JP4115568B2 - 文章入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示画面上の所定領域を指示又は手書きすることにより、その指示された領域の表示内容又は手書き内容が入力される表示兼入力タブレットを備え、これら入力された内容を連ねて文章を作成する例えばコンピュータやワードプロセッサ等の文章入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワードプロセッサにて文章を入力する際に、語句の入力を効率的に行う方法として、仮名漢字変換した語句を記憶しておき、再び同じ読み方の仮名を入力した場合には、頻度順或いは新しさの順に、語句の候補を順次表示する方法が従来よく知られている。
【0003】
また、入力効率化に関するその他の文章入力方法としては、次のような様々の方法が公報に開示されている。
【0004】
(1)文章を各要素に分解してキーワードに対応させて記憶装置に蓄積し、利用者の要求に合致した文章の種々の要素をメニュー形式で提示する。例えば「会社」「安否」等のキーワードに応じて候補となる定型的な文章の構成語句、例えば「貴社」「御社」等をメニュー形式で提示する。そして、これら構成語句を順次選択していくことにより新たな文章を入力する(特開昭62−202259号公報)。
【0005】
(2)長単語検出手段により切り出された単語及び登録済単語の出現頻度を計測し、その出現頻度の高い方から順に一定数の単語を高頻度単語として登録することにより、長い文字列の単語を迅速確実に入力できるようにする(特開平2−76066号公報)。
【0006】
(3)従来のキーボードに記憶部と表示部と選択部とを加えることにより、使用頻度の多い命令や文章を予め設定することなく、容易かつ簡略的に入力を可能にする(特開平4−105111号公報)。
【0007】
(4)単語の表記を記憶した辞書部とその辞書部中の単語を表示する表示装置とを備え、タッチパネル上をペンで指すとその位置に対応した単語が表示され、さらに、確定キーの入力によりその単語を確定しテキストに取り入れるようにする(特開平6−51891号公報)。
【0008】
(5)作成中の文章で文字の連なりを取り出してその出現回数を数え、その文字の連なりで出現回数が多いものを表示するための表示装置と、その文字の連なりに割り当てられたキーにより、何度も使用する文字の連なりを簡単に入力できるようにする(特開平6−203016号公報)。
【0009】
上記の従来技術(1)〜(5)は、(4)を除いて、主にキーボード入力を想定したものであり、いずれも候補となる語句を、ディスプレイ画面の一部、或いはキーボード上の一部に設けた表示装置に表示した上で、目的の語句を選択することにより、入力動作を簡略化しようとするものである。
【0010】
一方、近年、普及しつつある手書き文字認識による文章入力においては、キーボード上の文字の位置を覚える必要がないという長所がある反面、紙に文字を書く場合と同様に、文字の総画数分の動作が必要であるため、手の動作のストロークが、キーボードを用いた入力よりも多くなってしまう傾向がある。
【0011】
例えば、「傾向」という語句を入力する場合、キーボードでは、「け」「い」「こ」「う」「変換キー」「確定キー」の最短6ストロークで入力が可能である。しかし、手書き文字認識では、漢字で直接入力する場合、「傾向」の総画数合計の19ストロークが必要となる。また、仮名漢字変換を併用した場合でも「けいこう」の9画を入力する必要があるため、「変換キー」「確定キー」を合わせて11ストロークが必要となる。すなわち、この場合、手書き文字認識ではキーボード入力の約2〜3倍の動作を要する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来技術(4)を除く従来技術(1)〜(5)の入力方法では、手書き文字認識による方式に対してもある程度の適用が可能である。しかし、手書き文字認識による方式では、文字の画数によるストローク動作の増加は避けられないため、キーボード入力以上に、入力動作の簡略化の工夫が望まれる。すなわち、前記の従来技術(1)〜(5)は、それぞれ以下の問題点を有している。
【0013】
まず、前記従来技術(1)では、キーワードの入力が必要であることと、キーワードと文章の対応付けが必要であることと、定型以外の文章は効率的に入力し難いという問題点を有している。
【0014】
また、前記従来技術(2)及び従来技術(5)は、入力された語句をディスプレイ画面或いはキーボード上の一部分に、出現頻度順或いは語句の長さの順に表示し、選択により入力しようとするものであるが、基本的には少ない語句を表示することを想定しており、表示する候補の語句を多くしていった場合に、目的の語句を見付け出すことが困難となるという問題点を有している。また、語句の区切りは入力時に決定されるため、予め入力された文章の一部の語句を修正する場合に語句の出現頻度が正しく計数されないことがあると考えられる。
【0015】
さらに、前記従来技術(3)は、送信キーによって入力データを区切り、キーボード上の一部分に表示しておいて再入力を可能とするものであるが、前記従来技術(2)の方式に内包された位置付けとみることができ、従来技術(2)と同様の問題点を有している。
【0016】
