JP4119173B2 - ラベル発行システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のラベル発行装置を備えるラベル発行システムに関するものであり、特に複数のラベル発行装置にラベルの発行予定枚数を配分する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スーパーマーケットやコンビニエンスストア向けの食品を加工し商品として発送する食品加工センター等においては、商品に貼付するラベルを発行するラベル発行装置(ラベラー)を複数台備えるラベル発行システムが導入されている。このようなラベル発行システムでは、一の商品に関するラベルの発行を一のラベラーのみが担当するものが多いが、近年では効率化を図るため、一の商品に関するラベルの発行を複数のラベラーが担当可能なものも提案されている。
【0003】
例えば、特許第2836593号公報には、ラベルの発行予定枚数のうち未配分のラベル数を管理装置から一のラベラーに送信し、当該一のラベラーの作業者がそのラベル数から引当数を決定するという処理を繰り返すことにより、複数のラベラーに発行予定枚数を配分可能なラベル発行システムが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のラベル発行システムでは、引当数を決定するという作業者の操作が必要である。この作業者の操作は引当数を決定するごとに必要となるため、作業者は頻繁に入力作業を行わなければならず、作業者の負担が大きいといった問題が生じていた。また、人間による操作のため、入力ミスが発生する危険性が高いという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、作業者の操作を伴うことなく、複数のラベル発行装置にラベルの発行予定枚数を配分することができるラベル発行システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ラベルを発行する発行手段を有する複数のラベル発行装置と、前記複数のラベル発行装置と通信可能に結合され、前記複数のラベル発行装置へ配分すべきラベルの発行予定枚数を記憶する予定枚数記憶手段を有する管理装置と、を備えるラベル発行システムであって、a)前記複数のラベル発行装置はそれぞれ、自装置への配分を要求するラベル数である要求枚数を記憶する要求枚数記憶手段と、前記要求枚数を含む要求信号を前記管理装置に送信する要求信号送信手段と、を備え、b)前記管理装置は、前記要求信号に応答して、前記発行予定枚数のうちから、前記要求信号を送信したラベル発行装置が発行を担当する担当枚数を、前記要求信号に含まれる前記要求枚数に基づいて決定する担当枚数決定手段と、決定した前記担当枚数を、前記要求信号を送信したラベル発行装置に送信する担当枚数送信手段と、を備えている。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のラベル発行システムにおいて、前記複数のラベル発行装置はそれぞれ、ラベル数に関する閾値を記憶する閾値記憶手段、をさらに備え、前記要求信号送信手段は、前記発行手段が前記担当枚数のラベルを発行する過程において、当該ラベル発行装置が発行すべきラベルの残枚数が前記閾値まで減少したときに、前記要求信号を送信することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のラベル発行システムにおいて、前記複数のラベル発行装置はそれぞれ、前記管理装置に記憶されている前記発行予定枚数を含むデータを修正可能な修正手段、をさらに備え、前記管理装置は、前記複数のラベル発行装置のうち、一のラベル発行装置のみの前記修正手段を能動化し、他のラベル発行装置の前記修正手段を非能動化する修正制限手段、をさらに備えている。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のラベル発行システムにおいて、前記予定枚数記憶手段は、前記発行予定枚数を、前記ラベルの貼付対象の仕向け先ごとの複数のグループに区分して記憶し、前記担当枚数決定手段は、一のグループは一のラベル発行装置が担当するように前記担当枚数を決定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のラベル発行システムにおいて、前記複数のラベル発行装置はそれぞれ、前記要求枚数として、当該ラベル発行装置のラベル発行能力に応じた値を設定可能な設定手段、を備えている。
【0011】
【発明の実施の形態】
<1.ラベル発行システムの構成>
図1は、本発明の実施の形態におけるラベル発行システムの概略構成を示す図である。本実施の形態においては、食品を加工して生成される商品にラベルを貼付し、ラベルが貼付された商品をスーパーマーケット等の店舗に仕向ける食品加工センターに導入されるラベル発行システム10を例とする。
【0012】
図に示すように、ラベル発行システム10は、ラベルを発行するとともに発行したラベルを商品に貼付するラベル発行装置である複数(n台:n>1)のラベラーLと、複数のラベラーLの動作を管理するためのコントローラ2と、各種データを登録するためのホストコンピュータ1とを備えている。ホストコンピュータ1とコントローラ2とはLAN等のネットワーク41を介して通信可能に結合され、コントローラ2と複数のラベラーLとはLAN等のネットワーク42を介して通信可能に結合されている。
【0013】
本実施の形態の食品加工センターには、食品を加工する複数のラインが設けられており、複数のラインそれぞれに担当の作業者が配置される。複数のラベラーLはそれぞれこの複数のラインの一部として配置され、並列して動作することとなる。なお、以下の説明において、n台のラベラーLのうち個々のラベラーを称する場合は、第1ラベラーL1,第2ラベラーL2,…,第nラベラーLnと称することとする。
【0014】
