JP4118612B2 - 雨水等の貯留及び浸透槽用充填材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、上面が被覆層で覆われた雨水等の貯留及び浸透用槽に用いる充填材に係り、詳しくは、上面が被覆層で覆われた雨水等を貯留及び浸透させる水溜用空間施設を施工する際に、上面被覆層の重量、上面被覆層にかかる荷重及び側面からの土圧を支える雨水等の貯留及び浸透槽用充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市部での家屋の浸水や河川の氾濫を防止するために、あるいは、水不足対策として、水溜用空間施設である雨水等の貯留及び浸透槽を施工することが行われている。これらの雨水等の貯留及び浸透槽は、雨水等を一定時間貯留した後、河川等に順次放流したり、積極的に地下に浸透させることにより、雨水等による河川の氾濫、家屋の浸水による災害を防止する。さらに、雨水等の貯留及び浸透槽は、貯留した雨水等を汲み上げて利用するために用いられる。
【0003】
このような雨水等の貯留及び浸透槽に充填する充填材として、出願人らは先に、特許第3208379号公報記載の「雨水等の貯留及び浸透施設用充填材」を提案した。この充填材は、次のように構成されている。即ち、中空体である複数の支柱と前記支柱を垂直に固定する連結部材とからなり、前記連結部材は前記支柱の端部を嵌合固定する複数の支柱嵌合部を所定の間隔で配設し、前記支柱嵌合部同士を連結桟及び縁枠で一体に連結してなる。そして、前記支柱嵌合部には筒部と前記筒部の内部に配設され通水可能なストッパーが設けられている。
【0004】
前記支柱と連結部材とは、支柱の上端部を支柱嵌合部の筒部の下部に嵌合させることによって充填材として組み立てられる。上記充填材を使用するには、水平方向に並列させるとともに、垂直方向に積み重ねることによって充填する。このとき、水平方向における充填材同士はH型連結具によって固定される。
【0005】
前記連結部材は、支柱と支柱の間に介在させることによって支柱を垂直方向に連結するとともに、水平方向においても支柱間を一体的に連結する。連結部材は、実際の製品では、幅寸法が500mm×500mm、高さ寸法が50mmに形成されている。支柱の長さ寸法は270mmであって、支柱嵌合部には25mmの長さだけ嵌合するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記連結部材は、材料の節減と雨水等の貯留及び浸透槽の空隙率を上げるために、高さ寸法を最小限に形成されている。一方、連結部材の支柱嵌合部における筒部の長さも連結部材の高さ寸法に合わせて形成されているために、十分な挿入長さに形成されていない。
【0007】
このために、運搬中に、支柱が連結部材から外れるということがあった。特に、連結部材の四隅に組み立てられた支柱は、他の充填材等と接触したり衝突することが多く、他の部分の支柱よりも外れる確率が高かった。外れた支柱は、連結部材に再度取り付けなければならないから、雨水等の貯留及び浸透槽に充填する際に、作業効率が悪くなるという問題があった。
【0008】
また、雨水等の貯留及び浸透槽が小型であり、従って充填材も低荷重用で足りる場合には、使用する支柱の本数を減らして連結部材に組み立てられることがある。このような場合に、連結部材から支柱が外れることは、強度上重大な支障を来すことになる。特に、四隅の支柱が外れた充填材は使用することができない。そのために、充填材を雨水等の貯留及び浸透槽に充填する際に、一つずつ支柱の本数を確認しなければならず、手間を要するという問題があった。
【0009】
この発明は、かかる現況に鑑みてなされたもので、運搬中に支柱が連結部材から外れることがなく、しかも従来に比して充填作業の効率がよく、より堅牢に組み立てられる雨水等の貯留及び浸透槽用充填材を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明に係る雨水等の貯留及び浸透槽用充填材は、中空体である複数の着脱自在支柱と前記着脱自在支柱を垂直に固定する連結部材とからなり、前記連結部材は、着脱自在支柱の端部を挿入固定する複数の支柱嵌合部を連結桟及び四周を縁取りする縁枠で一体に連結し、前記支柱嵌合部は着脱自在支柱の端部を挿入する筒部の内部に設けたストッパーにより上面開口部と下面開口部に分割されており、縁枠の四隅以外における支柱嵌合部は、高さ寸法を縁枠の高さ寸法に合わせて形成されており、縁枠の四隅における支柱嵌合部は、縁枠の下端から突出しているとともに、下面開口部の開口径を四隅以外の支柱嵌合部の下面開口部の開口径よりも大きく形成し周面を末広がりのテーパ面としたことを特徴とする。
