JP4119343B2 - クローポール型モータのステータ - Google Patents

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Description

本発明は、第1相、第2相および第3相の環状のステータリングを軸線方向に順番に積層し、前記各相のステータリングのリターンパスからそれぞれ径方向内向きに突設されて軸線方向に並置された複数のティースの径方向内端から軸線方向に向かって径方向高さが次第に減少する楔状の突起を円周方向に交互に並ぶように突設し、これらの突起の内周面はロータの軸線方向幅と同じ幅を有して該ロータの外周面を覆うとともに、隣接する突起の内周面の境界線を軸線に対して傾斜するようにスキューさせたクローポール型モータのステータに関する。
下記特許文献1に記載されたクローポール型モータのステータは、U相、V相およびW相の各相に対応して3個の単位ステータを備えており、各々の単位ステータは軸線方向に離間した2個のティースと、それらのティースを径方向外端で接続するリターンパスとを有して断面コ字状に形成されている。そして断面コ字状の単位ステータの内部に収納した環状の巻線に通電して独立した磁路を構成することで、その2個のティースの径方向内端にロータに対向するように突設した極性の異なる2種類の突起を磁化するようになっている。
ところで上記従来のものは、U相、V相およびW相の3個の単位ステータを軸線方向に積み重ねてステータを構成しているが、各々の単位ステータが、その内部に巻線を収納する環状スロットを備え、かつ2個のティースおよび2種類の突起を備えているために軸線方向の厚さが厚くなり、それらの単位ステータを3個積み重ねたステータの軸線方向の寸法が大型化する問題があった。
そこで本出願人は、軸線方向に複数のティースを並置し、隣接するティース間に形成された環状スロットに巻線を収納し、各ティースの径方向内端に軸線方向に延びてロータの外周面に対向する突起を設けたクローポール型モータのステータを、特願2003−302017号により既に提案している。
かかる突起を備えたクローポール型モータのステータにおいて、隣接する突起の境界線を軸線に対してスキュー(傾斜)させることで、つまりロータの外周面に対向するステータの各突起の内周面の形状を平行四辺形状とすることで、ロータの永久磁石とステータの突起とのオーバーラップ面積がロータの回転に伴って漸増・漸減するようにしてトルクリップル(ロータの回転トルクの微小な変動)を低減する技術も知られている。
特開平7−227075号公報
図12に示すように、ロータRの外周面に対向するステータSが前記突起01,02を備えたクローポール型モータでは、その突起01,02がティース03,04に連なる基端側から先端側に厚さを減少させながら軸線方向に楔状に延びている。図12(A)および図12(C)に示すように、3相モータのステータSの軸線方向両端のティース03,03に連なる突起01,01は軸線方向片側に延びているため、突起01,01の長さが長くなる。一方、図12(B)に示すように、3相モータの軸線方向中央のティース04に連なる突起02,02は軸線方向両側に延びているため、それぞれ突起02,02の長さが短くなる。
突起はロータからの磁束をティースに受け渡す役割を持っており、ティースに近い基端側ほど多くの磁束が流れるために磁路の断面積を大きくする必要があり、そのために突起は楔角θaを有する楔状に形成される。この楔角θaは磁束の飽和を防止するために最小値が規定されている。
ここで、図12(A)および図12(C)の突起01,01と、図12(B)の突起02,02とを比較すると明らかなように、突起01,01;02,02の基端部の径方向の高さを一定値Hとすると、図12(A)および図12(C)の突起01,01は軸線方向片側に延びていて長さが長いために楔角θaが小さくなるのに対し、図12(B)の突起02,02は軸線方向両側に延びていて長さが短いために楔角θaが大きくなる。つまり、軸線方向両側のティース03,03の突起01,01の方が楔角θaを確保するのが難しく、磁路の断面積が不足して磁束の飽和が発生し易いことになる。磁束の飽和を防止しようとして楔角θaを増加させると、突起01,01の基端部の径方向の高さが前記一定値Hよりも高くなってしまい、ステータSの径方向寸法が増加してモータの外径が大型化してしまう問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クローポール型モータにおいてステータの径方向寸法を大型化することなく、ティースに連なる突起の磁路の断面積を確保できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、第1相、第2相および第3相の環状のステータリングを軸線方向に順番に積層し、前記各相のステータリングのリターンパスからそれぞれ径方向内向きに突設されて軸線方向に並置された複数のティースの径方向内端から軸線方向に向かって径方向高さが次第に減少する楔状の突起を円周方向に交互に並ぶように突設し、これらの突起の内周面はロータの軸線方向幅と同じ幅を有して該ロータの外周面を覆うとともに、隣接する突起の内周面の境界線を軸線に対して傾斜するようにスキューさせたクローポール型モータのステータであって、円周方向に順番に配置された前記第1相、第2相および第3相の突起のうち、前記第1相の突起および前記第3相の突起は相互に接近するように軸線方向一方および他方に向かって先細になって延びるとともに、前記第2相の突起は前記第1相の突起および前記第3相の突起に挟まれるように軸線方向両方に向かって一定幅で延び、前記第2相の突起の楔角は前記第1相の突起および前記第2相の突起の楔角よりも大きく設定されることを特徴とするクローポール型モータのステータが提案される。
