で表面を処理したりする。更に、特に基板上に微粒子層を液相で堆積させる場合には、濡れ性を向上させるために、好適には、基板上にあらかじめ微粒子からなるバッファ層を形成する。このバッファ層としての微粒子層の微粒子の直径は、上記の青色反射用の微粒子の直径、すなわち208×(1.36/n)nm以上217×(1.36/n)nm以下の直径より小さく選ばれ、具体的には、208×(1.36/n)nmより小さく選ばれる。基板の厚さは、基板材料にもよるが、一般的には20μm以上あればスクリーンの強度として十分なものが得られ、破れにくいという利点が得られ、一方、500μm以下であるとスクリーンのフレキシビリティーが高くなり、巻き取りや運搬時などの取り扱いが便利になるという利点がある。スクリーンに誘電体多層膜を用いる場合、その周期構造は、波長選択性を高めるために、好適には10周期以上とする。
【0018】
回折効果により反射光を広げるためには、好適には、フォトニック結晶または微粒子の集合体の横方向の大きさを22周期より小さくする。あるいは、斜めの面とそれとは異なる角度を持つ面とを併せ持つフォトニック結晶または微粒子の集合体または誘電体多層膜を用いる。この場合、好適には、斜めの面の角度θは70°≦θ≦90°の範囲とする。あるいは、フォトニック結晶または微粒子の集合体または誘電体多層膜に曲面を持たせる。更には、フォトニック結晶または微粒子の集合体または誘電体多層膜の結晶軸を光の入射方向に対して77.4°≦α≦90°の範囲の角度α傾けるようにしても良い。また、スクリーンで反射される光の指向性を緩和する観点より、フォトニック結晶または微粒子の集合体または誘電体多層膜にうねりを持たせても良い。更に、上記の基板表面への凹凸の形成は、この光の指向性の緩和にも資するものである。
【0019】
フォトニック結晶または微粒子層または誘電体多層膜上には、スクリーンで反射される光の指向性を緩和するとともに、スクリーン全体に均一な輝度を持たせる観点より、好適には、光拡散媒体がコーティングその他の手法により設けられる。光拡散媒体は、具体的には、高分子物質などにより形成された拡散フィルム、マイクロレンズフィルム、マイクロプリズムフィルムなどである。スクリーンの機械的強度の向上の観点からは、微粒子の間の隙間が高分子物質などからなる結合剤(バインダー)により埋められる。この場合、微粒子を空洞としても良い。
【0020】
この発明の第4の発明は、
複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を基板上に離散的に配置し、反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を規則的に配列した構造を有するスクリーンの製造方法であって、
微粒子を自己組織化により配列するようにした
ことを特徴とするものである。
【0021】
ここで、自己組織化とは、一般的には、外界の情報構造に合わせて自律的に自己を組織化することを言うが、ここでは、微粒子を堆積させる系(たとえば、液相)において、その系を特徴付けるパラメータに応じて自律的に微粒子が堆積して規則的に配列することを言う。
この自己組織化による微粒子の堆積は、典型的には、次のようにして行われる。
【0022】
すなわち、この発明の第5の発明は、
複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を基板上に離散的に配置し、反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を規則的に配列した構造を有するスクリーンの製造方法であって、
2重量%以上の微粒子溶液中に基板を浸漬する第1の工程と、
基板を気相中に30μm/s以上の速度で引き上げることによりその表面を微粒子溶液で濡らす第2の工程と、
微粒子溶液で濡れた基板を気相中で乾燥させる第3の工程とを有する
ことを特徴とするものである。
【0023】
ここで、反射面を形成する部分にのみ微粒子層を堆積させるためには、たとえば、反射面を形成する部分以外の部分の基板表面をあらかじめマスクで覆っておけば良い。最も好適には、微粒子の規則配列構造、すなわち微粒子層について、必要な光学特性が得られるまで、あるいは必要な厚さが得られるまで、第1の工程から第3の工程を繰り返す。また、第1の工程から第3の工程を1回だけ行っただけでは、基板面内で微粒子層の厚さの均一性を得ることができないことが多いことから、好適には、基板の浸漬前、浸漬中(引き上げ前)または引き上げ直後のいずれかの時に基板をその面内で回転させることにより基板の向きを変える。この場合、基板の乾燥後に基板面内の微粒子層の厚さを調べ、それに合わせて基板の向きを制御しても良い。また、微粒子溶液の濃度は、通常は2重量%以上であれば微粒子層の形成を支障なく行うことができるが、微粒子層を効率的に堆積させる観点からはより高くするのが好ましく、一方、微粒子の材料にもよるが、50重量%より高くなると良好な微粒子層の形成に支障が生じるため、50重量%以下とするのが好ましい。更に、基板の引き上げ速度は、通常は30μm/s以上であれば微粒子層の付着を支障なく行うことができるが、引き上げ速度が速いと付着する微粒子層の厚さが増加する傾向があるため、微粒子層を効率的に堆積させる観点からはより速くするのが好ましく、これには基本的には上限が存在しないと考えられるが、実用的な観点からは、一般的にはたとえば3m/s以下である。
【0024】
この発明の第6の発明は、
投影光源と、
第1の反射率を有する下地面上に第1の反射率より高い第2の反射率を有する反射面を離散的に配置したスクリーンとを有する
ことを特徴とする投影システムである。
【0025】
この発明の第7の発明は、
複数の投影光源と、
複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置したスクリーンとを有する
ことを特徴とする投影システムである。
【0026】
ここで、投影光源としては、典型的にはレーザ、好適には半導体レーザが用いられる。また、高効率で高コントラストを実現する観点からは、好適には、投影する映像をスクリーンの離散的に配置されたそれぞれの反射面に集中して投影するようにする。この場合、効率およびコントラストの向上の観点からは、最も好適には、投影する映像の画素がそれぞれの反射面を完全に含むようにするのが良いが、最低限、投影する画素と反射面とが重なっていれば良い。
【0027】
この発明の第8の発明は、
互いに発光波長が異なる複数の発光ダイオードと、
複数の発光ダイオードのそれぞれの近傍に設けられた、複数の発光ダイオードのそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面とを有する
ことを特徴とする表示装置である。
【0028】
上述のように構成されたこの発明によれば、第1の反射率を有する下地面上に第1の反射率より高い第2の反射率を有する反射面を離散的に配置していることにより、等価的に全面平均の反射率を低下させることができ、外光ノイズの反射を低減させ、高いコントラストを実現することができる。特に、反射面の間の部分を黒の吸収面とすることにより、外光ノイズの反射をより低減させ、より高いコントラストを実現することができる。
【0029】
また、複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置していることにより、これらの反射面により、複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長の光だけを選択的に反射することができ、外光ノイズの反射を低減させ、高いコントラストを実現することができる。特に、反射面の間の部分を黒の吸収面とすることにより、外光ノイズの反射をより低減させ、より高いコントラストを実現することができる。
また、自己組織化により微粒子を規則的に配置することにより、所望の微粒子層を容易に形成することができる。
【0030】
更に、互いに発光波長が異なる複数の発光ダイオードのそれぞれの近傍に、これらの発光ダイオードのそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面が設けられていることにより、これらの反射面により、複数の発光ダイオードのそれぞれの発光スペクトルの中心波長の光だけを選択的に反射することができ、外光ノイズの反射を低減させ、高いコントラストを実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施形態について説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図1はこの発明の第1の実施形態によるスクリーンを示す。
図1に示すように、このスクリーンにおいては、黒の吸収面からなるフラットな下地面P上に白の反射面Qが二次元マトリクス状に離散的に等間隔で配置されている。反射面Qはたとえば正方形である。反射面Qの大きさ(面積)および間隔は、スクリーン面の全面平均の反射率が等価的に、従来の白地のスクリーンの反射率に比べて十分に低くなるように選ばれ、具体的には、たとえば、大きさは(1.6〜2.0)mm×(1.6〜2.0)mm、間隔(黒幅に相当)は1.2〜1.6mmである。スクリーン全体の面積は用途に応じて適宜選ばれる。
【0032】
図2はこの発明の第2の実施形態によるスクリーンを示す。
図2に示すように、このスクリーンにおいては、黒の吸収面からなるフラットな下地面P上に、赤色の光を選択的に反射する反射面Q1 、緑色の光を選択的に反射する反射面Q2 および青色の光を選択的に反射する反射面Q3 が二次元マトリクス状に離散的に等間隔で配置されている。一組の反射面Q1 、Q2 、Q3 が一画素を構成する。反射面Q1 、Q2 、Q3 は、具体的には、スクリーンに投影を行う時に使用する赤、緑および青用の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する。各反射面Q1 、Q2 、Q3 はたとえば長方形である。各反射面Q1 、Q2 、Q3 の大きさはたとえば(1.2〜1.6)mm×(5.5〜7.5)mm、間隔(黒幅に相当)はたとえば1.0〜1.4mmである。スクリーン全体の面積は用途に応じて適宜選ばれる。
【0033】
上述の第1および第2の実施形態によるスクリーンと従来の白地のフラットスクリーンとについて黒の沈みの比較実験を行った結果について説明する。図3に実験方法を示す。図3において、白フラットスクリーンが従来のスクリーン、白離散反射スクリーンが第1の実施形態によるスクリーン(ただし、白幅は1.8mm、黒幅は1.4mm)、RGB離散反射スクリーンが第2の実施形態によるスクリーン(ただし、RGB幅は2.0mm、黒幅は1.2mm)である。図3には、各スクリーンの一部を拡大した図も併せて載せてある。Pjはプロジェクターを示す。実験は各スクリーンの一部にプロジェクターPjにより投影を行い、明部(光照射部)と暗部(光非照射部)との輝度を測定することにより行った。暗部の輝度の測定は外光がある場合とない場合とについて行った。
【0034】
