JP2001329380A5 - - Google Patents
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【特許請求の範囲】
【請求項1】 銀板により作製したエクスパンドメッシュを基材とし、このメッシュ基材に、焼成により揮発するバインダーと銀粉末からなる銀ペーストを塗布した後、還元雰囲気中300〜700℃で焼成することにより多孔質層を形成することを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項2】 請求項1記載の銀板の板厚が、0.05〜0.3mmであることを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項3】 請求項1又は2記載のエクスパンドメッシュの目開きが、Lw=1〜3mm、Sw=0.5〜2mmであり、且つ、ストランドが板厚の2倍以下であることを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項4】 請求項1記載の多孔質層を、銀粉末のルーズシンタリングにより形成することを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項5】 請求項1記載のバインダーが、澱粉であり、溶剤が水及び/又は揮発性のアルコールであることを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項6】 請求項1記載の還元雰囲気が、流通する水素含有ガス雰囲気であることを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項1】 銀板により作製したエクスパンドメッシュを基材とし、このメッシュ基材に、焼成により揮発するバインダーと銀粉末からなる銀ペーストを塗布した後、還元雰囲気中300〜700℃で焼成することにより多孔質層を形成することを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項2】 請求項1記載の銀板の板厚が、0.05〜0.3mmであることを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項3】 請求項1又は2記載のエクスパンドメッシュの目開きが、Lw=1〜3mm、Sw=0.5〜2mmであり、且つ、ストランドが板厚の2倍以下であることを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項4】 請求項1記載の多孔質層を、銀粉末のルーズシンタリングにより形成することを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項5】 請求項1記載のバインダーが、澱粉であり、溶剤が水及び/又は揮発性のアルコールであることを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【請求項6】 請求項1記載の還元雰囲気が、流通する水素含有ガス雰囲気であることを特徴とする多孔質板材の製造方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、この様な従来のニッケル製フィルタは、微細で精密な濾過を必要とする場合や圧力や熱がかかる場合等の条件下での使用においては圧力損失が大きく又は閉塞し易く、使用条件によっては実用的ではない等、濾過性能が短期間で著しく低下してしまったり、又、機械的強度においても十分に向上させることができないといった問題がある。
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、この様な従来のニッケル製フィルタは、微細で精密な濾過を必要とする場合や圧力や熱がかかる場合等の条件下での使用においては圧力損失が大きく又は閉塞し易く、使用条件によっては実用的ではない等、濾過性能が短期間で著しく低下してしまったり、又、機械的強度においても十分に向上させることができないといった問題がある。
又、従来のニッケル製フィルタは酸性雰囲気中や酸性ガスを含有するアルカリ等の雰囲気中で使用すると短期間で激しく腐食され、耐食性の面においても難点がある。特に、アルカリの濾過に使用された場合、フィルタ全体が完全に液中に浸漬された状態での使用には、腐食による問題は少なくなるが、空気に接触したり、液中に空気が巻き込まれたりすると腐食が起る等から、その使用が一部の用途に限られてしまう等の耐食性の問題がある。