請求項1の構成によれば、軸線方向に並置された第1相、第2相および第3相のティースのうち、軸線方向両端に位置する第1相および第3相のティースの径方向内端から軸線方向に向かって径方向高さが次第に減少するように楔状の突起を突出させ、その突起の内周面の形状をティースに連なる基端側から先端側に向かって先細になる台形状としたので、突起の先端の楔角を増加させることなく、つまりステータの外径を増加させることなく、突起の基端側の磁路の断面積を増加させて磁束の飽和を防止することができる。しかも隣接する突起の内周面の境界線が軸線に対してスキューするので、ロータの回転に伴うトルクリップルを低減することができる。
一方、第1相および第3相のティースに挟まれた第2相のティースの突起は軸方向両側に延びるために楔角が元々大きくなって磁束が飽和する虞が少ないため、その突起の内周面の形状を一定幅の平行四辺形状としても磁束が飽和が発生することはない。このように、第1相の台形状にテーパーした突起と、第2相の一定幅の平行四辺形状の突起と、第3相の台形状にテーパーした突起とを円周方向に交互に配置することで、各突起の磁束の飽和を防止しながら、隣接する突起の内周面の境界線を軸線に対してスキューさせてトルクリップルを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図11は本発明の一実施例を示すもので、図1はクローポール型モータを備えたハイブリッド車両のパワーユニットを示す図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図2の5−5線断面図、図6はステータの一部破断斜視図、図7はステータの分解斜視図、図8は図2の8−8線矢視図、図9は突起のスキューの有無によるモータ軸トルクの変動波形を示すグラフ、図10は突起のスキュー角と突起の楔角との関係を示すグラフ、図11は突起のスキュー角とモータ軸トルクおよびトルクリップルとの関係を示すグラフである。
図1に示すように、ハイブリッド車両のパワーユニットは、エンジンEおよびトランスミッションT間に配置されたクローポール型のモータMを備える。エンジンEのシリンダブロック11およびクランクケース12の右側面にモータケース13、トルクコンバータケース14およびミッションケース15が結合されており、シリンダブロック11およびクランクケース12間に支持されたクランクシャフト16の軸端にモータMのロータ17が固定される。ロータ17の外周に固定した複数の永久磁石18…に環状のステータ19が所定のエアギャップを介して対向しており、ステータ19を支持するステータホルダ20がシリンダブロック11およびクランクケース12とモータケース13との割り面に挟まれて固定される。
トルクコンバータケース14に収納されたトルクコンバータ21は、タービンランナー22とポンプインペラ23とを備えており、タービンランナー22に結合されてポンプインペラ23を覆うサイドカバー24がドライブプレート25を介してモータMのロータ17に接続される。トルクコンバータ14のポンプインペラ23は、ミッションケース15に支持されたメインシャフト26の左端に結合される。
次に、図2〜図8を参照して三相交流で作動するモータMのステータ19の構造を説明する。
図7から明らかなように、ステータ19は圧粉材で一体成形されたU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33と、1個のU相巻線34と、2個のV相巻線35A,35Bと、1個のW相巻線36とを備える。U相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33は軸線L方向に重ね合わされる。
図3、図6および図7から明らかなように、U相ステータリング31は、環状に形成されたリターンパス31aと、このリターンパス31aの周方向等間隔位置から径方向内向きに延びる9個のティース31b…と、これらのティース31b…の径方向内端から更に径方向内向きに延びる9個の突起31c…とを備える。そして各々の突起31cの径方向内端は、L字状に屈曲して径方向の高さが基端側から先端側に向かって楔角θaでテーパー状に減少しながら軸線L方向片側に延びている。ティース31bは巻線34,35A,35B,36の径方向の高さに対応する部分であり、それよりも径方向内側の部分は突起31cとなる。
