JP2009005466A - 交流モータ - Google Patents

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英介 高橋
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政行 梨木
Shinji Makita
真治 牧田
Yoshinobu Kamata
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Abstract

【課題】異なる相のステータ磁極が軸方向に順次配列される交流モータのコギングトルクやトルクリップルを低減すること。
【解決手段】軸方向一端部寄りのステータ磁極19、20と、軸方向中央部寄りのステータ磁極21、22と、軸方向他端部寄りのステータ磁極23、24とが配置されており、ステータ磁極19〜24のロータ対向面10はロータ10の軸方向幅全体をほぼ覆って配置される。これにより、漏れ磁束のばらつきやステータ磁極の離散性が低減されるためコギングトルクやトルクリップルを低減できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、交流モータに関し、特に車両用途に好適な交流モータの改良に関する。
従来から、ステータ磁極に各相のコイルが集中的に巻回されたモータが知られている(特許文献1)。この種の集中巻きモータの一例を図27〜図29に図示する。図27はその軸方向模式断面図、図28はその径方向模式断面図、図29はそのステータの周方向模式展開図である。
しかしながら、特許文献1に開示された従来の集中巻きモータは、巻線を各ステータ磁極毎に巻回する必要があるため構造が複雑であり、しかもスロットの奥に配置する必要があるため巻線の巻回作業が容易ではなく、生産性が低下するという問題があった。また、このような構造のため小型化、高効率化、低コスト化が難しいという問題があった。
そこで、本願発明者は、上記問題を解決するため、下記の特許文献2に記載する交流モータにより上記問題の改善を図った。この交流モータは、軸方向へ互いに隣接して配列される複数のステータ磁極に対して周方向に異なる位相角位置を与え、これら各ステータ磁極間にループ状巻線を配置した構成となっているため、低コストで高効率、高トルクを期待することができる。更に説明すると、この特許文献2のモータ(以下、ステータ磁極軸方向配列型の交流モータとも言う)は、周方向にN極磁極とS極磁極とが交互に配置されたロータと、周方向に複数個配置されたステータ磁極をそれぞれが有し、互いにステータ磁極の周方向位置および軸方向位置をずらして配置されたN個の部分コアと、複数の部分コアのそれぞれに対して軸方向に隣接して配置されて周方向にそれぞれ延在する複数のループ状巻線とを備えている。一つの部分コアは、同一円周上にて周方向順次に配列される各ステータ磁極により構成されている。
一つの部分コアに含まれる各ステータ磁極の周囲に巻線を巻回することを考える場合、互いに隣接する2つのステータ磁極に挟まれた巻線には互いに起磁力アンペアターンを相殺するような電流が流れるため、等価的には電流が流れていないときと同じ状態となる。したがって、この巻線は、ステータ磁極に対して軸方向に隣接する位置に延在するループ状の巻線に代替えすることができる。この結果、上記した従来構造において、互いに周方向に隣接する2つのステータ磁極の間に巻回される巻線部分を省略することができ、高効率化、高トルク化が可能となる。また、各ステータ磁極の間に巻線を配置する必要がないため多極化が可能となり、特に巻線構造が簡素であることから、生産性を向上させることができ、低コスト化が可能になる。更に、各部分コアは、同一円周上にてほぼ均一に配置された対称構造となっているため、ロータとステータ間で発生する磁気吸引力によるステータの変形や、モータ各部の歪を小さくすることができるため、これらに起因する振動、騒音を低減することが可能になる。
特開平6−261513号公報 特開2005−160285号公報
しかしながら、上記した特許文献2の交流モータは、ステータが磁気突極構造をもつため、コギングトルクやトルクリップルが大きいという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、コギングトルクやトルクリップルが小さく、磁気振動や騒音も低減可能なステータ磁極軸方向配列型の交流モータを提供することをその目的としている。
上記課題を解決する第1発明は、周方向へ所定ピッチで配置された複数のステータ磁極の基端部を略円筒状のバックヨークで磁気的に接続してそれぞれ構成されている部分コアが軸方向へ複数配列されてなるステータコアと、周方向交互に配置されたN極磁極及びS極磁極をロータ磁極として有するロータと、前記ステータ磁極の間の磁極隙間を通過しつつ周方向へ延設される複数のループ状巻線を有するステータコイルとを備え、前記ステータ磁極のロータ対向面は、前記ロータ磁極の位置を基準として互いに異なる周方向重心位置を前記各部分コアごとに有する交流モータにおいて、前記ロータ磁極のステータ対向面は、前記ロータのほぼ軸方向全幅にわたって前記ステータ磁極のロータ対向面に対面可能に配置されていることをその特徴としている。
本発明によれば、前記ロータ磁極のステータ対向面の軸方向ほぼすべての部位が少なくとも一つの前記ステータ磁極のロータ対向面に対して径方向に対面可能に配置されているので、各ステータ磁極の漏れ磁束のばらつきや、各ステータ磁極の離散性に起因するコギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
好適な態様において、互いに隣接する前記ステータ磁極のロータ対向面の間の磁極隙間の軸方向幅は、周方向各部において略等しく設定されている。このようにすれば、互いに隣接するステータ磁極のロータ対向面間の空隙(磁極隙間)の軸方向幅が周方向で概ね等しいので、そのばらつきに起因するコギングトルクやトルクリップルの増大を抑止することができる。
