JP4114743B2 - 乗用型田植機における走行変速操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,乗用型田植機において,その田植え作業に際しての走行速度を,ベルトプーリ式の無段変速装置(CVT)を使用して適宜変速操作する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来,乗用型田植機においては,これに搭載したエンジンから駆動用車輪への動力伝達の途中にベルトプーリ式無段変速装置(CVT)を設けて,このベルトプーリ式無段変速装置(CVT)を,作業者が,変速操作ペタルの足踏み操作することによって,その走行速度を変速するように構成している(特許文献1及び2参照)。
【0003】
しかし,前記ベルトプーリ式無段変速装置(CVT)を,足踏み操作にて変速作動することには大きな操作力を必要とし,この操作力を軽減するには,バネ手段を設けたり,梃子機構を設けたりするようにしなければならないから,構造が著しく複雑化するのであり,しかも,その操作レバー等の人為的操作具を,所定の変速操作位置において,移動不能に保持するように構成しなければならないことのために,その変速が有段階になるのであった。
【0004】
そこで,最近では,前記ベルトプーリ式無段変速装置(CVT)を,変速操作ペタルにて正逆回転される電動式アクチェータによって,無段階的に変速操作することが試みられている。
【0005】
しかし,この場合,従来は,前記変速操作ペタルにおける変速操作位置をポテンションメーターにて検出し,このポテンションメーターにおいて検出した信号を電子方式によるコントローラに入力して,このコントローラによって前記電動式アクチェータを作動制御するというように,電子制御方式を採用しているから,価格が大幅にアップするばかりか,衝撃などにて故障が発生し易く,故障の診断が容易でなく,且つ,故障を容易に直すことができず,しかも,保守・点検等に対するメンテナンスが著しく厄介であるなどの多数の問題があった。
【0006】
本発明は,これら従来の問題を解決すべくなされたものであって,ベルトプーリ式無段変速装置(CVT)を電動式アクチェータにて変速操作する場合において,電子制御方式によることなく,至極簡単な構成によって変速操作できるようにするとともに,高速走行時において前記電動式アクチェータが故障した状態で走行不能になった場合にこの走行不能が容易に脱出することができるようにした装置を提供することを技術的課題とする。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−315063号公報
【特許文献2】
特開平10−217781号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため,本発明の請求項1は,
「苗植装置を装着した車体フレームに,エンジンと,駆動用車輪に対するミッションケースと,エンジンからの出力を前記ミッションケースに伝達するベルトプーリ式の無段変速装置とを搭載して成る乗用型田植機において,
前記ベルトプーリ式無段変速装置に対する変速操作ペタルと,前記ベルトプーリ式無段変速装置を回転によって変速作動する電動式のアクチェータと,前記アクチェータを増速変速する方向に回転する状態及び減速変速する方向に回転する状態並びにその間において回転を停止する状態の三段に切り換えるようにしたロータリ式の切換えスイッチとから成り,前記変速操作ペタルの踏み込み操作に連動して正方向に回転し,前記変速操作ペタルの踏み込みを緩める操作に連動して逆方向に回転する第1部材と,前記アクチェータにおける変速作動に連動して回転する第2部材とを配設し,この第1部材と第2部材との間に,前記切換えスイッチを設けて,この切換えスイッチが,前記変速操作ペタルの踏み込み操作
に応じて前記アクチェータを増速変速する方向に回転する状態に切り換わり,前記変速操作ペタルの踏み込みを緩める操作に応じて前記アクチェータを減速変速する方向に回転する状態に切り換わり,このアクチェータにおける増速変速する方向への回転及び減速変速する方向への回転に応じて前記アクチェータの回転を停止する状態に切り換わるという構成にし,更に,前記ベルトプーリ式無段変速装置を,前記電動式アクチェータにて当該ベルトプーリ式無段変速装置を変速作動する状態から切り離したのち,前記変速操作ペタルとは別に設けた操作体による手動操作にて直接に変速作動するように構成した。」
