JP4119042B2 - フラットディスプレイパネル熱処理用平板とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットディスプレイパネルの製造工程において、熱処理の際に使用される平板(棚板)に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットディスプレイパネルの製造工程においては、熱処理として、フラットディスプレイパネルのガラス基板にプリントを施した後に乾燥と焼きつけを行っており、この熱処理の際にパネルを載置するための平板(棚板)が必要となる。このようなフラットディスプレイパネル熱処理用平板として、従来は結晶化ガラス板が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、フラットディスプレイの大型化、高精細化、薄型化が進行する中で、フラットディスプレイパネル熱処理用平板として使用される結晶化ガラス板のたわみや熱伝導性が問題となってきた。すなわち、フラットディスプレイパネルを載置する結晶化ガラス板が熱間でたわむことにより、プリントに欠陥が発生したり、また、結晶化ガラスの熱伝導度の低さから、熱処理時に平板内で温度の不均一な場所が生じ、乾燥や焼きつけにムラができたりすることがあった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来フラットディスプレイパネル熱処理用平板として使用されてきた結晶化ガラス板よりもたわみにくく、高い熱伝導度を持ち、フラットディスプレイパネル熱処理時のプリントの欠陥や乾燥・焼きつけのムラが生じにくいフラットディスプレイパネル熱処理用平板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、フラットディスプレイパネルの熱処理の際にフラットディスプレイパネルを載置するために用いる熱処理用平板であって、炭化珪素に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる薄板が複数枚重ね合わされた構造を有し、各薄板が押出し成形にて成形されたものであって、押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ね合わされていることを特徴とするフラットディスプレイパネル熱処理用平板(第一の熱処理用平板)、が提供される。
【0007】
更に、本発明によれば、炭化珪素粉末と炭素粉末とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭化珪素-炭素質成形体を、押出し成形時の押出し方向が一致しないよう複数枚重ねて貼り合わせて積層体とし、これを金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中において前記金属珪素を含浸させながら焼成することを特徴とするフラットディスプレイパネル熱処理用平板の製造方法、が提供される。
【0008】
更にまた、本発明によれば、フラットディスプレイパネルの熱処理の際にフラットディスプレイパネルを載置するために用いる熱処理用平板であって、炭素粉末と炭素繊維との混合物に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる少なくとも1枚の薄板を、炭化珪素に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる薄板で挟み込んだ構造を有し、各薄板が押出し成形にて成形されたものであって、押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ね合わされていることを特徴とするフラットディスプレイパネル熱処理用平板(第二の熱処理用平板)、が提供される。
【0009】
更にまた、本発明によれば、炭素粉末と炭素繊維とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭素質成形体の両面に、炭化珪素粉末と炭素粉末とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭化珪素-炭素質成形体を、これら各成形体の押出し成形時の押出し方向が一致しないよう重ねて貼り合わせて積層体とし、これを金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中において前記金属珪素を含浸させながら焼成することを特徴とするフラットディスプレイパネル熱処理用平板の製造方法、が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、第一の熱処理用平板について説明する。第一の熱処理用平板は、炭化珪素に金属珪素を含浸させたセラミック材(Si含浸SiC)からなることを特徴とするものである。従来、このようなセラミック材を、窯業製品焼成用棚板等の用途に用いる試みがなされているが、フラットディスプレイパネルの熱処理用平板に用いることは知られていない。下表は、従来、フラットディスプレイパネルの熱処理用平板として使用されてきた結晶化ガラス(多結晶ガラス)と、第一の熱処理用平板に使用されるSi含浸SiCとの主な特性を比較したものである。
【0011】
【表1】
【0012】
