JP4119074B2 - 読取レンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、読取レンズに係り、さらに詳しくは、ファクシミリやデジタル複写機などの原稿読取部や各種のイメージスキャナに利用できる読取レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ファクシミリやデジタル複写機などの原稿読み取り部やイメ−ジスキャナは、読み取るべき画像情報を読取レンズで縮小してCCDのような固体撮像素子上に結像させて画像情報を信号化していた。このような読取レンズでは、一般に像面において高空間周波数領域での高いコントラストが要求されると共に、開口効率が画角周辺部まで100%近く必要とされ、歪曲収差も小さく抑えてあることが要求されると共に、スキャナ光学系の小型化と低コスト化を達成するため、読取レンズとしても小型かつ低コストなものが望まれている。
従来、このような読取レンズとしては、3群3枚構成の所謂トリプレットタイプが用いられている。トリプレットタイプの読取レンズとしては、特開平7−325251号公報、特開平10−253879号公報、あるいは、特開平10−253880号公報などに記載の発明が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の読取レンズにあっては、例えば、上記した特開平7−325251号公報に記載の発明の場合、非点収差、特にサジタルの像面湾曲が大きく、周辺部のMTFが極端に劣化してしまうと共に、色収差の補正範囲がF線(486.13nm)〜d線(587.56nm)のように狭いという問題があった。
また、上記した特開平10−253879号公報に記載の発明の場合、歪曲収差が大きいという問題があった。
さらに、上記した特開平10−253880号公報に記載の発明の場合、Fナンバーが5.5程度と暗く、歪曲収差が大きくなる等の問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、縮率が0.11程度で、レンズの構成枚数が3群3枚と少ないにも関わらず、Fナンバーが5.0程度で、開口効率が周辺部まで略100%に近く、緒収差も良好に補正された高空間周波数領域で高いコントラストを有する読取レンズを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、参考発明1は、物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は両凸レンズの第3レンズからなる3群3枚構成の読取レンズであって、第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とし、第3レンズの第1面の曲率半径をr31とし、第3レンズの第2面の曲率半径をr32とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする。
(1−1) 0.84 < f1/f < 1.09
(2−1)−0.33 < f2/f <−0.28
(3−1) 0.25 < Σd/f < 0.38
(4−1) 0.10 < d1/f < 0.18
(5−1) 0.097< n凸−n凹< 0.159
(6−1)12.16 < ν凸−ν凹< 15.92
(7−1) 0.62 <−r31/r32 < 1.59
これによれば、条件式(1−1)は、第1レンズのパワーを定めるもので、上限を超えると、第1レンズのパワーが弱くなりすぎてレンズが大きくなり、コストアップの原因となる。また、下限を超えると、レンズのコンパクト化には有利であるが、コマフレアが大きくなってしまう。
【0005】
条件式(2−1)は、第2レンズのパワーを定めるもので、上限を超えると、第2レンズのパワーが強くなりすぎて第2レンズで発生する球面収差が負で大きくなる。また、下限を超えると、逆に球面収差が正で大きくなると共にコマフレアも増大し、共に軸上と軸外の収差のバランスが大きく崩れてしまう。条件式(3−1)は、レンズのコンパクト化を達成するための条件であり、上限を越えると、レンズ全長が大きくなり、レンズ有効径も増大して、レンズのコンパクト化が図れなくなると共に、レンズの大幅なコストアップとなる。また、下限を越えると、レンズのコンパクト化には有利であるが、コマフレアが増大して、レンズの大口径化の妨げとなる。条件式(4−1)は、第1レンズの中心肉厚を定めるものであり、上限を越えると、第1レンズの中心肉厚が増大することにより、第1レンズの有効径が増大して、レンズのコストアップの要因となる。また、下限を越えると、コマ収差の補正が非常に困難となる。条件式(5−1)は、本発明の読取レンズを構成する2枚の凸レンズと1枚の凹レンズの屈折率の範囲を定めるもので、上限を超えると、ペッツバール和が小さくなりすぎて、像面が正の側に倒れ、像面湾曲が大きくなる。また、下限を超えると、逆にペッツバール和が大きくなりすぎて、像面が負の側に倒れ、非点隔差が大きくなって、この条件の範囲外では、全画面にわたって良好な結像性能を得ることが出来なくなる。条件式(6−1)は、軸上の色収差を良好に補正する条件である。上限を超えると、軸上の色収差が補正過剰になり、主波長より短波長側で軸上の色収差が正の側に大きくなる。また、下限を超えると、軸上の色収差が補正不足になり、主波長より短波長側で負の側に軸上の色収差が大きくなってしまう。条件式(7−1)は、第3レンズの物体側と像側の曲率半径の比を定めるもので、上限を超えると、第3レンズの物体側の面が緩くなり過ぎ、第3レンズでのコマ収差の補正が困難となる。また、下限を超えると、逆にコマフレアが増大し、この条件の範囲外であると、軸上と軸外の収差のバランスが大きく崩れてしまう。
【0006】
