JP4114460B2 - 非接触加熱定着用カラートナーおよび画像形成方法 - Google Patents

非接触加熱定着用カラートナーおよび画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等により形成された静電潜像を現像するためのトナー、特に非接触加熱定着方式に適したカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
トナー像を転写紙上に加熱定着する方法としては、大別して接触加熱定着方式と非接触加熱定着方式とがある。非接触加熱定着方式は定着時に粉体トナー像にいかなる部材も接触しない定着方式であり、フラッシュ定着方式、オーブン(雰囲気)定着方式が主力となっている。
【0003】
フラッシュ定着方式は、感光体または中間転写部材から転写紙上に転写された粉体トナー像に、たとえば、キセノン、ハロゲンフラッシュランプなどの閃光を照射し、その輻射熱によりトナー像を溶融して転写紙上に定着させる方法である。
オーブン定着方式は、感光体または中間転写部材から転写紙上に転写された粉体トナー像に、たとえば、オーブン雰囲気下で赤外線を照射し、その輻射熱によりトナー像を溶融して転写紙上に定着させる方法である。
【0004】
このような非接触加熱定着方式は以下に述べるような優れた特徴をもつ。
・粉体トナー像がいかなる部材にも接触することなく溶融して定着する非接触定着方式であるので、部材による像つぶれがなく現像時の解像度を劣化させない;
・定着時間が極めて短時間であるため、高速定着が可能である;
・定着による待ち時間がないため、クイックスタートが可能である;
・厚さ、紙質の異なる転写紙に容易に対応可能である。
【0005】
しかしながら、非接触加熱定着方式は、非接触で加熱定着を行うため周囲へのエネルギー放散が大きい。一方で、環境性の観点から、定着エネルギーの低減化がはかられている。しかし、粉体トナー像に与える光エネルギーの総量が不足すると、粉体トナー像が充分に溶融することができず、満足する定着性が得られないという問題がある。特に、黒色画像とカラー画像とを同時に印字するフルカラー画像では色ごとに吸収するエネルギー量が異なることから、与えるエネルギー量のコントロールが難しい。
【0006】
そこで、充分な溶融定着を実現するために、例えば、少なくとも結着樹脂、赤外線吸収剤、着色剤および特定のエステル系化合物を含有するカラートナー(例えば、特許文献1および特許文献2参照)、650nmにおける吸光度が赤外領域の分光吸収極大波長における吸光度の10%以下である赤外吸収色素を含有した、3色以上のトナーを積層した画像に用いるフラッシュ定着用トナーにおいて、吸収極大波長が少なくとも20nm以上ずれた少なくとも2種の赤外吸収色素を用いることを特徴とするフラッシュ定着用トナー(特許文献3参照)などが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001-22127号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2001-92174号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開2002-99111号公報(第2頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなトナーでも、画像の種類や定着条件によっては未だ充分な定着性が得られなかった。すなわち、定着エネルギーが比較的少なくなると、ベタ画像のようにトナー付着量が多い画像では所望の定着性が得られていても、文字画像やハーフトーン画像のように、トナー付着量が比較的少ないトナー像を定着させるとき、定着性低下の問題が生じる。この問題は同じ付着量であれば文字画像よりハーフトーン画像でより顕著であった。フルカラー部とモノカラー部とを含む(フル)カラー画像では付着量の少ないモノカラー部(黒以外)で定着性が悪くなる傾向にある。定着性を向上させるために、定着性のエネルギー量を強くすると、黒トナー部でエネルギー吸収が過多となり、突沸現象が発生し、画像ノイズを引き起こしてしまう。さらには少なくとも片面に既に画像が形成された用紙の紙送りの際に定着画像がローラ等で擦られて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす現象が発生した(耐スミア性の低下)。
【0009】
本発明はまた、定着エネルギーやトナー付着量が比較的少なくても、充分な定着性および耐スミア性を示す非接触加熱定着用カラートナーを提供することを目的とする。即ち、本発明のトナーは、ベタ画像、網点画像、ハーフトーン画像、文字画像などが混在した画像、黒色部とカラー部とが混在した画像、フルカラー部とモノカラー部とが混在した画像を形成する場合でも、比較的低い定着エネルギーで所望の定着性、耐スミア性を示す。
【0010】
本発明はまた、定着エネルギーやトナー付着量が比較的少なくても、定着性および耐スミア性に優れた画像を提供するフルカラー画像形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、シアニン系化合物及びアミニウム系化合物からなる2種類の赤外線線吸収剤を含有し、結着樹脂として軟化点が 90 110 ℃の第1ポリエステル系樹脂および軟化点が 120 140 ℃の第2ポリエステル系樹脂を使用し、波長域810〜870nmにおけるトナーの最大吸光度が波長域870〜1000nmにおけるトナーの最大吸光度の2倍以上であることを特徴とする非接触加熱定着用カラートナーに関する。
【0012】
本発明はまた、キセノンランプを光源とするフラッシュ定着システムを用いた画像形成方法であって、上記の非接触加熱定着用カラートナーを用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0013】
本明細書中、吸光度とは、物質が光を吸収する度合を表す量である。
最大吸光度とは、光の波長(横軸)と吸光度(縦軸)との関係を表す吸収曲線において最大の吸光度を意味する。特定波長域を指定したときの最大吸光度は、当該波長域内最大の吸光度を意味する。なお、本明細書において吸収曲線は波長域700〜1100nmの吸収曲線を意味するものとする。
最大吸収ピークとは、吸収曲線において吸光度が極大を示すピークのうち最大(最高)のピークを意味する。特定波長域を指定したときの最大吸収ピークは、当該波長域内最大(最高)のピークを意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の非接触加熱定着用カラートナーは波長域810〜870nmにおけるトナーの最大吸光度(以下、最大吸光度Xという)が波長域870〜1000nm(特に、波長が870nmを越え1000nm以下の範囲)におけるトナーの最大吸光度(以下、最大吸光度Yという)の2倍以上、好ましくは2〜10倍、より好ましくは2.5〜10倍、さらに好ましくは3〜9倍、特に4〜7倍である。例えば、本発明のトナーの一例の吸収曲線を示す図1において、Xが波長域870〜1000nmにおけるトナーの最大吸光度Xであり、Yが870〜1000nmにおけるトナーの最大吸光度Yである。
【0015】
本発明においては、トナーにこのような吸光特性を満足させることにより、トナーが効果的に光エネルギーを吸収し熱エネルギーに変換できるようになるため、一個一個のトナーをも十分に溶融状態にすることができる。従来から非接触加熱定着用トナーの分野では、画像濃度が低い部位を含む画像を形成したり、ベタ部の付着量自体を低減する場合など、トナー付着量が例えば、2g/m2以下という比較的少ない量になると、定着性の悪化が問題となりやすかった。この現象はトナー付着量が比較的多い量(5g/m2程度)では、記録媒体上でトナーが密の状態で存在するので、熱は周囲に逃げにくく、トナー粒子からトナー粒子へと伝わり、十分な定着性が得られるが、トナー付着量が比較的少ない場合は、記録媒体上でトナー粒子が孤立した状態となり、輻射熱の一部が記録媒体や周辺に逃げてしまうため、トナー自身が溶融するための十分な輻射熱を確保できなくなることが原因と考えられる。しかしながら、本発明においては上記のように一個一個のトナーを十分に溶融状態にすることができるので、そのようにトナー付着量が少なくなる場合や、特にトナー粒子が紙面上孤立する場合であっても、トナーは十分に記録媒体に浸透し、非接触加熱定着用カラートナーとしての定着性(本明細書中、単に「定着性」という)を向上させることができる。さらには記録媒体上のトナーが非接触で有効に溶融するため、トナー像高さが低くなり、凹凸が小さくなり、平滑性が上がる。このため耐スミア性を向上させることができる。特に3〜5J/cmという比較的少ない定着エネルギーであってもフルカラー画像において優れた定着性と耐スミア性とを実現できる。最大吸光度X/最大吸光度Yが2未満であると、定着不良や耐スミア性の低下が起こる。例えば、5g/m2という比較的高付着量のトナーを定着する場合でも、定着不良や耐スミア性の低下が起こる。最大吸光度X/最大吸光度Yがあまり大きすぎると、長波長域の光エネルギーの吸収が達成され難くなる傾向がある。
