JP4206322B2 - 3相ブラシレスモータ - Google Patents

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Description

本発明は、ステータに複数のティースを備えた3相ブラシレスモータに関する。
下記特許文献1に記載されたクローポール型モータのステータは、U相、V相およびW相の各相に対応して3個の単位ステータを備えており、各々の単位ステータは軸線方向に離間した2個のティースと、それらのティースを径方向外端で接続するリターンパスとを有して断面コ字状に形成されている。そして断面コ字状の単位ステータの内部に収納した環状の巻線に通電して独立した磁路を構成することで、その2個のティースの径方向内端にロータに対向するように突設した極性の異なる2種類の突起を磁化するようになっている。
ところで上記従来のものは、U相、V相およびW相の3個の単位ステータを軸線方向に積み重ねてステータを構成しているが、各々の単位ステータが、その内部に巻線を収納する環状スロットを備え、かつ2個のティースおよび2種類の突起を備えているために軸線方向の厚さが厚くなり、それらの単位ステータを3個積み重ねたステータの軸線方向の寸法が大型化する問題があった。
そこで本出願人は、軸線方向に複数のティースを並置し、隣接するティース間に形成された環状スロットに巻線を収納し、各ティースの径方向内端に軸線方向に延びてロータの外周面に対向する突起を設けたクローポール型モータのステータを、特願2003−302017号により既に提案している。
特開平7−227075号公報
ところで、上記特願2003−302017号で提案されたモータの各ティースに設けられた突起は小さいギャップを介して相互に対向しているため、対向する突起間で磁束が短絡してモータのトルクが低下する問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、モータのティース間の磁束の短絡を抑制し、磁束の短絡によるトルクの低下を最小限に抑えることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、3相のステータを有する3相ブラシレスモータであって、ステータの相隣なるティースの相対向面間に、その間の磁束の短絡を抑制する磁束を一方向への通電により発生可能であり且つ前記短絡を促進する磁束を他方向への通電により発生可能であるコイルが設けられ、このコイルには、モータの低速回転域では相隣なるティース間で発生する短絡磁束を抑制する磁束を該コイルが発生するように前記一方向への通電がなされ、またモータの高速回転域では、界磁弱め電流を要しない界磁弱め制御を可能として消費電力を節減するために、相隣なるティース間での磁束の短絡を促進する磁束を該コイルが発生するように前記他方向への通電がなされることを特徴とする3相ブラシレスモータが提案される。
本発明によれば、3相のステータを有する3相ブラシレスモータにおいて、ステータの相隣なるティースの相対向面間に、その間の磁束の短絡を抑制する磁束を一方向への通電により発生可能であり且つ前記短絡を促進する磁束を他方向への通電により発生可能であるコイルが設けられ、このコイルには、モータの低速回転域では相隣なるティース間で発生する短絡磁束を抑制する磁束を該コイルが発生するように前記一方向への通電がなされ、またモータの高速回転域では、界磁弱め電流を要しない界磁弱め制御を可能として消費電力を節減するために、相隣なるティース間での磁束の短絡を促進する磁束を該コイルが発生するように前記他方向への通電がなされるので、モータの低速回転域では、ステータの相隣なるティース間のコイルに漏れ磁束と逆方向の磁束を発生させることで、結果的に磁束の短絡を抑制することができて、磁束短絡に起因したモータのトルク低下を最小限に抑えることができる。またモータの高速回転域では、前記コイルを用いて、界磁弱め電流を流すことなく界磁弱め制御を行って高速回転域におけるモータのトルク低下を抑制することができるため、従来の界磁弱め電流による界磁弱め制御に比べて、消費電力を節減することができる。
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した参考例および本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図7は第1参考例を示すもので、図1はクローポール型モータを備えたハイブリッド車両のパワーユニットを示す図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図2の5−5線断面図、図6はステータの一部破断斜視図、図7はステータの分解斜視図である、
