JPH0644966A - 水素吸蔵電極の製造方法 - Google Patents

水素吸蔵電極の製造方法

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JPH0644966A
JPH0644966A JP4194212A JP19421292A JPH0644966A JP H0644966 A JPH0644966 A JP H0644966A JP 4194212 A JP4194212 A JP 4194212A JP 19421292 A JP19421292 A JP 19421292A JP H0644966 A JPH0644966 A JP H0644966A
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electrode
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copper
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Mitsuharu Muta
光治 牟田
Tetsuo Sakai
哲男 境
Hiroshi Miyamura
弘 宮村
Nobuhiro Kuriyama
信宏 栗山
Hitoshi Uehara
斎 上原
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造工程の複雑化を招くことなく、アルカリ電
池の負極として用いた場合に優れたサイクル寿命及び放
電容量を有する水素吸蔵電極の製造方法を提供する。 【構成】水素吸蔵電合金粉末の粒径を50μmを下回る
ようにし、全体重量の10〜20重量%の銅メッキを施
した銅メッキ合金粉末を空孔率が10〜25%となるま
で加圧して水素吸蔵電極を作製しているので、焼結水素
吸蔵合金電極やフッ素樹脂バインダ使用の非焼結水素吸
蔵電極より簡単な製造工程で作製できる。また、フッ素
樹脂バインダや多量の銅粉末導電助材を用いる非焼結水
素吸蔵電極より優れた放電容量とサイクル寿命を有する
ことができる。恐らく、水素吸蔵電合金粉末表面にメッ
キされた銅は延性に富むため、その後の加圧により充分
に密着し、水素吸蔵電合金粉末間及び水素吸蔵電合金粉
末と集電体との間の結合力を高めるものと推定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ電池の負極と
して使用される水素吸蔵電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来の水素吸蔵電極の製造方法としては、
焼結の実施の有無により焼結方式(例えば特開平1ー1
32048号公報)及び非焼結方式(例えば特開平2ー
278659号公報、特開平3ー98261号公報)に
分類できる。焼結方式では、水素吸蔵合金粉末を集電体
に圧着した状態で約摂氏1000度に加熱して焼結を行
う。
【0003】非焼結方式では、水素吸蔵合金粉末に対し
導電助材として水素吸蔵合金粉末の4〜5倍の重量の銅
粉末を混合し、集電体に圧着する方法や、フッ素樹脂粉
末やフッ素樹脂ディスパージョンをバインダとして水素
吸蔵合金粉末及び導電助材と混合し、摂氏300度程度
の雰囲気で集電体に圧着する方法が取られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら焼結方式
は、製造工程が複雑でコストがかかるという問題を有
し、後者は水素吸蔵合金粉末間の又は水素吸蔵合金粉末
と集電体との間の機械的結合力や導電性に問題があっ
た。また非焼結方式は、上記したように大量の導電助材
を用いる場合には重量又は容積当たりの放電容量が低下
する問題があり、フッ素樹脂などのバインダを用いる場
合にはバインダが電極の内部抵抗を増大する。この内部
抵抗の増大を防ぐためにバインダの使用量を減らすと機
械的結合力が低下してサイクル寿命が低下し、更にかな
りの高温への加熱工程を必要とするという問題があっ
た。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、製造工程の複雑化を招くことなく、アルカリ電池
の負極として用いた場合に優れたサイクル寿命及び放電
容量を有する水素吸蔵電極の製造方法を提供すること
を、その課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵電極の
製造方法は、最大粒径が50μmの水素吸蔵合金粉末に
全体の10〜20重量%の銅メッキを施して作製した銅
メッキ合金粉末を作製し、上記銅メッキ合金粉末を集電
体に接触させつつ空孔率が10〜25%となるまで圧着
することを特徴としている。
【0007】水素吸蔵合金粉末の最大粒径が50μmを
上回る場合サイクル寿命が大きく低下した。水素吸蔵合
金粉末への銅メッキ量が10重量%を下回る場合サイク
ル寿命が大きく低下し、銅メッキ量が20重量%を上回