【0016】
さらに本発明のトナーは810〜1000nm波長域において最大吸収ピークが波長域810〜840nmにあることが好ましい。該トナーを、少なくとも波長域810〜840nmに発光スペクトルピークを持つ光源を用いた非接触加熱定着方式で使用することにより、さらに効果的に光エネルギーの吸収を行うことができるので赤外線吸収剤の添加量を少なくできる。そのため、トナーの製造コストが低減されるとともに、トナーにおける帯電特性等が低下するのが抑制される。さらには赤外線吸収剤によってカラートナーの色彩が変化するのが少なくなり、色再現性に優れたカラー画像が得られるようになる。
【0017】
本発明において吸光度や吸収ピークは吸収曲線から読み取ったものであり、該吸収曲線は分光光度計U-4100形(日立製作所社製)にて測定したものを使用している。しかしながら、吸収曲線は上記装置によって測定されなければならないというわけではなく、トナーや赤外線吸収剤における光の波長(横軸)と吸光度(縦軸)との関係を波長域700〜1100nmで測定できる装置であれば、いかなる装置によって測定されてもよい。
【0018】
本発明のトナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、および2種類の赤外線吸収剤を含有してなり、これらの成分のうち、特に2種類の赤外線吸収剤を、トナーが上記吸光特性を満足するように選択する。
【0019】
詳しくは、赤外線吸収剤(IR吸収剤)は、トナーが上記吸光特性を満足するように、シアニン系化合物、ポリメチン系化合物、アミニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、メロシアニン系化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ニッケル錯体化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物からなる群から少なくとも2種類の化合物を選択して使用する。
【0020】
本発明においては、トナー吸光特性の制御の観点から、上記化合物の中でも、波長域800〜1000nmに吸収ピーク(特に最大吸収ピーク)を有する少なくとも2種類の化合物を使用することが好ましい。より好ましくは、それらの化合物のうち、少なくとも1種類の化合物として、吸収ピーク(特に最大吸収ピーク)が波長域800〜870nm、好ましくは810〜840nmにある化合物を使用する。このときさらに好ましくは、吸収ピーク(特に最大吸収ピーク)が波長域870〜1000nm(特に、波長が870nmを越え1000nm以下の範囲)、好ましくは900〜980nmにある化合物を併用する。
【0021】
波長域800〜870nmに最大吸収ピークを有する化合物としては、ポリメチン系化合物、シアニン系化合物等を挙げることができる。少ない光エネルギーでもより有効に吸収し、かつカラートナーに対する色再現性への副作用が少ないという観点からは、シアニン系化合物が好ましい。シアニン系化合物は吸収スペクトルのピーク(山)がシャープであるので必要な波長領域の光を効率的に吸収することができ、また可視部における吸収が少ない点でも好ましい。シアニン系化合物の吸収ピークを所望の波長領域に移動させる方法としては、共役二重結合の数と化合物の両端に結合する複素環の種類を選択することにより可能である。また複素環核や共役二重結合を形成する原子上に置換基を入れることにより吸収ピークの微調整が可能である。さらに長波長側に移動させるためには構造式が左右対称形のものが好ましい。
【0022】
波長域870〜1000nmに最大吸収ピークを有する化合物としては、ジイモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、アミニウム系化合物等を挙げることができる。吸収波長域、カラートナーに対する色再現性への副作用が少ないという観点からアミニウム系化合物が好ましい。
【0023】
波長域800〜870nmに最大吸収ピークを有するシアニン系化合物の具体例として、一般式(I)〜(VII)で表される化合物が挙げられる。
【化1】
Figure 0004114460
【化2】
Figure 0004114460
【0024】
式(I)〜(VII)中、R〜RおよびAは共通する。RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは未置換の炭化水素基を示す。RおよびRはそれぞれ独立に総炭素数12までの未置換のアルキル基を示す。RおよびRはそれぞれ独立に総炭素数3までの未置換のアルキル基を示す。RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、総炭素数3までの未置換のアルキル基、総炭素数6までのアルキル置換アミノ基を示す。Aは必要に応じて存在するアニオンを示す。
【0025】
およびRの具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基のような直鎖または分枝状のアルキル基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基の様なシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポシキ基、ブトキシ基の様なアルコキシ基;エトキシメチル基、メトキシエチル基、プロポキシメチル基、ブトキシエチル基、メトキシメトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基のようなアルコキシ置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基の様なヒドロキシ置換アルキル基;カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、4−カルボキシブチル基の様なカルボキシ置換アルキル基;3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基のようなスルホ置換アルキル基;3−シアノプロピル基、2−シアノエチル基のようなシアノ置換アルキル基;ホルミル基、アセチル基、シンナモイル基の様なアシル基;3−ホルミルプロピル基、4−アセチルブチル基の様なアシル置換アルキル基;アリルオキシメチル基、ビニルオキシメチル基の様なアルケニルオキシ置換アルキル基;アリル基、ビニル基、ペンテニル基、オクテニル基の様なアルケニル基;フェニル基、キシリル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、ニトロフェニル基、クロロフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基の様なアリール基;ベンジル基、p−クロロベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基の様なアリール置換アルキル基;プロパギル基、ヘキシニル基の様なアルキニル基等が挙げられる。また、そのほかの例として置換もしくは未置換の複素環を挙げることが出来る。具体的にはチオフェン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、テトラヒドロピリジン環、シクロヘキシルアミン環等が挙げられる。
好ましいRおよびRは水素原子、直鎖または分枝状のアルキル基、アルコキシ置換アルキル基である。
【0026】
およびRの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基のような直鎖または分枝状のアルキル基が挙げられる。
好ましいRおよびRは炭素数1〜3の低級アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基である。
【0027】
およびRの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。
好ましいRおよびRはメチル基、エチル基である。
およびRの具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基等が挙げられる。
好ましいRおよびRは、水素原子、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基である。
【0028】
