JP4112890B2 - マッサージ機用リモートコントローラ及び椅子式マッサージ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッサージ情報を入力するリモートコントローラ及びこのリモートコントローラを備えた椅子式マッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
椅子本体に、人体の施療部位、例えば肩部、背中部、腰部、腿部等を施療する施療子を備えた椅子式マッサージ機が知られている。このマッサージ機には、施療子を駆動させる駆動装置、駆動装置を制御する制御部、制御部にマッサージ情報を有線または無線で入力するリモートコントローラ等が備えられている。
【0003】
マッサージ機用リモートコントローラには、人体の各施療部位を指定する複数の操作子が設けられており、各操作子の近傍には夫々指定する施療部位が文字や絵で表示されている。使用者は各操作子の近傍に表示された文字や絵を見て操作子を識別し、操作する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のマッサージ機用リモートコントローラは、操作子を視覚により識別して操作するものであるため、視覚障害者や視力の弱い人には操作が困難となり易い。
【0005】
また、従来のリモートコントローラは、施療部位を変更する場合にリラクゼーションを妨げることがある。すなわち、椅子本体に着座している使用者(着座者)は目を閉じ、腕の力を抜いた状態でリラックスしていることが多いが、リモートコントローラを操作するときは、その視認のために、リモートコントローラを持った腕を目の高さまで持ち上げるか、頭や上体を起こす等しなくてはならない。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、触覚で識別して操作できるマッサージ機用リモートコントローラ及びこれを用いた椅子式マッサージ機を得ることにある。
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明のマッサージ機用リモートコントローラは、背もたれ部及び座部並びにこの座部の前側に取付けられたオットマンを有する椅子本体と、前記背もたれ部及び座部並びにオットマンの夫々に設けられた施療子と、この施療子を動作させる制御部とを備えたマッサージ機に具備されて、前記制御部にマッサージ情報を入力するとともに、前記椅子本体の形状を模して形成され着座者が持って操作可能なリモートコントローラであって、前記背もたれ部に相当する第1面、この第1面より短く形成され且つ前記第1面の一端部にこの第1面に対して前方に曲って設けられた前記座部に相当する第2面、及び前記第1面より短く形成され且つ前記第2面に対して下方に曲がって設けられた前記オットマンに相当する第3面を前面に有するコントローラ本体と、前記第1面及び第2面並びに第3面に設けられて、人体の各施療部位を指定するとともに前記コントローラ本体と触覚で区別できる複数の操作子とを具備し、前記複数の操作子は、前記各施療部位の並びの配置と対応する順序で、前記コントローラ本体の長手方向に並べて配置されている。
【0008】
この発明によれば、背もたれ部に相当する第1面と座部に相当する第2面とオットマンに相当する第3面とを有しており、第1面及び第2面並びに第3面は夫々触って識別することができる。そのため、各面に、椅子本体の各施療部位の並びの配置と対応する順序で、コントローラ本体の長手方向に並べて配置された複数の操作子を触覚で探し出すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
【0010】
本実施形態に係る椅子式のマッサージ機1は、例えばエアーマッサージ機であり、椅子本体2、施療子として膨縮を繰り返す複数の空気袋11,12,13,14,15,16L,16R、駆動装置20、制御部29、リモートコントローラ7等を備えている。
【0011】
椅子本体2は、図1に示したように、背もたれ部3、座部4、肘掛部5L,5R、オットマン6等を備えている。背もたれ部3は座部4の後側に斜め上向きに配置されている。この背もたれ部3はその傾き角度を図示しないリクライニング機構により調整できるように設けられている。なお、背もたれ部3は動かないように固定されていてもよい。背もたれ部3及び座部4の夫々は、その表面を覆う図示しない背もたれ部カバー及び座部カバーを有している。これらのカバーは夫々柔軟性を有する布や合成レザーなどで形成されている。
