JP4118065B2 - 窒化物系半導体レーザ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、窒化物系半導体レーザ素子に関し、特に、光ガイド層を含む窒化物系半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化物系半導体レーザ素子は、次世代の大容量光ディスク用光源としての利用が期待されており、その開発が盛んに行われている。
【0003】
図19は、従来の窒化物系半導体レーザ素子の断面図である。まず、図19を参照して、従来の窒化物系半導体レーザ素子の構造を説明する。
【0004】
従来の窒化物系半導体レーザ素子では、図19に示すように、サファイア基板101上に、約20nmの膜厚を有するGaNからなる低温バッファ層102を介して、約4μmの膜厚を有するSiがドープされたn型GaNからなるn型コンタクト層103が形成されている。n型コンタクト層103の凸部上には、約50nmの膜厚を有するSiがドープされたn型In0.1Ga0.9Nからなるn型クラック防止層104、約0.5μmの膜厚を有するSiがドープされたn型Al0.1Ga0.9Nからなるn型クラッド層105、約50nmの膜厚を有するSiがドープされたn型GaNからなるn型光ガイド層106、活性層107、約10nmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.2Ga0.8Nからなるp型キャップ層108、約50nmの膜厚を有するMgがドープされたp型GaNからなるp型光ガイド層109、約0.5μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.1Ga0.9Nからなるp型クラッド層110、および、約0.5μmの膜厚を有するMgがドープされたp型GaNからなるp型コンタクト層111が順次形成されている。
【0005】
また、活性層107は、約2.5nmの膜厚を有するアンドープIn0.2Ga0.8Nからなる井戸層と、約5nmの膜厚を有するアンドープIn0.05Ga0.95Nからなる障壁層とが交互に13回繰り返して積層された多重量子井戸構造(MQW:Multiple Quantum Well)を有する。この活性層107を挟み込むように形成されているn型光ガイド層106およびp型光ガイド層109は、それぞれ、n型クラッド層105と活性層107との中間の屈折率およびp型クラッド層110と活性層107との中間の屈折率を有する。これにより、n型光ガイド層106およびp型光ガイド層109は、活性層107に光を閉じ込める機能を有する。このように、n型光ガイド層106およびp型光ガイド層109を設ける構造は、分離光閉じ込め型レーザ構造と呼ばれている。この分離光閉じ込め型レーザ構造は、従来のAlGaAs系やAlGaInP系の半導体レーザで広く用いられている。
【0006】
なお、活性層107としてInを含有する窒化物系半導体を用いる場合には、活性層107の成長温度は、Inを含有しないp型クラッド層110などの他の窒化物系半導体層の成長温度よりも低く設定することが多い。この場合には、活性層107上にInを含有しない他の窒化物系半導体層を成長させる際に、活性層107を構成するInGaNが高温の成長温度によって分解されるのを防止する必要がある。このため、従来では、活性層107上にp型Al0.2Ga0.8Nからなるp型キャップ層108が形成されている。
【0007】
また、p型コンタクト層111からn型コンタクト層103までの一部領域がエッチングにより除去されている。この除去されて露出しているn型コンタクト層103上の一部領域に、n側電極113が形成されている。また、エッチングされずに残ったp型コンタクト層111上には、p側電極112が形成されている。
【0008】
ここで、図19に示した従来の窒化物系半導体レーザ素子では、p側電極112とn側電極113との間に順方向に電圧を印加することによって、p側電極112から窒化物系半導体各層(103〜111)を介して、n側電極113に電流が流れる。これにより、活性層107でレーザ光が発生する。この場合、図19に示した従来の窒化物系半導体レーザ素子では、活性層107の全領域に電流が注入されるので、活性層107に注入される電流密度が低くなる。このため、しきい値電流を低減することが困難であった。
【0009】
そこで、従来、電流狭窄を行うことによって、活性層の一部領域のみに電流を注入する窒化物系半導体レーザが提案されている。図20は、従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子の断面図である。
【0010】
図20を参照して、従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子では、サファイア基板101上に形成される窒化物系半導体各層102〜109およびn側電極113は、図19に示した従来の窒化物系半導体レーザ素子と同様の膜厚および組成を有する。そして、p型光ガイド層109上には、突出部を有するp型クラッド層120が形成されている。p型クラッド層120の突出部上には、p型コンタクト層121が形成されている。このp型コンタクト層121とp型クラッド層120の突出部とによってストライプ状のリッジ部128が構成されている。また、リッジ部128の側面上およびp型クラッド層120の露出している領域には、絶縁膜123が形成されている。また、リッジ部128を構成するp型コンタクト層121上には、p側電極122が形成されている。
【0011】
図20に示した従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子では、リッジ部128を形成することにより、p側電極122からの電流狭窄を行うことによって、活性層107の一部領域のみに電流を注入する。これにより、活性層107に注入される電流密度を高くすることができるので、しきい値電流の低減を図ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図21は、図20に示した従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子の活性層の最上層からp型クラッド層までのバンドダイヤグラムを示した図である。図22は、図20に示した従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子の注入電流の広がり状態を説明するためのリッジ部近傍の拡大図である。図21および図22を参照して、以下に、図20に示した従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子の問題点について説明する。図20に示した従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子では、図21に示すように、Al0.2Ga0.8Nからなるp型キャップ層108とGaNからなるp型光ガイド層109とのバンドギャップ差が大きくなる。このため、図21中の右側から左側に注入される正孔181が、活性層107に注入されにくいという不都合があった。
