JP4114343B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等に搭載されている画像形成装置に関する。さらに詳細には、廃トナーレス化を図った4サイクル方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置では、像担持体上に各色ごとのトナー像を作像し、それらのトナー像を重ね合わせることによりカラー画像を形成している。そして、転写されずに像担持体上に残留したトナーをクリーニング装置により除去している。転写残トナーをそのままにしておくと、次回の画像形成に悪影響を及ぼすからである。クリーニング装置に除去されたトナーは、専用の回収容器に集められる。そして、回収容器が満たされるとユーザによって廃棄されていた。
【0003】
ところが近年、環境問題などの観点から廃トナーをなくし、転写残トナーをリサイクルする要請が高まっている。この要請に対応した画像形成装置の1つとして、例えば特開平7−64460号公報に開示されているものがある。この画像形成装置では、各色ごとにクリーニング装置を個別に設けている。そして、これらのクリーニング装置により、各色ごとの転写残トナーを個別に回収している。その後、各クリーニング装置で回収したトナーを搬送スクリューにより各色の現像器に戻してリサイクルするようになっている。
【0004】
また、転写残トナーを黒現像器に戻してリサイクルする画像形成装置も提案されている。その例としては、特開平9−96939号公報に開示されているもの等が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の画像形成装置には以下の問題があった。すなわち、前者のものでは、中間転写体上で色が混じり合った残留トナーはリサイクルされずに廃棄されていた。このため、完全には廃トナーレスとはなっていなかった。また、各色ごとにクリーニング装置が必要となるため、装置の構成が複雑化するとともに大型化することも問題であった。
【0006】
一方、後者のものでは、色が混じり合った残留トナーもリサイクルすることができる。ところが、AIDCパターン等のように記録体への転写を行わない場合(転写効率0%)であっても、そのパターンを形成したトナーがそのまま黒現像器に戻される。そうすると、黒現像器において色濁りが生じてしまう。そのために、高品質なカラー画像を形成することができなくなるという問題があった。また、4サイクル方式でロータリー現像装置を備える場合には、黒現像器に転写残トナーを戻すために現像器を空回転させる必要があった。このため、生産性が低下するという問題も生じていた。
【0007】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、装置の大型化を伴わず、また生産性を低下させることなく、廃トナーをなくすことができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係る画像形成装置は、1つの感光体上に各色ごとの画像を作像して重ね合わせることによりカラー画像を形成する画像形成装置であって、各色ごとに現像器を備え、感光体に対向配置させる現像器を順次切り替えて感光体上に各色のトナー像を形成する現像装置と、現像装置により感光体上に形成された各色のトナー像を中間転写体上に重ね合わせて1次転写する第1転写手段と、中間転写体上に重ね合わされたトナー像を記録体に一括して2次転写する第2転写手段と、を有し、各色の現像器は、第1転写手段による1次転写後に感光体上に残留した同一色の1次転写残トナーをそれぞれ回収し、各色の現像器のうち黒現像器はさらに、各色の現像器のうち1色目のものが感光体に対向配置されているときに、中間転写体における2次転写位置より下流かつ1次転写位置より上流である位置に配置され、第2転写手段による2次転写後に中間転写体上に残留した2次転写残トナーを、前記感光体を介さずに回収することを特徴とするものである。
【0009】
この画像形成装置では、感光体に各色に対応した潜像が書き込まれる。これらの潜像は、現像装置に備わる各色ごとの現像器により現像されて各色のトナー像とされる。具体的には、現像装置に備わる各色ごとの現像器のうち、感光体に対向配置させるものを順次切り替えて各色のトナー像を形成する。このようにして感光体上に形成された各色のトナー像は、第1転写手段により順次、中間転写体上に重ね合わせられるように転写される。