前記従来技術(4)は、辞書部に保有する全ての語句に対応する、読みの順のスケールを用意し、ペン状の器具でスケール上の位置を指定することにより、語句を入力しようとするものであるが、語句を予め表示しておく方式ではないため、一旦概ねの位置を指定して、目的の語句が含まれる候補の語句の一覧が表示されるまで操作を繰り返した上で、目的の語句を改めて選択するという段階を踏む必要があるという問題点を有している。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、特に手書き文字認識による入力方式に適用できると共に、キーボードによる入力方式にも適用可能であって、より少ない動作で効率良く目的の文章を入力し得る文章入力装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の文章入力装置は、上記課題を解決するために、表示画面上の所定領域を指示又は手書きすることにより、その指示された領域の表示内容又は手書き内容が入力される表示兼入力タブレットを備え、これら入力された内容を連ねて文章を作成する文章入力装置において、文章から語句を切り出す切り出し手段と、上記切り出し手段にて切り出された語句に対して語句毎の重要度を算出する重要度算出手段と、上記重要度算出手段にて算出された語句の重要度に基づいて上記表示兼入力タブレットに強調して表示させる強調表示手段とが備えられ、上記表示兼入力タブレットにおける、上記重要度に基づいて強調表示された語句が表示された領域を押すことにより、その押された領域に表示された語句が文章の一部として入力され、上記強調表示手段は、語句の表示を強調すべく、上記語句の表示領域兼入力領域の占有面積を大きくすると共に、上記重要度に基づいて強調表示された語句が表示された領域には、該語句の読み仮名における各行毎のラベルが付されていることを特徴としている。
【0019】
上記の発明によれば、文章を作成するときには、表示兼入力タブレットにて表示画面上の所定領域を指示又は手書きすることにより、その指示された領域の表示内容又は手書き内容が入力される。そして、これら入力された内容を連ねることにより文章が作成される。
【0020】
ここで、文章を作成していく段階では、切り出し手段が作成中の文章から語句を切り出す。次いで、重要度算出手段が、切り出し手段にて切り出された語句に対して語句毎の重要度を算出する。さらに、強調表示手段が、上記重要度算出手段にて算出された語句の重要度に基づいて表示兼入力タブレットに強調して表示させる。
【0021】
すなわち、作成中の文章から切り出された各語句は、表示兼入力タブレットの所定領域に例えばソートされて表示される。この表示兼入力タブレットに表示された語句は、再度その語句を入力するときに、その語句の表示領域を指示することによって、文章作成の入力に反映される。
【0022】
一方、再度同じ語句を選択して入力するに際しては、重要度算出手段の算出による重要度の高い語句は強調表示手段にて強調表示されるので、重要度の高い語句程、選択を容易に行うことができる。
【0023】
この結果、手書き文字認識による入力方式において、より少ない動作で効率良く目的の文章を入力し得る文章入力装置を提供することができる。
また、本発明では、強調表示手段は、語句の表示を強調させる方法として、表示兼入力タブレットに表示された語句の表示領域の占有面積を大きくする。
【0024】
したがって、重要度の高い語句程、広い占有面積で表示されるので、その語句の入力に際しての選択を確実に容易に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。いずれの実施の形態も文章入力装置の構成で説明を行っているが、後述する文章入力装置を動作させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、磁気テープ、CD−ROM等)であってもよいことは明らかである。
【0026】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0027】
本実施の形態のコンピュータ又はワードプロセッサ等の文章入力装置1は、図2に示すように、表示兼入力タブレット20、中央処理装置(以下、「CPU(Central Processing Unit)」と称する)2、文章表示用ディスプレイ3、文章記憶用メモリ4、頻出語句用メモリ5及び記憶手段としての外部記憶装置6を備えている。
【0028】
上記表示兼入力タブレット20は、ビットマップ情報の表示に加えて、ペン状の器具又は指等の後述する指示具8を用いてビットマップ情報を入力するものであり、例えば感圧素子のマトリクスが配置された透明なフィルムを、液晶表示パネル上に貼り合せることにより実現されるものである。
【0029】
上記CPU2は、入出力機器である表示兼入力タブレット20及び文章表示用ディスプレイ3、文章記憶用メモリ4及び頻出語句用メモリ5等のメモリ、並びに外部記憶装置6を制御するものである。
【0030】
上記文章表示用ディスプレイ3は入力された文章を表示するものである。また、文章記憶用メモリ4は入力された文章を記憶するためのメモリ、頻出語句用メモリ5は語句を記憶するためのメモリである。さらに、外部記憶装置6は文章や頻出語句データを外部に保存しておくための記憶装置である。
【0031】
上記構成を有する文章入力装置1は、図3に示す外観を有しており、筐体7の前側上面に表示兼入力タブレット20が形成されていると共に、この表示兼入力タブレット20の蓋を形成するように文章表示用ディスプレイ3が開閉自在に設けられている。
【0032】
上記の表示兼入力タブレット20は、同図に示すようにペン状の器具や指等の指示具8にて、表示画面上の所定領域を押圧することにより、文字、数字及び記号等を入力し得るようになっている。また、この表示兼入力タブレット20は、後述するように、手書き文字を入力し得るものとなっている。
【0033】
なお、文章入力装置1は、必ずしもこれに限らず、例えば、図4に示すように、従来のキーボード11による入力方式を持つワードプロセッサ10に、表示兼入力タブレット12を付加した構成とすることも可能である。
【0034】
