JP4115183B2 - 飼料添加物、それが添加された飼料並びに卵 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、こんにゃく芋を利用した飼料添加物及びそれが添加された飼料並びにその飼料を家禽に摂取させ産卵させることによるコレステロール量が低減された卵の生産方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、食生活の欧米化によって日本人のコレステロール摂取量は年々増加の一途をたどっており、40歳代以上の日本人ではカロリーよりもコレステロールを気にする人のほうが多いといわれている。コレステロールは血中濃度が高くなると脳血栓や動脈硬化を引き起こすことが知られており、取り過ぎには注意しなければならない。このような中、卵は例えば鶏卵で1個当たりにコレステロールを約220mg〜300mgと他の食品に比べても特に多く含むため、健康のために卵の摂取量を制限する人も多い。しかし卵にはコレステロール以外に良質な蛋白質をはじめリン脂質やカロテノイド類など有用な成分が濃縮されており、コレステロールの取り過ぎを気にせずに卵を食べたいと願う声が多かった。また、養鶏業者からも卵中のコレステロール量を低減させる技術が望まれていた。
【0003】
そこで近年コレステロール低減化卵なるものが市場に登場し人気を集めているが、従来のものは産生した普通の卵の中へ特殊な薬液を注入するとか、または特殊な薬剤を該卵の空に塗布して卵の内部にまで浸透させる等の処理を行うことにより、卵中のコレステロール含有量を減少させるという方法により製造されてきた。
【0004】
また、特殊な薬液を使用しない技術としては、特開平5−192091号公報に木酢粉、木炭粉、海藻粉を飼料に添加する方法が、特開平7−79708号公報にはイノシット、フィチン、フィチン酸から選択された1種以上を鶏の生体に投与する方法が、特開平7−170917号公報にはコメの籾殻から作られた燻炭を飼料に添加する方法が、特開平8−173056号公報にエイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を飼料に添加する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特殊な薬液を使用する方法は、処理のための人員や時間、薬液のコストが必要なことから製造コストが高くなり、製品の価格も高くなる傾向があった。そして何よりも薬液による処理の人体に対する安全性については慎重にならなければならなかった。また、薬液を使用しない方法についても、イノシット、フィチン、フィチン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等はそれ自体が人間が摂取する健康食品の原料であることから、効果を発現させるまで家禽に投与することは卵の価格から考えても不利であり、木酢粉、木炭粉、海藻粉、コメの籾殻から作られた燻炭は製造コストが高価になる上、コレステロール量が低下する機構がはっきりわかっていないものであった。
【0006】
本発明は、安価に製造でき、かつ安全性にも問題のないコレステロール量の低減した卵を生産する方法及びそれに用いられる飼料を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、家禽にこんにゃく芋及び/又はこんにゃく芋から有機溶媒によって抽出された抽出物を他の通常の飼料と共に経口摂取させることによって、コレステロール量が低減された卵を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち本発明は、こんにゃくトビ粉から有機溶媒によって抽出された植物ステロール含有物からなる飼料添加物を要旨とするものである。
別の本発明は、前記の飼料添加物が添加された飼料を要旨とするものであり、また別の本発明は、前記の飼料を家禽に経口摂取させ、その後産卵させることを特徴とする、コレステロール量が低減された卵の生産方法を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の飼料添加物および飼料について説明する。
本発明で使用するこんにゃくトビ粉が得られるこんにゃく芋としては、品種、産地、収穫時期などにおいて限定されない。
【0010】
本発明においては、こんにゃくトビ粉を使用する。こんにゃくトビ粉とは、こんにゃく芋からこんにゃく精粉を製造する際に周囲に飛び散る微粉末であり、こんにゃく芋全体の約45%を占めているものである。こんにゃくトビ粉は年間3000tから4000tもの量が排出されるが、主にこんにゃく芋の表皮からなっており、それ自体ではこんにゃくを製造することができないことから一部肥料、コンクリート等の増粘剤として使用される以外は廃棄物として処理されていた非常に安価な原料である。さらに、こんにゃくトビ粉の構成成分を分析すると、糖質が約50質量%、蛋白質が約20質量%、遊離アミノ酸が約5質量%であり、アミノ酸ではグルタミン酸、アスパギン酸、アルギニン、バリン、セリン、フェニルアラニン、ロイシン、グリシン、リジンなどが多く含まれている。また、植物ステロール類、スフィンゴ脂質類、グリセロ脂質類などの機能性を有する脂質も多く含む。中でも、植物ステロール類は経口摂取することによってコレステロールの吸収を阻害する作用があり、高コレステロール血症患者のコレステロール濃度を下げる効果があることが知られている。本発明者らは、こんにゃくトビ粉から得られた植物ステロールを経口摂取しても血中のLDLコレステロール量を低減できることを見出し既に特許出願を行なっている(特願2001−308696号)。