図4、図6および図7から明らかなように、V相ステータリング32は、環状に形成されたリターンパス32aと、このリターンパス32aの周方向等間隔位置から径方向内向きに延びる9個のティース32b…と、これらのティース32b…の径方向内端から更に径方向内向きに延びる9個の突起32c…とを備える。そして各々の突起32cの径方向内端は、T字状に屈曲して径方向の高さが基端側から先端側に向かって楔角θaでテーパー状に減少しながら軸線L方向両側に延びている。ティース32bは巻線34,35A,35B,36の径方向の高さに対応する部分であり、それよりも径方向内側の部分は突起32cとなる。
図5、図6および図7から明らかなように、W相ステータリング33はV相ステータリング32に関してU相ステータリング31と鏡面対称な部材であり、かつ裏返すことでU相ステータリング31と互換可能な同一形状を有している。W相ステータリング33の各部の符号は、U相ステータリング31の各部の符号の「31」を「33」に変更したものである。
本実施例のモータMは三相交流で作動するものであり、U相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…は電気角で360°/3=120°ずつ周方向にずれて配置される。それに対してロータ17の各永久磁石18はU相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…に対して共用されていて同一位相の磁束を発生する。これにより各相の突起31c…,32c…,33c…はロータ17に均一なトルクを発生させることができる。
図6から明らかなように、ステータ19の内周面に沿って順番に配置されるU相の9個の突起31c…、V相の9個の突起32c…およびW相の9個の突起33c…の軸線L方向の幅は、ロータ17の永久磁石18…の軸線L方向の幅に略等しくなっており、ステータ19およびロータ17間の鎖交磁束を最大限に増加させてロータ17の出力トルクを増加させることができる。しかも各永久磁石18はU相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…に対して共用されるので、各相の突起31c…,32c…,33c…に対応して永久磁石18…を軸線L方向に分割する必要をなくし、永久磁石18…の個数を削減することができる。
図8には、U相の9個の突起31c…、V相の9個の突起32c…およびW相の9個の突起33c…がロータ17の外周面に対向する内周面の形状が示される。鎖線はU相、V相およびW相の突起31c,32c,33cの内周面の従来の形状、つまりそれらが同一形状の長方形である場合を示している。それに対して本実施例では、軸線L方向両端に位置するティース31b,33bに連なる突起31c,33cの内周面の形状は、それらの突起31c,33cの基端側(ティース31b,33bに連なる側)から先端側に向かって先細になる台形状をなしている。そして軸線L方向中央に位置するティース32bに連なる突起32cの内周面の形状は、平行四辺形状をなしている。
上述した台形状の内周面を有するU相の突起31cと、平行四辺形状の内周面を有するV相の突起32cと、台形状の内周面を有するW相の突起33cとが1セットになり、その9セットがステータ19の内周面に沿って同じ順序で配列される。U相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…の境界線は、軸線Lに対してスキュー角θbを有して傾斜している。
図6に最も良く示されるように、台形状に形成されたU相およびW相の突起31c,33cの磁路の断面積(斜線参照)は、突起31c,33cの楔角θaによってティース31b,33bに連なる基端側ほど大きくなるが、突起31c,33cを台形状としたことで、磁路の断面積が基端側において更に増加する。これにより、ロータ17の内周面から受け渡された磁束が突起31c,33cにおいて集合してティース31b,33bに流れるとき、最も磁束が強くなる突起31c,33cの基端部において磁束が飽和するのを防止してモータMの出力を確保することができる。
尚、U相およびW相の突起31c,33cに挟まれたV相の突起32cは平行四辺形状であるために、上述した磁路の断面積を増加させる効果はないが、その突起32cはティース32bに連なる基端部から軸線L方向両側に延びているために楔角θaが大きくなり(図12(B)参照)、突起32cを台形状にしなくても磁束の飽和が発生することはない。
図3および図6から明らかなように、U相ステータリング31のティース31b…とV相ステータリング32のティース32b…との間に環状スロット37が形成されており、この環状スロット37に予め巻回されたU相巻線34と一方のV相巻線35Aとが収納される。またW相ステータリング33のティース33b…とV相ステータリング32のティース32b…との間に環状スロット38が形成されており、この環状スロット38に予め巻回されたW相巻線36と他方のV相巻線35Bとが収納される。
即ち、実施例の3相のモータMでは、環状スロット37,38の数は相数の3から1を減算した2個であり、一方の環状スロット37には1相目(U相)および2相目(V相)の巻線34,35Aが収納され、他方の環状スロット38には2相目(V相)および3相目(W相)の巻線35B,36が収納されることになる。
