JP4119137B2 - 部品試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップ等の電子部品を試験する部品試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置などの製造過程においては、最終的に製造されたICチップ等の電子部品に対して各種試験を施す必要があるが、そのような試験を自動的に行う装置として、特開平11−333775号公報に開示されているような装置が知られている。
【0003】
この装置では、トレイに収納された試験前のICチップを部品吸着用のノズル部材を有する第1搬送装置により吸着して第1バッファ装置に載せ、第1バッファ装置によりテストヘッド近傍まで搬送した後、部品吸着用のノズル部材を有する第2搬送装置により第1バッファ装置上のICチップを吸着してテストヘッドに移載して試験を行う。この際、ICチップの吸着状態がカメラを用いて確認される。そして、ICチップの吸着位置がずれていれば、適当に補正してから試験を行う。
【0004】
補正方法としては、例えばノズル部材のノズル中心が予め所定位置に設定されているカメラ中心と同軸となるところまでノズル部材を移動させてから、カメラによりICチップを撮像し、その撮像信号に基づいてカメラ中心からのICチップのずれ量を算出し、この算出値に応じたずれ補正を行うものであった。試験後は、第2搬送装置によりテストヘッドから第2バッファ装置にICチップを移載してトレイ載置部まで搬送した後、第1搬送装置によって試験結果に応じた所定のトレイ上にICチップを移し替える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、撮像時のノズル部材のノズル中心位置は、周囲温度や機械部品の発熱の影響(熱膨張)などに起因した搬送装置の移動量の誤差によってずれてくることがある。その場合、ノズル部材により保持されたICチップの陰になるノズル中心をカメラで直接みることができないので、この保持されたICチップの位置ずれの補正を精度良く行うことができず、さらに上記移動誤差分の補正もできなかった。そして、テストヘッドに移載されるICチップの保持姿勢が所定の姿勢から大きく外れると、ICチップとソケットとの電気的な接続が不可能となって試験に支障をきたすこととなる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、周囲温度や機械部品の発熱の影響などがあった場合でも、ノズル部材により保持されたICチップ等の部品の位置ずれと搬送装置の移動誤差とに応じた補正を適正に行うことのできる部品試験装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、第1及び第2の試験部と、試験の対象となる部品を保持して所定の部品供給部から上記第1の試験部まで移動させる第1の部品移動手段と、この第1の部品移動手段の移動時にそれに伴って移動し、かつ、この第1の部品移動手段に対して相対移動可能であって、所定の部品供給部から上記第2の試験部まで部品を移動させる第2の部品移動手段と、この各部品移動手段の移動ルート上に配置され、部品移動手段によって保持されている部品を撮像可能な撮像手段と、制御手段とを備え、上記各部品移動手段には、それぞれ、部品が保持されるべき位置の近傍に基準部位が設定される一方、制御手段は、撮像手段により上記各部品移動手段に保持された部品と上記各部品移動手段に設定された基準部位とがそれぞれ撮像され、その撮像信号に基づいて部品の保持位置のずれと、部品移動手段の移動誤差とに応じた補正量を求め、この補正量により試験部までの移動量を補正するようにし、かつ、第1の部品移動手段による部品移動量を補正してからその補正結果を用いて第2の部品移動手段による部品移動量を補正するように制御することを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、部品移動手段の部品が保持されるべき位置の近傍に基準部位が設定される一方、撮像手段により部品と基準部位とがそれぞれ撮像され、部品移動手段によりこの撮像信号に基づいて上記補正が行われるように、制御手段による制御がなされるので、周囲温度や機械部品の発熱の影響などによって部品移動手段の移動誤差が生じた場合や、保持されている部品のずれが生じた場合でも、部品と、試験部に設けられたソケットとの電気的な接続が可能となって試験が適当に行われる。
【0009】
さらに、第1及び第2の試験部を備えるとともに、部品移動手段として、上記第1の試験部まで部品を移動させる第1の部品移動手段と、第1の部品移動手段の移動時にそれに伴って移動し、かつ、この第1の部品移動手段に対して相対移動可能であって、上記第2の試験部まで部品を移動させる第2の部品移動手段とを備え、各部品移動手段にそれぞれ基準部位が設定され、制御手段は、第1の部品移動手段による部品移動量を補正してから、この補正結果を用いて第2の部品移動手段による部品移動量を補正するように制御しているため、複数の部品を同時に扱うことができるような構成においても、それぞれの部品についての正確な補正が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中には方向性を明確にするためにX軸、Y軸を示している。
【0011】