アニオンであるAの具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオン、硝酸塩イオン、ベンゼンスルホン酸塩イオン、p−トルエンスルホン酸塩イオン、メチル硫酸塩イオン、エチル硫酸塩イオン、プロピル硫酸塩イオン、テトラフルオロホウ酸塩イオン、テトラフェニルホウ酸塩イオン、ヘキサフルオロリン酸塩イオン、ベンゼンスルフィン酸塩イオン、酢酸塩イオン、トリフルオロ酢酸塩イオン、プロピオン酢酸塩イオン、安息香酸塩イオン、シュウ酸塩イオン、コハク酸塩イオン、マロン酸塩イオン、オレイン酸塩イオン、ステアリン酸塩イオン、クエン酸塩イオン、2水素リン酸塩イオン、ペンタクロロスズ酸塩イオン、クロロスルホン酸塩イオン、フルオロスルホン酸塩イオン、トリフルオロメタンスルホン酸塩イオン、ヘキサフルオロヒ酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸塩イオン、モリブデン酸塩イオン、タングステン酸塩イオン、チタン酸塩イオン、ジルコン酸塩イオン等が挙げられ、好ましいものとしては、臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオン、ベンゼンスルホン酸塩イオン、p−トルエンスルホン酸塩イオン、メチル硫酸塩イオン、エチル硫酸塩イオン、テトラフルオロホウ酸塩イオン、テトラフェニルホウ酸塩イオン、ヘキサフルオロリン酸塩イオン、ベンゼンスルフィン酸塩イオン、プロピオン酢酸塩イオン、安息香酸塩イオン、クロロスルホン酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸塩イオン等が挙げられる。
好ましいAは臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオン、テトラフルオロホウ酸塩イオンである。
【0029】
より好ましい化合物(I)は、R=R=直鎖または分枝状のアルキル基、R=R=メチル基、A=臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオンまたはテトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物である。
例えば、R=R=エチル基、R=R=メチル基、A=テトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物(I)は最大吸収ピークを825nmに有する。
【0030】
より好ましい化合物(II)は、R=R=直鎖または分枝状のアルキル基、R=R=メチル基、A=臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオンまたはテトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物である。
【0031】
より好ましい化合物(III)は、R=R=アルコキシ置換アルキル基、A=臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオンまたはテトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物である。
例えば、R=R=メトキシエチル基、A=過塩素酸塩イオンの化合物(III)は最大吸収ピークを815nmに有する。
【0032】
より好ましい化合物(IV)は、R=R=直鎖または分枝状のアルキル基、またはアルコキシ置換アルキル基、A=臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオンまたはテトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物である。
例えば、R=R=エチル基、A=過塩素酸塩イオンの化合物(IV)は最大吸収ピークを830nmに有する。
また例えば、R=R=メトキシエトキシエチル基、A=ヨウ素イオンの化合物(IV)は最大吸収ピークを830nmに有する。
【0033】
より好ましい化合物(V)は、R=R=直鎖または分枝状のアルキル基、R=R=メチル基、A=臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオンまたはテトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物である。
【0034】
より好ましい化合物(VI)は、R=R=水素原子または直鎖または分枝状のアルキル基、A=臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオンまたはテトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物である。
例えば、R=R=水素原子、A=過塩素酸塩イオンの化合物(VI)は最大吸収ピークを825nmに有する。
また例えば、R=R=エチル基、A=ヨウ素イオンの化合物(VI)は最大吸収ピークを817nmに有する。
また例えば、R=R=エチル基、A=臭化物イオンの化合物(VI)は最大吸収ピークを818nmに有する。
また例えば、R=R=エチル基、A=過塩素酸塩イオンの化合物(VI)は最大吸収ピークを820nmに有する。
【0035】
より好ましい化合物(VII)は、R=R=メチル基、R=R=水素原子またはジメチルアミノ基、A=臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオンまたはテトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物である。
例えば、R=R=メチル基、R=R=水素原子、A=過塩素酸塩イオンの化合物(VII)は最大吸収ピークを833nmに有する。
また例えば、R=R=メチル基、R=R=ジメチルアミノ基、A=過塩素酸塩イオンの化合物(VII)は最大吸収ピークを810nmに有する。
【0036】
上記のようなシアニン系化合物は、原料をアルコール類または酢酸、無水酢酸等の溶媒中で、酢酸ナトリウム等の塩基触媒の存在下、60〜140℃で30分〜6時間縮合反応させることにより得ることができる。例えば、原料として、5−メトキシ−1−エチル−3,3−ジメチル−2−メチレンインドリンと、2−クロロ−1−ホルミル−3−ヒドロキシメチレンシクロヘキセンとを用いると、後述のIR吸収剤B1が得られる。
【0037】
波長域870〜1000nmに最大吸収ピークを有するアミニウム系化合物の具体例として、一般式(VIII)で表される化合物が挙げられる。
【化3】
Figure 0004114460
【0038】
式(VIII)中、R〜R12はそれぞれ独立に総炭素数5までの未置換のアルキル基を示す。Aは上記と同様である。
〜R12の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基のような直鎖または分枝状のアルキル基が挙げられる。
好ましいR〜R12は、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
【0039】
より好ましい化合物(VIII)は、R〜R12=プロピル基またはブチル基、A=臭化物イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸塩イオンまたはテトラフルオロホウ酸塩イオンの化合物である。
例えば、R〜R12=プロピル基、A=過塩素酸塩イオンの化合物(VIII)は最大吸収ピークを950nmに有する。
また例えば、R〜R12=ブチル基、A=過塩素酸塩イオンの化合物(VIII)は最大吸収ピークを950nmに有する。
【0040】
上記のようなアミニウム系化合物は、例えば、特開平11-315054号公報に記載の方法に従って得ることができる。
【0041】
このように所望の波長領域にシャープな吸収ピークを有し、かつ高感度なIR吸収剤を使用することにより、IR吸収剤が少ない添加量であっても、紙上で孤立したトナーをも溶融することが可能であり高い定着性を確保することができる。IR吸収剤の合計添加量としては、結着樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部とすることがフルカラートナーとしての色再現性、帯電性、コスト等の問題を生じることなく良好な定着性を得る上で好ましい。また2種のIR吸収剤の添加量の比率としては、波長域800〜870nmに最大吸光度を有するIR吸収剤の添加量と波長域870〜1000nmに最大吸光度を有するIR吸収剤の添加量とが1:4〜4:1、好ましくは1:3〜2:1が少量の添加量で定着性を向上させる観点から好ましい。
【0042】
本発明は、本発明のトナーが上記吸光特性を有する限り、3種類以上のIR吸収剤を含有させることを妨げるものではない。
【0043】
本発明において結着樹脂としては、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。