上記の表示兼入力タブレット20の表示内容及び入力情報の処理内容は、ソフトウェアによって柔軟に変更することが可能であるが、ここでは、図5に示すように、手書き文字認識方式を採用する場合の表示内容が示されている。
【0035】
すなわち、表示兼入力タブレット20には、予め決められた位置である例えば下部左側に固定語句表示領域21が表示されている。この固定語句表示領域21には、例えば「が」「と」…「ある」「ない」…等の分野にかかわらない一般的な頻出語句又は操作者が設定した語句が表示されており、これら語句を上記指示具8にて接触することにより当該語句を入力し得るものとなっている。
【0036】
また、表示兼入力タブレット20の例えば下部右側には、手書き文字入力領域22、一時表示領域23、変換ボタン領域24及び採用ボタン領域25が表示されている。
【0037】
上記の手書き文字入力領域22には例えば5個のます目が形成されており、各マス目の中に上記指示具8にて手書き文字を入力すると、その手書き文字が前記CPU2に内蔵されたソフトウェアにて認識され、その認識された文字が一時表示領域23に表示されるようになっている。
【0038】
そして、一時表示領域23に表示された文字をそのまま採用する場合には採用ボタン領域25を押す一方、仮名漢字変換を必要とする場合には変換ボタン領域24を押すことにより、CPU2に内蔵されたソフトウェアを用いて一時表示領域23に示された仮名を漢字に変換し、次いで、採用ボタン領域25を押すことにより入力文字として採用することができる。
【0039】
また、表示兼入力タブレット20の例えば上部には、頻出語句表示領域26が表示されており、この頻出語句表示領域26には、図1に示すように、入力した文章から切り出された語句が一覧表として表示されるようになっている。
【0040】
なお、上記固定語句表示領域21、一時表示領域23、変換ボタン領域24、採用ボタン領域25及び手書き文字入力領域22にて示した文字入力の機能については、前記図4に示すワードプロセッサ10では、キーボード11からの入力によって代替することが可能である。
【0041】
次に、上記構成を有する文章入力装置1の文章入力方法について、図6及び図7に示すフローチャート、図8ないし図13及び図1に基づいて説明する。なお、ここでは、例えば、「私は日本人である。日本人は・・・」という文章を入力する場合の例を説明する。
【0042】
まず、図6及び図8に示すように、「私」という文字を表示兼入力タブレット20の手書き文字入力領域22にてペン入力する(S1)。これにより、入力領域による分岐が行われる(S2)。今の場合には、採用ボタン領域25を押すことにより(S3)、「私」という文字を前記文章記憶用メモリ4に追加格納する(S4)と同時に、文章表示用ディスプレイ3に表示する(S5)。
【0043】
この後、語句の切り出し・ソート・強調処理(S6)を経て、頻出語句表示領域26に「私」という文字が表示される(S7)。
【0044】
ここで、頻出語句表示領域26において、「私」の左側に表示された「さ」は、「私」の音読みである「し」が、五十音の「さ」行に属しているということを表わしている。このように表示するのは、頻出語句表示領域26上での人の目による検索を容易にするためである。なお、漢字が五十音のどの行に属するかという判定は、例えばJlS第l水準の漢字の場合は、文字コードの範囲によって判定することができる。なお、「私」という漢字データを、その訓読みである「わたし」という仮名データと対応づけて記録したような電子辞書と照合することにより、「私」という漢字が五十音の「わ」行に属するものとして処理することも可能である。
【0045】
続いて、「は」という文字を入力するときには、固定語句表示領域21上の「は」に対応する領域を押すことにより入力し(S1、S2、S8)、結果として「私は」という文字列が前記文章記憶用メモリ4に追加格納され(S9)、同時に文章表示用ディスプレイ3に表示される(S10)。
【0046】
次いで、「日本人」という語句を入力する。このときには、図9に示すように、表示兼入力タブレット20の手書き文字入力領域22に仮名で「にほんじん」と入力する(S1、S2、S11)。これにより、入力した文字がCPU2に内蔵されたソフトウェアによって認識され(S12)、一時表示領域23に表示される(S13)。
【0047】
次いで、この状態から、変換ボタン領域24を押すことにより(S1、S2、S14)、図10に示すように、仮名漢字変換ソフトウェアにて仮名の「にほんじん」を漢字の「日本人」に変換し(S15)、一時表示領域23に表示する(S16)。さらに、採用ボタン領域25を押すことにより、前述した処理により、「日本人」という語句が、文章記憶用メモリ4に追加されると同時に、文章表示用ディスプレイ3及び表示兼入力タブレット20の頻出語句表示領域26に表示される(S1、S2、S3、S4、S5)。
【0048】
続いて、図11に示すように、固定語句表示領域21上の「で」及び「ある」に対応する領域をそれぞれ押すことにより(S1、S2、S8)、「である」という語句が、文章記憶用メモリ4に追加される(S9)と同時に、文章表示用ディスプレイ3及び頻出語句表示領域26に表示される。この時、頻出語句表示領域26上では語句が文字コード順或いは読み方の文字コード順にソートされた上で表示される(後述するS23)。なお、同図に示す句点「。」は手書き文字認識によって入力されたものとする。
【0049】
続いて、「日本人」という語句を再び入力する。このときには、図12に示すように、頻出語句表示領域26上の「「日本人」という語句が表示された領域を押す(S1、S2、S17)。この操作により、「日本人」という語句が、文章記憶用メモリ4に追加される(S9)と同時に、図1に示すように、文章表示用ディスプレイ3に表示される(S10)。
【0050】