図1及び図2は、本発明に係る部品試験装置を概略的に示している。これらの図に示すように、部品試験装置1(以下、試験装置1と略す)は、部品の搬送及び試験中の部品保持(固定)という機械的な役割を担うハンドラ2と、このハンドラ2に組込まれる試験装置本体3とから構成されている。
【0012】
試験装置本体3は、上面にテストヘッド4を備えた箱型の装置で、テストヘッド4に設けられたソケット(図示省略)に部品をセットして該部品の入力端子にテスト電流を供給しつつ部品の出力端子からの出力電流を受けることにより部品の品質を判断するように構成されている。
【0013】
試験装置本体3は、前記ハンドラ2に対して脱着可能に構成されており、図示を省略するが、例えば試験装置本体3を専用の台車に載せた状態でハンドラ2の下側から所定の挿着位置に挿入し、テストヘッド4をハンドラ2の基台2aに形成された開口部から後記テスト領域Taに臨ませた状態で固定することによりハンドラ2に対して組付けられている。なお、テストヘッド4と試験装置本体3とは必ずしも一体である必要はなく、テストヘッド4のみをハンドラ2に組付け、その他の部分をハンドラ2から離間した位置に配置してテストヘッド4に対して電気ケーブル等で電気的に接続するようにしてもよい。
【0014】
ハンドラ2は、同図に示すように、上部が側方に迫出した略箱型の装置で、トレイに収納された部品を取出して前記テストヘッド4に搬送し、さらに試験後の部品をその試験結果に応じて仕分けするように構成されている。以下、その構成について具体的に説明する。
【0015】
ハンドラ2は、大きく分けて、トレイTrが収納されるトレイ収納領域Saと、テストヘッド4等が配置されるテスト領域Taの二つの領域に分けられている。
【0016】
トレイ収納領域Saには、X軸方向に複数のトレイ収納部が並設されており、当実施形態では、図2の左側から順に第1〜第5の5つのトレイ収納部11〜15が並設されている。そして、第2トレイ収納部12及び第4トレイ収納部14に試験前(未検査)の部品を載せたトレイTrが、第1トレイ収納部11に空のトレイTrが、第3トレイ収納部13に試験後の部品のうち合格品(Pass)を載せたトレイTrが、第5トレイ収納部15に試験後の部品のうち不合格品(Fail)を載せたトレイTrが夫々収納されている。なお、各トレイTrは何れも共通の構造を有しており、図示を省略するが、例えばその表面には複数の部品収納凹部(収納スペース)が区画形成されており、ICチップ等の部品が各部品収納凹部内に収納されるように構成されている。
【0017】
各トレイ収納部11〜15は、夫々昇降可能なテーブル上に複数のトレイTrを積み重ねた状態で収納するように構成されており、最上位のトレイTrのみを基台2a上に臨ませた状態で配置し、それ以外のトレイTrを基台下のスペースに収納するように構成されている。なお、ハンドラ2の側壁には、各スペースに収納されたトレイTrを出し入れできるように扉11b〜15bが設けられている。
【0018】
トレイ収納領域Saには、さらに図1及び図2に示すようにP&Pロボット(Pick & Place Robot)20が設けられている。
【0019】
P&Pロボット20は、移動可能なヘッド23(搬送用ヘッド)を有しており、このヘッド23によって第2又は第4トレイ収納部12,14のトレイTrから部品を取出して後述するシャトルロボット30A,30Bに受け渡すとともに、試験後の部品をシャトルロボット30A,30Bから受け取って第3トレイ収納部13又は第5トレイ収納部15のトレイTrに移載するもので、さらに第1トレイ収納部11とその他のトレイ収納部12〜15との間でトレイTrを搬送するトレイ搬送機能も有している。
【0020】
詳しく説明すると、上記基台2a上にはY軸方向に延びる一対の固定レール21が設けられ、これら固定レール21にヘッド支持部材22が移動可能に装着されている。また、図示を省略するが、サーボモータにより回転駆動されて前記固定レール21と平行に延びるボールねじ軸が基台2a上に設けられ、このボールねじ軸が前記支持部材22に設けられたナット部材(図示省略)に螺合装着されている。さらに、詳しく図示していないが、前記支持部材22にX軸方向に延びる固定レールが設けられこの固定レールにヘッド23が移動可能に装着されるとともに、サーボモータにより回転駆動されて前記固定レールと平行に延びるボールねじ軸が設けられ、このボールねじ軸がヘッド23に設けられたナット部分に螺合装着されている。そして、上記各サーボモータによるボールねじ軸の回転駆動に応じて支持部材22がY軸方向に、ヘッド23がX軸方向に夫々移動することにより、ヘッド23が前記トレイ収納部11〜15及びシャトルロボット30A,30Bの後記部品受渡し位置P1を含む範囲で平面的に移動(X−Y平面上を移動)し得るように構成されている。
【0021】
ヘッド23には、複数のノズル部材が搭載されており、当実施形態では部品用の一対のノズル部材24a,24b(第1ノズル24a,第2ノズル24B)とトレイ用のノズル部材25(トレイ用ノズル部材25という)との合計3つのノズル部材が搭載されている。各ノズル部材24a,24b及び25は、図外の電磁バルブ等を介して負圧発生源に接続されており、後述する部品搬送時にはノズル部材24a,24bの先端に部品吸着用の負圧が供給され、該負圧の作用により部品を吸着するように構成されている。同様に、空トレイTrの搬送時はノズル部材25の先端にトレイ吸着用の負圧が供給され、該負圧の作用によりトレイTrを吸着するように構成されている。
