JP4121105B2 - 履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造 - Google Patents

履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の遊動輪装置のマウント構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブルドーザのような履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造は図12に示すように、アイドラ40aをクッションロッド3のアイドラヨーク3aに回転可能に軸支し、クッションロッド3をトラックフレーム1aに水平移動可能に装着している。クッションロッド3はクッションスプリング2を圧縮させながら移動することによりアイドラ40aに加わる車両前後方向の負荷を吸収している。アイドラ40aとスプロケット7に履帯9が掛けられており、クッション機構20aによりアイドラ40aは前方に付勢され履帯9に張りを与えている。履帯9の接地面GLとクッションロッド3の水平移動方向は平行である。従って、アイドラ4は履帯9の接地面GLと平行に移動する。
【0003】
トラックフレーム1aの下面には下部ローラ5が設けられ、上面には上部ローラ6が設けられ、トラックフレーム1aの内部にはクッション機構20aを収納している。従って、トラックフレーム1aの上下方向の寸法は大きくなるので、アイドラ40aの中心はクッション機構20aの中心に対して所定長さHだけ下に設けてある。これは、履帯9の離昇角度αを所定の範囲にして、乗心地を維持し、アイドラ40aの中心とスプロケット7の中心との間の履帯9の有効な接地長TLを確保するため、アイドラ40aの位置を下に下げる必要があるからである。そのため、クッションロッド3のアイドラヨーク3aはアイドラ40aの負荷による曲げモーメントを受けるので、剛性を高くするために外形寸法は大きなものとなっている。また、アイドラ40aに加わる車両左右方向の負荷によりクッション機構20aの中心軸は揺動するので、アイドラ40aの側面に接触してアイドラ40aの左右方向の揺動のストッパとなるウエアプレート8がアイドラ40aの両側面に対して所定の隙間を設けてトラックフレーム1aに設けられている。
【0004】
しかしながら、このような構造では、アイドラ40aの中心はクッション機構20aの中心に対して所定長さHだけ下にあるため、前記のようにクッションロッド3のアイドラヨーク3aの外形寸法は大きなものとなり、アイドラ40aの負荷によりクッションロッド3は曲げモーメントを受けながら水平移動するので、クッションロッド3の摺動部の摩耗が大きく耐久性が小さくなってしまう。また、ウエアプレート8も常にアイドラ40aの側面と接触するため摩耗が大きく、耐久性が小さくなる。また、ウエアプレート8が摩耗した場合はウエアプレート8とアイドラ40aの側面との隙間を所定の隙間にするための調整が必要となる。
【0005】
この問題を解決するため、出願人は実開平1−81185により図13、14に示されるような遊動輪装置のマウント構造を提案している。図13に示すように、アイドラ40bを回転可能に支持するクッションリンク31をトラックフレーム1bに水平移動可能に設けるとともに、アイドラ40bに加わる負荷を吸収するクッション機構21をトラックフレーム1bに揺動可能に取付け、トラックフレーム1bに、アイドラ40bとクッション機構21との中間に位置させてレバー171を揺動可能に設け、クッションリンク31の後端部をレバー171の中間部に連結し、レバー171の上端部にクッション機構21のクッションロッド22の前端部を連結して揺動可能にした構成にしてある。
【0006】
また、図13、14に示すように、クッションリンク31はトラックフレーム1bにアイドラガイド34、35を介して前後方向に所定長さLLだけ水平移動可能に設けてある。
【0007】
このような、遊動輪装置のマウント構造であれば、クッションロッド22にはアイドラ40bの負荷による曲げモーメントは発生しないし、アイドラ40bの車両左右方向の揺動をトラックフレーム1bのアイドラガイド34、35により受けるので、ウエアプレート8はなくウエアプレートが摩耗することはない。
【0008】
また、他の従来技術として、図15に示すような遊動輪装置のマウント構造がある。これは、トラックフレーム1cのサポートブラケット51にレバー52を支点Gで揺動可能に取付け、このレバー52にアイドラ40cを軸支し、このアイドラ40cの支軸53にアーム54を設け、アーム54にクッション機構56に連なるロッド55を連結し、アイドラ40cを支点Gを中心に揺動(円弧運動)させることによりクッション機構56のクッションスプリング57を収縮させて負荷の緩衝を行うものである。