この後、図7のサブルーチンに示すように、文章記憶用メモリ4に格納された「私は日本人である。日本人」という文字列が、切り出し手段としてのCPU2にて「私」「は」「日本人」「である」「日本人」という5個の語句に切り出される(S21)。
【0051】
この語句の切り出しについては、様々な方法が考えられる。そして、その方法及び切り出しの基準は限定されるものではないが、ここでは、文字コードにて漢字と仮名との境界を判定することにより、切り出すものとしている。
【0052】
このようにして切り出された語句の内、固定語句表示領域21に表示された語句の一つと完全に一致する語句、つまりこの例では「は」が切り捨てられ(S22)、残った語句が文字コード順にソートされた上で(S23)、語句毎の出現頻度が計数される(S24)。この例では、次の表1のようになる。
【0053】
【表1】
【0054】
この後、重要度算出手段としてのCPU2にて、重複する語句、つまり「日本人」の一つが切り捨てられ、それぞれの語句の重要度が計算される(S25)。本実施の形態では、出現頻度を重要度とし、出現頻度に応じて頻出語句表示領域26上の語句の強調度合が計算される(S26)。
【0055】
ここでは、語句の出現頻度が多い程表示上の占有面積を大きくするという強調方法を採っている。仮に単純な比例関係を採用した場合、例えば2回の出現頻度により2倍の面積を占めるとした場合には、頻出語句表示領域26が少数の高頻度の語句によって占められてしまう傾向があるので、次のような計算式を用いることにより、頻度の増分に対する占有語句面積の増分を抑制する方が良い。
【0056】
【数1】
【0057】
ここで、a=5、b=250とした場合の計算例を下の表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
このような語句毎の占有部分の高さの計算値Siを用いて、各頻出語句を頻出語句表示領域26に表示した例が、図1である。この例における入力した文章では、「日本人」という語句が2度現われているため、他の語句よりも大きな面積を占めている。すなわち、各頻出語句毎の表示領域は、文字入力長さが一定であるので、占有部分の高さ(行間隔)が拡張されたものとなっている。
【0060】
したがって、今後、再び「日本人」という語句を入力する場合、他の語句よりも目に付き易く、また、指示具8にて触れることにより入力する場合も、入力操作がより容易になる。
【0061】
次に、以下に示す文例のように、さらに長い文章を入力する場合の例を示す。
文例:
「私は日本人である。日本人は主に米を主食にしている。日本人は米が好きである。米が日本人を作ったとも言える。日本人は昔から米を作ってきたが、最近は輸入量が増えてきている。」
上記文例に基づく頻出語句表示領域26は、図13のように示される。すなわち、上記文例では、「日本人」及び「米」が頻出語句となっており、頻出語句表示領域26上で、より広い面積を占有しているため、再入力が容易となる。
【0062】
このように、本実施の形態の文章入力装置1では、文章を作成するときには、表示兼入力タブレット20にて表示画面上の所定領域を指示又は手書きすることにより、その指示された領域の表示内容又は手書き内容が入力される。そして、これら入力された内容を連ねることにより文章が作成される。
【0063】
ここで、文章を作成していく段階では、切り出し手段としてのCPU2が作成中の文章から語句を切り出す。次いで、重要度算出手段としてのCPU2が、切り出された語句に対して語句毎の重要度を算出する。さらに、強調表示手段としてのCPU2が、語句の重要度に基づいて表示兼入力タブレット20に強調して表示させる。
【0064】
すなわち、上記の切り出された各語句は、表示兼入力タブレット20の頻出語句表示領域26にソートされて表示される。この表示兼入力タブレット20に表示された語句は、再度その語句を入力するときに、その語句の表示領域を指示することによって、文章作成の入力に反映される。
【0065】
一方、再度同じ語句を選択して入力するに際しては、重要度の高い語句は強調表示されるので、重要度の高い語句程、選択を容易に行うことができる。
【0066】
この結果、手書き文字認識による入力方式において、より少ない動作で効率良く目的の文章を入力し得る文章入力装置1を提供することができる。
【0067】
なお、本実施の形態においては、入力中の文章と頻出語句抽出の対象となる文章とが同一として説明してきたが、必ずしもこれに限らず、頻出語句抽出の対象となる文章は、過去に入力して記憶手段としての外部記憶装置6に格納されている文章であっても良いし、過去に入力した文章と現在入力中の文章を併用しても良い。
【0068】
したがって、過去の文章の語句を利用して選択入力することが可能となるので、表示兼入力タブレット20に表示する語句の選択幅が広がり、これによって、さらに、より少ない動作で効率良く目的の文章を入力し得る文章入力装置1を提供することができる。
【0069】
また、各語句の重要度を予め計算して頻出語句データとして外部記憶装置6に格納しておき、新しい文章の入力に際して、そのような頻出語句データのみを頻出語句用メモリ5に転送した上で語句の入力に用いても良い。
【0070】
さらに、現在入力中の文章から切り出しかつそれぞれの重要度を計算した頻出語句データと上記の外部記憶装置6に格納しておいた頻出語句データとを併合して用いることも可能である。
【0071】
例えば、上記過去に入力する語句として、予め決められた「平成、年、月、日」等の汎用語句等の一連の語句データをソートの対象となる一連の頻出語句に併合して用いても良い。
【0072】
この結果、表示兼入力タブレット20に表示させる語句として、過去に入力した語句を対象とすることができる一方、作成中の文章に関する語句と過去に入力した語句との両方を対象とすることもできる。
【0073】