図4に実験結果を示す。図4には、光源、色温度補正フィルター、ND(Neutral Density)フィルター、明部色温度も示す。図4より、外光がある場合(そのうち室内灯によるものは60%)、白フラットスクリーンでは、明部輝度が9.75cdm-2、暗部輝度が0.0472cdm-2でコントラスト(明部輝度/暗部輝度)は9.75/0.0472≒206.6であるのに対し、白離散反射スクリーンでは、明部輝度が10.9cdm-2、暗部輝度が0.0173cdm-2でコントラストは10.9/0.0173≒630.1、RGB離散反射スクリーンでは、明部輝度が9.92cdm-2、暗部輝度が0.00960cdm-2でコントラストは9.92/0.00960≒1033.3と高い。また、外光がない場合、白フラットスクリーンでは、明部輝度が9.75cdm-2、暗部輝度が0.0126cdm-2でコントラストは9.75/0.0126≒773.8であるのに対し、白離散反射スクリーンでは、明部輝度が10.9cdm-2、暗部輝度が0.00826cdm-2でコントラストは10.9/0.00826≒1319.6、RGB離散反射スクリーンでは、明部輝度が9.92cdm-2、暗部輝度が0.00680cdm-2でコントラストは9.92/0.00680≒1458.8と高い。
【0035】
この結果から、白離散反射スクリーン、RGB離散反射スクリーンとも、白フラットスクリーンに比べて、高いコントラストが得られ、黒の沈んだ映像を得ることができることが分かる。
【0036】
次に、この発明の第3の実施形態によるスクリーンについて説明する。
第2の実施形態によるスクリーンにおいては、赤色用、緑色用および青色用の反射面Q1 、Q2 、Q3 を横方向に互いに隣接して配列しているのに対し、この第3の実施形態によるスクリーンにおいては、これらの反射面Q1 、Q2 、Q3 を積層する。ここで、これらの反射面Q1 、Q2 、Q3 の積層順序は、スクリーン表面から見て反射面Q1 、Q2 、Q3 の順序でも良いし、その逆の順序でも良い。この場合、これらの反射面Q1 、Q2 、Q3 の大きさはたとえば(0.5〜1.0)mm×(0.5〜1.0)mm、間隔(黒幅に相当)はたとえば0.1〜0.5mmである。ここで、この反射面の大きさおよび間隔は、想定される視距離に対して、概ね1分以下の視角となるように選ばれる。この角度は、視力1の人の視覚限界であり、映像が連続的に見える条件を与える。ちなみに0.5mmは、およそ1.72mの視距離にて1分の視角となる大きさである。また、上記の間隔は、反射面すなわち画素の大きさに対して、投影の誤差を20〜50%程度と考慮したものである。更に、スクリーン全体の面積は用途に応じて適宜選ばれる。
【0037】
次に、第2および第3の実施形態によるスクリーンにおける反射面Q1 、Q2 、Q3 の具体的な構造の詳細について説明する。
図5に示すように、反射板と光吸収層との組み合わせにより特定の波長の光だけを反射して他の波長の光を吸収することで、黒を沈ませるスクリーンを実現することができる。ここで、図5Aに示すものは波長の選択性が高いという特徴があり、図5Bに示すものは構造が簡単であるという特徴がある。
【0038】
特定の波長の光だけを反射するための構造の具体例を図6Aおよび図6Bに示す。図6Aに示す構造は、基板上に、大きさがあらかじめ最適化された微粒子を規則的に配列したもので、ブラッグ条件(λ=2nΛ/m、λ:入射光の波長、n:モード屈折率、Λ:構造の周期、m:次数)を満たす波長の光のみが選択的に反射される。図6Bに示す構造は、基板上に、屈折率がn1 の膜とn2 (≠n1 )の膜とを交互に積層して多層膜を形成したもので、干渉効果により特定の波長の光のみが選択的に反射される。
【0039】
まず、多層膜の反射スペクトルを有効フレネル係数法で見積もった結果を説明する。この多層膜は、互いに屈折率が異なる二種類の誘電体膜をそれらの屈折率nに対してmλ0 /4nの厚さで交互に積層したものである。ただし、mは一般には1以上の整数であるがここでは1とし、λ0 は特定の光の波長である。結果を図7に示す。ここでは、一方の誘電体膜の屈折率をn=1.2、他方の誘電体膜の屈折率をn=1.8とし、λ0 =520nmとして計算を行っている。この結果から、多層膜の周期を1から5まで増加させることで、反射率が増加し、5周期で90%以上の反射率が得られるのが判る。一方で、そのピークの半値幅が〜200nmと広いことも判る。
【0040】
次に、5周期の条件で3原色の波長λ0 =490nm(青色)、λ0 =520nm(緑色)、λ0 =650nm(赤色)について計算した結果を図8に示す。この結果から、3原色のいずれの波長の場合でもピークの半値幅が広いためにピーク同士が重なり合うが、ある程度特定の波長の光だけを反射することができることが判る。
【0041】
一方、形成方法は後に詳細に説明するが、自己組織化により最密構造で規則的に配列されたシリカ微粒子(直径D=280nm)について反射スペクトルを測定した結果を図9に示す。ただし、この測定では、白色光を微粒子層に垂直に入射して垂直に反射した光を測定している。走査型電子顕微鏡(SEM)による観察から、微粒子は自己組織化により、図10に示されるような面心立方格子か、あるいは最密六方格子の最密構造になっていると考えられる。図9より、波長625nm付近にピークが見られるのが判る。更に、その最大反射率は〜54%と比較的高く、ピークの半値幅は〜30nmと狭いことが判る。この反射は規則的に配列した微粒子によるブラッグ反射である。このように可視光の波長オーダーと同じ大きさ(<1μm)の周期構造体により、このようなブラッグ反射が生じる。
【0042】
上述のブラッグ反射についてより詳細に説明する。
最密構造には、図10Aに示すように、A、B、Cの三つの配列パターンが存在するが、面心立方格子の場合には、図10Bに示すように、ABCABC・・・の順番に積み上がることになる。このとき微粒子の直径をD=280nmとすると、その周期はΛ=727.5nmとなる。これに対して、六方最密格子の場合には、図10Cに示すように、ABAB・・・の順番に積み上がるので、その周期はΛ=485.0nmとなる。これらのことからブラッグ条件(λ=2nΛ/m)を満たす波長を計算で見積もると、表1に示すようになる。ただし、モード屈折率nは〜1.3とした。
【0043】
【0044】
これらの計算結果から、625nmに近い値として、二つ候補が挙げられる。すなわち、反射スペクトルにおいて観察された強いピークは、面心立方格子の3次のブラッグ反射か、あるいは六方最密格子の2次のブラッグ反射であることが示される。以上により、自己組織化によって堆積された微粒子の規則配列によりブラッグ反射が確認されたことになる。
【0045】
次に、上述の微粒子層による散乱光のスペクトルを測定するためにサンプル表面を20°傾けて散乱光を測定した結果を図11に示す。この場合、625nm付近の波長の光が、ほとんど反射しなくなるような逆パターン(ディップ構造)となるのが判る。これは、強いブラッグ反射のために散乱光が抑えられていることを意味する。この現象は次のように説明される。すなわち、図12に示すように、波長625nm付近の光は微粒子層の表面近くで強いブラッグ反射を受けるため、それよりも奥側に光が進まない。そのために散乱が弱く、ブラッグ反射だけを強く受けることになる。一方、625nm以外の波長の光はブラッグ反射を受けないためにそれより奥側に進むので、結果として散乱される。
【0046】
更に、上述の最密構造で配列した微粒子について、光の反射が強くなるような波長域をマスクウェル方程式による光場計算によって見積もった。ただし、実際の微粒子は図13Aに示すように○形状であるが、図13Bに示すようにそれをほぼ正方形の□形状に近似して計算を行った。ここでは、□形状粒子の横方向(x)および縦方向(y)の粒子間隔を○形状粒子のそれらと同じ間隔にして計算している(x=242nm、y=280nm)。また、充填率も0.74と、両者とも同じにして計算している。微粒子の屈折率をn=1.36とし、またサンプルの厚さを考慮して積層周期を30周期(図14)として計算を行った。その結果を図15〜図23に示す。ここでは、図中左側から微粒子層に光を入射して進行方向(図中左から右、「FORWARD」とも表す)に進む光と逆方向(図中右から左、「BACKWARD」とも表す)に進む光とに分けて光密度分布が計算されている。ただし、これらの光密度分布図は、カラープリンタで印刷されたカラー図面を複写機で白黒コピーして作成したものであり、濃さは必ずしも光密度に対応していない(以下同様)。また、紙面の都合上、横方向を縮めて示されている。これらの結果から、波長が470nm、500nm、525nm、540nm、580nm、600nm、645nm、675nmの光では、進行方向のみが強く存在して微粒子層の右端まで光が到達し、その表面から右側に光が出射しているのが判る。それに比べて逆方向の光はバルク内部のみでしか存在せず、微粒子層の左端まで到達していてもほとんどその表面から左側に光が出射していないのが判る。ところが、図21に示すように、625nmの波長の光では、逆方向に進む光が表面近くで強く生じており、その表面から左側へ光が強く出射しているのが判る。また、逆方向に進む光が強いため、進行方向の光は表面から8〜15周期分までしか進入していないことも判る。特に11周期あたりがその境界と見られる。これらの結果は、実験において625nm付近の波長の光で強い反射が起こっていることと一致している。更に、この625nmの前後の波長で詳細に調べた結果を図24〜図35に示す。これらの結果から、波長605〜632nmの範囲で反射が起きていることが判る。これらの結果は、実験において反射率のピークの半値幅が〜30nm(図9)と狭いことと良く一致する。このように多層膜に比べて微粒子で反射率のピークの半値幅が狭くなる理由としては、微粒子では横方向にもブラッグ反射が起きているために強い閉じ込め効果が起こることが関係していると考えられる。また、ブラッグ反射が起きている波長625nmでは、表面からわずか8〜15周期だけしか光が進入しておらず、これは散乱光が抑制されていることと合致する。
【0047】
次に、緑色および青色の光を反射させることについて述べる。微粒子の直径Dとこの微粒子により反射される光の波長λとはほぼ比例関係にあるので、反射させたい光の波長をλ0 とすると、D=280nmに対してλ0 =625nmの関係から、緑色(λ0 =525nm)や青色(λ0 =475nm)ではそれぞれD=235nm、D=212nmとなる。それぞれの場合について同様に光場の計算を行った。緑色反射のモデルを図36に、計算結果を図37〜図43に示す。また、青色反射のモデルを図44に、計算結果を図45〜図51に示す。これらの結果から、緑色反射と青色反射とでは、それぞれ525nmと475nmの波長のときだけに強い反射が生じていて、赤色反射と同様にほぼ8〜15周期まで光が進行しているのが判る。
【0048】
以上のように、微粒子の直径Dと波長λとはほぼ比例関係にあることから、図52に示すような関係になる。この図から、青色反射ではD=202〜224nm、緑色反射ではD=224〜251nm、赤色反射ではD=269〜314nmとなる。とりわけ色度図上で純粋な三原色として、青色反射ではλ0 =475±10nmでD=208〜217nmとなり、緑色反射ではλ0 =515±15nmでD=224〜237nmとなり、赤色反射ではλ0 =650±30nmでD=278〜305nmとなる。
【0049】