このように、U相ステータリング31のティース31b…とV相ステータリング32のティース32b…とでU相巻線34および一方のV相巻線35Aを挟んで固定し、かつW相ステータリング33のティース33b…とV相ステータリング32のティース32b…とでW相巻線36および他方のV相巻線35Bとを挟んで固定したので、各巻線34,35A,35B,36を固定するための特別の固定部材が不要になる。しかも各巻線34,35A,35B,36は環状スロット37,38の内部に収納されて外部部品と干渉する虞がないため、外部部品の寸法管理が容易になる。
各々の巻線34,35A,35B,36は長方形断面の平角線を導線とするもので、径方向に9層に巻回され、軸線L方向に2層に巻回される。そして一方の環状スロット37に収納されたU相巻線34および一方のV相巻線35Aの起磁力の方向は逆になるように設定され、かつ他方の環状スロット38に収納されたW相巻線36および他方のV相巻線35Bの起磁力の方向は逆になるように設定され、更に、一方および他方の環状スロット37,38に収納された一方および他方のV相巻線35A,35Bの起磁力の方向は逆になるように設定される。つまり、軸線L方向に順次配列された4個の巻線34,35A,35B,36の起磁力の方向は交互に反転するように設定される。
そしてU相巻線34、V相巻線35A,35BおよびW相巻線36をスター結線あるいはデルタ結線して3相交流電流を供給することで、ステータ19の内周面に順番に配置されたU相の突起31c…、V相の突起32c…およびW相の突起33c…に回転磁界を形成し、永久磁石18…との間に発生する電磁力でロータ17を回転駆動することができる。
ところで、各相の巻線をそれぞれ独立した結線とすると、巻線を双方向に励磁するために4個のスイッチング素子を組み合わせたHブリッジ回路が必要となり、N相の巻線に対して合計4N個のスイッチング素子が必要になる。しかしながら、スター結線あるいはデルタ結線を採用することにより、一部の回路を共用して半分の2N個のスイッチング素子だけで済ますことができ、回路の簡素化が可能になる。
以上のように、軸線L方向に並置したU相、V相、W相のティース31b…,32b…,33b…間に形成された2個の環状スロット37,38にU相、V相、W相の巻線34,35A,35B,36を収納したので、U相、V相、W相の3相に対して3個のティース31b…,32b…,33b…と2個の環状スロット37,38とを設ければ良く、上記特許文献に記載された6個のティースと3個の環状スロットとを必要とするものに比べて、ステータ19の軸線L方向の厚さを薄くしてモータMを薄型化し、エンジンEおよびトランスミッションT間の狭い空間にモータMを容易に配置することができる。
図9のグラフは、突起31c…,32c…,33c…のスキューの有無によるモータMの軸トルクの変動波形を示している。突起31c…,32c…,33c…にスキューがない場合、つまり全ての突起31c…,32c…,33c…の境界線が軸線Lと平行である場合には、モータMの軸トルクの変動幅(つまりトルクリップル)はシミュレーション値および実測値の両方において大きくなる。それに対して、突起31c…,32c…,33c…にスキューがある場合には、モータMの軸トルクの変動幅(つまりトルクリップル)はシミュレーション値において3分の1以下に減少している。
またモータMの実効トルクはスキュー無しの場合の方がスキュー有りの場合よりも若干高くなっているが、モータMの最低限の性能を保証するために重要なボトムトルクはスキュー有りの場合の方がスキュー無しの場合よりも若干高くなっている。このように、スキューを採用したことより、トルクリップルの大幅な低減とボトムトルクの増加とが可能になる。
図10のグラフは、磁束の飽和を発生させないための突起31c…,33c…の楔角θaとスキュー角θbとの関係を示している。同図から明らかなように、突起31c…,33c…のスキュー角θbを増加させると、それに伴って楔角θaを減少させることができる。これは突起31c…,33c…の形状を台形状としたことにより、スキュー角θbの増加に伴って磁路の断面積が増加することで、楔角θaの減少による磁路の断面積の減少が補われるからである。例えば、スキュー角θbが機械角で0°の場合に45°の楔角θaが必要であったとすると、スキュー角θbを2°付けることで楔角θaを45°から40°に減少させることができ、その分だけ突起31c…,33c…の高さを減少させてステータ19の径方向の高さを減少させ、モータMのトルクを確保しながら径方向の寸法の大型化を防止することができる。
図11のグラフは、突起31c…,32c…,33c…のスキュー角θb(電気角)とモータMの軸トルクおよびトルクリップルとの関係を示してる。図9で既に説明したように、スキュー角θbを増加させると、実効トルクは次第に減少するが、ボトムトルクは次第に増加した後にθb=25°付近から減少に転じ、またトルクリップルは次第に減少した後にθb=25°付近から増加に転じている。従って、この実施例における適切なスキュー角θbは電気角で20°〜25°の範囲であると考えられる。