多価アルコール成分のうち2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0044】
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0045】
また、多価カルボン酸成分のうち2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、nードデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、nードデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、nーオクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、nーオクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステルが挙げられる。
【0046】
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサンントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0047】
本発明において、特に定着性を向上させるため、あるいは、透光性を必要とするカラートナーにおいて画像の光沢性を制御する為にポリエステル系樹脂として軟化点の異なる2種類のポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。定着性を向上させるために、軟化点が90〜120℃の第1ポリエステル系樹脂と、軟化点が120〜150℃の第2ポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。より好ましい第1ポリエステル系樹脂の軟化点は90〜110℃で、第2ポリステル系樹脂の軟化点は120〜140℃である。また第1および第2ポリエステル系樹脂のガラス転移点は50〜75℃、好ましくは55〜70℃とすることが望ましい。これはガラス転移点が低いとトナーの耐熱性が不十分となり、また高すぎると、トナーを粉砕法で製造する際の粉砕性が低下し生産効率が低くなるためである。
【0048】
第1ポリエステル系樹脂としては、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分とし、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸、フマル酸、ドデセニルコハク酸、ベンゼントリカルボン酸のみからなる群より選択される少なくとも1種を主成分として用いて得られたポリエステル樹脂が好ましい。
第2ポリエステル系樹脂としては、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分とし、多価カルボン酸成分として3価以上のカルボン酸成分、特にベンゼントリカルボン酸と、さらにテレフタル酸、フマル酸、ドデセニルコハク酸からなる群より選択される少なくとも1種とを主成分として用いて得られたポリエステル樹脂が好ましい。
【0049】
第1ポリエステル系樹脂と第2ポリエステル系樹脂との重量比は9:1〜6:4、好ましくは9:1〜7:3とすることが好ましい。
【0050】
スチレン系樹脂としては以下の原料モノマーからなる樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂の原料モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレンまたはスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリロニトリル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。スチレン系樹脂の原料モノマーを重合させる際の重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4ージメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム等の過硫酸系重合開始剤等が挙げられる。
【0051】
その他、エポキシ系樹脂も好適に使用できる。本発明で使用されるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物などが好適に使用できる。例えば、エポミックR362、R364、R365、R367、R369(以上 三井石油化学工業社製)、エポトートYD-011、YD-012、YD-014、YD-904、YD-017(以上東都化成社製)、エピコート1002、1004、1007(以上 シェル化学社製)等、市販のものも使用できる。
【0052】
本発明において着色剤としては、公知の顔料及び染料が使用される。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。着色剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して2〜10重量部が好適である。
【0053】
また、黒トナーには、各種カーボンブラック、活性炭、チタンブラックに加えて、着色剤の一部または全部を磁性体と置き換えることができる。このような磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄等、公知の磁性体微粒子が使用可能である。磁性粒子の平均粒径は製造時における分散性を得る意味において、好ましくは1μm以下特に0.5μm以下が好ましい。
【0054】
本発明のトナーには離型剤を含有させることが好ましい。離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレンコポリマー等のポリオレフィンワックス、モンタン系エステルおよび脂肪酸エステル等の合成エステルワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、フィッシャートロプシュワックス、キャンデリラワックス、水添ホホバ油ワックス、パラフィンワックスなど公知のものを1種または2種以上選択して使用する。
【0055】
特に、定着性と耐スミア性のさらなる向上の観点からは55〜85℃、特に55〜75℃の低融点ワックス(以下、低融点ワックスという)と、ポリオレフィンワックスとを組み合わせて使用することが好ましい。これらのワックスを組み合わせて使用することにより、比較的小さな光エネルギーでトナー像が速やかに溶融するのを促進し、結果としてし定着性と耐スミア性をさらに向上させる。
【0056】
低融点ワックスとしては結着樹脂に対する分散性に優れたワックスが好ましく、特に合成エステルワックスが好ましい。
合成エステルワックスは、直鎖飽和モノカルボン酸と、直鎖飽和1価アルコールまたは多価アルコールとの縮合反応により得られるものであり、その中でもシャープメルトな融解特性を有する合成エステルワックスが特に好ましい。そのような合成エステルワックスを含有することで樹脂とほぼ同じような融点であっても耐ブロッキングと定着性の両立が可能である。
【0057】
シャープメルトな融解特性を有する合成エステルワックスを得るために、以下のような直鎖飽和モノカルボン酸、直鎖飽和1価アルコール、直鎖飽和多価アルコールの使用が有効である。
直鎖飽和モノカルボン酸としては炭素数14〜30の直鎖飽和モノカルボン酸からなる群から選択される1種類以上の化合物を使用することが好ましい。直鎖飽和モノカルボン酸として2種類以上の化合物を使用するときは、そのうちの1成分の使用量が直鎖飽和モノカルボン酸全量に対して60重量%以上である。
直鎖飽和1価アルコールとしては炭素数2〜30の直鎖飽和1価アルコールからなる群から選択される1種類以上の化合物を使用することが好ましい。直鎖飽和1価アルコールとして2種類以上の化合物を使用するときは、そのうちの1成分の使用量が直鎖飽和1価アルコール全量に対して80量%以上である。
直鎖飽和多価アルコールとしては炭素数2〜30の2〜6価直鎖飽和アルコールからなる群から選択される1種類以上の化合物を使用することが好ましい。直鎖飽和多価アルコールとして2種類以上の化合物を使用するときは、そのうちの1成分の使用量が直鎖飽和多価アルコール全量に対して80重量%以上である。
【0058】
低融点ワックスの市販品として、例えば、エヌエスケミカル社製のキャンデリラワックスリファイン(融点67℃)、ミツバ貿易社製のキャンデリラワックスHパウダー(融点67℃)、水添ホホバ油M1(融点72℃)、東洋ペトロライト社製のユニリン350(融点68℃)、日本油脂社製のWEP-4(融点71℃)、WEP-2(融点71℃)、WEP-5(融点82℃)、理研ビタミン社製のリケマールVT-50(融点70℃)、リケマールB-150(融点70℃)、リケスターSL-02(融点67℃)等を使用してもよい。