以上の結果から、たとえば、基板上に赤色反射用の微粒子層11周期を積層し、その上に緑色反射用の微粒子層11周期を積層し、更にその上に青色反射用の微粒子層11周期を積層すれば、三原色の光だけを反射させてその他の波長の光は透過すると考えられる。これらについて同様に光場の計算で見積もった。このときのモデルを図53に、計算結果を図54〜図58に示す。これらの結果から、波長が475nm、525nm、623nmのときにそれぞれの青色反射用、緑色反射用、赤色反射用微粒子層のところで強い反射が生じており、それ以上奥に進まないのが判る。それに対して、590nmや555nmなど三原色以外の波長では、反射がほとんど起こっていないので赤色反射用微粒子層の右端まで光が到達し、そこから更に右側に光が出射しているのが判る。したがって、これより奥側に光を吸収する材料を置くことで、たとえば基板として光を吸収する材料を置くことで、三原色以外の光を効率良くカットすることができる。
【0050】
そこで、この発明の第4の実施形態によるスクリーンにおいては、第3の実施形態によるスクリーンにおける反射面Q1 、Q2 、Q3 の部分を図59に示すような断面構造を有するように構成する。すなわち、基板1上に赤色反射用のD=280nmの微粒子層2を11周期積層し、その上に緑色反射用のD=234.5nmの微粒子層3を11周期積層し、更にその上に青色反射用のD=212nmの微粒子層4を11周期積層してスクリーンを構成する。微粒子層2〜4のいずれにおいても、微粒子5が最密構造で配列している。これらの微粒子層2〜4の微粒子5としては、たとえばシリカ微粒子が用いられる。また、基板1としては、三原色以外の波長の光を吸収することができるものが用いられ、具体的にはたとえばカーボン製の黒い基板が用いられる。この基板1の厚さは、20μm以上500μm以下に選ばれ、具体的にはたとえば50μm程度に選ばれる。基板1の厚さがこのように50μm程度であると、スクリーンが破れにくく、しかもフレキシビリティーが高いためスクリーンの巻き取りもしやすい。また、スクリーンの面積は用途に応じて適宜選ばれる。
【0051】
図59に示すような構造のスクリーンは、たとえば、自己組織化技術を用いることにより容易に製造することができる。すなわち、たとえば、図60に示すように、微粒子5が分散された水溶液6を用い、この水溶液6中で微粒子5をゆっくり堆積させることにより、微粒子5が自己組織化により規則的に配列する。そこで、この自己組織化技術を用いて、反射面を形成すべき部分以外の部分の表面がマスク(図示せず)で覆われた基板1上に微粒子層2〜4を順次、規則配列で積層することができ、これによってスクリーンを製造することができる。
【0052】
このスクリーンの製造方法についてより詳細に説明する。一般に、この種のスクリーンの製造方法としては、自然沈降法(たとえば、増田ほか(2001)マテリアルインテグレーション14、37−44)および浸漬引き上げ単粒子膜作製法(単粒子膜引き上げ法)(たとえば、永山(1995)粉体工学32、476−485)が考えられる。自然沈降法では、低濃度の微粒子溶液を基板上に滴下するか、低濃度の微粒子溶液中に基板を立てる。このとき、基板上に沈降した微粒子が溶媒の蒸発によって基板上に自己組織的に結晶化する。自然沈降法はこの工程を通して基板上に微粒子の三次元結晶の薄膜を得る方法である。この方法の問題点は、溶媒の蒸発に数時間以上必要であるため、基板の乾燥に長時間を要すること、基板上から溶媒が面内に均等に蒸発しないため、数cm2 以上の大面積の結晶の薄膜を作製する際には、その薄膜が面内に厚さむらを生じることである。一方、単粒子膜引き上げ法は、低濃度の微粒子溶液中に浸漬した基板を気相中に引き上げることにより微粒子単層の二次元結晶の薄膜を得る工程を利用した方法である。この工程を繰り返すことにより、微粒子単層の薄膜を積層し、任意の厚さの三次元結晶の薄膜を得る。この方法の問題点は、単粒子膜の積層によるため、工程が複雑であり、作製に長時間を要すること、面内で均一な二次元結晶化を行わせるために、引き上げ速度を低速に制御する必要があることである。数cm2 以上の大面積の薄膜作製では長時間にわたって気液界面のメニスカスが乱れないように制御する必要があり、容易ではない。
【0053】
そこで、自然沈降法による三次元結晶の作製と単粒子膜引き上げ法による面内の厚さむらの軽減とを両立させ、更に、作製時間を大幅に短縮させる方法として、引き上げ回転法を用いる。単粒子膜引き上げ法では、一度の浸漬と引き上げの工程で単層の二次元結晶薄膜しか得られないのに対して、引き上げ回転法では高濃度の微粒子溶液を用いることによって、単粒子膜引き上げ法と同様の一度の浸漬と引き上げの工程で三次元結晶薄膜を得ることができる。これにより、自然沈降法と同様に三次元結晶を得ることができる。そして、基板の回転により、単粒子膜引き上げ法のように、面内の厚さむらを軽減することができる。また、作製工程に要する時間を大幅に減らすことができる。
【0054】
この引き上げ回転法では、高濃度の微粒子溶液中に基板を浸漬し、気相中へ引き上げを行うと、乾燥が遅く溶液の濡れ量が多い部分に微粒子が集積することによって厚さむらが生じる。この厚さむらは、基板の鉛直方向下方および水平方向左右端から生じる。そこで、浸漬前、浸漬中、引き上げ直後のいずれかの時に基板を面内で回転させることにより濡れ量を制御したところ、面内の厚さむらが減少し、厚さが面内で均一な薄膜が得られた。
【0055】
図61〜図64を参照してこの引き上げ回転法を具体的に説明する。
図61Aに示すように、溶液槽7中に高濃度(たとえば、2重量%以上50重量%以下)の微粒子溶液8を入れたものを用意する。次に、図61Bに示すように、溶液槽7の上方から基板1を下降させて微粒子溶液8中に浸漬する。次に、図61Cに示すように、基板1を高速(たとえば、30μm/s以上3m/s以下)で引き上げた後、図61Dに示すように、気相中にて自然乾燥させる。
【0056】
これらの工程において、基板1に付着してくる微粒子溶液8は、乾燥すると同時に重力によって下方に移動するため、微粒子の分布は基板1の下方に偏り、乾燥後には鉛直方向に関して下方が厚く、上方が薄いという、面内分布を持った薄膜が得られる。この鉛直方向に関しては、下記の通りに工程を行うことによって、面内の厚さむらを抑えることができる。
【0057】
すなわち、図62Aに示すように、図61Dに示す工程で乾燥を行った基板1をその面内で180°回転させて上下を逆にする。次に、図62Bに示すように、溶液槽7の上方から基板1を下降させて微粒子溶液8中に浸漬する。この後、上述と同様に、基板1の高速引き上げ(図62C)および気相中自然乾燥(図62D)を行う。この結果、微粒子層の厚さは基板1の下方が厚く、上方が薄いという面内分布を持つが、先に積層した微粒子層の厚さの面内分布とは逆になるため、鉛直方向に関して、基板1全体での面内分布は均一となる。なお、この基板1の上下の回転は、浸漬前ではなく、浸漬中や引き上げ直後に行っても同様な効果を得ることができる。
【0058】
水平方向に関しても基板1全体での微粒子層の厚さの面内分布を均一とするために、図61および図62と同様な工程を行う。
すなわち、図63Aに示すように、図62Dに示す工程で乾燥を行った基板1をその面内で時計方向に90°回転させる。次に、上述と同様に、基板1の微粒子溶液8中への浸漬(図63B)、基板1の高速引き上げ(図63C)および気相中自然乾燥(図63D)を行う。
【0059】
次に、図64Aに示すように、図63Dに示す工程で乾燥を行った基板1をその面内で180°回転させて上下を逆にする。この後、上述と同様に、基板1の微粒子溶液8中への浸漬(図64B)、基板1の高速引き上げ(図64C)および気相中自然乾燥(図64D)を行う。
以上の方法により、短時間で、面内むらが観測されない結晶化した大面積の微粒子薄膜を得ることができる。
【0060】
なお、基板1を水平にし、基板1の濡れ量を面内に均一にし、乾燥させることにより面内の厚さむらを減少させる手法を考えることはできるが、実際にやって見た範囲内では、濡れ量を均一に保つことはできず、面内に厚さむらを生じた。
【0061】
ここで、自然沈降法により作製した微粒子薄膜と上述の引き上げ回転法により作製した微粒子薄膜との間の厚さむらの比較結果について説明する。
ここでは、微粒子として直径280nmのシリカ微粒子(品名KE−P30、(株)日本触媒製)、溶媒として純水、基板として市販のアルミ(アルミニウム)箔(大きさ:短辺26mm、長辺76mmの長方形)をプラズマ洗浄したものを用いた。
【0062】
まず、自然沈降法によるサンプルの作製においては、基板上に20重量%シリカ水溶液を20μl滴下し、基板表面に広げた。そして、基板を水平に保ち、樹脂製の試料ケース内で3日間乾燥させた。
一方、引き上げ回転法によるサンプルの作製においては、20重量%シリカ水溶液中に基板をその長辺方向が鉛直方向となるようにして浸漬し、そのまま速度10mm/sで垂直に引き上げ、乾燥させた。乾燥後、基板の上下を逆にし、同様に浸漬、引き上げ、乾燥を行った。次に、基板をその面内で90°回転させてその短辺方向が鉛直方向となるようにして浸漬し、そのまま速度10mm/sで垂直に引き上げ、乾燥させた。乾燥後、基板の上下を逆にし、同様に浸漬、引き上げ、乾燥を行った。このようにして、計4回の浸漬、引き上げ工程を実施した。
【0063】
両サンプルについて目視での比較を行った結果、自然沈降法に比べて引き上げ回転法では厚さむらが小さかった。また、両者ともブラッグ反射を示し、シリカの微粒子が三次元結晶を形成していることが確認された。
【0064】
基板の両短辺の中心を結ぶ線上の5点(中心点、中心点から両方向に10mmおよび20mm離れた点)で、作製した薄膜の膜厚を測定した。膜厚は基板のアルミ箔の表面と作製した薄膜の表面との鉛直距離として光計測により測定した。結果は次のとおりであった。
自然沈降法:平均値14.8μm、標準偏差3.1μm
引き上げ回転法:平均値9.9μm、標準偏差0.6μm
これらの標準偏差の違いから、自然沈降法に比べて、引き上げ回転法での膜厚のばらつきが格段に小さいことが確認された。引き上げ回転法の4回の工程により、厚さむらの小さい35層程度の三次元結晶のシリカ薄膜を作製することができた。
【0065】
以上のように、第4の実施形態によるスクリーンによれば、特定の三原色の光だけを反射して残りの波長の光を基板1側で吸収させることが可能となることにより、黒を沈ませるスクリーンを得ることができる。この場合、映像に関係ない外部の光がスクリーンに入射した場合にも、波長が異なるためにカットされるため、コントラストが劣化するのが防止される。特に、半導体レーザや発光ダイオードなどの発光ピークの半値幅が狭くて色純度の良い光で映像を形成している場合には、効率良く選択的に映像の光だけを反射して他の波長の光をカットすることで、高コントラストを維持することができるとともに、黒を沈ませることができる。したがって、暗室でなくとも映像の劣化が起こらない。また、液晶プロジェクターなどスペクトル半値幅が広い光を投影しても、波長を選択的に狭くするので、色度図上の色再現範囲が広くなり、色純度も良くなる。
【0066】
次に、回折効果により反射光の遠視野像(FFP;Far Field Pattern)を広げる方法について説明する。
図65に示すように、一般に、光の入射方向に垂直な方向の物体のサイズを十分に小さくすることにより、その物体により光は回折されて広がる。そこで、この第4の実施形態のようにスクリーンを微粒子の集合体により形成することで、微粒子による回折効果で反射光のFFPに広がりを持たせることができると考えられる。これは逆格子空間上で格子点を横方向に伸ばすことに対応する。そこで、横方向のサイズを22周期、16周期、11周期とした場合の反射波を広い面積(100μm×30μm)で計算した。その結果を図66〜図69に示す。この結果から、横方向の周期数が小さくなるほど、FFPが広くなることが判る。より詳細には、22周期ではFFP〜8°と狭いが、周期をより小さくしていくほどFFPは広がり、16周期でFFP〜11°、11周期ではFFP〜17°まで広がることが判った。
