JP4121181B2 - 変換継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂管と金属管との間に介在されてそれらの材質の異なる2つの管を接続するための変換継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス配管の地中部分に樹脂管が採用されている場合、従来は、図5のように家屋の外壁などに近接して設置されるガスメータMを備えたメータユニットUを、同図のように地表面Gを横切って立ち上げあるいは立ち下げた金属製の波付け可撓管C,Cに接続し、それらの波付け可撓管C,Cを、地中で変換継手Bを介して樹脂管(不図示)に接続するようにしており、このような工法を採用することによって地上に露出した部分の耐火性を確保していた。
【0003】
上記変換継手Bは、図4のように、地中に埋設された樹脂管(ポリエチレン管)が接続される合成樹脂製の第1接続筒部11の根元部に具備された連結筒部12が、金属製の波付け可撓管Cの端部が接続された金属製の第2接続筒部21の根元部に具備された被連結筒部22に結合されており、上記第1接続筒部11のスリーブ部13に樹脂管がヒートフュージョン(HF)あるいはエレクトリックフュージョン(EF)といった熱融着方式で接合されたり、メカニカル継手や差し込み継手を介して接合されたりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5のように金属製の波付け可撓管Cで地表面Gを横切らせて配管の耐火性を確保した場合、金属製の波付け可撓管Cと樹脂管との接続箇所、すなわちそれらの両管を接続している変換継手Bが地中に埋設されることになるので、変換継手Bの設置工事やその保安検査などが大掛かりになるという問題がある。
【0005】
一方、樹脂管で地表面Gを横切るようにしてその樹脂管を地中と地上との間に亘って設置すると、その樹脂管の一部が地上に突出するので配管の耐火性が確保されなくなる。そこで、図4に仮想線で示した地表面Gを変換継手Bが横切るようにその変換継手Bの一部を地中に埋設し、かつ地中で第1接続筒部11のスリーブ部13に仮想線で示したように樹脂管5を接続することが考えられる。しかし、そのようにすると、第1接続筒部11と樹脂管5との接続箇所の耐衝撃性に関して問題を生じることが判明した。
【0006】
本発明は以上の問題や状況に鑑みてなされたものであり、金属製の可撓管と樹脂管の接続に用いる変換継手に、樹脂管との接続部分を保護する機能を付与させることによって、その変換継手で地表面を横切らせるようにしても耐火性や耐衝撃性に関して問題を生じず、しかも、変換継手の設置工事や漏洩検査などの保安検査を容易に行うことのできる変換継手を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の変換継手は、樹脂管が接続される合成樹脂製の第1接続筒部と、金属管が接続される金属製の第2接続筒部とを有し、上記第1接続筒部の根元部に具備された合成樹脂製の連結筒部と上記第2接続筒部の根元部に具備された金属製の被連結筒部とが結合されてなる変換継手において、上記第1接続筒部の上記連結筒部を覆って耐火性を有する鞘管が設けられ、この鞘管の根元部が、上記第2接続筒部に外嵌合状に挿入されていると共に、この鞘管の根元部と上記第2接続筒部との間に耐火性の第1パッキンが、この鞘管の先端部と上記第1接続筒部の上記連結筒部との間に耐火性の第2パッキンが、それぞれ介在されている、というものである。
【0008】
この発明の変換継手において、その変換継手の鞘管側の一部を地中に埋設すると共に、その変換継手の第1接続筒部に地中に埋設された樹脂管を接続し、その変換継手の第2接続筒部に地上の金属管を接続するようにすることによってその変換継手が地表面を横切るように施工しても、樹脂管が地上に出ないので耐火性が確保され、また、樹脂管が接続される第1接続筒部が鞘管によって覆われているので、その第1接続筒部が合成樹脂製であるとしてもその第1接続筒部が直接に衝撃を受けなくなって耐衝撃性が高められる。また、変換継手が地中に完全に埋設されていないので、その設置工事や漏洩検査なとの保安検査を容易に行えるようになる。
【0009】
本発明に係る変換継手は、請求項2に記載したように、上記鞘管の先端部と上記第1接続筒部の上記連結筒部との間であって、上記第1パッキンの介在箇所の外側に防水シール材が介在されていることが望ましく、この構成を採用すると、変換継手の内部への水の浸入が防水シール材によって阻止される。
【0010】