【0009】
このような、遊動輪装置のマウント構造であれば、クッション装置56はそのままトラックフレーム1cに装着でき、トラックフレーム1cは小さくできる。そして、アイドラ40cの左右方向の負荷もレバー52により受けるので、ウエアプレートも必要ない。そして、クッション機構56とアイドラ40cはアーム54を介して連結しているので、クッション機構56に曲げモーメントは加わらない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開平1−81185のような、遊動輪装置のマウント構造では、クッション機構21をトラックフレーム1bに揺動可能に取付けなければならず取付部部分の構造が複雑になる。また、クッション機構21のクッションスプリング131の外側にばね筒体91が別に必要になり、ばね筒体91を取付けるスペースがその分大きくなり、トラックフレーム1bの外形寸法が大きくなってしまう。また、クッションリンク31はトラックフレーム1bのアイドラガイド34、35と接触し摺動しながら前後方向に水平移動するので、クッションリンク31とアイドラガイド34、35との接触部が摩耗して耐久性が少なくなる。さらに、アイドラ40bの負荷を受けるのはレバー171とクッション機構21のみであり、レバー171とクッション機構21はその負荷を受けられるだけの剛性を確保しなければならず、それらの外形寸法は大きくなる。
【0011】
また、他の従来技術として、図15に示す遊動輪装置のマウント構造では、ばね筒体も、ウエアプレートも必要ないが、アイドラ40cに負荷が加わりクッション機構56が作動すると、支点Gを中心にアイドラ40cが円弧運動をするために上下方向に変位が生じ、離昇角αが変化してこれに伴い履帯が屈曲し、上下動が生じて乗心地や安定性の悪化や、振動、騒音を発生する原因になる。
【0012】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、アイドラの上下動が生じない、又コンパクトであり、さらに摺動部分がなく耐久性が大きく、そして、履帯の履帯リンクや下部ローラ等の足回り装置の耐久性が向上でき、トラックフレームを小型化できる作業車両の遊動輪装置のマウント構造を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、履帯を巻装したアイドラをリンク装置で回転可能にトラックフレームに支持し、トラックフレームの内部に収納され、かつ前記リンク装置と連結して前記アイドラを前方に付勢して履帯に張りを与えるクッション機構を有する履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造において、リンク装置は前方リンクと、支持リンクと、後方リンクとを有する4節リンクであって、アイドラを支持リンクの中間部で軸支し、支持リンクの前部を前方リンクを介してトラックフレームの上部に揺動可能に支持し、支持リンクの後部を後方リンクを介してトラックフレームの下部に揺動可能に支持し、アイドラ軸芯が履帯の接地面、又はトラックフレームの前記クッション機構の前後方向の軸線と平行な水平直線運動をするように前記リンク装置を設定してトラックフレームに設けた構成としている。
【0014】
請求項1に記載の発明によると、アイドラが前後方向に水平移動するので履帯の騒音、振動が低減でき、アイドラの上下動による離昇角度の変化分がなくなって、乗心地が向上できる。さらに、アイドラに加わる外部の負荷を前方リンクと後方リンクの複数のリンクで支持できるので、それぞれのリンクの寸法を小さくでき、リンク装置はコンパクトになる。そして、リンク装置にはトラックフレームとの摺動部分が無いので、遊動輪のマウント構造の耐久性が向上する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、履帯を巻装したアイドラをリンク装置で回転可能にトラックフレームに支持し、トラックフレームの内部に収納され、かつ前記リンク装置と連結して前記アイドラを前方に付勢して履帯に張りを与えるクッション機構を有する履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造において、リンク装置は前方リンクと、支持リンクと、後方リンクとを有する4節リンクであって、アイドラを支持リンクの中間部で軸支し、支持リンクの前部を前方リンクを介してトラックフレーム上部に揺動可能に支持し、支持リンクの後部を後方リンクを介してトラックフレーム下部に揺動可能に支持し、前方リンクと支持リンクとの連結軸である前支持連結軸芯と、後方リンクと支持リンクとの連結軸である後支持連結軸芯と、アイドラの回転中心であるアイドラ軸芯とは直線上に配置し、前方リンクとトラックフレームとを連結する前方連結軸芯及び前記前支持連結軸芯の間の距離である前方リンク軸芯間距離と、後方リンクとトラックフレームとの連結する後方連結軸芯及び前記後支持連結軸芯の間の距離である後方リンク軸芯間距離との比と、前記後支持連結軸芯と前記アイドラ軸芯との距離である後支持リンク軸芯間距離と、前記前支持連結軸芯と前記アイドラ軸芯との距離である前支持リンク軸芯間距離との比を等しく、又はほぼ等しくなるようにアイドラ軸芯を定め、アイドラ軸芯が履帯の接地面、又はトラックフレームの前記クッション機構の前後方向の軸線と平行な水平直線運動をするように、前記前方連結軸芯と前記前支持連結軸芯とを結ぶ中心線である前方リンク中心線と、前記後方連結軸芯と前記後支持連結軸芯とを結ぶ中心線である後方リンク中心線とが平行である位置では、前方リンク中心線が履帯の接地面と直角となる位置に前記リンク装置をトラックフレームに設けた構成としている。
【0016】
請求項2に記載の発明によると、アイドラが前後方向に水平移動するので履帯の騒音、振動が低減でき、アイドラの上下動による離昇角度の変化分がなくなって、乗心地が向上できる。さらに、アイドラに加わる外部の負荷を前方リンクと後方リンクの複数のリンクで支持できるので、それぞれのリンクの寸法を小さくでき、リンク装置はコンパクトになる。そして、リンク装置にはトラックフレームとの摺動部分が無いので、遊動輪のマウント構造の耐久性が向上する。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、アイドラの左右両側を左右1対の支持リンクで支持し、左右1対の支持リンクをそれぞれ、左右1対の前方リンク及び左右1対の後方リンクによりトラックフレームに支持した構成としている。
【0018】
請求項3に記載の発明によると、請求項2に記載の発明の効果に加えて、さらに、アイドラが左右方向の力を受けても、アイドラは両側からリンク装置で支持されているので左右方向の剛性が高く、アイドラの左右方向の倒れが少なくなるので、履帯の横ずれが少なくなり、履帯の履帯リンクや下部ローラ等の足回り装置の耐久性が向上できる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記後方リンクをクッションリンクを介して前記クッション機構と連結した構成としている。
【0020】
請求項4に記載の発明によると、請求項2又は3に記載の発明の効果に加えて、さらに、クッションリンクとクッションロッドとは揺動可能に連結されているため、クッションロッドへの曲げモーメントの発生は極めて少ない。従って、曲げモーメントに対してクッションロッドの剛性を大きくする必要は無く、クッションロッドの外形寸法を小さくできる。さらに、アイドラに対する負荷による力は後方リンク13の中間部に伝わるが、クッションリンク連結軸芯ではクッションリンク連結軸芯間距離と後方リンク軸芯間距離とのリンク比の割合で減少する。従って、クッションスプリングは外形寸法が小さくても十分クッション機能が発揮できる。従って、クッション機構を収納するトラックフレームの外形寸法を小さくできる。また、クッション機構とアイドラ4のアイドラ軸心とはオフセットしており、そのオフセット量は後方リンク、又はクッションヨークの寸法を選択することで決められるので、クッション機構の配置の自由度を大きくできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について図1〜11を参照しながら説明する。なお、説明の中での前方は図1、9、10、11での左方向を示しており、作業車両の前進方向を前方としている。
図1に示すように、トラックフレーム1にはアイドラ4がリンク装置10により軸支され、リンク装置10はクッション機構20と連結している。リンク装置10は前方リンク12と、支持リンク11と、後方リンク13とを有する4節リンクであって、アイドラ4を支持リンク11の中間部で軸支し、支持リンク11の前部を前方リンク12を介してトラックフレーム1の上部に揺動可能に支持し、支持リンク11の後部を後方リンク13を介してトラックフレーム1の下部に揺動可能に支持している。トラックフレーム1の下面には下部ローラ5が設けられ、上面には上部ローラ6が設けられている。アイドラ4と図示しないスプロケットとに履帯9が掛けられており、クッション機構20によりアイドラ4は前方に付勢され履帯9に張りを与えている。図1は一例としてアイドラ4には外部よりの負荷が加わっていない状態を示している。