参考発明2は、物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は両凸レンズの第3レンズからなり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に絞りを有する3群3枚構成の読取レンズであって、第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とし、第3レンズの第1面の曲率半径をr31とし、第3レンズの第2面の曲率半径をr32とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする。
(1−2) 0.85 < f1/f < 1.06
(2−2)−0.33 < f2/f <−0.29
(3−2) 0.26 < Σd/f < 0.37
(4−2) 0.10 < d1/f < 0.17
(5−2) 0.097< n凸−n凹< 0.159
(6−2)12.16 < ν凸−ν凹<15.92
(7−2) 0.62 <−r31/r32 < 1.59
これによれば、参考発明1の第2レンズ群と第3レンズ群との間に絞りを配置したため、条件式(1−1)〜(7−1)よりもやや狭い条件式(1−2)〜(7−2)を満足させることで、より良好な性能を得ることができる。
【0007】
請求項1に記載の発明は、物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は両凸レンズの第3レンズからなり、前記第3レンズの第1面に絞りを有する3群3枚構成の読取レンズであって、第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とし、第3レンズの第1面の曲率半径をr31とし、第3レンズの第2面の曲率半径をr32とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする。
(1−3) 0.96 < f1/f < 1.08
(2−3)−0.32 < f2/f <−0.28
(3−3) 0.25 < Σd/f < 0.37
(4−3) 0.10 < d1/f < 0.15
(5−3) 0.113< n凸−n凹< 0.150
(6−3)12.58 < ν凸−ν凹<14.09
(7−3) 0.72 <−r31/r32< 1.03
これによれば、請求項1の発明の第3レンズの第1面に絞りを配置したため、条件式(1−1)〜(7−1)よりもやや狭い条件式(1−3)〜(7−3)を満足させることで、良好な性能を得ることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は第1面と第2面の曲率半径が略同一な両凸レンズの第3レンズからなる3群3枚構成の読取レンズであって、第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする。
(1−4) 0.95 < f1/f < 1.08
(2−4)−0.31 < f2/f <−0.28
(3−4) 0.26 < Σd/f < 0.30
(4−4) 0.10 < d1/f < 0.12
(5−4) 0.114< n凸−n凹< 0.146
(6−4)12.58 < ν凸−ν凹<14.09
これによれば、参考発明1の第3レンズの第1面と第2面の曲率半径を略同一としたため、条件式(1−1)〜(6−1)よりもやや狭い条件式(1−4)〜(6−4)を満足させることで、良好な性能を得ることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は第1面と第2面の曲率半径が略同一な両凸レンズの第3レンズからなり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に絞りを有する3群3枚構成の読取レンズであって、第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする。
(1−5) 0.96 < f1/f < 1.01
(2−5)−0.31 < f2/f <−0.30
(3−5) 0.27 < Σd/f < 0.29
(4−5) 0.11 < d1/f < 0.12
(5−5) 0.114< n凸−n凹< 0.146
(6−5)13.10 < ν凸−ν凹<14.04
これによれば、請求項2の発明の第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りを配置したため、条件式(1−4)〜(6−4)よりもやや狭い条件式(1−5)〜(6−5)を満足させることで、良好な性能を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は第1面と第2面の曲率半径が略同一な両凸レンズの第3レンズからなり、前記第3レンズの第1面に絞りを有する3群3枚構成の読取レンズであって、第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする。
(1−6) 0.96 < f1/f < 1.08
(2−6)−0.31 < f2/f <−0.28
(3−6) 0.26 < Σd/f < 0.29
(4−6) 0.10 < d1/f < 0.12
(5−6) 0.114< n凸−n凹< 0.142
(6−6)12.58 < ν凸−ν凹< 14.09
これによれば、請求項2の発明の第3レンズの第1面に絞りを配置したため、条件式(1−4)〜(6−4)よりもやや狭い条件式(1−6)〜(6−6)を満足させることで、良好な性能を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて詳細に説明する。
なお、各実施例における記号の意味は下記の通りである。
f :全系のe線の合成焦点距離
FNo :Fナンバー
m :縮率
ω :半画角(度)
Y :物体高
ri :物体側から数えてi番目のレンズ面の曲率半径