【0011】
本発明の飼料添加物は、こんにゃくトビ粉を以下に述べる有機溶媒による抽出方法により得られた植物ステロール含有物からなるものである。
こんにゃくトビ粉から有機溶媒によって抽出された植物ステロール含有物を得る際に用いる有機溶媒は、本発明の効果を損なうものでなければいかなるものでも使用できる。また、一種類の溶媒を単独で用いても複数の溶媒を混合して用いても良い。かかる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、へキサン、ペンタン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、ポリエチレングリコール等のポリエーテル類、ピリジン類などが挙げられる。これらの中で好ましい例としては、エタノール、アセトン、へキサンが挙げられ、特に好ましい例としてはエタノールが挙げられる。また、これらの有機溶媒で抽出する際には抽出効率をあげるために例えば水、界面活性剤などの添加物を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
【0012】
抽出の際に使用する有機溶媒の量は、原料となるこんにゃくトビ粉に対して望ましくは1〜30倍量程度、さらに望ましくは1〜10倍量程度が良い。溶媒の使用量がこの範囲以下であれば、原料全体に溶媒が行き渡らず、抽出が不十分になる恐れがあり、この範囲を超える量の溶媒を添加してももはや抽出量に影響はなく、後の濃縮工程での溶媒除去作業の負担が増えるのみである。
【0013】
抽出温度は、使用する溶媒の沸点にもよるが、エタノールを用いた場合では、好ましくは、室温から70℃、さらに好ましくは室温程度から60℃の範囲がよい。抽出温度がこの範囲以下であれば、抽出効率が低下し、この範囲以上の温度をかけても抽出効率に大きな影響はなく、いたずらにエネルギー使用量が増えるのみである。
【0014】
抽出時間は、1〜24時間、好ましくは2〜10時間である。抽出時間がこの範囲より短いと、十分に抽出が行われず、この範囲を超えていたずらに長く時間をかけて抽出を行っても、もはや抽出量の増大は見込めない。
【0015】
なお、抽出操作は1回のみの回分操作に限定されるものではない。抽出後の残渣に再度新鮮な溶媒を添加し、抽出操作を施すこともできるし、抽出溶媒を複数回抽出原料に接触させることも可能である。すなわち、抽出操作としては、回分操作、半連続操作、向流多段接触操作のいずれの方式も使用可能である。また、ソックスレー抽出など公知の抽出方法を使用してもよい。
【0016】
次に、抽出残渣を分離除去する。分離の方法は特に限定されず、例えば吸引ろ過、フィルタープレス、シリンダープレス、デカンター、遠心分離器、ろ過遠心機などの公知の方法を用いることができる。
【0017】
このようにして得られた抽出液は濃縮工程に送られる。濃縮方法は特に限定されず、例えばエバポレーターのような減圧濃縮装置やエバポール(大川原製作所)のような遠心式薄膜真空蒸発装置を用いたり、加熱による溶剤除去により、濃縮することができる。
【0018】
上記濃縮物はそのまま使用してもよいが、引き続いて水洗浄、ヘキサン洗浄、シリカゲルカラム、樹脂カラム、逆相カラム、イオン交換膜などを通す方法、極性の異なる溶媒による分配、再結晶などを行ったものを使用してもよい。
【0019】
本発明の飼料は、上述の飼料添加物を既存の飼料に添加、配合して得られるものである。その添加量は、好ましくは0.001質量%〜70質量%、さらに好ましくは0.01質量%〜50質量%である。この範囲より少ない場合は本発明の効果が十分に発現しない可能性があり、この範囲より多い場合はもはや効果の増大が期待できない可能性がある。
【0020】
本発明の飼料又は飼料添加物の形態は、特に限定されず、粉末、ペレット、錠剤、カプセル剤、ゲル、水分散液、エタノール溶液、食用油溶液等の形態にすることができる。これらの中で特に粉末、水分散液、食用油溶液にすることが好ましい。
【0021】