【0067】
映画館などの大きな会場でスクリーンに映像を表示する場合には比較的視野角が狭くても良く、むしろ明るさが求められる。この場合には、FFPが10〜17°程度と比較的狭くして指向性を持たせ、それによって光密度を高く、すなわち明るくすることが可能である。
【0068】
次に、屈折で反射光のFFPを広げる方法について説明する。
屈折で反射光のFFPに広がりを持たせるためには、図70に示すように、微粒子の集合体を水平面と斜面とを持つ構造とするか、図71に示すように、微粒子の集合体の表面を曲面構造とすることが考えられる。図70に示す例では特定の方向だけに斜めに反射光が出射されるが、図71に示す例では曲面に対応して任意の方向に反射光が出射される。
【0069】
図72に示すように、微粒子の集合体について垂直方向(結晶軸の方向)に対する斜面の角度θを変えて計算を行った。ただし、入射光の波長は625nmで、微粒子の直径は280nmとした(ここでは水平面(図72中左側の端面)に垂直入射する場合にはブラッグ反射が起こる条件である)。その結果を図73〜図77に示す。この結果より、θ=14.4°、58.2°の斜面に光が入射してもブラッグ反射がほとんど起きておらず、光が透過しているのが判る。それに対して、θ=70.2°、75.7°、78.9°の斜面では反射が生じているのが判る。
【0070】
更に、広い反射側においてBACKWARDの結果を図78および図79に示す。この結果より、θ=14.4°、58.2°では斜めの反射が生じていないが、θ=70.2°、75.7°、78.9°では斜めの反射が生じていることが判る。その結果をFFPとして示したグラフが図80である。この結果より、35°付近にピークが出現しているのが判る。これらの結果から、屈折の方法ではθ=90〜70°の範囲に斜面を形成すれば、FFPに70°まで広がりを持たせることができることが判る。
【0071】
次に、図81に示すように、光の入射方向に対して結晶軸を傾けた場合について説明する。この場合、ブラッグ条件を満たす波長がずれることになる。その波長は、垂直入射(入射方向が結晶軸と平行)のときの波長をλ0 とすると、λ(θ)=λ0 sinθとなる。これは、図82に示すように、光の入射方向がずれてくるために逆格子空間において格子点が原点を中心に回転することにより、同じエワルド球(1/λを半径とした球)の面上にその格子点が乗らなくなることを意味する。この効果を考慮して計算した結果を図83に示す。この結果より、スペクトルの半値幅が30nmである場合、θ=77.4〜90°の範囲内であればブラッグ反射が生じることになる。θ=77.4°の場合には、垂直方向から2θ=25.6°の角度で反射されることになるが、反対方向、すなわちθ=−77.4°にも軸を傾斜させると合計でFFP=51.6°となる。
【0072】
以上のように、屈折を用いる方法や結晶軸を傾ける方法は、家庭などの狭い空間でスクリーンに投影する場合に適する。この場合、指向性が強いと、見る場所によって映像が見えなくなるからである。
この指向性を緩やかにするためには、図84に示すように、微粒子の集合体9にうねりを持たせるようにしても良い。
【0073】
次に、スクリーンの波長の選択性について説明する。
波長の選択性も逆格子空間を用いて説明することができる。すなわち、図85に示すように、光の入射方向のサイズが小さい場合、逆格子空間での格子点はその方向に伸びる。その結果、格子点と交差するエワルド球が多数存在することとなり、結果としてブラッグ条件を満たす波長λの範囲が広がることになる。ここで、5層と10層の場合の誘電体多層膜の反射スペクトルについて、有効フレネル係数法で計算を行った。その結果を図86および図87に示す。この結果から、5層では半値幅が200nm程度あるのに対して10層構造では半値幅が50nmと狭くなっているのが判る。ただし、波長の選択性を良くしようとして、単純に層数を増やすだけでは不十分であり、光にとっての実効的なサイズを大きくする必要がある。数層のみでは100%反射されるものを100層ほど積層しても、実効的なサイズは数層のみで波長の選択性は悪いままである。したがって、微粒子による個々の回折格子の反射効率をなるべく下げて、多層にわたって回折が生じるような構造にするのが望ましい。
【0074】
上述のように、第4の実施形態によるスクリーンを使用することで各三原色のスペクトルの半値幅が狭くなるが、これによって色純度が良くなり、色度図上の再現範囲が広がることを以下に説明する。
【0075】
図88〜図91および図92〜図95はそれぞれ液晶(LCD;Liquid Crystal Display)プロジェクターおよびDLP(Digital Light Processing)プロジェクターから出射した光のスペクトルを測定した結果である。ここで、図88、図92は白色を、図89、図93は青色を、図90、図94は緑色を、図91、図95は赤色を表示したときのスペクトルである。色フィルターを用いて波長の選択を行っているため、LCDプロジェクター、DLPプロジェクターともに各三原色のスペクトル半値幅が60〜100nmと広いことが判る。このとき通常のスクリーンを用いると光が反射されても半値幅に変化がないために、このスペクトルの半値幅で色再現性が決定されることになる。これに対し、図59に示すような構造のスクリーンを用いた場合、プロジェクターから出射した光の各三原色のスペクトル半値幅が広くても、スクリーンで反射されるときに波長が選択されて半値幅が30nmまで狭くなる。このとき、色度図上の色再現範囲が広がるとともに色再現性が良くなる。図96は色度図上でそのことを表している。DLPやLCDでは色再現範囲が狭いのに対し、図59に示すような構造のスクリーンを用いた場合、その範囲が広がるとともに色の再現性が良くなるのが判る。
【0076】
次に、この発明の第5の実施形態によるスクリーンについて説明する。図97にこのスクリーンを示す。
図97に示すように、この第5の実施形態によるスクリーンにおいては、微粒子層4の最上面に拡散フィルム10が配置されている。この拡散フィルム10は、光の拡散およびスクリーン表面の保護のためのものである。すなわち、スクリーンから反射される光をこの拡散フィルム10により拡散させることで、指向性を緩和するとともに、スクリーン全体に均一な輝度を持たせることができる。言い換えれば、いわゆるホットスポットをなくすことができる。また、この拡散フィルム10により、機械的なダメージで微粒子が剥がれるのを防止することができる。
【0077】
この拡散フィルム10としては、可視光領域において透明な材料で、かつ光を拡散させるものが望ましい。光を拡散させるためには、フィルム面内で異なる屈折率分布を持たせても、またはフィルム表面に凹凸を設けても良い。この拡散フィルム10としては、具体的には、たとえば、光拡散性のあるポリエチレンフィルム(作製上、面内に屈折率分布を持つ)や、光を拡散することができるように表面を凹凸加工したポリカーボネートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ塩化ビニルフィルムなどが挙げられる。この拡散フィルム10の厚さは、通常は5mm以下、望ましくは1mm以下とする。
【0078】
拡散フィルム10を配置するには、たとえば、基板1上に微粒子層2〜4を積層した後に、張力(テンション)を加えながらこの拡散フィルム10を微粒子層4の表面に貼って接着しても良いし、この拡散フィルム10の裏側に予め接着剤を塗布して接着しても良い。更には、光学特性を良くするために、この拡散フィルム10の表面に、反射防止のための1/4波長コーティングを行っても良い。この場合、フィルム材の屈折率より低い屈折率の材料でコーティングする必要がある。具体的には、たとえば〜100nmの厚さのSiO2 ガラス膜を塗布や蒸着法でコーティングする。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0079】
次に、この発明の第6の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図98に示す。
図98に示すように、この第6の実施形態によるスクリーンにおいては、微粒子層4の最上面に、二次元マイクロレンズアレイが形成されたマイクロレンズフィルム11が配置されている。このマイクロレンズフィルム11のマイクロレンズは凸レンズでも、凹レンズでも、両者の複合でも良い。スクリーンから反射される光をこのマイクロレンズフィルム11により拡散させることで、指向性を緩和するとともに、スクリーン全体に均一な輝度を持たせることができ、ホットスポットをなくすことができる。また、このマイクロレンズフィルム11により、機械的なダメージで微粒子が剥がれるのを防止することができる。
【0080】
このマイクロレンズフィルム11の材質は、可視光領域で透明なものであれば、基本的にはどのようなものであっても良い。たとえば、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニルでも良い。このマイクロレンズフィルム11のマイクロレンズは画素サイズと同程度かそれより小さければ良く、たとえば、面内に0.1mm程度の直径のレンズを密に配置すれば良い。更に特性を良くするために、この表面には反射防止のための1/4波長コーティングを行っても良い。この場合、マイクロレンズフィルム11のレンズの屈折率より低い屈折率の材料でコーティングする必要がある。たとえば〜100nmの厚さのSiO2 ガラス膜を塗布や蒸着法でコーティングしても良い。
マイクロレンズフィルム11の配置方法は第2の実施形態と同様である。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0081】
次に、この発明の第7の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図99に示す。
図99に示すように、この第7の実施形態によるスクリーンにおいては、微粒子層4の最上面に、二次元マイクロプリズムアレイが形成されたマイクロプリズムフィルム12が配置されている。スクリーンから反射される光をこのマイクロプリズムフィルム12により拡散させることで、指向性を緩和するとともに、スクリーン全体に均一な輝度を持たせることができ、ホットスポットをなくすことができる。また、このマイクロプリズムフィルム12により、機械的なダメージで微粒子が剥がれるのを防止することができる。
【0082】
このマイクロプリズムフィルム12の材質は、可視光領域で透明なものであれば、基本的にはどのようなものであっても良い。たとえば、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートやポリ塩化ビニルでも良い。このマイクロプリズムフィルム12のマイクロプリズムは画素サイズと同程度かそれより小さければ良く、たとえば、面内に0.1mm程度の直径のプリズムを密に配置すれば良い。更に特性を良くするために、この表面には反射防止のための1/4波長コーティングを行っても良い。この場合、マイクロプリズムフィルム12のプリズムの屈折率より低い屈折率の材料でコーティングする必要がある。たとえば〜100nmの厚さのSiO2 ガラス膜を塗布や蒸着法でコーティングしても良い。
マイクロプリズムフィルム12の配置方法は第2の実施形態と同様である。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0083】
