JP4119047B2 - ダムバーカットダイの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ペレットがボンディングされるペレットフレームに形成されたダムバーを切断するのに用いるダムバーカットダイの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ペレットがボンディングされるペレットフレームに形成されたダムバーを切断する際は、ダムバーカットダイ及びダムバーカッターが組み合わされて使用される。
【0003】
例えば、図4に示すダムバーカットダイ30は、ダムバー切断装置に装着されてダムバーの切断に使用されるもので、櫛刃部31に硬度が要求されることから、全体が超硬合金等の超硬部材により形成されている。
【0004】
そして、繰り返しの使用により切れ味が悪くなって切断能力が低下したり切断不能となった場合には、ダムバーカットダイ30全体をダムバー切断装置から取り外して廃棄し、新たなダムバーカットダイと交換して使用するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ダムバーカットダイ30は、超硬合金の焼結体から一体成形されるため、単価が高い。しかも、このように単価の高いダムバーカットダイの切断能力が低下したり切断不能となった場合に、ダムバーカットダイ30全体を廃棄して新たなものと交換するのは極めて不経済である。
【0006】
また、超硬部材は難切削材であり、通常の金属等と比較すると加工に多くの工数を要する上に、本体部32はダムバー切断装置に対応した固有の形状に形成されなければならないため、ダムバーカットダイ30の発注から完成までには、一般的には20日〜40日の日数を要する。従って、このような納期の長さが原因で、ダムバーカットダイの使用者は、ダムバーの切断作業を比較的長期間中断しなければならず、生産性の低下を招くという問題もある。
【0007】
このように、ダムバーカットダイを用いたダムバーの切断においては、可能な限り安く、かつ速くダムバーカットダイの製造を行うことにより、経済性、生産性を向上させることに課題を有している。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための具体的手段として本発明は、
櫛刃が形成されていない本体部と、櫛刃部が形成される超硬部材とが分離して存在し、本体部の被固着部に超硬部材を固着してユニットを形成する工程と、本体部に形成されている位置規制部を基準位置としてユニットを切削装置の保持手段に保持する工程と、切削装置に備えたブレードによって該超硬部材に櫛刃部を形成する工程とから構成されるダムバーカットダイの製造方法において、ダムバーカットダイにおける切断機能が低下しまたは不能となった櫛刃部を本体部から離脱させる工程と、本体部の被離脱部に超硬部材を固着してユニットを形成する工程と、本体部に形成されている位置規制部を基準位置としてユニットを切削装置の保持手段に保持する工程と、切削装置に備えたブレードによって超硬部材に櫛刃部を形成する工程とから構成されるダムバーカットダイの製造方法を提供する。
0009
このように構成されるダムバーカットダイの製造方法及びダムバーカットダイによれば、従来のように全体が超硬部材によって一体形成されているのではなく、櫛刃部のみを超硬部材にすることができ、超硬部材の使用量が減って単価を低減することができる。また、櫛刃部の切断能力が低下したり切断不能となった場合でも、櫛刃部のみを交換すればよい。
0010
また、本体部の交換は不要であることから、本体部についてのみ種々のダムバー切断装置に対応した固有の形状のものを予め用意しておけば、櫛刃部については同一形状のものをそれぞれ形状の異なる本体部に固着して使用できるため、汎用的に使用することができ、製造に要する日数を短縮することができる。
0011
更に、従来のように櫛刃部と本体部とが超硬部材により一体成形されているダムバーカットダイにおいても、櫛刃部を切断してそこに新たな超硬部材を固着して櫛刃部を形成すれば、全体を交換するより安価に新規なダムバーカットダイを形成することができる。
0012
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態として、図1に示す切削装置10を用いてダムバーカットダイを製造する方法及びその方法により製造されるダムバーカットダイについて説明する。
0013
まず最初に、図2(A)に示すように、本体部11と、超硬部材12とを用意し、本体部11の被固着部13に、図2(B)−(イ)のように超硬部材12を粘着力の強力な接着剤によって固着する。本体部は、安価で加工しやすい部材で構成することが望ましい。なお、本体部11と超硬部材12とは図2(B)−(ロ)のようにボルトBで固定してもよい。
0014
次に、本体部11と超硬部材12とが一体となったユニット14を切削装置10の保持手段15に載置し、図2(C)に示すように、保持手段15に備えた治具16に形成されたガイド部17にガイドされながらユニット14をスライドさせることにより、ユニット14の位置規制部18がストッパ17aに当接して基準位置に位置付けられる。
0015
そして、基準位置に位置付けられたユニット14は、図2(D)に示すように、ネジ19を締めることにより固定される。こうして保持手段15に固定されたユニット14は、保持手段15がX軸方向に移動して切削手段20の作用を受ける。
0016
図1及び図2(D)を参照して説明すると、切削手段20においては、スピンドルハウジング21によって回転可能に支持されたスピンドル22の先端に切削ブレード23が装着されており、保持手段15が一度+X方向に移動して切削手段20より+X方向側に移動した後、スピンドル22及び切削ブレード23が回転しながら切削手段20が下降し、保持手段15が−X方向に移動することにより、高速回転する切削ブレード23が超硬部材12に接触し櫛刃が形成される。なお、切削ブレード23の厚みが櫛刃の間隔と等しくなるように調整されていれば、一回の切削によって所望の間隔の櫛刃を形成することができる。