【0059】
ポリオレフィンワックスとしても、充分に溶融されやすいようにシャープメルトなものを使用することが好ましく、特に融点80〜150℃、好ましくは90〜130℃を有することが好ましい。上記ポリオレフィンワックスを含有することで非接触加熱定着の課題であった周囲へのエネルギー放散が比較的大きくても比較的小さな熱量で定着性能をより有効に発揮することが可能である。
【0060】
ポリオレフィンワックスとしては、例えば800P(三井化学社製)、2203A(三井化学社製)、4202E(三井化学社製)、PE190(クラリアント社製)等のポリエチレンワックス、例えば660P(三洋化成工業社製)、TS-200(三井化学社製)、100TS(三洋化成工業社製)、110TS(三洋化成工業社製)等のポリプロピレンワックス等が入手可能である。
【0061】
ワックスを含有させる場合は、その含有量を結着樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部とすることがフィルミング等の問題を生じることなく添加による効果を得る上で好ましい。2種類以上のワックスを使用する場合はそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0062】
本発明のトナーには目的に応じて帯電制御剤等の添加剤を含有させてもよい。
帯電制御剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体の如き高分子酸、第4級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料、カーボンブラック等を添加することができる。
【0063】
本発明のトナーにおいて、各含有成分の存在形態は特に制限されるものではない。特にIR吸収剤は、少なくとも結着樹脂からなるトナー粒子の内部に含有されていてもよいし、外表面に固定・融着されていてもよいし、または一部が内部に含有され、かつ残りが外表面に固定・融着されていてもよい。一個一個のトナーをより十分に溶融状態にさせて定着性の向上を図る観点からは、トナー粒子の内部に含有されていることが好ましい。
【0064】
本発明のトナーは、粉砕法、乳化重合凝集法、乳化分散法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法によって製造され得る。
【0065】
粉砕法では、結着樹脂、着色剤およびIR吸収剤ならびにその他の添加剤を混合した後、溶融混練し、冷却して、混練物を得る。その後、混練物を、粉砕、分級し、所望により表面改質処理してトナーを得る。IR吸収剤は表面改質処理直前に添加してもよい。
【0066】
乳化重合凝集法では、結着樹脂を形成し得るモノマー(前記のスチレン系モノマー等;以下、「重合性モノマー」という)等を含む重合組成物を水系分散媒体中、乳化重合し、得られた樹脂微粒子を乳化状態で少なくとも着色剤と凝集・融着させ、洗浄および乾燥してトナーを得る。IR吸収剤、ワックス、荷電制御剤等はそれぞれ独立して、重合組成物に予め含有されていてもよいし、または着色剤とともに乳化状態で樹脂微粒子と会合/融合されてもよい。
【0067】
乳化重合法および懸濁重合法では、重合性モノマー、着色剤およびIR吸収剤ならびにその他の添加剤を含む重合組成物を水系分散媒体中に乳化または懸濁し、重合した後、洗浄および乾燥してトナーを得る。
乳化分散法では、結着樹脂、着色剤およびIR吸収剤ならびにその他の添加剤を適当な有機溶剤に溶解ないしは分散させて着色樹脂溶液とし、これを水系分散媒体に加えて激しく撹拌することにより、樹脂溶液の液滴を形成する。その後、加熱して液滴から有機溶剤を除去し、洗浄および乾燥してトナーを得る。
【0068】
さらに、本発明のトナーは、流動性調整剤として各種有機/無機微粒子を添加することが好ましい。無機の微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等のホウ化物、酸化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト等の各種非磁性無機微粒子を単独あるいは組み合わせで用いることができる。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛等の無機微粒子においては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処理剤、さらにはフッ素系シランカップリング剤、またはフッ素系シリコーンオイル、さらにアミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等の処理剤で公知の方法で表面処理されていることが好ましい。
【0069】
次に、本発明の非接触加熱定着用カラートナーを使用するのに適した非接触加熱定着方法を含む画像形成方法を、該方法を採用した図2に示す画像形成装置を用いて説明する。図2の装置は定着システムとしてフラッシュ定着システムを採用しているが、本発明において定着システムは赤外線を用いたオーブン定着システムであってもよい。
【0070】
図2に示すフルカラー画像形成装置においては、ロール状に巻かれた記録媒体1を各送りローラ2によって送るようにし、このように送られる記録媒体1の片面側において、この記録媒体1の送り方向上流側から下流側に向けて、黒色のトナーを記録媒体1に供給する第1の画像形成用ユニット10Bk、シアン色のトナーを記録媒体1に供給する第2の画像形成用ユニット10C、マゼンダ色のトナーを記録媒体1に供給する第3の画像形成用ユニット10M、黄色のトナーを記録媒体1に供給する第4の画像形成用ユニット10Yの順に設けている。
【0071】
そして、上記のように送りローラ2によって送られる記録媒体1の片面側に、上記の第1〜第4の各画像形成用ユニット10Bk,10C,10M,10Yから上記の各トナーをそれぞれ適当な位置に供給して記録媒体1の片面側にフルカラーのトナー像を連続して形成するようにしている。
【0072】
そして、このように片面側に連続してフルカラーのトナー像が形成された記録媒体1を送りローラ2によってフラッシュランプを用いたフラッシュ定着装置20に導き、このフラッシュ定着装置20から記録媒体1の片面に形成されたフルカラーのトナー像に対して光照射し、この光エネルギーによりフルカラーのトナー像を記録媒体1に定着させるようにしている。
【0073】
フラッシュランプは例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ等であってよい。好ましくは少なくとも波長域810〜840nmに発光スペクトルピークを持つフラッシュランプ、特にキセノンランプを使用する。
【0074】
上記の第1〜第4の各画像形成用ユニット10Bk,10C,10M,10Yにおけるトナー、特に第2〜第4の各画像形成用ユニット10C,10M,10Yにおけるトナーに、前記の本発明のトナーを用いると、各トナーを重ねてフルカラーのトナー像を記録媒体1に定着させる場合においても、上記のフラッシュ定着装置20によってフルカラーのトナー像が記録媒体1に十分に定着されるようになり、耐スミア性の問題も起こらない。
【0075】
前記のように本発明のフルカラーのトナー像を連続して形成するにあたり、トナーの合計付着量を2g/m2以下、特に0.5〜1.5g/m2にすることができる。このように比較的少ないトナー付着量であっても、本発明のカラートナーからなるトナー像は記録媒体1に十分に定着され得る。
【0076】
また前記のようにフラッシュ定着装置20によってフルカラーのトナー像を記録媒体1に定着させるにあたり、上記のフラッシュランプの発光エネルギーは3.0〜5.0J/cm2の範囲にすることができる。このように低エネルギーであっても、本発明のカラートナーからなるトナー像は記録媒体1に十分に定着され得る。
【0077】
【実施例】
(ポリエステル樹脂の製造例)
温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー、および窒素導入管を取り付けたガス製4つ口フラスコに、表1に示すモル比でアルコール成分および酸成分を重合開始剤(ジブチル錫オキシド)とともに入れた。これをマントルヒーター中において窒素気流下にて、攪拌しながら220℃で加熱することにより反応させた。そして、この反応の進行は、酸価を測定することにより追跡した。所定の酸価に達した時点でそれぞれ反応を終了させて室温まで冷却し、ポリエステル樹脂H1、LおよびH2を得た。得られた各ポリエステル樹脂を1mm以下に粗砕したものを以下のトナーの製造で用いた。なお、ここで得られたポリエステル樹脂の物性は、表1に示す通りのガラス転移温度(Tg)、軟化点(Tm)、酸価、水酸価およびTHF不溶分を有する。
【0078】
【表1】
Figure 0004114460
【0079】