ことを特徴としている。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した実施形態を,4条植え式の乗用型田植機に適用した場合の図面に基づいて説明する。
【0011】
この乗用型田植機は,はね上げ式の操縦座席2及び操縦ハンドル3を備えた走行機体1と,その後部に平行リンク機構4を介して昇降動可能に連結された4条植えの苗植装置5とにより構成されている。
【0012】
前記走行機体1における車体フレーム6は,図3,図4及び図5に示すように,前後方向に延びる左右一対のサイドフレーム6aと,この両サイドフレーム6aの前端間を連結する平面視略U字状のフロントフレーム6bと,前記両サイドフレーム6aの後端間を連結する下向きU字状の門型にしたリアフレーム6cとによって構成され,この車体フレーム6における前部には,左右一対の前車輪7が,後部には,同じく左右一対の後車輪8が懸架されている。
【0013】
また,前記車体フレーム6の前部には,両サイドフレーム6aの間の部位にエンジン台6dを備え,このエンジン台6dに,エンジン9が搭載されており,前記車体フレーム6のうち前記エンジン9より後方の部位には,両サイドフレーム6aの間の部位に前記操縦ハンドル3の左側に配設した主変速操作レバー10にて適宜変速操作されるミッションケース11がエンジン9と直列状に並べて配置されている。
【0014】
前記エンジン9における動力を,ベルトプーリ式無段変速装置12を介して前記ミッションケース11に伝達したのち,このミッションケース11から,前記両前車輪7及び両後車輪8に伝達することにより,前記走行機体1を前進又は後進走行するように構成されている。
【0015】
この場合における走行速度は,前記主変速操作レバー10による前記ミッションケース11における変速操作と,前記ベルトプーリ式無段変速装置12における変速操作とによって,適宜に操作される。
【0016】
なお,前記ミッションケース11には,平面視において前記操縦ハンドル3の右側に設けた主クラッチとブレーキを操作することができる単一のクラッチ・ブレーキペダル13の踏み込みにて前記各車輪7,8への動力伝達を遮断する状態と,前記クラッチ・ブレーキペダル13の踏み込み解除にて前記各車輪7,8への動力伝達を行う状態とに切り換えるための主クラッチ機構,及び走行機体1の走行を停止させることができるブレーキ機構(図示せず)を内蔵している。
【0017】
次に,前記ベルトプーリ式無段変速装置12は,前記エンジン9における出力軸9aに設けた駆動側割り型プーリ12aと,前記ミッションケース11における入力軸11aに設けた従動側割り型プーリ12bと,これら割り型プーリ12a,12bの間に巻掛けした無端ベルト12cとから成り,前記駆動側割り型プーリ12aに対する操作杆12d及び前記従動側割り型プーリ12bに対する操作杆12eを前記走行機体1の後方に移動することにより,前記エンジン9からミッションケース11への伝達速度を増速し,前記両操作杆12d,12eを前記走行機体1の前方に移動することにより,前記エンジン9からミッションケース11への伝達速度を減速するように構成している。
【0018】
そして,前記車体フレーム6のうち前記ベルトプーリ式無段変速装置12より後方で前記両後車輪8より前方の部位には,水平横方向に延びる一本の操作軸14を軸支して,この操作軸14に,ベルクランクレバー15の基端を回転自在に被嵌する一方,前記主クラッチペタル13の外側の部位には,足踏み式の変速操作ペタル16を配設して,この変速操作ペタル16と前記ベルクランクレバー15とを連杆17を介して連結することにより,前記変速操作ペタル16の踏み込み操作(増速度変速操作)にて前記ベルクランクレバー15が反時計方向に回転し,前記変速操作ペタル16の踏み込みを緩める操作(減速変速操作)にて前記ベルクランクレバー15が時計方向に回転するように構成する。
【0019】
つまり,これらベルクランクレバー15及び連杆17にて,本発明の各請求項における第1部材を構成する。
【0020】
また,前記一本の操作軸14には,鞘管18を回転自在に被嵌し,この鞘管18から下向きに一体に突出したアーム19a,19bに,前記ベルトプーリ式無段変速装置12における両操作杆12d,12eの後端を連結することにより,前記鞘管18における反時計方向の回転により両操作杆12d,12eが後方に移動して前記ベルトプーリ式無段変速装置12が増速変速位置になり,また,前記鞘管18における時計方向の回転により両操作杆12d,12eが前方に移動して前記ベルトプーリ式無段変速装置12が減速変速位置になるように構成する。