縁枠の四隅における支柱嵌合部の下面開口部のストッパーからの長さを、着脱自在支柱の幅(外径)寸法の0.75〜3.0倍にすることが好ましい。
【0011】
また、この発明に係る雨水等の貯留及び浸透槽用充填材は、中空体である複数の着脱自在支柱と前記着脱自在支柱を垂直に固定する連結部材とからなり、前記連結部材は、着脱自在支柱の端部を挿入固定する複数の支柱嵌合部を連結桟及び四周を縁取りする縁枠で一体に連結し、前記支柱嵌合部は着脱自在支柱の端部を挿入する筒部の内部に設けたストッパーにより上面開口部と下面開口部に分割されており、縁枠の四隅以外における支柱嵌合部は、高さ寸法を縁枠の高さ寸法に合わせて形成されており、縁枠の四隅における支柱嵌合部は、下端を延長して固定支柱に形成され、前記固定支柱はストッパーから下端までの長さを着脱自在支柱の長さと同一としたことを特徴とする。
連結部材の略中心部に設けた支柱嵌合部は、下端を延長して固定支柱として形成され、前記固定支柱はストッパーから下端までの長さを着脱自在支柱の長さと同一に形成してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、図1〜4に示す第1の発明の実施形態について詳細に説明する。この発明に係る充填材1は、連結部材11と着脱自在支柱31とからなる。連結部材11は、上下面に開口した支柱嵌合部12を複数個所定の間隔で配設し、前記複数の支柱嵌合部12を連結桟21で連結すると共に、四周を側板26a及び天板26bからなる縁枠26で縁取りすることにより形成されている。前記連結桟21は側板21a及び天板21bからなり、正方形の縁枠26の側板26aに対して対角状に設けられている。連結桟21の側板21aは、図3に示すように、円弧状に湾曲している。
【0013】
なお、連結部材11の平面形状は、正方形に限定されるものではなく、長方形、三角形、あるいはその他の多角形であってもよい。また、連結桟21は側板21a同士を湾曲させることなく平行に形成してもよい。さらに、連結桟21は前記構造に限定されるものではなく、支柱嵌合部12を連結可能な構造であれば適宜の形状に変更できるものである。
【0014】
前記支柱嵌合部12は、筒部13と前記筒部13の内部に配設したストッパー14とからなり、ストッパー14はドーナツ状の板状体であって、筒部13の高さの略中間位置に設けられている。ストッパー14を設けることによって、筒部13は、上面開口部13aと下面開口部13bに分割されている。ストッパー14には、中央部の透孔14aと筒部13の内面に接する透孔14bが設けられており、筒部13の上下から挿入された着脱自在支柱31の端面を係止すると共に、着脱自在支柱31同士を連通させて内部に流入した雨水等を通水するように形成されている。
【0015】
なお、ストッパー14の構造は、上記構造のように板状体に透孔14aを設けるものではなく、単に内方に突出するリブであってもよく、あるいは簀の子状または井桁状の構造であってもよく、その他嵌合した着脱自在支柱31を係止する構造であれば特に限定されるものではない。
【0016】
また、前記上面開口部13aの内面上部は、組立時に上段に積んだ充填材の着脱自在支柱31の下端部が容易に嵌合するように、開口に向かって拡径したテーパ面とすることが好ましい。さらに、連結部材11の中央部における筒部13では、上面開口部13aの内径寸法は下面開口部13bの内径寸法と同じか、わずかに大きく形成しているが、中央部の筒部から縁枠26側に離れるに従って上面開口部13aの内径は下面開口部13bのそれよりも大きく形成することが好ましい。
【0017】
上記のように、上面開口部13aと下面開口部13bとの内径寸法の差、即ち、中央部から縁枠26側に離れるに従って上面開口部13aを下面開口部13bよりも大きく形成すれば、施工時に充填材を容易に積み重ねることができる。この理由は、上記連結部材11と着脱自在支柱31とを組み立ててなる充填材は、支柱の間隔がすべて等間隔で垂直に組み立てられているとは限らない。しかしながら、上記構成のように、上面開口部13aと下面開口部13bとの内径の差を中央部から離れるに従って大きく形成することによって、筒部13と着脱自在支柱31との対向位置が多少ずれていても嵌合させることができるからである。
【0018】
また、下面開口部13bの内面には、係止片15が前記透孔14bと対向する下方の位置に突設されている。前記係止片15は、ストッパー14の下方にあって着脱自在支柱31に当接し、着脱自在支柱31が容易に抜け落ちないように係止するものである。なお、前記係止片15は省略することが可能である。
【0019】
さらに、この発明では、四隅における筒部13の下面開口部13Bは、他の部分の下面開口部13bよりも長く形成されている。即ち、四隅以外の下面開口部13bの長さは、縁枠26の高さ寸法に合わせて形成されているが、四隅の下面開口部13Bは、縁枠26の下端から下方に突出して形成されている。四隅の下面開口部13Bの長さLは、縁枠26の下端から突出しているとともに、支柱の平面形状が円又は正方形の場合は支柱の幅(外径)寸法Dに対して0.75D≦L≦3.0Dとすることが好ましい。
【0020】
四隅の下面開口部13Bの長さLが、支柱の幅(外径)寸法Dの0.75倍以下の場合は、支柱の外れ防止効果が得られない。また、四隅の下面開口部13Bの長さLが、支柱の幅(外径)寸法Dの3.0倍以上の場合は、連結部材11を成形する金型や成形機が大きくなってコストアップになるばかりでなく、着脱自在支柱と連結部材の組立作業の能率が低下する。
【0021】
また、四隅の筒部13は、下面開口部13Bが縁枠26から突出している分だけ他の下面開口部13bよりも長いことから、下面開口部13Bの開口径をわずかに大きく形成して周面を末広がりのわずかなテーパ面としてもよい。このように、四隅の下面開口部13Bの下面開口側を太く形成してテーパ面とした場合には、前記下面開口部13Bに挿入する着脱自在支柱31の端部も密着して挿入するように、先端を細くしたテーパ面とすることが好ましい。四隅の下面開口部13Bと着脱自在支柱先端部をテーパ面とすることにより挿入が容易であるとともに、より密着させることによって確実に組み立てることができる。
【0022】
なお、上記実施形態では、四隅の下面開口部13Bの長さを縁枠26の下端から突出させた場合について説明したが、四隅に限定されるものではなく、衝突して脱落のおそれのある縁枠26に接する筒部13においても、下面開口部13bを縁枠26の下端から突出して形成してもよい。このように、四隅のみならず縁枠26に接する筒部13の下面開口部13bを縁枠26の下端から突出して形成した場合には、着脱自在支柱31の脱落を防止するばかりでなく、より一層堅牢な充填材とすることができる。
【0023】
次に、着脱自在支柱31について説明する。着脱自在支柱31は、円筒体であって、両端縁部に前記筒部13の下面開口部13b、13Bに設けた係止片15に係止する環状膨出部32が形成されており、さらに、下面開口部13b、13Bに挿入可能な環状突起33が形成されている。前記環状膨出部32及び環状突起33は着脱自在支柱31の両端縁部において上下対称に形成されており、いずれかの端部を下面開口部13b、13Bに任意に挿入することができる。
【0024】
着脱自在支柱31を下面開口部13b、13Bに挿入すると、前記環状膨出部32が係止片15と係合して容易に抜け落ちないと共に、環状突起33が下面開口部13b、13Bに嵌合することによってさらに緊密に嵌合する。また、着脱自在支柱31には、内部に雨水等を流入させるための貫通孔34が設けられている。
【0025】
なお、上記実施形態における着脱自在支柱31は、円筒体に限定されるものではなく、支柱の平面形状が三角形、矩形、その他の多角形あるいは楕円形であってもよい。支柱の平面形状が楕円又は長方形の場合は、四隅の下面開口部13Bの長さLは、支柱の短辺寸法M、長辺寸法Nに対して0.75M≦L≦3.0Nとする。また、環状膨出部32及び環状突起33は適宜省略することができる。環状膨出部32及び環状突起33を適宜省略した場合には、押出成形したパイプを適宜の長さに切断して着脱自在支柱31とすることも可能であり、貫通孔34は後加工により設ければよい。
【0026】
次に、連結部材11と着脱自在支柱31を充填材として組み立てる場合について説明すると、連結部材11の支柱嵌合部12を構成する下面開口部13b、13Bに着脱自在支柱31の端部を嵌合させれば、着脱自在支柱31の端面はストッパー14に当接するとともに、係止片15と係合することによって固定され、連結部材11の下面に着脱自在支柱31を一体に取り付けた充填材が組み立てられる。このとき、着脱自在支柱31は環状膨出部32及び環状突起33が緊密に嵌合することによって連結部材11に対してほぼ直角に固定される。
【0027】