したがって、過去の語句を利用して選択入力することが可能となるので、表示兼入力タブレット20に表示する語句の選択幅が広がり、これによって、さらに、より少ない動作で効率良く目的の文章を入力し得る文章入力装置1を提供することができる。
【0074】
また、外部記憶装置6に文章や語句を格納する場合に、予め入力するに際しては、表示兼入力タブレット20を使用する必要はなく、例えばキーボード11等の入力装置から入力することが可能である。したがって、キーボード11による入力方式にも適用が可能である。
【0075】
なお、外部記憶装置6に記憶されている文章の語句と過去に入力した語句との両方を作成中の文章に関する語句に併合して使用することも可能である。
【0076】
また、本実施の形態の文章入力装置1では、頻出語句表示領域26に表示される語句の表示を強調させる方法として、各語句の表示領域の占有面積を大きくする。
【0077】
したがって、重要度の高い語句程、広い占有面積で表示されるので、その語句の入力に際しての選択を確実に容易に行うことができる。
【0078】
さらに、本実施の形態の文章入力装置1では、重要度の計算基準を語句の出現頻度としている。したがって、文章中に繰り返し出現する話題の中心となる語句を容易に入力することができる。
【0079】
また、本実施の形態の文章入力装置1では、文章を作成すべく表示兼入力タブレット20にて表示画面上の所定領域を指示する際に、表示兼入力タブレット20には固定語句表示領域21が設けられており、この固定語句表示領域21には、例えば「が」「と」…「ある」「ない」等の分野に関わらない一般的な頻出語句又は例えば操作者の所望する予め設定された語句が表示されている。
【0080】
したがって、文章の作成に際して、この固定語句表示領域21の頻出語句や予め設定された語句を選択して入力すれば良いので、表示兼入力タブレット20への入力操作をさらに容易なものとすることができる。
【0081】
この結果、手書き文字認識による入力方式において、より少ない動作で効率良く目的の文章を入力し得る文章入力装置1を提供することができる。
【0082】
また、本実施の形態では、頻出語句表示領域26に表示される切り出し語句の表示順序を出現順とすることが可能である。これにより、頻出語句表示領域26に表示される語句を再度選択入力するときに、出現順に選択することができる。さらに、本実施の形態では、頻出語句表示領域26に表示される切り出し語句の表示順序を語句の文字コード順(所謂漢字コード順)とすることが可能である。これにより、頻出語句表示領域26に表示される語句を再度選択入力するときに、文字コード順に選択することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、頻出語句表示領域26に表示される切り出し語句の表示順序を語句の読み仮名の文字コード順とすることが可能である。これにより、頻出語句表示領域26に表示される語句を再度選択入力するときに、読み仮名の文字コード順に選択することができる。なお、この場合に、「あ」行、「か」行等のように、各行毎にラベルを付与することにより、さらに選択入力を容易にすることができる。
【0084】
さらに、本実施の形態では、表示兼入力タブレット20と文章そのものを表示するための文章表示用ディスプレイ3とを別に備えている。これにより、作成した文章を文章表示用ディスプレイ3に表示することができる。
【0085】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図14ないし図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
前記実施の形態1で説明した文章入力装置1の問題点として、ある程度以上の長い文章を入力した場合、頻出語句の一覧が表示可能範囲を超えることがある。
【0087】
これに対処するため、本実施の形態では、第1の方法として、予め定められた基準にてそれぞれの語句の重要度を計算し、絞り込み手段としての前記CPU2が語句の絞り込みを行なう。すなわち、図14のフローチャートに示すように、重要度の高いものから表示すべき語句を選択し、重要度の小さいものを切り捨てる(S31)。
【0088】
ここでの重要度の計算基準は、語句の強調と同一の計算基準でも良いし、別の計算基準でも良い。例えば、語句の強調度合は、出現頻度に応じて計算する一方、表示すべき語句の絞り込みは、文章の後ろから数えた出現順としても良い。
【0089】
また、第2の方法としては、図15のフローチャートに示すように、縮小手段としてのCPU2にて、全体の語句の大きさの表示比率を順次縮小していくことにより(S41)、表示可能な語句数を順次増加させていくことも可能である。
【0090】
この時、表示比率の縮小により、それぞれの語句が見え難くなった場合に、図16のフローチャートに示すように、任意の時点で表示比率変更ボタン領域を押圧操作することにより(S51)、上記第1の方法で示した語句の重要度に応じて、表示語句数の絞り込みを行なうと同時に、表示比率を復元する方向に遷移させる。この絞り込みの操作は、段階的に、連続して行なうことができるようにする。
【0091】
この場合、表示上の語句数は絞られるが、頻出語句用メモリ5に格納された語句数は不変とする。これにより、絞り込みの逆の操作を行なうことよって、再び表示比率を縮小し、表示語句数を増やすことが可能となる。
【0092】
なお、図16においては、前記図6と同じ部分(S2以降S6に至るまでの部分)は、記載を省略している。
【0093】
このように、本実施の形態の文章入力装置1では、表示兼入力タブレット20の表示可能範囲を越えるときには、語句毎に計算された重要度に応じて、表示すべき語句の絞り込みや全体の語句の表示比率を縮小する。
【0094】