【0010】
ここで、第1転写手段による各色のトナー像の転写後に感光体上には、1次転写残トナーが存在している。この1次転写残トナーをそのままにしておくと、次色のトナー像の形成に悪影響を及ぼす。そこで、本発明の画像形成装置では、1次転写残トナーを各色ごとに現像器でそれぞれ回収している。すなわち、感光体上をクリーニングするとともに、各色トナーをリサイクルするのである。
【0011】
そして、第1転写手段によって中間転写体上に重ね合わされて転写されたトナー像は、第2転写手段により、記録体に一括して転写される。その後、記録体に転写されたトナー像が定着されてカラー画像が形成される。
【0012】
ここで、第2転写手段によるトナー像の転写後に中間転写体上には、2次転写残トナーが存在している。この2次転写残トナーをそのままにしておくと、次回の画像形成に悪影響を及ぼす。そこで、本発明の画像形成装置では、2次転写残トナーを感光体を介さずに黒現像器で回収している。このように黒現像器で回収するのは、2次転写残トナーは色が混じり合っているが微量であるため、黒トナーと混合しても黒トナーの色調などに影響が出ないからである。すなわち、中間転写体をクリーニングするとともに、各色が混じり合ったトナーをもリサイクルしているのである。このように本発明の画像形成装置によれば、新たにクリーニング装置を設ける必要がないので、装置が大型化することなく、廃トナーをなくすことができる。
【0013】
そして、本発明に係る画像形成装置においては、黒現像器は、各色の現像器のうち1色目の現像器が感光体に対向配置されているときに、中間転写体における2次転写位置より下流かつ1次転写位置より上流である位置に配置される。
【0014】
このように黒現像器を配置することにより、中間転写体上の2次転写残トナーを回収するために、現像装置を空回転させる必要がなくなる。すなわち、複数枚の画像形成を行う場合であっても、2枚目以降の画像形成における1色目のトナー像を形成しているときに、2次転写残トナーを黒現像器で回収することができる。このため、2次転写残トナーを回収するために余分な時間を必要としない。従って、生産性を低下させずに連続的に画像形成することができる。
【0015】
なお、「1色目の現像器」とは、1枚分のカラー画像を形成する場合において、一番最初に感光体上にトナー像を形成する現像器を意味する。また、「1次転写位置」とは、第1転写手段と感光体とが対向している位置を意味し、「2次転写位置」とは、第2転写手段と中間転写体とが対向している位置を意味する。
【0016】
さらに、本発明に係る画像形成装置においては、中間転写体と黒現像器との両者に対向して配置されるとともに、2次転写残トナーを回収して黒現像器に戻す回収手段をさらに有する。このような回収手段を設けることにより、2次転写残トナーを確実に黒現像器に戻すことができる。なぜなら、回収手段を設けると、2次転写残トナーを黒現像器に戻すタイミングを調整することができるからである。
【0017】
さらに本発明では、回収手段に電圧を印加する電源をさらに有し、電源は、中間転写体から2次転写残トナーを回収手段に回収する際に、2次転写残トナーが帯電している極性とは逆極性の電圧を回収手段に印加し、回収手段に回収した2次転写残トナーを黒現像器に戻す際に、2次転写残トナーが帯電している極性と同極性の電圧を回収手段に印加する。
【0018】
このようにすることにより、中間転写体上に存在する2次転写残トナーのほとんどを回収することができるとともに、回収した2次転写残トナーのほとんどを黒現像器へより確実に戻すことができるからである。つまり、2次転写残トナーを高効率でリサイクルすることができる。
【0019】
また、本発明に係る画像形成装置においては、各色ごとの1次転写残トナーをクリーニングして一時的に蓄積するクリーニング手段をさらに有し、クリーニング手段は、各色ごとのトナー像の形成が終了するたびに、蓄積した各色ごとの1次転写残トナーを感光体上に排出し、各色の現像器は、クリーニング手段から排出された同一色の1次転写残トナーをそれぞれ回収することが望ましい。
【0020】
このようにすることにより、感光体の露光位置には1次転写残トナーが存在しない。このため、各色の静電潜像が正確に形成される結果、高品質な各色のトナー像が形成されるからである。
【0021】