【0022】
部品吸着用の各ノズル部材24a,24bは、ヘッド23に対して昇降及び回転(ノズル軸回りの回転)が可能となっており、図示を省略するがサーボモータを駆動源とする駆動機構により夫々作動するように構成されている。そして、第2トレイ収納部12等のトレイTr上、あるいはシャトルロボット30A,30Bの後記テーブル32の上方にヘッド23が配置された状態で、各ノズル部材24a,24bの昇降動作に伴いトレイTrに対する部品の出し入れ等を行うように構成されている。なお、トレイTrへの部品の収納に際しては、このようなノズル昇降動作に加えて各ノズル部材24a,24bが回転することによりトレイTrに対して予め定められた方向で部品を収納し得るように構成されている。
【0023】
トレイ用ノズル部材25は、ヘッド23に対して昇降動作のみが可能となっており、サーボモータを駆動源とする駆動機構により作動するように構成されている。そして、部品の取出しに伴い空になったトレイTrを吸着した状態で、ヘッド23の移動に伴い第2及び第4トレイ収納部12,14から第1トレイ収納部11にトレイTrを移送するとともに、必要に応じて第1トレイ収納部11に収納されている空のトレイTrを吸着して第3又は第5のトレイ収納部13,15に移送するように構成されている。
【0024】
トレイ収納領域Saには、さらに各シャトルロボット30A,30Bの部品受渡し位置P1の間にCCDエリアセンサからなる部品認識カメラ34が配設されている。このカメラ34は、部品の吸着状態(吸着誤差(ずれ))を画像の認識に基づいて調べるべくP&Pロボット20の前記ヘッド23に吸着されている部品を下側から撮像するもので、試験終了後の部品をトレイTrへの収納に先立って撮像するように構成されている。なお、該部品認識カメラ34は、ヘッド23の各ノズル部材24a,24bに吸着されている2つの部品を同時に撮像し得るように構成されている。
【0025】
一方、テスト領域Taには、前記テストヘッド4、一対のシャトルロボット30A,30B(第1シャトルロボット30A,第2シャトルロボット30B)及びテストロボット40が配設されている。
【0026】
テストヘッド4は、上述の通り基台2aに形成された開口部からテスト領域Taの略中央部分に露出した状態で配設されている。テストヘッド4の表面には、部品をセットするための複数のソケット(図示省略)が配設されており、当試験装置1においては2つのソケットがX軸方向に並んだ状態で設けられている。
【0027】
各ソケットには、それぞれ部品(ICチップ等)の各リードに対応する接触部(図示せず)が設けられており、各ソケットに部品を夫々位置決めすると、部品の各リードとこれに対応する接触部とが接触して該部品に対して導通試験や、入力電流に対する出力特性試験等の電気的試験が施されるように構成されている。
【0028】
シャトルロボット30A,30Bは、トレイ収納領域Saとテスト領域Taとの間で部品を搬送しつつ前記P&Pロボット20およびテストロボット40に対して部品の受渡しを行う装置で、図2に示すように夫々Y軸方向に延びる固定レール31と、サーボモータを駆動源とする駆動機構により駆動されて前記固定レール31に沿って移動するテーブル32とを有している。そして、第1トレイ収納部11及び第5トレイ収納部15の近傍に設定されたP&Pロボット20に対する部品受渡し位置P1と、テストヘッド4側方に設定されたテストロボット40に対する部品受渡し位置P2との間で前記テーブル32を固定レール31に沿って往復移動させながら該テーブル32により部品を搬送するように構成されている。
【0029】
テーブル32には、試験前の部品を載置するためのエリアと、試験後の部品を載置するエリアとが予め定められており、当実施形態では、図3に示すようにテーブル32のうちトレイ収納領域Sa側(同図では下側)が試験後の部品を載置する第1エリアa1とされ、その反対側が試験前の部品を載置する第2エリアa2と定められている。各エリアa1,a2には、夫々一対の吸着パッド33がX軸方向に所定間隔で、具体的にはP&Pロボット20の前記ヘッド23のノズル部材24a,24bに対応する間隔で設けられおり、部品搬送時には、これらパッド33上に部品が載置され吸着された状態で搬送されるように構成されている。
【0030】
なお、各シャトルロボット30A,30BとP&Pロボット20及びテストロボット40との部品の受渡しは、例えば、以下のようにして行われる。
【0031】
まず、P&Pロボット20から各シャトルロボット30A,30Bに試験前の部品を移載する際には、図4(a)に示すように部品受渡し位置P1の所定の位置にP&Pロボット20のノズル部材24a,24b(ヘッド23)が位置決めされ、ノズル部材24a,24bに第2エリアa2が対応するようにテーブル32が位置決めされ(この位置を第2ポジションという)、この状態でノズル部材24a,24bの昇降に伴いテーブル32上に部品が移載される。一方、シャトルロボット30A(30B)からP&Pロボット20に試験後の部品を移載する際には、図4(b)に示すようにノズル部材24a,24bに第1エリアa1が対応するようにテーブル32が位置決めされ(この位置を第1ポジションという)、この状態でテーブル32上の部品がノズル部材24a,24bの昇降に伴い吸着される。
【0032】