【0013】
また、3元混晶のp型Al0.2Ga0.8Nからなるp型キャップ層108は、バンドギャップが大きいので、ドープされたp型不純物がキャリアを発生する率(p型活性化率)が低く、かつ、合金散乱の影響によってキャリアの移動度が低くなる。このため、p型キャップ層108は、抵抗が高くなりやすい。その一方、2元混晶のp型GaNからなるp型光ガイド層109は、バンドギャップが小さいので、キャリアの移動度が高くなる。このため、p型光ガイド層109は、抵抗が低くなりやすい。
【0014】
これにより、図22に示すように、p側電極122からの注入電流180は、p型光ガイド層109からp型キャップ層108に流れる際に、抵抗の高いp型キャップ層108によって堰き止められるので、注入電流180が抵抗の低いp型光ガイド層109内において横方向に広がるという不都合があった。このため、p型光ガイド層109の下方に形成されている活性層107には、横方向に広がった状態で電流180が注入されるので、活性層107内において電流密度を高くするのが困難であった。その結果、活性層107内において電流密度が低くなるので、しきい値電流が増加するという問題点があった。また、横方向に広がった注入電流180は、レーザ光の発生に寄与しないので、発光効率が低下するという問題点もあった。
【0015】
また、図21に示したように、p型キャップ層108とp型光ガイド層109とのバンドギャップ差が大きいので、p型キャップ層108とp型光ガイド層109との界面で正孔181が捕獲されやすくなる。これにより、素子をパルス駆動したときの光の立ち上がりおよび立ち下がり特性を向上させることが困難であり、その結果、高速動作が困難であるという問題点もあった。
【0016】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、しきい値電流を低減し、かつ、発光効率を向上させることが可能な窒化物系半導体レーザ素子を提供することである。
【0017】
この発明のもう1つの目的は、上記の窒化物系半導体レーザ素子おいて、パルス駆動による高速動作を可能にすることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による窒化物系半導体レーザ素子は、電流狭窄を行うことによって、活性層の一部領域のみに電流を注入する窒化物系半導体レーザ素子であって、InGa1−xNからなる量子井戸層とInGa1−yNからなる量子障壁層(ただし、x>y)とが交互に積層された多重量子井戸構造を有する活性層と、前記活性層の第1の主面側に形成された第1キャリアブロック層と、前記第1キャリアブロック層の表面上に形成され、前記第1キャリアブロック層よりも小さいバンドギャップを有するとともに、Alを含有する窒化物系半導体層を含む第1光ガイド層と、前記第1光ガイド層の表面上に形成された第1導電型の第1クラッド層とを備えている。
【0019】
この一の局面による窒化物系半導体レーザ素子では、上記のように、Alを含有する窒化物系半導体層を含む第1光ガイド層を設けることによって、Alを含有する窒化物系半導体層はドーパントの活性化率が低いので、第1光ガイド層の抵抗が高くなる。これにより、第1光ガイド層において横方向に電流が広がるのを抑制することができるので、活性層に注入される電流密度を高めることができる。その結果、しきい値電流を低減することができる。また、発光に寄与しない横方向に広がる電流を低減することができるので、発光効率を向上させることができる。また、第1キャリアブロック層のバンドギャップは、第1光ガイド層よりも大きいので、第1キャリアブロック層により活性層から第1導電型の第1クラッド層へ電子が漏れるのを抑制することができる。これにより、電子の閉じ込め特性を向上させることができるので、温度が上昇したとしても、しきい値電流が増加するのを抑制することができる。その結果、素子の温度特性を向上させることができる。
【0020】
上記一の局面による窒化物系半導体レーザ素子において、好ましくは、第1キャリアブロック層は、Alを含有する窒化物系半導体層を含む。このように構成すれば、第1キャリアブロック層と、Alを含有する窒化物系半導体層を含む第1光ガイド層とのバンドギャップ差を小さくすることができるので、容易に活性層へ正孔を注入することができる。これにより、第1光ガイド層において横方向に電流が広がるのをより抑制することができるので、活性層に注入される電流密度をより高めることができる。その結果、しきい値電流をより低減することができる。また、第1キャリアブロック層と第1光ガイド層とのバンドギャップ差を小さくすることができるので、第1キャリアブロック層と第1光ガイド層との界面で正孔が捕獲されるのを抑制することができる。これにより、素子をパルス駆動したときの光の立ち上がりおよび立ち下がり特性を向上することができるので、高速動作が可能となる。
【0021】
上記の窒化物系半導体レーザ素子において、好ましくは、活性層の第2の主面側に形成され、Alを含有する窒化物系半導体層を含む第2光ガイド層をさらに備える。このように構成すれば、Alを含有する窒化物系半導体層を含む第2光ガイド層の抵抗が高くなるので、第2ガイド層において電子の流れが横方向に広がるのを抑制することができる。これにより、電子の流れの横方向の広がりに起因するしきい値電流の増大や発光効率の低下を抑制することができる。
【0022】
この場合、第2光ガイド層と活性層との間に形成され、第2光ガイド層よりも大きいバンドギャップを有する第2キャリアブロック層をさらに備えるのが好ましい。このように構成すれば、第2キャリアブロック層により活性層から第2導電型のクラッド層へ正孔が漏れるのを抑制することができる。これにより、正孔の閉じ込め特性を向上させることができるので、温度が上昇したとしても、しきい値電流が増加するのを抑制することができる。その結果、素子の温度特性を向上させることができる。
【0023】
上記の窒化物系半導体レーザ素子において、好ましくは、第2光ガイド層は、アンドープの第2光ガイド層を含む。このように構成すれば、第2光ガイド層の抵抗がより高くなるので、第2ガイド層において電子の流れが横方向に広がるのをより抑制することができる。これにより、電子の流れの横方向の広がりに起因するしきい値電流の増大や発光効率の低下を抑制することができる。また、アンドープの第2光ガイド層を用いれば、第2光ガイド層にドープされた不純物が活性層に拡散することに起因する素子寿命の低下を抑制することができる。これにより、素子の長寿命化を図ることができる。
【0024】
上記の窒化物系半導体レーザ素子において、好ましくは、第1クラッド層の電流通過領域以外の領域の少なくとも一部に、不純物元素をイオン注入することにより形成されたイオン注入層をさらに備える。このように構成すれば、イオン注入された不純物元素とイオン注入による結晶欠陥とが第1クラッド層の下に位置する第1光ガイド層に微量に含まれるので、第1光ガイド層における電流の横方向の広がりをより低減することができる。