この表に示すように、Si含浸SiCは、多結晶ガラスよりもはるかに高い熱伝導度を有し、また、たわみやすさの指標となるヤング率も高く、たわみにくいものである。したがって、Si含浸SiCからなる第一の熱処理用平板を使用してフラットディスプレイパネルの熱処理を行うと、従来品を使用した場合に比してプリントの欠陥や乾燥・焼きつけのムラが生じにくい。
【0013】
なお、第一の熱処理用平板は、Si含浸SiCからなる薄板が複数枚重ね合わされた構造を有するものである。図1は、Si含浸SiCからなる薄板3a、3b、3cを3枚重ね合わせた構造を有する熱処理用平板1を示す。このような積層構造とした場合、薄板の重ね方や薄板の珪素含有率について検討することにより、更にたわみを少なくしたり、熱伝導度をより向上させたりすることができる。
【0014】
熱処理用平板が押出し成形法により成形されたものである場合、成形体中の粒子は成形時の押出し方向に配向していることがあるが、このような配向性を持った成形体より得られた熱処理用平板は、特定の方向にたわみやすくなる。そこで、熱処理用平板を押出し成形法により成形された複数枚の薄板からなる積層構造とし、薄板をその押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ね合わせることにより、たわみの方向性を解消し、また、たわみ自体をより小さく抑えることができる。例えば、図2は薄板3aと3bとを押出し方向を90゜ずらして重ね合わせた熱処理用平板1を示している(図中、矢印Aが薄板3aの押出し方向、矢印Bが薄板3bの押出し方向である。)。
【0015】
また、前記のような積層構造を有する第一の熱処理用平板において、それを構成する薄板の珪素含有率を同一にせず、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板3aが他の薄板よりも高い珪素含有率を有するようにすると、熱処理時において、フラットディスプレイパネルが載置される面の熱伝導度が特に向上し、乾燥・焼成のむらがより生じにくくなる。
【0016】
図1のように、Si含浸SiCからなる薄板を3枚又はそれより多く重ね合わせた構造の場合は、熱処理用平板1の両面を構成する2枚の薄板3a、3cが他の薄板3bよりも高い珪素含有率を有するようにすると、熱処理用平板表面部分の面の熱伝導度が向上して、前記同様、フラットディスプレイパネルの乾燥・焼成のむらがより生じにくくなる。
【0017】
このように、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板、又は熱処理用平板の両面を構成する2枚の薄板の珪素含有率を、他の薄板のそれよりも高くする場合、その具体的な珪素含有率は20重量%以上とすることが、良好な熱伝導度を得る上で好ましい。なお、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板や熱処理用平板の両面を構成する2枚の薄板だけでなく、熱処理用平板全体の珪素含有率を20重量%以上に高めた場合には、良好な熱伝導度は得られるものの、強度は前記の場合に比して低下する。
【0018】
また、前記のような積層構造を有する第一の熱処理用平板において、それを構成する薄板の気孔率を同一にせず、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板3aが他の薄板よりも高い気孔率を有するようにしてもよい。フラットディスプレイパネル熱処理用平板は、そのフラットディスプレイパネルが載置される面の表面粗さが、Ra(中心線平均粗さ)5μm程度であることが必要であり、この表面粗さは熱処理用平板表面の研磨加工により得られる。
【0019】
ここで、熱処理用平板の気孔が含浸した金属珪素により完全に埋められている場合、表面の緻密さのため研磨加工が困難で長時間の研磨作業が必要となる。そこで、前記のようにフラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板が他の薄板よりも高い気孔率を有するようにし、気孔を金属珪素により完全に埋め切らないようにしておくことにより、研磨加工が容易となり研磨作業の時間を短縮することができるようになる。
【0020】
このように、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板の気孔率を、他の薄板のそれよりも高くする場合、その具体的な気孔率は5%以上とすることが、良好な研磨加工性を得る上で好ましい。なお、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板だけでなく、熱処理用平板全体の気孔率を5%以上に高めた場合には、研磨加工はしやすくなるものの、強度や熱伝導度は前記の場合に比して低下する。
【0022】
また、第一の熱処理用平板が積層構造を有するものである場合においては、その製造は、炭化珪素粉末と炭素粉末とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭化珪素-炭素質成形体を、押出し成形時の押出し方向が一致しないよう複数枚重ねて貼り合わせて積層体とし、これを金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中において前記金属珪素を含浸させながら焼成するという方法で行うことができる。
【0023】