また、テストロボット40からシャトルロボット30A(30B)に試験後の部品を移載する際には、図4(c)に示すように部品受渡し位置P2の所定の位置にテストロボット40の後記ノズル部材60a,60b(ヘッド本体43a,43b)が位置決めされ、各ノズル部材60a,60bに第1エリアa1が対応するようにテーブル32が位置決めされ(第1ポジション)、この状態でノズル部材60a,60bの昇降に伴ってテーブル32上に部品が載置される。一方、シャトルロボット30A(30B)からテストロボット40に試験前の部品を移載する際には、図4(d)に示すようにノズル部材60a,60bに第2エリアa2が対応するようにテーブル32が位置決めされ(第2ポジション)、この状態でノズル部材60a,60bの昇降に伴いテーブル32上から部品が吸着されるようになっている。
【0033】
テストロボット40は、上述のように各シャトルロボット30A,30Bによりトレイ収納領域Saからテスト領域Taに供給される部品をテストヘッド4に搬送(供給)して該試験の間テストヘッド4に対して部品を押圧した状態で保持(固定)し、試験後は、部品をそのままシャトルロボット30A,30Bに受け渡す(排出する)装置である。
【0034】
このテストロボット40は、シャトルロボット30A,30Bを跨ぐように基台2a上に設けられた高架2bに沿って移動する部品移動手段としての一対の搬送用ヘッド42A,42B(第1搬送用ヘッド42A,第2搬送用ヘッド42B)を有しており、これら搬送用ヘッド42A,42Bに夫々搭載された一対のヘッド本体43a,43b(第1の部品移動手段としての第1ヘッド本体43a,第2の部品移動手段としての第2ヘッド本体43b)によりテストヘッド4に対して部品の供給及び排出を行うように構成されている。以下、図1,図2及び図5〜図11を参照しつつ搬送用ヘッド42A,42Bの構成について具体的に説明する。
【0035】
各搬送用ヘッド42A,42Bは、夫々、前記高架2B上に配設されたX軸方向の固定レール45に沿って移動可能な一対の可動フレーム46a,46b(第1可動フレーム46a,第2可動フレーム46b)を有している。これらの可動フレーム46a,46bのうち第1可動フレーム46aにはサーボモータ47が固定されており、このサーボモータ47の出力軸にX軸方向に延びるボールねじ軸48が一体的に連結されるとともに、このボールねじ軸48が第2可動フレーム46bに設けられたナット部分49に螺合装着されている。また、サーボモータ50により夫々回転駆動される前記固定レール45と平行な一対のボールねじ軸51が基台2aに設けられ、これらボールねじ軸51が搬送用ヘッド42A,42Bの各第1可動フレーム46aに設けられたナット部分52に螺合装着されている。すなわち、サーボモータ50によるボールねじ軸51の回転駆動に伴い各搬送用ヘッド42A,42Bが固定レール45に沿って夫々X軸方向に移動するとともに、前記サーボモータ47によるボールねじ軸48の回転駆動に伴い、各搬送用ヘッド42A,42Bにおいて、図7の二点鎖線に示すように第2可動フレーム46bが第1可動フレーム46aに対して相対的にX軸方向に移動し得るように構成されている。
【0036】
各可動フレーム46a,46b上には、図6及び図7に示すようにY軸方向に延びる固定レール54が夫々配設されている。各レール54には、ヘッド支持部材55が夫々移動可能に支持されており、これらヘッド支持部材55の先端部(図6では右側端部)に前記ヘッド本体43a,43bが夫々組付けられている。そして、各可動フレーム46a,46bに、サーボモータ57により駆動される前記固定レール54と平行なボールねじ軸58が夫々固定台56を介して支持され、これらボールねじ軸58がヘッド支持部材55に設けられたナット部分59に夫々螺合装着されている。これにより各サーボモータ57によるボールねじ軸58の回転駆動に伴い各ヘッド本体43a,43bが可動フレーム46a,46bに対して夫々Y軸方向に移動するように構成されている。
【0037】
各ヘッド本体43a,43bには、図8に示すように吸着ノズルとしてのノズル部材60a,60b(第1ノズル部材60a,第2ノズル部材60b)が夫々設けられている。各ノズル部材60a,60bは、図外の電磁バルブ等を介して負圧発生源に接続されており、テストヘッド4への部品搬送時等にはノズル部材60a,60bの先端に部品吸着用の負圧が供給され、該負圧の作用により部品を吸着するように構成されている。
【0038】
また、ノズル部材60a,60bの部品が吸着されるべき位置の近傍に基準マーク(基準部位)60c,60dが夫々配置されている。基準マーク60c,60dは、例えばリング状に形成されており、内周と外周とで色を変えてその位置を認識しやすくしている。基準マーク60c,60dは、撮像手段としての部品認識カメラ64A,64Bによって部品とともに撮像され、その撮像信号に基づいて部品のずれ補正を行うために用いられる。ただし、この基準マーク60c,60dに代えて、ノズル部材60a,60bの適当な部位を用いてもよい。
【0039】
各ノズル部材60a,60bは、ヘッド本体43a,43bのフレームに対して昇降及び回転(ノズル軸回りの回転)が可能となっており、サーボモータを駆動源とする図外の駆動機構により駆動するように構成されている。
【0040】
また、図8中のヘッド本体43bの右側には、テストヘッド4への部品供給の際にソケット62aに付された基準マーク62bを撮像するためのCCDエリアセンサからなるソケット認識カメラ62が搭載されている。