好適な態様において、軸方向端寄りに重心をもつ前記部分コアに属する端部側の前記ステータ磁極のロータ対向面は、周方向へ移動するにつれて概ね正弦波状に変化する軸方向幅を有し、軸方向中央寄りに重心をもつ前記部分コアに属する中央側の前記ステータ磁極のロータ対向面は、前記ロータ磁極のステータ対向面のうちの前記端部側のステータ磁極のロータ対向面に対面していない部分に略等しい形状を有している。このようにすれば、コギングトルクやトルクリップルを低減することができる。また、誘起電圧波形を正弦波化することができ、モータの制御性を向上できる。
好適な態様において、軸方向端寄りの前記部分コアに属する端部側の前記ステータ磁極のロータ対向面は、軸方向中央寄りの前記部分コアに属する中央側の前記ステータ磁極のロータ対向面を略2分した形状をもつ。ただし、好適には、ループ状巻線は、軸方向両端のステータ磁極に同相の磁界を形成する。この態様では、軸方向両端のステータ磁極のロータ対向面が軸方向中央のステータ磁極のロータ対向面を軸方向に2分割した形状に略等しくしたので、各ステータ磁極における漏れ磁束の不均等さに起因するコギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
好適な態様において、すべての前記ステータ磁極のロータ対向面の軸方向幅は、周方向へ移動するにつれて略正弦波状に変化する。すなわち、この態様によれば、前記ステータ磁極のロータ対向面の軸方向幅が周方向位置に対して概ね正弦波状に変化するので、コギングトルクやトルクリップルを低減することができる。また、誘起電圧波形を正弦波化することができ、モータの制御性を向上できる。
好適な態様において、前記ステータ磁極のロータ対向面と前記ロータ磁極のステータ対向面との間の距離は、周方向中央部側から周方向端部側へ移動するにつれて大きくなる。すなわち、この態様によれば、ステータ磁極のロータ対向面とロータ磁極のステータ対向面との間の径方向距離が、ステータ磁極のロータ対向面の周方向端部で大きく、周方向中央部で小さくされているため、ステータ磁極とロータ磁極との間の磁束授受量の変化を滑らかにすることでき、コギングトルク、トルクリップルを低減することができる。
好適な態様において、前記ステータ磁極は、ロータ対向面からバックヨークに向かうにつれて軸方向幅が縮小し且つ周方向幅が増大する部分をもつ。このようすれば、局所的な磁気飽和を抑止できるとともに、ループ状巻線の湾曲を低減し長さを短縮する事ができる。
好適な態様において、前記ループ状巻線に周方向及び軸方向に隣接する前記ステータ磁極の部分である茎部は、前記ループ状巻線の曲率を減少させる向きに屈曲乃至面取りされた三角形乃至台形形状の周方向展開断面形状を有する。このようにすれば、ループ状巻線を短くでき、さらに、巻線スペースを拡大することができる。
好適な態様において、前記ステータ磁極の茎部は、前記ループ状巻線に接する部位にて面取りされている。これにより、ループ状巻線の湾曲を滑らかにし、ループ状巻線の表面を覆う絶縁皮膜の損傷を抑制することができる。
好適な態様において、前記ステータ磁極の先端部のうち前記茎部よりも軸方向又は周方向へ突出する部分である前記ステータ磁極の鍔部を有し、前記鍔部の軸方向幅及び径方向幅は略等しく形成されている。これにより、ステータ磁極は、この鍔部によりロータ磁極に広く対面して磁気抵抗を低減して広く磁束を集めることができるとともに、鍔部の磁気飽和も抑止することができるため、トルクを低下させること無く巻線スペースを確保する事が出来る。また、軸方向へ突出するステータ磁極の鍔部が磁気飽和することによるコギングトルクおよびトルクリップルを低減することができる。
本発明の交流モータの好適実施形態を以下に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるべきものではなく、その他の技術の組み合わせにより本発明の技術思想を実現してもよいことはもちろんである。
(実施形態1)
実施形態1の交流モータを以下に説明する。図1はこのモータの軸方向模式断面図、図2はロータの模式展開図、図3はステータ磁極の周方向模式展開図である。
(基本構成)
この交流モータの基本構成を以下に説明する。
このモータは、回転軸11に嵌着固定されたSPM構造のロータ10を有し、円筒状の永久磁石がロータ10の外周面に嵌着、固定されている。なお、ロータの構造はSPM構造に限定されるものではない。
回転軸11は軸受けを介してハウジング13に回転自在に支承されている。図2に示すように、永久磁石12は、周方向交互に逆向きに磁化されて計8極をもつ。図中に示す角度は機械角であり、電気角は図3からわかるように機械角の4倍となる。14はステータコアであり、ステータコア14にループ状巻線(相巻線)15A、15Bを巻装してステータが構成されている。なお、ループ状巻線15A、15Bは一例であって、用途に応じて種々変更可能である。ステータコア14は径方向内側へ突出する多数のステータ磁極を有している。
ステータコア14及びループ状巻線15A、15Bを図4の分解斜視図を参照して更に詳しく説明する。
ステータコア14は、軸方向順次に配置される部分コア141〜143を有している。部分コア141は、周方向交互に配置されたステータ磁極19とステータ磁極20とをもつ。部分コア142は、周方向交互に配置されたステータ磁極21とステータ磁極22とをもつ。部分コア143は、周方向交互に配置されたステータ磁極23とステータ磁極24とをもつ。部分コア141〜143は、各ステータ磁極の基端部を磁気的に接続するリング状のバックヨーク140A、140B、140Cを有している。
部分コア141は、図1に示すAーA線の位置すなわちステータコア14の軸方向一端部に配置されている。部分コア142は図1に示すBーB線の位置すなわちステータコア14の軸方向中央部に配置されている。部分コア143は図1に示すCーC線の位置すなわちステータコア14の軸方向他端部に配置されている。