ホストコンピュータ1には、食品加工センターで扱う全商品に対してのラベルの発行予定枚数が記憶され、このホストコンピュータ1から一の商品ごとの発行予定枚数がコントローラ2に取得される。ラベル発行システム10では、この一の商品に係る発行予定枚数を複数のラベラーLに配分することが可能となっている。以下、これらの詳細について、適宜図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図2は、ホストコンピュータ1の基本構成を示す図である。図1に示すようにホストコンピュータ1は、各種演算処理を行うCPU11、基本的なプログラムを記憶するROM12、演算処理の作業領域となるRAM13および各種情報を記憶する固定ディスク14をバスライン100に接続した一般的なコンピュータの構成となっている。また、バスライン100には、各種情報の表示を行うディスプレイ15、入力を受け付けるキーボード16およびマウス17、ならびに、ネットワーク41を介してコントローラ2と通信を行う通信部18等が接続される。
【0016】
また、コントローラ2も一般的なコンピュータの構成となっている。すなわち、図3に示すようにコントローラ2は、CPU21、ROM22、RAM23および各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM24をバスライン200に接続した構成となっている。また、バスライン200には、各種表示を行う表示部25および通信部28等が接続される。通信部28は、ネットワーク41およびネットワーク42の双方に接続され、ホストコンピュータ1およびラベラーLの双方とデータ通信を行うことが可能とされている。本実施の形態においてコントローラ2は、作業者に操作されることはないため、図3に示すように操作部材を備えていなくてもよい。
【0017】
ホストコンピュータ1の固定ディスク14、および、コントローラ2のSRAM24には、それぞれに固有の処理プログラムが記憶されている。そして、CPU11,21がそれぞれの処理プログラムに従って演算処理を行うことにより、各種の機能が実現され、所定のデータ処理などが行われることとなる。これらの処理の詳細については後述する。
【0018】
ホストコンピュータ1の固定ディスク14には、食品加工センターで取り扱う各商品に係るデータを商品ごとに登録した商品マスタと、発行すべきラベルの枚数(発行予定枚数)を登録した発行指示データとが記憶されている。これらのデータの内容は、ラベル発行システム10のシステム管理者等によって登録される。
【0019】
図4は、商品マスタ51の一例を示す図である。図に示すように、商品マスタ51は「商品コード」「商品名」「単価」等の複数のフィールド(列)から構成されるテーブル形式となっている。各商品は一つのレコード(行)として登録され、商品に固有の識別情報となる「商品コード」に、「商品名」および「単価」が関連付けられる。なお、ここでいう「単価」は、商品の重量100グラムあたりの価格である。
【0020】
図5は、発行指示データ52の一例を示す図である。図に示すように、発行指示データ52は、「商品コード」「商品名」「店舗名」「個数」「担当ラベラー」「ステータス」等の複数のフィールドf1〜f6から構成されるテーブル形式となっている。
【0021】
これらのフィールドf1〜f6のうち「商品コード」「商品名」「店舗名」および「個数」のフィールドに対してシステム管理者等によってデータが登録される。これにより、1つのレコードごとに、「商品コード」フィールドf1(「商品名」フィールドf2)の商品に関して、「店舗名」フィールドf3の店舗への、「個数」フィールドf4の個数分のラベルの発行が必要であることを示すこととなる。
【0022】
発行指示データ52のレコードは、「商品コード」フィールドf1が同一となるレコードごとに一つのレコードブロックBとされ、このレコードブロックBごと、すなわち、一の商品に係るレコードごとの読み出しが可能とされている。一のレコードブロックB内における「個数」フィールドf4の総合計は、当該商品に係るラベルの発行予定枚数である。したがって、発行指示データ52において発行予定枚数は、商品の仕向け先となる「店舗名」ごとのグループに区分して記憶される状態となる。この発行予定枚数が複数のラベラーLに対して配分される。
【0023】
図6は、ラベラーLの斜視図である。ラベラーLは、商品を直線的に搬送しながら商品の計量を行い、計量値に応じた価格等を含む情報を印字したラベルを発行して商品に貼付する機能を有する。図に示すように、ラベラーLは主として、その本体部37と、ラベルを発行して貼付するラベルユニット36と、商品名の入力や各種情報を表示するコンソール部30とを備えている。
【0024】
本体部37の上面は商品9の搬送経路となっており、上流側から取込コンベア341、計量コンベア342および貼付コンベア343が直列状に配置されている。このうち計量コンベア342はロードセルを備えており、商品9を搬送しながら、その重量を計量することが可能である。
【0025】
また、本体部37上面の、取込コンベア341と計量コンベア342との境界位置、および、計量コンベア342と貼付コンベア343との境界位置には、それぞれ第1商品センサ351および第2商品センサ352が配置される。商品センサ351,352は、搬送経路を挟むようにして投光部と受光部とを有する光センサで構成され、商品9が搬送経路上の所定の位置に達したことを検出することができる。
【0026】
ラベルユニット36は、ラベルを印字して発行するラベル発行部361と、搬送経路上を流れる商品9に対しラベルを貼付するラベル貼付部362とを備えている。ラベル発行部361は、その内部に複数のラベルを収納するラベル収納部、および、ラベルを印字するサーマルヘッド等の印字ヘッドを備え、商品に係る種々の情報を印字したラベルを発行することができる。ラベルに印字する情報には、計量コンベア342による商品の計量値や、当該計量値に応じた商品の価格等が含まれる。発行されたラベルは、ラベル貼付部362に受け渡される。
【0027】
ラベル貼付部362は、貼付コンベア343の所定位置上部に配置され、貼付コンベア343によって搬送されている商品9に、ラベル発行部361から受け渡されたラベルを貼付する。例えば、ラベル貼付部362は、ラベルを真空吸着により吸着保持し、適正なタイミングでエアーを噴出することにより商品9に対してラベルを貼付する。
【0028】