【0041】
テスト領域Taには、さらに前記シャトルロボット30A,30Bの部品受渡し位置P2とテストヘッド4との間であって、テストヘッド4の近傍に、夫々CCDエリアセンサからなる部品認識カメラ64A,64B(撮像手段)が配設されている。これらのカメラ64A,64Bは、画像の認識に基づいて部品の吸着状態(吸着誤差(ずれ))を調べるとともに、テストロボット40の移動誤差を調べるべく、各搬送用ヘッド42A,42Bにより吸着されている2つの部品をその近傍に設定された基準マーク60c,60dとともに下側から同時に撮像し得るように構成されており、図9に示すように、ヘッド本体43a,43bにより各シャトルロボット30A(又は30B)から部品が取り上げられた後、該ヘッド本体43a,43bの移動に伴い部品認識カメラ64A(又は64B)上方に部品が配置されることにより部品を基準マーク60c,60dとともに撮像するようになっている。なお、部品受渡し位置P2、部品認識カメラ64A,64B及びテストヘッド4は、X軸と平行な同一軸線上に配置されており、これにより搬送用ヘッド42A,42Bを夫々部品受渡し位置P2〜テストヘッド4に亘って最短距離で移動させながらその途中で試験前の部品を撮像し得るように構成されている。
【0042】
ここで、基準マーク60c,60dを用いて部品のずれ補正を行う方法について説明する。
【0043】
図10はノズル部材60aで部品を吸着保持したときの説明図であって、(a)は基準マーク60cのみの概念的な撮像画像を示し、(b)は部品のみの概念的な撮像画像を示している。また、図11はノズル部材60bで部品を吸着保持したときの説明図であって、(a)は基準マーク60dのみの概念的な撮像画像を示し、(b)は部品のみの概念的な撮像画像を示している。
【0044】
まず部品の1個ずつを撮像する場合を考える。すなわち、図10において、ノズル本体60aのノズル中心から部品までの距離ΔX1,ΔY1は、
ΔX1=Δx1−Δx‘1
ΔY1=Δy1−Δy‘1
となる。ここで、Δx1,Δy1はカメラ中心から部品までの距離であり、Δx‘1,Δy‘1はカメラ中心から基準マーク60cまでの距離である。
【0045】
また、部品の回転方向の傾きをθ1とすると、この傾きの補正のためにそのθ1だけノズルを回転させた場合に、ノズル本体60aのノズル中心から部品までの距離ΔX‘1,ΔY‘1は、
ΔX‘1=(Δx1−Δx‘1)cosθ1−(Δy1−Δy‘1)sinθ1
ΔY‘1=(Δx1−Δx‘1)sinθ1+(Δy1−Δy‘1)cosθ1
となる。したがって、ノズル中心に対する部品の位置ずれ分と基準マーク60cの位置ずれ分(ロボットの移動誤差分)を考慮した目標位置X‘1,Y‘1は、補正前の位置X1,Y1に対して、
X‘1=X1−ΔX‘1−Δx‘1
Y‘1=Y1−ΔY‘1−Δy‘1
となる。
【0046】
次に、2個の部品をノズル本体60a,60bに吸着させてカメラで順次撮像した後、テストヘッド4上に移動させて両部品を同時に試験する場合には、以下のようになる。
【0047】
ノズル本体60aの補正については上述の通りであり、また、ノズル本体60bのY軸方向の補正についても、部品を1個ずつ撮像する場合と同様である。ただし、ノズル本体60bはノズル本体60aに対して相対移動(X軸方向の移動、ここでは特にW軸での移動という。)を行うため、このW軸での補正を行う必要がある。すなわち、ノズル本体60bをカメラ上に移動させて撮像した画像である図11において、ノズル本体60bのノズル中心から部品までの距離ΔX2は、
ΔX2=Δx2−Δx‘2
となる。ここで、Δx2はカメラ中心から基準マーク60dまでの距離であり、Δx‘2はカメラ中心から部品までの距離である。
また、部品の回転方向の傾きをθ2とすると、その分だけノズルを回転させた場合のノズル本体60bのノズル中心から部品までの距離ΔX‘2は、
ΔX‘2=(Δx2−Δx‘2)cosθ2
−(Δy2−Δy‘2)sinθ2
となる。したがって、部品の位置ずれと基準マーク60dの位置ずれ分を考慮した目標位置W‘は、補正前の位置Wに対して、
W‘=W−ΔX‘2−Δx‘2+ΔX‘1+Δx‘1
となる。
【0048】
なお、ハンドラ2の上部には、図1に示すように防塵用のカバー2cが装着されており、テスト領域Ta及びトレイ収納領域Saを含む基台2a上の空間がこのカバー2cによって覆われている。
【0049】
図12は、試験装置1の制御系をブロック図で示している。この図に示すように、試験装置1は、論理演算を実行する周知のCPU70aと、そのCPU70aを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROM70bと、装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM70cとを備えた制御部70(制御手段)を備えている。
【0050】
この制御部70には、I/O部(図示せず)を介して試験装置本体3、部品認識カメラ34,64A,64B及びソケット認識カメラ62が電気的に接続されるとともに、前記P&Pロボット20、テストロボット40、シャトルロボット30A,30Bの各コントローラ71,72,73A,73Bが電気的に接続されている。また、各種情報を制御部70に入出力するための操作部75及び試験状況等の各種情報を報知するためのCRT76等がこの制御部70に電気的に接続されている。