ステータ磁極19〜24は、図4に示すようにリング状のバックヨーク140A、140B、140Cから径内向きに突出する茎部と、この茎部の先端(軸方向内端)から軸方向へ突出する鍔部とを有している。この実施形態では、各鍔部は軸方向に突出するにつれて周方向幅が連続的に減少する形状を有している。ステータ磁極19〜24の茎部の周方向展開図が図3に示されている。この周方向展開平面図上におけるステータ磁極19〜24の重心すなわち面積的中心点は、互いに電気角120°だけ周方向にずれている。つまり、ステータ磁極19〜24の茎部は、ステータ磁極19、21、23、20、22、24、19、・・・の順に周方向へ配列されている。
ループ状巻線15Aは、図4に示すように、部分コア141と部分コア142との間に位置して周方向へリング状(正確には波状)に介設されている。ループ状巻線15Aは、部分コア141、142のステータ磁極19〜22の茎部に隣接して配置されている。部分コア141のステータ磁極19、20は、ループ状巻線15Aの径方向内側にてループ状巻線15Aを超えて部分コア142側へ突出している。部分コア142のステータ磁極21、22は、ループ状巻線15Aの径方向内側にてループ状巻線15Aを超えて部分コア141側に突出している。
ループ状巻線15Bは、図4に示すように、部分コア143と部分コア142との間に位置して周方向へリング状(正確には波状)に介設されている。ループ状巻線15Bは、部分コア143、142のステータ磁極21〜24の茎部に隣接して配置されている。部分コア143のステータ磁極23、24は、ループ状巻線15Bの径方向内側にてループ状巻線15Bを超えて部分コア142側へ突出している。部分コア142のステータ磁極21、22は、ループ状巻線15Bの径方向内側にてループ状巻線15Bを超えて部分コア143側へ突出している。
つまり、ループ状巻線15A、15Bは、ステータ磁極19〜24の基端部と先端部との間の茎部に巻装されている。この鍔部の径方向内端面が上記に言うロータ対向面(図5参照)をなす。ステータ磁極19〜24の鍔部はステータ磁極19〜24の先端部から軸方向に突出しているが、後述するように周方向へも突出させてもよい。結局、ループ状巻線15Aは、ステータ磁極19の茎部とステータ磁極21の茎部との間の磁極隙間と、ステータ磁極20の茎部とステータ磁極22の茎部との間の磁極隙間とを順次通過して周方向へ延在する。ループ状巻線15Bは、ステータ磁極21の茎部とステータ磁極23の茎部との間の磁極隙間と、ステータ磁極22の茎部とステータ磁極24の茎部との間の磁極隙間とを順次通過して周方向へ延在する。つまり、この実施形態では、ステータコイルは、波状に蛇行するリング状の相巻線であるループ状巻線15A、15Bにより構成されている。
ステータ磁極19〜24のロータ磁束鎖交量を増大するためにはそれらの軸方向幅を図3よりも増大させることが望ましい。図4では、ステータ磁極19〜24の鍔部をその茎部の先端部から軸方向へ突出しているため、問題を生じることなくステータ磁極19〜24のロータ対向面を増大することができる。
(ステータ磁極19〜24のロータ対向面の形状)
この実施形態の特徴をなすステータ磁極19〜24のロータ対向面の形状を図5を参照して説明する。なお、このロータ対向面は、通常で言う磁極面である。
端部寄りのステータ磁極19、20、23、24のロータ対向面すなわち磁極面は、茎部から軸方向へ遠ざかるにつれて周方向幅が減少する略台形に形成されている。中央部寄りのステータ磁極21、22のロータ対向面は、図5に示すように周方向幅が一定の略平行四辺形に形成されており、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24のロータ対向面に占有されていないロータ10のステータ対向面に面する部位において配置されている。中央部寄りのステータ磁極21、22のロータ対向面の軸方向に延在する端縁は、隣接する端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の軸方向に延在する端縁に対して所定の周方向隙間を隔てて平行に形成されている。また、ステータ磁極19〜24は、ロータ10の軸方向幅、更に正確に言えば各ロータ磁極の軸方向幅に等しい軸方向幅を有している。周方向に隣接する2つのステータ磁極は軸方向に見た場合に(周方向において)重なって配置されている。図5において、gは、周方向に隣接する2つのステータ磁極の間のギャップである。このギャップの周方向各部は一定の軸方向幅、一定の周方向幅をもつ。
(動作)
相巻線であるループ状巻線15AにたとえばU−V相正弦波電流、相巻線であるループ状巻線15Bにそれと電気角120°位相がずれたV−W相正弦波電流を通電した場合を例として動作を説明する。ステータ磁極19、20にはU相磁束が形成され、ステータ磁極23、24にはW相磁束が形成される。ステータ磁極21、22には、これら磁束の合計と等しい磁束量をもち磁束方向が反対の磁束すなわち−(U+W)=V相の磁束が形成される。すなわち、ステータ磁極19、20にはU相ベクトル磁界が形成され、ステータ磁極21、22にはV相ベクトル磁界が形成され、ステータ磁極23、24にはW相ベクトル磁界が形成される。つまり、ループ状巻線15A、15Bにより、互いに電気角120°離れた3つの相磁束ベクトルからなる回転磁界が形成される。ロータ10のN極及びS極との回転すなわちロータ磁束の回転と上記ステータ回転磁界の回転と同期させると通常の同期機と同じ動作を得ることができることがわかる。
たとえばロータ磁極であるN極磁極が回転して各ステータ磁極19〜24の径方向内側を周方向へ通過する場合を考える。このN極磁極は図2に示すように軸方向に延在する長方形の周方向展開形状を有するものとする。このN極磁極の周方向移動につれて、このN極磁極と一つのステータ磁極との周方向展開図上の重なり面積は最初は徐々に増大し、その後、徐々に減少することになる。このことは、このN極磁極から一つのステータ磁極に与えられるロータ磁束量が時間的に単調に増大し、その後、単調に減少することを意味する。したがって、このモータによれば、コギングトルクやトルクリップルを良好に低減することができる。つまり、従来において通常の同期機と同様の複雑なスロット構造及びステータコイル配線構造をもつ従来のシンクロナスモータに比べて格段にステータコイル構造が簡単なシンクロナスモータをステータ磁極19〜24のロータ対向面形状を工夫するだけで得られるわけである。なお、ループ状巻線15A、15Bの電流位相は、必要トルク量に応じてN極磁極の回転角度位置に合わせて決定されるのは従来の同期モータなどと同様である。
その他、上記説明した実施形態では、周方向に隣接する2つのステータ磁極(正確にはその先端部)の間の隙間が小さくなるため、この隙間における漏れ磁束量の各ステータ磁極でのばらつきが小さい。このため、各相で発生するトルクのばらつきを低減できるためコギングトルクやトルクリップルを低減することができる。また、ステータ磁極の離散性を低減することができ、ステータ磁極の離散性によって生じるコギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
(変形態様)
上記実施形態1の変形態様を図6を参照して説明する。図6はステータ磁極19〜24のロータ対向面の形状を示す周方向展開図である。
この実施形態は、図5に示すステータ磁極19〜24のロータ対向面の形状を変更したものである。具体的には、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の軸方向突出長を短縮して略台形形状とし、その分だけ、中央部寄りのステータ磁極21、22の軸方向両端部の周方向幅を増大させたものである。このようにしても上記と同様の効果を奏することができる。
(変形態様)
上記実施形態1の変形態様を図7を参照して説明する。図7はステータ磁極19〜24のロータ対向面の形状を示す周方向展開図である。
この実施形態は、図5に示すステータ磁極19〜24のロータ対向面の形状を変更したものである。具体的には、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の軸方向突出長を短縮する。このようにしても上記と同様の効果を奏することができる。
この変形態様では、ステータ磁極の間のギャップの軸方向幅はステータの全周において一定とされている。このため、台形状のステータ磁極24(又は19)の頂辺(短辺)の一端の周方向位置は、この台形状のステータ磁極24(又は19)に対して周方向に隣接する台形状のステータ磁極19(又は24)の底辺(長辺)の一端の周方向位置に等しくされている。同じく、台形状のステータ磁極19(又は24)の頂辺(短辺)の他端の周方向位置は、この台形状のステータ磁極19(又は24)に対して周方向に隣接する平行四辺形のステータ磁極21(又は22)の周方向先端の周方向位置に等しくされている。更に、ロータの軸方向幅から台形状のステータ磁極19(又は24)の軸方向高さを差し引いた幅は上記したステータ磁極の間のギャップの軸方向幅に等しく設定されている。
これにより、ステータ対向面間の軸方向幅の合計すなわちロータのステータ対向面の軸方向幅の合計が周方向各部において等しくなるため、コギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
(変形態様)
上記実施形態1の変形態様を図8を参照して説明する。図8はステータ磁極19〜24のロータ対向面の形状を示す周方向展開図である。
この実施形態は、図6に示すステータ磁極19〜24のロータ対向面の形状を変更したものである。具体的には、軸方向端部寄りのステータ磁極19、20、23、24のロータ対向面は、略半波正弦波形状の端縁形状をもち、その軸方向幅は周方向展開周方向へ移動するにつれて概ね正弦波状に変化する。軸方向中央部寄りのステータ磁極21、22のロータ対向面の端縁は、隣接する端部寄りのステータ磁極のロータ対向面の端縁に対して大雑把に言って等しい幅を有する形状を有している。このようにすれば、ループ状巻線15A、15Bと鎖交するロータ磁束量は回転角に対して正弦波状に変化することになり、コギングトルクやトルクリップルを一層低減することができる。また、誘起電圧波形を正弦波化することができ、モータの制御性を向上できる。
(実施形態2)
実施形態2の交流モータを図9、図10を参照して以下に説明する。この実施形態は、実施形態1に対してステータコア形状とループ状コイルの配置を変更したものである。図9はステータ磁極のロータ対向面の周方向展開図、図10はステータ磁極の茎部の周方向展開図であり、ループ状巻線15A、15B、15Cの配置を示している。
まずステータ磁極の配置を図9を参照して説明する。
この実施形態のステータの配置は、実施形態1の中央部寄りのステータ磁極21、22に代えて中央部寄りのステータ磁極25〜28に変更した点にその基本的な特徴がある。ただし、図9ではステータ磁極19〜28のロータ対向面は平行四辺形とされているが、それはこの実施形態の必須要件ではない。また、図10に示すステータ磁極19〜28の茎部もロータ対向面よりは周方向に幅が狭いものの平行四辺形の周方向展開形状をもつが、それもこの実施形態の必須要件ではない。
中央部寄りのステータ磁極25、26のロータ対向面は、周方向に隣接する端部寄りのステータ磁極19、20に対して等しい隙間を挟んで配置され、軸方向中央寄りのステータ磁極27、28も、周方向に隣接する端部寄りのステータ磁極23、24に対して等しい隙間を挟んで配置されている。ステータ磁極25、26は同一のリング状の部分コアのバックヨークから形方向内側に突出しており、ステータ磁極27、28も同一のリング状の部分コアのバックヨークから形方向内側に突出している。したがって、この実施形態では、部分コア141、143の間に上2つの部分コアが軸方向順次に配置されている。