【0022】
図1のAA断面図である図2及びBB断面図である図3に示すように、アイドラ4はアイドラシャフト4aにベアリング4bを介して回転可能に支持され、ベアリング4bの両端部にはシール4cが設けられており、アイドラ4の両側に突出したアイドラシャフト4aを支持リンク11の中間部にキャップ11cとボルト11dにより固定している。従って、アイドラ4は両側の支持リンク11、11により回転可能に支持されていることになる。支持リンク11とキャップ11cは一体として形成しても良い。
【0023】
支持リンク11の前部は前方リンク12の下部とピン11aにより連結されている。ピン11aと前方リンク12との間にはベアリング12bが設けられ、支持リンク11に対して前方リンク12は揺動可能である。
【0024】
支持リンク11の後部は後方リンク13の中間部とピン11bにより連結されている。ピン11bと後方リンク13との間にはベアリング13cが設けられ、支持リンク11に対して後方リンク13は揺動可能である。
【0025】
図1及び図1のCC断面図である図4に示すように、前方リンク12の上部はトラックフレーム1の前側先端部の上部とピン12aにより連結されている。ピン12aと前方リンク12との間にはベアリング12cが設けられ、トラックフレーム1に対して前方リンク12は揺動可能である。
【0026】
図1及び図1のDD断面図である図5に示すように、後方リンク13の下部はトラックフレーム1の前側の下部とピン13aにより連結されている。ピン13aと後方リンク13との間にはベアリング13bが設けられ、トラックフレーム1に対して後方リンク13は揺動可能である。
【0027】
図1のEE断面図である図6に示すように、後方リンク13の上部はクッションリンク14の二股部14eとピン14aにより連結されている。ピン14aと後方リンク13との間にはベアリング14bが設けられ、クッションリンク14に対して後方リンク13は揺動可能である。クッションリンク14の後部はクッションロッド25とピン14cにより連結されている。ピン14cとクッションロッド25との間にはベアリング14dが設けられ、クッションロッド25に対してクッションリンク14は揺動可能である。
【0028】
図7にリンク装置10の外観を示す。アイドラ4を支持するリンク装置10はアイドラ4の両側に支持リンク11を設け、支持リンク11は前部を前方リンク12によりトラックフレーム1の上部に支持され、後部を後方リンク13によりトラックフレーム1の下部に支持されており、後方リンク13の上部をクッションリンク14と連結し、クッションリンク14の後部をクッションロッド25に連結している。それぞれの連結部はピン11a,12a,13a,14a,14cにより揺動可能に連結されている。支持リンク11の両端は二股に形成されている。前方リンク12及び後方リンク13は平板状である。クッションリンク14は全体が二股形状であり、二股の先端はさらに二股形状であって、クッションロッド25との連結部も二股形状である。
【0029】
そして、図1に示すように、本実施形態のリンク装置10では前方リンク12と支持リンク11との連結軸である前支持連結軸芯Mと、後方リンク13と支持リンク11との連結軸である後支持連結軸芯Nと、アイドラ4の回転中心であるアイドラ軸芯Pとを直線上に配置している。さらに、前方リンク12とトラックフレーム1との連結軸である前方連結軸芯Lと前支持連結軸芯Mとの距離である前方リンク軸芯間距離LMと、後方リンク13とトラックフレーム1との連結軸である後方連結軸芯Kと後支持連結軸芯Nとの距離である後方リンク軸芯間距離KNと、後支持連結軸芯Nとアイドラ軸芯Pとの距離である後支持リンク軸芯間距離NPと、前支持連結軸芯Mとアイドラ軸芯Pとの距離である前支持リンク軸芯間距離MPとを、前方リンク軸芯間距離LMと後方リンク軸芯間距離KNとの比であるLM/KNと後支持リンク軸芯間距離NPと前支持リンク軸芯間距離MPとの比であるNP/MPとが等しく、又はほぼ等しくなるように設定している。すなわち、LM/KN=NP/MP又はLM/KN≒NP/MPになるようにアイドラ軸芯Pを定めている。この場合のほぼ等しくとは、実用上使用可能な精度、例えば+3%〜−3%の範囲であれば良いことは言うまでもない。