コンソール部30は、操作パネル32と、コンソール本体部33とから構成される。操作パネル32はタッチパネルとしての機能を有する液晶の表示画面321を有し、コンソール本体部33は入力キー331を有している。ユーザは表示画面321に表示された内容を確認しつつ、必要なデータおよびコマンドを入力キー331やタッチパネルとしての表示画面321を介してラベラーLに入力することができる。
【0029】
ラベラ−Lに処理される商品9は、まず、取込コンベア341により図中矢印ARの向きに搬送される。これにより商品9は計量コンベア342に移動され、計量コンベア342に搬送されつつ計量される。この計量開始のタイミングは第1商品センサ351からの信号が用いられる。計量が完了すると、計量値に応じた印字内容のラベルがラベル発行部361から発行される。計量された商品9は貼付コンベア343に移動され、貼付コンベア343により所定位置まで搬送されると、ラベル貼付部362によりラベルが貼付される。このラベルを貼付するタイミングは第2商品センサ352からの信号が用いられることとなる。
【0030】
また、コンソール部30は、その内部にラベラーLを統括制御する制御部31を備えている。図7は、ラベラーLの制御部31を含む概略構成を示す図である。図に示すように制御部31は、マイクロコンピュータを備え、各種演算処理を行うCPU311、基本的なプログラムを記憶するROM312、演算処理の作業領域となるRAM313、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM314、および、ネットワーク42を介してコントローラ2と通信を行う通信部315等をバスライン300に接続した構成となっている。
【0031】
このバスライン300には、コンソール部30の操作パネル32や入力キー331、さらには、ラベラーLのコンベア341〜343、商品センサ351,352、ラベル発行部361およびラベル貼付部362等の各部も電気的に接続されている。したがって、これらは全て制御部31の制御下にて動作することとなる。制御部31によるラベラーLの各部の動作制御等は、SRAM314内に予め記憶される処理プログラムに基づいて行われる。すなわち、処理プログラムに従ってCPU311が演算処理を行うことにより、各種の機能が実現され、各部の動作制御や、所定のデータ処理などが行われることとなる。
【0032】
本実施の形態においてラベラーLは、発行予定枚数のうちから、自装置が発行を担当するラベルの枚数(以下、「担当枚数」という。)の割り当て(配分)をコントローラ2に対して要求することとなるが、この要求を行う際にはコントローラ2に対し所定の要求信号を送信する。この要求信号に応答して、コントローラ2は当該要求信号を送信してきたラベラーLの担当枚数を、発行予定枚数のうちから決定することとなる(詳細は後述)。
【0033】
ラベラーLのSRAM314内には、この要求信号に係る2つの数値が記憶される。
【0034】
このうち一つの数値は、コントローラ2に対して自装置への配分を要求するラベル数、すなわち、1回の要求信号の送信あたりに、どれだけのラベル数を担当枚数として要求するかを示す要求枚数である。ラベラーLから送信される要求信号には、この要求枚数が含まれることとなる。
【0035】
もう一つの数値は、ラベラーLが要求信号を送信する時機を決定するためのラベル数に関する閾値である。ラベラーLは、担当枚数のラベルを発行する過程において、発行すべきラベルの残枚数がこの閾値まで減少したときに、要求信号を送信する。すなわち、発行すべきラベルの残枚数が閾値まで減少したことをトリガとして、要求信号が送出されることとなる。なお以下では、このラベル数に関する閾値を「要求閾値」と称する。
【0036】
これら要求枚数および要求閾値は、SRAM314内に予め記憶されるものであるが、ラベラーLの初期設定等において作業者の所望の値に設定することも可能とされている。図8は、要求枚数および要求閾値を設定するための表示画面321を示す図である。図に示すように、表示画面321には要求枚数を入力するためのテキストボックスTb1、および、要求閾値を入力するためのテキストボックスTb2が表示される。作業者は、入力キー331を操作してそれぞれに所望の値を入力し、同一の画面に表示される「決定」と記されたコマンドボタンCb1に触れることで、要求枚数および要求閾値のそれぞれの値を設定することができる。このようにして設定された要求枚数および要求閾値は、SRAM314内に記憶される。なお、入力された要求枚数が要求閾値以下となる場合は設定上矛盾があるため、警告表示などがなされ、入力された値が設定として反映されることはない。これにより、設定の矛盾を回避するようになっている。
【0037】
<2.ラベル発行システムの処理>
図9および図10は、ラベル発行システム10の処理の流れを示す図である。ラベラーLがラベルを発行する際には、まず、作業者から商品コードの入力を受け付け(商品呼出)、商品の単価や発行予定枚数等を作業者に確認させる発行準備処理を行った後、実際のラベル発行処理を行うようになっている。図9は、この発行準備処理までの流れを示し、図10はラベル発行処理における流れを示している。
【0038】
ラベル発行システム10においては、一の商品に関してのラベルの発行を行う際において、複数のラベラーLのうち、最初に当該商品の商品コードを受け付けたラベラーLと、その後に同一の商品コードを受け付けた他のラベラーLとでは処理内容(以下、「処理モード」ともいう。)が相違する。具体的には、最初に商品コードを受け付けたラベラーLの処理モードは「メインモード」に設定される一方、他のラベラーLの処理モードは「サブモード」に設定され、それぞれの処理モードにおける所定の処理が行われる。
【0039】
下記の説明においては、例として、第1ラベラーL1を「メインモード」の処理を行うラベラーLであるとし、第2ラベラーL2を「サブモード」の処理を行うラベラーLであるとしている。ただし、これはあくまで説明の便宜上であり、もちろん、第2ラベラーL2やその他のラベラーLが「メインモード」の処理を行うラベラーLとなる場面もあり得る。また、「サブモード」の処理を行うラベラーLは複数存在することとなるが、これらは同一の処理となるため、第2ラベラーL2の処理にて代表的に説明する。
【0040】
図9および図10において、符号SL1で示す処理は第1ラベラーL1(メインモード)のものであり、符号SL2で示す処理は第2ラベラーL2(サブモード)のものである。