0017
このような動作を切削手段20のY軸方向の割り出し送りと共に繰り返すことにより、図2(E)に示すように、超硬部材12が櫛刃部24となり、櫛刃部24と本体部11とからなるダムバーカットダイ25が形成される。
0018
このように、櫛刃部24と本体部11とからなるダムバーカットダイ25は、従来のように全体が超硬部材によって一体形成されているのではなく、櫛刃部のみに超硬部材が使用され、本体部は安価な部材で構成できるため、単価を低減することができる。また、櫛刃部24の切れ味が低下した場合も、櫛刃部のみを交換すればよいため、この点においても経済的である。
0019
更に、本体部11の交換は不要であるため、本体部11についてのみ種々のダムバー切断装置に対応した固有の形状のものを予め用意しておけば、櫛刃部24については同一形状のものをそれぞれ形状の異なる本体部11に固着して使用できる。即ち、櫛刃部は汎用的に使用することができる。従って、製造に要する日数を短縮することができる。そして、ダムバーの切断作業を長期間中断することがなくなるため、切断作業の生産性が向上する。
0020
次に、使用により切断能力が低下したり切断不能となったりしたダムバーカットダイの櫛刃部を離脱させて新たな櫛刃部を取り付けることにより新たなダムバーカットダイを製造する方法について説明する。
0021
図3(A)に示す従来のダムバーカットダイ30は、図4に示したものと同様に、全体が超硬部材により形成され、櫛刃部31の切断能力が低下したときは、従来はダムバーカットダイ30全体を交換していたが、本発明においては櫛刃部31のみを交換する。
0022
即ち、図3(B)に示すように、2点鎖線で示した線に沿って櫛刃部31を水平方向に切断して離脱させる。そして、図2(A)〜(E)に示した方法と同様の方法により、新たな超硬部材を、切断により本体部32に形成された切断面である被離脱部に固着して切削装置を用いて超硬部材に櫛刃を形成していき、櫛刃部を形成する。このような方法によれば、ダムバーカットダイ30全体を交換することなく櫛刃部のみを交換するだけで済むため、単価を低減することができる。また、本体部32は、すでにダムバー切断装置に対応した形状となっているため、ダムバー切断装置に対応した固有の形状にする必要がない。従って、製造に要する日数を短縮することができる。
0023
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るダムバーカットダイの製造方法及びダムバーカットダイによれば、従来のように全体が超硬部材によって形成されているのではなく、櫛刃部のみを超硬部材にすることができるため、超硬部材の使用量が減ると共に、本体部を安価で加工しやすい部材で構成することができる。従って、単価を低減することができるため、経済的である。また、櫛刃部の切断能力が低下したり切断不能となった場合でも、櫛刃部のみを交換すればよいため、この点においても経済性を向上させることができる。
0024
また、本体部の交換は不要であり、本体部についてのみ種々のダムバー切断装置に対応した固有の形状のものを予め用意しておけば、櫛刃部については同一形状のものをそれぞれ形状の異なる本体部に固着して使用できるため、汎用的に使用することができ、製造に要する日数を短縮することができる。そして、ダムバーの切断作業を長期間中断することがなくなるため、生産性を向上させることができる。
0025
更に、従来のように櫛刃部と本体部とが超硬部材により一体成形されているダムバーカットダイにおいても、櫛刃部を切断してそこに新たな超硬部材を固着して櫛刃部を形成すれば、全体を交換するより安価に新規なダムバーカットダイを形成することができるため、既存のダムバーカットダイを有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダムバーカットダイの製造に用いる切削装置の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係るダムバーカットダイの製造方法を工程順に示した斜視図である。
【図3】 従来のダムバーカットダイを切断し、本発明に係るダムバーカットダイの製造方法によって新たなダムバーカットダイを形成する方法を示す斜視図である。
【図4】 従来のダムバーカットダイを示す斜視図である。
【符号の説明】
10・・・切削装置 11・・・本体部 12・・・超硬部材
13・・・被固着部 14・・・ユニット 15・・・保持手段
16・・・治具 17・・・ガイド部 17a・・・ストッパ
18・・・位置規制部 19・・・ネジ 20・・・切削手段
21・・・スピンドルハウジング 22・・・スピンドル
23・・・切削ブレード 24・・・櫛刃部
25・・・ダムバーカットダイ
30・・・ダムバーカットダイ 31・・・櫛刃部
32・・・本体部

Claims (1)

  1. 櫛刃が形成されていない本体部と、櫛刃部が形成される超硬部材とが分離して存在し、該本体部の被固着部に超硬部材を固着してユニットを形成する工程と、該本体部に形成されている位置規制部を基準位置として該ユニットを切削装置の保持手段に保持する工程と、該切削装置に備えたブレードによって該超硬部材に櫛刃部を形成する工程とから構成されるダムバーカットダイの製造方法において、
    該ダムバーカットダイにおける切断機能が低下しまたは不能となった該櫛刃部を該本体部から離脱させる工程と、該本体部の被離脱部に超硬部材を固着してユニットを形成する工程と、該本体部に形成されている位置規制部を基準位置として該ユニットを切削装置の保持手段に保持する工程と、該切削装置に備えたブレードによって該超硬部材に櫛刃部を形成する工程とから構成されるダムバーカットダイの製造方法
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