図9について更に説明すると、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24は、中央部寄りのステータ磁極25〜28とその周方向幅は等しいものの、ほぼ半分の軸方向幅をもつ。中央部寄りのステータ磁極25、26の周方向中心位置は、中央部寄りのステータ磁極27、28の周方向中心位置に対して電気角120°だけ周方向へずれて配置されている。また、端部寄りのステータ磁極19、23を一体と考えた場合、この一体のステータ磁極19、23の周方向中心位置は、その両側の中央部寄りのステータ磁極28、25に対してそれぞれ電気角120°だけずれて配置されている。同様に、端部寄りのステータ磁極20、24を一体と考えた場合、この一体のステータ磁極20、24の周方向中心位置は、その両側の中央部寄りのステータ磁極27、26に対してそれぞれ電気角120°だけずれて配置されている。次に、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の磁束について考える。ループ状巻線15A、15B、15Cには互いに電気角120°ずれた正弦波電流が流れている場合、ステータ磁極19、20とステータ磁極23、24との間には3つのループ状巻線15A、15B、15Cのすべてが配置されているため、結局、ステータ磁極19、20とステータ磁極23、24との間には電流が流れていないのと等価であり、したがって、ステータ磁極19、20の磁束とステータ磁極23、24の磁束とは同相となる。また、ステータ磁極25、26の上方を周方向一方側へループ状巻線15Aの電流が流れ、ステータ磁極25、26の下方を周方向一方側へループ状巻線15B、15Cの合成電流(ループ状巻線15Aの電流が反対向きに流れるのと等価)となるため、結局、ステータ磁極25,26にはループ状巻線15Aが集中巻きに巻かれた場合の磁界が形成される。同様に、ステータ磁極27、28の下方を周方向一方側へループ状巻線15Cの電流が流れ、ステータ磁極27、28の上方を周方向一方側へループ状巻線15A、15Bの合成電流(ループ状巻線15Cの電流が反対向きに流れるのと等価)となるため、結局、ステータ磁極27,28にはループ状巻線15Cが集中巻きに巻かれた場合の磁界が形成される。残ったステータ磁極19+23、20+24には、ループ状巻線15Aによる上記磁界とループ状巻線15Cによる上記磁界のリターン磁界が形成され、これはループ状巻線15A、15Bによるベクトル磁界和と逆相となるため、ループ状巻線15Bの電流による磁界となる。
つまり、この実施形態では、ループ状巻線15A、15Bに加えて、ステータ磁極25、26とステータ磁極27、28との間に位置して波形の第3のループ状巻線15Cが周方向に設けられることにより、ステータ磁極19〜24と、ステータ磁極25,26と、ステータ磁極27,28とにそれぞれ電気角120°離れたステータ磁界が形成される。
また、これら実質3相のステータ磁極の軸方向と周方向の隙間の大きさがほぼ等しくなるので、ステータ磁極の間の隙間に生じる漏れ磁束のばらつきを低減することができ、このことに起因して生じるコギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
更に詳しく説明すると、図10に示すループ状巻線15A、15B、15Cによりステータ磁極19〜28に形成される電流磁界は、本質的に図11に示すステータ磁極19〜28に個別に集中巻きされた3相コイルが形成する電流磁界に等しい。つまり、図11の3相コイルは、図10のループ状巻線15A、15B、15Cに余分な巻線部分を追加して略集中巻きのようにしたものである。端部寄りのステータ磁極19、20、23、24にはW相電流が通電され、中央部寄りのステータ磁極25、26にはU相電流が、中央部寄りのステータ磁極27、28にはV相電流が通電される。図11において、同一の部分コアの(同相の)互いに隣接するステータ磁極間の巻線部分は、同一の電流が逆方向に流れるので、起磁力は相殺されておりトルクに寄与しない。さらに、軸方向両端に配置された周方向の巻線に関しては、ステータコアの外部でループ状に流れる電流であり、ステータコアの外部は空気等で磁気抵抗が大きいための、トルクへの電磁気的作用はほとんどない。このため、省略しても影響はなく、軸方向両端に配置された周方向の巻線は排除することができる。結果として、図11に示す3相集中巻き巻線は、図11に示す6つのループ状巻線と等価と考えることができる。また、図11の部分コア間の2つのループ状巻線は合成することができるため、図10に示すループ状巻線15A、15B、15Cと等価と考えることができる。結果として、図10に示すステータ磁極配列及び3つのループ状巻線15A、15B、15Cを用いることにより3相回転磁界を形成できることがわかる。
また、図12に示す2つのループ状巻線15A、15Bで構成することも可能である。この場合、ループ状巻線15A、15Bをステータ磁極のロータ対向面近傍に巻くと軸方向への湾曲が大きくなってしまうが、ステータ磁極のロータ対向面とステータ磁極の基端部との間の茎部の周方向断面形状を工夫することでループ状巻線の軸方向への湾曲を低減することができる。
(実施形態3)
実施形態3の交流モータを図13を参照して以下に説明する。この実施形態は、図5に示す実施形態1に対してステータ磁極のロータ対向面の周方向展開形状だけが異なっている。すなわち、この実施形態では、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の軸方向幅は周方向へ移動するにつれて略正弦波状に変化する。中央部寄りのステータ磁極21、22の軸方向幅も周方向へ移動するにつれて略正弦波状に変化する。
すなわち、この態様によれば、ステータ磁極のロータ対向面の軸方向幅が周方向位置に対して概ね正弦波状に変化するので、ループ状巻線15A、15Bと鎖交するロータ磁束量は回転角に対して正弦波状に変化することになり、コギングトルクやトルクリップルを大幅に低減することができる。また、ループ状巻線15A、15Bの誘起電圧波形が正弦波化することができ、モータの制御性を向上できる。なお、図13において、各ステータ磁極19〜24の最大軸方向幅の位置は、互いに電気角120°だけ周方向にずれている。
(変形態様)