【0025】
なお、上記一の局面による窒化物系半導体レーザ素子において、基板はGaN基板でもよい。このように構成すれば、GaN基板上に形成される窒化物系半導体各層の転位密度が低くなるので、高品質な結晶を得ることができる。このような高品質な結晶によって、たとえば、GaNからなる光ガイド層を形成すると、キャリア(正孔や電子)の横方向の広がりが大きくなりやすい。この場合には、上記したAlを含有する窒化物系半導体層を含む第1光ガイド層を設けることによる電流の横方向の広がりを抑制する効果がより大きくなる。また、高品質な結晶によりGaNからなる光ガイド層を形成すると、第1光ガイド層と第1キャリアブロック層との界面でのキャリア(正孔や電子)がより捕獲されやすくなる。この場合、上記したAlを含有する窒化物系半導体層を含む第1光ガイド層を設けることによる第1光ガイド層と第1キャリアブロック層との界面での正孔の捕獲を抑制する効果がより大きくなる。その結果、素子をパルス駆動したときの光の立ち上がりおよび立ち下がり特性を向上させる効果がより大きくなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を示した断面図である。図2は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層の詳細断面図である。図3は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の注入電流の広がり状態を説明するためのリッジ部近傍の拡大図である。図4は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子のMQW活性層の最上層からp型クラッド層までのバンドダイヤグラムを示した図である。まず、図1〜図4を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0028】
第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図1および図2に示すように、導電性のn型GaN基板1上に、約1μmの膜厚を有するSiがドープされたn型GaNからなるn型層2が形成されている。n型層2上には、約1μmの膜厚を有するSiがドープされたn型Al0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層3が形成されている。n型クラッド層3上には、多層膜構造からなる発光層4が形成されている。
【0029】
この発光層4は、図2に示すように、n型光ガイド層41と、n型光ガイド層41上に形成されたMQW活性層42と、MQW活性層42上に形成されたp型キャリアブロック層43と、p型キャリアブロック層43上に形成されたp型光ガイド層44とを含んでいる。第1実施形態によるn型光ガイド層41は、約0.1μmの膜厚を有するSiがドープされたn型Al0.01Ga0.99Nからなる。MQW活性層42は、約3.5nmの膜厚を有する3つのアンドープInxGa1-xNからなる量子井戸層42aと、約20nmの膜厚を有する4つのアンドープInyGa1-yNからなる量子障壁層42bとが交互に積層された構造を有する。ここで、x>yであり、第1実施形態においては、x=0.15、y=0.05である。なお、n型光ガイド層41は、本発明の「第2光ガイド層」の一例であり、MQW活性層42は、本発明の「活性層」の一例である。
【0030】
ここで、第1実施形態では、p型キャリアブロック層43は、約20nmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.25Ga0.75Nからなる。また、p型光ガイド層44は、約0.1μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.01Ga0.99Nからなる。また、p型光ガイド層44は、p型キャリアブロック層43よりも小さいバンドギャップを有する。なお、p型キャリアブロック層43は、本発明の「第1キャリアブロック層」の一例であり、p型光ガイド層44は、本発明の「第1光ガイド層」の一例である。
【0031】
また、発光層4上には、図1に示すように、突出部を有するMgがドープされたp型Al0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層5が形成されている。このp型クラッド層5の突出部の膜厚は、約0.28μmであり、突出部以外の領域の膜厚は、約0.05μmである。また、突出部の幅は、約1.6μmである。なお、p型クラッド層5は、本発明の「第1クラッド層」の一例である。そして、p型クラッド層5の突出部上には、約0.07μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.01Ga0.99Nからなるp型第1コンタクト層6と、約3nmの膜厚を有するMgがドープされたIn0.05Ga0.95Nからなるp型第2コンタクト層7とが順次形成されている。そして、p型クラッド層5の突出部と、p型第1コンタクト層6と、p型第2コンタクト層7とによって、リッジ部8が構成されている。このリッジ部8の側面上とp型クラッド層5の露出している領域上とに、SiO2からなる電流ブロック層9が形成されている。
【0032】
また、リッジ部8を構成するp型コンタクト層7上には、下層から上層に向かって、約1nmの膜厚を有するPt層と、約100nmの膜厚を有するPd層と、約240nmの膜厚を有するAu層と、約240nmの膜厚を有するNi層とからなるp側オーミック電極10が、ストライプ状(細長状)に形成されている。そして、p側オーミック電極10の上面および側面上と、電流ブロック層9上とには、下層から上層に向かって、約100nmの膜厚を有するTi層と、約150nmの膜厚を有するPt層と、約3μmの膜厚を有するAu層とからなるp側パッド電極11が形成されている。
【0033】
また、n型GaN基板1の裏面上には、n型GaN基板1の裏面に近い方から順に、約6nmの膜厚を有するAl層と、約2nmの膜厚を有するSi層と、約10nmの膜厚を有するNi層と、約100nmの膜厚を有するAu層とからなるn側オーミック電極12が形成されている。n側オーミック電極12の裏面上には、n側オーミック電極12の裏面に近い方から順に、約10nmの膜厚を有するNi層と、約700nmの膜厚を有するAu層とからなるn側パッド電極13が形成されている。
【0034】