図1に示すように、ハイブリッド車両のパワーユニットは、エンジンEおよびトランスミッションT間に配置されたクローポール型のモータMを備える。エンジンEのシリンダブロック11およびクランクケース12の右側面にモータケース13、トルクコンバータケース14およびミッションケース15が結合されており、シリンダブロック11およびクランクケース12間に支持されたクランクシャフト16の軸端にモータMのロータ17が固定される。ロータ17の外周に固定した複数の永久磁石18…に環状のステータ19が所定のエアギャップを介して対向しており、ステータ19を支持するステータホルダ20がシリンダブロック11およびクランクケース12とモータケース13との割り面に挟まれて固定される。
トルクコンバータケース14に収納されたトルクコンバータ21は、タービンランナー22とポンプインペラ23とを備えており、タービンランナー22に結合されてポンプインペラ23を覆うサイドカバー24がドライブプレート25を介してモータMのロータ17に接続される。トルクコンバータ14のポンプインペラ23は、ミッションケース15に支持されたメインシャフト26の左端に結合される。
次に、図2〜図7を参照して三相交流で作動するブラシレスモータMのステータ19の構造を説明する。
図7から明らかなように、ステータ19は圧粉材で一体成形されたU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33と、1個のU相巻線34と、2個のV相巻線35A,35Bと、1個のW相巻線36とを備える。U相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33は軸線L方向に重ね合わされる。
図3、図6および図7から明らかなように、U相ステータリング31は、環状に形成されたリターンパス31aと、このリターンパス31aの周方向等間隔位置から径方向内向きに延びる9個のティース31b…と、これらのティース31b…の径方向内端から更に径方向内向きに延びる9個の突起31c…とを備える。そして各々の突起31cの径方向内端は、L字状に屈曲して径方向の高さが基端側から先端側に向かってテーパー状に減少しながら軸線L方向片側に延びている。ティース31bは巻線34,35A,35B,36の径方向の高さに対応する部分であり、それよりも径方向内側の部分は突起31cとなる。
図4、図6および図7から明らかなように、V相ステータリング32は、環状に形成されたリターンパス32aと、このリターンパス32aの周方向等間隔位置から径方向内向きに延びる9個のティース32b…と、これらのティース32b…の径方向内端から更に径方向内向きに延びる9個の突起32c…とを備える。そして各々の突起32cの径方向内端は、T字状に屈曲して径方向の高さが基端側から先端側に向かって楔角θaでテーパー状に減少しながら軸線L方向両側に延びている。ティース32bは巻線34,35A,35B,36の径方向の高さに対応する部分であり、それよりも径方向内側の部分は突起32cとなる。
図5、図6および図7から明らかなように、W相ステータリング33はV相ステータリング32に関してU相ステータリング31と鏡面対称な部材であり、かつ裏返すことでU相ステータリング31と互換可能な同一形状を有している。W相ステータリング33の各部の符号は、U相ステータリング31の各部の符号の「31」を「33」に変更したものである。
本参考例のブラシレスモータMは三相交流で作動するものであり、U相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…は電気角で360°/3=120°ずつ周方向にずれて配置される。それに対してロータ17の各永久磁石18はU相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…に対して共用されていて同一位相の磁束を発生する。これにより各相の突起31c…,32c…,33c…はロータ17に均一なトルクを発生させることができる。
図6から明らかなように、ステータ19の内周面に沿って順番に配置されるU相の9個の突起31c…、V相の9個の突起32c…およびW相の9個の突起33c…の軸線L方向の幅は、ロータ17の永久磁石18…の軸線L方向の幅に略等しくなっており、ステータ19およびロータ17間の鎖交磁束を最大限に増加させてロータ17の出力トルクを増加させることができる。しかも各永久磁石18はU相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…に対して共用されるので、各相の突起31c…,32c…,33c…に対応して永久磁石18…を軸線L方向に分割する必要をなくし、永久磁石18…の個数を削減することができる。