したがって、語句が多くなった場合に、語句の絞り込みを行ったときには必要な語句だけを表示させることができる一方、全体の語句の表示比率を縮小した場合には表示可能な語句数を順次増加させることができる。
【0095】
また、表示比率の縮小により、それぞれの語句が見え難くなった場合には、任意の時点で、表示語句数の段階的かつ可逆的な絞り込みの操作を行なう。このため、段階的に表示語句数の絞り込みを行なっていくと共に、表示比率を復元していくことができる。
【0096】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
本実施の形態では、重要度の計算方法について、前記実施の形態1で述べた語句の出現頻度よる方法の他、種々のものを取り上げる。
【0098】
まず、第1の方法は、語句の重要度の基準を、それぞれの語句を構成する文字数とする方法であり、第2の方法は、文字の総画数の合計を基準とする方法である。これら第1及び第2の方法は、最初から入力する場合の手間がかかる語句程重要度が高いとする考え方であり、特に第2の方法は、手書き文字認識方式を対象としたものである。
【0099】
上記の第2の方法では、文字とその文字の画数情報とを対応づけた次のような表を文章記憶用メモリ4に予め用意し、切り出された語句を構成する文字と突き合わせて、語句を構成する文字の画数の合計を計算する。
【0100】
【表3】
【0101】
例えば、「あい」という語句の画数は3+2=5となる。
【0102】
次に、第3の方法は、語句の重要度の基準を、文章の先頭を基準とした、語句の出現位置の、最大値又は平均値とする方法であり、第4の方法は、語句を入力した時間的な順序の新しさの、最新値又は平均値とするものである。
【0103】
これら第3及び第4の方法は、話題が次第に移り変わっていくような長い文章の場合、後から入力した語句程、再入力の可能性が高いとする考え方により、語句の重要度を計算するものである。
【0104】
上記の第3の方法では、語句の切り出し時に、文章の先頭を基準とした語句の出現位置を求める。
【0105】
具体的に第3の方法を説明する。例えば、切り出された語句が「日本人」と「米」だけであり、これらが次のように出現したと仮定する。
出現位置→1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
語句 →日本人、日本人、日本人、米、日本人、米、米、米、米、日本人
この例では、「日本人」の出現位置の最大値は10であり、「米」の出現位置の最大値は9である。したがって、最大値で比較すると9<10となって、「日本人」の方が後に出現しており現在の入力位置に近いので、重要度が高いということになる。
【0106】
一方、出現位置の平均値で比較すると、
「日本人」の出現位置の平均値=(1+2+3+5+10)÷5=4.2
「米」 の出現位置の平均値=(4+6+7+8+9) ÷5=6.8
となり、4.2<6.8となって、「米」の方が現在の入力位置に近いので、重要度が高いということになる。すなわち、話題の中心が「日本人」から「米」に移ってきているため、「米」の方が重要とする考え方である。
【0107】
また、第4の方法では、入力の度に1が加算されるレジスタを用意し、頻出語句用メモリ5には、それぞれの語句が使われる度に、前記レジスタの内容がコピーされる項目「新しさ」を用意し、この項目に基づいてそれぞれ語句の相対的な重要度を計算する。
【0108】
前記、実施の形態1における文例「私は日本人である。日本人」という文章を入力した場合の、上記レジスタと頻出語句用メモリ5上の「新しさ」項目の時間的な変遷は、図17のように示される。
【0109】
この場合の「新しさ」の値は、ある一つの時点において値が大きい程重要とする相対値である。なお、この「新しさ」の値を、その時点のレジスタの値で割ることにより、その値を重要度の絶対値として扱うことも可能である。
【0110】
また、第5の方法として、重要度の計算については、これまで説明した前記実施の形態1及び実施の形態2における語句の出現頻度の方法、及び上記第1の方法から第4の方法までの内、いずれか複数の方法で求めたそれぞれの値を含む数式によって計算された値とすることも可能である。
【0111】
すなわち、語句の重要度は次のような関数で表記することができる。
fi =W(x0i,x1i,x2i,x3i,x4i) …(式2)
但し、fi : i番目の語句の重要度
W : 重要度を求めるための関数
x0i: i番目の語句の出現頻度を基準にする方法にて求めた値
xli: i番目の語句の第1の方法で求めた値
x2i: i番目の語句の第2の方法で求めた値
x3i: i番目の語句の第3の方法で求めた値
x4i: i番目の語句の第4の方法で求めた値
次に、上記(式2)における関数Wの例を示す。
fi =p*x0i+q*x1i+r*x2i+s*x3i+t*x4i …(式3)
但し、p、q、r、s、tはそれぞれの項に重みをつける定数、*はここでは乗算記号である。
【0112】
このように、本実施の形態では、語句の重要度の計算基準を、それぞれの語句を構成する文字数又は文字の総画数の合計としている。それゆえ、最初から入力する場合の手間がかかる語句の選択入力を容易に行うことができる。
【0113】
また、本実施の形態では、語句の重要度の計算基準を、文章の先頭を基準とした語句の出現位置の最大値若しくは平均値又は語句を入力した時間的な順序の新しさの最新値若しくは平均値とすることができる。これにより、話題が次第に移り変わっていくような長い文章の場合に、後から入力した語句の選択入力を容易に行うことができる。
【0114】