【0041】
また、図9および図10において、符号SCで示す処理はコントローラ2のものである。コントローラ2は複数のラベラーLそれぞれからの信号に応答して、当該信号に応じた処理を行うこととなるが、ラベル発行システム10では複数のラベラーLが並列して動作する。したがって、図9に示すように、コントローラ2は複数のラベラーLに対する処理を並列して行うこととなる。このうち、「サブモード」の処理を行うラベラーLに対する処理については、第2ラベラーL2に対する処理(ステップST14,ST15…)にて代表的に示している。
【0042】
以下、図9を参照しつつ、発行準備処理までの流れについて説明するが、最初に、「メインモード」の処理を行う第1ラベラーL1に注目して説明する。まず、第1ラベラーL1において、作業者の所定の操作により所望する商品の商品呼出がなされる。具体的には、図11に示す画面が表示画面321に表示される。作業者は、表示画面321内のテキストボックスTb3に所望の商品コードを入力し、同一の画面に表示される「決定」と記されたコマンドボタンCb2に触れる。これにより、商品コードが第1ラベラーL1に入力される(ステップST21)。
【0043】
入力された商品コード(以下、「対象商品コード」という。)は第1ラベラーL1からネットワーク42を介して送信され、コントローラ2に受信される。対象商品コードを受信したコントローラ2は、対象商品コードの入力が初回であるか(他のラベラーLにて入力されていないか)を判定し、初回であると判定すると、ホストコンピュータ1に記憶されている商品マスタ51および発行指示データ52から対象商品コードに係るデータを受信する。すなわち、商品マスタ51(図4参照)のうちの対象商品コードに関連付けられた一のレコード(以下、「対象商品マスタ」という。)と、発行指示データ52(図5参照)のうちの対象商品コードに関連付けられた一のレコードブロックB(以下、「対象発行指示データ」という。)とが受信され、受信されたこれらのデータはコントローラ2のSRAM24内に記憶される(ステップST11)。
【0044】
続いて、コントローラ2は、SRAM24内に記憶した対象商品マスタおよび対象発行指示データ、ならびに、対象商品コードの入力が初回である旨を示す第1準備信号を第1ラベラーL1に送信する(ステップST12)。
【0045】
第1ラベラーL1はこれらを受信すると、受信した対象商品マスタおよび対象発行指示データをSRAM314内に記憶する。その一方で、第1準備信号に基づいて、自装置が、対象商品コードが最初に入力されたラベラーLであると判定し、処理モードを「メインモード」に設定する。そして、発行準備処理として発行準備画面を表示画面321に表示する。このとき表示される発行準備画面は「メインモード」に特有のものとされる(ステップST22)。
【0046】
図12は、処理モードが「メインモード」であるときの発行準備画面を示す図である。図に示すように、表示画面321には、対象商品マスタの内容を示す文字列La1が表示される。これとともに、「商品マスタ修正」「発行指示データ修正」「商品強制終了」「キャンセル」および「スタート」とそれぞれ表記されたコマンドボタンCb3〜Cb7が表示される。
【0047】
この画面において「商品マスタ修正」のコマンドボタンCb3が触れられたときは、所定の画面が表示され、SRAM314内に記憶された対象商品マスタの内容(商品名、単価)の確認および修正が可能とされる。修正がなされた場合は、SRAM314内の対象商品マスタの内容が更新される。
【0048】
また、「発行指示データ修正」コマンドボタンCb4が触れられたときには、別の所定の画面が表示され、SRAM314内に記憶された対象発行指示データの内容(店舗名、個数…発行予定枚数)の確認および修正が可能とされる。このとき、ラベルの貼付対象となる商品の生産数が予定されていた数よりも少ない場合などにおいて、「個数」フィールドf4の値に応じて実際の生産数を各店舗に比例配分する按分処理を行うことも可能とされている。修正がなされた場合は、SRAM314内の対象発行指示データの内容が更新される。
【0049】
「商品強制終了」コマンドボタンCb5が触れられたときは、対象商品コードの商品に関して、強制的にラベル発行済の状態とする処理が行われる。具体的には、所定の信号がコントローラ2に送信され、コントローラ2内のSRAM24に記憶された対象発行指示データの「ステータス」フィールドf6が全て「発行済」とされる。そして、この対象発行指示データがホストコンピュータ1に送信され、ホストコンピュータ1内の発行指示データ52の該当箇所が同一の内容に更新される。これにより、強制的に当該商品に対するラベルが発行済の状態とされる。
【0050】
「キャンセル」コマンドボタンCb6が触れられたときは、再度、図11に示す商品呼出のための画面が表示される。この画面において他の商品コードを入力すれば、他の商品に係るデータをコントローラ2に取得させることができる。したがって、呼び出しする商品を変更する場合等に用いられる。このとき、コントローラ2には所定の信号が送信され、コントローラ2のSRAM24内に記憶された取得済の対象商品マスタおよび対象発行指示データは削除される。
【0051】
また、「スタート」コマンドボタンCb7が触れられたとき(ステップST23)は、入力される信号が作業者からのラベル発行の開始指示として受け付けられ、第1ラベラーL1の処理が発行準備処理からラベル発行処理に移行する。このとき、第1ラベラーL1からは、ラベルの発行を開始する旨を示すスタート信号、ならびに、SRAM314内の対象商品マスタおよび対象発行指示データがコントローラ2に送信される(ステップST24)。
【0052】
これらのスタート信号等を受信したコントローラ2は、第1ラベラーL1がラベル発行処理に移行したことを認識するとともに、受信した対象商品マスタおよび対象発行指示データをSRAM24内に記憶してデータを更新する。これにより、発行準備処理においてデータの修正がなされた場合は、修正後の内容がSRAM24内の対象商品マスタおよび対象発行指示データに反映される。この時点においてSRAM24内に記憶される対象商品マスタおよび対象発行指示データは、ラベル発行処理や担当枚数を決定する担当枚数決定処理等において実際に使用するデータとして確定される(ステップST13)。そして以降、コントローラ2は、第1ラベラーL1に対して担当枚数決定処理を行うこととなる。