図3〜図7から明らかなように、U相ステータリング31の突起31c…およびV相ステータリング32の突起32c…間と、V相ステータリング32の突起32c…およびW相ステータリング33の突起33c…間と、W相ステータリング33の突起33c…およびU相ステータリング31の突起31c…間とには、非磁性の電導体(例えばアルミニウム)を長方形に形成した遮蔽板41…が挟まれる。
図3および図6から明らかなように、U相ステータリング31のティース31b…とV相ステータリング32のティース32b…との間に環状スロット37が形成されており、この環状スロット37に予め巻回されたU相巻線34と一方のV相巻線35Aとが収納される。またW相ステータリング33のティース33b…とV相ステータリング32のティース32b…との間に環状スロット38が形成されており、この環状スロット38に予め巻回されたW相巻線36と他方のV相巻線35Bとが収納される。
即ち、参考例の3相のモータMでは、環状スロット37,38の数は相数の3から1を減算した2個であり、一方の環状スロット37には1相目(U相)および2相目(V相)の巻線34,35Aが収納され、他方の環状スロット38には2相目(V相)および3相目(W相)の巻線35B,36が収納されることになる。
このように、U相ステータリング31のティース31b…とV相ステータリング32のティース32b…とでU相巻線34および一方のV相巻線35Aを挟んで固定し、かつW相ステータリング33のティース33b…とV相ステータリング32のティース32b…とでW相巻線36および他方のV相巻線35Bとを挟んで固定したので、各巻線34,35A,35B,36を固定するための特別の固定部材が不要になる。しかも各巻線34,35A,35B,36は環状スロット37,38の内部に収納されて外部部品と干渉する虞がないため、外部部品の寸法管理が容易になる。
各々の巻線34,35A,35B,36は長方形断面の平角線を導線とするもので、径方向に9層に巻回され、軸線L方向に2層に巻回される。そして一方の環状スロット37に収納されたU相巻線34および一方のV相巻線35Aの起磁力の方向は逆になるように設定され、かつ他方の環状スロット38に収納されたW相巻線36および他方のV相巻線35Bの起磁力の方向は逆になるように設定され、更に、一方および他方の環状スロット37,38に収納された一方および他方のV相巻線35A,35Bの起磁力の方向は逆になるように設定される。つまり、軸線L方向に順次配列された4個の巻線34,35A,35B,36の起磁力の方向は交互に反転するように設定される。
そしてU相巻線34、V相巻線35A,35BおよびW相巻線36をスター結線あるいはデルタ結線して3相交流電流を供給することで、ステータ19の内周面に順番に配置されたU相の突起31c…、V相の突起32c…およびW相の突起33c…に回転磁界を形成し、永久磁石18…との間に発生する電磁力でロータ17を回転駆動することができる。
さて、U相、V相およびW相のステータリング31,32,33は、リターンパス31a,32a,33aにおいて相互に接触しているが、突起31c…,32c…,33c…においては磁束の短絡を防止すべく相互に微小なギャップを挟んで対向しているため、これらのギャップを介してU相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…間で磁束が短絡してしまい、ロータ17との間で受け渡される磁束が減少してモータMのトルクが低下する問題がある。この磁束の短絡を防止するには前記ギャップを増加させればよいが、このようにすると突起31c…,32c…,33c…がロータ17の外周面に対向する面積が減少してトルクが低下したり、コギングトルクが増加したりする新たな問題が発生する。
それに対し、本参考例では突起31c…,32c…,33c…間のギャップに非磁性の電導体よりなる遮蔽板41…を介在させたことにより、前記磁束の短絡を抑制してモータMのトルクの低下を防止している。即ち、磁束の短絡により遮蔽板41…を通過する漏れ磁束の量が変化すると遮蔽板41…に渦電流が流れ、この渦電流により発生する逆方向の漏れ抑制磁束により突起31c…,32c…,33c…間の磁束の短絡を抑制することができ、これによりモータのトルクの低下を最小限に抑えることができる。