次に、この発明の第8の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図100に示す。このスクリーンは、第2の実施形態によるスクリーンに対応するものである。
上述の第4ないし第7の実施形態においては、基板1上に赤色反射用の微粒子層2、緑色反射用の微粒子層3および青色反射用の微粒子層4を縦方向(基板に垂直な方向)に積層しているが、この第8の実施形態においては、これらの微粒子層2〜4を基板1上に横方向(基板に平行な方向)に配置する。
【0084】
すなわち、図100に示すように、この第8の実施形態によるスクリーンにおいては、基板1上に、赤色反射用の微粒子層2、緑色反射用の微粒子層3および青色反射用の微粒子層4が横方向に配置されている。
【0085】
基板1上に微粒子層2〜4を形成するためには、たとえば、インクジェット方式で各色用の微粒子を基板1上に塗り分けても良いし、スクリーン印刷やグラビア印刷を用いて塗り分けても良い。あるいは、各微粒子層2〜4のパターンに対応した開口を有するマスクを用意し、これらのマスクを用いて各色用の微粒子を三回塗布しても良い。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0086】
この第8の実施形態によれば、三原色用の微粒子層2〜4が基板1上に横方向に配置されているので、三原色の微粒子層2〜4を基板1上に縦方向に積層した場合に比べて、トータルな微粒子層の縦方向の厚さが小さくなり、それによって光の散乱などによる損失が減ることから、光の吸収を効率的に行うことができる。
【0087】
次に、この発明の第9の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図101に示す。
図101に示すように、この第9の実施形態によるスクリーンにおいては、微粒子層2〜4において、微粒子5の間の隙間がバインダー13により埋められている。ここで重要なことは、このバインダー13の材料としては、微粒子の屈折率と異なる屈折率を持つ材料を用いることである。具体的には、たとえば、微粒子がシリカ微粒子である場合には、バインダー13として、ポリプロピレンやポリエチレンやポリイソブチレンやポリ酢酸ビニルなどのポリオレフィン系材料を用いることができる。
【0088】
このスクリーンを製造するには、たとえば、基板1上に微粒子層2〜4を形成した後にこれらの微粒子層2〜4にバインダー材料を溶かした溶液を染み込ませて固化させる方法や、予め微粒子(たとえば、シリカ微粒子)のコロイド溶液にこのバインダー材料を溶かした溶液を入れて微粒子の堆積とともに微粒子5の隙間を埋める方法などがある。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0089】
この第9の実施形態によれば、第4の実施形態と同様な利点に加えて、微粒子5の間の隙間がバインダー13により埋められていることにより、スクリーンの機械的な強度の向上を図ることができるとともに、微粒子5の材料に対してバインダー13の屈折率を制御して反射スペクトルの半値幅を狭くすることができるなど光学特性の向上を図ることができるという利点を得ることができる。
【0090】
次に、この発明の第10の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図102に示す。
図102に示すように、この第10の実施形態によるスクリーンにおいては、図101に示すスクリーンの微粒子層2〜4における微粒子5に相当する部分が空洞14になっており、いわゆるインバースオパール構造となっている。
このスクリーンを製造するためには、たとえば、基板1上に微粒子層2〜4を形成し、更にこれらの微粒子層2〜4にバインダー材料を溶かした溶液を染み込ませて固化させることにより微粒子5の隙間をバインダー13で埋めた後、所定のエッチング液、たとえばフッ酸溶液に入れて微粒子(たとえば、シリカ微粒子)を溶かせば良い。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0091】
この第10の実施形態によれば、第4の実施形態と同様な利点に加えて、微粒子に相当する空洞14とバインダー13との屈折率差は空気とバインダー13との屈折率差となるので、微粒子5がシリカ微粒子などである場合に比べて、大きい屈折率差を得ることができる。このため、必要な反射を起こさせるために必要な微粒子層の周期をより少なくすることができ、ひいてはスクリーンをより薄型化することができる。
【0092】
次に、この発明の第11の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図103に示す。
図103に示すように、この第11の実施形態によるスクリーンにおいては、基板として、透明基板15の裏面に光吸収層16を設けたものが用いられている。この光吸収層16としては、三原色以外の波長の光を吸収することができるものが用いられ、たとえばカーボン膜が用いられる。より具体的には、透明基板15はたとえば透明なガラス基板やポリカーボネート基板であり、光吸収層16はそれらの裏面にコーティングしたカーボン膜である。
【0093】
ここで、光吸収層16の厚さはその材料に応じて三原色以外の波長の光を十分に吸収することができるように選ばれるが、光吸収層16としてカーボン膜を用いる場合の厚さについて説明すると、次のとおりである。すなわち、カーボンの吸収係数αは、その作製方法に依存するが、一般に103 〜105 cm-1である。光強度Pは、光が光吸収層16を進んだ距離をxとするとP(x)/P(0)=exp(−αx)と表されるから、α=105 cm-1の場合、十分な吸収として1/e(e:自然対数の底)まで光強度を弱めるためにはカーボン膜の厚さdを0.1μmとすれば良い。したがって、最低d=0.1μmが必要となる。更に、α=103 cm-1でも1/eまで光強度を弱めるためにはカーボン膜の厚さをd=10μmとすることが必要となる。これらのことから、カーボン膜の厚さを0.1μm以上、好適には10μm以上にする必要がある。
【0094】
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
この第11の実施形態によれば、第4の実施形態と同様な利点に加えて、基板自体が光吸収を起こすものでなくても良いので、基板の材料の選択の自由度が高くなるという利点を得ることができる。
【0095】
次に、この発明の第12の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図104に示す。
図104に示すように、この第12の実施形態によるスクリーンにおいては、基板として、表面がサンド加工により粗面化処理された黒い(三原色以外の波長の光を吸収することができる)PETフィルム17が用いられている。ここで、サンド加工とは、やすりなどで擦って表面を荒らす加工のことである。このPETフィルム17の表面の凹凸の高さはたとえば0.8〜4μmである。この場合、サンド加工により粗面化処理されたPETフィルム17の表面は濡れ性が良好であるため、シリカ微粒子などの微粒子5が分散された水溶液6が塗布されやすくなる。更に、PETフィルム17の表面の凹凸により光の指向性が緩和されるため、ホットスポットが発生しにくくなる。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0096】
この第12の実施形態によれば、第4の実施形態と同様な利点に加えて、基板として、安価なPETフィルム17を用いているので、スクリーンを安価に製造することができるという利点を得ることができる。
【0097】
次に、この発明の第13の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図105に示す。
上述の第4の実施形態においては、基板1上に赤色反射用の微粒子層2、緑色反射用の微粒子層3および青色反射用の微粒子層4を縦方向に順次積層しているが、これらの微粒子層2〜4の積層順序は必ずしもこのようにする必要はなく、微粒子5の配列性(結晶性)の観点からは、むしろ積層順序を逆にするのが望ましい。そこで、この第13の実施形態においては、微粒子層2〜4の積層順序を逆にした場合について説明する。
【0098】
すなわち、図105に示すように、この第13の実施形態によるスクリーンにおいては、基板1上に、青色反射用の微粒子層4、緑色反射用の微粒子層3および赤色反射用の微粒子層2が順次積層されている。この場合、青色反射用の微粒子層4の微粒子5は最も小さいため、この微粒子5を基板1上に配列させると、微粒子層4の表面の凹凸が最も小さいことになる。このように凹凸が小さい下地表面に、次に大きい、緑色反射用の微粒子層3の微粒子5を配列させた場合、その配列性が乱れにくくなり、結晶性が良くなる。同様に、この微粒子層3上に、次に大きい、赤色反射用の微粒子層2の微粒子5を配列させた場合にも、その配列性が乱れにくく、結晶性が良くなる。このようにして、微粒子層2〜4のいずれの結晶性も良くすることができる。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0099】
この第13の実施形態によれば、第4の実施形態と同様な利点に加えて、微粒子層2〜4のいずれの結晶性も良好であることから、反射スペクトルの半値幅が狭く、効率的に三原色を反射させることができるとともに、それ以外の光は基板1で吸収することができるという利点を得ることができる。
【0100】
次に、この発明の第14の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図106に示す。
図106に示すように、この第14の実施形態によるスクリーンにおいては、基板1上に、バッファ層18を介して、赤色反射用の微粒子層2、緑色反射用の微粒子層3および青色反射用の微粒子層4が順次積層されている。ここで、バッファ層18は、青色反射用の微粒子層4の微粒子より小さい直径、具体的にはたとえばD=120nmの微粒子による微粒子層からなる。
このスクリーンを製造するには、基板1上にまずバッファ層18としての微粒子層を堆積させた後、その上に微粒子層2〜4を堆積させる。
上記以外のことは、第4の実施形態によるスクリーンと同様であるので、説明を省略する。
【0101】
この第14の実施形態によれば、第4の実施形態と同様な利点に加えて、次のような利点を得ることができる。すなわち、基板1上に微粒子層からなるバッファ層18を堆積させ、その上に微粒子層2〜4を堆積させているため、基板1上に微粒子層2〜4を直接堆積させる場合に比べて、微粒子層2〜4を形成する下地の濡れ性が向上する。このため、結晶性の良好な微粒子層2〜4を得ることができる。また、バッファ層18としての微粒子層の微粒子の直径は、青色反射用の微粒子層4より小さいD=120nmであるため、スクリーンに光を投影したときのこのバッファ層18からのブラッグ反射の波長は可視光の波長より短く、スクリーン特性に影響を及ぼさない。
【0102】
次に、この発明の第15の実施形態による投影システムについて説明する。この投影システムの構成を図107に示す。図108にこの投影システムの斜視図を示す。
【0103】