表中、BPA−POはポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを、BPA−EOはポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを、TPAはテレフタル酸を、TMAはトリメリット酸を、DSAはイソドデセニル無水コハク酸を、FAはフマル酸を表す。
【0080】
以下では、樹脂H1と樹脂Lとを重量比2:8で混合したものをポリエステル樹脂A1として使用した。ポリエステル樹脂A1のTgは62℃であった。
また、樹脂H2と樹脂Lとを重量比2:8で混合したものをポリエステル樹脂A2として使用した。ポリエステル樹脂A2のTgは60℃であった。
【0081】
(IR吸収剤の製造例)
IR吸収剤B1(シアニン化合物)
5−メトキシ−1−エチル−3,3−ジメチル−2−メチレンインドリン(式(b1))2部、2−クロロ−1−ホルミル−3−ヒドロキシメチレンシクロヘキセン(式(b2))1部、テトラフルオロホウ酸1部及び無水酢酸ナトリウム0.5部を無水酢酸10部の溶媒中で、1時間煮沸した後室温まで冷却し反応液を吸引ろ過した。この反応液を氷水30部にあけて沈殿した結晶を吸引ろ過した。この結晶をメタノール20部で洗浄、乾燥し、IR吸収剤B1を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは825nmの位置にあった。
【化4】
Figure 0004114460
【0082】
IR吸収剤B2
式(b1)の化合物の代わりに式(b3)の化合物を、式(b2)の化合物の代わりに式(b4)の化合物を、テトラフルオロホウ酸の代わりに過塩素酸を使用したこと以外、IR吸収剤B1の製造方法と同様にしてIR吸収剤B2を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは825nmの位置にあった。
【化5】
Figure 0004114460
【0083】
IR吸収剤B3
式(b1)の化合物の代わりに式(b5)の化合物を、式(b2)の化合物の代わりに式(b6)の化合物を、テトラフルオロホウ酸の代わりに過塩素酸を使用したこと以外、IR吸収剤B1の製造方法と同様にしてIR吸収剤B3を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは830nmの位置にあった。
【化6】
Figure 0004114460
【0084】
IR吸収剤B4
式(b1)の化合物の代わりに式(b7)の化合物を、式(b2)の化合物の代わりに式(b8)の化合物を、テトラフルオロホウ酸の代わりにテトラフルオロアンチモン酸を使用したこと以外、IR吸収剤B1の製造方法と同様にしてIR吸収剤B4を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは780nmの位置にあった。
【化7】
Figure 0004114460
【0085】
IR吸収剤B5
式(b1)の化合物の代わりに式(b9)の化合物を、式(b2)の化合物の代わりに式(b10)の化合物を、テトラフルオロホウ酸の代わりに過塩素酸を使用したこと以外、IR吸収剤B1の製造方法と同様にしてIR吸収剤B5を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは760nmの位置にあった。
【化8】
Figure 0004114460
【0086】
IR吸収剤B6(ポリメチン化合物)
式(b1)の化合物の代わりに式(b11)の化合物を、式(b2)の化合物の代わりに式(b12)の化合物を、テトラフルオロホウ酸の代わりにヨウ素を使用したこと以外、IR吸収剤B1の製造方法と同様にしてIR吸収剤B6を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは760nmの位置にあった。
【化9】
Figure 0004114460
【0087】
IR吸収剤B7(ジイモニウム化合物)
過塩素酸ナトリウムを0.44g使用したこと以外、後述するIR吸収剤C1の製造方法と同様にしてIR吸収剤B7を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは1060nmの位置にあった。
【0088】
IR吸収剤C1(アミニウム化合物)
N、N、N'、N'−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン1.38gを酢酸エチルに溶かし、アセトニトリル6ml、過塩素酸ナトリウム0.22g及び1、3−ジアミノプロパン四酢酸の第二鉄錯塩のアンモニウム塩1.13gを水6mlに溶かしたものを加えた。30℃で6時間攪拌した。反応混合物を水洗し、減圧濃縮し、n−ヘプタンを加えて、析出した結晶を濾取、乾燥し、緑色粉末を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは950nmの位置にあった。
【0089】
IR吸収剤C2
N、N、N'、N'−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミンの代わりにN、N、N'、N'−テトラキス(p−ジプロピルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミンを使用したこと以外、IR吸収剤C1の製造方法と同様にしてIR吸収剤C2を得た。このIR吸収剤の最大吸収ピークは950nmの位置にあった。
【0090】
【化10】
Figure 0004114460
【0091】
【化11】
Figure 0004114460
【0092】
(離型剤の製造例)
ワックスD1(エステルワックス)
四つ口フラスコにアルコールとしてグリセリン100g(約1モル)及びカルボン酸としてステアリン酸900g(約3モル)を加え、窒素気流下、220℃で反応水を留去しつつ、15時間常圧で反応させた。得られたエステル化粗生成物の量は約850gであった。このエステル化粗生成物約850gにトルエン190g及びエタノール90g(エステル化粗生成物100重量部に対し、炭化水素溶媒は20重量部、分離用アルコール溶媒は10重量部)を入れ、更に10%水酸化カリウム水溶液を加え、70℃で30分間攪拌した。その後30分間静置して水層部を除去して脱酸工程を終了した。ついで用いたエステル化粗生成物100重量部に対して、20重量部のイオン交換水を入れて、70℃で30分間攪拌した後、30分間静置して水層部を分離・除去した。廃水のpHが中性になるまで水洗を繰り返し、その後残ったエステル層を180℃、1kPaの減圧条件下で溶媒を留去し、ろ過を行い、融点62℃のエステルワックスを得た。
【0093】
ワックスD2(エステルワックス)
アルコールとしてペンタエリスリトールを100g、カルボン酸成分としてベヘン酸を1050g使用したこと以外、ワックスD1の製造方法と同様にして融点84℃のワックスD2を得た。
【0094】
ワックスE1(ポリエチレンワックス)
市販の低分子量ポリエチレンワックス(800P:三井化学社製、融点125℃)を使用した。
【0095】
ワックスE2(ポリオレフィンコポリマーワックス)
反応器中に1000gのプロパン及び250gのプロペン及び30℃、0.5barの水素及び7barのエチレンを計量し添加する。更にこれらと並行して触媒を製造するために10mgのビス‐n‐ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドを5cm3のトルエン中の10重量%濃度のメチルアルミノキサン溶液に溶解し、そして15分間静置して予備活性化する。反応器を70℃に加熱し、そして100rpmで攪拌する。20分後に圧力閉止弁を介して先ほど予備活性化させた触媒を添加することによって、250rpmで重合を開始する。冷却することによって重合温度70℃に調節し、そして更に成分を計量添加することによって気相中の組成を一定に保持する。1時間の重合時間の後に、イソプロパノールを添加して反応を停止させ、そして反応器を通気し、解放する。生成物を減圧乾燥することにより、融点105℃のエチレン‐プロピレンコポリマーを得た。
【0096】
(顔料マスターバッチの製造)
顔料は結着樹脂中に分散させてなる顔料マスターバッチとして使用した。各実施例または比較例で使用する結着樹脂と、各実施例または比較例で使用する顔料;マゼンタ(M)顔料(C.I.Pigment Red57-1;富士色素社製)、シアン(C)顔料(C.I.Pigment Blue 15-3;大日本インキ社製)またはイエロー(Y)顔料(C.I.Pigment Yellow 180;クラリアント社製);とを特定の重量比で加圧ニーダーに仕込み、120℃で1時間混練した。冷却後、ハンマーミルで粗粉砕して顔料マスターバッチを得た。結着樹脂と顔料との重量比は、マゼンタ顔料を使用する場合で7:3、シアン顔料を使用する場合で7:3、イエロー顔料を使用する場合で7:3であった。