【0021】
更にまた,前記車体フレーム6のうち前記はね上げ式操縦座席2の略真下の部位で,且つ,前記一方の後車輪8よりも内側の部位には,ブラケット板20を取付けて,このブラケット板20に水平横向きに設けた支持軸21に,扇型の従動歯車22の中心ボス22aを,回転自在に且つ軸方向の摺動自在に被嵌し,この従動歯車22の中心ボス22aから下向きに突出するアーム23と,前記操作軸14上の鞘管18から下向きに突出したアーム24との間を連杆25にて連結することにより,前記従動歯車22における反時計方向の回転により前記鞘管18が反時計方向に回転し,前記従動歯車22における時計方向の回転により前記鞘管18が時計方向に回転するように構成する。
【0022】
つまり,前記鞘管18,従動歯車22及びその間の連杆25にて,本発明の各請求項における第2部材を構成する。
【0023】
前記ブラケット板20には,電動モータ等の電動式アクチェータ26を,その出力軸26aに固着したピニオン歯車27が前記従動歯車22に噛合するように取付け,この電動式アクチェータ26のピニオン歯車27における時計方向の回転により,前記従動歯車22が反時計方向に回転し,前記電動式アクチェータ26のピニオン歯車27における反時計方向の回転により,前記従動歯車22が時計方向に回転するように構成する。
【0024】
図6〜図8において,符号28は,ロータリ式アーム28aを備え,このロータリ式アーム28aの回転によって,前記電動式アクチェータ26のピニオン歯車27を時計方向に回転する状態(増速変速方向)と,前記電動式アクチェータ26のピニオン歯車27を反時計方向に回転する状態(減速変速方向)と,その間において前記電動式アクチェータ26のピニオン歯車27の回転を停止する状態(中立位置)との三段に切り換えるようにしたロータリー式の切換えスイッチを示す。
【0025】
すなわち,この切換えスイッチ28は,そのロータリ式アーム28aが中立位置にあるときには,前記電動式アクチェータ26に通電しないが,前記ロータリ式アーム28aが,前記中立位置から反時計方向に回転すると,図11に示す,リレー回路29を介して,前記電動式アクチェータ26のピニオン歯車27を時計方向に回転する状態,つまり,前記従動歯車22を反時計方向に駆動回転する状態に切り換わり,前記ロータリ式アーム28aが,前記中立位置から時計方向に回転すると,リレー回路29を介して,前記電動式アクチェータ26のピニオン歯車27を反時計方向に回転する状態,つまり,前記従動歯車22を時計方向に駆動回転する状態に切り換わるように構成されている。
【0026】
そして,前記切換えスイッチ28を,前記操作軸14における鞘管18に固着したアーム24の上端に取付ける一方,この切換えスイッチ28におけるロータリ式アーム28aに,前記操作軸14上のベルクランクレバー15の先端におけるピン15aを係合することにより,前記ベルクランクレバー15と,前記ロータリ式アーム28aとを,当該ベルクランクレバー15における反時計方向への回転によりロータリ式アーム28aが反時計方向に回転し,当該ベルクランクレバー15における時計方向への回転によりロータリ式アーム28aが時計方向に回転するように連動する。
【0027】
この構成において,前記変速操作ペタル16を,Δθだけ踏み込み操作すると,これに連杆17を介して連動する前記操作軸14上のベルクランクレバー15が,反時計方向にΔθだけ回転し,これに連動して,切換えスイッチ28におけるロータリ式アーム28aが,反時計方向にΔθだけ回転する。
【0028】
このロータリ式アーム28aにおける反時計方向への回転にて,切換えスイッチ28が,中立位置から前記電動式アクチェータ26のピニオン歯車27を時計方向に回転する状態に切り換わることにより,前記従動歯車22が反時計方向に駆動回転されるから,この従動歯車22に連杆25を介して連動する鞘管18が反時計方向に回転し,これに連動する両操作杆12d,12eが後方に移動することになって,前記ベルトプーリ式無段変速装置12を増速に変速作動することができる。
【0029】
この増速への変速作動に際しての前記鞘管18における反時計方向の回転に伴い,この鞘管18に取付く前記切換えスイッチ28が,反時計方向に回転することにより,当該切換えスイッチ28とそのロータリ式アーム28aとの相対関係が,増速変速位置から中立位置に戻されることになる。