第1実施形態では、上記のように、p型Al0.01Ga0.99Nからなるp型光ガイド層44を設けることによって、p型Al0.01Ga0.99Nからなるp型光ガイド層44は、p型ドーパントの活性化率が低く、かつ、合金散乱の影響によりキャリアの移動度が小さいので、p型光ガイド層44の抵抗が高くなる。これにより、図3に示すように、p型光ガイド層44から抵抗の高いp型キャリアブロック層43へ電流が流れる場合に、p型光ガイド層44の抵抗が高いので、p型光ガイド層44において電流80が横方向に広がるのを抑制することができる。その結果、MQW活性層42に注入される電流密度を高めることができるので、しきい値電流を低減することができる。また、発光に寄与しない横方向に広がる電流を低減することができるので、発光効率を向上させることができる。また、p型Al0.25Ga0.75Nからなるp型キャリアブロック層43のバンドギャップは、p型光ガイド層44よりも大きいので、p型キャリアブロック層43によってMQW活性層42からp型クラッド層5への電子の漏れが抑制される。これにより、電子の閉じ込め特性を向上させることができるので、温度が上昇したとしても、しきい値電流が増加するのを抑制することができる。その結果、素子の温度特性を向上させることができる。
【0035】
また、第1実施形態では、p型Al0.01Ga0.99Nからなるp型光ガイド層44を設けることによって、図4に示すように、p型光ガイド層44と、p型Al0.25Ga0.75Nからなるp型キャリアブロック層43とのバンドギャップ差を従来(図21参照)に比べて小さくすることができる。これにより、図4中の右側から左側へ注入される正孔81を、容易に、MQW活性層42へ注入することができるので、これによってもMQW活性層42に注入される電流密度を高めることができる。また、p型キャリアブロック層43とp型光ガイド層44とのバンドギャップ差が小さくなることによって、p型キャリアブロック層43をトンネルするトンネル電流が指数関数的に増加する。これにより、より容易に、正孔81をMQW活性層42へ注入することができるので、MQW活性層42に注入される電流密度をより高めることができる。その結果、しきい値電流をより低減することができる。
【0036】
また、第1実施形態では、図4に示したように、p型キャリアブロック層43とp型光ガイド層44とのバンドギャップ差を小さくすることができるので、p型キャリアブロック層43とp型光ガイド層44との界面において、図21に示した従来の場合と異なり、深いポテンシャルバリアが形成されるのを抑制することができる。このため、p型キャリアブロック層43とp型光ガイド層44との界面で正孔81(図4参照)が捕獲されるのを抑制することができる。これにより、素子をパルス駆動したときの光の立ち上がりおよび立ち下がり特性を向上することができるので、高速動作が可能となる。
【0037】
図5〜図10は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図1、図2および図5〜図10を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0038】
まず、図5に示すように、有機金属気相堆積法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いて、n型GaN基板1上に、約1μmの膜厚を有するSiがドープされたn型GaNからなるn型層2、約1μmの膜厚を有するSiがドープされたn型Al0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層3および多層膜構造からなる発光層4を順次形成する。
【0039】
この発光層4を形成する際には、図2に示したように、約0.1μmの膜厚を有するSiがドープされたn型Al0.01Ga0.99Nからなるn型光ガイド層41上に、約3.5nmの膜厚を有する3つのアンドープInxGa1-xNからなる量子井戸層42aと、約20nmの膜厚を有する4つのアンドープInyGa1-yNからなる量子障壁層42bとを交互に積層することによって、MQW活性層42を形成する。そして、MQW活性層42上に、約20nmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.25Ga0.75Nからなるp型キャリアブロック層43、および、約0.1μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.01Ga0.99Nからなるp型光ガイド層44を順次形成する。
【0040】
次に、発光層4上に、図5に示すように、約0.28μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.07Ga0.93Nからなるp型クラッド層5、約0.07μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.01Ga0.99Nからなるp型第1コンタクト層6、および、約3nmの膜厚を有するMgがドープされたIn0.05Ga0.95Nからなるp型第2コンタクト層7を順次形成する。
【0041】
次に、図6に示すように、プラズマCVD法を用いて、p型第2コンタクト層7上のほぼ全面に、約1μmの膜厚を有するSiO2膜14を形成する。そして、SiO2膜14上に、フォトレジスト15を塗布した後、フォトリソグラフィー技術を用いて、約1.6μmの幅を有するストライプ状のフォトレジスト15を形成する。そして、CF4ガスによるRIE法(Reactive Ion Etching)を用いて、フォトレジスト15をマスクとして、SiO2膜14をエッチングする。これにより、図7に示すように、約1.6μmの幅を有するストライプ状のSiO2膜14が形成される。この後、フォトレジスト15を除去する。
【0042】
次に、図8に示すように、Cl2ガスによるRIE法を用いて、SiO2膜14をマスクとして、p型第2コンタクト層7からp型クラッド層5の一部をエッチング除去することにより、リッジ部8が形成される。このとき、p型クラッド層5の突出部以外の領域の膜厚が、約0.05μmとなるようにエッチング深さを制御する。この後、HF系エッチャントを用いて、SiO2膜14を除去する。
【0043】
次に、図9に示すように、プラズマCVD法を用いて、約0.2μmの膜厚を有するSiO2膜(図示せず)を形成した後、フォトリソグラフィー技術およびCF4ガスによるRIE法を用いて、p型第2コンタクト層7の上面が露出するようにSiO2膜を除去することによって、SiO2膜からなる電流ブロック層9が形成される。
【0044】
次に、図10に示すように、真空蒸着法を用いて、p型第2コンタクト層7上に、下層から上層に向かって、約1nmの膜厚を有するPt層と、約100nmの膜厚を有するPd層と、約240nmの膜厚を有するAu層と、約240nmの膜厚を有するNi層とからなるp側オーミック電極10を、ストライプ状(細長状)に形成する。そして、p側オーミック電極10の上面および側面上と、電流ブロック層9上とに、下層から上層に向かって、約100nmの膜厚を有するTi層と、約150nmの膜厚を有するPt層と、約3μmの膜厚を有するAu層とからなるp側パッド電極11を形成する。
【0045】
