JP4115829B2 - 透過型電波吸収装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波を透過及び吸収させることによって電波の反射波の影響を防止する透過型電波吸収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電波送信装置から送信される電波は、直接波として受信装置で受信されるだけでなく、例えば、コンクリート壁等の反射体で反射した反射波も受信装置で受信される。受信装置で直接波及び反射波が受信されると、受信障害等が発生する。そのため、電波の反射を防止する電波吸収体が開発されている。電波吸収体では、一般的に、入射波に対して反射波と透過波がないことを基本としてきた。しかしながら、透過波を許容することにより、電波吸収体を構成する要素の材料や形状等の選択の自由度を増加させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
透過波を許容した従来の透過型電波吸収体の、周波数特性を図4に示す。このように、入射波の波長にあわせた種々の電波吸収体を構成することができる。このうち、約5.8GHzで吸収減衰量が最大となる電波吸収体の角度特性を図5に示す。この電波吸収体は、例えば、電波の入射側から、誘電体層、インピーダンス層が設けられていて、誘電体層の比誘電率εrは、6.7、誘電体層の厚さd=5.0mm、そして、インピーダンス層のインピーダンスZs=66Ωである。図5に示す角度特性では、横軸が入射波の角度θ[deg]、縦軸が反射電力係数Γ[dB]、透過電力係数T[dB]を示す。図5に角度特性を示す従来の電波吸収体では、電波の入射角度0度付近の吸収減衰量は良好であるが、入射角度が大きくなると極端に吸収減衰量が減少する。
一般的に、電波吸収体は、反射電力係数Γが−20dB以上の状態において電波吸収体として実際に用いることができる。つまり、この電波吸収体では、入射波の入射角の範囲が±35度程度まで電波吸収性能を発揮することができる。
【0004】
【特許文献1】
特願2001−195225
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電波吸収体を用いる上で、一層、入射波に対して広角度特性が要求される場合もある。例えば、ETCで用いられる電波吸収体では、入射波の入射角±45度で−25dB程度の吸収減衰量が必要とされている。
そこで、本発明は、入射波の広範囲の入射角に対して反射波の発生を防止する透過型電波吸収装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの透過型電波吸収装置である。
請求項1に記載の透過型電波吸収装置は、複数種類の透過型電波吸収層により構成され、各透過型電波吸収層は誘電体層とインピーダンス層とを備えている。また、各電波吸収層は、電波の入射側に誘電体層が、透過側にインピーダンス層が設けられている。そして、各電波吸収層は、積層された状態で配設され、所定の電波吸収層よりも電波の入射側前段に配設された電波吸収層に設けられている誘電体層の比誘電率は、所定の電波吸収層に設けられている誘電体層の比誘電率よりも小さい。
また、各電波吸収層では、入射電波の波長をλ0、各電波吸収層の誘電体層の比誘電率をεr、入射側及び透過側の領域の固有インピーダンスをZ0としたときに、各誘電体層の厚さd、及び各インピーダンス層のインピーダンスZsを、
【数1】
Figure 0004115829
で算出可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
本発明の透過型電波吸収装置で用いる透過型電波吸収体の一実施の形態の概略図を図1に示す。本実施の形態の透過型電波吸収装置1は、電波の入射側から順に、第1の電波吸収層(第1の誘電体層10、第1のインピーダンス層11)、第2の電波吸収層(第2の誘電体層20、第2のインピーダンス層21)が積層された状態で設けられていている。
第1の誘電体層10は、例えば、比誘電率εr1が2.3のポリプロピレンで構成されている。第2の誘電体層20は、例えば、比誘電率εr2が6.7のガラスで構成されている。第1、第2のインピーダンス層11、21は、例えば、スズ、亜鉛等の抵抗体を各誘電体層10、20に貼着あるいは塗布することによって薄膜状に形成したものである。
【0008】
ところで、図2に示すような、領域A(例えば、自由空間等)と領域B(例えば、自由空間等)の間に設けられた単層の透過型電波吸収体では、入射波の波長λ0と、電波吸収体を構成する誘電体の比誘電率εrより、誘電体層の厚さdとインピーダンス層のインピーダンスZsは下記のようにして算出することができる。領域A、領域Bの固有インピーダンスをZ0とする。
透過型電波吸収体の反射波を零にするためには、Qマッチセクションの原理を応用する。そこで、式(1)に示すように誘電体層の厚さdを、入射波の波長(誘電体層内における波長λm)の4分の1とする。これにより、誘電体層の表面で反射した反射波と、誘電体層に入射してインピーダンス層の表面で反射した反射波の位相は2分の1波長(180度)のずれが生ずる。このため、両方の反射波が相殺され、トータルとして反射波は零となる。また、この際のインピーダンス層のインピーダンスは、式(2)で表される。
【数2】
Figure 0004115829
Figure 0004115829
【数3】
Figure 0004115829
Figure 0004115829
【0009】
ここで、図1に示す、本発明の透過型電波吸収装置1のように、透過型電波吸収層が2層である場合について説明する。
まず、第2の電波吸収層(第2の誘電体層20、第2のインピーダンス層21)のみについて説明する。入射波の波長λ0、第2の誘電体層の比誘電率εr2より、第2の誘電体層の厚さd2と第2のインピーダンス層21のインピーダンスZs2は下記のようにして算出することができる。