また、請求項3に係る発明のように、耐火性の鞘管には、金属管を用いることが経済性や入手可能性の面で好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る変換継手Aに金属管としての波付け可撓管Cを接続した場合の部分縦断側面図、図2は図1のII部の拡大図である。
【0012】
変換継手Aは、樹脂管(不図示)が接続される合成樹脂製の第1接続筒部11と、金属管Cが接続される金属製の第2接続筒部21とを有している。上記第1接続筒部11は、図4で説明した従来の変換継手Bの第1接続筒部11に比べて、連結筒部(後述する)12やスリーブ部13の長さが長くなっている。第2接続筒部21はその根元部が被連結筒部22となされており、その被連結筒部22が、上記第1接続筒部11の根元部に具備された連結筒部12に埋入状態で結合されている。このような連結筒部12と被連結筒部22との結合は、第1接続筒部11を第2接続筒部21と共にインサート成形することによって行われている。図例では、被連結筒部22の複数箇所に開口23を開設し、それらの開口23を通して被連結筒部22の外側と内側とに第1接続筒部11を形成している合成樹脂(たとえばポリエチレン樹脂)を回り込ませて両者の結合強度を高めている。
【0013】
連結筒部12と被連結筒部22との結合部分における最内周側に位置している突当り面(上記重なり面5の一部分を形成している)24を挟む両側に、支持リング31に保持されたシール材32,33が介在されており、これらのシール材32,33によって、連結筒部12と被連結筒部22との重なり面25に流体漏れを生じさせるような隙間が生じていてもその隙間に管路の流体が入らないようになっている。なお、支持リング31は、ねじ部34を介して第2接続筒部21に結合されている。
【0014】
図1及び図2のように、第2接続筒部21には、合成樹脂製の被覆チューブ41によって被覆された金属管としての波付け可撓管Cが接続されている。この波付け可撓管Cは先端部が被覆チューブ41から突き出ている。第2接続筒部21と波付け可撓管Cとの間には、外部から管路への水の浸入を防ぐためのシール部42と、波付け可撓管Cの抜出しを防ぐための抜止め機構43とが設けられている。すなわち、第2接続筒部21の端部と押輪押輪51とがねじ部52を介してねじ込まれており、押輪73に保持されたT字状断面のゴム製シール材53が被覆チューブ41に密着している。このため、押輪51と被覆チューブ41との間の隙間が、シール材53によって形成される上記シール部42によって塞がれて外部からの水の浸入が防止されている。また、波付け可撓管Cの先端側の谷部に押付けリング54が嵌め込まれていると共に、この押付けリング54が押輪51により押し付けられている。そして、押付けリング54と第2接続筒部21に形成された段付面26とにより波付け可撓管Cの先端側の山部が圧潰された状態で挾圧保持されている。このような抜止め機構43の作用によって波付け金属管Cが抜け止めされている。なお、圧潰されている波付け可撓管Cの端部や押付けリング54と上記第2接続筒部21との間にはゴム製のシール材55が介在されてその箇所がシールされている。
【0015】
また、被覆チューブ41を有する波付け可撓管Cの外側に保護管44が嵌め込まれている。そして、保護管44の一端部と波付け可撓管Cの被覆チューブ41との隙間に雨水などの水が浸入することを防ぐために防水キヤップ45が取り付けられていると共に、保護管44の他端部側からその保護管44と波付け可撓管Cの被覆チューブ41との隙間に水が入ることを防ぐために防水機構61が設けられている。この防水機構61は、外筒62と、この外筒62の一端部にねじ込まれた止め輪63と、外筒62と保護管44との間に介在されたシール材64,65とからなり、シール材64の抜落ちが上記止め輪63により防止されている。上記外筒62の他端部は、第1接続筒部11の端部に外嵌されている。
【0016】