最後に、n型GaN基板1の裏面を研磨することによって、n型GaN基板1を所定の膜厚(たとえば、約100μm)にする。この後、n型GaN基板1の裏面上に、n型GaN基板1の裏面に近い方から順に、約6nmの膜厚を有するAl層と、約2nmの膜厚を有するSi層と、約10nmの膜厚を有するNi層と、約100nmの膜厚を有するAu層とからなるn側オーミック電極12を形成する。そして、n側オーミック電極12の裏面上に、n側オーミック電極12の裏面に近い方から順に、約10nmの膜厚を有するNi層と、約700nmの膜厚を有するAu層とからなるn側パッド電極13を形成する。このようにして、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0046】
(第2実施形態)
図11は、本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子を示した断面図である。図11を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態のリッジ部を形成することにより電流狭窄を行う場合と異なり、イオン注入層32を形成することにより電流狭窄を行う例について説明する。
【0047】
この第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図11に示すように、n型GaN基板1上に、第1実施形態と同様の膜厚および組成を有する窒化物系半導体各層(n型層2、n型クラッド層3、発光層4、p型クラッド層5、p型第1コンタクト層6およびp型第2コンタクト層7)が順次形成されている。
【0048】
そして、p型クラッド層5、p型第1コンタクト層6およびp型第2コンタクト層7には、炭素(C)がイオン注入されることにより形成された約0.32μmの注入深さを有するイオン注入層32が設けられている。なお、炭素(C)は、本発明の「不純物元素」の一例である。この場合、イオン注入された炭素濃度のピーク深さは、p型第2コンタクト層7の上面から約0.23μmのp型クラッド層5の領域内に位置する。また、このピーク深さにおけるピーク濃度は、約1.0×1020cm-3である。この場合、イオン注入層32は、多量のイオンが半導体中に注入されることによって、他の領域よりも結晶欠陥を多く含んでいる。なお、電流通路部28となるイオン注入されていない領域(非注入領域)は、約2.1μmの幅で形成されている。なお、第2実施形態では、Rp+ΔRpを注入深さ(イオン注入層32の厚み)と定義した。Rpはピーク深さであり、ΔRpは飛程の標準偏差である。また、後述する製造プロセスにおけるイオン注入時において、イオン注入マスク層34の下部に、イオンの横方向への広がり(ΔRl)が生じる。このとき、イオン注入時のイオン注入マスク層34の幅をWとすると、イオン注入マスク層34の下部のイオンが注入されない領域の幅Bは、B=W−2×ΔRlとなる。
【0049】
また、イオン注入層32は、イオン注入層32に多く含まれる結晶欠陥により高抵抗となるので電流狭窄層として機能するとともに、結晶欠陥に起因した光吸収が起こるので光吸収層としても機能する。なお、イオン注入層32において、電流狭窄だけでなく光の横方向の閉じ込めも十分に行うには、イオン注入された炭素の不純物濃度の極大値が約5×1019cm-3以上であることが好ましい。これにより、イオン注入層32は、電流通過部28よりも結晶欠陥が多くなるので、この多く含まれる結晶欠陥により光吸収を行うことができる。その結果、発光層4内において、横方向の光閉じ込めを行うことができるので、横モードの安定化を図ることができる。
【0050】
また、p型第2コンタクト層7上には、開口部33aを有するZrO2からなる絶縁膜33が形成されている。この開口部33aの幅は、電流通路部28の幅よりも狭く形成されている。絶縁膜33上には、絶縁膜33の開口部33aを介して、p型第2コンタクト層7の上面に接触するとともに、絶縁膜33の上面上に延びるように、p側オーミック電極30が形成されている。p側オーミック電極30は、下層から上層に向かって、約1nmの膜厚を有するPt層と、約100nmの膜厚を有するPd層と、約240nmの膜厚を有するAu層と、約240nmの膜厚を有するNi層とからなる。p側オーミック電極30上には、p側パッド電極31が形成されている。p側パッド電極31は、下層から上層に向かって、約100nmの膜厚を有するTi層と、約150nmの膜厚を有するPt層と、約3μmの膜厚を有するAu層とからなる。また、n型GaN基板1の裏面上には、n型GaN基板1の裏面に近い方から順に、第1実施形態と同様の膜厚および組成を有するn側オーミック電極12およびn側パッド電極13が形成されている。
【0051】
第2実施形態では、炭素をイオン注入することによって、炭素イオンと、イオン注入による結晶欠陥とがp型クラッド層5の下に位置するp型光ガイド層44(図2参照)に微量に含まれる。これにより、p型光ガイド層44の抵抗がより高くなるので、第1実施形態に比べて、p型光ガイド層44における電流の横方向の広がりをより低減することができる。
【0052】
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0053】
図12〜図15は、図11に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図11〜図15を参照して、第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0054】
まず、図12に示すように、第1実施形態と同様の製造プロセスを用いて、n型GaN基板1上に、n型層2からp型第2コンタクト層7までを順次形成する。次に、プラズマCVD法を用いて、p型第2コンタクト層7上の全面に、約1μmの膜厚を有するSiO2膜(図示せず)を形成した後、このSiO2膜を、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることによって、約2.2μmの幅を有するストライプ状のSiO2膜からなるイオン注入マスク層34を形成する。そして、イオン注入マスク層34およびp型第2コンタクト層7を覆うように、SiO2膜からなるスルー膜35を形成する。
【0055】
そして、図13に示すように、イオン注入マスク層34をマスクとして、スルー膜35を介して、炭素のイオン注入を行うことによって、イオン注入層32を形成する。その後、CF4ガスによるドライエッチングを用いて、スルー膜35を除去する。
【0056】
次に、図14に示すように、EB蒸着法を用いて、p型第2コンタクト層7およびイオン注入マスク層34の全面を覆うように、約50nmの厚みを有するZrO2からなる絶縁膜33を素子の垂直方向から蒸着する。これにより、イオン注入マスク層34の側壁部には、絶縁膜33はほとんど形成されない。
【0057】