【0097】
(フルカラートナーの製造)
実施例1〜16および比較例1〜6(粉砕法)
表2および3に示す結着樹脂A、IR吸収剤B、IR吸収剤C、離型剤Dおよび離型剤Eを、表2および3に示す使用量で使用し、さらにM顔料4.0重量部含有相当のマスターバッチ、C顔料5重量部相当のマスターバッチ、またはY顔料7重量部相当のマスターバッチを使用した。これらの混合物をヘンシェルミキサーで十分混合した後、2軸押し出し混練機(PCM-63:池貝鉄工社製)を使用して、溶融混練した後冷却した。得られた混練物を冷却プレスで圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチック工業社製)で平均粒径7μmまで粉砕粗粉分級した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して行い、体積平均粒径7.5μmのトナー粒子を得た。
【0098】
トナー粒子100重量部に対して疎水性シリカ微粒子(ワッカー社製:H2000)を0.5重量部、酸化チタン(チタン工業社製:STT30A)を0.5重量部、平均粒径が0.2μmのチタン酸ストロンチウムを1.0重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサーにより周速40m/secで5分間混合した後、目開き106μmの篩で篩い、トナーを得た。
【0099】
実施例17(乳化重合法)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0lを入れ攪拌溶解する。この溶液に、C.I.Pigment Red57-1(富士色素社製)1.20kg、IR吸収剤B1 0.1kgおよびIR吸収剤C1 0.1kgを徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このものを「着色剤分散液1」とする。
【0100】
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0lからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0lに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100lのGL(グラスライニング)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0lを加える。加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを滴下しながら投入する。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。ついで、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックスA」とする。なお、ラテックスA中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
【0101】
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0lに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gをイオン交換水12.0lに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100lのGL反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0lを投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加する。ついで、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下する。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテックスB」とした。なお、ラテックスB中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
【0102】
塩析剤としての塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0lに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とする。フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径および形状のモニタリング装置を付けた100lのSUS反応釜に、上記で作製したラテックスA=20.0kgとラテックスB=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ攪拌する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させる。次に純水2.1lを添加して粒径成長を停止する。
【0103】
温度センサー、冷却管、粒径および形状のモニタリング装置を付けた5lの反応容器に、上記で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御した。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止する。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液1とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液1よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
この非球形状粒子をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得られた着色粒子100重量部に対して疎水性シリカ微粒子(ワッカー社製:H2000)を0.5重量部、酸化チタン(チタン工業社製:STT30A)を0.5重量部、平均粒径が0.2μmのチタン酸ストロンチウムを1.0重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサーにより周速40m/secで5分間混合した後、目開き106μmの篩で篩い、トナーを得た。
【0104】
実施例18(懸濁重合法)
スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35g、C.I.Pigment Red57-1(富士色素社製)=10g、IR吸収剤B1=1g、IR吸収剤C1=1g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物=2g、スチレン−メタクリル酸共重合体=8g、パラフィンワックス(mp=70℃)=20gを60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した、これに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−バレロニトリル)=10gを加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサーにて13000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて10000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、反応装置を使用し、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、ついで濾過、洗浄、乾燥させた。得られた着色粒子100重量部に対して疎水性シリカ微粒子(ワッカー社製:H2000)を0.5重量部、酸化チタン(チタン工業社製:STT30A)を0.5重量部、平均粒径が0.2μmのチタン酸ストロンチウムを1.0重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサーにより周速40m/secで5分間混合した後、目開き106μmの篩で篩い、トナーを得た。
【0105】
【表2】
Figure 0004114460
【0106】
【表3】
Figure 0004114460
【0107】
(吸光特性)
トナーの吸収曲線を測定した。なお、IR吸収剤単独の吸収曲線を測定した場合も、トナーと同様の方法を採用した。
トナーをクロロホルムに溶解し1g/L濃度の溶液を調製した。該溶液について分光光度計U-4100形(日立製作所社製)にて600〜1100nmにおける吸収スペクトルを測定し、吸収曲線を作成した。