尚、遮蔽板41…に前記電導体を採用した場合には、漏れ磁束の過渡的な変化に対して漏れ抑制磁束を発生させることができるが、定常的な漏れ磁束に対しては漏れ抑制磁束を発生させることができず、また渦電流のジュール損により漏れ磁束に対して漏れ抑制磁束が小さくなることが避けられなかった。
そこで第1参考例の変形例では、電導体の遮蔽板41…に代えて方向性磁性材料を採用している。方向性磁性材料で形成した遮蔽板41…は、その板厚方向の磁束の通過を抑制し、磁束を板面方向に逸らす特性を有するもので、その結果、突起31c…,32c…,33c…間の磁束の短絡を一層効果的に抑制することができる。
上述した電導体あるいは方向性磁性材料を採用した遮蔽板41…では磁束の短絡を100%抑制することは不可能である。そこで第1参考例の他の変形例では、超伝導体の遮蔽板41…を採用している。超伝導体の遮蔽板41…では磁束が通過する際にジュール損が発生しないため、渦電流によって漏れ磁束と同じ大きさの漏れ抑制磁束が発生して磁束の短絡を実質的に0にすることができる。尚、超伝導体の遮蔽板41…を採用する場合には、その機能を発揮させるために遮蔽板41…を極低温の環境に置くことが必要となる。
ところで、各相の巻線をそれぞれ独立した結線とすると、巻線を双方向に励磁するために4個のスイッチング素子を組み合わせたHブリッジ回路が必要となり、N相の巻線に対して合計4N個のスイッチング素子が必要になる。しかしながら、スター結線あるいはデルタ結線を採用することにより、一部の回路を共用して半分の2N個のスイッチング素子だけで済ますことができ、回路の簡素化が可能になる。
以上のように、軸線L方向に並置したU相、V相、W相のティース31b…,32b…,33b…間に形成された2個の環状スロット37,38にU相、V相、W相の巻線34,35A,35B,36を収納したので、U相、V相、W相の3相に対して3個のティース31b…,32b…,33b…と2個の環状スロット37,38とを設ければ良く、上記特許文献に記載された6個のティースと3個の環状スロットとを必要とするものに比べて、ステータ19の軸線L方向の厚さを薄くしてモータMを薄型化し、エンジンEおよびトランスミッションT間の狭い空間にモータMを容易に配置することができる。
また本参考例のU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33は圧粉磁性材により構成される。即ち、ヘガネス社製の鉄系合金の磁性材粉末の表面を無機質材の皮膜で覆った圧粉材を金型で所定の形状にプレス成形し、それにサイジング処理を施して形状を整えた後に熱硬化処理することでU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33を製造する。このように、圧粉磁性材を用いることで、複雑な形状のU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33を容易に製造することができる。
また遮蔽板41…はU相、V相およびW相のステータリング31,32,33に適宜の手段で固定してもよいが、本参考例ではU相、V相およびW相のステータリング31,32,33を圧粉材で成形する際に遮蔽板41…を金型内に挿入することで一体化しており、これにより特別の固定手段を必要とせずに遮蔽板41…の脱落や位置ずれを防止することができる。
ステータ19のU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33の各々の外周部には、その圧粉成形時に中子を用いて環状の冷媒通路J…が形成されており、これらの冷媒通路J…に冷媒としての冷却水や冷却風を流通させることにより、U相巻線34、V相巻線35A,35BおよびW相巻線36の発熱による温度上昇を抑制している。ステータ19のU相ステータリング31、V相ステータリング32およびW相ステータリング33の内部に冷媒通路J…を設けたのでステータ19の外形に影響がなく、ステータホルダ20によるステータ19の保持に支障を来すことがない。またステータ19の内部に直接冷媒通路J…を設けたので、冷媒による冷却効果が充分に確保されるとともに冷媒の漏れが防止され、しかもステータ19の保持方法の自由度を増加させることができる。
図8〜図14は第2参考例を示すもので、図8は前記図2に対応する図、図9は図8の9−9線断面図、図10は図8の10−10線断面図、図11は図8の11−11線断面図、図12は図8の12−12線矢視図、図13はステータの一部破断斜視図、図14はステータの分解斜視図である。