【0012】
肘掛部5L,5Rは座部4の幅方向両側に設けられており、椅子本体2の脚としての機能を兼ね備えている。一方の肘掛部、例えば肘掛部5Rには、各種マッサージ情報を制御部29に有線または無線で入力するリモートコントローラ7がその前面を上方に向けて取外し可能に設置されている。
【0013】
オットマン6は座部4の前側に回動自在に取付けられており、座部4に対して下方向に略垂直に立てた姿勢と、座部4の前方に延びるように横向きにした姿勢との間の任意の位置に配置できる。
【0014】
施療用空気袋11〜15,16L,16Rは、例えば、背もたれ部3、座部4、及びオットマン6に取付けられている。背もたれ部3には、一対の首/肩部用空気袋11、背中部用空気袋12、一対の腰部用空気袋13が内蔵されている。一対の首/肩部用空気袋11は、座部4に腰掛けて背もたれ部3に寄りかかった使用者(以下、着座者と言う)の両肩部に夫々個別に対応する位置に取付けられている。同様に、背中部用空気袋12は着座者の背中部に対応する位置に取付けられており、一対の腰部用空気袋13は着座者の両腰部に夫々対応する位置に取付けられている。
【0015】
座部4には、尻部用空気袋14が着座者の尻部に対応する位置に取付けられているとともに、腿部用空気袋15が着座者の腿部に対応する位置に取付けられている。オットマン6には、一対の右脚部用空気袋16Rが着座者の右脚部を左右から挟み込む位置に取付けられているとともに、一対の左脚部用空気袋16Lが着座者の左脚部を左右から挟み込む位置に取付けられている。
【0016】
施療用空気袋11〜15,16L,16Rを駆動させる駆動装置20は、図2に示したように、エアーコンプレッサ21、空気分配器22等を備えている。
【0017】
圧縮空気を生成するエアーコンプレッサ21には、例えば電磁駆動されるダイアフラム式のものが採用されている。このエアーコンプレッサ21は、制御部29と接続しており、制御部29により運転制御される。エアーコンプレッサ21の吐出し口は給気管を介して空気分配器22と連通している。
【0018】
空気分配器22は、例えばロータリー式のものが採用されており、エアーコンプレッサ21と連通する給気口と、各空気袋11〜15,16L,16Rに個別に対応する複数の分配口と、排気口とを有している。この空気分配器22は、モータ駆動により回転される分配弁の位置により、給気を必要としている空気袋11〜15,16L,16Rのうちのいずれか一つに対応する位置の分配口を給気口に選択的に連通させると同時に、他の分配口を排気口に連通させるようになっている。この空気分配器22は、制御部29と接続しており、制御部29により給排気動作を制御される。
【0019】
空気分配器22の各分配口には、夫々対応する空気袋11〜15,16L,16Rが夫々送気管を介して個別に連通されている。この接続において、一対の首/肩部用空気袋11は同時に給排気が行なわれるように接続されている。同様に、一対の腰部用空気袋13は同時に給排気が行なわれるように接続されており、一対の右脚部用空気袋16Rと一対の左脚部用空気袋16Lとは同時に給排気が行なわれるように接続されている。
【0020】
マイクロコンピュータからなる制御部29は、上述したように、エアーコンプレッサ21及び空気分配器22と夫々接続して設けられている。リモートコントローラ7が有線である場合はリモートコントローラ7とも接続している。制御部29は、リモートコントローラ7から入力されたマッサージ情報に従ってエアーコンプレッサ21及び空気分配器22を夫々制御する。
【0021】
図3に示したように、リモートコントローラ7は、後述のように椅子本体2の形状を模したコントローラ本体30、電源ボタン31、複数の空気袋操作ボタン32〜37が備えられている。
【0022】
各操作ボタン31〜37は夫々、コントローラ本体30の前面に、この前面から突出させて設けられている。そのため、各操作ボタン31〜37とコントローラ本体30とは触覚で区別できる。なお、操作ボタンをコントローラ本体30の前面に対して凹ませる、操作ボタン上に突起又は凹部を形成する、操作ボタン上にその機能を文字または絵で刻印する等で、各操作ボタンとコントローラ本体30とを触覚で区別できるようにしてもよい。
【0023】