る場合放電容量が大きく低下した。空孔率が10%を下
回る場合放電容量が大きく低下し、空孔率が25%を上
回る場合サイクル寿命が大きく低下した。なお、空孔率
は銅メッキ合金粉末の全体積に対する空孔の総容積の比
で定義される。
【0008】
【発明の効果】以上説明した本発明は、水素吸蔵合金粉
末の粒径を50μmを下回るようにし、全体重量の10
〜20重量%の銅メッキを施した銅メッキ合金粉末を空
孔率が10〜25%となるまで加圧して水素吸蔵電極を
作製しているので、焼結水素吸蔵合金電極やフッ素樹脂
バインダ使用の非焼結水素吸蔵電極より簡単な製造工程
で作製できる。また、本発明の水素吸蔵電極は、フッ素
樹脂バインダや多量の銅粉末導電助材を用いる非焼結水
素吸蔵電極より優れた放電容量とサイクル寿命を有する
ことが判明した。
【0009】水素吸蔵合金粉末表面にメッキされた銅は
延性に富むため、その後の加圧により充分に密着し、水
素吸蔵合金粉末間及び水素吸蔵合金粉末と集電体との間
の結合力を高めるものと推定される。
【0010】
【実施例】
(実施例1)水素吸蔵合金MmNi3.5 Co0.7 Al
0.8 を機械的に粉砕し、各種網目サイズのフィルタを通
して各種の最大粒径をもつ合金粉末A〜Dを作製した。
ただし、試料の最大粒径はフィルタの網目のサイズによ
り決定し、フィルタの各網目の規格サイズとしては15
0μm×150μm、105μm×105μm、50μ
m×50μm、20μm×20μmとする。したがっ
て、実際のフィルタの網目サイズのばらつきや、フィル
タ通過具合により網目の規格サイズより多少大きな合金
粉末が混入することはあり得る。
【0011】これらの合金粉末に10重量%の銅メッキ
を施した。次に銅メッキ合金粉末を充分に乾燥した後、
プレス機(図示せず)の固定下側金型に電極形状に形成
された浅い凹部内に銅メッキ合金粉末を所定の厚さに層
状に充填し、この銅メッキ合金粉末層上にニッケルエキ
スパンドメタルからなる集電体を載置し、次に集電体の
上からプレス機の可動上側金型を下降させて、銅メッキ
合金粉末層と集電体とを圧着させ、かつ、銅メッキ合金
粉末同士を冷間プレスにより圧着させる。プレス機には
充分な押圧力を有するものを用い、電極寸法は縦40m
m,横30mm,厚さ0.6mm、空孔率は25重量%
のものを得た。なお空孔率は、電極体積からエキスパン
ドメタルの体積(重量/比重)を差し引いて銅メッキ合
金粉末体積を求め、電極重量からエキスパンドメタルの
重量を差し引いて銅メッキ合金粉末重量を求める。次
に、銅メッキ合金粉末重量を銅メッキ合金粉末体積で割
って求めた比重を銅メッキ合金粉末の理論比重で割って
空孔率とした。このようにして最大粒径が異なる4種類
の電極半製品を作製した。
【0012】次に、これらの電極半製品を十分に容量の
大きいシンター式Ni極にナイロン不織布を介して挟み
込み、電解液として、比重1.26のKOH水溶液中に
浸漬し負極規制の電池を構成した。次に、温度20℃で
0.4CmA×3時間、120%の充電及び0.2Cm
A×0.8V終止電圧の放電をくり返し、十分に活性化
後、電極体積当りの放電容量を調べた。また、電極活性
化後、20℃で0.4CmA×3時間、120%の充電
及び0.4CmA×0.8V終止電圧の放電をくり返し
て電極のサイクル寿命を調べた。以下、粒径が150μ
mアンダーの電極をA、105μmアンダーの電極を
B、50μm以下の電極をC、20μm以下の電極をD
とする。
【0013】第1表に電極体積当りの容量を示し、図1
にサイクル寿命(すなわち充放電回数と容量低下の度合
い)を示す。第1表から粒径が小さい電極程、電極体積
当りの放電容量は大きくなることが判明した。電子顕微
鏡による電極表面を観察すると、粒径が60μm以上の
水素吸蔵合金粉末では、集電体との加圧、圧着後に銅メ
ッキ合金粉末に割れが発生していた。この割れにより銅
メッキを施しても導電性が阻害され、それにより容量低
下が生じるものと思われる。
【0014】なお、銅メッキ量を上記10重量%より増
加すれば、粒径が多少増加しても割れにくくなるものと
推定した。また、更にプレス機の圧縮率を増大して空孔
率を上記25重量%より減少させれば、銅メッキ合金粉
末間の機械的結合力の増大により粒径が多少増加しても
割れにくくなるものと推定した。
【0015】また図1に示すように、サイクル寿命に関
しても合金粉末粒径の小さいC,Dの電極が充放電サイ
クルに伴なう容量の低下がなかった。これは合金粉末の
粒径が大きいA、Bの電極では充放電サイクルによる合
金粉末の微粉化が発生しやすいため、電極の合金粉末の
保持力が低下し、電極より合金粉末が脱落するためと考
えられる。 (実施例2)次に、製造方法及び組成は実施例1と同じ
で、ただ粒径を50μmアンダーとし、銅メッキ量を種
々変更して水素吸蔵電極E〜Hを作製した。なお、Eは
5重量%、Fは10重量%、Gは20重量%、Hは25
重量%の銅メッキ量とした。
【0016】更に比較例として、製造方法及び組成は実