di :物体側から数えてi番目の面間隔
nj :物体側から数えてj番目のレンズの材料の屈折率
vj :物体側から数えてj番目のレンズの材料のアッベ数
rc1 :コンタクトガラスの物体側の曲率半径
rc2 :コンタクトガラスの像側の曲率半径
rc3 :CCDカバーガラスの物体側の曲率半径
rc4 :CCDカバーガラスの像側の曲率半径
dc1 :コンタクトガラスの肉厚
dc3 :CCDカバーガラスの肉厚
nc1 :CCDカバーガラスの屈折率
nc3 :コンタクトガラスの屈折率
vc1 :コンタクトガラスのアッベ数
vc3 :CCDカバーガラスのアッベ数
ne :e線の屈折率
nd :d線の屈折率
n凸 :正の屈折力を有するレンズ(第1、第3レンズ)のe線の屈折率の平均
n凹 :負の屈折力を有するレンズ(第2レンズ)のe線の屈折率の平均
f1 :第1レンズのe線の焦点距離
f2 :第2レンズのe線の焦点距離
Σd :レンズ全長
r31 :第3レンズの第1面の曲率半径
r32 :第3レンズの第2面の曲率半径
【0011】
また、図2、図4、図6、図8、図10、図12、図14、図16、図18、図20、図22に示した収差図の球面収差およびコマ収差において、実線はe線(546.07nm)、点線はF線(486.13nm)、破線はc線(656.27nm)を示している。
さらに、非点収差はe線(546.07nm)で、実線はサジタル光線、点線はメリディオナル光線を示している。
【0012】
(参考例1)
図1は、本発明に係る参考例1の読取レンズの構成図であり、図2は、本発明に係る参考例1の読取レンズの収差図である。図1に示すように、本参考例1の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。そして、ここでは、第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りが配置されている。また、この読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図2に示すようになっている。
f=43.295 FNO=5.0 m=0.111 ω=19.4゜
【0013】
(参考例2)
図3は、本発明に係る参考例2の読取レンズの構成図であり、図4は、本発明に係る参考例2の読取レンズの収差図である。図3に示すように、本参考例2の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。そして、ここでは、第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りが配置されている。また、この読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図4に示すようになっている。
f=43.386 FNO=5.0 m=0.111 ω=16.5゜
【0014】
(参考例3)
図5は、本発明に係る参考例3の読取レンズの構成図であり、図6は、本発明に係る参考例3の読取レンズの収差図である。図5に示すように、本参考例3の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。そして、ここでは、第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りが配置されている。この読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図6に示すようになっている。
f=48.679 FNO=5.0 m=0.111 ω=17.4゜
【0015】
(参考例4)
図7は、本発明に係る参考例4の読取レンズの構成図であり、図8は、本発明に係る参考例4の読取レンズの収差図である。図7に示すように、本参考例4の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。そして、ここでは、第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りが配置されている。この読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図8に示すようになっている。
f=48.745 FNO=5.0 m=0.111 ω=17.3゜
【0016】
(実施例1)
図9は、本発明に係る実施例1の読取レンズの構成図であり、図10は、本発明に係る実施例1の読取レンズの収差図である。図9に示すように、本実施例1の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。この読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図10に示すようになっている。
f=43.640 FNO=5.0 m=0.111 ω=19.2゜
【0017】
(実施例2)
図11は、本発明に係る実施例2の読取レンズの構成図であり、図12は、本発明に係る実施例2の読取レンズの収差図である。図11に示すように、本実施例2の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。そして、ここでは、第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りが配置されている。この読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図12に示すようになっている。
f=43.499 FNO=5.0 m=0.111 ω=19.3゜
【0018】
(実施例3)
