JP4117815B2 - 耐圧水素透過膜の製造方法及び補修方法 - Google Patents
耐圧水素透過膜の製造方法及び補修方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐圧水素透過膜の製造方法とその補修方法関する。
【0002】
【従来の技術】
水素の精製方法としてパラジウム膜を使用して水素混合気体から水素のみを選択的に透過させる水素分離方法が知られている。この方法は、パラジウムの薄膜で円筒状のチューブを作り、その一端を密封溶接し、チューブの外側に加圧された原料水素ガスを供給し、一定温度まで加熱すると水素のみがチューブ内に入るので、この水素を取り出すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法ではパラジウム膜に加圧するため、膜厚を厚くする必要があり、膜厚を厚くすると高価なパラジウムの使用量が多くなる。また膜厚が厚くなると水素透過量が減少するという問題が発生する。このため補強材として多孔質板に直接パラジウムをメッキする方法が提案されている。しかしこの方法では、多孔質板の孔の上にメッキがうまく乗らず、またパラジウムの膜厚が不均一になるという問題があった。また、パラジウムの膜にピンホールが発生しやすいという問題も発生していた。
【0004】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、多孔質板の上にパラジウム膜を均一に、かつピンホールが少ない膜を形成する製造方法を提供することを目的とする。さらにピンホールが発生したときの補修方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、ニッケル粉末を焼成して多孔質板を形成し、この多孔質板の表面に生じた空孔を粒径1μm以下のニッケルの粒子で覆い、400〜900℃の温度で約1時間焼成し、このニッケル粒子を焼成した表面に、パラジウムのメッキをする。
【0006】
ニッケル多孔質板の表面には、0.1〜10μmの孔径の空孔が存在するため、直接メッキするとメッキ層が不均一になったり、厚くなったり、ピンホールが発生したりする。このため、この多孔質板の表面をニッケルの粒子で覆い焼成して表面をなめらかにする封孔処理を行い、その表面にパラジウムのメッキをする。これによりニッケル多孔質板の表面に均一でピンホールの少ないパラジウム膜を形成することができる。なおニッケル粒子の焼成温度を400℃以下とすると十分な焼成ができず、900℃を越えるとニッケル多孔質板の変形が大きくなる。また、メッキの温度を80℃以上、電流密度3A/cm2 以上とするとパラジウム膜の厚み管理が困難となる。しかしメッキ温度、電流密度を低くすると、メッキに時間がかかるので、メッキの温度を20℃以上、電流密度を0.05A/cm2 以上とするのがよい。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1の方法で製造した耐圧水素透過膜に生じたピンホールの補修方法であって、粒径1μm以下のパラジウム粒子に溶剤を加えてペースト状とし、パラジウム膜に生じたピンホールを前記ペーストで塞いだ後、400℃〜900℃の真空を含む非酸化雰囲気中で10N/mm2 以下の圧力で加熱する。
【0008】
ピンホールの大きさはニッケル多孔質板の表面に生じる空孔の孔径と同程度の0.1〜10μmの孔径のものが多いので、粒径1μm以下のパラジウム粒子に溶剤を加えたペーストをピンホールの発生したパラジウム膜に塗布し、真空を含む非酸化雰囲気中で加熱、加圧してパラジウム膜とパラジウム粒子を一体化し、ピンホールを埋めることができる。なお、400℃以下とするとパラジウム粒子とパラジウム膜との一体化が困難となり、900℃を越えると多孔質板に変形が生じる。また10N/mm2 以上の圧力とすると多孔質板の変形が大きくなり、装置価格も高くなる。しかしあまり低くするとパラジウム膜とパラジウム粒子との一体化が十分にできなくなるので、0.1N/mm2 以上とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の耐圧水素透過膜の製造方法を示す図である。本発明の製造方法は、ニッケル多孔質板1の表面に存在する径が0.1〜10μmの空孔を1μm以下のニッケル微粒粉末2を用いて塞ぐ封孔処理工程と、この封孔処理をして滑らかにした面にパラジウムをメッキしてパラジウム膜3を形成するメッキ工程とからなる。
【0010】
封孔処理において、先ず、ニッケル多孔質板の製造をする。ニッケル多孔質板は、ニッケル粉末を平坦な黒鉛板上に均等な厚さに敷きつめた後、還元雰囲気で1000℃、1時間加熱処理を施し、ニッケル粉末を焼結した。厚さは0.8mm,1.5mm,3.0mm,5.0mmの4種類で、いずれも気孔率は約50%、空孔径は0.1〜10μmである。
【0011】
この各ニッケル多孔質板の片面に粒径0.8〜1.0のニッケル粉末を約2g/cm2 の密度で擦り込み空孔を埋め、還元雰囲気で、温度600℃で約1時間加熱した。顕微鏡写真により1μm以上の空孔がなくなることを確認した。
【0012】
メッキ工程において、メッキ槽温度;50℃、電流密度;0.1A/cm2 、時間;8分で、10μmのパラジウムの膜厚を得た。このパラジウム膜の顕微鏡写真により、ピンホールが殆どないことを確認した。なお、電流密度、メッキ時間を調整することにより、1〜20μm膜厚のパラジウムを得ることができる。
【0013】
次にピンホールの補修として、1μm以下のパラジウム微粉を有機溶剤と練り、ペースト状にした後、これをピンホール部に塗布し、真空中で、温度500℃で、圧力約0.2N/mm2 、約1時間、加熱した。顕微鏡写真によりピンホールがなくなることを確認した。
【0014】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明は次の効果を奏する。
▲1▼ ニッケル多孔質板に封孔処理をし、メッキすることによってニッケル多孔質板にほぼ均一な厚さでピンホールの少ないパラジウム膜を生成することができる。
▲2▼ 本発明のパラジウム膜製造方法では膜の大きさに制限がないので、パラジウム膜の大型化が可能である。
▲3▼ メッキによりニッケル多孔質板にパラジウム膜を形成するので、ニッケル多孔質板とパラジウム膜とを接合するという作業は不要である。
▲4▼ パラジウム膜にピンホールが発生しても本発明の補修方法で容易に補修できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパラジウム膜形成の原理を示す図である。
【符号の説明】
1 ニッケル多孔質板
2 ニッケル微粒粉末
3 パラジウム膜
Claims (2)
- ニッケル粉末を焼成して多孔質板を形成し、この多孔質板の表面に生じた空孔を粒径1μm以下のニッケルの粒子で覆い、400℃〜900℃の温度で約1時間焼成し、このニッケル粒子を焼成した表面に、パラジウムのメッキをすることを特徴とする平板構造の耐圧水素透過膜の製造方法。
- 請求項1の方法で製造した耐圧水素透過膜に生じたピンホールの補修方法であって、粒径1μm以下のパラジウム粒子に溶剤を加えてペースト状とし、パラジウム膜に生じたピンホールを前記ペーストで塞いだ後、400℃〜900℃の真空を含む非酸化雰囲気中で10N/mm2 以下の圧力で加熱することを特徴とする平板構造の耐圧水素透過膜の補修方法。
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