施例1と同じで、ただ粒径を50μm以下とし、銅メッ
キしない同一組成の水素吸蔵合金粉末に20重量%の導
電助材を混合し、その他の製造方法は同じとした水素吸
蔵電極I〜Kを作製した。なお、Iは銅粉末、Jはニッ
ケル粉末、Kはカーボン粉末とした。また、空孔率はE
〜K全て25重量%とした。これらの電極E〜Kを用い
て実施例1と同じ方法で電極体積当りの放電容量及びサ
イクル寿命を調べた。第2表に電極体積当りの容量を示
し、図2にサイクル寿命を示す。
【0017】更に上記E〜K品と同一組成、同一製造方
法でただ合金粉末の粒径を20μmアンダーとしたもの
も作製し、同じく電極体積当りの放電容量及びサイクル
寿命を調べたが、結果は50μmアンダーのものと殆ど
変化がなかった。第2表及び図2からわかるように、銅
粉末、ニッケル粉末、カーボン粉末を混合したI〜Kの
電極では,銅メッキしたE〜Hの電極に比べ、電極体積
当りの容量が小さく、またサイクル寿命も短かった。こ
れは軟らかい銅メッキ層がプレスにより相互に圧着する
とともに水素吸蔵合金粉末を包んで保持し更に導電性を
向上させるE〜Hの電極に比べて、I〜Kの電極は水素
吸蔵合金粉末間の機械的結合力に劣るのでサイクル寿命
が短く、また内部の導電性が悪いので放電容量が劣るた
めと考えられる。
【0018】すなわち、E〜Hの電極は、合金粉末が延
性に富んだ銅によって均一に被覆されているため加圧、
圧着により合金粉末間、又は合金粉末と集電体間の強固
な密着が得られる。ただし銅メッキ量が5重量%のEの
電極では電極体積当りの容量は大きいが、銅メッキによ
る被覆量が少ないため合金粉末どうしの密着性が弱く、
サイクル寿命が短くなってしまう。また、銅メッキ量が
25重量%のHの電極では銅メッキによる被覆量が多い
ため、電極体積当りの容量が小さくなってしまう。 (実施例3)次に、製造方法及び組成は実施例1と同じ
で、ただ粒径を50μmアンダーとし、銅メッキ量を2
0重量%とし、空孔率を種々変更した水素吸蔵電極L、
M、N、Pを作製し、実施例1と同じ方法で電極体積当
りの放電容量及びサイクル寿命を調べた。なお、Lの空
孔率は8%、Mの空孔率は10%、Nの空孔率は25
%、Pの空孔率は30%とした。第3表に電極体積当り
の放電容量を示し、図3にサイクル寿命を示す。
【0019】また、上記L、M、N、Pと同一組成、同
一製造方法、同一空孔率で銅メッキ量を10重量%に変
更した水素吸蔵電極Q、R、S、Tを作製し、実施例1
と同じ方法で電極体積当りの放電容量及びサイクル寿命
を調べた。なお、Qの空孔率は8%、Rの空孔率は10
%、Sの空孔率は25%、Tの空孔率は30%とした。
第4表に電極体積当りの放電容量を示し、図4にサイク
ル寿命を示す。
【0020】第3表、第4表、図3及び図4から明らか
なように、空孔率10%の電極M、Rと、空孔率25%
の電極N、Sが放電容量及びサイクル寿命の両方の点で
優れていた。これは、空孔率が10%より小さくなると
電極内部に浸漬する電解液の量が少なくなるため、電解
液と合金粉末が接する部分すなわち反応表面積が少なく
なり、合金粉末の活物質利用率か低下するためである。
また、空孔率が25%より多いと電極体積も大きくな
り、また合金粉末どうしの圧着部分も少なく、電気抵抗
及び機械強度の点で不利となり、容量及びサイクル寿命
が劣化すると考えられる。
【0021】なお上記した実施例では、冷間プレスによ
り圧着成形する場合を説明したが、熱間プレスを採用す
ることも可能である。また上記実施例では非メッキ導電
助剤及びバインダを使用せずに、銅メッキ層の機械的な
圧着により成形を行っているが、少量の非メッキ導電助
剤及びバインダを添加することも可能である。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素吸蔵電極の容量とサイクル寿命と
の関係を示す特性図
【図2】本発明の水素吸蔵電極の容量とサイクル寿命と
の関係を示す特性図
【図3】本発明の水素吸蔵電極の容量とサイクル寿命と
の関係を示す特性図
【図4】本発明の水素吸蔵電極の容量とサイクル寿命と
の関係を示す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮村 弘 大阪府豊中市新千里西町3−20−10 (72)発明者 栗山 信宏 大阪府池田市神田4−12−16 (72)発明者 上原 斎 大阪府池田市伏尾台2−3−12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最大粒径が50μmの水素吸蔵合金粉末に
    全体の10〜20重量%の銅メッキを施して作製した銅
    メッキ合金粉末を作製し、上記銅メッキ合金粉末を集電
    体に接触させつつ空孔率が10〜25%となるまで圧着
    することを特徴とする水素吸蔵電極の製造方法。
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