【0053】
次に、「サブモード」の処理を行う第2ラベラーL2に注目して説明する。まず、第2ラベラーL2においても、作業者の所定の操作により図11に示す画面が表示画面321に表示され商品呼出がなされる(ステップST31)。作業者から入力された対象商品コードは、同様にして、コントローラ2に受信される(ステップST14)。
【0054】
続いて、コントローラ2により対象商品コードの入力が初回であるかが判定され、初回でないと判定されると、対象商品コードの入力が初回でない旨を示す第2準備信号が第2ラベラーL2に送信される。このとき、対象商品マスタおよび対象発行指示データのホストコンピュータ1からの取得や、これらのデータの第2ラベラーL2への送信はなされない(ステップST15)。
【0055】
第2ラベラーL2は第2準備信号を受信すると、この第2準備信号に基づいて、自装置が、対象商品コードが最初に入力されたラベラーLでないと判定し、処理モードを「サブモード」に設定する。そして、「サブモード」に特有の発行準備画面を表示画面321に表示する。
【0056】
図13は、処理モードが「サブモード」であるときの発行準備画面を示す図である。図に示すように、表示画面321には、商品コードを示す文字列La2、他のラベラーLが発行準備処理中である旨を示す文字列La3、および、「キャンセル」コマンドボタンCb6のみが表示される。したがって、対象商品マスタおよび対象発行指示データの修正、ならびに、ラベル発行処理への移行(スタート)は不可能とされる。第2ラベラーL2の作業者は、この表示画面321を視認し、他のラベラーLにて発行準備処理がなされていることを認識する(ステップST32)。
【0057】
その後、第1ラベラーL1からのスタート信号がコントローラ2にて受信され、対象商品マスタおよび対象発行指示データが確定されると(ステップST13)、第3準備信号、ならびに、確定された対象商品マスタおよび対象発行指示データがコントローラ2から第2ラベラーL2に送信される(ステップST16)。
【0058】
第2ラベラーL2はこれらを受信すると、図14の如き発行準備画面を表示画面321に表示する。図に示すように、表示画面321には、確定された対象商品マスタの内容を示す文字列La4、他のラベラーLがラベル発行処理中である旨を示す文字列La5、ならびに、「キャンセル」および「スタート」コマンドボタンCb6,Cb7が表示される。このように「スタート」コマンドボタンCb7が表示されることで、第2ラベラーL2においてもラベル発行処理に移行することが可能とされる。ただし、対象商品マスタおよび対象発行指示データの修正は不可能である(ステップST33)。
【0059】
そして、「スタート」コマンドボタンCb7が触れられると(ステップST34)、スタート信号がコントローラ2に対して送信された後(ステップST35)、第2ラベラーL2もラベル発行処理に移行する。コントローラ2は、このスタート信号を受信して、第2ラベラーL2がラベル発行処理に移行したことを認識し、第2ラベラーL2に対しても担当枚数決定処理を行うこととなる(ステップST17)。
【0060】
ところで、図9においては、対象商品マスタおよび対象発行指示データが未確定の時点で、第2ラベラーL2にて商品呼出(ステップST31)がなされているが、対象商品マスタおよび対象発行指示データの確定後(ステップST13以降)において、第2ラベラーL2にて商品呼出がなされた場合は、コントローラ2にてステップST16の処理がなされる。これにより、第2ラベラーL2では、図14の発行準備画面が表示されることとなり、そのまま、ラベル発行処理に移行することが可能とされる。
【0061】
対象商品マスタおよび対象発行指示データが確定するまでは、ラベル発行処理は、いずれのラベラーLにおいても行うことはできない。このため、上記のような処理を行うことで、データが確定するまで、第2ラベラーL2のラベル発行処理への移行を制限することができる。
【0062】
また、上記処理においては、第2ラベラーL2ではいずれの時点においても対象商品マスタおよび対象発行指示データの修正は不可とされ、第1ラベラーL1でのみ修正可能とされている。ラベラーLにおいてデータの修正が可能か否かは、コントローラ2からの第1〜第3準備信号に応じて決定されるが、第1準備信号は、対象商品コードが最初に入力された一のラベラーLのみに対して送信される。これはコントローラ2が、複数のラベラーLのうち一のラベラーLのみのデータ修正機能を能動化し、他のラベラーLのデータ修正機能を非能動化していることに相当する。このように一のラベラーLのみのデータ修正機能を能動化することで、複数のラベラーLから同時にデータが修正されることによるデータ矛盾などの発生を防止することができ、データの整合性を保持することができることとなる。
【0063】
次に、図10を参照しつつ、ラベル発行処理の流れについて説明する。まず、第1ラベラーL1において、SRAM314内に記憶された要求枚数を含む要求信号が生成され、コントローラ2に送信される(ステップST201)。
【0064】
コントローラ2はこの要求信号を受信すると(ステップST101)、これに応答して、要求信号に含まれる要求枚数に基づいて、第1ラベラーL1の担当枚数を決定する。具体的には、SRAM24内の対象発行指示データの各レコードを上位のものから1つずつ読出し、「個数」フィールドf4の値を加算していく。そして、加算した値が要求枚数以上となると、この加算した値を第1ラベラーL1の担当枚数として決定する。担当枚数を決定すると、担当枚数を決定する際に加算対象となったレコードを、発行を担当すべきレコード(以下、「発行指示レコード」という。)として第1ラベラーL1に送信する。発行指示レコードには担当枚数が含まれるため、この発行指示レコードの送信は、担当枚数の送信に相当する(ステップST102)。
【0065】