【0030】
つまり,前記鞘管18における反時計方向の回転が,Δθになった時点で,前記切換えスイッチ28は,増速変速位置から中立位置に戻されるように,フィードバック制御されることになるから,前記切換えスイッチ28が中立位置に戻された時点で,前記電動式アクチェータ26による前記従動歯車22の駆動回転が停止することになり,これにより,前記ベルトプーリ式無段変速装置12を,前記変速操作ペタル16における踏み込み操作角度Δθに対応した走行変速位置にすることができるとともに,この走行変速位置にキープすることができる。
【0031】
前記変速操作ペタル16を更に踏み込み操作することにより,前記ベルトプーリ式無段変速装置12を,更に増速に変速できる。
【0032】
また,前記変速操作ペタル16に対する踏み込みを緩める操作を行うことにより,前記踏み込む操作の場合とは逆に作動して,前記ベルトプーリ式無段変速装置12を,減速に変速できるとともに,その走行変速位置にキープすることができる。
【0033】
本発明の実施の形態においては,前記電動式アクチェータ26におけるリレー回路29に対する電源回路30に,前記エンジン9のレギュレータ9bにおける作動によってONになるスイッチ31を設けることにより,前記エンジン9の運転を停止している状態では,前記変速操作ペタル16による変速操作はできないように,換言すると,前記変速操作ペタル16による変速操作は,前記エンジン9を運転している場合に限ってできるように構成している。
【0034】
また,本発明の実施の形態においては,前記切換えスイッチ28における切り換え信号を,遅延回路32にて,適宜時間,例えば数10msecだけ遅らせて前記リレー回路29に伝えるという構成にしており,これにより,切換えスイッチ28における切り換え信号に応じて前記リレー回路29及び電動式アクチェータ26が作動するときの感度を下げることができ,ひいては,前記リレー回路29及び電動式アクチェータ26が,変速操作ペタル16の動きによって間断なく頻繁に作動する回数を少なくできるから,前記電動式アクチェータ26による変速制御操作の安定性と,前記リレー回路29及び電動式アクチェータ26の耐久性を向上できる。
【0035】
ところで,前記した構成では,前記従動歯車22が最高増速変速位置にある状態,つまり,走行機体1が最高の速度で走行している状態で,且つ,前記電動式アクチェータ26による変速操作が当該電動式アクチェータ26の故障(断線事故等)にて不能になった状態で,圃場における泥濘への落ち込み又は畦ごえ時にて,走行不能に陥った場合において,この走行不能の状態を前記ベルトプーリ式無段変速装置12の変速操作によって脱出することができないから,その都度,田植え作業を停止するようにしなければならない。
【0036】
これに対して,本発明では,以下に述べるように構成することを提案する。
【0037】
すなわち,前記従動歯車22の中心ボス22aを,その支持軸21に対して軸線方向に摺動自在に被嵌し,且つ,前記支持軸21に着脱自在に差し込まれる人形型のピン34により,前記従動歯車22が電動式アクチェータ26におけるピニオン歯車27に噛合する状態に保持し,前記人形型のピン34を引き抜いて,前記従動歯車22を,図10に二点鎖線で示すように,支持軸21に沿ってブラケット板20に近づくように摺動して,電動式アクチェータ26におけるピニオン歯車27に対する噛合から外れるように構成する。
【0038】
また,前記従動歯車22に,これを回動又は摺動するための把手(操作体)22cを固着する。
【0039】
更にまた,前記従動歯車22に,その支持軸21を中心とする円弧状の長溝孔22bを設け,この長溝孔22bに,前記ブラケット板20に固着したストッパーピン33を係合し,前記従動歯車22における最高増速変速位置(図6及び図9に二点鎖線で示した位置)と,最低減速変速位置(図6及び図9に実線で示した位置)とを規制するように構成する。
【0040】
この構成において,前記従動歯車22が最高増速変速位置にある状態,つまり,走行機体1が最高の速度で走行している状態で,且つ,前記電動式アクチェータ26による変速操作が当該電動式アクチェータ26の故障(断線事故等)にて不能になった状態で,圃場における泥濘への落ち込み又は畦ごえ時にて,走行不能に陥った場合には,前記従動歯車22を,前記したように,人形型のピン34を引き抜いたのち,これに設けた把手(操作体)22cを手で握り,手動操作にて,図10に二点鎖線で示すように,支持軸21に沿ってブラケット板20に近づくように摺動して,電動式アクチェータ26におけるピニオン歯車27に対する噛合から外したのち回転する。