電源ボタン31は、駆動装置20の駆動・停止を制御部29に指示するものである。空気袋操作ボタン32〜37は、夫々動作させる空気袋を選択して制御部29に指示するものであり、各空気袋11〜15,16L,16Rに夫々対応して設けられている。図3及び図4中32は首/肩部用空気袋11と対応する首/肩部用操作ボタン、図3及び図4中33は背中部用空気袋12と対応する背中部用操作ボタン、図3及び図4中34は腰部用空気袋13と対応する腰部用操作ボタン、図3及び図4中35は尻部用空気袋14と対応する尻部用操作ボタン、図3及び図4中36は腿部用空気袋と対応する腿部用操作ボタン、図3及び図4中37は左脚部用空気袋16L及び右脚部用空気袋16Rと対応する脚部用操作ボタンである。
【0024】
各操作ボタン32〜37には、操作ボタン上に夫々、機能或いは指定する部位が文字で示されている。なお、この文字は印刷でも刻印でもよいが、各ボタンの触覚での識別を補助することができる刻印の方が好ましい。
【0025】
このリモートコントローラ7は、椅子本体2の形状を模して形成することで、視覚だけでなく触覚での空気袋操作ボタン32〜37の位置等の識別を容易にし、操作し易くしている。
【0026】
コントローラ本体30は、その前面に、第1面A、第2面B、及び第3面Cを有している。第2面Bは、第1面Aよりも短く形成され、且つ、第1面の下端部にこの第1面Aに対して前方に曲って設けられている。第3面Cは、第1面よりも短く形成され、且つ、第2面Bの下端部にこの第2面Bに対して下方に曲って設けられている。なお、この実施形態では、第2面と第3面の長さが同程度であり、第3面Cが第1面Aと略平行となるように設けられている。コントローラ本体30の裏面は、第1面Aの上端部と第3面Cの下端部とを結ぶ曲面とされている。
【0027】
第1面Aは、椅子本体2の背もたれ部3(図1参照)に相当する領域をコントローラ本体30の長手方向上部に指定している。この第1面Aには、背もたれ部3に設けられた首/肩部用空気袋11、背中部用空気袋12、及び腰部用空気袋13を夫々動作させる首/肩部用操作ボタン32、背中部操作ボタン33、及び腰部操作ボタン34が備えられている。
【0028】
第2面Bは、椅子本体2の座部4(図1参照)に相当する領域をコントローラ本体30の長手方向中部に指定している。この第2面Bには、座部4に設けられた尻部用空気袋14、及び腿部用空気袋15を夫々動作させる尻部用操作ボタン35、及び腿部用操作ボタン36が備えられている。
【0029】
第3面Cは、椅子本体2のオットマン6(図1参照)に相当する領域をコントローラ本体30の長手方向下部に指定している。この第3面Cには、オットマン6に設けられた左脚部用及び右脚部用空気袋16L,16Rを動作させる脚部用操作ボタン37が備えられている。
【0030】
この実施形態のリモートコントローラ7では、首/肩部用操作ボタン32、背中部操作ボタン33、及び腰部操作ボタン34が、第1面Aの幅方向中央部に上側からこの順序で長手方向に並べて配置されている。また、尻部用操作ボタン35及び腿部用操作ボタン36は、第2面Bの幅方向中央部に上側からこの順序で長手方向に配置されており、脚部用操作ボタン37は、第3面Cの幅方向中央部に配置されている。すなわち、このリモートコントローラ7では、各空気袋操作ボタン32〜37が、各施療部位の並びの配置と対応する順序で長手方向に並べて幅方向中央部に配置されている。なお、電源ボタン31は第1面の上端部に向かって右側に配置されている。
【0031】
このリモートコントローラ7は、椅子本体2の形状を模して形成したものであるため、リモートコントローラ7の視覚及び触覚による各操作子の識別が容易となる。すなわち、着座者は前面と対向するようにリモートコントローラ7を持つことで、人体における施療部位とリモートコントローラ7における各空気袋操作ボタン32〜37との関係を視覚では勿論のこと触覚でも把握できるため、各空気袋操作ボタン32〜37の識別が容易になる。
【0032】
また、このリモートコントローラ7は、図3に示したように、第1面に電源ボタン31が設けられている。さらに、第3面Cは第1面と比べて前方に突出している。したがって、このリモートコントローラ7は、触覚でも上下方向の識別が容易である。
【0033】