該吸収曲線より、IR吸収剤の場合は最大吸収ピークの位置を、トナーの場合は最大吸収ピークの位置、810〜870nmにおける最大吸光度および870〜1000nmにおける最大吸光度を読み取った。
【0108】
(ブラックトナーの製造)
ブラックトナーBkを製造するにあたっては、ポリエステル系樹脂A1 100重量部に対してカーボンブラック(キャボット社製:モーガルL)を8重量部、帯電制御剤のサリチル酸ホウ素錯体(日本カーリット社製;LR151)を1重量部の割合にし、これらを2軸押し出し混練機(池貝鉄工社製:PCM-30)により溶融混練し、この混練物をプレスローラで2mmの厚みに圧延し、冷却ベルトにより冷却した後、これをフェザーミルにより粗粉砕した。これを機械式粉砕機(川崎重工業社製:KTM)によって粉砕し、さらにジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製:IDS)で粉砕した後、ロータ型分級機(ホソカワミクロン社製:ティープレックス型分級機100ATP)を使用して分級し、体積平均粒径が7.2μmのブラックのトナー粒子を得た。このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(ワッカー社製:H2000)を0.5重量部、酸化チタン(チタン工業社製:STT30A)を0.5重量部、平均粒径が0.2μmのチタン酸ストロンチウムを1.0重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサーにより周速40m/secで60秒間混合処理した後、目開き90μmの篩でふるい、ブラックトナーBkを得た。
【0109】
(キャリアの製造)
キャリアF1(コート型キャリアの製造)
アクリル変性シリコーン樹脂KR9706(信越化学工業社製)20重量部をメチルエチルケトン400mlに溶解してコーティング溶液を調整した。このコーティング溶液をスピラコータ(岡田精工社製)を用いて平均粒径50μmのCu-Zn系フェライト粒子にスプレーし、樹脂被覆を行い、次いで、180℃に加熱して30分間被覆樹脂の硬化を行ってアクリル変性シリコーン樹脂被覆キャリアを作製した。キャリアバルクを取り出し、粉砕機で解砕し、90μmのフルイで分級し、さらに磁力選別を行い低磁力成分を除去し平均粒径50μmの樹脂被覆フェライトキャリアを作製した。
【0110】
キャリアF2(バインダ型キャリアの製造)
ポリエステル系樹脂(花王社製:NE-1110)100重量部、磁性粒子(マグネタイト;EPT-1000:戸田工業社製)700重量部およびカーボンブラック(モーガルL;キャボット社製)2重量部をヘンシェルミキサーで充分混合し、二軸押出混練機でシリンダ部180℃、シリンダヘッド部170℃に設定し、溶融混練した。この混練物を冷却しその後、ハンマーミルで粗粉砕しジェット粉砕機で微粉砕、分級して体積平均粒径40μmのキャリア粒子を得た。
【0111】
(評価)
実施例および比較例のトナーを表2および3に記載のキャリアと特定のトナー混合比になるように調合し、架台にて30分混合しスターターを作製した。トナー混合比は、キャリアF1を使用する場合で5重量%、キャリアF2を使用する場合で7重量%であった。ブラックトナーはキャリアF2とトナー混合比が7重量%になるように調合したこと以外、上記スターターの製法と同様の方法で、ブラックスターターを作製した。
【0112】
スターターを、図2に示す非接触定着システム構成のフルカラー画像形成装置に搭載し、単色画像を形成した。スターターは各自の色の現像器に供給し、紙上のトナー付着量は1g/mであった。非接触定着システム(キセノンランプ)における定着パワーは3.5J/cmであった。キセノンランプは波長域810〜840nmに発光スペクトルピークを持っていた。
【0113】
(定着性)
画像を砂消しゴムでこすった前後の画像濃度変化で定着性を評価した。
画像濃度変化=(試験後の画像濃度/試験前の画像濃度)×100(%)
◎:画像濃度変化が90%以上;
○:画像濃度変化が80%以上;
△:画像濃度変化が70%以上(実用上問題のないレベル);
×:画像濃度変化が70%未満。
(耐スミア性)
定着性評価時において得られた画像と別の未使用の複写紙とをこすり併せて、その未使用複写紙の汚れ具合を観察し、以下のようにランク付けを行った。
◎;汚れがなかった;
○;若干汚れがあるが殆ど目立たなかった;
△;汚れが観察されたが実用上問題なし(実用上問題のないレベル);
×;全紙面に汚れが見られた。
【0114】
(色再現性)
トナー付着量が5g/m2になるようにトナー単色のトナー像を形成し、色再現性が良かった場合を○で、多少の色にごりがあるが実用上問題がない場合を△で、色にごりが大きく実用上問題がある場合を×で示した。
【0115】
(カブリ、ドット再現性、細線再現性)
画像品質が優れている場合を○で、実用上問題がないレベルの場合を△で、実用上問題となる場合を×で示した。
(耐熱性)
トナー20gをガラス瓶に入れ、50℃の高温下に24時間放置後、そのトナーを目視にて観察した。
凝集トナーがなく全く問題のない場合を○で、軽い軟凝集が存在するが、軽い力ですぐ解れ、実用上問題のない場合を△で、強い凝集塊が存在し、容易には解れず実用上問題がある場合を×で示した。
【0116】
【表4】
Figure 0004114460
【0117】
(各種物性評価方法)
<ガラス転移点(Tg)測定法>
示差走査熱量計(DSC-200:セイコー電子社製)を用い、測定する試料10mgを精密に秤量して、これをアルミニウムパンに入れ、リファレンスとしてアルミナをアルミニウムパンに入れたものを用い、昇温速度30℃/minで常温から200℃まで昇温させた後、これを冷却し、昇温速度10℃/minで20℃〜120℃の間で測定を行い、この昇温過程で30℃〜90℃の範囲におけるメイン吸熱ピークのショルダー値をTgとした。
<軟化点(Tm)測定法>
フローテスター(CFT-500:島津製作所社製)を用い、測定する試料1.0gを秤量し、h1.0mm×φ1.0mmのダイを使用し、昇温速度3.0℃/min、予熱時間180秒、荷重30kg、測定温度範囲60〜140℃の条件で測定を行い、上記の試料が1/2流出したときの温度を軟化点(Tm)とした。
【0118】
<酸価測定方法>
10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。
<水酸価>
水酸価は、秤量された試料を無水酢酸で処理し、得られたアセチル化合物を加水分解し、遊離する酢酸を中和するのに必要な水酸価化カリウムmgで表した。
<THF不溶分>
THF不溶分はテトラヒドロフランを溶媒とした10時間のソックスレー抽出により測定した。
【0119】
なお、実施例10のシアントナー、実施例1のマゼンタトナー、実施例11のイエロートナーを用い、Y、M、Cの3色重ねで紙上のトナー付着量を12g/m2となるように設定し、色再現性を評価した(紙上の上からY、M、Cの順)。
また、上記C、M、Yトナーに加え、ブラックトナーBkの4色重ねで紙上のトナー付着量を16g/m2となるように設定し、画像上のカブリを評価した(紙上の上からY、M、C、Bkの順)。
色再現性及びカブリは単層に比べてトナー層を重ね合わせた場合に劣る傾向にあるが、本発明のトナーにおいては、色再現性及びカブリのいずれも良好であった。
【0120】
【発明の効果】
本発明のカラートナーは、比較的少ない定着エネルギーでも、定着性および耐スミア性に優れた画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナーの一例の吸収曲線を示す。
【図2】 本発明のトナーを使用するのに適した非接触定着システム構成のフルカラー画像形成装置の概略構成図を示す。

Claims (3)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、シアニン系化合物及びアミニウム系化合物からなる2種類の赤外線線吸収剤を含有し、結着樹脂として軟化点が90〜110℃の第1ポリエステル系樹脂および軟化点が120〜140℃の第2ポリエステル系樹脂を使用し、波長域810〜870nmにおけるトナーの最大吸光度が波長域870〜1000nmにおけるトナーの最大吸光度の2倍以上であることを特徴とする非接触加熱定着用カラートナー。
  2. 少なくとも波長域810〜840nmに発光スペクトルピークを持つ光源に対して用いられ、トナーの最大吸収ピークが波長域810〜840nmにあることを特徴とする請求項1に記載の非接触加熱定着用カラートナー。
  3. キセノンランプを光源とするフラッシュ定着システムを用いた画像形成方法であって、請求項1又は2に記載の非接触加熱定着用カラートナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
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