また本実施例のU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33は圧粉磁性材により構成される。即ち、ヘガネス社製の鉄系合金の磁性材粉末の表面を無機質材の皮膜で覆った圧粉材を金型で所定の形状にプレス成形し、それにサイジング処理を施して形状を整えた後に熱硬化処理することでU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33を製造する。このように、圧粉磁性材を用いることで、複雑な形状のU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33を容易に製造することができる。
ステータ19のU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33の各々の外周部には、その圧粉成形時に中子を用いて環状の冷媒通路J…が形成されており、これらの冷媒通路J…に冷媒としの冷却水や冷却風を流通させることにより、U相巻線34、V相巻線35A,35BおよびW相巻線36の発熱による温度上昇を抑制している。ステータ19のU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33の内部に冷媒通路J…を設けたのでステータ19の外形に影響がなく、ステータホルダ20によるステータ19の保持に支障を来すことがない。またステータ19の内部に直接冷媒通路J…を設けたので、冷媒による冷却効果が充分に確保されるとともに冷媒の漏れが防止され、しかもステータ19の保持方法の自由度を増加させることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例ではクローポール型のモータMをハイブリッド車両の走行用モータとして使用しているが、その用途は任意である。
また実施例では各相のステータリング31,32,33を圧粉材で構成しているが、その他の種々の材質を採用することができる。即ち、ステータリング31,32,33を無垢の磁性体、焼結材および圧粉材の何れかで構成すれば、それらを積層鋼板で構成する場合に比べて成形が容易になり、無垢の磁性体あるいは焼結材で構成すればコストを削減することができ、圧粉材で構成すれば磁束の損失を低減することができる。
また実施例では各相のステータリング31,32,33をそれぞれ一体成形しているが、必要に応じてリターンパス31a,32a,33a、ティース31b…,32b…,33b…および突起31c…,32c…,33c…を分割して構成すれば、それらの設計自由度を高めることができる。
また実施例では各相の巻線34,35A,35B,36の導線に長方形断面の平角線を採用しているが、正方形や正六角形等の正多角形断面あるいは円形断面の導線を採用することができる。長方形断面あるいは正多角形断面の導線を採用すれば巻線34,35A,35B,36の占積率を増加させることができ、円形断面の導線を採用すればコストダウンに寄与することができる。
また実施例ではステータ19を冷却する冷媒として最も低コストな冷却水および冷却風を例示したが、他の任意の冷媒を使用することができる。
クローポール型モータを備えたハイブリッド車両のパワーユニットを示す図 図1の2−2線拡大断面図 図2の3−3線断面図 図2の4−4線断面図 図2の5−5線断面図 ステータの一部破断斜視図 ステータの分解斜視図 図2の8−8線矢視図 突起のスキューの有無によるモータ軸トルクの変動波形を示すグラフ 突起のスキュー角と突起の楔角との関係を示すグラフ 突起のスキュー角とモータ軸トルクおよびトルクリップルとの関係を示すグラフ 従来のステータのティースの突起の形状を示す図
符号の説明
17 ロータ
19 ステータ
31 ステータリング
31a リターンパス
31b ティース
31c 突起
32 ステータリング
32a リターンパス
32b ティース
32c 突起
33 ステータリング
33a リターンパス
33b ティース
33c 突起
L 軸線
θa 楔角

Claims (1)

  1. 第1相、第2相および第3相の環状のステータリングを軸線方向に順番に積層し、前記各相のステータリングのリターンパスからそれぞれ径方向内向きに突設されて軸線方向に並置された複数のティースの径方向内端から軸線方向に向かって径方向高さが次第に減少する楔状の突起を円周方向に交互に並ぶように突設し、これらの突起の内周面はロータの軸線方向幅と同じ幅を有して該ロータの外周面を覆うとともに、隣接する突起の内周面の境界線を軸線に対して傾斜するようにスキューさせたクローポール型モータのステータであって、
    円周方向に順番に配置された前記第1相、第2相および第3相の突起のうち、前記第1相の突起および前記第3相の突起は相互に接近するように軸線方向一方および他方に向かって先細になって延びるとともに、前記第2相の突起は前記第1相の突起および前記第3相の突起に挟まれるように軸線方向両方に向かって一定幅で延び、
    前記第2相の突起の楔角は前記第1相の突起および前記第2相の突起の楔角よりも大きく設定されることを特徴とするクローポール型モータのステータ。
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