U相ステータリング31は、環状に形成されたリターンパス31aと、このリターンパス31aの周方向等間隔位置から径方向内向きに延びる10個のティース31b…と、これらのティース31b…の径方向内端から更に径方向内向きに延びる10個の突起31c…とを備える。そして各々の突起31cの径方向内端は、L字状に屈曲して径方向の高さが基端側から先端側に向かってテーパー状に減少しながら軸線L方向片側に延びている。ティース31bは巻線34,35A,35B,36の径方向の高さに対応する部分であり、それよりも径方向内側の部分は突起31cとなる。
U相ステータリング31の隣接する突起31c…間が側面磁路31d…により接続される。軸線L方向に見た側面磁路31d…の形状は、図8に網掛けを施して示すように、軸線Lを中心とする二つの同心円弧と、軸線Lから放射状に延びる二つの直線とで囲まれた略長方形状である。また軸線Lを含む平面で切断した断面形状は、図10、図11および図13に網掛けを施して示すように、直角三角形状である。
V相ステータリング32は、環状に形成されたリターンパス32aと、このリターンパス32aの周方向等間隔位置から径方向内向きに延びる10個のティース32b…と、これらのティース32b…の径方向内端から更に径方向内向きに延びる10個の突起32c…とを備える。そして各々の突起32cの径方向内端は、T字状に屈曲して径方向の高さが基端側から先端側に向かってテーパー状に減少しながら軸線L方向両側に延びている。ティース32bは巻線34,35A,35B,36の径方向の高さに対応する部分であり、それよりも径方向内側の部分は突起32cとなる。
V相ステータリング32の隣接する突起32c…間が側面磁路32d…により接続される。軸線L方向に見た側面磁路32d…の形状は、上述したU相ステータリング31の側面磁路31d…と同じであるが、U相ステータリング31の側面磁路31d…が該U相ステータリング31の軸線L方向の外側側面に沿って配置されているのに対し、V相ステータリング32の側面磁路32d…は円周方向に2分割されて軸線L方向の両側に交互に振り分けて配置される。またV相ステータリング32の側面磁路32d…を軸線Lを含む平面で切断した断面形状は、図9、図11および図13に網掛けを施して示すように、鈍角を有する三角形状である。
W相ステータリング33はV相ステータリング32に関してU相ステータリング31と鏡面対称な部材であり、かつ裏返すことでU相ステータリング31と互換可能な同一形状を有している。W相ステータリング33の各部の符号は、U相ステータリング31の各部の符号の「31」を「33」に変更したものである。
尚、以上説明したU相、V相およびW相のステータリング31,32,33の側面磁路31d…,32d…,33d…は、図8〜図13において網掛けして示されている。
U相ステータリング31の突起31c…および側面磁路31d…と、V相ステータリング32の突起32c…および側面磁路32d…と、W相ステータリング33の突起33c…および側面磁路33d…との対向部に形成されるギャップには、第1参考例と同様の電導体、方向性磁性材料あるいは超伝導体よりなる遮蔽板41…が挟まれるように固定される。
しかして、U相、V相およびW相のステータリング31,32,33が、それぞれ隣接する突起31c…,32c…,33c…間を接続する側面磁路31d…,32d…,33d…を備えているため、ロータ17の永久磁石18…から突起31c…,32c…,33c…およびティース31b…,32b…,33b…を通ってリターンパス31a…,32a…,33a…に流れる磁束の一部が、円周方向に分岐して側面磁路31d…,32d…,33d…を通ってリターンパス31a…,32a…,33a…に流れるようになる(図8の矢印参照)。このように、U相、V相およびW相のティース31b…,32b…,33b…の軸線L方向の厚さを増加させて磁路断面積を拡大することなく、側面磁路31d…,32d…,33d…の追加によって磁路断面積を拡大することができるので、ステータ19の軸線L方向の寸法が大型化するのを回避しながらモータMの出力を増加させることができる。
またU相、V相およびW相のステータリング31,32,33の突起31c…,32c…,33c…および側面磁路31d…,32d…,33d…が相対向する部分に配置した遮蔽板41…により磁束の短絡が抑制され、第1参考例と同様にしてモータMのトルクの低下が防止される。