図13は、本発明に係る実施例3の読取レンズの構成図であり、図14は、本発明に係る実施例3の読取レンズの収差図である。図13に示すように、本実施例3の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。そして、ここでは、第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りが配置されている。この読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図14に示すようになっている。
f=43.585 FNO=5.0 m=0.111 ω=19.3゜
【0019】
(実施例4)
図15は、本発明に係る実施例4の読取レンズの構成図であり、図16は、本発明に係る実施例4の読取レンズの収差図である。図15に示すように、本実施例4の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。そして、ここでは、第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りが配置されている。この読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図16に示すようになっている。
f=43.751 FNO=5.0 m=0.111 ω=19.2゜
【0020】
(実施例5)
図17は、本発明に係る実施例5の読取レンズの構成図であり、図18は、本発明に係る実施例5の読取レンズの収差図である。図17に示すように、本実施例5の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。また、ここでは、第3レンズの第1面(r5)と第2面(r6)の曲率半径を略同一としている。実施例5の読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図18に示すようになっている。
f=43.696 FNO=5.0 m=0.111 ω=19.2゜
【0021】
(実施例6)
図19は、本発明に係る実施例6の読取レンズの構成図であり、図20は、本発明に係る実施例6の読取レンズの収差図である。図19示すように、本実施例6の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。また、ここでは、第3レンズの第1面(r5)と第2面(r6)の曲率半径を略同一としている。実施例6の読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図20に示すようになっている。
f=43.777 FNO=5.0 m=0.111 ω=19.2゜
【0022】
(実施例7)
図21は、本発明に係る実施例7の読取レンズの構成図であり、図22は、本発明に係る実施例7の読取レンズの収差図である。図21に示すように、本実施例7の読取レンズは、3群3枚で構成されており、下記表の諸条件を満たしている。また、ここでは、第3レンズの第1面(r5)と第2面(r6)の曲率半径を略同一としている。実施例7の読取レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差については、図22に示すようになっている。
f=43.759 FNO=5.0 m=0.111 ω=19.2゜
【0023】
上記した参考例1〜参考例4及び実施例1〜実施例7における、各条件式1〜条件式7までの結果については、下記の表のようになる。このように、本実施の形態によれば、収差図からも明らかなように3群3枚構成と少ない構成枚数で、縮率0.11程度で、F/NOが5.0の明るさで、軸上と軸外の収差のバランスがよく、開口効率も略100%近く有しているにも関わらず、高空間周波数領域でのコントラストも高い、低コストでコンパクトな読取レンズを得ることができる。
なお、上記各参考例及び各実施例において、本発明の参考発明1に対応する参考例及び実施例は、参考例1〜4及び実施例1〜7であり、参考発明2に対応する参考例及び実施例は、参考例1〜4および実施例2〜4であり、請求項1に対応する実施例は、実施例1および実施例5〜7であり、請求項2に対応する実施例は、実施例2〜7であり、請求項3に対応する実施例は、実施例2〜4であり、請求項4に対応する実施例は、実施例5〜7である。
【0024】
【発明の効果】
参考発明1によれば、レンズの構成枚数が3群3枚と少ないにも関わらず、Fナンバーや開口効率が良好であり、緒収差も良好に補正された高空間周波数領域において高いコントラストを有することができる。参考発明2によれば、参考発明1の読取レンズの第2レンズ群と第3レンズ群との間に絞りを配置したので、条件式(1−1)〜(7−1)よりもやや狭い条件式(1−2)〜(7−2)を満足させることにより、一層良好な性能を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、参考発明1の読取レンズの第3レンズの第1面に絞りを配置したので、条件式(1−1)〜(7−1)よりもやや狭い条件式(1−3)〜(7−3)を満足させることにより、良好な性能を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、参考発明1の読取レンズの第3レンズの第1面と第2面の曲率半径を略同一としたので、条件式(1−1)〜(6−1)よりもやや狭い条件式(1−4)〜(6−4)を満足させることにより、良好な性能を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の読取レンズの第2レンズ群と第3レンズ群の間に絞りを配置したので、条件式(1−4)〜(6−4)よりもやや狭い条件式(1−5)〜(6−5)を満足させることにより、良好な性能を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2の読取レンズの第3レンズの第1面に絞りを配置したので、条件式(1−4)〜(6−4)よりもやや狭い条件式(1−6)〜(6−6)を満足させることにより、良好な性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る参考例1の読取レンズの構成図である。