次に、上記第1接続筒部11の連結筒部12は、そのスリーブ部13よりも肉厚になっていて、その連結筒部12の全長部分を覆って耐火性を有する鞘管71が設けられている。耐火性を有する鞘管71には、セラミック、FRP、鉄管などを採用することが可能であるが、価格や入手容易性などの点から鉄管を用いることが望ましい。鞘管71の根元部の外周側と内周側とに環状の凹溝72,73が設けられていて、外周側の凹溝72にはOリングなどの防水用のシール材74が保持され、内周側の凹溝73には耐火性の第1パッキン75が保持されている。また、鞘管71の根元部には、突出部76が設けられている。そして、この鞘管71の根元部が上記外筒62にねじ部77を介してねじ込まれていると共に、その根元部が上記第2接続筒部21に外嵌合状に挿入されていて、上記シール材74が外筒62の内周面に弾接され、上記第1パッキン75が上記第2接続筒部21の外周面に弾接されている。上記シール材74や第1パッキン75によって変換継手Aの内部への水の浸入が防止される。他方、鞘管71の先端部の内周側に2つの環状の凹溝78,79が設けられていて、軸方向内側の凹溝79に保持された耐火性の第2パッキン81が第1接続筒部11の連結筒部12の端部外周面に弾接され、軸方向外側の凹溝78に保持されたOリングでなる防水用のシール材82が、同じく連結筒部12の端部外周面に弾接されている。これらのシール材82や第2パッキン81によっても変換継手Aの内部への水の浸入が防止される。
【0017】
図例の変換継手Aにおいて、第1接続筒部11のスリーブ部13には、図示していない樹脂管(たとえばポリエチレン管)が、ヒートフュージョン方式あるいはエレクトリックフュージョン方式といった熱融着方式で接合されたり、メカニカル継手や差し込み継手を介して接合されたりする。
【0018】
図5は上記した変換継手Aの鞘管71側の一部を地中に埋設し、その変換継手Aの第1接続筒部11のスリーブ部13に地中に埋設された樹脂管5を接続し、その変換継手Aの第2接続筒部21(図1及び図2参照)に地上の金属管Cを接続するようにすることによってその変換継手Aが地表面を横切るように施工した事例を示している。図5の事例では、メータユニットUの入口に接続される一次側配管に上記変換継手Aを用い、その出口に接続される二次側配管には従来例で説明した変換継手Bが用いられている。
【0019】
この工法であると、一次側配管に用いられている樹脂管5が地上に出ないので耐火性が確保され、また、樹脂管5が接続される第1接続筒部11(図1及び図2参照)が鞘管71によって覆われているので、その第1接続筒部11が合成樹脂製であるとしてもその第1接続筒部11が直接に衝撃を受けなくなって耐衝撃性が高められる。また、変換継手Aが地中に完全に埋設されていないので、その設置工事や漏洩検査なとの保安検査を容易に行える。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る変換継手は、鞘管によって樹脂管を接続するための合成樹脂製の第1接続筒部に耐火性や耐衝撃性が付与されるようになる。そのため、本発明の変換継手で地表面を横切らせてガス配管を施工することが可能になり、そのことにより、変換継手の設置工事や漏洩検査を容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変換継手に金属管を接続した場合の部分縦断側面図である。
【図2】図1のII部の拡大図である。
【図3】本発明に係る変換継手の使用状態説明図である。
【図4】比較例による変換継手の部分縦断側面図である。
【図5】比較例による変換継手の使用状態説明図である。
【符号の説明】
A 変換継手
C 波付け可撓管(金属管)
5 樹脂管
11 第1接続筒部
12 連結筒部
21 第2接続筒部
22 被連結筒部
71 鞘管
75 第1パッキン
81 第2パッキン
82 シール材(防水シール材)
Claims (3)
- 樹脂管が接続される合成樹脂製の第1接続筒部と、金属管が接続される金属製の第2接続筒部とを有し、上記第1接続筒部の根元部に具備された合成樹脂製の連結筒部と上記第2接続筒部の根元部に具備された金属製の被連結筒部とが結合されてなる変換継手において、
上記第1接続筒部の上記連結筒部を覆って耐火性を有する鞘管が設けられ、この鞘管の根元部が、上記第2接続筒部に外嵌合状に挿入されていると共に、この鞘管の根元部と上記第2接続筒部との間に耐火性の第1パッキンが、この鞘管の先端部と上記第1接続筒部の上記連結筒部との間に耐火性の第2パッキンが、それぞれ介在されていることを特徴とする変換継手。 - 上記鞘管の先端部と上記第1接続筒部の上記連結筒部との間であって、上記第1パッキンの介在箇所の外側に防水シール材が介在されている請求項1に記載した変換継手。
- 耐火性の鞘管が金属管である請求項1又は請求項2に記載した変換継手。
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- 1998-04-02 JP JP09028398A patent/JP4121181B2/ja not_active Expired - Lifetime
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