JP4112390B2 - 用紙トレイ、自動原稿送り装置、および画像形成装置 - Google Patents

用紙トレイ、自動原稿送り装置、および画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動原稿送り装置、または給紙装置に用いられる用紙トレイ、およびこれらを利用した自動原稿送り装置、画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、複写機等の画像形成装置やスキャナ等の原稿読み取り装置は、原稿読み取り部に原稿を自動的に搬送する自動原稿送り装置を有している。この自動原稿送り装置は、原稿を載置する原稿(用紙)トレイを備えており、原稿トレイは、原稿サイズまたは原稿の有無を検知するための原稿検知センサを有している。すなわち、原稿のコピーまたは原稿の読み取りの実行時に、原稿検知センサにより、原稿サイズまたは原稿の有無を検知するとともに、原稿トレイ上の原稿を装置本体の画像読み取り部へ搬送する。次いで、装置本体の画像読み取り部により、原稿の画像を読み取り、複写機の場合は画像を形成する。
【0003】
ここで、上記原稿検知センサの例として、接触型の原稿検知センサが挙げられる。図12(a)は、従来のデジタル複写機に設けられる原稿トレイを上から見た図であり、(b)は(a)の斜視図である。図12(a)(b)に示すように、上記原稿トレイ50は、2つの接触型の原稿検知センサ51・51を備えている。接触型の原稿検知センサ51は、原稿トレイ50上に、原稿トレイ50の原稿載置面52から突出した状態で設けられている。この原稿検知センサ51の突出部は、略三角形(厚みの薄い三角柱)の形状をしており、原稿載置面52に対して略垂直に形成されている。この接触型の原稿検知センサ51の突出部は、略三角形の2つの斜面を原稿搬送方向に対して平行になるように設置されている。
【0004】
また、原稿検知センサ51の突出部は、回転軸(不図示)のまわりに回転移動可能に設けられており、この回転移動によって原稿載置面52内部に押し込まれたり、突出したりする。すなわち、原稿載置面52に原稿が挿入し載置され、原稿と原稿検知センサ51の突出部における斜面とが接触すると、原稿検知センサ51は、原稿によって原稿載置面52に押し込まれて、原稿を検知する。
【0005】
このような接触型の原稿検知センサの一例として、原稿トレイに、原稿搬送方向と略平行に設けられた後端検知センサが原稿の後端を検知して、原稿サイズを認識するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、原稿トレイに凹凸面を設けることにより、原稿の長手方向の中央部を線対称に湾曲させ、原稿が数枚の場合でも確実に原稿の後端位置を検知することが示されている。
【0006】
また、複写機やプリンタ等の画像形成装置では、外部からの給紙動作を可能とするべく、手差し給紙トレイ(手差し給紙部)が設けられている。このような手差し給紙トレイ上にも用紙検知センサが設けられている。この用紙検知センサも、一般的に上記原稿検知センサと同様な構成の突出部を有する接触型の検知センサであり、手差し給紙トレイ上に、突出部における略三角形の2つの斜面が用紙搬送方向に対して平行になるように設置されている。この用紙検知センサにより、用紙サイズまたは用紙の有無が検知され、コピーやプリントを実行する場合、用紙が給紙される。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−290835号公報(公開日 平成8年11月5日)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、画像形成装置や画像読み込み装置等に対して、原稿を原稿トレイに挿入し載置する場合、または用紙を手差しトレイに挿入し載置する場合、ユーザーは当該装置の原稿または用紙の搬送方向(図12(a)中の矢印Y方向)から原稿等を挿入・載置するか、または原稿等の搬送方向に垂直な方向(図12(a)中の矢印X方向)から原稿を挿入、載置するのが一般的である。
【0009】