【0030】
つまり、本実施形態のリンク装置10のリンクは図8に示すような、いわゆるワットの近似直線運動となるリンク機構を用いている。本実施形態のリンク装置10は、前記のようにアイドラ軸芯Pを定めているので、アイドラ軸芯Pは図8に示す点線のような軌跡を描く。そして、この軌跡の近似直線部分YYではアイドラ軸芯Pの動きは直線運動となる。
【0031】
さらに、図1に示すように、本実施形態のリンク装置10は、アイドラ軸芯Pの動きが水平方向の直線運動となるように、前方連結軸芯Lと前支持連結軸芯Mとを結ぶ中心線である前方リンク中心線LMCLと、後方連結軸芯Kと後支持連結軸芯Nとを結ぶ中心線である後方リンク中心線KNCLとが平行である位置では、前方リンク中心線LMCLが履帯9の接地面GLと直角であるように、すなわち、後方リンク中心線KNCLが履帯9の接地面GLと直角であるようにトラックフレーム1に取付けている。つまり、前方リンク12とトラックフレーム1との前方連結軸芯Lのトラックフレーム1に対する取付位置と、後方リンク13とトラックフレーム1との後方連結軸芯Kのトラックフレーム1に対する取付位置とをアイドラ軸芯Pの動きが履帯9の接地面GL、又はトラックフレーム1のクッション機構の軸線Y1と平行な水平方向の直線運動となるように定めている。なお、この場合の平行及び直角は実用上使用可能な精度、例えば+2度〜−2度の範囲で平行及び直角であれば良いことは言うまでもない。
【0032】
つぎに、本実施形態の作動を説明する。図9は作動説明図である。アイドラ4が前方からの外力を受け後方へ移動すると、後支持連結軸芯Nは後ろへ下がりながらNの位置に移動する。前支持連結軸芯Mは後ろへ上がりながらMの位置に移動する。しかしながら、アイドラ4のアイドラ軸芯Pは前記のように定めてあるので高さが変化せずに後ろへ動き、水平方向の直線Y上にあるPの位置に移動する。履帯9が緩んで、アイドラ4が前方へ移動すると、後支持連結軸芯Nは前へ下がりながらNの位置に移動する。前支持連結軸芯Mは前へ上がりながらMの位置に移動する。しかしながら、アイドラ4のアイドラ軸芯Pは前記のように定めてあるので高さが変化せずに前へ動き、水平方向の直線Y上にあるPの位置に移動する。結局、アイドラ4のアイドラ軸芯Pは前後方向に動いても高さ方向の変化はなく直線Y上を移動する水平方向の直線運動をすることになる。従って、アイドラ4が前後方向に動いても上下動が生じないので、履帯9の上下動による履帯9の振動、騒音が低減できる。また、履帯9の離昇角度αの変化が少なく、乗心地が向上する。
【0033】
また、アイドラ4に前方から加わる負荷による力Fは後方リンク13を介してクッション機構20に伝わり、後方リンク13とクッションリンク14とのクッションリンク連結軸芯Qは下がりながら後方へ移動するが、クッションリンク14とクッションロッド25とは揺動可能に連結されているため、クッションロッド25への曲げモーメントの発生は極めて少ない。従って、曲げモーメントに対してクッションロッド25の剛性を大きくする必要は無く、クッションロッド25の外形寸法を小さくできる。
【0034】
さらに、負荷による力Fは後方リンク13の中間部に伝わるが、クッションリンク連結軸芯Qではクッションリンク連結軸芯Qと後方連結軸芯Kとの間の距離であるクッションリンク連結軸芯間距離QKと後方リンク軸芯間距離KNとのリンク比KN/QKの割合で減少する。従って、クッションスプリング2は外形寸法が小さくても十分クッション機能が発揮できる。従って、クッション機構20を収納するトラックフレーム1の外形寸法を小さくできる。また、クッション機構20とアイドラ4のアイドラ軸心Pとはオフセットしており、そのオフセット量は後方リンク13、又はクッションヨーク14の寸法を選択することで決められるので、クッション機構20の配置の自由度を大きくできる。
【0035】
また、アイドラ4に前方から加わる負荷による力Fは、前方リンク12及び後方リンク13が前方連結軸芯L、後方連結軸芯Kを中心としてそれぞれ円弧運動するために、前後方向の分力と上下方向の分力に分かれ、力Fは前方連結軸芯L及び後方連結軸芯Kにより分担される。従って、アイドラ4に加わる外部の負荷を前方リンク12と後方リンク13の複数のリンクで支持できるので、それぞれのリンクの寸法を小さくでき、リンク装置10はコンパクトになる。
【0036】