前記構成のマッサージ機1では、以下のようにしてマッサージを行なう。まず、背もたれ部3と座部4とのなす角度、及び座部4とオットマン6とのなす角度を任意に調整する。使用者は背もたれ部3に寄りかかった姿勢で椅子本体2に座る。リモートコントローラ7の電源ボタン31を押して駆動装置20を駆動させる。これにより、コントローラ本体30の上部に設けられた発光ダイオード等からなるパイロットランプ31aが点灯する。なお、リモートコントローラ7は肘掛部5Rに取付けた状態で触覚により操作しても、取外して前面を着座者と対向させるように持って操作してもよい。
【0034】
次に、各空気袋操作ボタン32〜37のうちから、マッサージしたい施療部位に対応する空気袋操作ボタンを押す。例えば首/肩部を施療したい場合、首/肩部用操作ボタン32を押すと、首/肩部用空気袋11が膨縮して首/肩部のマッサージが開始される。つまり、駆動装置20から首/肩部用空気袋11への給気が行なわれ、首/肩部用空気袋11が膨張すると、この膨張した首/肩部用空気袋11により首/肩部が圧迫される。その後、首/肩部用空気袋11中の空気が排出されるのに伴い、前記圧迫された首/肩部が弛緩される。このマッサージ機1では、この圧迫・弛緩により施療部位をマッサージする。
【0035】
マッサージが行なわれている状態もそうでない状態でも、パイロットランプ31aが点灯している間は、好みの空気袋操作ボタンを押すことで施療部位を選択、変更することができる。
【0036】
これらの操作は、上述のように、いずれも視覚だけでなく触覚により操作可能であって、目を開けたり身体を起こしたりすることを必ずしも要しないため、マッサージ中のリラクゼーションを妨げない。
【0037】
マッサージを終了させたい場合は、リモートコントローラ7の電源ボタン31を押して駆動装置20の駆動を停止する。これにより、コントローラ本体30のパイロットランプ31aが消灯する。なお、マッサージ終了に伴って前記設定、変更はリセットされ、初期設定に戻される。
【0038】
以上のように、このリモートコントローラ7は、マッサージ機1に備えられる椅子本体2の背もたれ部3に相当する第1面A、及びこの第1面Aより短く、この第1面Aに対して曲って設けられた椅子本体2の座部4に相当する第2面Bを有するコントローラ本体30とを備え、第1面Aに設けられて、人体の各施療部位を指定する複数の空気袋操作ボタン32〜34と、第2面Bに設けられて、人体の各施療部位を指定する複数の空気袋操作ボタン35,36とを具備している。座部4に相当する第2面Bは、背もたれ部3に相当する第1面Aに対して短く、しかも曲って設けられているため、第1面A及び第2面Bは夫々触って識別することができる。したがって、第1面A及び第2面Bに備えられた空気袋操作ボタン32〜34を視覚だけでなく触覚でも識別して操作できる。
【0039】
また、このリモートコントローラ7のコントローラ本体30は、第2面Bに対して曲って設けられたオットマン6に相当する第3面Cを有しており、脚部用操作ボタン37がこの第3面Cに備えられている。オットマン6に相当する第3面Cは、座部4に相当する第2面Bに対して曲って設けられており、第1面Aよりも短く形成されているため、第1面A、第2面B、及び第3面Cは、夫々触って識別できる。したがって、脚部用操作ボタン37もまた、視覚だけでなく触覚でも識別して操作できる。
【0040】
さらに、このリモートコントローラ7は、空気袋操作ボタン32〜37が、各施療部位の並びの配置と対応する順序で、コントローラ本体30長手方向に並べて配置されているため、目的の空気袋操作ボタンがより探し易い。
【0041】
この実施形態では、上述したリモートコントローラ7を具備することにより、触覚だけでも操作することができるマッサージ機が得られる。
【0042】
以下、図4及び図5を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
【0043】
一対の首/肩部用空気袋11は、椅子本体2に組込まれた図示しない移動装置に支持されており、着座者の体型や好みにより所定の範囲内で空気袋11の高さ位置及び空気袋の間隔を調整できる。
【0044】
施療用空気袋11〜15,16L,16Rを駆動させる駆動装置20は、図5に示したように、エアーコンプレッサ21及び空気分配器22の他に、空気分配器22の各分配口と各空気袋11〜15,16L,16Rとを連通する送気管に、空気分配口から吐出される空気の圧力を調整するための圧力調整弁23〜28が夫々設けられている。これら圧力調整弁23〜28は夫々制御部29と接続しており、この開度は制御部29により制御される。
【0045】