炭化珪素-炭素質成形体の炭化珪素粉末と炭素粉末との混合割合は、重量比で100:0〜70:30とすることが好ましい。なお、積層構造の熱処理用平板を製造する場合は、すべての炭化珪素-炭素質成形体の前記混合割合を同一にしなくてもよい。例えば、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する炭化珪素-炭素質成形体の珪素含有率を高めるため、当該炭化珪素-炭素質成形体の炭化珪素粉末の割合を、他の炭化珪素-炭素質成形体の炭化珪素粉末の割合よりも大きくするようにしてもよい。また、積層体を構成する薄板状の炭化珪素-炭素質成形体の厚みは、1〜5mm程度とすることが好ましい。
【0024】
炭化珪素-炭素質成形体の成形方法としては、押出し成形を用いる。積層構造を有する熱処理用平板を製造する場合において、薄板状の炭化珪素-炭素質成形体を押出し成形にて成形したときは、前述のようにその押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ねて貼り合わせると、たわみの方向性を解消し、また、たわみ自体をより小さく抑えることができる。
【0025】
薄板状の炭化珪素-炭素質成形体の貼り合わせには、炭化珪素微粒子と炭素微粒子との混合物に、フェノールやメチルセルロースなどを有機バインダーとして添加し、更にこれがペースト状になる程度の水を加えて得た接合用スラリーが好適に使用できる。このような接合用スラリーを貼り合わせようとする面の両方に塗布して重ね合わせる。
【0026】
焼成温度は1350〜2500℃の範囲とすることが好ましい。金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中にて、このような温度で焼成すると、溶融した金属珪素が、成形体中に含浸されて成形体中の炭素粉末と反応してこれを炭化珪素化するとともに、気孔中に充填されて緻密化する。
【0027】
なお、積層構造の熱処理用平板であって、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板が他の薄板よりも高い気孔率を有するものを製造する場合には、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する炭化珪素-炭素質成形体が、他の炭化珪素-炭素質成形体よりも高い気孔率を有するようにし、当該高い気孔率を有する炭化珪素-炭素質成形体の気孔が、金属珪素で完全に充填されることのないように、含浸させる金属珪素量を調整して焼成を行う。
【0028】
このような方法で製造された熱処理用平板は、前述のようにフラットディスプレイパネルが載置される面の研磨加工が容易で研磨作業を短時間で行える。成形体の気孔率は、例えば押出し成形時の押出し圧力や造孔材の添加、粗粒と微粒の配合割合などによって制御することができる。
【0029】
次に、第二の熱処理用平板について説明する。第二の熱処理用平板は、炭素粉末と炭素繊維との混合物に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる少なくとも1枚の薄板を、炭化珪素に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる薄板で挟み込んだ構造を有し、各薄板が押出し成形にて成形されたものであって、押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ね合わされていることを特徴とするものである。すなわち、熱処理用平板の両面を構成する薄板は、前記第一の熱処理用平板と同様Si含浸SiCであるが、内層部分を構成する薄板には、炭素粉末と炭素繊維との混合物に金属珪素を含浸させたセラミック材を使用している。
【0030】
図3は、第二の熱処理用平板の実施形態の一例であって、炭素粉末と炭素繊維との混合物に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる1枚の薄板9を、Si含浸SiCからなる薄板7a、7bで挟み込んだ熱処理用平板5を示している。このような構造を有する第二の熱処理用平板は、熱処理用平板5の両面を構成する薄板7a、7bにSi含浸SiCからなるものを用いたことにより、前記第一の熱処理用平板と同様に、従来の多結晶ガラスからなる熱処理用平板よりもはるかに高い熱伝導度とたわみにくさを有し、フラットディスプレイパネルの熱処理時のプリントの欠陥や乾燥・焼きつけのムラが生じにくい。
【0031】
加えて、第二の熱処理用平板は、その内層となる部分に、炭素粉末と炭素繊維との混合物に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる薄板9を用いたことにより、熱処理用平板全体の軽量化が図られ、また、この軽量化に伴う省エネ効果が得られる。なお、この内層部分を構成する薄板9は、前記のようにSi含浸SiCからなる薄板7a、7bで挟み込まれてほとんど外部に露出しないので、炭素の酸化消失が防止される。
【0032】
第二の熱処理用平板も、前記第一の熱処理用平板と同様に、各薄板が押出し成形にて成形されたものであり、押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ね合わされている。また、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板7aが、他の薄板よりも高い珪素含有率を有し、その具体的な珪素含有率が20重量%以上であることが好ましい。更に、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板7aが、他の薄板よりも高い気孔率を有し、その具体的な気孔率が5%以上であることが好ましい。