【数4】
Figure 0004115829
Figure 0004115829
次に、第1の電波吸収層(第1の誘電体層10、第1のインピーダンス層11)について説明する。第2の電波吸収層では、前述した式(3)の条件を満たすように第2の誘電体層の厚さd2と第2のインピーダンス層21のインピーダンスZs2を決定すれば、反射波は零であるので、第2の電波吸収層があることで第1の電波吸収層に及ぼす影響は誤差の範囲内である。このため、第1の電波吸収層についても、第1の電波吸収層のみについて考慮すればよい。よって、入射波の波長λ0、第1の誘電体層の比誘電率εr1より、誘電体層の厚さd1と第1のインピーダンス層11のインピーダンスZs1は下記のようにして算出することができる。
【数5】
Figure 0004115829
Figure 0004115829
【0010】
これによれば、第1の誘電体層10の比誘電率εr1を2.3とすると、5.8GHzの入射波の場合、第1の誘電体層10の厚さは、式(4)より、d1=9.2mm、そして、第1のインピーダンス層11では、インピーダンスZs1=292Ωという値を算出することができる。
また、第2の誘電体層20の比誘電率εr2を6.7とすると、5.8GHzの入射波の場合、第2の誘電体層20の厚さは、式(3)より、d2=5.0mm、そして、第2のインピーダンス層21では、インピーダンスZs2=66Ωという値を算出することができる。
【0011】
このように第1の電波吸収層と、第2の電波吸収層を、図1に示すように積層させた透過型電波吸収装置1は、入射波の波長λ0が約5.8GHzの場合、図3に示すような角度特性を示す。図3に示す角度特性では、横軸が入射波の角度θ[deg]、縦軸が反射電力係数Γ[dB]、透過電力係数T[dB]を示す。また、図3の実線は入射波のTE波(入射面に電界が垂直で磁界が平行な入射波)、一点鎖線は入射波のTM波(入射面に電界が垂直で磁界が平行な入射波)を示す。
一般的に、電波吸収体は、反射電力係数Γが−20dB以上の状態において電波吸収体として実際に用いることができる。つまり、透過型電波吸収装置1では、入射波の波長λ0が約5.8GHzの場合、入射波の入射角の範囲が±50度程度まで電波吸収性能を発揮することができる。
【0012】
本実施の形態では、第1及び第2の電波吸収層を備え、各電波吸収層は、電波の入射側の前段に誘電体層を、後段にインピーダンス層を備え、第2の電波吸収層よりも電波の入射側の前段に第1の電波吸収層が設けられている。第1の電波吸収層が備えている第1の誘電体層10の比誘電率εr1は、第2の電波吸収層が備えている第2の誘電体層20の比誘電率εr2よりも小さい。このように、透過型電波吸収装置1を構成することにより、入射波の広範囲の入射角に対して反射波の発生を防止することができる。
また、このように多層にしても、各透過型電波吸収層に関して独立して誘電体層の厚さとインピーダンス層のインピーダンスを算出することができるので、製作が容易である。
【0013】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されることなく、種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、インピーダンス層として抵抗体の薄膜を用いた場合について説明したが、インピーダンス層は抵抗薄膜に限定されない。
また、磁性を有しない誘電体層について説明したが、磁性を有する誘電体層を用いることもできる。
誘電体層の損失を考慮しなかったが、誘電体層として損失性誘電体層を用いることもできる。
また、本実施の形態では、透過型電波吸収層が2層の場合について説明したが、透過型電波吸収層は3層以上でもよい。電波の入射側前段に設けられた透過型電波吸収層の誘電体層の比誘電率が、1層後段の透過型電波吸収層の誘電体層の比誘電率より小さければよい。
本実施の形態では、第1の誘電体層10がポリプロピレン、第2の誘電体層20がガラスの場合について説明したが、各誘電体は他の材料でもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の透過型電波吸収装置を用いれば、入射波の広範囲の入射角に対して反射波の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過型電波吸収装置1の一実施の形態の概略構成図である。
【図2】透過型電波吸収体の原理を説明する図である。
【図3】透過型電波吸収装置1の角度特性を示す図である。
【図4】従来の電波吸収体を示す図である。
【図5】従来の電波吸収体を示す図である。
【符号の説明】
1 透過型電波吸収装置
10 第1の誘電体層
11 第1のインピーダンス層
20 第2の誘電体層
21 第2のインピーダンス層

Claims (1)

  1. 複数種類の透過型電波吸収層により構成され、
    各透過型電波吸収層は誘電体層とインピーダンス層とを備え、
    前記各電波吸収層は、電波の入射側に誘電体層が透過側にインピーダンス層が設けられ、
    前記各電波吸収層は積層された状態で配設され、
    所定の電波吸収層よりも電波の入射側前段に配設された電波吸収層に設けられている誘電体層の比誘電率は、所定の電波吸収層に設けられている誘電体層の比誘電率よりも小さく、
    各電波吸収層では、入射電波の波長をλ0、各電波吸収層の誘電体層の比誘電率をεr、入射側及び透過側の領域の固有インピーダンスをZ0としたときに、各誘電体層の厚さd、及び各インピーダンス層のインピーダンスZsを、
    Figure 0004115829
    で算出可能な透過型電波吸収装置。
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