しかしながら、上述のような従来の接触型の原稿(用紙)検知センサを有する原稿トレイまたは手差し給紙トレイでは、接触型の原稿(用紙)検知センサは、突出部における略三角形の2つの斜面が用紙搬送方向に対して平行になるように設置されている。このため、例えば、接触型の原稿検知センサ51に対し、原稿を原稿搬送方向(図12(a)中の矢印Y方向)に垂直な方向(図12(a)中の矢印X方向)から挿入し載置すると、原稿は原稿検知センサ51の突出部の側面(略三角形の斜面以外の側面)に衝突する。このため、原稿検知センサ51は全く機能せず、原稿載置面52内に沈み込めない。これによって、接触型の原稿検知センサ51の破損や、原稿(用紙)の損傷が発生するという問題がある。
【0010】
また、原稿検知センサ51に対して、原稿検知センサが沈み込みにくい方向(回転軸に垂直で、回転軸から遠い方向)から原稿をぶつけた場合、センサは動きにくくなり、原稿載置面52内に押し込まれにくくなる。このような場合も、原稿と原稿検知センサ51とが衝突してしまい、原稿検知センサ51が破損することがある。また逆に、原稿が損傷する場合もある。
【0011】
さらに、原稿検知センサ51が、原稿載置面52内に適切に押し込まれない場合は、確実に原稿を検知することができないという問題も発生する。この結果、例えば、画像読み取り処理や画像形成処理を適切に行えなくなってしまう。
【0012】
また、例えば、原稿トレイ50上の原稿が歪曲等の原因によって浮き上がる場合、原稿が原稿検知センサ51に接触せず、原稿検知センサ51が原稿を検知できない事態が生ずる。このような事態への対策としては、原稿検知センサ51の高さを高くすることが一般的である。しかし、原稿検知センサ51の高さを高くすると、原稿の挿入・積載時に、原稿検知センサ51が原稿載置面50内に押し込まれず、原稿と原稿検知センサ51とが衝突する可能性もが高まってしまい、上記の問題を招きやすい。
【0013】
また、特許文献1には、かかる問題、すなわち、原稿が後端検知センサに衝突したときの悪影響については、まったく述べられていない。
【0014】
なお、ここでは説明を省略するが、同様の問題が手差し給紙トレイにおける用紙検知センサについても発生する。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、原稿または用紙と検知センサとの衝突によって発生する検知センサの破損、または原稿等の損傷を防止できるとともに、確実に原稿等を検知できる用紙トレイ、これらを利用した自動原稿送り装置、および画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の用紙トレイは、上記の課題を解決するために、原稿読み取り部に原稿を搬送する自動原稿送り装置、または画像形成部に用紙を給紙する給紙装置に設けられる用紙トレイにおいて、上記用紙トレイは、原稿または用紙を載置するための用紙載置面と、原稿または用紙を検知するために、上記用紙載置面に設けられている検知部とを備えており、上記検知部は、上記用紙載置面に対して略垂直に突出している突出部を有する可動検出部を備えている接触式の検知センサであり、上記可動検出部における突出部は、その設置方向が、原稿または用紙搬送方向に対して、略平行とならず、かつ略垂直とならないように、上記用紙載置面に設けられていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、用紙トレイに原稿または用紙(以下、原稿等と称する)を、例えば、原稿等の搬送方向に垂直な方向から挿入し載置する場合、あるいは、原稿等の搬送方向から挿入し載置する場合でも、上記突出部は、常に原稿等と適切に接触することができ、用紙載置面内に押し込まれる。このため、突出部が用紙載置面内に押し込まれず、突出部と原稿等とが衝突することによって発生する、突出部の破損、あるいは、原稿等の損傷を防止することができる。
【0018】
また、上記突出部が確実に機能する(用紙載置面内に押し込まれる)ため、確実に原稿等を検知することができる。また、折れ原稿等による誤検知への対策として、センサの高さを高くした場合、検知部(センサ)の破損などが増えるが、この対策としても、本発明は効果がある。
【0019】
なお、本発明でいう突出部の「設置方向」とは、突出部の長手方向のことをいい、「その設置方向が、原稿または用紙搬送方向に対して、略平行とならず、かつ略垂直とならないように設けられている」とは、突出部の長手方向が原稿または用紙搬送方向に対して、略平行とならず、かつ略垂直とならないように設けられていることをいう。