変形態様を図14を参照して説明する。この変形態様は、図7に示すステータ磁極のロータ対向面の周方向展開形状だけが異なっている。すなわち、この実施形態では、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の軸方向幅は周方向へ移動するにつれて略正弦波状に変化する。中央部寄りのステータ磁極21、22の軸方向幅も周方向へ移動するにつれて略正弦波状に変化する。
すなわち、この態様によれば、ステータ磁極のロータ対向面の軸方向幅が周方向位置に対して概ね正弦波状に変化するので、ループ状巻線15A、15Bと鎖交するロータ磁束量は回転角に対して正弦波状に変化することになり、コギングトルクやトルクリップルを大幅に低減することができる。また、ループ状巻線15A、15Bの誘起電圧波形が正弦波化することができ、モータの制御性を向上できる。なお、図14において、各ステータ磁極19〜24の最大軸方向幅の位置は、互いに電気角120°だけ周方向にずれている。
(変形態様)
変形態様を図15に示す。この変形態様は、図9、図10に示すステータ磁極のロータ対向面の周方向展開形状だけが異なっている。すなわち、この実施形態では、各ステータ磁極19〜28の軸方向幅が周方向へ移動するにつれて略正弦波状に変化する。
この態様によれば、ステータ磁極のロータ対向面の軸方向幅が周方向位置に対して概ね正弦波状に変化するので、ループ状巻線15A、15B、15Cと鎖交するロータ磁束量は回転角に対して正弦波状に変化することになり、コギングトルクやトルクリップルを大幅に低減することができる。
(実施形態4)
実施形態4を図16を参照して以下に説明する。図16はステータ磁極19とロータ10との部分径方向模式側面図である。この実施形態では、ステータ磁極19及び他のステータ磁極のロータ対向面とロータ10のステータ対向面との間の電磁ギャップの幅は、ステータ磁極のロータ対向面の周方向中心位置から周方向両側へ離れるにつれて次第に増大する形状となっている。R1は電磁ギャップ最小位置における電磁ギャップ幅、R2は電磁ギャップの最大幅を示す。電磁ギャップ幅は回転角に対して正弦波状に変化することもできる。このようにすれば、ロータ回転に伴う各ステータ磁極のロータ磁束量の変化を滑らかとすることができ、コギングトルクやトルクリップルを低減することができる。また、ステータ磁極の磁極表面において、周方向端部に位置する角部がロータ磁極と離間することにより、角部における局所的な磁気飽和を低減する事ができ、そのことにより生じるコギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
(実施形態5)
実施形態5を図17〜図20を参照して以下に説明する。図17はステータ磁極及びループ状巻線15A、15Bの周方向展開図である。図18はステータ磁極19の軸方向模式断面図、図19はステータ磁極19の径方向各部の周方向展開断面形状を示す模式図である。
この実施形態では図18に示すように、ステータ磁極19〜24は、茎部191とその先端から軸方向へ突出する鍔部192とを有している。つまり、この実施形態の特徴は、図5において、ステータ磁極19〜24の先端部が茎部191の先端から軸方向へ突出する鍔部192を有している点にある。
図17において、端部寄りのステータ磁極19、20は、軸方向幅の略上半分を占有する茎部と、軸方向幅の略下半分を占有する鍔部とを有しており、ループ状巻線15A、15Bが鍔部の径方向外側に配置されている。同様に、端部寄りのステータ磁極23、24は、軸方向幅の略下半分を占有する茎部と、軸方向幅の略上半分を占有する鍔部とを有しており、ループ状巻線15A、15Bが鍔部の径方向外側に配置されている。更に、中央部寄りのステータ磁極21、22は、その軸方向中央部を占める茎部と、ほぼ軸方向の上1/4を占める第1の鍔部と、ほぼ軸方向の下1/4を占める第2の鍔部とを有する。ループ状巻線15Aは第1の鍔部の径方向外側に配置され、ループ状巻線15Bは第2の鍔部の径方向外側に配置されている。
図19において、(a)は図18のA部(鍔部192を含むステータ磁極19の先端部のロータ対向面近傍)の周方向展開図、(b)は図18のB部(鍔部192の径方向中央部)における鍔部192を含むステータ磁極19の先端部の周方向展開図、(c)は図18のC部(茎部)の周方向展開図を示す。La、Lb、Lcは軸方向幅、Wa、Wb、Wcは周方向幅を示す。
また、この実施形態では、図19に示すように、鍔部192を含むステータ磁極の先端部の軸方向幅は茎部191のそれよりも大きく、鍔部192を含むステータ磁極の先端部の周方向幅は茎部191のそれよりも小さい。これにより、ステータ磁極19〜24の局所的な磁気飽和を抑止することができる。
すなわち、ステータ磁極のロータと対向する表面においては軸長を十分に長くすることでロータの磁石磁束を十分にステータ磁極に取り込み、バックヨークとの接続部においてはバックヨークに近づくにつれ軸方向幅を短くし、周方向幅を長くすることで、ステータ磁極の磁路断面積の減少による磁気飽和を生じさせることなくループ状巻線の軸方向への湾曲を少なくする事ができる。そのことにより、トルクを著しく低下させること無く、ループ状巻線を短くする事ができる。また、鍔部192はロータ対向面から茎部191の先端に向けて周方向幅増大と軸方向縮小とが連続的に行われているため、局所的な磁気飽和を良好に防止することができる。
(変形態様)
変形態様を図20を参照して説明する。この変形態様は、図15に示すステータ磁極19〜28に実施例5で説明した鍔部を設けた点にその特徴がある。つまり、図20では、鍔部を含むステータ磁極19〜24のロータ対向面の軸方向幅は図15と同じく正弦波形状となる。
この実施形態では更に、茎部が鍔部を含むステータ磁極19〜24の先端部よりも軸方向に狭く、周方向へ広く形成されている(図20参照)。したがって、中央部寄りのステータ磁極25〜28の茎部の周方向展開断面は略眼状に形成され、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の茎部の周方向展開断面はそれを半分に分割した形状に形成されている。