好ましくは、現像装置は、各色の現像器における同一色の1次転写残トナーの回収が終了した後に、感光体に対向配置させる現像器を切り替えることとするのがよい。より好ましくは、中間転写体の長さが、次色の現像が間に合う長さに設定されているのがよい。具体的には、中間転写体が、画像形成が可能な最大サイズの記録体の長さと、現像器の切替時間に相当する長さと、感光体が一回転する時間に相当する長さの合計以上の長さであればよい。
【0022】
このようにすることにより、感光体に存在する各色ごとの1次転写残トナーが他色のトナーと混じり合うことを確実に防止することができる。このため、各色の現像器には同一色の1次転写残トナーのみが戻される。すなわち、各色のトナーがリサイクルされる。従って、廃トナーがなくなるとともに、各色ごとの現像器において他色のトナーが混じり合うことがない。よって、画像の品質が劣化することもない。
【0023】
上記したように本発明に係る画像形成装置によれば、1次転写残トナーおよび2次転写残トナーがそれぞれリサイクルされる。すなわち、廃トナーレス化が図られている。また、廃トナーレス化を実現するために、装置が大型化することもないし、生産性が低下することもない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成装置を具体化した最も好適な実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態は、本発明の画像形成装置をカラープリンタとして具体化したものである。
【0025】
本実施の形態に係るプリンタの概略構成を図1に示す。本実施の形態に係るプリンタは、感光体1、露光ユニット3、ロータリー現像装置4、転写ユニット5、および定着装置6などを備えている。そして感光体1の周囲に、帯電チャージャ2、露光ユニット3、現像装置4、1次転写ローラ11、およびクリーニングローラ7が配置されている。
【0026】
感光体1は、静電潜像およびトナー像を担持するものである。この感光体1は、有機感光体であってドラムタイプのものである。また、感光体1は、時計回り(図中矢印方向)に回転するようになっている。
【0027】
露光ユニット3は、感光体1上に各色ごとの静電潜像を形成するものである。この露光ユニット3には、レーザダイオード、ポリゴンミラー、f−θレンズ等の周知の部品が含まれている。そして、その制御部にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとの画像データが、このプリンタに接続されるパーソナルコンピュータ等のホスト機器から入力される。そうすると、帯電チャージャ2により一様に帯電させられた感光体1に、各色ごとの画像データに対応するレーザ光を照射するようになっている。
【0028】
現像装置4は、感光体1上に形成された各色ごとの静電潜像を現像して各色のトナー像を形成するものである。そのため、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーを含む現像剤を収容した4つの現像器4Y,4M,4C,4Kを備えている。この現像装置4は、反時計回りに回転するようになっている。すなわち、現像装置4は、感光体1上に各色に対応する静電潜像が形成されるごとに、対応する色の現像器が現像位置(感光体1と対向する位置)へ配置されるように回転する。そして、感光体1上の各色ごとの静電潜像を、その色に対応した現像器によって現像するようになっている。なお、各色の現像器の切り替えは、転写残トナーの回収が終了した後に行われる。
【0029】
転写ユニット5は、無端状の中間転写ベルト50と、1次転写ローラ11と、2次転写ローラ12と、転写クリーニングローラ54とを備えている。中間転写ベルト50は、回転自在の支持ローラ51,52,53に巻き掛けられている。この中間転写ベルト50は、画像形成が可能な最大サイズの記録紙の長さと、現像装置4の切替時間に相当する長さと、感光体1の周長との合計の長さになっている。これにより、転写残トナーを回収した後に現像器を切り替えても、次色の現像が間に合うようになっている。そして、中間転写ベルト50は、反時計回り(図中矢印方向)に駆動されるようになっている。
【0030】
1次転写ローラ11は、中間転写ベルト50を挟んで感光体1と対向する位置に配置されている。そして、1次転写ローラ11に1次転写電圧を印加することにより、感光体1上に形成されたトナー像が中間転写ベルト50上に1次転写されるようになっている。