【0033】
第二の熱処理用平板の製造は、炭素粉末と炭素繊維とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭素質成形体の両面に、炭化珪素粉末と炭素粉末とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭化珪素-炭素質成形体を、これら各成形体の押出し成形時の押出し方向が一致しないよう重ねて貼り合わせて積層体とし、これを金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中において前記金属珪素を含浸させながら焼成するという方法で行うことができる。
【0034】
炭素質成形体の、炭素粉末と炭素繊維との混合割合は、重量比で70:30〜40:60とすることが好ましい。また、炭化珪素-炭素質成形体の炭化珪素粉末と炭素粉末との混合割合は、重量比で100:0〜70:30とすることが好ましい。なお、例えば、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する炭化珪素-炭素質成形体の珪素含有率を高めるため、当該炭化珪素-炭素質成形体の炭化珪素粉末の割合を、他の炭化珪素-炭素質成形体の炭化珪素粉末の割合より大きくするようにしてもよい。また、積層体を構成する薄板状の炭素質成形体及び炭化珪素-炭素質成形体の厚みは、1〜5mm程度とすることが好ましい。
【0035】
成形体の成形方法としては、押出し成形を用いる。各成形体を押出し成形にて成形したときは、前述のようにその押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ねて貼り合わせると、たわみの方向性を解消し、また、たわみ自体をより小さく抑えることができる。
【0036】
成形体の貼り合わせには、炭化珪素微粒子と炭素微粒子との混合物に、フェノールやメチルセルロースなどを有機バインダーとして添加し、更にこれがペースト状になる程度の水を加えて得た接合用スラリーが好適に使用できる。このような接合用スラリーを貼り合わせようとする面の両方に塗布して重ね合わせる。
【0037】
焼成温度は1350〜2500℃の範囲とすることが好ましい。金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中にて、このような温度で焼成すると、溶融した金属珪素が、成形体中に含浸されて成形体中の炭素粉末及び炭素繊維と反応してこれらを炭化珪素化するとともに、気孔中に充填されて緻密化する。
【0038】
なお、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板が他の薄板よりも高い気孔率を有するものを製造する場合には、炭素質成形体の両面に貼り合わせる炭化珪素-炭素質成形体のうち、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する炭化珪素-炭素質成形体が、他の成形体よりも高い気孔率を有するようにし、当該高い気孔率を有する炭化珪素-炭素質成形体の気孔が、金属珪素で完全に充填されることのないように、含浸させる金属珪素量を調整して焼成を行う。
【0039】
このような方法で製造された熱処理用平板は、前述のようにフラットディスプレイパネルが載置される面の研磨加工が容易で研磨作業を短時間で行える。成形体の気孔率は、例えば押出し成形時の押出し圧力や造孔材の添加、粗粒と微粒の配合割合などによって制御することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフラットディスプレイパネル熱処理用平板は、その構成材料として、従来用いられてきた結晶化ガラスよりも熱伝導度が高く、たわみにくい性質を有するSi含浸SiCを用いたことにより、フラットディスプレイパネル熱処理時のプリントの欠陥や乾燥・焼きつけのムラが生じにく、近年におけるフッラトディスプレイの大型化、高精細化、薄型化に好適に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一の熱処理用平板の実施形態の一例を示す説明図であって、Si含浸SiCからなる薄板を3枚重ね合わせた構造を有する熱処理用平板を示す斜視図である。
【図2】 第一の熱処理用平板の実施形態の一例を示す説明図であって、押出し成形時の押出し方向を90゜ずらして薄板を重ね合わせた熱処理用平板を示す斜視図である。
【図3】 第一の熱処理用平板の実施形態の一例を示す説明図であって、炭素粉末と炭素繊維との混合物に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる1枚の薄板を、Si含浸SiCからなる薄板で挟み込んだ例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…第一の熱処理用平板、3a…薄板、3b…薄板、3c…薄板、5…第二の熱処理用平板、7a…薄板、7b…薄板、9…薄板。
Claims (16)