なお、図20において、ハッチング部分はロータ対向面に重なる茎部の一部であり、このハッチング部分から周方向へ飛び出した部分100は茎部の残部である。また、このハッチング部分から軸方向へ飛び出した部分は鍔部である。このようにすれば、図10に示すステータ磁極配列においても、同様の効果を奏することができる。
ただし、ステータ磁極のロータと対向する表面とその近傍においては周方向幅を電気角で180°以上とするとトルクが低下する。しかしながら、バックヨーク側においては周方向幅を電気角で180°以上にしてもトルクの低下はほとんど無く、電気角で180°以上としても良い。また、ロータ側の磁石の磁束密度がフェライト磁石などのように低い場合においては、磁石磁束による磁気飽和が生じにくいため、このような形状にすることでのトルクの低下が少なくなり性能の向上効果が特に大きい。
(実施形態6)
実施形態6を図21〜図24を参照して以下に説明する。図21はステータ磁極及びループ状巻線15A、15Bの周方向展開図である。図22は部分コア及びループ状巻線の分解斜視図である。図23はステータ磁極19の軸方向模式断面図である。図24はステータ磁極19の径方向各部の周方向展開断面形状を示す模式図である。
この実施形態は、実施例5(図17〜図19参照)と同様に、ステータ磁極19〜24が茎部191の先端から軸方向へ突出する鍔部192を有している。図21において、ハッチング部分は茎部191の一部であり、このハッチング部分から周方向へ飛び出した部分は茎部191の残部であり、このハッチング部分から軸方向へ飛び出した部分が鍔部192である。図23に示すステータ磁極19の各部の周方向展開形状は図24(a)、(b)、(c)に示されるようになる。
なお、図24において、(a)は図23のA部(鍔部を含むステータ磁極の先端部のロータ対向面近傍)の周方向展開図、(b)は図23のB部(鍔部の径方向中央部)における鍔部を含むステータ磁極の先端部の周方向展開図、(c)は図23のC部(茎部)の周方向展開図を示す。La2、Lb2、Lc2は軸方向幅、Ba2、Bb2、Bc2は最大周方向幅、Ta2、Tb2、Tc2は最小周方向幅を示す。
この実施形態によれば、実施例5と同様、ステータ磁極19〜24の鍔部を含む先端部とその先端面であるロータ対向面が茎部よりも大きな軸方向幅と小さい周方向幅とをもつ。そのうえ、鍔部を含むステータ磁極19の先端部において軸方向幅縮小と周方向増大とが同時的になされているため、局所的磁束飽和を抑止することができる(図24参照)。
更に、この実施形態では図21、図24に示すように、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の茎部191は、略三角形の周方向展開断面形状をもつ。つまり、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の茎部は、周方向中央位置で最大軸方向幅となり周方向両側へ離れるにつれて軸方向幅が減少する三角形形状とされている。また、中央部寄りのステータ磁極21、22の茎部と端部寄りのステータ磁極の茎部との間の隙間が略等幅となるように、中央部寄りのステータ磁極21、22の茎部の軸方向側端面が面取りされている(図21参照)。これに対して、実施例5では図17に示されるように、ステータ磁極19〜24の茎部の軸方向側端面は周方向及び径方向に延在する平坦面とされている。
したがって、この実施形態によれば、ステータ磁極19〜24の茎部のうちループ状巻線15A、15Bに隣接する部分の周方向展開形状が、周方向へ変位するにつれて軸方向に変化する斜面形状となっているため、ループ状巻線15A、15Bの長さを短縮し、巻線スペースを拡大することができる。
つまり、端部寄りのステータ磁極19、20、23、24の周方向展開形状を、バックヨークに近づくにつれ徐々に軸方向幅を短くし、台形形状の上辺を短くし、下辺を長くし、台形又は三角形に近づけるようにしたので、ステータ磁極間の隙間の軸方向に対する周方向への傾きを大きくすることができる。このようにすることで、巻線スペースを拡大することができる。また、ループ状巻線の湾曲の角度をより鈍角にすることができ、ループ状巻線の長さも短縮することができる。この時に、ステータ磁極のロータと対向する表面の形状は変更されないので、トルクの低下はほとんどない。また、径方向断面形状を徐々に変化させることで局所的に磁気飽和を起こすことを防止できる。なお、ステータ磁極のロータ対向面近傍において周方向幅を電気角で180°以上とするとトルクが低下するが、バックヨーク側においては周方向幅を電気角で180°以上にしてもトルクの低下はほとんど無く、電気角で180°以上としても良い。
(変形態様)
図25を参照して変形態様を説明する。図25はステータ磁極19〜24及びループ状巻線15A、15Bの周方向展開図である。この変形態様では、図21に示すステータ磁極19〜24の茎部の側面のうちループ状巻線15A、15Bに隣接する部分を滑らかに面取りして丸めた曲線形状に形成したものである。このようにすれば、ループ状巻線15A、15Bとステータ磁極19〜24の角部との接触によるループ状巻線15A、15Bの絶縁皮膜の損傷を防止することができる。また、ループ状巻線15A、15Bをステータ磁極19〜24の表面に沿いつつ滑らかに湾曲させることができるため折り曲げ加工時の絶縁皮膜の損傷も抑制することができる。
(変形態様)
変形態様を図26を参照して説明する。図26はステータ磁極19の軸方向模式断面図である。この変形態様では、ステータ磁極19を含むステータ磁極19〜24の鍔部192の軸方向幅(図16のL)と径方向幅(図16のR)とを略等しく形成したものである。このようにすれば、ステータ磁極の鍔部の磁気飽和を抑止しつつ、この鍔部192に隣接する巻線スペースも大きく確保することができる。
(その他の構成)
以上、種々の磁極形状について例示したが、実際の適用にあたっては、モータの体格、極数、使用用途、制約条件などに応じて適宜選択乃至組み合わせることが可能であることは言うまでもない。
(効果)