さらに、本実施の形態では、語句の重要度の計算基準を、語句の出現頻度、語句を構成する文字数の合計、語句を構成する文字の総画数の合計、文章の先頭を基準とした語句の出現位置の最大値若しくは平均値又は語句を入力した時間的な順序の新しさの最新値若しくは平均値の各方法のいずれか複数の方法で求めたそれぞれの値を含む数式によって計算された値とすることが可能である。
【0115】
これにより、種々の方法による語句の重要度の計算基準値を取り入れた重要度の算出を行うことができる。
【0116】
なお、本実施の形態では、表示兼入力タブレット20の表示可能範囲を越えるときには、上記の種々の方法による語句の重要度の計算基準値を取り入れた重要度の算出に基づいて、語句の絞り込みを行うことが可能である。
【0117】
これにより、語句の絞り込みに際して、種々の方法による語句の重要度の計算基準値を取り入れた絞り込みを行うことができる。
【0118】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0119】
本実施の形態では、語句の重要度に応じた表示の強調方法については、前記実施の形態1に示した占有面積による方法以外の方法について、種々の方法を取り上げて説明する。
【0120】
まず、第1の方法は、語句の表示の強調方法を、頻出語句表示領域26上の文字そのものの色の変化とするものであり、第2の方法は、頻出語句表示領域26上の文字の背景の色の変化とするものである。これらの方法は、いずれも表示兼入力タブレット20が多色表示可能であることを前提としている。
【0121】
すなわち、カラー表示に対応したビットマップ方式のディスプレイ画面においては、任意の点の色は、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの値によって表わすことができる。R、G、Bそれぞれの値が0から255までの256段階であると仮定すると、例えば黒と赤は次のように表される。
黒:R=0、 G=0、 B=0
赤:R=255、G=0、 B=0
この時、Rの値を0から255の任意の値に変化させることにより、表示色を黒から赤の間の任意の中間色とすることができる。ここで、前記(式2)又は(式3)のfiをRの値に転送することにより、重要度の高い語句程赤色に近い色にて文字又は文字の背景を強調表示することができる。ただし、この場合、fi>255の時、R=255とする。
【0122】
次に、強調方法における第3の方法は、語句の重要度に応じて、文字のフォントの種類又は表示属性を変化させることにより語句を強調する方法である。
【0123】
例えば、表4に示すように、標準フォント、太字フォント、及び太字フォント+アンダーラインの3種類の表示方法を用意しておき、fiの範囲に応じて表示方法を切り替えることにより、実現することができる。
【0124】
【表4】
【0125】
なお、この第3の方法では、候補の語句の文字の色又は文字の背景の色を、重要度の強調ではなく、他の語句との識別に用いることを示している。
【0126】
例えば、「日本人」という語句を構成するそれぞれの文字コードは、JISコードの16進数表記では、日→(467C)16、本→(4B5C)16、人→(3F4D)16となる。 これら3個のコードを加算すると、16進数表記で(D125)16となるが、このうち、上2桁の“D1”を表示色のRの値、下2桁の“25”を表示色のGの値とし、Bの値は0に固定とすると、「日本人」という語句に対応する固有色は、R=(D1)16、 G=(25)16、 B=(00)16と表わすことができる。
【0127】
このように、頻出語句に対して固有の色を付けておくことにより、頻出語句表示領域26上の表示位置が移動した場合にも、容易に目的の語句を見つけることが可能となる。
【0128】
この場合、語句と表示色との対応は、多数対一の関係であっても差し支えなく、むしろ、例えば「日本人」と「日本国」のように、隣接する語句の色を識別可能とすることが一つの考え方である。
【0129】
このため、上述したように、文字コードを加算した上で、下の方の桁を、色を決定する上で重要なパラメータとすること等によって、隣接した語句をそれぞれ高度に識別可能な色にすることが好ましい。
【0130】
また、語句の識別の目的とは別に、目視による語句の検索を容易にするために、語句の先頭の文字コード又はその文字の読み方の先頭の文字コードを色を決定する上で重要なパラメータとして、色分けしても良い。なお、この場合、「日本人」と「日本国」とは同じ色又は近い色となる。
【0131】
このように、本実施の形態では、語句の表示の強調方法を、頻出語句表示領域26上の文字の色の変化又は文字の背景の色の変化としている。
【0132】
これにより、頻出語句に対して固有の色を付けておくことにより、頻出語句表示領域26上の表示位置が移動した場合にも、容易に目的の語句を見つけることが可能となる。
【0133】
また、本実施の形態では、語句の表示の強調方法を、頻出語句表示領域26上の文字のフォント又は表示属性の変化とすることが可能である。
【0134】
これにより、頻出語句表示領域26上の表示位置が移動した場合にも、文字のフォントの種類又は表示属性を変化により、容易に目的の語句を見つけることが可能となる。
【0135】
さらに、頻出語句表示領域26に表示される語句について、候補の語句の色又は語句の背景の色を、その語句の固有値として計算された色若しくは操作者がその語句固有に定めた色とすることが可能である。
【0136】
これにより、頻出語句に対して固有の色を付けておくことにより、頻出語句表示領域26上の表示位置が移動した場合にも、容易に目的の語句を見つけることが可能となる。
【0137】
【発明の効果】