次に、図15に示すように、フッ酸系エッチャントによるエッチングを行うことによって、イオン注入マスク層34と絶縁膜33の一部とを除去する。この場合、絶縁膜33は、ほとんどエッチングされないので、イオン注入マスク層34の側壁部に位置する絶縁膜33のみが完全に除去される。そして、イオン注入マスク層34は、イオン注入マスク層34の側壁部に位置する絶縁膜33が除去された後、完全に除去される。その結果、電流通路部28の上面上に、開口部33aを有するZrO2からなる絶縁膜33が形成される。
【0058】
最後に、絶縁膜33上に、開口部33aを介してp型第2コンタクト層7の上面に接触するように、p側オーミック電極30およびp側パッド電極31を順次形成する。また、n型GaN基板1を所定の膜厚に研磨した後、n型GaN基板1の裏面上に、n型GaN基板1の裏面に近い方から順に、n側オーミック電極12およびn側パッド電極13を形成する。このようにして、図11に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0059】
(第3実施形態)
図16は、本発明の第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層の詳細断面図である。図16を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、発光層4a内において、n型光ガイド層41とMQW活性層42との間に、n型キャリアブロック層45を設けた例について説明する。なお、第3実施形態のその他の構造および製造プロセスは、第1実施形態と同様である。
【0060】
すなわち、第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図16に示すように、約0.1μmの膜厚を有するSiがドープされたn型Al0.01Ga0.99Nからなるn型光ガイド層41上に、約20nmの膜厚を有するSiがドープされたn型Al0.2Ga0.8Nからなるn型キャリアブロック層45が形成されている。このn型キャリアブロック層45は、n型光ガイド層41よりも大きいバンドギャップを有する。なお、n型キャリアブロック層45は、本発明の「第2キャリアブロック層」の一例である。そして、n型キャリアブロック層45上に、第1実施形態と同様の膜厚および組成を有するMQW活性層42、p型キャリアブロック層43およびp型光ガイド層44が順次形成されている。上記窒化物系半導体各層(41〜45)によって、第3実施形態による発光層4aが構成される。
【0061】
第3実施形態では、上記のように、n型Al0.2Ga0.8Nからなるn型キャリアブロック層45を設けることによって、MQW活性層42からn型クラッド層3への正孔の漏れを抑制することができる。特に、第3実施形態では、MQW活性層42を挟むように、n型キャリアブロック層45およびp型キャリアブロック層43を配置することによって、第1実施形態に比べて、MQW活性層42からのキャリア(正孔や電子)の漏れをより抑制することができる。これにより、キャリア(正孔や電子)の閉じ込め特性をより向上させることができるので、温度が上昇したとしても、しきい値電流が増加するのをより抑制することができる。その結果、素子の温度特性をより向上させることができる。
【0062】
また、第3実施形態では、n型Al0.2Ga0.8Nからなるn型キャリアブロック層45下に、n型ドーパントの活性化率が低く、かつ、合金散乱の影響でキャリアの移動度が小さいn型Al0.01Ga0.99Nからなるn型光ガイド層41が形成されているので、n型光ガイド層41の抵抗が高くなる。これにより、n型光ガイド層41から抵抗の高いn型キャリアブロック層45へ電子が流れる場合に、n型光ガイド層41の抵抗が高いので、n型光ガイド層41において電子の流れが横方向に広がるのを抑制することができる。その結果、MQW活性層42に注入される電流密度を高めることができるので、しきい値電流を低減することができる。また、発光に寄与しない横方向に広がる電子の流れを低減することができるので、発光効率を向上させることができる。
【0063】
また、第3実施形態では、n型Al0.2Ga0.8Nからなるn型キャリアブロック層45と、n型Al0.01Ga0.99Nからなるn型光ガイド層41とを発光層4の一部に用いるので、n型キャリアブロック層45とn型光ガイド層41とのバンドギャップ差を小さくすることができる。これにより、容易に、MQW活性層42へ電子を注入することができるので、これによってもMQW活性層42に注入される電流密度を高めることができる。また、n型キャリアブロック層45とn型光ガイド層41とのバンドギャップ差が小さくなることによって、n型キャリアブロック層45をトンネルするトンネル電流が指数関数的に増加する。これにより、より容易に、電子をMQW活性層42へ注入することができるので、MQW活性層42に注入される電流密度をより高めることができる。その結果、しきい値電流をより低減することができる。
【0064】
また、第3実施形態では、n型キャリアブロック層45とn型光ガイド層41とのバンドギャップ差を小さくすることができるので、n型キャリアブロック層45とn型光ガイド層41との界面において、深いポテンシャルバリアが形成されるのを抑制することができる。このため、n型キャリアブロック層45とn型光ガイド層41との界面で電子が捕獲されるのを抑制することができる。これにより、素子をパルス駆動したときの光の立ち上がりおよび立ち下がり特性を向上することができるので、高速動作が可能となる。
【0065】
また、第3実施形態では、発光層4において、第1実施形態と同様の膜厚および組成を有するp型キャリアブロック層43およびp型光ガイド層44を設けているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
(第4実施形態)
図17は、本発明の第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子を示した断面図である。図17を参照して、この第4実施形態では、導電性のn型GaN基板を用いた上記第1〜第3実施形態と異なり、絶縁性のサファイア基板51を用いる場合の例について説明する。
【0067】
この第4実施形態よる窒化物系半導体レーザ素子では、図17に示すように、サファイア基板51上に、約20nmの膜厚を有するAlNからなるバッファ層52aを介して、約4μmの膜厚を有するSiがドープされたGaNからなるn型コンタクト層52bが形成されている。n型コンタクト層52b上には、第1実施形態と同様の膜厚および組成を有する各層(n型クラッド層3、発光層4、p型クラッド層5、p型第1コンタクト層6、p型第2コンタクト層7、電流ブロック層9、p側オーミック電極10およびp側パッド電極11)が形成されている。そして、n型コンタクト層52bの一部領域がエッチング技術により除去されている。このn型コンタクト層52bの除去されて露出している領域上には、第1実施形態と同様の膜厚および組成を有するn側オーミック電極12およびn側パッド電極13が順次形成されている。
【0068】