前記把手(操作体)の手動操作による前記従動歯車22の回転が,前記連杆25,前記鞘管18及び前記両操作杆12d,12eを介して前記ベルトプーリ式無段変速装置12に直接的に伝わり,前記ベルトプーリ式無段変速装置12を強制的に最低減速変速位置することができて,走行機体1を遅い走行速度にできるから,前記した走行不能の状態から容易に抜け出すことができ,また,前記従動歯車22を電動式アクチェータ26におけるピニオン歯車27に対して噛合する位置に戻すことにより,元の状態に復元できる。
【0041】
この場合において,前記従動歯車22は,最高増速変速位置及び最低減速変速位置を越えることがないように,ストッパーピン33にて規制されているので,この従動歯車22を,前記したように手動にして回転する場合に,前記最低減速変速位置を越えるように過剰に回転するおそれがなく,従って,最低減速変速位置への手動による回転を,前記電動式アクチェータ26におけるピニオン歯車27に対して噛合し得る位置にとどめておくことができるから,前記従動歯車22を,前記電動式アクチェータ26におけるピニオン歯車27に対して噛合する状態に復帰することが確実且つ容易にできる。
【0042】
ところで,前記したストッパーピン33は,前記実施の形態のように,ブラケット板20に固着することに代えて,図12に示すように,前記ブラケット板20に対して螺合することによって着脱自在にしたストッパーピン33aにすることができる。
【0043】
前記ストッパーピン33を,ブラケット板20に固着したままの構成であると,前記従動歯車22を,手動により,図10に二点鎖線で示すように,支持軸21に沿ってブラケット板20に近づくように摺動して,電動式アクチェータ26におけるピニオン歯車27に対する噛合から外すときにおいて,前記固定式のストッパーピン33に対する摩擦又はこじれ等のために,前記した従動歯車22の摺動ができない事態を招来することがある。
【0044】
これに対して,前記したように着脱自在なストッパーピン33aにした場合には,これに対する摩擦又はこじれ等のための摺動不能の状態になったときには,当該ストッパーピン33aを抜けば良いから,前記摺動不能の状態から容易に抜け出すことができる利点がある。
【0045】
なお,前記した従動歯車22のアクチュエータ26に対する連動解除及び従動歯車22の手動操作による回転は,前記操縦座席2をはね上げた状態で,車体カバー35に穿設されている孔35aから手を差し入れて行う。
【0046】
また,前記した実施の形態は,電動式アクチェータ26におけるピニオン歯車27に噛合する扇型の従動歯車22を,操作軸14とは別の支持軸21に設けるという構成であったが,本発明は,これに限らず,前記従動歯車22を,操作軸14に被嵌した鞘管18に固着して設けて,この従動歯車22にて前記鞘管18を直接に回転するように構成しても良い。
【0047】
【発明の作用・効果】
このように本発明は,
「苗植装置を装着した車体フレームに,エンジンと,駆動用車輪に対するミッションケースと,エンジンからの出力を前記ミッションケースに伝達するベルトプーリ式の無段変速装置とを搭載して成る乗用型田植機において,前記ベルトプーリ式無段変速装置に対する変速操作ペタルと,前記ベルトプーリ式無段変速装置を回転によって変速作動する電動式のアクチェータと,前記アクチェータを増速変速する方向に回転する状態及び減速変速する方向に回転する状態並びにその間において回転を停止する状態の三段に切り換えるようにしたロータリ式の切換えスイッチとから成り,前記変速操作ペタルの踏み込み操作に連動して正方向に回転し,前記変速操作ペタルの踏み込みを緩める操作に連動して逆方向に回転する第1部材と,前記アクチェータにおける変速作動に連動して回転する第2部材とを配設し,この第1部材と第2部材との間に,前記切換えスイッチを設けて,この切換えスイッチが,前記変速操作ペタルの踏み込み操作に応じて前記アクチェータを増速変速する方向に回転する状態に切り換わり,前記変速操作ペタルの踏み込みを緩める操作に応じて前記アクチェータを減速変速する方向に回転する状態に切り換わり,このアクチェータにおける増速変速する方向への回転及び減速変速する方向への回転に応じて前記アクチェータの回転を停止する状態に切り換わるという構成にした。」