本発明では、従来の欠点であったステータコイルのコイルエンドの軸方向飛び出しを低減もしくは廃止することができるため、特に薄型のモータにおいて大きなメリットを発揮することができる。その他、上記実施形態では磁石ロータ形式(SPM)を説明したが、磁石をロータ内に埋め込んだIPM(BPM)形式としてもよいことはもちろんである。また、極数も8極で説明しているが、他の極数としても良い。その他、インナーロータタイプの代わりにアウターロータタイプとしてもよく、アウターロータタイプでは巻線短縮、ロータの径大化などの利点により本発明の優位性をさらに向上する。また巻線については上記各実施形態では蛇行部を有する単相波形巻線としたが、これをアルミ巻線などの柔らかく成形しやすい巻線を用いれば、より簡単に巻線を構成することができる。
実施形態1の交流モータの模式軸方向断面図である。 図1のロータの模式周方向展開図である。 ステータ磁極の茎部の周方向展開図である。 図1のモータの分解斜視図である。 図1のステータ磁極の周方向展開図である。 変形態様のステータ磁極の周方向展開図である。 変形態様のステータ磁極の周方向展開図である。 変形態様のステータ磁極の周方向展開図である。 実施形態2のステータ磁極の周方向展開図である。 図10のステータ磁極にループ状巻線を追加した状態を示す周方向展開図である。 図10のループ状巻線と等価な集中巻きステータコイルの配置を示す周方向展開図である。 図10のループ状巻線と等価なループ状巻線をもつステータ磁極の周方向展開図である。 実施形態3を示すステータ磁極の周方向展開図である。 変形態様のステータ磁極の周方向展開図である。 変形態様のステータ磁極の周方向展開図である。 実施形態4を示すステータ磁極及びロータの径方向模式部分断面図である。 実施形態5を示すステータ磁極のロータ側から見た周方向展開図である。 図17のステータ磁極の軸方向模式断面図である。 図18のステータ磁極各部の周方向展開断面を示す図である。 変形態様のステータ磁極の周方向展開図である。 実施形態6のステータ磁極の周方向展開図である。 図21のモータの分解斜視図である。 図21のステータ磁極の軸方向模式断面図である。 図23のステータ磁極各部の周方向展開断面を示す図である。 変形態様のステータ磁極の周方向展開図である。 変形態様のステータ磁極の軸方向展開図である。 従来のブラシレスモータの概略的な構成を示す周方向断面図である。 図27のブラシレスモータの径方向模式断面図である。 図27のモータのステータ磁極及び巻線配列例を示す周方向展開図である。
符号の説明
10 ロータ
11 回転軸
12 永久磁石
13 ハウジング
14 ステータコア
15A、15B、15C ループ状巻線
19〜28 ステータ磁極
19〜28 各ステータ磁極
140A、140B、140C バックヨーク
141〜143 部分コア
191 茎部
192 鍔部

Claims (10)

  1. 周方向へ所定ピッチで配置された複数のステータ磁極の基端部を略円筒状のバックヨークで磁気的に接続してそれぞれ構成されている部分コアが軸方向へ複数配列されてなるステータコアと、
    周方向交互に配置されたN極磁極及びS極磁極をロータ磁極として有するロータと、
    前記ステータ磁極の間の磁極隙間を通過しつつ周方向へ延設される複数のループ状巻線を有するステータコイルと、
    を備え、
    前記ステータ磁極のロータ対向面は、前記ロータ磁極の位置を基準として互いに異なる周方向重心位置を前記各部分コアごとに有する交流モータにおいて、
    前記ロータ磁極のステータ対向面は、前記ロータのほぼ軸方向全幅にわたって前記ステータ磁極のロータ対向面に対面可能に配置されていることを特徴とする交流モータ。
  2. 請求項1記載のモータにおいて、
    互いに隣接する前記ステータ磁極のロータ対向面の間の磁極隙間の軸方向幅は、周方向各部において略等しく設定されている交流モータ。
  3. 請求項1記載の交流モータにおいて、
    軸方向端寄りの前記部分コアに属する端部側の前記ステータ磁極のロータ対向面は、周方向へ移動するにつれて概ね正弦波状に変化する軸方向幅を有し、
    軸方向中央寄りの前記部分コアに属する中央側の前記ステータ磁極のロータ対向面は、前記ロータ磁極のステータ対向面のうちの前記端部側のステータ磁極のロータ対向面に対面していない部分に略等しい形状を有している交流モータ。
  4. 請求項1記載の交流モータにおいて、
    軸方向端寄りの前記部分コアに属する端部側の前記ステータ磁極のロータ対向面は、軸方向中央寄りの前記部分コアに属する中央側の前記ステータ磁極のロータ対向面を略2分した形状をもつ交流モータ。
  5. 請求項1記載の交流モータにおいて、
    すべての前記ステータ磁極のロータ対向面の軸方向幅は、周方向へ移動するにつれて略正弦波状に変化する交流モータ。
  6. 請求項7記載の交流モータにおいて、
    前記ステータ磁極のロータ対向面と前記ロータ磁極のステータ対向面との間の距離は、周方向中央部側から周方向端部側へ移動するにつれて大きくなる交流モータ。
  7. 請求項1記載の交流モータにおいて、
    前記ステータ磁極は、ロータ対向面からバックヨークに向かうにつれて軸方向幅が縮小し且つ周方向幅が増大する部分をもつ交流モータ。
  8. 請求項7記載の交流モータにおいて、
    前記ループ状巻線に周方向及び軸方向に隣接する前記ステータ磁極の部分である茎部は、前記ループ状巻線の曲率を減少させる向きに屈曲乃至面取りされた三角形乃至台形形状の周方向展開断面形状を有する交流モータ。
  9. 請求項1記載の交流モータにおいて、
    前記ステータ磁極の茎部は、前記ループ状巻線に接する部位にて面取りされている交流モータ。
  10. 請求項1記載の交流モータにおいて、
    前記ステータ磁極の先端部のうち前記茎部よりも軸方向又は周方向へ突出する部分である前記ステータ磁極の鍔部を有し、
    前記鍔部の軸方向幅及び径方向幅は略等しく形成されている交流モータ。
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