図107および図108に示すように、この第15の実施形態による投影システムは、第2〜第11の実施形態のいずれかによるスクリーン19とこのスクリーン19に映像を投影するためのプロジェクター20とからなる。プロジェクター20は、赤色、緑色および青色の光を発光可能な光源21と集光および投影用のレンズ22、23とを備えている。光源21は、赤色、緑色および青色の光を発光可能な半導体発光素子、すなわち半導体レーザまたは発光ダイオードからなる。より具体的には、光源21として半導体レーザを用いる場合を考えると、赤色用の半導体レーザとしてはたとえばAlGaInP系半導体レーザが、緑色用の半導体レーザとしてはたとえばZnSe系半導体レーザが、青色用の半導体レーザとしてはたとえばGaN系半導体レーザが用いられる。
【0104】
次に、この発明の第16の実施形態による投影システムについて説明する。図109にこの投影システムの斜視図を示す。また、図110にこの投影システムにおけるスクリーンの一部の拡大図を示す。
【0105】
この第16の実施形態による投影システムは、図109に示すように、たとえば第3の実施形態によるスクリーンと同様な、画素を構成する反射面Q´が黒の下地面P上に離散的に配置されたスクリーン19にプロジェクター20により映像を投影する点は第15の実施形態による投影システムと同様であるが、この場合には、投影する映像をそれぞれの反射面Q´に集中して投影することが特徴である。
【0106】
図110はこの集中投影の一例を示し、反射面Q´が投影する画素内に完全に含まれるように映像の投影を行う場合である。図110において、x、yは反射面Q´の大きさ、X、Yは投影する画素の大きさ、Δx、Δyは投影する画素内にある黒の下地面P´、すなわち吸収面の幅で、投影の誤差許容範囲である。
【0107】
図110に示すような状態を実現するには、たとえば次のようにすれば良い。すなわち、プロジェクター20がたとえばLCDプロジェクターである場合を例にとると、投影を行ったときスクリーン19上に画素のパターンが映るので、LCDプロジェクターのズーミングによりこのパターンの拡大、縮小を行い、このパターン内に反射面Q´が含まれるようにすれば良い。
【0108】
この第16の実施形態によれば、投影する映像をそれぞれの反射面Q´に集中して投影するようにしていることにより、高効率、高コントラストを実現することができる。
【0109】
次に、この発明の第17の実施形態によるスクリーンについて説明する。このスクリーンを図111に示す。
図111に示すように、この第17の実施形態によるスクリーンにおいては、第3の実施形態によるスクリーンにおける赤色用、緑色用および青色用の反射面Q1 、Q2 、Q3 がそれぞれ球状の微粒子クラスターC1 、C2 、C3 により構成され、これらの反射面Q1 、Q2 、Q3 が積層されて、黒の下地面を構成する吸収層である基板1上に離散的に配置されている。ここで、赤色用の微粒子クラスターC1 はたとえばD=280nmの微粒子層を最密構造で11周期積層したもの、緑色用の微粒子クラスターC2 はたとえばD=234.5nmの微粒子層を最密構造で11周期積層したもの、青色用の微粒子クラスターC3 はたとえばD=212nmの微粒子層を最密構造で11周期積層したものである。これらの微粒子クラスターC1 、C2 、C3 の構造を図112に示す。これらの微粒子クラスターC1 、C2 、C3 の直径はたとえば5μm程度である。ここで重要なことは、基板1上におけるこれらの微粒子クラスターC1 、C2 、C3 はそれらの配列面内で微粒子層の方位がそろっておらず、ばらついていることである。
【0110】
図112に示すように、微粒子クラスターC1 、C2 、C3 に入射した光はブラッグ反射(ブラッグ角をθB とする)されるが、上述のようにこれらの微粒子クラスターC1 、C2 、C3 の微粒子層の方位がそれらの配列面内でばらついているため、このブラッグ反射が生じる方向にもばらつきが存在する。このため、スクリーンで反射される光の指向性を緩和することができる。
このスクリーンを製造するには、たとえば、すでに述べた自己組織化技術を用いて基板1上に微粒子クラスターC1 、C2 、C3 を順次堆積させれば良い。
【0111】
この第17の実施形態によれば、反射面の離散配置により高いコントラストを得ることができるとともに、反射される光の指向性を緩和することができる。
【0112】
次に、この発明の第18の実施形態によるディスプレイについて説明する。このディスプレイは、RGB離散発光・離散拡散反射型である。このディスプレイの一画素分の断面図(ディスプレイ面に垂直な断面図)を図113に示す。
【0113】
図113に示すように、このディスプレイにおいては、それぞれ凹面形状(たとえば、球面形状、回転楕円面形状、回転放物面形状など)を有する赤色反射用の微粒子層2、緑色反射用の微粒子層3および青色反射用の微粒子層4がディスプレイ面内に互いに隣接して配列されており、これらにより一画素が形成されている。これらの微粒子層2、3、4の裏面には光吸収層16が形成されている。図示は省略するが、これらの微粒子層2、3、4および光吸収層16は通常は支持基板上に形成される。
【0114】
各微粒子層2、3、4の凹面の奥の中心にはそれぞれ赤色発光の発光ダイオード24、緑色発光の発光ダイオード25および青色発光の発光ダイオード26がそれらの発光面が前方に向くように配置されている。この場合、微粒子層2は赤色発光の発光ダイオード24の発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有し、微粒子層3は緑色発光の発光ダイオード25の発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有し、微粒子層4は青色発光の発光ダイオード26の発光スペクトルの中心波長に合った反射特性を有する。ここで重要なことは、発光ダイオード24、25、26のそれぞれから発する光の放射角内に各微粒子層2、3、4が含まれ、これらの微粒子層2、3、4に発光ダイオード24、25、26のそれぞれからの赤色、緑色および青色の光が入射し、そこで拡散反射されてディスプレイの前方に到達するように、各微粒子層2、3、4の凹面の曲率や大きさなどが決められていることである。これらの発光ダイオード24、25、26は、微小なものが好ましく、たとえばマイクロクリスタル発光ダイオードが用いられる。なお、図示は省略するが、各画素の発光ダイオード24、25、26を個別に駆動するための配線が縦横に形成されている。
【0115】
この第18の実施形態によれば、発光ダイオード24、25、26のそれぞれからの赤色、緑色および青色の光がそれぞれ微粒子層2、3、4に入射してそれぞれの発光スペクトルの中心波長の色純度の高い光のみが選択的に拡散反射されることから、ディスプレイに表示される映像コンテンツの見えを滑らかにすることができるとともに、外光ノイズの反射を低減させ、高いコントラストを実現することができる。
【0116】
次に、この発明の第19の実施形態によるディスプレイについて説明する。このディスプレイは、RGB離散発光・積層拡散反射型である。このディスプレイの一画素分の断面図(ディスプレイ面に垂直な断面図)を図114に示す。
【0117】
図114に示すように、このディスプレイにおいては、ディスプレイ面内に、それぞれ凹面形状(たとえば、球面形状、回転楕円面形状、回転放物面形状など)を有する赤色反射用の微粒子層2、緑色反射用の微粒子層3および青色反射用の微粒子層4が順次積層されており、これらにより一画素が形成されている。これらの微粒子層2、3、4の裏面には光吸収層16が形成されている。図示は省略するが、これらの微粒子層2、3、4および光吸収層16は通常は支持基板上に形成される。
【0118】
微粒子層4の凹面の奥の中心にはそれぞれ赤色発光の発光ダイオード24、緑色発光の発光ダイオード25および青色発光の発光ダイオード26がディスプレイ面内において互いに近接して、かつ、それらの発光面が前方に向くように配置されている。この場合、微粒子層2は赤色発光の発光ダイオード24の発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有し、微粒子層3は緑色発光の発光ダイオード25の発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有し、微粒子層4は青色発光の発光ダイオード26の発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する。ここで重要なことは、発光ダイオード24、25、26のそれぞれから発する光の放射角内に微粒子層2、3、4が含まれ、これらの微粒子層2、3、4に発光ダイオード24、25、26のそれぞれからの赤色、緑色および青色の光が入射し、そこで拡散反射されてディスプレイの前方に到達するように、微粒子層2、3、4の凹面の曲率や大きさなどが決められていることである。これらの発光ダイオード24、25、26は、微小なものが好ましく、たとえばマイクロクリスタル発光ダイオードが用いられる。なお、図示は省略するが、各画素の発光ダイオード24、25、26を個別に駆動するための配線が縦横に形成されている。
この第19の実施形態によれば、第18の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0119】
以上、この発明の実施形態につき具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0120】
たとえば、上述の実施形態において挙げた数値、配置、構造、形状、材料、微粒子の堆積方法などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、配置、構造、形状、材料、微粒子の堆積方法などを用いても良い。
【0121】
また、上述の第6の実施形態においては微粒子層4の最上面にマイクロレンズフィルム11を配置し、上述の第7の実施形態においては微粒子層4の最上面にマイクロプリズムフィルム12を配置しているが、マイクロレンズとマイクロプリズムとが混在したフィルムを微粒子層4の最上面に配置するようにしても良い。
【0122】
更に、上述の第17の実施形態においては、赤色用、緑色用および青色用の反射面Q1 、Q2 、Q3 を基板1上に順次積層しているが、これらの反射面Q1 、Q2 、Q3 の積層順序を逆にしても良いし、これらの反射面Q1 、Q2 、Q3 を横方向に配置しても良い。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、外光ノイズが小さく、映像のコントラストが高く、黒が沈んだ映像を得ることができるスクリーンおよび投影システムを実現することができる。
また、外光ノイズが小さく、映像のコントラストが高く、黒が沈んだ映像を得ることができる表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態によるスクリーンを示す平面図である。
【図2】この発明の第2の実施形態によるスクリーンを示す平面図である。
【図3】この発明の第2および第3の実施形態によるスクリーンを従来の白フラットスクリーンと比較するための略線図である。
【図4】この発明の第2および第3の実施形態によるスクリーンを従来の白フラットスクリーンと比較するために行った実験の結果を示す略線図である。
【図5】この発明によるスクリーンの原理を説明するための略線図である。
【図6】この発明によるスクリーンの原理を説明するための略線図である。
【図7】多層膜の反射スペクトルを示す略線図である。