第4実施形態では、上記のように、第1実施形態と同様の膜厚および組成を有する発光層4を設けることによって、抵抗の高いp型Al0.01Ga0.99Nからなるp型光ガイド層44によりp型光ガイド層44において横方向に電流が広がるのを抑制することができるとともに、p型Al0.25Ga0.75Nからなるp型キャリアブロック層43とp型Al0.01Ga0.99Nからなるp型光ガイド層44とのバンドギャップ差を小さくすることができる。これにより、MQW活性層42に注入される電流密度を高めることができるので、しきい値電流を低減することができる。また、p型光ガイド層44よりも大きいバンドギャップを有するp型キャリアブロック層43によりMQW活性層42からp型クラッド層5への電子の漏れが抑制されるので、素子の温度特性が向上する。
【0069】
ただし、この第4実施形態では、基板としてサファイア基板51を用いるので、n型GaN基板1を用いる第1実施形態に比べて、より多くの転位などの結晶欠陥が窒化物系半導体各層(52a、52bおよび3〜7)に含まれる。このため、サファイア基板51を用いる第4実施形態では、キャリア(正孔や電子)が散乱して移動度が低下しやすくなるので、p型光ガイド層44での電流の横方向の広がりが比較的小さくなりやすい。このため、第4実施形態では、第1実施形態に比べて、p型Al0.01Ga0.99Nからなるp型光ガイド層44を用いることによるp型光ガイド層44での横方向への電流の広がりを抑制する効果は小さくなる。
【0070】
なお、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0071】
図18は、図17に示した第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図17および図18を参照して、第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明する。
【0072】
まず、第1実施形態と同様の製造プロセスを用いて、サファイア基板51上に、約20nmの膜厚を有するAlNからなるバッファ層52aを介して、約4μmの膜厚を有するSiがドープされたGaNからなるn型コンタクト層52bを形成する。そして、n型コンタクト層52b上に、n型クラッド層3、発光層4、p型クラッド層5、p型第1コンタクト層6およびp型第2コンタクト層7を順次形成する。次に、図18に示すように、Cl2ガスによるRIE法を用いて、p型第2コンタクト層7からn型コンタクト層52bまでの一部領域を除去する。そして、第1実施形態と同様の製造プロセスを用いて、図17に示すようなリッジ部8を形成した後、電流ブロック層9、p側オーミック電極10およびp側パッド電極11を順次形成する。最後に、n型コンタクト層52bの露出された領域上に、n側オーミック電極12およびn側パッド電極13を順次形成する。このようにして、第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0073】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0074】
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、約20nmの膜厚を有するp型キャリアブロック層43を用いるようにしたが、本発明はこれに限らず、膜厚をより薄くしてもよい。たとえば、約10nmの膜厚を有するキャリアブロック層を用いてもよい。この場合、キャリアブロック層をトンネルする正孔が増加するので、MQW活性層に注入される電流の密度をより高めることができる。これにより、しきい値電流をより低減することができる。
【0075】
また、上記第1〜第4実施形態では、Siがドープされたn型光ガイド層41を用いるようにしたが、本発明はこれに限らず、アンドープのn型光ガイド層を用いてもよい。この場合、n型光ガイド層41にドープされたSiがMQW活性層42に拡散することに起因する素子寿命の低下を抑制することができる。これにより、素子の長寿命化を図ることができる。また、Mgがドープされたp型光ガイド層44をアンドープにすることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、上記第1〜第4実施形態では、基板としてn型GaN基板1またはサファイア基板51を用いるようにしたが、本発明はこれに限らず、ZnO、スピネル(MgAl24)、MgOおよびMnOなどの酸化物、ZrB2などのホウ化物、Si、GaAs、GaPおよびSiCなどからなる基板を用いてもよい。
【0077】
たとえば、GaN基板、または、窒化物系半導体との格子不整合が小さく、かつ、熱膨張係数差が小さいZrB2などのホウ化物からなる基板上に、窒化物系半導体各層を形成する場合、各層中の転位などの結晶欠陥が少なくなるので、高品質な結晶を有する光ガイド層およびキャリアブロック層などの窒化物系半導体各層を得ることができる。この場合、結晶欠陥の少ない光ガイド層では、キャリア(正孔および電子)の横方向の広がりがより大きくなりやすいとともに、結晶欠陥の少ない光ガイド層とキャリアブロック層との界面では、キャリア(正孔および電子)がより捕獲されやすくなる。したがって、GaN基板、または、ホウ化物からなる基板上に、p型Al0.01Ga0.99Nからなるp型光ガイド層44およびp型Al0.25Ga0.75Nからなるp型キャリアブロック層43を設ける場合には、p型光ガイド層44およびp型キャリアブロック層43による電流の横方向の広がりを抑制する効果およびp型光ガイド層44とp型キャリアブロック層43との界面での正孔の捕獲を抑制する効果がより大きくなる。
【0078】
また、上記第1〜第3実施形態では、n型GaN基板上に、n型窒化物系半導体各層、活性層およびp型窒化物系半導体各層を順次形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、p型基板上に、p型窒化物系半導体各層、活性層およびn型窒化物系半導体各層を順次形成するようにしてもよい。
【0079】
また、上記第1、第3および第4実施形態では、リッジ型の窒化物系半導体レーザ素子の例について説明したが、本発明はこれに限らず、セルフアライン型にも適用可能である。
【0080】
また、上記第1、第3および第4実施形態では、SiO2(絶縁膜)からなる電流ブロック層9を形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、他の材料からなる電流ブロック層を形成してもよい。たとえば、リッジ部を構成する窒化物系半導体と逆の導電型を有する窒化物系半導体、または、高抵抗を有する窒化物系半導体からなる電流ブロック層を形成してもよい。
【0081】