【0020】
また、本発明でいう「接触式の検知センサ」として機能する検出部としては、例えば、可動検出部における突出部が斜面と斜面以外の面とを有する形状(例えば、突出部が略三角形の形状である場合は、突出部は斜面と側面とを有する)であって、上記斜面と原稿等とが接触した場合は、突出部が用紙載置面内部に押し込まれ、原稿等の存在を検知できるものであって、上記斜面以外の面と原稿等とが接触した場合は、突出部が用紙載置面内部に押し込まれず、原稿等の存在を検知できないものが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0021】
また、「突出部が適切に原稿等と接触する」とは、例えば、突出部の斜面と原稿等とが接触することにより、突出部が用紙載置面内に押し込まれることをいう。
【0022】
また、上記用紙トレイは、少なくとも1つ以上の検知部を備えていることが好ましい。
【0023】
本発明の用紙トレイは、上記の課題を解決するために、原稿読み取り部に原稿を搬送する自動原稿送り装置、または画像形成部に用紙を給紙する給紙装置に設けられる用紙トレイにおいて、上記用紙トレイは、原稿または用紙を載置するための用紙載置面と、原稿または用紙を検知するために、上記用紙載置面に設けられている検知部とを備えており、上記検知部は、上記用紙載置面に対して略垂直に突出している突出部を有する可動検出部を備えている接触式の検知センサであるとともに、上記可動検出部における突出部は、上記用紙載置面に、用紙載置面に対して水平方向に回転可能に設けられていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、例えば、原稿等を手に持って用紙トレイに対して挿入する場合、原稿等は突出部に当たり、突出部を押すことになる。これにより、突出部が適切に原稿等と接触する位置まで、検知部は回転することになる。すなわち、突出部が原稿等の挿入方向に向き、回転支点が原稿等の挿入手前方向に向く。これによって、どのような方向から原稿等の挿入(載置)が行われる場合でも、突出部の方向が原稿の挿入(載置)方向に対応して変化し、突出部が常に適切に原稿等と接触することができる。したがって、突出部が押し込まれず、突出部と原稿等とが衝突することによって発生する、突出部の破損や、原稿等の損傷を防止することができる。
【0025】
また、上記突出部が確実に機能する(用紙載置面内に押し込まれる)ため、確実に原稿等を検知することができる。また、折れ原稿等による誤検知への対策として、センサの高さを高くした場合、検知部(センサ)の破損などが増えるが、この対策としても、本発明は効果がある。また、ここでは、原稿を用紙トレイに載置する場合について説明したが、給紙装置に用いられる用紙トレイに用紙を給紙する場合も同様な効果が得られる。
【0026】
また、原稿等が検知部に原稿または用紙載置面内方向から接触する場合、可動検出部の回転支点側が原稿または給紙挿入手前側に向くことが好ましい。
【0027】
本発明の用紙トレイは、上記の課題を解決するために、上記可動検出部における突出部は、その設置方向が、原稿または用紙搬送方向に対して、15度〜75度の角度の範囲になるように設けられていることを特徴としている。
【0028】
可動検出部における突出部の設置角度が小さすぎると、原稿等の搬送方向に垂直な方向から、原稿等を用紙トレイに挿入し載置する場合、原稿等と突出部とが適切に接触できず、突出部を用紙載置面内に押し下げる力が弱くなる。また同様に、設置角度が大きすぎても、原稿等の搬送方向から、原稿等を用紙トレイに挿入し載置する場合、原稿等と突出部とが適切に接触できず、突出部を押し下げる力が弱くなる。
【0029】
しかし、上記の構成のように突出部の設置角度を設定すれば、原稿等と突出部とが適切に接触でき、突出部を用紙載置面内に確実に押し下げることができる。したがって、原稿等、または突出部が損傷することなく、原稿等の検知を的確に行うことができる。
【0030】
なお、突出部の「設置角度」とは、突出部の設置方向(長手方向)と原稿等の搬送方向とによって形成される角度をいう。
【0031】