【0031】
また、2次転写ローラ12は、中間転写ベルト50を挟んで支持ローラ51と対向する位置に配置されている。そして、2次転写ローラ12に2次転写電圧を印加することにより、中間転写ベルト50上に重ねて転写されたトナー像が記録紙に2次転写されるようになっている。
【0032】
また、転写クリーニングローラ54は、2次転写ローラ12による2次転写後に中間転写ベルト50上に存在する2次転写残トナーを、除去し回収するとともにブラック現像器4Kに戻すものである。このため、転写クリーニングローラ54は、請求項にいう「1色目の現像器」に相当するイエロー現像器4Yが感光体1に対向配置されているときに、ブラック現像器4Kと中間転写ベルト50との両方に対向するように配置されている。さらに、この転写クリーニングローラ54は、中間転写ベルト50における2次転写位置より下流であって、かつ中間転写ベルト50における1次転写位置より上流である位置に配置されている。
【0033】
このような位置に転写クリーニングローラ54およびブラック現像器4Kを配置することにより、2次転写残トナーを回収するために、現像装置4を空回転させる必要がなくなる。すなわち、複数枚の画像形成を行う場合であっても、2枚目以降の画像形成におけるイエローのトナー像を形成しているときに、2次転写残トナーをブラック現像器4Kで回収することができる。このため、生産性を低下させずに連続的に画像形成することができる。
【0034】
なお、転写クリーンニングローラ54を設けることなく、ブラック現像器4Kを中間転写ベルト50に直接接触させても、2次転写残トナーを回収することができる。ただしこの場合には、2次転写残トナーを確実に回収するために中間転写ベルト50の長さを長くする必要がある。従って、プリンタが大型化してしまう。なお、中間転写ベルト50の長さを長くする必要があるのは、ブラック現像器4Kが回収位置(ブラック現像器4Kと転写ベルト50とが接触する位置)へ到達するまで、2次転写残トナーを回収することができないからである。言い換えると、ブラック現像器4Kが回収位置へ到達する前に、2次転写残トナーの先端がその回収位置を通過してしまうと、2次転写残トナーのすべてを回収することができないからである。
【0035】
また、転写クリーニングローラ54による2次転写残トナーの回収および排出を確実に行うために、転写クリーニングローラ54には電源55が接続されている。この電源55は、2次転写残トナーを回収するときに2次転写残トナーが帯電している極性と逆極性の電圧を転写クリーニングローラ54に印加するようになっている。これにより、中間転写ベルト50上に存在する2次転写残トナーをすべて回収することができる。また、電源55は、転写クリーニングローラ54が回収した2次転写残トナーを排出するときに、2次転写残トナーが帯電している極性と同極性の電圧を転写クリーニングローラ54に印加するようになっている。これにより、転写クリーニングローラ54で回収した2次転写残トナーのすべてをブラック現像器4Kに戻すことができる。
【0036】
定着装置6は、一対のローラから構成されている。そして、重ね合わされたトナー像が転写された記録紙が、これらのローラ間を通過するようになっている。このローラ間の通過の際に、トナーが加熱および加圧される。これにより、トナーが溶融して記録紙に定着されるようになっている。
【0037】
クリーニングローラ7は、1次転写ローラ11による1次転写後に感光体1上に存在する1次転写残トナーを除去して一時的に蓄積するものである。そして、クリーニングローラ7は、各色のトナー像の形成が終了するたびに、回収した1次転写残トナーを感光体1上に排出するようになっている。このクリーニングローラ7を設けていることにより、感光体1の露光位置には1次転写残トナーが存在しない。このため、各色の静電潜像が正確に形成される結果、高品質な各色のトナー像が形成される。このことも、画質劣化の防止に貢献している。
【0038】
続いて、上記した構成を有するプリンタの動作について、図2〜図5を用いて説明する。まず、プリンタに接続されているホスト機器(パーソナルコンピュータ等)からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとの画像データが、プリンタに入力される。そうすると、感光体1および周辺装置が駆動状態とされる。また、これと同時に、帯電出力がオンされ、帯電チャージャ2により、感光体1の表面が一様に帯電させられる。