【図8】多層膜の反射スペクトルを示す略線図である。
【図9】規則的に配列された微粒子の反射スペクトルを示す略線図である。
【図10】最密構造を説明するための略線図である。
【図11】規則的に配列された微粒子の反射スペクトルを示す略線図である。
【図12】特定の波長の光が反射される理由を説明するための略線図である。
【図13】微粒子の光場の計算に用いたモデルを示す略線図である。
【図14】微粒子の光場の計算に用いたモデルを示す略線図である。
【図15】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図16】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図17】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図18】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図19】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図20】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図21】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図22】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図23】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図24】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図25】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図26】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図27】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図28】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図29】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図30】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図31】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図32】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図33】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図34】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図35】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図36】緑色反射に対する微粒子の光場の計算に用いたモデルを示す略線図である。
【図37】緑色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図38】緑色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図39】緑色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図40】緑色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図41】緑色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図42】緑色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図43】緑色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図44】青色反射に対する微粒子の光場の計算に用いたモデルを示す略線図である。
【図45】青色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図46】青色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図47】青色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図48】青色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図49】青色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図50】青色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図51】青色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図52】シリカ微粒子の直径とブラッグ反射が起こる波長との関係を示す略線図である。
【図53】三原色反射に対する微粒子の光場の計算に用いたモデルを示す略線図である。
【図54】三原色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図55】三原色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図56】三原色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図57】三原色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図58】三原色反射に対する微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図59】この発明の第4の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図60】この発明の第4の実施形態によるスクリーンの製造方法を説明するための略線図である。
【図61】この発明の第4の実施形態によるスクリーンの製造方法を説明するための略線図である。
【図62】この発明の第4の実施形態によるスクリーンの製造方法を説明するための略線図である。
【図63】この発明の第4の実施形態によるスクリーンの製造方法を説明するための略線図である。
【図64】この発明の第4の実施形態によるスクリーンの製造方法を説明するための略線図である。
【図65】回折により光が広がる様子を示す略線図である。
【図66】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図67】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図68】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図69】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図70】屈折により光が広がる様子を示す略線図である。
【図71】屈折により光が広がる様子を示す略線図である。
【図72】微粒子の光場の計算に用いたモデルを示す略線図である。
【図73】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図74】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図75】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図76】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図77】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図78】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図79】微粒子の光場の計算結果を示す略線図である。
【図80】反射光の広がりを遠視野像の広がりとして示す略線図である。
【図81】結晶軸を傾けた効果を説明するための略線図である。
【図82】逆格子空間を示す略線図である。
【図83】結晶軸の傾きとブラッグ条件を満たす波長との関係を示す略線図である。
【図84】指向性を緩和する構造の一例を示す略線図である。
【図85】逆格子空間を示す略線図である。
【図86】誘電体多層膜の反射スペクトルを示す略線図である。
【図87】誘電体多層膜の反射スペクトルを示す略線図である。
【図88】LCDプロジェクターから出射した光のスペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図89】LCDプロジェクターから出射した光のスペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図90】LCDプロジェクターから出射した光のスペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図91】LCDプロジェクターから出射した光のスペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図92】DLPプロジェクターから出射した光のスペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図93】DLPプロジェクターから出射した光のスペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図94】DLPプロジェクターから出射した光のスペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図95】DLPプロジェクターから出射した光のスペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図96】色度図を示す略線図である。
【図97】この発明の第6の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図98】この発明の第7の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図99】この発明の第8の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図100】この発明の第9の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図101】この発明の第10の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図102】この発明の第11の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図103】この発明の第12の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図104】この発明の第13の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図105】この発明の第14の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図106】この発明の第15の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図107】この発明の第15の実施形態による投影システムを示す側面図である。