そして、アイドラ4はリンク装置10で支持されているので、アイドラに加わる左右方向の負荷はリンク装置10で受け、従来技術のようなウエアプレートは必要なく、また、アイドラ4が前後に移動する際にトラックフレーム1と摺動する部分もないので、摩耗部分がなく耐久性が向上する。さらに、アイドラ4が左右方向の力を受けても、アイドラ4は両側からリンク装置10で支持されているので左右方向の剛性が高く、アイドラ4の左右方向の倒れが少なくなるので、履帯9の横ずれが少なくなり、履帯9の図示しない履帯リンクや下部ローラ5等の足回り装置の耐久性が向上できる。
【0037】
図10はアイドラ4に前方から負荷が加わり、クッション機構20のクッションスプリング2が縮んだ状態を示す。この場合のアイドラ4のアイドラ軸芯Pの位置は、図1に示したアイドラ軸芯Pの位置より後方のPの位置に有る。図11は履帯9の図示しない履帯リンクピンの摩耗により履帯9が伸び、その結果履帯9に張りを与えるようにクッション機構20のクッションスプリング2が伸び、アイドラ4が前に移動した状態を示す。この場合のアイドラ4のアイドラ軸芯Pの位置は図1に示したアイドラ軸芯Pの位置より前方のPの位置に有る。図10、11に示すように前記のリンク10により支持されたアイドラ4のアイドラ軸芯Pはアイドラ4が前後方向に移動しても常に、水平方向の直線Y上に有る。従って、アイドラ4は履帯9の接地面GL、又はトラックフレーム1のクッション機構の軸線Y1と平行な水平方向の直線運動をすることになる。
【0038】
以上、説明したように、本発明の実施形態による作業車両の遊動輪のマウント構造によれば、アイドラ4が履帯9の接地面GL、又はトラックフレーム1のクッション機構の軸線Y1と平行に前後方向に水平移動するので履帯の騒音、振動が低減でき、アイドラ4の上下動による離昇角度αの変化分がないので、乗心地が向上できる。さらに、アイドラ4に加わる外部の負荷を前方リンク12と後方リンク13の複数のリンクで支持できるので、それぞれのリンクの寸法を小さくでき、リンク装置10はコンパクトになる。又、アイドラ4は両側からリンク装置10で支持されているので左右方向の剛性が高く、アイドラ4の左右方向の倒れが少なくなるので、履帯9の横ずれが少なくなり、履帯9の図示しない履帯リンクや下部ローラ5等の足回り装置の耐久性が向上できる。リンク装置10によりクッション機構20が受ける力が小さくなるのでクッションスプリング2が小さくでき、トラックフレーム1の外形寸法が小さくできる。そして、摺動部分が無いので、遊動輪のマウント構造の耐久性が向上する。又、クッション機構20とアイドラ4のアイドラ軸心Pとはオフセットしており、そのオフセット量は後方リンク13、又はクッションヨーク14の寸法を選択することで決められるので、クッション機構20の配置の自由度を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業車両の遊動輪のマウント構造を示す側面図である。
【図2】図1のAA断面図である。
【図3】図1のBB断面図である。
【図4】図1のCC断面図である。
【図5】図1のDD断面図である。
【図6】図1のEE断面図である。
【図7】本発明の作業車両の遊動輪のマウント構造を示す外観図である。
【図8】本発明の作業車両の遊動輪のマウント構造の作動を示す説明図である。
【図9】本発明の作業車両の遊動輪のマウント構造の作動を示す説明図である。
【図10】本発明の作業車両の遊動輪のマウント構造の作動を示す側面図である。
【図11】本発明の作業車両の遊動輪のマウント構造の作動を示す側面図である。
【図12】従来の作業車両の遊動輪のマウント構造を示す側面図である。
【図13】従来の作業車両の遊動輪のマウント構造を示す説明図である。
【図14】従来の作業車両の遊動輪のマウント構造を示す説明図である。
【図15】従来の作業車両の遊動輪のマウント構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1…トラックフレーム、4…アイドラ、9…履帯、10…リンク装置、11…支持リンク、12…前方リンク、13…後方リンク、14…クッションリンク、20…クッション機構、M…前支持連結軸芯、N…後支持連結軸芯、P…アイドラ軸芯、GL…接地面、LM…前方リンク軸芯間距離、KN…後方リンク軸芯間距離、MP…前支持リンク軸芯間距離、NP…後支持リンク軸芯間距離、LMCL…前方リンク中心線、KNCL…後方リンク中心線、Y1…クッション機構の軸線。

Claims (4)

  1. 履帯 (9) を巻装したアイドラ(4) をリンク装置(10)で回転可能にトラックフレーム (1) 支持し、トラックフレーム (1) の内部に収納され、かつ前記リンク装置 (10) と連結して前記アイドラ (4) を前方に付勢して履帯 (9) に張りを与えるクッション機構を有する履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造において、