【0039】
そしてまず、露光ユニット3による感光体1へのイエローの静電潜像の書き込みが行われる。次いで、この潜像が現像器4Yにより現像されてイエローのトナー像が形成される。その後、1次転写出力がオンとなり1次転写ローラ11に対して1次転写電圧が印加される。これにより、感光体1に形成されたイエローのトナー像は、順次、中間転写ベルト50上に1次転写される。かくして、図2に示すように、中間転写ベルト50上に1枚分のイエローのトナー像TYが形成される。一方、中間転写ベルト50に転写されずに感光体1に残留した1次転写残トナーTY1は、クリーニングローラ7に回収され、一時的にそこで蓄積される。
【0040】
その後、クリーニングローラ7に回収されたイエローの1次転写残トナーTY1は、図3に示すように、感光体1上に排出される。このとき、露光ユニット3による感光体1に対する露光は終了している。従って、クリーニングローラ7から感光体1上に排出された1次転写残トナーTY1は、静電潜像の形成に何ら影響を与えない。そして、感光体1上に排出されたイエローの1次転写残トナーTY1は、イエロー現像器4Yに戻される。すなわち、感光体1上がクリーニングされるとともに、イエローのトナーがリサイクルされる。
【0041】
このようにしてイエローの1次転写残トナーTY1がイエロー現像器4Yに戻されると、現像装置4が回転させられて、マゼンタ現像器4Mが感光体1に対向配置させられる。すなわち、現像装置4における現像器の切り替え(ここではイエローからマゼンタ)が、イエローの1次転写残トナーTY1の回収が終了した後に行われる。これにより、イエローの1次転写残トナーTY1が他色のトナーと混じり合うことなく、イエロー現像器4Yに回収される。
【0042】
続いて、上記したイエローのトナー像の形成と同様にして、マゼンタのトナー像が感光体1上に形成される。このマゼンタのトナー像は、図4に示すように、中間転写ベルト50上のイエローのトナー像TY上に重ね合わせるようにして1次転写される。一方、中間転写ベルト50に転写されずに感光体1に残留した1次転写残トナーTM1は、クリーニングローラ7に回収され、一時的にそこで蓄積される。
【0043】
以後、クリーニングローラ7に蓄積されたマゼンタの1次転写残トナーTM1は、感光体1上に排出され、マゼンタ現像器4Mに回収される。すなわち、感光体1上がクリーニングされるとともに、マゼンタのトナーがリサイクルされる。その後、シアン現像器4Cが感光体1に対向配置させられ、上記した動作と同様の動作が実行される。その結果、3色のトナー像TY,TM,TCが転写ベルト50上に重ね合わせられる。ここでは、ブラック(K)のトナー像は形成されない場合を説明しているが、ブラック(K)のトナー像を形成する場合も上記と同様の動作が実行される。その結果として、中間転写ベルト50上には、4色のトナー像が重ね合わされる。もちろん、単色で画像形成を行う場合もあるし、2色で画像形成を行う場合もある。
【0044】
上記したように、1次転写後に感光体1上に残留する各色の1次転写トナーが、同一色の現像器にそれぞれ回収される。すなわち、各色トナーがリサイクルされる。また、各色の静電潜像を形成する際、露光位置に1次転写残トナーが存在しない。さらに、各色の1次転写残トナーが他色のトナーと混じり合うこともない。このため、トナーのリサイクルにより画質が劣化することはない。
【0045】
次いで、この3色のトナー像TY,TM,TCが重ね合わされた中間転写ベルト50の回転に同期して記録紙が給紙され、2次転写位置へ向けて搬送される。給紙された記録紙は、中間転写ベルト50上のトナー像との同期が取られた上で、2次転写ローラ12へと送り込まれる。このとき、2次転写出力がオンにされ2次転写ローラ12に対して2次転写電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト50上のトナー像が記録紙上に2次転写される。
【0046】
その後、図5に示すように、3色のトナー像TY,TM,TCが転写された記録紙は、定着装置6へと搬送される。そしてここで、記録紙に転写されたトナー像は、熱および圧力によって記録紙に定着される。このようにしてトナー像が定着された記録紙は、プリンタ外へと排出される。
【0047】