- フラットディスプレイパネルの熱処理の際にフラットディスプレイパネルを載置するために用いる熱処理用平板であって、炭化珪素に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる薄板が複数枚重ね合わされた構造を有し、各薄板が押出し成形にて成形されたものであって、押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ね合わされていることを特徴とするフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板が、他の薄板よりも高い金属珪素含有率を有する請求項1記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- 炭化珪素に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる薄板が3枚以上重ね合わされた構造を有し、熱処理用平板の両面を構成する2枚の薄板が、他の薄板よりも高い珪素含有率を有する請求項1記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板の金属珪素含有率が20重量%以上である請求項2記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- 熱処理用平板の両面を構成する2枚の薄板の珪素含有率が20重量%以上である請求項3記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板が、他の薄板よりも高い気孔率を有する請求項1記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板の気孔率が5%以上である請求項6記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- 炭化珪素粉末と炭素粉末とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭化珪素 - 炭素質成形体を、押出し成形時の押出し方向が一致しないよう複数枚重ねて貼り合わせて積層体とし、これを金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中において前記金属珪素を含浸させながら焼成することを特徴とするフラットディスプレイパネル熱処理用平板の製造方法。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する炭化珪素質成形体が、他の炭化珪素 - 炭素質成形体よりも高い気孔率を有するようにし、当該高い気孔率を有する炭化珪素 - 炭素質成形体の気孔が、金属珪素で完全に充填されることのないように、含浸させる金属珪素量を調整して焼成を行う請求項8記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板の製造方法。
- フラットディスプレイパネルの熱処理の際にフラットディスプレイパネルを載置するために用いる熱処理用平板であって、炭素粉末と炭素繊維との混合物に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる少なくとも1枚の薄板を、炭化珪素に金属珪素を含浸させたセラミック材からなる薄板で挟み込んだ構造を有し、各薄板が押出し成形にて成形されたものであって、押出し成形時の押出し方向が一致しないように重ね合わされていることを特徴とするフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板が、他の薄板よりも高い金属珪素含有率を有する請求項10記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板の金属珪素含有率が20重量%以上である請求項11記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板が、他の薄板よりも高い気孔率を有する請求項10記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する薄板の気孔率が5%以上である請求項13記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板。
- 炭素粉末と炭素繊維とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭素質成形体の両面に、炭化珪素粉末と炭素粉末とを所定の割合で混合し押出し成形して得られた薄板状の炭化珪素 - 炭素質成形体を、これら各成形体の押出し成形時の押 出し方向が一致しないよう重ねて貼り合わせて積層体とし、これを金属珪素が存在する減圧の不活性ガス雰囲気又は真空中において前記金属珪素を含浸させながら焼成することを特徴とするフラットディスプレイパネル熱処理用平板の製造方法。
- 炭素質成形体の両面に貼り合わせる炭化珪素 - 炭素質成形体のうち、フラットディスプレイパネルが載置される面を構成する炭化珪素 - 炭素質成形体が、他の成形体よりも高い気孔率を有するようにし、当該高い気孔率を有する炭化珪素 - 炭素質成形体の気孔が、金属珪素で完全に充填されることのないように、含浸させる金属珪素量を調整して焼成を行う請求項15記載のフラットディスプレイパネル熱処理用平板の製造方法。
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