ことにより,前記ベルトプーリ式無段変速装置(CVT)を,変速操作ペタルにて正逆回転される電動式アクチェータによって,無段階的に変速操作することが,電子制御方式によることなく,第1部材及び第2部材と,その間に設けたロータリ式の切換スイッチという至極簡単な構成によって達成できるから,価格を大幅に低減できるばかりか,故障が発生し難く,故障の診断が容易であり,且つ,故障を容易に直すことができ,しかも,保守・点検等に対するメンテナンスが著しく簡単である効果を有する。
【0048】
これに加えて,本発明は,
「前記ベルトプーリ式無段変速装置を,前記電動式アクチェータにて当該ベルトプーリ式無段変速装置を変速作動する状態から切り離したのち,前記変速操作ペタルとは別に設けた操作体(把手)による手動操作にて直接に変速作動するように構成した。」
ことにより,走行機体が最高の速度で走行している状態で,且つ,前記電動式アクチェータによる変速操作が当該電動式アクチェータの故障(断線事故等)にて不能になった状態で,走行不能に陥った場合において,前記ベルトプーリ式無段変速装置を,前記電動式アクチェータから切り離し,手動操作によって,最低減速変速位置にして,走行機体を遅い走行速度にできるから,前記走行不能の状態から容易に脱出することができる効果をも有する。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の側面図である。
【図2】前記図1の平面図である。
【図3】前記乗用型田植機の走行機体におけるエンジン及びミッションケースの部分を示す斜視図である。
【図4】前記走行機体における車体フレームを示す斜視図である。
【図5】前記走行機体における車体フレームの平面図である。
【図6】前記図5のVI−VI視拡大側面図である。
【図7】前記図6におけるA部分の拡大図である。
【図8】前記図7の平面図である。
【図9】前記図6におけるB部分の拡大図である。
【図10】前記図9のX−X視拡大断面図である。
【図11】切り換えスイッチと電動式アクチェータの電気回路である。
【図12】前記図10の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 走行機体
2 操縦座席
3 操縦ハンドル
5 苗植装置
6 車体フレーム
7 前車輪
8 後車輪
9 エンジン
11 ミッションケース
12 ベルトプーリ式無段変速装置
14 操作軸
15 ベルクランクレバー
16 変速操作ペタル
18 鞘管
22 従動歯車
22c 把手(操作体)
26 電動式アクチェータ
28 切換えスイッチ
Claims (1)
- 苗植装置を装着した車体フレームに,エンジンと,駆動用車輪に対するミッションケースと,エンジンからの出力を前記ミッションケースに伝達するベルトプーリ式の無段変速装置とを搭載して成る乗用型田植機において,
前記ベルトプーリ式無段変速装置に対する変速操作ペタルと,前記ベルトプーリ式無段変速装置を回転によって変速作動する電動式のアクチェータと,前記アクチェータを増速変速する方向に回転する状態及び減速変速する方向に回転する状態並びにその間において回転を停止する状態の三段に切り換えるようにしたロータリ式の切換えスイッチとから成り,前記変速操作ペタルの踏み込み操作に連動して正方向に回転し,前記変速操作ペタルの踏み込みを緩める操作に連動して逆方向に回転する第1部材と,前記アクチェータにおける変速作動に連動して回転する第2部材とを配設し,この第1部材と第2部材との間に,前記切換えスイッチを設けて,この切換えスイッチが,前記変速操作ペタルの踏み込み操作に応じて前記アクチェータを増速変速する方向に回転する状態に切り換わり,前記変速操作ペタルの踏み込みを緩める操作に応じて前記アクチェータを減速変速する方向に回転する状態に切り換わり,このアクチェータにおける増速変速する方向への回転及び減速変速する方向への回転に応じて前記アクチェータの回転を停止する状態に切り換わるという構成にし,更に,前記ベルトプーリ式無段変速装置を,前記電動式アクチェータにて当該ベルトプーリ式無段変速装置を変速作動する状態から切り離したのち,前記変速操作ペタルとは別に設けた操作体による手動操作にて直接に変速作動するように構成したことを特徴とする乗用型田植機における走行変速操作装置。
Priority Applications (1)
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