次に、図5、6に示す第2の発明の実施形態について説明する。前記の第1の発明の実施態様と同一構成については同一符号を付すことによって重複説明を避け、異なる部分についてのみ詳細に説明する。この発明に係る充填材2は、連結部材41と着脱自在支柱31とからなる。連結部材41は、上下面に開口した支柱嵌合部12を複数個所定の間隔で配設し、前記複数の支柱嵌合部12を連結桟21で連結すると共に、四周を側板26a及び天板26bからなる縁枠26で縁取りすることにより形成されている。前記連結桟21は四周を側板21a及び天板21bからなり、正方形の縁枠26の側板26aに対して対角状に設けられている。
【0028】
前記支柱嵌合部12は、筒部13と前記筒部13の内部に配設したストッパー14とからなり、ストッパー14はドーナツ状の板状体であって、筒部13の高さの略中間位置に設けられている。ストッパー14を設けることによって、筒部13は、上面開口部13aと下面開口部13bに分割されている。ストッパー14には、中央部の透孔14aと筒部13の内面に接する透孔14bが設けられている。
【0029】
また、四隅の支柱嵌合部12の下面開口部13Bは、縁枠26の下端から下方に延長して固定支柱36となって連結部材41に一体に形成されている。固定支柱36は、ストッパー14から固定支柱36の下端面までの長さを着脱自在支柱31の長さと同一とし、下端縁には環状膨出部32及び環状突起33を設けるとともに、適所に透孔34を設ける。
【0030】
さらに、四隅以外の支柱嵌合部12の下面開口部13bの内面には、係止片15が前記透孔14bと対向する下方の位置に突設されている。前記係止片15は、ストッパー14の下方にあって着脱自在支柱31に当接し、着脱自在支柱31が容易に抜け落ちないように係止するものである。なお、前記係止片15は省略することが可能である。
【0031】
次に、四隅以外の支柱嵌合部12の下面開口部13bに嵌合する着脱自在支柱31について説明する。着脱自在支柱31は、円筒体であって、両端縁部に前記筒部13の下面開口部13b、13Bに設けた係止片15に係止する環状膨出部32が形成されており、さらに、四隅以外の下面開口部13bに挿入可能な環状突起33が形成されている。前記環状膨出部32及び環状突起33は着脱自在支柱31の両端縁部において上下対称に形成されており、いずれかの端部を下面開口部13bに任意に挿入することができる。
【0032】
各支柱嵌合部12は、上記のとおり構成されているため、充填材を上下に積み重ねた場合、固定支柱36同士及び着脱自在支柱31同士を連通させて雨水等を各支柱の内部に通水することができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、四隅における支柱嵌合部12の下面開口部13Bと固定支柱36を一体に形成した場合について説明したが、連結部材41の平面における中心部の支柱嵌合部12を四隅と同じように、下面開口部を下方に延長して固定支柱36を一体に形成する構成としてもよい。このように、四隅のみならず連結部材41の中心部においても支柱嵌合部12の下面開口部13Bを下方に延長して固定支柱を一体に形成した場合には、支柱の脱落を防止するばかりでなく、組立が容易であり一層堅牢な充填材とすることができる。
【0034】
上記2つの発明の充填材を実際に雨水等の貯留及び浸透槽に充填するには、水平方向に並列させた充填材の縁枠26同士を突き合わせて、縁枠に設けた連結具挿入孔42に連結具を挿入して一体に連結する。さらに、前記並列した充填材の支柱嵌合部12の上面開口部13aに、上段の充填材の支柱31、36の下端部を嵌合し、このようにして、充填材を水平方向の前後左右に並列させるとともに、垂直方向に積み重ねて充填すればよい。
【0035】
次に、上記2つの発明の充填材を雨水等の貯留槽に使用する場合について説明すると、まず、地面を堀下げて凹状の掘削部を形成し、底部に遮水シート等を敷設して、その上に土砂浸入防止板を敷き並べて、上記構成の充填材を充填する。これらの充填材の側面には土砂浸入防止板を載置し、その外側を遮水シートで包んだ後に掘削部の側面空間を埋め戻し、充填材の上面には土砂浸入防止板を載置し、その上に土砂等による被覆層を設ければよい。
【0036】
前記充填材を充填してなる雨水等の貯留槽には、住宅地等の側溝、家屋の雨樋等に通じる雨水等の流入口と、一定の貯水量を越えた時に排水するための流出口を設けるとともに、雨水等を外部に汲み上げるための取水用パイプを配設しておき、ポンプにより汲み上げが可能な構成としておければよい。上記のような雨水等の貯留槽とした場合には、空隙率が高く多量の雨水を貯留することができる。
【0037】