圧力調整弁23〜28の開閉及びその開度は、後述するリモートコントローラ7が有する強度設定ボタン41或いはパルス運転ボタン42からの入力及び給気を必要としている空気袋11〜15,16L,16Rの大きさ等によって決定される。
【0046】
つまり、制御部29は、マッサージ強度が弱に設定されると圧力調整弁23〜28の開度を大きくして空気袋11〜15,16L,16Rの内圧を下げ、マッサージ強度が強に設定されると圧力調整弁23〜28の開度を小さくして空気袋11〜15,16L,16Rの内圧を上げる。
【0047】
パルス運転は、所定の空気袋に給気し続けている状態で、この空気袋に対応する圧力調整弁を開閉することにより行なわれる。つまり、空気袋が膨らんだ状態で圧力調整弁を開くと、空気袋には着座者の自重がかかっているため、圧力調整弁から空気が急激に排出される。そのため、空気分配器22から供給される空気よりも圧力調整弁から排出される空気の方が多くなり、空気袋内の空気の一部が圧力調整弁から排出されて空気袋は縮む。次に、圧力調整弁を閉じると、空気分配器22から供給される空気により空気袋は徐々に元の状態まで膨張し始める。パルス運転はこの繰り返しにより行なう。したがって、パルス運転が設定されると、制御部29は対応する圧力調整弁を所定の開度及び所定の間隔で開閉させる。
【0048】
マイクロコンピュータからなる制御部29は、上述したように、エアーコンプレッサ21、空気分配器22、及び各圧力調整弁23〜28と夫々接続して設けられている。リモートコントローラ7が有線である場合はリモートコントローラ7とも接続している、制御部29は、リモートコントローラ7から入力されたマッサージ情報に従ってエアーコンプレッサ21、空気分配器22及び各圧力調整弁23〜28を夫々制御する。また、制御部29は各種マッサージコースの実行手順を記憶した記憶部(図示せず)を有している。
【0049】
図4に示したように、リモートコントローラ7は、椅子本体2の形状を模したコントローラ本体30、電源ボタン31、複数の空気袋操作ボタン32〜37、肩位置合わせボタン38、コースマッサージ選択ボタン39、ポイントマッサージ選択ボタン40、強度設定ボタン41、パルス運転ボタン42、及び液晶パネル43等が備えられている。
【0050】
各操作ボタン31〜42は夫々、コントローラ本体30の前面に、この前面から突出させて設けられている。そのため、各操作ボタン31〜42とコントローラ本体30とは触覚で区別できる。
【0051】
肩位置合わせボタン38は、首/肩部用空気袋11の高さ位置及び空気袋の間隔を調整するものである。この実施形態では、肩位置合わせボタン38の上部または下部を押すことで、一対の首/肩部用空気袋11の高さが上下する。また、肩位置合わせボタン38の一側部、例えば向かって左側の側部を押すことで、一対の空気袋の間隔が狭まり、他側部である向かって右側の側部を押すことで、一対の空気袋の間隔が広がるように設定されている。
【0052】
コースマッサージ選択ボタン39及びポイントマッサージ選択ボタン40は、コースマッサージを行なうかポイントマッサージを行なうかを選択するためのボタンである。ポイントマッサージ選択ボタン40を操作すると空気袋操作ボタン32〜37の入力信号が制御部29に伝達されるようになり、コースマッサージ選択ボタン39を操作すると自動マッサージが選択できるようになる。
【0053】
また、コースマッサージ選択ボタン39は、例えば全身マッサージコース、上半身マッサージコース、下半身マッサージコース等の設定された各種自動コースを選択して制御部29に指示する機能を兼ね備えている。コースマッサージ選択ボタン39を操作すると、図4に示したように、自動コースの名称が第1面Aの上部に配設された液晶パネル43に表示される。着座者は液晶パネル43に表示される指示に従ってコースマッサージ選択ボタン39を操作し、好みの自動コースを選択する。各種自動コース中は、制御部29により空気分配器22のモータの運転が自動的に制御される。
【0054】
強度設定ボタン41は、マッサージ強度を調節するためのものである。このマッサージ機1では、マッサージ強度を強と弱との2段階に変化させることができ、強設定のときに強度設定ボタン41を操作すると弱設定となり、弱設定のときに強度設定ボタン41を操作すると強設定となる。パルス運転ボタン42は、パルス運転の開始・終了を制御部29に指示するものである。
【0055】