また、上記第2実施形態では、炭素をイオン注入することによりイオン注入層32を形成したが、本発明はこれに限らず、他の不純物をイオン注入してもよい。たとえば、シリコンなどの4族元素、亜鉛およびマグネシウムなどの2族元素、ホウ素、Al、GaおよびInなどの3族元素、窒素、リン、AsおよびSbなどの5族元素、または、酸素、イオウおよびSeなどの6族元素のいずれかをイオン注入してもよい。この場合、p型光ガイド層44において正孔の横方向の広がりを抑制するためには、窒化物系半導体に含まれることにより逆の導電型(n型)になる不純物をイオン注入するのが好ましい。このような不純物をp型光ガイド層44に微量に含ませることにより、p型光ガイド層44の正孔を補償することができるので、p型光ガイド層44の抵抗をより高めることができる。たとえば、炭素およびシリコンなどの4族元素、または、酸素、イオウおよびSeなどの6族元素のいずれかが好ましい。また、窒化物系半導体の窒素空孔は、n型伝導となるので、p型光ガイド層44の抵抗を高める(正孔を補償する)ためには、ホウ素、Al、GaおよびInなどの3族元素をイオン注入することによって、窒素空孔を増加させるのがより好ましい。
【0082】
また、n型光ガイド層41において電子の横方向の広がりを抑制するためには、窒化物系半導体に含まれることにより逆の導電型(p型)になる不純物をイオン注入するのが好ましい。たとえば、亜鉛およびマグネシウムなどの2族元素、または、窒素、リン、AsおよびSbなどの5族元素のいずれかが好ましい。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、しきい値電流を低減し、かつ、発光効率を向上させることが可能な窒化物系半導体レーザ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を示した断面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層の詳細断面図である。
【図3】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の注入電流の広がり状態を説明するためのリッジ部近傍の拡大図である。
【図4】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子のMQW活性層の最上層からp型クラッド層までのバンドダイヤグラムを示した図である。
【図5】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図6】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図7】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図8】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図9】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図10】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子を示した断面図である。
【図12】図11に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図13】図11に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図14】図11に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図15】図11に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図16】本発明の第3実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の発光層の詳細断面図である。
【図17】本発明の第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子を示した断面図である。
【図18】図17に示した第4実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図19】従来の窒化物系半導体レーザ素子の断面図である。
【図20】従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子の断面図である。
【図21】図20に示した従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子の活性層の最上層からp型クラッド層までのバンドダイヤグラムを示した図である。
【図22】図20に示した従来の提案された窒化物系半導体レーザ素子の注入電流の広がり状態を説明するためのリッジ部近傍の拡大図である。
【符号の説明】
5 p型クラッド層(第1クラッド層)
42 MQW活性層(活性層)
43 p型キャリアブロック層(第1キャリアブロック層)
44 p型光ガイド層(第1光ガイド層)

Claims (6)

  1. 電流狭窄を行うことによって、活性層の一部領域のみに電流を注入する窒化物系半導体レーザ素子であって、InGa1−xNからなる量子井戸層とInGa1−yNからなる量子障壁層(ただし、x>y)とが交互に積層された多重量子井戸構造を有する活性層と、前記活性層の第1の主面側に形成された第1キャリアブロック層と、前記第1キャリアブロック層の表面上に形成され、前記第1キャリアブロック層よりも小さいバンドギャップを有するとともに、Alを含有する窒化物系半導体層を含む第1光ガイド層と、前記第1光ガイド層の表面上に形成された第1導電型の第1クラッド層とを備えた、窒化物系半導体レーザ素子。
  2. 前記第1キャリアブロック層は、Alを含有する窒化物系半導体層を含む、請求項1に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  3. 前記活性層の第2の主面側に形成され、Alを含有する窒化物系半導体層を含む第2光ガイド層をさらに備える、請求項1または2に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  4. 前記第2光ガイド層と前記活性層との間に形成され、前記第2光ガイド層よりも大きいバンドギャップを有する第2キャリアブロック層をさらに備える、請求項3に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  5. 前記第2光ガイド層は、アンドープの第2光ガイド層を含む、請求項3または4に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
  6. 前記第1クラッド層の電流通過領域以外の領域の少なくとも一部に、不純物元素をイオン注入することにより形成されたイオン注入層をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物系半導体レーザ素子。
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