また、雨水等の浸透槽に使用する場合には、地面を掘り下げた凹状の掘削部の底面及び周面を雨水等が浸透可能な透水層としておけばよい。雨水は上部被覆層から浸透するとともに、流入口から流入して浸透槽内に貯留され、時間の経過にともなって浸透槽の側面及び底面から徐々に地中に浸透する。したがって、集中豪雨があっても一時的に雨水等をこの浸透槽内に貯留させることができるから、家屋を浸水させたり、河川を氾濫させることがなく、また、地中に浸透させることにより地下水の涵養が可能となる。
【0038】
【発明の効果】
第1の発明に係る充填材によれば、連結部材の隅部における下面開口部を縁枠の下端から下方に突出させたから、組み立てた着脱自在支柱が運搬時等に脱落することがない。このため、雨水等の貯留及び浸透槽への積み込み時に支柱の点検工程を省くことができ、施工時間を短縮することができるとともに、支柱の脱落による強度低下のおそれがない。
【0039】
第2の発明に係る充填材によれば、連結部材の隅部における下面開口部を縁枠の下端から下方に延長して固定支柱を一体に形成したから、運搬時等に脱落することがなく強度も向上した。また、組立時間を短縮することができるとともに、支柱と連結部材を一体に形成することによって、支柱の連結部材に対する角度はほぼ直角であるから、充填材を上下方向に積み重ねる際に上段の支柱の下端部を下段の支柱嵌合部の上面開口部に容易に嵌合させることができ、作業能率を向上させることができる。さらに、隅部以外の支柱嵌合部の下面開口部に着脱自在支柱を取り付けることができ、要求される荷重に対応させて着脱自在支柱の数を増減することができるから、充填材のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係る充填材の一部を切り欠いた説明用正面図である。
【図2】第1の発明に係る充填材の四隅の支柱嵌合部を示す断面図である。
【図3】第1の発明に係る充填材を構成する連結部材を示し、上半分が平面図、下半分が底面図である。
【図4】着脱自在支柱の平面形状を示す平面図である。
【図5】第2の発明に係る充填材を構成する連結部材の説明用正面図である。
【図6】第2の発明に係る充填材の四隅の支柱嵌合部を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2:充填材
12:支柱嵌合部
13:筒部
13B:四隅の下面開口部
13a:上面開口部
13b:下面開口部
14:ストッパー
15:係止片
21:連結桟
26:縁枠
31:着脱自在支柱
32:環状膨出部
33:環状突起
34:透孔
41:連結部材
42:連結具挿入孔
Claims (4)
- 中空体である複数の着脱自在支柱と前記着脱自在支柱を垂直に固定する連結部材とからなり、前記連結部材は、着脱自在支柱の端部を挿入固定する複数の支柱嵌合部を連結桟及び四周を縁取りする縁枠で一体に連結し、前記支柱嵌合部は、着脱自在支柱の端部を挿入する筒部の内部に設けたストッパーにより上面開口部と下面開口部に分割されており、縁枠の四隅以外における支柱嵌合部は、高さ寸法を縁枠の高さ寸法に合わせて形成されており、縁枠の四隅における支柱嵌合部は、縁枠の下端から突出しているとともに、下面開口部の開口径を四隅以外の支柱嵌合部の下面開口部の開口径よりも大きく形成し周面を末広がりのテーパ面としたことを特徴とする雨水等の貯留及び浸透槽用充填材。
- 縁枠の四隅における支柱嵌合部の下面開口部のストッパーからの長さを、着脱自在支柱の幅(外径)寸法の0.75〜3.0倍にしたことを特徴とする請求項1に記載の雨水等の貯留及び浸透槽用充填材。
- 中空体である複数の着脱自在支柱と前記着脱自在支柱を垂直に固定する連結部材とからなり、前記連結部材は、着脱自在支柱の端部を挿入固定する複数の支柱嵌合部を連結桟及び四周を縁取りする縁枠で一体に連結し、前記支柱嵌合部は、着脱自在支柱の端部を挿入する筒部の内部に設けたストッパーにより上面開口部と下面開口部に分割されており、縁枠の四隅以外における支柱嵌合部は、高さ寸法を縁枠の高さ寸法に合わせて形成されており、縁枠の四隅における支柱嵌合部は、下端を延長して固定支柱として形成され、前記固定支柱はストッパーから下端までの長さを着脱自在支柱の長さと同一としたことを特徴とする雨水等の貯留及び浸透槽用充填材。
- 連結部材の略中心部に設けた支柱嵌合部は、下端を延長して固定支柱となし、前記固定支柱はストッパーから下端までの長さを着脱自在支柱の長さと同一としたことを特徴とする請求項3に記載の雨水等の貯留及び浸透槽用充填材。
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