【0051】
そして、前記ROM70bに記憶されたプログラムに従ってハンドラ2の各ロボット等の動作が制御部70により以下のように制御されるようになっている。
【0052】
次に、上記制御部70の制御に基づく試験装置1の動作について図13のタイミングチャートに基づいて説明することにする。
【0053】
なお、このタイミングチャートは試験動作中の特定の時点(t0時点)からの動作を示しており、該t0時点における各ロボット20,30A,30B,40(搬送用ヘッド42A,42B)の状態は以下の通りである。
・P&Pロボット20 ;試験後の部品をトレイTrに収納すべくヘッド23が移動中の状態にある。なお、認識カメラ34による部品の撮像は終了し、部品の吸着状態の確認も終了している。
・第1シャトルロボット30A ;次回第1搬送用ヘッド42Aに供給する部品をテーブル32上に保持した状態で部品受渡し位置P1に待機した状態にある。
・第1搬送用ヘッド42A ;次に試験を行う部品を各ヘッド本体43a,43bにより吸着し、かつ各部品を部品認識カメラ64A上方に配置(待機)した状態にある。
・第2シャトルロボット30B ;次に第2搬送用ヘッド42Bに供給する部品をテーブル32上に保持した状態で部品受渡し位置P1に待機した状態にある。
・第2搬送用ヘッド42B ;テストヘッド4において試験終了直後の状態にある。
【0054】
以上のような状態下において、まず、第2シャトルロボット30Bのテーブル32が部品受渡し位置P2に移動するとともに(t1時点)、試験後の部品を受け渡すべく第2搬送用ヘッド42Bが第2シャトルロボット30Bの部品受渡し位置P2に移動する(t3時点)。
【0055】
部品受渡し位置P2に第2搬送用ヘッド42Bが到達すると(t7時点)、まず第2搬送用ヘッド42Bから第2シャトルロボット30Bのテーブル32上に試験後の部品が移載され、次いで、該テーブル32に予め載置されている次の部品(試験前の部品)が第2ロボット本体42Bに受け渡される。詳しくは、第2シャトルロボット30Bのテーブル32がまず部品受渡し位置P2において第1ポジション(図4(c)参照)に位置決めされ、各ノズル部材60a,60bの昇降に伴いテーブル32上の第1エリアa1に部品が移載される(t9時点)。その後、テーブル32が第2ポジション(図4(d)参照)に位置決めされ、テーブル上の第2エリアa2に保持されている部品が各ノズル部材60a,60bの昇降に伴い吸着される(t12時点)。
【0056】
第2搬送用ヘッド42Bと第2シャトルロボット30Bとの間での部品の受渡しが完了すると、第2搬送用ヘッド42Bの移動に伴い各部品が部品認識カメラ64B上に配置されて(t18時点)、該部品と基準マーク60c,60dとの撮像に基づき吸着状態を調べて上記部品のずれ補正のための処理が行われ、この処理が完了するとテストヘッド4への搬送待機状態となる。
【0057】
一方、上記のように第2搬送用ヘッド42Bが部品受渡し位置P2に移動すると、これと同じタイミングで第1搬送用ヘッド42Aが次の部品の試験を行うべくテストヘッド4に移動する(t3時点)。そして、第1搬送用ヘッド42Aがテストヘッド4に到達すると(t5時点)、各ノズル部材60a,60bが下降し、この下降に伴い各ノズル部材60a,60bに吸着されている部品がテストヘッド4の各ソケットに夫々同時に押し付けられた状態で位置決めされ、これにより該部品の試験が開始される(t8時点)。
【0058】
同タイミングチャートでは詳細に示していないが、ソケット62bへの部品の位置決め前に、部品認識カメラ64Aにより部品が基準マーク60c,60dとともに撮像され、この撮像に基づいて第1搬送用ヘッド42Aの位置誤差(ずれ)が求められる。そして、この誤差に基づいて部品の補正量が求められ、この補正量に基づいて第1搬送用ヘッド42Aが駆動制御されることにより各ヘッド本体43a,43bの吸着部品の位置が補正される。
【0059】
各部品位置の補正は、まずサーボモータ50の作動により第1搬送用ヘッド42A全体がX軸方向に移動した後、サーボモータ47の作動により第2可動フレーム46bのみがX軸方向に移動する。これにより各ヘッド本体43a,43bのノズル部材60a,60bに吸着されている部品が夫々X軸方向に位置補正される。そして、サーボモータ57の作動により各ヘッド本体43a,43bが夫々Y軸方向に移動することにより各部品がY軸方向に夫々位置補正され、さらにヘッド本体43a,43bの各ノズル部材60a,60bがノズル軸回り回転することにより各部品が夫々回転方向に位置補正される。これにより各ヘッド本体43a,43bに吸着されている部品が夫々X軸方向、Y軸方向及び回転方向に位置補正されることとなる。なお、ここでは説明の便宜上、各部品の位置補正をX軸方向、Y軸方向及び回転方向に分けて時系列的に説明したが、実際にはこれら各方向の補正が並行して行われることにより各部品の位置補正が速やかに行われる。
【0060】
しかる後、第1搬送用ヘッド42Aがテストヘッド4上の目標位置に配置され、ソケット認識カメラ62による基準マーク62aの撮像に基づいて第1搬送用ヘッド42Aがソケット62bに対して位置決めされ、各ノズル部材60a,60bの下降に伴い各部品がソケット62bにセットされる。
【0061】