    リンク装置(10)は前方リンク(12)と、支持リンク(11)と、後方リンク(13)とを有する4節リンクであって、アイドラ(4) を支持リンク(11)の中間部で軸支し、支持リンク(11)の前部を前方リンク(12)を介してトラックフレーム(1) の上部に揺動可能に支持し、支持リンク(11)の後部を後方リンク(13)を介してトラックフレーム(1) の下部に揺動可能に支持し、
    アイドラ軸芯(P) が履帯(9) の接地面(GL)、又はトラックフレーム(1) の前記クッション機構の前後方向の軸線(Y1)と平行な水平直線運動をするように前記リンク装置(10)を設定してトラックフレーム(1) に設けた
    ことを特徴とする履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造。
  2. 履帯 (9) を巻装したアイドラ(4) をリンク装置(10)で回転可能にトラックフレーム (1) 支持し、トラックフレーム (1) の内部に収納され、かつ前記リンク装置 (10) と連結して前記アイドラ (4) を前方に付勢して履帯 (9) に張りを与えるクッション機構を有する履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造において、
    リンク装置 (10) は前方リンク (12) と、支持リンク (11) と、後方リンク (13) とを有する4節リンクであって、アイドラ(4) を支持リンク(11)の中間部で軸支し、支持リンク(11)の前部を前方リンク(12)を介してトラックフレーム(1) の上部に揺動可能に支持し、支持リンク(11)の後部を後方リンク(13)を介してトラックフレーム(1) の下部に揺動可能に支持し、
    前方リンク (12) と支持リンク (11) との連結軸である前支持連結軸芯(M) と、後方リンク (13) と支持リンク (11) との連結軸である後支持連結軸芯(N) と、アイドラ (4) の回転中心であるアイドラ軸芯(P) とは直線上に配置し、
    前方リンク (12) とトラックフレーム (1)
    とを連結する前方連結軸芯 (L) 及び前記前支持連結軸芯 (M) の間の距離である前方リンク軸芯間距離(LM)と、後方リンク (13) とトラックフレーム (1) とを連結する後方連結軸芯 (K) 及び前記後支持連結軸芯 (N) の間の距離である後方リンク軸芯間距離(KN)との比(LM/KN)、前記後支持連結軸芯 (N) と前記アイドラ軸芯 (P) との距離である後支持リンク軸芯間距離(NP)と、前記前支持連結軸芯 (M) と前記アイドラ軸芯 (P) との距離である前支持リンク軸芯間距離(MP)との比(NP/MP) を等しく、又はほぼ等しくなるようにアイドラ軸芯(P) を定め、
    アイドラ軸芯(P) が履帯(9) の接地面(GL)、又はトラックフレーム(1) の前記クッション機構の前後方向の軸線(Y1)と平行な水平直線運動をするように、前記前方連結軸芯 (L) と前記前支持連結軸芯 (M) とを結ぶ中心線である前方リンク中心線(LMCL)と、前記後方連結軸芯 (K) と前記後支持連結軸芯 (N) とを結ぶ中心線である後方リンク中心線(KNCL)とが平行である位置では、前方リンク中心線(LMCL)が履帯(9) の接地面(GL)と直角となる位置に前記リンク装置(10)をトラックフレーム(1) に設けた
    ことを特徴とする履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造。
  3. アイドラ(4) の左右両側を左右1対の支持リンク(11)で支持し、左右1対の支持リンク(11)をそれぞれ、左右1対の前方リンク(12)及び左右1対の後方リンク(13)によりトラックフレーム(1) に支持した
    ことを特徴とする請求項2記載の履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造。
  4. 前記後方リンク (13)をクッションリンク(14)を介して前記クッション機構(20)と連結した
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の履帯式作業車両の遊動輪装置のマウント構造。
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