本発明の用紙トレイは、上記の課題を解決するために、上記可動検出部における突出部の形状は、略三角形であることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、可動検出部における突出部を略三角形(例えば、厚みの薄い三角柱等)にすることで、突出部は斜面と側面とを有することになる。このため、例えば、原稿等を、原稿等の搬送方向に垂直な方向から用紙トレイに挿入し載置する場合、あるいは用紙の搬送方向から用紙トレイに挿入し載置する場合でも、原稿等が突出部の三角形の一斜面にあたり、原稿等が上記斜面を押すことになり、確実に突出部が用紙載置面内部に押し込まれる。したがって、原稿等、または突出部が損傷することなく、原稿等の検知を的確に行うことができる。
【0033】
また、例えば、検知部が回転可能に設けられている場合は、挿入し載置された原稿等が突出部の側面に接触しても、原稿等に押されることにより突出部が回転して、突出部の斜面と原稿等とが接触するようになる。これによって、突出部が確実に用紙載置面内に押し込まれることになる。したがって、原稿等、または突出部が損傷することなく、原稿等の検知を的確に行うことができる。
【0034】
本発明の用紙トレイは、上記の課題を解決するために、上記略三角形である突出部における斜面の傾斜が、緩やかに形成されていることを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、突出部のどの斜面に対して、原稿等が水平方向から接触する場合でも、突出部が確実に用紙載置面内に押し込まれることになる。したがって、原稿等、または突出部が損傷することなく、原稿等の検知を的確に行うことができる。また、突出部の斜面の傾斜が緩やかであるため、原稿等と突出部とが接触する際の衝撃も小さくなる。このため、より一層、原稿等の損傷、あるいは突出部の損傷を防止することができる。
【0036】
なお、「突出部における斜面の傾斜が、緩やか」とは、例えば、原稿等が突出部の斜面と接触した際に、突出部が容易に用紙載置面内に押し込まれる程度に緩やかであればよく、特に限定されるものではない。例えば、突出部の斜面の傾斜角が、60度以下の範囲であることが好ましい。
【0037】
また、接触型の可動検出部における突出部の傾斜角について、回転支点側と反対側の斜面を緩くすることでも同様の効果を得られる。
【0038】
本発明の用紙トレイは、上記の課題を解決するために、上記可動検出部における突出部のうち少なくとも1つは、上記用紙載置面における、定型サイズの用紙の最小幅の範囲内に設けられていることを特徴としている。
【0039】
上記の構成によれば、定型サイズの用紙の最小幅以上の原稿等について、常に原稿等サイズまたは原稿等の有無を確実に検知することができる。
【0040】
本発明の用紙トレイは、上記の課題を解決するために、上記可動検出部における突出部は、上記用紙載置面の中央部分から外して設けられていることを特徴としている。
【0041】
通常、原稿等を手で持つとき、原稿等の中央または手前を持つことが多い。このため、原稿等を手で持って、用紙トレイに対して挿入し載置する場合、手が突出部と衝突し、ケガをする場合がある。
【0042】
しかし、上記の構成によれば、原稿等の中央または手前を持って、原稿等を用紙トレイに対して載置する場合でも、手が突出部とぶつかりにくくなる。したがって、原稿等を載置する際に、ケガの発生を防止できる。
【0043】
なお、「用紙載置面の中央部分」とは、例えば、原稿等を用紙トレイに挿入、載置した際に、原稿等の中央部分と対応する用紙載置面の部分をいう。
【0044】
本発明の用紙トレイは、上記の課題を解決するために、上記可動検出部における突出部の設置方向は、原稿または用紙と接触していないとき、所定の方向を向くように設定されていることを特徴としている。
【0045】
例えば、可動検出部における突出部が、原稿等を挿入する側(手前側)の位置で停止していれば、原稿等を用紙トレイに載置する場合、突出部と手とがぶつかりやすくなる。そこで、上記の構成のように、原稿等を用紙トレイに載置する際には、突出部と手とがぶつかりにくくなる所定の位置に戻るように設定されていれば、手が突出部とぶつかることによるケガの発生を防止できる。
【0046】