例えば、図5に示すレコードブロックB1が対象発行指示データであり、第1ラベラーL1の要求枚数が「30」であるとする。対象発行指示データB1において最上位となる第1レコードr1の「個数」フィールドf4の値「10」と、第2レコードr2の「個数」フィールドf4の値「20」との加算値は「30」である。この加算値は要求枚数「30」以上となることから、この加算値「30」が第1ラベラーL1の担当枚数として決定される。これにより、第1ラベラーL1に対しては、第1レコードr1および第2レコードr2が発行指示レコードとして送信される。
【0066】
また例えば、第1ラベラーL1の要求枚数が「40」であるとする。このときには、第1レコードr1と第2レコードr2とにおける加算値「30」では要求枚数「40」に満たない。このため、第3レコードr3の値「30」がさらに加算された値「60」が、第1ラベラーL1の担当枚数として決定され、第1ないし第3レコードr1〜r3が発行指示レコードとして送信される。
【0067】
このように、担当枚数は、対象発行指示データ中のレコードを単位として決定される。すなわち、一のレコードは、必ず一のラベラーLが担当するように担当枚数が決定される。このため、一の店舗に係るラベルに関しては、複数のラベラーLにて分散されて発行されることはなく、必ず一のラベラーLにて発行されることとなり、その後の仕向け作業の効率化を図ることができる。
【0068】
なお、対象発行指示データB1の最下位のレコードまでの加算値を導出しても、該加算値が要求枚数に満たない場合は、該加算値が担当枚数として決定される。このとき、加算対象となったレコードが、発行指示レコードとされるのは同様である。
【0069】
第1ラベラーL1に発行指示レコードが送信されると、続いて、対象発行指示データ中の発行指示レコードとされたレコードの「担当ラベラー」フィールドf5に担当ラベラー名(第1ラベラー)が記載され、「ステータス」フィールドf6に「配分済」と記載される。コントローラ2が担当枚数を決定する際には、対象発行指示データ中の「ステータス」フィールドf6が空欄のレコードのみが参照される。このため、「ステータス」フィールドf6に「配分済」を記載することにより、当該レコードが他のラベラーLに再度配分されることが防止される。
【0070】
コントローラ2により送信された発行指示レコードは、第1ラベラーL1に受信されると(ステップST202)SRAM314内に記憶される。発行指示レコード内に含まれる担当枚数は、発行すべきラベルの残枚数として第1ラベラーL1に認識される。
【0071】
続いて、第1ラベラーL1により発行指示レコードに基づいてラベルの発行がなされる(ステップST203)。発行されるラベルには、発行指示レコードに応じた「店舗名」、対象商品マスタの内容に応じた「商品名」および「単価」、計量コンベア342による商品の「計量値」、および、計量値・単価に応じた「価格」などが印字される。一のラベルが発行されると、発行すべきラベルの残枚数は1だけデクリメント(減算)される(ステップST204)。そして、このようなラベルの発行および発行すべき残枚数のデクリメントが繰り返されることとなる。
【0072】
第1ラベラーL1によるこのようなラベル発行処理とは無関係に、第2ラベラーL2からも要求枚数を含む要求信号がコントローラ2に送信される(ステップST301)。
【0073】
コントローラ2は、この第2ラベラーL2からの要求信号を受信すると(ステップST103)、要求信号に含まれる要求枚数に基づいて第2ラベラーL2の担当枚数を決定する。この担当枚数の決定手法は、第1ラベラーL1の担当枚数を決定した場合と同様である。ただし、担当枚数を決定するための基準となる要求枚数は第2ラベラーL2に固有の値である。
【0074】
また、前述したようにコントローラ2が担当枚数を決定する際には、対象発行指示データ中の「ステータス」フィールドf6が空欄であるレコードのみが参照される。このため、第1ラベラーL1に配分されたレコードは、第2ラベラーL2への発行指示レコードとなることはない。
【0075】
例えば、図5のレコードブロックB1が対象発行指示データであり、第1および第2レコードr1,r2が第1ラベラーL1への発行指示レコードとされていた場合は、第3レコードr3以降のレコードが参照される。このとき例えば、第2ラベラーL2の要求枚数が「20」であれば、第3レコードr3のみが第2ラベラーL2への発行指示レコードとされることとなる。
【0076】
第2ラベラーL2への発行指示レコード(担当枚数)が決定されると、決定された発行指示レコード(担当枚数)が第2ラベラーL2に送信される。これとともに、対象発行指示データ中の該当レコードの「担当ラベラー」フィールドf5および「ステータス」フィールドf6が記載される(ステップST104)。
【0077】
送信された発行指示レコード(担当枚数)は第2ラベラーL2で受信され(ステップST302)、第1ラベラーL1と同数にして、第2ラベラーL2でもラベルの発行(ステップST303)および発行すべきラベルの残枚数のデクリメント(ステップST304)が繰り返されることとなる。
【0078】
さらに、第1および第2のラベラーL1,L2とは別のラベラーLから、要求枚数を含む要求信号がコントローラ2に送信された場合は、これと同様にして、当該ラベラーLの担当枚数が決定され、決定された担当枚数が当該ラベラーLに送信される。以下、他のラベラーLに関しても同様である。
【0079】
このようにコントローラ2は要求枚数を含む要求信号をラベラーLから受信すると、これに応答して、要求信号を送信したラベラーLの担当枚数を、対象発行指示データ中の未配分のレコードのうちから、要求枚数に基づいて決定する。これにより、作業者の操作を一切伴うことなく、自動的にラベルの発行予定枚数を複数のラベラーLに配分することができることとなる。
【0080】
ラベラーLからの再度の要求信号の送信は、発行すべきラベルの残枚数が「0」となった時点ではなく、要求閾値まで減少した時点においてに行われる。例えば、第1ラベラーL1がラベルを発行する課程(ステップST203,ST204)において、発行すべきラベルの残枚数が要求閾値まで減少すると(ステップST205にてYes)、これをトリガとして第1ラベラーL1からコントローラ2に要求信号が再送信される(ステップST206)。この要求信号がコントローラ2により受信されると(ステップST105)、上記と同様にして第1ラベラーL1の新たな発行指示レコード(担当枚数)が決定され第1ラベラーL1に送信される(ステップST106)。これにより、新たな発行指示レコードが第1ラベラーL1において取得される。取得された新たな発行指示レコードに含まれる担当枚数は、その時点において第1ラベラーL1が発行すべきラベルの残枚数に加算される(ステップST207)。