一方、2次転写されずに中間転写ベルト50上に残留した2次転写残トナーT2は、転写クリーニングローラ54へ向けて搬送される。そして、2次転写残トナーT2の先端が転写クリーニングローラ54に到達する直前に、電源55により、転写クリーニングローラ54に電圧が印可される。このとき印可される電圧は、各色トナーが帯電している極性と逆極性のものである。この電圧の印加により、2次転写残トナーT2のすべてが転写クリーニングローラ54に回収される。
【0048】
そして、2次転写残トナーT2の回収が終了すると、電源55によって転写クリーニングローラに印加される電圧の極性が切り替えられる。このとき、転写クリーニングローラ54は、ブラック現像器4Kに対向している。このため、転写クリーニングローラ54に回収された2次転写残トナーT2が、ブラック現像器4Kに戻される。従って、2次転写残トナーT2をブラック現像器4Kに戻すために現像装置4を空回転させる必要がない。
【0049】
ここで、2次転写残トナーT2をブラック現像器4Kに戻しても、ブラックトナーの色調などに影響が出ることはない。2次転写残トナーT2は各色のトナーが混じり合っているが微量であるからである。2次転写残トナーT2が微量であるのは、中間転写ベルト50上に形成されたトナー像は必ず記録紙などに転写されるからである。このように転写クリーニングローラ54およびブラック現像器4Kにより、中間転写ベルト50をクリーニングするとともに、各色が混じり合った2次転写残トナーT2もリサイクルすることができる。すなわち、本実施の形態に係るプリンタは、上記したように各色の1次転写残トナーもリサイクルするので廃トナーレス化を実現している。
【0050】
また、2次転写残トナーT2をブラック現像器4Kに戻すのと並行して、2枚目の画像形成が開始される。すなわち、イエローのトナー像の形成が開始される(図5参照)。従って、連続的に画像形成を行う場合であっても、生産性が低下することはない。
【0051】
以上、詳細に説明したように実施の形態に係るプリンタによれば、現像装置4の各色現像器4Y,4M,4C,4Kにより同一色の1次転写残トナーをそれぞれ回収する。また、ブラック現像器4Kはさらに、中間転写ベルト50上の2次転写残トナーをも回収する。従って、新たにクリーニング装置を設ける必要がないので、装置が大型化することなく、廃トナーをなくすことができる。
【0052】
また、現像装置4のイエロー現像器(1色目の現像器)4Yを感光体1に対向配置したときに、ブラック現像器4Kが転写クリーニングローラ54を介して、中間転写ベルト50の2次転写位置より下流であって、かつ中間転写ベルト50の1次転写位置より上流となる位置に配置されている。これにより、中間転写ベルト50上の2次転写残トナーを回収するために、現像装置4を空回転させる必要がない。すなわち、複数枚の画像形成を行う場合であっても、2枚目以降の画像形成におけるイエロー(1色目)のトナー像を形成しているときに、2次転写残トナーをブラック現像器4Kで回収することができる。従って、生産性を低下させずに連続的に画像形成することができる。
【0053】
また、転写クリーニングローラ54を設けていることにより、2次転写残トナーをブラック現像器4Kに戻すタイミングを調整することができる。従って、2次転写残トナーを確実にブラック現像器4Kに戻すことができる。
【0054】
さらに、転写クリーニングローラ54による2次転写残トナーの回収および排出を効率よく行うための電圧を印加する電源55を設けている。これにより、2次転写残トナーのほとんどを回収することができるとともに、回収した2次転写残トナーのほとんどをブラック現像器4Kへ確実に戻すことができる。すなわち、2次転写残トナーを高効率でリサイクルすることができる。
【0055】
また、各色ごとの1次転写残トナーを一時的に蓄積するクリーニングローラ7を設けている。そして、各色ごとのトナー像の形成が終了するたびに、蓄積した各色ごとの1次転写残トナーを感光体1上に排出させ、各色の現像器にそれぞれ回収させている。このため、感光体1の露光位置には1次転写残トナーが存在しない。従って、各色の静電潜像が正確に形成される結果、高品質な各色のトナー像が形成される。
【0056】
さらに、各色の現像器における同一色の1次転写残トナーの回収が終了した後に、感光体に対向配置させる現像器が切り替えられる。また、中間転写ベルトの長さが、次色の現像が間に合う長さに設定されている。これらにより、各色ごとの1次転写残トナーが他色のトナーと混じり合うことを確実に防止することができる。よって、画像の品質が劣化することはない。