テストヘッド4に位置決めされている部品の試験が終了すると(t20時点)、各ノズル部材60a,60bの上昇に伴い部品がソケットから取り外され(t23時点)、さらに第1搬送用ヘッド42Aの移動に伴い該試験後の部品が第1シャトルロボット30Aとの部品受渡し位置P2に搬送される(t25時点)。そして、上述した第2搬送用ヘッド42Bと第2シャトルロボット30Bとの部品受け渡し動作と同様にして、第1搬送用ヘッド42Aと第1シャトルロボット30Aとの間で部品の受け渡しが行われる。
【0062】
また、部品受渡し位置P2への第1搬送用ヘッド42Aの移動と同じタイミングで第2搬送用ヘッド42Bがテストヘッド4に移動し(t24時点)、第2搬送用ヘッド42Bの各ヘッド本体43a,43bに吸着されている次の部品がテストヘッド4に押し付けられた状態で位置決めされることとなる(t26時点)。
【0063】
一方、P&Pロボット20及び各シャトルロボット30A,30Bについては、テストロボット40の各搬送用ヘッド42A,42Bに対する部品の受け渡しが連続的に行われ得るように以下のように動作制御される。
【0064】
まず、第2シャトルロボット30Bについては、第2搬送用ヘッド42Bが部品受渡し位置P2に到達すると同時(t7時点)に試験後の部品を受け取るべく、テーブル32が部品受渡し位置P2に移動する。そして、上記の通りまずテーブル32が第1ポジション(図4(c)参照)に配置された状態で第2搬送用ヘッド42Bからテーブル32へ試験後の部品が受け渡され(t9時点)、さらにテーブル32が第2ポジション(図4(d)参照)に配置されて(t10時点)試験前の部品がテーブル32から第2搬送用ヘッド42Bに受け渡される(t12時点)。
【0065】
その後、テーブル32が部品受渡し位置P1に移動し(t14時点)、まず第2ポジション(図4(b)参照)にテーブル32が配置された状態で、P&Pロボット20からテーブル32に次ぎの部品(試験前の部品)が受け渡される(t16時点)。次いで、テーブル32が第1ポジション(図4(a)参照)に配置され(t17時点)、この状態でテーブル32からP&Pロボット20に試験後の部品が受け渡され(t19時点)、その後、次回の部品受渡しまで部品受渡し位置P1において待機状態におかれる。なお、これは第2シャトルロボット30Bの動作制御であるが、第1シャトルロボット30Aについても第1搬送用ヘッド42Aとの関係で同様に動作制御される。
【0066】
一方、P&Pロボット20は、先に試験が終了した部品をその試験結果に応じたトレイTrに収納すべく動作制御される。
【0067】
具体的には、まず各ノズル部材24a,24bに吸着した部品のうち一方側の部品を収納すべくヘッド23が第3トレイ収納部13又は第5トレイ収納部15上に配置され(t2時点)、例えば第1ノズル部材24aの昇降に伴い部品がトレイTrに収納される(時点t4)。次いで、他方側の部品を収納すべくヘッド23が第3トレイ収納部13上等又は第5トレイ収納部15上に配置された後(t6時点)、第2ノズル部材24bの昇降に伴い部品がトレイTrに収納される(t8時点)。なお、各トレイTrへの部品の収納時には、部品認識カメラ34の撮像に基づく各部品の吸着誤差に基づいてヘッド23の移動及び各ノズル部材24a,24bの回転が制御されることによりトレイTr内に部品が正確に収納されることとなる。
【0068】
試験後の部品のトレイTrへの収納が完了すると、ヘッド23が第3トレイ収納部13の上方に配置され(t11時点)、新たな部品がトレイTrから取出される(t13時点)。そして、ヘッド23が第2シャトルロボット30Bの部品受渡し位置P1に配置され、上述したように当該新たな部品が第2シャトルロボット30Bに受け渡されるとともに(t16時点)、試験後の部品が第2シャトルロボット30BからP&Pロボット20に受け渡される(t19時点)。
【0069】
このような第2シャトルロボット30Bに対する部品の受渡しが完了すると、ヘッド23が部品認識カメラ34上に配置され、試験後の部品の撮像に基づき該部品の吸着状態を調べるための処理が行われ、この処理が完了すると、該部品をトレイTrに収納すべくヘッド23等が動作制御されこととなる(t22時点)。
【0070】
このようにして以後、図9に示すように、部品受渡し位置P2とテストヘッド4との間で第1搬送用ヘッド42A(第2搬送用ヘッド42B)を移動させつつテストヘッド4に2ずつ部品を搬送、位置決めして試験を行う一方で、これと並行して第2搬送用ヘッド42B(又は第1搬送用ヘッド42A)と第2シャトルロボット30B(又は第1シャトルロボット30A)との間で部品の受け渡し(つまり試験後の部品と次回の部品との受け渡し)を行いながら、さらにこのような第1搬送用ヘッド42A及び第2搬送用ヘッド42Bに対する部品の受け渡し等が連続的に行われるように各シャトルロボット30A,30B及びP&Pロボット20が動作制御される。
【0071】
以上説明したように、この試験装置1では、第1搬送用ヘッド42Aの各ヘッド本体43a,43bに装備されたノズル部材60a,60bの部品が保持されるべき位置の近傍に基準マーク60c,60dが設定される一方、部品認識カメラ64Aにより部品と基準マーク60c,60dとがそれぞれ撮像され、第1搬送用ヘッド42Aによりこの撮像信号に基づいて部品の保持位置が補正されるように、制御部70による制御がなされるので、周囲温度や機械部品の発熱の影響などによってテストロボット40の移動誤差が生じた場合や、保持されている部品のずれが生じた場合でも、部品と、部品の試験位置に設けられたソケット62aとの電気的な接続が可能となって試験が適当に行われる。