【0081】
このような担当枚数を再要求する処理(ステップST206,ST207)がなされている間においても、ラベルの発行(ステップST208,ST209)は並列して行われる。担当枚数を再要求する処理がなされると、発行すべきラベルの残枚数が増加し、ラベルの発行はそのまま継続される。すなわち、前回の要求にて取得した担当枚数のラベルの発行から、新たに取得した担当枚数のラベルの発行へ、処理の停止を伴うことなくラベルの発行が続行される(ステップST210)。
【0082】
担当枚数を再要求する処理は、他のラベラーLにおいても、発行すべき残枚数が要求閾値まで減少すると同様になされる(ステップST305等)。ラベラーLは、発行すべきラベルの残枚数があるうちに次の担当枚数を取得することとなるため、時間的間隔をおくことなく連続的にラベルを発行することができ、ラベルの発行効率を向上させることができる。
【0083】
図15は、第1ラベラーL1のラベル発行中における表示画面321の表示例を示す図である。図に示すように、表示画面321には、要求枚数D1、要求閾値D2、処理モードD3、商品名D4、商品コードD5、単価D6、計量値D7、価格D8等の基本的なデータが表示されるとともに、発行予定枚数D9、自機発行数D10、店舗ごとの担当枚数D11およびその残枚数D12が表示される。
【0084】
発行予定枚数D9は、複数のラベラーL全体で発行すべきラベルの数、すなわち、対象発行指示データ中の「個数」フィールドf4の総合計である。自機発行数D10は、対象商品コードに係るラベルを自機において発行した数であり、ラベルを発行するごとに値がインクリメントされる。
【0085】
店舗ごとの担当枚数D11は、発行指示レコードの内容に相当し、また、残枚数D12は、担当枚数D11から発行したラベル数を減算した値である。この残枚数D12の合計は、発行すべきラベルの残枚数に一致する。したがって、残枚数D12の合計が要求閾値まで減少すると、新たな発行指示レコードがコントローラ2から取得され、これらは店舗ごとの担当枚数D11として追加表示されることとなる。
【0086】
表示画面321には、さらに、「障害対応」「割当取消」「強制終了」と記されたコマンドボタンCb8〜Cb9が表示される。これらは、ラベラーLの異常などが発生した場合に用いられるものであり、通常は扱われることはない。
【0087】
「障害対応」コマンドボタンCb8は、他のラベラーLにおいて異常が発生した場合に用いられるものである。他のラベラーLに固有の識別番号を入力することで、当該他のラベラーLに割り当てられた発行指示レコードを未配分の状態に戻すことができる。また、「割当取消」コマンドボタンCb9は、自機において異常が発生した場合に、自機に割り当てられた発行指示レコードを未配分の状態に戻すことができる。これらが触れられた場合は、コントローラ2内の発行指示データ52において、該当レコードの「ステータス」フィールドf6が空欄に戻される。
【0088】
また、「強制終了」コマンドボタンCb10は、ラベルを発行している商品に関して、強制的にラベル発行済にするためのものである。このコマンドボタンCb10が触れられた場合は、コントローラ2内の発行指示データ52において、未配分のレコードの「ステータス」フィールドf6が「発行済」とされる。
【0089】
なお、「サブモード」の処理を行う第2ラベラーL2等のラベル発行中における表示画面321でも、ほぼ同様の表示がなされるが、データの整合性を保持するために、「強制終了」コマンドボタンCb10の表示はなされない。
【0090】
以上説明したような処理が、複数のラベラーLのそれぞれでなされ、コントローラ2の対象発行指示データ中の未配分となるレコードが尽きると、ラベラーLへの担当枚数の配分は終了する。コントローラ2に対して要求信号を送信しても、新たな担当枚数が取得できなかったラベラーLは、図11に示す画面を再度表示し、作業者から新たな商品コードの入力を受け付けることとなる。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、ラベル発行システム10においては、複数のラベラーLのそれぞれはラベルの要求枚数を予め記憶しており、コントローラ2はこの要求枚数に基づいてラベラーLのそれぞれの担当枚数を決定する。このため、作業者の操作を伴うことなく、効率的に複数のラベラーLにラベルの発行予定枚数を配分することができる。
【0092】
また、担当枚数を決定する際に用いられるラベラーLの要求枚数としては、ラベラーLのそれぞれに固有の値を設定することが可能であるため、ラベラーLのラベル発行能力に応じた値を設定することもできる。ラベラーLのラベル発行能力に応じた値を要求枚数に設定することで、ラベル発行能力に応じてラベラーLの担当枚数が決定されることとなる。その結果、複数のラベラーL間の能力差による発行時間の差が小さくなり、発行予定枚数の全てを発行するまでの総時間を短縮することができる。したがって、ラベル発行システム10内に、ラベル発行能力の異なるラベラーLを混在させることも可能となる。
【0093】
また、ラベラーLは、発行すべきラベルの残枚数が要求閾値まで減少したときに要求信号を送信するため、発行すべきラベルの残枚数があるうちに次の担当枚数を取得することができる。これにより、時間的間隔をおくことなく連続的にラベルを発行することができ、ラベルの発行効率を向上させることができる。
【0094】
<3.変形例>
この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0095】
例えば、上記実施の形態のラベル発行システム10では、複数のラベラーLの動作を管理するためのコントローラ2と、各種データを登録するためのホストコンピュータ1とを別装置として備えていたが、双方の機能を一のコンピュータで実現するようにしてもよい。
【0096】