【0057】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、本発明をプリンタに適用した場合について説明したが、プリンタ以外の複写機やファクシミリ等の画像形成装置等にも適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、装置の大型化を伴わず、また生産性を低下させることなく、廃トナーをなくすことができる画像形成装置が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るプリンタの主要部を模式的に示す図である。
【図2】イエロー(1色目)のトナー像の1次転写が終了した状態を示す図である。
【図3】イエロー現像器に1次転写残トナー(イエロー)を戻している状態を示す図である。
【図4】マゼンタ(2色目)のトナー像の1次転写が終了した状態を示す図である。
【図5】2次転写が終了して2次転写残トナーをブラック現像器に戻している状態を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体
4 ロータリー現像装置
7 クリーニングローラ
5 転写ユニット
4Y イエロー現像器
4M マゼンタ現像器
4C シアン現像器
4K ブラック現像器
11 第1転写ローラ
12 第2転写ローラ
50 中間転写ベルト
54 転写クリーニングローラ
55 電源
Claims (4)
- 1つの感光体上に各色ごとの画像を作像して重ね合わせることによりカラー画像を形成する画像形成装置であって、
各色ごとに現像器を備え、前記感光体に対向配置させる現像器を順次切り替えて前記感光体上に各色のトナー像を形成する現像装置と、
前記現像装置により前記感光体上に形成された各色のトナー像を中間転写体上に重ね合わせて1次転写する第1転写手段と、
前記中間転写体上に重ね合わされたトナー像を記録体に一括して2次転写する第2転写手段と、
前記中間転写体と前記黒現像器との両者に対向して配置されるとともに、2次転写残トナーを回収して前記黒現像器に戻す回収手段と、
前記回収手段に電圧を印加する電源と、を有し、
前記各色の現像器は、前記第1転写手段による1次転写後に前記感光体上に残留した同一色の1次転写残トナーをそれぞれ回収し、
前記各色の現像器のうち黒現像器はさらに、
前記各色の現像器のうち1色目のものが前記感光体に対向配置されているときに、前記中間転写体における2次転写位置より下流かつ1次転写位置より上流である位置に配置され、
前記第2転写手段による2次転写後に前記中間転写体上に残留した2次転写残トナーを、前記感光体を介さずに回収し、
前記電源は、
前記中間転写体から2次転写残トナーを前記回収手段に回収する際に、2次転写残トナーが帯電している極性とは逆極性の電圧を前記回収手段に印加し、
前記回収手段に回収した2次転写残トナーを前記黒現像器に戻す際に、2次転写残トナーが帯電している極性と同極性の電圧を前記回収手段に印加することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載する画像形成装置において、
各色ごとの1次転写残トナーをクリーニングして一時的に蓄積するクリーニング手段をさらに有し、
前記クリーニング手段は、各色ごとのトナー像の形成が終了するたびに、蓄積した各色ごとの1次転写残トナーを前記感光体上に排出し、
前記各色の現像器は、前記クリーニング手段から排出された同一色の1次転写残トナーをそれぞれ回収する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載する画像形成装置において、
前記現像装置は、前記各色の現像器における同一色の1次転写残トナーの回収が終了した後に、前記感光体に対向配置させる現像器を切り替えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載する画像形成装置において、
前記中間転写体の長さが、次色の現像が間に合う長さに設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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