本発明の飼料又は飼料添加物には本発明を損なわない限り、いかなる物も含有させることができる。かかる例として好ましいものは、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK群、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、コリン、タウリンなどのビタミン類、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、プロリン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸類、動植物由来の蛋白質類、DNA、RNAなどの核酸類、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖類、大豆油、菜種油、オリーブ油、コーン油、牛脂、豚脂、β−シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スチグマステロール、エルゴステロールなどの植物ステロール類及びその誘導体、スフィンゴ脂質、リン脂質、グリセロ脂質などの油脂類、トウモロコシ、マイロ、大麦、大豆、米、ゴマ、ゴマ粕、オカラ、フスマ、米糠、小麦粉、片栗粉、粟、ヒエ、魚粉、カキガラ、骨粉、全卵粉、卵黄粉、粉乳などの動植物由来の飼料原料、エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの抗酸化剤、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウムなどの防黴剤、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン、グルコマンナン、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、寒天などの粘結剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤、ギ酸などの調整剤、塩化カリウム、塩化ナトリウム、クエン酸鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、DL−トレオニン鉄、乳酸カルシウム、フマル酸第1鉄、ペプチド亜鉛、ペプチド鉄、ペプチド銅、ペプチドマンガン、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸亜鉛メチオニン、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸1水素ナトリウム、リン酸2水素ナトリウムなどのミネラル類、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、β―カロチンなどの色素類、アミラーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ・ペクチナーゼ複合酵素、セルラーゼ、フィターゼ、ラクターゼ、リパーゼなどの酵素類、サリノマイシンナトリウム、センジュラマイシンナトリウム、デコキネート、クエン酸モランテル、デストマイシンA、ハイグロマイシンB、亜鉛バシトラシン、アラビマイシン、エフロトマイシン、キタサマイシン、リン酸タイロシン、ビコザマイシン、硫酸コリスチンなどの抗菌性物質、乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌などの生菌剤が挙げられる。
【0022】
次に、本発明のコレステロール量が低減された卵の生産方法について説明する。
本発明の飼料を与える対象となる家禽は、鶏、鶉、ダチョウ、アヒル、カモ、燕などいかなる種類の家禽でもよい。これらのうち好ましい例としては鶏、鶉などが挙げられ、鶏では白色レグホーン種やロードアイランドレッド種等鶏卵を生産することを目的として飼育する鶏が好ましい。また、家禽の年齢は特に限定されず、まだ卵を産む能力のないヒナも含まれる。
【0023】
本発明の卵の生産方法は、上記した家禽に本発明の飼料を経口摂取させる以外は、通常の方法により家禽を飼育し、産卵させればよい。
【0024】
本発明の飼料を家禽に経口摂取させることによって得られた卵は、本発明の飼料添加物を配合しない以外は全く同じ飼料を与えて得られた卵に比べて卵中のコレステロール量が1質量%〜50質量%少ない上に、コレステロールの吸収を阻害することが知られている植物ステロールを1.2質量倍〜10質量倍多く含むものである。また、その他の栄養素は損なうことなく含まれており、健康の維持に有効な卵である。従って、高コレステロール血症患者や日頃からコレステロール値が気になる人にとっても好適なものである。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、以下の実施例において用いた測定装置、測定方法について説明する。
【0026】
〔卵中コレステロール量の測定方法〕
卵中のコレステロール量の測定は卵黄について行い、平成11年4月26日に厚生省生活衛生局食品保健課、新開発食品保健対策室長によって出された、栄養表示基準(平成8年5月厚生省告示第146号)における栄養成分等の分析方法等(栄養表示基準別表第1の第3欄に掲げる方法)のコレステロールの項に基づいて行った。詳しくは以下の通りである。