肩位置合わせボタン38、コースマッサージ選択ボタン39、ポイントマッサージ選択ボタン40、強度設定ボタン41、パルス運転ボタン42には、夫々の機能が文字で示されている。なお、この文字は印刷でも刻印でもよいが、各ボタンの触覚での識別を補助することができる刻印の方が好ましい。
【0056】
このリモートコントローラ7では、首/肩部用操作ボタン32、背中部操作ボタン33、及び腰部操作ボタン34を、第1面Aに向かって左側部に上側からこの順序で長手方向に並べて配置している。また、尻部用操作ボタン35及び腿部用操作ボタン36を、第2面Bに向かって左側部に上側からこの順序で長手方向に配置しており、脚部用操作ボタン37を、第3面Cの左側部に配置している。すなわち、このリモートコントローラ7では、各空気袋操作ボタン32〜42を、各施療部位の並びの配置と対応する順序で長手方向に並べて向かって左側部に配置している。
【0057】
電源ボタン31、肩位置合わせボタン38、コースマッサージ選択ボタン39、ポイントマッサージ選択ボタン40、強度設定ボタン41、パルス運転ボタン42等は、第1面A、第2面B、第3面Cのどの面に設けてもよい。この実施形態では、肩位置合わせボタン38、コースマッサージ選択ボタン39、ポイントマッサージ選択ボタン40を第1面A、強度設定ボタン41、パルス運転ボタン42を第2面B、電源ボタン31を第3面Cに設け、且つ、夫々の面A,B,Cに向かって右側部に長手方向に一列に並べて配置している。また、図4では、各操作ボタン31,38〜42に向かって右側部、空気袋操作ボタン32〜37に向かって左側部に配置したが、各操作ボタン31,38〜42に向かって左側部、空気袋操作ボタン32〜37に向かって右側部に配置してもよい。なお、他の構成は第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0058】
前記構成のマッサージ機1では、以下のようにしてマッサージを行なう。まず、背もたれ部3と座部4とのなす角度、及び座部4とオットマン6とのなす角度を図示しない操作部の操作により任意に調整する。使用者は背もたれ部3に寄りかかった姿勢で椅子本体2に座る。リモートコントローラ7の電源ボタン31を押して駆動装置20を駆動させる。これにより、コントローラ本体30の下部に設けられた発光ダイオード等からなるパイロットランプ31aが点灯する。
【0059】
ポイントマッサージを行なう場合は、ポイントマッサージ選択ボタン40を押す。これにより、空気袋操作ボタン32〜38の入力信号が制御部29に伝達されるようになる。なお、リモートコントローラ7は肘掛部5Rに取付けた状態で触覚により操作しても、取外して前面を着座者と対向させるように持って操作してもよい。後は、第1実施形態と同様にしてマッサージを行なう。
【0060】
マッサージが行なわれている状態もそうでない状態でも、パイロットランプ31aが点灯している間は以下の設定、変更が可能である。首/肩部用空気袋11の位置を変更したい場合は、肩位置合わせボタン38を操作することにより、一対の首/肩部用空気袋11の高さ位置及び間隔が設定できる。マッサージ強度を変更したい場合は、強度設定ボタン41を操作してその強度を設定する。パルス運転を開始・終了場合は、パルス運転ボタン42を操作する。施療部位を変更したい場合は、好みの空気袋操作ボタンを選択して操作して施療部位を変更する。
【0061】
これらの操作は、上述のように、いずれも視覚だけでなく触覚により操作可能であって、目を開けたり身体を起こしたりすることを必ずしも要しないため、マッサージ中のリラクゼーションを妨げない。
【0062】
マッサージを終了させたい場合は、リモートコントローラ7の電源ボタン31を押して駆動装置20の駆動を停止する。これにより、コントローラ本体30のパイロットランプ31aが消灯する。なお、マッサージ終了に伴って前記設定、変更はリセットされ、初期設定に戻される。
【0063】
コースマッサージを行なう場合は、コースマッサージ選択ボタン39を押す。これにより、液晶パネル43に自動コースの名称が表示されるため、着座者は液晶パネル43を見ながら好みの自動コースを選択する。選択されたマッサージコースが順序通り且つ自動的に実行され、以後の操作は不要である。また、好みにより強度設定ボタン41を操作してマッサージ強度を変更する。
【0064】
マッサージを終了させたい場合は、リモートコントローラ7の電源ボタン31を押して駆動装置20の駆動を停止する。これにより、コントローラ本体30のパイロットランプ31a及び液晶パネル43が消灯する。なお、マッサージ終了に伴って設定したコースはリセットされ、初期設定に戻される。