図15〜図21は本発明の第1実施例を示すもので、図15はステータの一部破断斜視図、図16はU相、V相およびW相の巻線に供給される三相交流電流の波形を示す図、図17は遮蔽コイルに供給される三相交流電流の波形を示す図、図18は遮蔽コイルの駆動回路を示す図、図19は遮蔽コイルに供給される三相交流電流の他の波形を示す図、図20は遮蔽コイルに供給される三相交流電流の更に他の波形を示す図、図21は遮蔽コイルの他の駆動回路を示す図である。
図6(第1参考例)および図15を比較すると明らかなように、第1参考例ではU相、V相およびW相のステータリング31,32,33の突起31c…,32c…,33c…が相対向する部分に遮蔽板41…を配置しているが、第1実施では前記遮蔽板41…に代えて遮蔽コイル42…を配置している。遮蔽コイル42…はターン数が1回であり、遮蔽板41…と同等の厚さを有している。
図16にはU相巻線34、V相巻線35A,35BおよびW相巻線36に供給される三相交流の波形が示されており、各相の波形は正弦波状であって位相θが120°ずつずれている。同図から明らかなように、θ=0°のときはU相の突起31c…からW相の突起33c…に磁束の短絡が発生し、1°≦θ≦59°のときはU相およびV相の突起31c…,32c…からW相の突起33c…に磁束の短絡が発生し、θ=60°のときはV相の突起32c…からW相の突起33c…に磁束の短絡が発生し、61°≦θ≦90°のときはV相の突起32c…からU相の突起31c…およびW相の突起33c…に磁束の短絡が発生している。
第1実施例は遮蔽コイル42…に三相交流電流を流すことで前記磁束の短絡を打ち消す方向の磁束を発生させるもので、その三相交流電流の波形は図17に示される。実線の波形VWは、V相の突起32c…およびW相の突起33c…間に配置された遮蔽コイル42…に供給される電流であり、破線の波形WUは、W相の突起33c…およびU相の突起31c…間に配置された遮蔽コイル42…に供給される電流であり、鎖線の波形UVは、U相の突起31c…およびV相の突起32c…間に配置された遮蔽コイル42…に供給される電流である。この図17に示す三相交流電流を各相の遮蔽コイル42…に供給することで、U相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…間で発生する磁束の短絡にタイミングを合わせて遮蔽コイル42…に逆方向の磁束を発生させ、結果としてU相、V相およびW相の突起31c…,32c…,33c…間の磁束の短絡を抑制してモータMのトルクの低下を防止することができる。
図18は遮蔽コイル42…に図17の三相交流を供給する駆動回路を示すものである。この実施例では、U相およびV相間の磁束の短絡を抑制する遮蔽コイル42(uv)と、V相およびW相間の磁束の短絡を抑制する遮蔽コイル42(vw)と、W相およびU相間の磁束の短絡を抑制する遮蔽コイル42(wu)とが、各々独立した同一構造のスイッチング回路43…を介して励磁される。バッテリ44と遮蔽コイル42…との間に配置された各々のスイッチング回路43はFET等の4個のスイッチング素子を備えたいわゆるHブリッジ回路であり、何れかの対角位置にある2個のスイッチング素子を所定のデューティ比でONすることで、対応する遮蔽コイル42を任意の方向に励磁することができる。尚、3個のスイッチング回路43…はバッテリ44…は共用することが可能である。
上記実施例では遮蔽コイル42…に供給する三相交流の波形を三角波状としているが、図19に示す正弦波状、あるいは図20に示す矩形波状することも可能である。
また遮蔽コイル42…に三相交流を供給する駆動回路は図18のものに限定されず、図21に示すように、バッテリ44と遮蔽コイル42(uv),42(vw),42(wu)との間に6個のスイッチング素子を有するスイッチング回路43を配置しても良い。尚、遮蔽コイル42…への通電はモータMの運転時にのみ行えば良く、モータMの運転時および停止時を通して遮蔽コイル42…に通電する場合に比べて消費電力を節減することができる。
以上の説明では、遮蔽コイル42…に磁束の短絡を打ち消す方向の磁束を発生させているが、この実施例では、モータMの高速回転域で遮蔽コイル42…に磁束の短絡を促進する方向の磁束を発生させることで、以下のような効果を得ることができる。
即ち、モータMの高速回転域(例えば、3000rpm以上)では、巻線に発生する逆起電力によってトルクが減少するのを防止すべく、界磁弱め電流を供給して界磁を弱める制御が行われている(界磁弱め制御)。そこで、上述した突起31c…,32c…,33c…間の磁束の短絡がステータ19の界磁を弱めることに鑑み、遮蔽コイル42…に上述したのと逆方向の三相交流電流を流して磁束の短絡を積極的に発生させることで、従来の界磁弱め電流を必要とせずに界磁弱め制御を可能にし、可変トルク定数のモータMを得ることができる。この手法を採用することで、従来の界磁弱め電流による界磁弱め制御に比べて、消費電力を節減することができる。