なお、「所定の位置」とは、用紙トレイに原稿等を載置する場合に、突出部と手とがぶつかりにくくなる位置であればよく、例えば、ユーザーが原稿等を用紙トレイに挿入し載置する場合に、用紙トレイにおけるユーザー側から遠い位置(例えば、ユーザーが挿入し載置する側と反対側(奥側))が挙げられる。
【0047】
本発明の自動原稿送り装置は、上記の課題を解決するために、上記のいずれかの用紙トレイを備えていることを特徴としている。
【0048】
上記の構成によれば、検知部における突出部または原稿等が損傷することがないとともに、確実に原稿等を検知できる自動原稿送り装置を得ることができる。
【0049】
本発明の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記のいずれかの用紙トレイを備えていることを特徴としている。
【0050】
上記の構成によれば、検知部における突出部または原稿等が損傷することがないとともに、確実に原稿等を検知できる画像形成装置を得ることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の用紙トレイ、自動原稿送り装置、および画像形成装置に関する実施の一形態について図1〜図7、および図10に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0052】
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の概要について説明し、次いで、本発明の特徴部分である用紙トレイ(原稿トレイ)について順次説明する。
【0053】
(1)画像形成装置
図6は、本実施の一形態に係る画像形成装置110の構造を模式的に示す図である。図6に示すように、画像形成装置110は、上面に透明なガラス等からなる原稿台670を有している。この原稿台670の下方には、原稿を読み取るための光学系が配されている。この光学系は原稿台670上に載置される原稿に光を照射する露光用光源671と、結像レンズと光電変換素子(以下CCDと称する)673に光を導く複数の反射鏡672とで構成される。
【0054】
また、原稿台670の上部には自動的に原稿を搬送し、原稿の読み取り動作を行う自動原稿送り装置10が設置される。該自動原稿送り装置10は、原稿を原稿トレイ11にセットすると、原稿を1枚ずつ給紙し、給紙搬送路682に送り込む。給紙された原稿は、その先端がPSローラ683に押し当てられた状態で一時停止する。これにより、印刷部(画像形成部)600との同期を取るとともに原稿が斜行した状態で読み取り部に送られることを防止する。図示しないクラッチをONすることにより、PSローラ683を図示しない搬送モータの駆動部と連結し一旦停止していた原稿の搬送を再開し、原稿読み取り部688に送られる。なお、本発明の特徴的な部分である自動原稿送り装置10についての詳細は、後述する。
【0055】
上述した露光用光源671を上記原稿読み取り部688の直下に移動させ、原稿の搬送開始のタイミングに合わせて原稿に光を照射する。その光は上述した光学系の各パーツを介してCCD673に導かれる。
【0056】
CCD673によって読み取られた原稿画像データは、画像処理が施されレーザースキャニングユニット(以下LSUと称する)により、レーザー光を像担持体(以下感光体と称する)602の表面に照射して静電潜像が形成される。
【0057】
感光体602は、ドラム状に形成され回転駆動される。この感光体602の周囲にはレーザー照射点から感光体602の回転方向に向かってレーザーによって露光された感光体602表面の静電潜像をトナーにより可視像に現像する現像装置611が配置される。感光体602上のトナー像を用紙に転写する転写チャージャー613、感光体602表面の残留トナーを除去するクリーニング装置、感光体602表面を所定の電位に帯電させる帯電部および感光体6022のレーザー照射点に向かってレーザーを照射させるLSUが順を追って配置されている。
【0058】