試料をコレステロールとして約1mgになるように精密に量り、共栓付三角フラスコに入れた。内標準物質として濃度0.5mg/mlの5−α−コレスタン−エタノール溶液を1ml正確に加えた。次いで、1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液50mlを加え、冷却管を付し1時間穏やかに加熱けん化した。室温まで放冷後、水50ml及び石油エーテル50mlで分液漏斗に移し、振とう抽出した。更に石油エーテル50mlで2回抽出した。抽出液を集め、水40mlで4回洗浄した。抽出液を硫酸ナトリウム(無水)で乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過操作で除去した後、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。残留物をヘキサンに溶かし10mlの定容として試験溶液とした。この試験溶液はガスクロマトグラフ法によって分析した。条件は以下の通りであり、検量線は和光純薬製のコレステロールを用い、コレステロール0.25、0.75及び2.0mgに5−α−コレスタン0.5mgを加え、ヘキサンで10mlにした3点で作成した。
【0027】
ガスクロマトグラフ条件
ガスクロマトグラフィー:島津製作所製GC14B
レコーダー:WATERS製WATERS740データモジュール
カラム:J&W社製DB−5 長さ15m、内径0.53mm、膜厚1.0μm温度:注入口及び検出器 280℃、カラムオーブン 250℃、流量15ml/分
注入モード:スプリットレス、注入量:1μl
【0028】
〔植物ステロール量の測定〕
上記のコレステロール量の測定方法と同じガスクロマトグラフ法で行った。標準試料は和光純薬工業製のβ−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロールを用いて検量線を作成した。
【0029】
比較例1
表1の組成からなる飼料原料に群馬県産のこんにゃく芋をスライス後、乾燥して粉砕したものを3質量%混合して飼料Aとした。
【0030】
【表1】
【0031】
比較例2
表1の組成からなる飼料原料に群馬県産のこんにゃくトビ粉を3質量%混合して飼料Bとした。
【0032】
比較例3
群馬県産のこんにゃくトビ粉1kgを真空乾燥機に導入し、系内を真空ポンプで減圧にした後、120℃で15時間処理を行った。得られた飼料添加物はこんにゃくトビ粉特有の臭いとえぐ味が無くなっていた。これを表1の組成からなる飼料原料に3質量%混合して飼料Cとした。
【0033】
実施例1
群馬県産のこんにゃくトビ粉1kgを攪拌槽に仕込み、そこにエタノール2Lを加え、常温で2時間攪拌した。その後、ろ過により抽出液と残渣を分離した。抽出液をエバポレーターにより濃縮し、茶褐色の飼料添加物10.7gを得た。この飼料添加物の植物ステロール含量を上記の定量方法に基づいて測定したところ、β−シトステロールが0.72g、スチグマステロールが0.25g、カンペステロールが0.12g、ブラシカステロールが0.01gと植物ステロールが1.10g含有されていることがわかった。この飼料添加物を表1の組成からなる飼料原料に0.3質量%混合して飼料Dとした。
【0034】
実施例2
実施例1で得られた飼料添加物10.0gを30.0gのエタノールに溶解させ、80gの水中に攪拌しながら導入し、そのまま分散状態で攪拌した。2時間経過後、塩化ナトリウム15.0gを導入し、系を60℃まで加熱したところ2層に分離した。この上層を回収し、エバポレーターでエタノールを留去したところ、茶褐色オイル状の飼料添加物が6.8g得られた。この飼料添加物の植物ステロール含量を上記の定量方法に基づいて測定したところ、β−シトステロールが0.67g、スチグマステロールが0.23g、カンペステロールが0.11g、ブラシカステロールが0.01gと植物ステロールが1.02g含有されており、実施例1からほとんど植物ステロールは損失することなく水洗を行うことができた。この飼料添加物を表1の組成からなる飼料原料に0.3質量%混合して飼料Eとした。
【0035】
比較例4
表1の組成の飼料のみであり、比較飼料とした。
【0036】
試験例1(投与試験)
392日齢の採卵鶏(白レグ種)を60羽供試した。なお、供試鶏は10羽ずつ6群に分けた後、表1の飼料を用いて2週間予備飼育を行い、試験環境および供試飼料に順応させた後試験に用いた。鶏舎はヒナ段式の採卵鶏用ケージを設置した開放型鶏舎を用い、飼料及び飲水は不断給与した。光線管理は明期14時間、暗期10時間とした。試験は6群にそれぞれ飼料A〜E及び比較飼料を与え、2週間飼育して採卵し、最初の1週間目と2週間目の産卵個数、1個あたりの卵重の平均、1個あたりの卵黄中のコレステロール量の平均を測定した。結果を表2に示す。この試験の結果、本発明の飼料又は飼料添加物を投与した群では、卵黄中のコレステロール量が有意に低減した鶏卵を得ることができた。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明の飼料又は飼料添加物は安価に製造でき、家禽に投与することでコレステロール量の低減した卵を得ることができ、優れた効果を有するものである。
Claims (3)
- こんにゃくトビ粉から有機溶媒によって抽出された植物ステロール含有物からなる飼料添加物。
- 請求項1に記載の飼料添加物が添加された飼料。
- 請求項2に記載の飼料を家禽に経口摂取させ、その後産卵させることを特徴とする、コレステロール量が低減された卵の生産方法。
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