本発明の文章入力装置は、以上のように、文章から語句を切り出す切り出し手段と、上記切り出し手段にて切り出された語句に対して語句毎の重要度を算出する重要度算出手段と、上記重要度算出手段にて算出された語句の重要度に基づいて上記表示兼入力タブレットに強調して表示させる強調表示手段とが備えられ、上記表示兼入力タブレットにおける、上記重要度に基づいて強調表示された語句が表示された領域を押すことにより、その押された領域に表示された語句が文章の一部として入力され、上記強調表示手段は、語句の表示を強調すべく、上記語句の表示領域兼入力領域の占有面積を大きくすると共に、上記重要度に基づいて強調表示された語句が表示された領域には、該語句の読み仮名における各行毎のラベルが付されているものである。
【0138】
それゆえ、作成中の文章から切り出された各語句は、表示兼入力タブレットの所定領域に例えばソートされて表示される。この表示兼入力タブレットに表示された語句は、再度その語句を入力するときに、その語句の表示領域を指示することによって、文章作成の入力に反映される。
【0139】
一方、再度同じ語句を選択して入力するに際しては、重要度算出手段の算出による重要度の高い語句は強調表示手段にて強調表示されるので、重要度の高い語句程、選択を容易に行うことができる。
【0140】
また、本発明では、強調表示手段は、語句の表示を強調させる方法として、表示兼入力タブレットに表示された語句の表示領域の占有面積を大きくする。
【0141】
したがって、重要度の高い語句程、広い占有面積で表示されるので、その語句の入力に際しての選択を確実に容易に行うことができる。
【0142】
この結果、手書き文字認識による入力方式において、より少ない動作で効率良く目的の文章を入力し得る文章入力装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における文章入力装置の実施の一形態を示すものであり、2回目に「日本人」を入力した後の表示兼入力タブレット及び文章表示用ディスプレイの表示状態を示す説明図である。
【図2】 上記文章入力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 上記文章入力装置の構造を示す斜視図である。
【図4】 他の文章入力装置の構造を示す斜視図である。
【図5】 上記文章入力装置における文章表示用ディスプレイ及び表示兼入力タブレットを示す構造図である。
【図6】 上記文章入力装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】 上記文章入力装置におけるサブルーチンである切り出し・ソート・強調処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】 上記文章入力装置にて「私」を入力したときの表示兼入力タブレット及び文章表示用ディスプレイの表示状態を示す説明図である。
【図9】 上記文章入力装置にて「にほんじん」を入力したときの表示兼入力タブレット及び文章表示用ディスプレイの表示状態を示す説明図である。
【図10】 上記文章入力装置にて入力した「にほんじん」を「日本人」に変換したときの表示兼入力タブレット及び文章表示用ディスプレイの表示状態を示す説明図である。
【図11】 上記文章入力装置にて「で」「ある」を入力したときの表示兼入力タブレット及び文章表示用ディスプレイの表示状態を示す説明図である。
【図12】 上記文章入力装置にて、再度「日本人」を入力するときの表示兼入力タブレット及び文章表示用ディスプレイの表示状態を示す説明図である。
【図13】 上記文章入力装置にて、長い文章を入力したときの頻出語句表示領域の表示状態を示す説明図である。
【図14】 本発明における他の実施の形態の文章入力装置を示すものであり、文章入力装置におけるサブルーチンである切り出し・ソート・強調処理の動作を示すフローチャートである。
【図15】 上記文章入力装置におけるサブルーチンである切り出し・ソート・強調処理の変形例の動作を示すフローチャートである。
【図16】 上記文章入力装置におけるさらに他の動作を示すフローチャートである。
【図17】 本発明におけるさらに他の実施の形態の文章入力装置を示すものであり、重要度の算出して同じ語句が繰り返される場合に、新しく入力されるものを重要とする方法を示す説明図であり、(a)はレジスタの変遷を示すもの、(b)は頻出語句メモリの変遷を示すものである。
【符号の説明】
1 文章入力装置
2 CPU(切り出し手段、重要度算出手段、強調表示手段、絞り込み手段、縮小手段)
3 文章表示用ディスプレイ
4 文章記憶用メモリ
5 頻出語句用メモリ
6 外部記憶装置(記憶手段)
8 指示具
20 表示兼入力タブレット
21 固定語句表示領域
22 手書き文字入力領域
23 一時表示領域
24 変換ボタン領域
25 採用ボタン領域
26 頻出語句表示領域
Claims (1)
- 表示画面上の所定領域を指示又は手書きすることにより、その指示された領域の表示内容又は手書き内容が入力される表示兼入力タブレットを備え、これら入力された内容を連ねて文章を作成する文章入力装置において、
文章から語句を切り出す切り出し手段と、
上記切り出し手段にて切り出された語句に対して語句毎の重要度を算出する重要度算出手段と、
上記重要度算出手段にて算出された語句の重要度に基づいて上記表示兼入力タブレットに強調して表示させる強調表示手段とが備えられ、
上記表示兼入力タブレットにおける、上記重要度に基づいて強調表示された語句が表示された領域を押すことにより、その押された領域に表示された語句が文章の一部として入力され、
上記強調表示手段は、語句の表示を強調すべく、上記語句の表示領域兼入力領域の占有面積を大きくすると共に、
上記重要度に基づいて強調表示された語句が表示された領域には、該語句の読み仮名における各行毎のラベルが付されていることを特徴とする文章入力装置。
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