【0072】
なお、上記実施形態では、部品移動手段として、テストロボット40の搬送用ヘッド42A,42Bを、また撮像手段として部品認識カメラ64A,64Bを説明し、その場合には所定の部品供給部はシャトルロボット30A,30Bとの部品の受渡し位置P2となり、所定の試験部は部品の試験位置となるものとしたが、部品移動手段はP&Pロボット20のヘッド23であり、また撮像手段は部品認識カメラ34であってもよい。その場合には、所定の部品供給部は部品の収納位置となり、所定の試験部はシャトルロボット30A,30Bとの部品の受渡し位置P1となる。また、部品移動手段は、ノズル部材60a,60bといった吸着ノズル以外で部品を移動させるものであってもよく、その場合には補正機構も上記に限定されない。
【0073】
また、上記実施形態では、ヘッド本体43Aに対してヘッド本体43Bが相対移動する例を示したが、両者が独立に移動する場合であってもよい。その場合には、いずれのヘッドについても補正方法は上述した1つの部品を撮像する場合と同じである。また、上記では、部品試験装置1の構成に合わせてX−Y軸からなる直角座標系における補正方法を説明したが、装置構成によっては極座標系による補正方法であってもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、周囲温度や機械部品の発熱の影響などによって部品移動手段の移動誤差が生じた場合や、保持されている部品のずれが生じた場合でも、部品と、試験部に設けられたソケットとの電気的な接続が可能となって試験が適当に行われる。
【0075】
さらに、複数の部品を同時に扱うことができるような構成においても、それぞれの部品についての正確な補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部品試験装置を示す斜視概略図である。
【図2】部品試験装置を示す平面図である。
【図3】シャトルロボットのテーブルの構成を示す平面略図である。
【図4】シャトルロボットの部品受渡し位置におけるテーブルの位置を示す図2のB矢視図である((a),(c)はテーブルが第1ポジションに配置された状態、(b),(d)はテーブルが第2ポジションに配置された状態を示す)。
【図5】テストロボットの具体的な構成を示す平面図である。
【図6】テストロボットの具体的な構成を示す図5のC−C断面図である。
【図7】テストロボットの具体的な構成を示す図6のD−D断面図である。
【図8】テストロボットの具体的な構成を示す図6のE矢視図である。
【図9】テスト領域の構成を示す模式図である。
【図10】ノズル部材で部品を吸着保持したときの説明図であって、(a)は基準マークのみの概念的な撮像画像を示し、(b)は部品のみの概念的な撮像画像を示している。
【図11】他のノズル部材で部品を吸着保持したときの説明図であって、(a)は基準マークのみの概念的な撮像画像を示し、(b)は部品のみの概念的な撮像画像を示している。
【図12】部品試験装置の制御系を示すブロック図である。
【図13】図12に示す制御系の制御に基づく部品試験装置の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 部品試験装置
2 ハンドラ
3 試験装置本体
4 テストヘッド
20 P&Pロボット
23 ヘッド
30A 第1シャトルロボット
30B 第2シャトルロボット
40 テストロボット(部品移動手段)
42A 第1搬送用ヘッド(部品移動手段)
42B 第2搬送用ヘッド(部品移動手段)
43a,43b ヘッド本体(第1の部品移動手段、第2の部品移動手段)
60a,60b ノズル部材
60c,60d 基準マーク(基準部位)
64A,64B 部品認識カメラ(撮像手段)
70 制御部
Sa トレイ収納領域
Ta テスト領域
P1,P2 部品受渡し位置
Tr トレイ

Claims (1)

  1. 第1及び第2の試験部と、
    試験の対象となる部品を保持して所定の部品供給部から上記第1の試験部まで移動させる第1の部品移動手段と、
    この第1の部品移動手段の移動時にそれに伴って移動し、かつ、この第1の部品移動手段に対して相対移動可能であって、所定の部品供給部から上記第2の試験部まで部品を移動させる第2の部品移動手段と、
    この各部品移動手段の移動ルート上に配置され、部品移動手段によって保持されている部品を撮像可能な撮像手段と、
    制御手段とを備え、
    上記各部品移動手段には、それぞれ、部品が保持されるべき位置の近傍に基準部位が設定される一方、
    制御手段は、撮像手段により上記各部品移動手段に保持された部品と上記各部品移動手段に設定された基準部位とがそれぞれ撮像され、その撮像信号に基づいて部品の保持位置のずれと、部品移動手段の移動誤差とに応じた補正量を求め、この補正量により試験部までの移動量を補正するようにし、かつ、第1の部品移動手段による部品移動量を補正してからその補正結果を用いて第2の部品移動手段による部品移動量を補正するように制御することを特徴とする部品試験装置。
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