【0006】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明は、銀板を用いてロール掛けを施さずに作製した所望の目開きを有するエクスパンドメッシュを基材とし、このメッシュ基材を洗浄、脱脂する為の表面処理を行なった後、該メッシュ基材の開口に焼成により揮発消滅するバインダーと所定の粒径を有する銀粉末からなる銀ペーストを塗布し、その後、還元雰囲気中300〜700℃で所要時間焼成することにより多孔質層を形成するようにしたことである。
又、還元雰囲気中での焼成温度は400〜600℃の範囲がより好ましい。又、この焼成温度範囲における還元雰囲気中での焼成時間については特に限定されるものではないが、例えば10分〜1時間程度が好ましい。
又、銀粉末の粒径としては特に限定されるものではなく、目的とする目開きによって決められるが、例えば1〜50μm以下が好ましい。目開きが例えば1μmの場合では3〜4μm、又、目開きが10μmの場合では40μm程度であり、粒径分布は±10%程度に揃えることが好ましい。
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明は、銀板を用いてロール掛けを施さずに作製した所望の目開きを有するエクスパンドメッシュを基材とし、このメッシュ基材を洗浄、脱脂する為の表面処理を行なった後、該メッシュ基材の開口に焼成により揮発消滅するバインダーと所定の粒径を有する銀粉末からなる銀ペーストを塗布し、その後、還元雰囲気中300〜700℃で所要時間焼成することにより多孔質層を形成するようにしたことである。
又、還元雰囲気中での焼成温度は400〜600℃の範囲がより好ましい。又、この焼成温度範囲における還元雰囲気中での焼成時間については特に限定されるものではないが、例えば10分〜1時間程度が好ましい。
又、銀粉末の粒径としては特に限定されるものではなく、目的とする目開きによって決められるが、例えば1〜50μm以下が好ましい。目開きが例えば1μmの場合では3〜4μm、又、目開きが10μmの場合では40μm程度であり、粒径分布は±10%程度に揃えることが好ましい。
又、本発明では上記銀板の板厚が、0.05〜0.3mmであることを特徴としている。より好ましくは、0.1〜0.2mmである。
又、本発明では上記多孔銀層を銀粉末のルーズシンタリングにより形成することを特徴としている。
又、本発明では上記還元雰囲気が、流通する水素含有ガス雰囲気であることを特徴としている。
而して、上記した本発明によれば、板厚が0.05〜0.3mm範囲の銀板を用いてロール掛けを施さずに作製したエクスパンドメッシュからなるメッシュ基材を洗浄、脱脂した後に、メッシュ基材に、水及び/又は揮発性のアルコールを溶剤とするバインダーと粒径が1〜50μm以下の銀粉末からなる銀ペーストを充填塗布し、次に還元雰囲気中300〜700℃の範囲で10分〜1時間程度焼成する。これにより、バインダーが揮発消滅される一方で、銀粉末同士の接触部分並びに銀粉末と銀基材との接触部分のみが焼結されるルーズシンタリングによりメッシュ基材に多孔質層が形成された銀製多孔質板材が得られる。
そして、本発明ではこの様にしてメッシュ開口率が30〜70%程度でロール掛けを施さずに作製したエクスパンドメッシュを基材とし、このメッシュ基材1に、焼成により揮発するバインダーと所望の粒径を有する銀粉末2からなる銀ペーストを充填塗布した後、還元雰囲気中所定の温度と時間にて焼成することにより多孔質層3を形成した多孔質板材を製造するものである。尚、ここで多孔質層3は銀粉末2のルーズシンタリングにより形成される。
因みに、ルーズシンタリングとは、粉末粒子が潰れないように又は焼結による粒子間の結合を最小にするために銀粉末2の成形に際しては該粉末2に圧力を掛けず、又焼結も低い温度で短時間内に終了させる手法である。
因みに、ルーズシンタリングとは、粉末粒子が潰れないように又は焼結による粒子間の結合を最小にするために銀粉末2の成形に際しては該粉末2に圧力を掛けず、又焼結も低い温度で短時間内に終了させる手法である。
而して、本発明ではメッシュ基材1としてロール掛けを施さないエクスパンドメッシュを使用することにより、見掛け板厚を大きく、機械的強度を高める。同時に、エクスパンドメッシュによる閉塞を最小限とすることができるものである。