【0065】
このコントローラ7では、空気袋操作ボタン32〜37だけでなく、各操作ボタン31,38〜42もまた、コントローラ本体30の前面から突出させて、長手方向に一列に並べて配置している。そのため、各操作ボタン31,38〜42は、配置の順番を覚えるだけで、触覚でも操作可能となる。
【0067】
この実施形態のマッサージ機では、マッサージ機が人体の各部位に夫々対応する複数の施療子として、首/肩部用空気袋11、背中部用空気袋12、腰部用空気袋13、尻部用空気袋14、腿部用空気袋15、左脚部用及び右脚部用空気袋16L,16Rを備えたものであるため、リモートコントローラ7は、操作子として、首/肩部用操作ボタン32、背中部用操作ボタン33、腰部用操作ボタン34、尻部用操作ボタン35、腿部用操作ボタン36、脚部用操作ボタン37を備えるものとしている。しかしながら、空気袋の内蔵場所及び内蔵個数はこの実施形態に限定されるものではなく、したがって、リモートコントローラ7は、背もたれ部3に設けられた空気袋に対応する操作ボタンを第1面A、座部4に設けられた空気袋に対応する操作ボタンを第2面B、オットマン6に設けられた空気袋に対応する操作ボタンを第3面Cに設けるように設計すればよい。
【0069】
さらに、この発明のマッサージ機は、上記エアー式のマッサージ機に限らず、空動機の動力で揉みや叩き動作をする施療用ローラからなる施療子を、駆動装置で背もたれの上下方向に沿って移動させて人体をマッサージする、いわゆる機械式のマッサージ機等でもよい。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、触覚で識別して操作できるマッサージ機用リモートコントローラ及び椅子式マッサージ機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る椅子式マッサージ機を示す斜視図。
【図2】図1のマッサージ機の給排気の制御系統を示すブロック図。
【図3】図1のマッサージ機が備えるリモートコントローラを示す斜視図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る椅子式マッサージ機が備えるリモートコントローラを示す斜視図。
【図5】図4のマッサージ機の給排気の制御系統を示すブロック図。
【符号の説明】
1…マッサージ機
2…椅子本体
3…背もたれ部
4…座部
6…オットマン
7…リモートコントローラ
11,12,13,14,15,16R,16L…施療子(空気袋)
20…駆動装置
29…制御部
30…コントローラ本体
32,33,34,35,36,37…空気袋操作ボタン(操作子)
A…第1面
B…第2面
C…第3面
Claims (2)
- 背もたれ部及び座部並びにこの座部の前側に取付けられたオットマンを有する椅子本体と、前記背もたれ部及び座部並びにオットマンの夫々に設けられた施療子と、この施療子を動作させる制御部とを備えたマッサージ機に具備されて、前記制御部にマッサージ情報を入力するとともに、前記椅子本体の形状を模して形成され着座者が持って操作可能なリモートコントローラであって、
前記背もたれ部に相当する第1面、この第1面より短く形成され且つ前記第1面の一端部にこの第1面に対して前方に曲って設けられた前記座部に相当する第2面、及び前記第1面より短く形成され且つ前記第2面に対して下方に曲がって設けられた前記オットマンに相当する第3面を前面に有するコントローラ本体と、前記第1面及び第2面並びに第3面に設けられて、人体の各施療部位を指定するとともに前記コントローラ本体と触覚で区別できる複数の操作子とを具備し、前記複数の操作子は、前記各施療部位の並びの配置と対応する順序で、前記コントローラ本体の長手方向に並べて配置されているマッサージ機用リモートコントローラ。 - 背もたれ部と座部とこの座部の前側に取付けられたオットマンとを有する椅子本体と、前記背もたれ部及び座部並びにオットマンの夫々に設けられて人体の各施療部位を施療する施療子と、この施療子を動作させる駆動装置と、この駆動装置を制御する制御部と、この制御部にマッサージ情報を入力する請求項1に記載のリモートコントローラと、を具備した椅子式マッサージ機。
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