また、設定によっては一の商品に係る発行予定枚数を一のラベラーLのみで担当可能となっていてもよい。例えば、ラベラーLの要求枚数が「0」であった場合は、該ラベラーLに発行予定枚数の全数を配分するようにすればよい。
【0097】
また、上記実施の形態のラベラーLは、ラベルの印字発行機能とともに、商品の計量機能、および、ラベルの商品への貼付機能を有するものであったが、時間的に連続して複数のラベルを発行可能なラベラーLであれば、どのようなものであっても本発明に係る技術を適用することが可能である。
【0098】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、複数のラベル発行装置のそれぞれはラベルの要求枚数を予め記憶しており、管理装置はこの要求枚数に基づいてラベル発行装置それぞれの担当枚数を決定する。このため、作業者の操作を伴うことなく効率的に、複数のラベル発行装置にラベルの発行予定枚数を配分することができる。
【0099】
また、請求項2の発明によれば、発行すべきラベルの残枚数が閾値まで減少したときに要求信号を送信するため、発行すべきラベルの残枚数があるうちに次の担当枚数を取得することができる。その結果、時間的間隔をおくことなく連続的にラベルを発行することができ、ラベルの発行効率が向上する。
【0100】
また、請求項3の発明によれば、一のラベル発行装置のみが発行予定枚数を含むデータを修正可能であるため、複数のラベル発行装置から同時にデータが修正されることによるデータ矛盾などの発生を防止することができ、データの整合性を保持することができる。
【0101】
また、請求項4の発明によれば、仕向け先が同一のラベルは同一のラベル発行装置によって発行されるため、その後の仕向け作業の効率化を図ることができる。
【0102】
また、請求項5の発明によれば、ラベル発行装置のラベル発行能力に応じて要求枚数を設定することで、ラベル発行装置のラベル発行能力に応じて担当枚数が決定される。したがって、ラベル発行装置の能力差による発行時間の差が小さくなり、発行予定枚数の全てを発行するまでの総時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラベル発行システムの概略構成を示す図である。
【図2】ホストコンピュータの基本構成を示す図である。
【図3】コントローラの基本構成を示す図である。
【図4】商品マスタの一例を示す図である。
【図5】発行指示データの一例を示す図である。
【図6】ラベラーの斜視図である。
【図7】ラベラーの制御部を含む概略構成を示す図である。
【図8】要求枚数および要求閾値を設定するための表示画面を示す図である。
【図9】ラベル発行システムの発行準備処理までの流れを示す図である。
【図10】ラベル発行システムのラベル発行処理の流れを示す図である。
【図11】商品呼出のための表示画面を示す図である。
【図12】処理モードがメインモードであるときの発行準備画面を示す図である。
【図13】処理モードがサブモードであるときの発行準備画面を示す図である。
【図14】処理モードがサブモードであるときの発行準備画面を示す図である。
【図15】ラベル発行処理中における表示画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ
2 コントローラ
L ラベラー
10 ラベル発行システム
51 商品マスタ
52 発行指示データ
321 表示画面
361 ラベル発行部

Claims (5)

  1. ラベルを発行する発行手段を有する複数のラベル発行装置と、前記複数のラベル発行装置と通信可能に結合され、前記複数のラベル発行装置へ配分すべきラベルの発行予定枚数を記憶する予定枚数記憶手段を有する管理装置と、を備えるラベル発行システムであって、
    a)前記複数のラベル発行装置はそれぞれ、
    自装置への配分を要求するラベル数である要求枚数を記憶する要求枚数記憶手段と、
    前記要求枚数を含む要求信号を前記管理装置に送信する要求信号送信手段と、を備え、
    b)前記管理装置は、
    前記要求信号に応答して、前記発行予定枚数のうちから、前記要求信号を送信したラベル発行装置が発行を担当する担当枚数を、前記要求信号に含まれる前記要求枚数に基づいて決定する担当枚数決定手段と、
    決定した前記担当枚数を、前記要求信号を送信したラベル発行装置に送信する担当枚数送信手段と、
    を備えることを特徴とするラベル発行システム。
  2. 請求項1に記載のラベル発行システムにおいて、
    前記複数のラベル発行装置はそれぞれ、ラベル数に関する閾値を記憶する閾値記憶手段、をさらに備え、
    前記要求信号送信手段は、前記発行手段が前記担当枚数のラベルを発行する過程において、当該ラベル発行装置が発行すべきラベルの残枚数が前記閾値まで減少したときに、前記要求信号を送信することを特徴とするラベル発行システム。
  3. 請求項1または2に記載のラベル発行システムにおいて、
    前記複数のラベル発行装置はそれぞれ、前記管理装置に記憶されている前記発行予定枚数を含むデータを修正可能な修正手段、をさらに備え、
    前記管理装置は、前記複数のラベル発行装置のうち、一のラベル発行装置のみの前記修正手段を能動化し、他のラベル発行装置の前記修正手段を非能動化する修正制限手段、をさらに備えることを特徴とするラベル発行システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のラベル発行システムにおいて、
    前記予定枚数記憶手段は、前記発行予定枚数を、前記ラベルの貼付対象の仕向け先ごとの複数のグループに区分して記憶し、
    前記担当枚数決定手段は、一のグループは一のラベル発行装置が担当するように前記担当枚数を決定することを特徴とするラベル発行システム。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のラベル発行システムにおいて、
    前記複数のラベル発行装置はそれぞれ、前記要求枚数として、当該ラベル発行装置のラベル発行能力に応じた値を設定可能な設定手段、
    を備えることを特徴とするラベル発行システム。
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