【図2】本発明に係る参考例1の読取レンズの収差図である。
【図3】本発明に係る参考例2の読取レンズの構成図である。
【図4】本発明に係る参考例2の読取レンズの収差図である。
【図5】本発明に係る参考例3の読取レンズの構成図である。
【図6】本発明に係る参考例3の読取レンズの収差図である。
【図7】本発明に係る参考例4の読取レンズの構成図である。
【図8】本発明に係る参考例4の読取レンズの収差図である。
【図9】本発明に係る実施例1の読取レンズの構成図である。
【図10】本発明に係る実施例1の読取レンズの収差図である。
【図11】本発明に係る実施例2の読取レンズの構成図である。
【図12】本発明に係る実施例2の読取レンズの収差図である。
【図13】本発明に係る実施例3の読取レンズの構成図である。
【図14】本発明に係る実施例3の読取レンズの収差図である。
【図15】本発明に係る実施例4の読取レンズの構成図である。
【図16】本発明に係る実施例4の読取レンズの収差図である。
【図17】本発明に係る実施例5の読取レンズの構成図である。
【図18】本発明に係る実施例5の読取レンズの収差図である。
【図19】本発明に係る実施例6の読取レンズの構成図である。
【図20】本発明に係る実施例6の読取レンズの収差図である。
【図21】本発明に係る実施例7の読取レンズの構成図である。
【図22】本発明に係る実施例7の読取レンズの収差図である。
Claims (4)
- 物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は両凸レンズの第3レンズからなり、前記第3レンズの第1面に絞りを有する3群3枚構成の読取レンズであって、
第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とし、第3レンズの第1面の曲率半径をr31とし、第3レンズの第2面の曲率半径をr32とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする読取レンズ。
(1−3) 0.96 < f1/f < 1.08
(2−3)−0.32 < f2/f <−0.28
(3−3) 0.25 < Σd/f < 0.37
(4−3) 0.10 < d1/f < 0.15
(5−3) 0.113< n凸−n凹< 0.150
(6−3)12.58 < ν凸−ν凹<14.09
(7−3) 0.72 <−r31/r32< 1.03 - 物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は第1面と第2面の曲率半径が略同一な両凸レンズの第3レンズからなる3群3枚構成の読取レンズであって、
第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする読取レンズ。
(1−4) 0.95 < f1/f < 1.08
(2−4)−0.31 < f2/f <−0.28
(3−4) 0.26 < Σd/f < 0.30
(4−4) 0.10 < d1/f < 0.12
(5−4) 0.114< n凸−n凹< 0.146
(6−4)12.58 < ν凸−ν凹<14.09 - 物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は第1面と第2面の曲率半径が略同一な両凸レンズの第3レンズからなり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に絞りを有する3群3枚構成の読取レンズであって、
第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする読取レンズ。
(1−5) 0.96 < f1/f < 1.01
(2−5)−0.31 < f2/f <−0.30
(3−5) 0.27 < Σd/f < 0.29
(4−5) 0.11 < d1/f < 0.12
(5−5) 0.114< n凸−n凹< 0.146
(6−5)13.10 < ν凸−ν凹<14.04 - 物体側より順に、第1レンズ群から第3レンズ群までを配し、前記第1レンズ群は物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズの第1レンズ、前記第2レンズ群は両凹レンズの第2レンズ、前記第3レンズ群は第1面と第2面の曲率半径が略同一な両凸レンズの第3レンズからなり、前記第3レンズの第1面に絞りを有する3群3枚構成の読取レンズであって、
第1レンズのe線の焦点距離をf1とし、第2レンズのe線の焦点距離をf2とし、全系のe線の合成焦点距離をfとし、レンズ全長をΣdとし、第1レンズの肉厚をd1とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのe線の屈折率の平均をn凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのe線の屈折率をn凹とし、正の屈折力を有する第1レンズおよび第3レンズのアッベ数の平均をν凸とし、負の屈折力を有する第2レンズのアッベ数をν凹とした場合に、下記の条件を満足することを特徴とする読取レンズ。
(1−6) 0.96 < f1/f < 1.08
(2−6)−0.31 < f2/f <−0.28
(3−6) 0.26 < Σd/f < 0.29
(4−6) 0.10 < d1/f < 0.12
(5−6) 0.114< n凸−n凹< 0.142
(6−6)12.58 < ν凸−ν凹< 14.09
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