次に、図22に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
図14(第2参考例)および図22を比較すると明らかなように、第2参考例ではU相、V相およびW相のステータリング31,32,33の突起31c…,32c…,33c…および側面磁路31d…,32d…,33d…が相対向する部分に遮蔽板41…を配置しているが、第2実施例では前記遮蔽板41…に代えて遮蔽コイル42…を配置している。遮蔽コイル42…の構造および機能と、その駆動回路の構造とは第1実施例と同じである。従って、この第2実施例によっても、前記第1実施例と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例では3相のクローポール型のモータMを例示したが、本発明は2相あるいは4相以上のクローポール型のモータに対して適用することができる。
また実施例ではクローポール型のモータMをハイブリッド車両の走行用モータとして使用しているが、その用途は任意である。
また実施例では各相のステータリング31,32,33を圧粉材で構成しているが、その他の種々の材質を採用することができる。即ち、ステータリング31,32,33を無垢の磁性体、焼結材および圧粉材の何れかで構成すれば、それらを積層鋼板で構成する場合に比べて成形が容易になり、無垢の磁性体あるいは焼結材で構成すればコストを削減することができ、圧粉材で構成すれば磁束の損失を低減することができる。
また実施例では各相のステータリング31,32,33をそれぞれ一体成形しているが、必要に応じてリターンパス31a,32a,33a、ティース31b…,32b…,33b…および突起31c…,32c…,33c…を分割して構成すれば、それらの設計自由度を高めることができる。
また実施例では各相の巻線34,35A,35B,36の導線に長方形断面の平角線を採用しているが、正方形や正六角形等の正多角形断面あるいは円形断面の導線を採用することができる。長方形断面あるいは正多角形断面の導線を採用すれば巻線34,35A,35B,36の占積率を増加させることができ、円形断面の導線を採用すればコストダウンに寄与することができる。
また実施例ではステータ19を冷却する冷媒として最も低コストな冷却水および冷却風を例示したが、他の任意の冷媒を使用することができる。
第1参考例に係るクローポール型モータを備えたハイブリッド車両のパワーユニットを示す図 図1の2−2線拡大断面図 図2の3−3線断面図 図2の4−4線断面図 図2の5−5線断面図 ステータの一部破断斜視図 ステータの分解斜視図 第2参考例に係る、前記図2に対応する図 図8の9−9線断面図 図8の10−10線断面図 図8の11−11線断面図 図8の12−12線矢視図 ステータの一部破断斜視図 ステータの分解斜視図 本発明の第1実施例に係るステータの一部破断斜視図 U相、V相およびW相の巻線に供給される三相交流電流の波形を示す図 遮蔽コイルに供給される三相交流電流の波形を示す図 遮蔽コイルの駆動回路を示す図 遮蔽コイルに供給される三相交流電流の他の波形を示す図 遮蔽コイルに供給される三相交流電流の更に他の波形を示す図 遮蔽コイルの他の駆動回路を示す図 第2実施例に係るステータの分解斜視図
符号の説明
M モータ
19 ステータ
31b ティース
32b ティース
33b ティース
42 遮蔽コイル

Claims (1)

  1. 3相のステータを有する3相ブラシレスモータであって、
    ステータの相隣なるティースの相対向面間に、その間の磁束の短絡を抑制する磁束を一方向への通電により発生可能であり且つ前記短絡を促進する磁束を他方向への通電により発生可能であるコイルが設けられ、
    このコイルには、モータの低速回転域では相隣なるティース間で発生する短絡磁束を抑制する磁束を該コイルが発生するように前記一方向への通電がなされ、またモータの高速回転域では、界磁弱め電流を要しない界磁弱め制御を可能として消費電力を節減するために、相隣なるティース間での磁束の短絡を促進する磁束を該コイルが発生するように前記他方向への通電がなされることを特徴とする3相ブラシレスモータ。
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