又、銀粉末のルーズシンタリングにより多孔質層3を形成するようにしたことから、元の粒径に応じた目開きが得られ、又、目開きの制御精度を向上させることができるものである。
又、銀粉末のルーズシンタリングにより多孔質層3を形成するようにしたことから、元の粒径に応じた目開きが得られ、又、目開きの制御精度を向上させることができるものである。
銀粉末2の粒径は、銀粉末2をペースト状にて充填するメッシュ基材1の目開きやその他の使用目的に依存して設定するものであることから特に限定されるものではないが、粒径分布は均一な隙間(結合される粒子間の隙間(貫通孔))を可能とするためにも均一な方が良く、例えば1〜50μm以下が好ましい。目開きが例えば1μmの場合では3〜4μm、又、目開きが10μmの場合では40μm程度であり、粒径分布は±10%程度に揃えることが特に好ましい。
尚、メッシュ基材1への銀ペーストの充填塗布については必ずしも一度で行なう必要はなく、数回に分けた焼成との繰り返しにより行なうのも良い。
又、必要に応じて粒径の異なる銀粉末を用いて部分的に銀粉末2の粒子間に確保される隙間(貫通孔)の異なる多孔質層3をメッシュ基材1に形成するようにすることも可能である。この様に、隙間が異なる多孔質層3をメッシュ基材1に形成した銀製多孔質板材を腐食性の気体(ガス類)や液体を濾過するフィルタとして使用した場合、例えば圧力損失を低く抑制する効果が得られるものである。
又、必要に応じて粒径の異なる銀粉末を用いて部分的に銀粉末2の粒子間に確保される隙間(貫通孔)の異なる多孔質層3をメッシュ基材1に形成するようにすることも可能である。この様に、隙間が異なる多孔質層3をメッシュ基材1に形成した銀製多孔質板材を腐食性の気体(ガス類)や液体を濾過するフィルタとして使用した場合、例えば圧力損失を低く抑制する効果が得られるものである。
而して、以上の種々条件により製造された本発明の多孔質板材を燃料電池用基材や電解用電極基材、特にガス拡散電極用基材として使用する場合はメッシュ基材1のいずれかの表面又は両方の表面に電極物質を担持すること、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、以後、テフロン(登録商標)という)等の撥水性を有する樹脂を塗布、焼き付けることによってメッシュ基材1の表面に撥水/親水の度合いを調整することができる等の効果が得られるものである。
又、メッシュ基材1の表面が反応面となる電極等の場合、反応面が極めて大きくなること、又メッシュ基材1の表面が濾過膜面となる金属フィルタとして使用された場合、又触媒担体として使用された場合にはメッシュ基材1が実質的なガイドとなり、面に対して液体やガス等の気体が斜めに通過するため、より厚い濾過膜又はフィルタと同等の効果が出てくるものである。
又、メッシュ基材1の表面が反応面となる電極等の場合、反応面が極めて大きくなること、又メッシュ基材1の表面が濾過膜面となる金属フィルタとして使用された場合、又触媒担体として使用された場合にはメッシュ基材1が実質的なガイドとなり、面に対して液体やガス等の気体が斜めに通過するため、より厚い濾過膜又はフィルタと同等の効果が出てくるものである。
2.又、本発明では銀粉末同士の結合と銀粉末の銀製メッシュ基材に対する結合との間にはバインダーが存在しないことで、電気導電性に優れた銀製多孔質板材となる。つまり、導電性が要求される燃料電池用基材や電解用電極基材、そしてガス拡散電極用基材として優れた特性を発揮し得る有効な銀製多孔質板材を製造することができる。
3.又、本発明で得られた多孔質板材を燃料電池用基材や電解用電極基材、そしてガス拡散電極用基材として使用する場合はメッシュ基材のいずれかの表面又は両方の表面に電極物質を担持すること、テフロン(登録商標)等の撥水性を有する樹脂を塗布、焼き付けるといった加工処理を施すことによって、メッシュ基材の表面に撥水/親水の度合いを調整することができる等の効果が得られる。
4.又、本発明で得られた多孔質板材によれば、メッシュ基材の表面が反応面となる電極等の場合、反応面が極めて大きくなること、又メッシュ基材の表面が濾過膜面となる金属フィルタとして使用された場合、又触媒担体として使用された場合には面に対して立っているメッシュ基材が実質的なガイドとなり、面に対して液体やガス等の気体が斜めに通過するため、閉塞面積の少ないより厚い濾過膜又はフィルタと同等の効果が得られる。
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