【図108】この発明の第15の実施形態による投影システムを示す略線図である。
【図109】この発明の第16の実施形態による投影システムを示す略線図である。
【図110】この発明の第16の実施形態による投影システムにおけるスクリーンの一部の拡大図である。
【図111】この発明の第17の実施形態によるスクリーンを示す断面図である。
【図112】この発明の第17の実施形態によるスクリーンに用いる微粒子クラスターを示す略線図である。
【図113】この発明の第18の実施形態によるディスプレイを示す断面図である。
【図114】この発明の第19の実施形態によるディスプレイを示す断面図である。
【符号の説明】
P・・・黒の下地面、Q・・・白の反射面、Q1 、Q2 、Q3 ・・・反射面、1・・・基板、2、3、4・・・微粒子、5・・・微粒子、10・・・拡散フィルム、11・・・マイクロレンズフィルム、12・・・マイクロプリズムフィルム、13・・・バインダー、14・・・空洞、15・・・透明基板、16・・・光吸収層、17・・・PETフィルム、18・・・バッファ層、19・・・スクリーン、20・・・プロジェクター、21・・・光源、C1 、C2 、C3 ・・・微粒子クラスター、24、25、26・・・発光ダイオード
Claims (47)
- 複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置し、上記反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を最密構造に配列した構造を有し、
上記反射面をn原色のそれぞれに対応した波長の光を反射し、他の光は透過するようにそれぞれ構成し、これらの反射面を積層したスクリーン。 - 上記反射面の間の部分の上記下地面を黒の吸収面とした請求項1記載のスクリーン。
- 上記反射面による反射スペクトルの半値幅を30nm±20nmとした請求項1記載のスクリーン。
- 複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置し、上記反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を最密構造に配列した構造を有し、
上記反射面を青、緑および赤のそれぞれに対応した波長の光を反射し、他の光は透過するようにそれぞれ構成し、これらの反射面を積層したスクリーン。 - 上記反射面をスクリーン表面から見て長波長のものから短波長のものへ順に積層した請求項1または4記載のスクリーン。
- 上記反射面をスクリーン表面から見て短波長のものから長波長のものへ順に積層した請求項1または4記載のスクリーン。
- 上記反射面は、n原色のそれぞれに対応した波長の光を同時に反射することができるように、上記微粒子の直径がn種類存在する構造を有する請求項1または4記載のスクリーン。
- 上記反射面は、自己組織化により上記微粒子を最密構造に配列した構造を有する請求項1記載のスクリーン。
- 上記反射面は、赤、緑および青の三原色に対応した波長の光を同時に反射することができるように、上記微粒子の直径が3種類存在する構造を有する請求項1記載のスクリーン。
- 上記微粒子としてシリカまたはシリカと同じ屈折率を持つ微粒子を用いた請求項1記載のスクリーン。
- 赤色反射用として269×(1.36/n)nm以上314×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子、緑色反射用として224×(1.36/n)nm以上251×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子、青色反射用として202×(1.36/n)nm以上224×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子(ただし、nは微粒子の屈折率)を用いた請求項10記載のスクリーン。
- 赤色反射用として278×(1.36/n)nm以上305×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子、緑色反射用として224×(1.36/n)nm以上237×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子、青色反射用として208×(1.36/n)nm以上217×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子(ただし、nは微粒子の屈折率)を用いた請求項10記載のスクリーン。
- 複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置し、上記反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を最密構造に配列した構造を有し、
基板上に縦方向に赤色反射用の微粒子層、緑色反射用の微粒子層および青色反射用の微粒子層が積層されているスクリーン。 - 複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置し、上記反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を最密構造に配列した構造を有し、
基板上に縦方向に赤色反射用の微粒子層、緑色反射用の微粒子層および青色反射用の微粒子層が順次積層されているスクリーン。 - 複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わ せた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置し、上記反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を最密構造に配列した構造を有し、
基板上に縦方向に青色反射用の微粒子層、緑色反射用の微粒子層および赤色反射用の微粒子層が順次積層されているスクリーン。 - 積層周期が8以上15以下である請求項13記載のスクリーン。
- 可視光を吸収する層またはバルク基板を有する請求項1記載のスクリーン。
- 上記可視光を吸収する層またはバルク基板はすべての波長域の可視光を吸収する請求項17記載のスクリーン。
- 上記可視光を吸収する層またはバルク基板が上記微粒子の下にある請求項17記載のスクリーン。
- 上記基板が透明基板の裏面に可視光を吸収する層が設けられたものである請求項13記載のスクリーン。
- 上記基板がPETフィルムである請求項13記載のスクリーン。
- 上記基板の表面に濡れ性を向上させるための凹凸または膜が設けられている請求項13項記載のスクリーン。
- 上記微粒子層上に光拡散媒体が設けられている請求項13記載のスクリーン。
- 上記光拡散媒体が拡散フィルムである請求項23記載のスクリーン。
- 上記光拡散媒体がマイクロレンズフィルムである請求項23記載のスクリーン。
- 上記光拡散媒体がマイクロプリズムフィルムである請求項23記載のスクリーン。
- 上記微粒子の間の隙間が結合剤により埋められている請求項1記載のスクリーン。
- 上記微粒子が空洞からなる請求項27記載のスクリーン。
- 上記微粒子の集合体を有する請求項1記載のスクリーン。
- 上記微粒子の集合体の横方向の大きさが22周期より小さい請求項29記載のスクリーン。
- 上記微粒子の集合体はその結晶軸に対して斜めの面とそれとは異なる角度を持つ面とを併せ持つ請求項29記載のスクリーン。
- 上記斜めの面の角度θが70°≦θ≦90°の範囲である請求項31記載のスクリーン。
- 上記微粒子の集合体が曲面を持つ請求項29記載のスクリーン。
- 上記微粒子の集合体の結晶軸が光の入射方向に対して77.4°≦α≦90°の範囲の角度α傾いている請求項29記載のスクリーン。
- 上記微粒子の集合体にうねりを持たせた請求項29記載のスクリーン。
- 上記反射面は、上記微粒子が最密構造に配列された微粒子クラスターを配列した構造を有する請求項1記載のスクリーン。
- 上記基板上に、バッファ層を介して、赤色反射用の微粒子層、緑色反射用の微粒子層および青色反射用の微粒子層が設けられている請求項13記載のスクリーン。
- 上記バッファ層は、208×(1.36/n)nm以下の直径の微粒子(ただし、nは微粒子の屈折率)の層からなることを特徴とする請求項37記載のスクリーン。
- 複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を基板上に離散的に配置し、上記反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を最密構造に配列した構造を有し、上記反射面をn原色のそれぞれに対応した波長の光を反射し、他の光は透過するようにそれぞれ構成し、これらの反射面を積層したスクリーンを製造する場合に、上記微粒子を自己組織化により配列するようにしたスクリーンの製造方法。
- 複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を基板上に離散的に配置し、上記反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を最密構造に配列した構造を有し、上記反射面をn原色のそれぞれに対応した波長の光を反射し、他の光は透過するようにそれぞれ構成し、これらの反射面を積層したスクリーンを製造する場合に、
2重量%以上の微粒子溶液中に基板を浸漬する第1の工程と、
上記基板を気相中に30μm/s以上の速度で引き上げることによりその表面を上記微粒子溶液で濡らす第2の工程と、
上記微粒子溶液で濡れた上記基板を気相中で乾燥させる第3の工程とを有するスクリーンの製造方法。 - 上記第1の工程から上記第3の工程を必要な光学特性または厚さを有する微粒子層が形成されるまで繰り返すように請求項40記載のスクリーンの製造方法。
- 上記基板の浸漬前、浸漬中または引き上げ直後のいずれかの時に、上記基板をその面内で回転させることにより上記基板の向きを変えるようにした請求項40記載のスクリーンの製造方法。
- 上記基板の浸漬前に上記基板の表面に濡れ性を向上させる処理を施すようにした請求項40記載のスクリーンの製造方法。
- 複数の投影光源と、
上記複数の投影光源のそれぞれの発光スペクトルの中心波長に合わせた反射特性を有する反射面を下地面上に離散的に配置し、上記反射面は、大きさが1μm以下の微粒子を最密構造に配列した構造を有し、上記反射面をn原色のそれぞれに対応した波長の光を反射し、他の光は透過するようにそれぞれ構成し、これらの反射面を積層したスクリーンとを有する投影システム。 - 上記投影光源はレーザである請求項44記載の投影システム。
- 上記投影光源は半導体レーザである請求項44記載の投影システム。
- 投影する映像を上記スクリーンの離散的に配置されたそれぞれの上記反射面に集中して投影するようにした請求項44記載の投影システム。
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