また、用紙は用紙カセット630に収納される。用紙カセット630の先端部には用紙を給紙搬送路633に送り込むための半月ローラ631が配置されており下流側に向かって(便宜上、用紙の流れ出し<カセット側>を上流、<排紙側>を下流とする)用紙の通過を検知するための図示しないレジスト前検知スイッチ、該レジスト前検知スイッチの信号を基に、感光体602上のトナー像と用紙の位置合わせを行うPSローラ632、用紙上のトナー像を加熱ローラと加圧ローラとにより用紙に定着させる定着ローラ605、該定着ローラ605を用紙が通過したことを検知する図示しない定着紙検知スイッチ、排紙搬送路635上で用紙が通過したことを検知する図示しない排紙検知スイッチ、用紙を排出するための排紙ローラ636が配置されている。
【0059】
用紙は用紙カセット630より上述の各部材を通過し排紙トレイ660に排出される事により一連の画像形成工程を完了する。
【0060】
また、画像形成装置110は、手差しによる給紙作業を可能とすべく、手差し給紙トレイ30を備えている。
【0061】
(2)原稿トレイ(用紙トレイ)
図1は、本実施の一形態に係る原稿トレイ11の構造を模式的に示す斜視図である。図2(a)は、本実施の一形態に係る原稿トレイ11の構造を上から見た図であり、図2(b)は、図2(a)を矢印Z方向から見た図である。また、図3は、本実施の一形態に係る自動原稿送り装置10の構造を模式的に示す断面図である。
【0062】
図3に示すように、自動原稿送り装置10は、その上部に原稿トレイ11を備えている。図1、図2(a)(b)、図3に示すように、原稿トレイ11は、原稿検知センサ20、原稿ガイド3、原稿載置面2を備えている。原稿検知センサ20は、後述するように、可動検出部25を備えており、可動検出部25は、原稿トレイ11における原稿載置面2から突出している突出部5を有している。本実施の形態では、原稿検知センサ20は2つ設けられているが、原稿検知センサ20の設置数は、原稿を検知するのに適した数であればよく、特に限定されるものではない。
【0063】
原稿載置面2は、原稿を載置するための面である。原稿ガイド3は、一対のガイド板からなるものであり、搬送される原稿の側面をガイドするものであって、原稿の用紙幅に合わせて使用するものである。原稿ガイド3の2つのガイド板は、一方のガイド板を移動すれば、他方のガイド板もそれに合わせて対称に移動する。これによって、原稿の載置時に、原稿サイズの違い、すなわち原稿の用紙幅の違いによらず、原稿の中心と原稿載置面2の中心とが常に一致するようになっている。このため、確実かつ正確に原稿を原稿読み取り部に対して搬送できる。また、原稿サイズに合わせて原稿ガイド3を移動させ、原稿ガイド3の設定位置を定めることにより、原稿幅を検知することができる。
【0064】
また、図2(a)(b)には、原稿ガイド3の最小サイズ時の位置と最大サイズ時の位置とが表されている。「原稿ガイド3の最小サイズ時の位置」とは、原稿ガイド3が設定可能な最もサイズの小さい用紙幅の位置をいう。また、同様に「原稿ガイド3の最大サイズ時の位置」とは、原稿ガイド3が設定可能な最もサイズの大きい用紙幅の位置をいう。
【0065】
(3)原稿検知センサについて
以下に、原稿検知センサ20について説明する。図4(a)(b)は、原稿検知センサ20の構成例とその動作を模式的に示す図である。図4(a)(b)に示すように、原稿検知センサ20は、可動検出部25、フォトセンサ21、遮光リブ22、重り23、回転支点24を備えている、いわゆる接触式の検知センサである。可動検出部25は、原稿載置面2から突出している突出部5を有している。突出部5は、原稿載置面2に対して略垂直に突出するように設けられている。また、可動検出部25は、回転支点24を中心として、回転可能に保持されており、突出部5と反対側の端部に重り23を備えている。可動検出部25が回転支点24を中心として回転することにより、突出部5は、原稿載置面2内部に押し込まれたり、原稿載置面2から突出したりする。
【0066】
また、図4(a)(b)に示すように、突出部5の形状は、略三角形(厚みの薄い三角柱形状)となっており、突出部5は2つの斜面5a・5bと、側面5cを有している。斜面5aは、回転支点24と反対側の斜面であり、斜面5bは、回転支点24と反対側の斜面である。例えば、この突出部5の斜面5bに原稿が当たると、突出部5が原稿載置面2内部に押し込まれ、原稿有りを検知することになる。以下に、この突出部5の動作と原稿検知との関係について簡単に説明する。
【0067】
図4(a)に示すように、原稿のない状態では、突出部5は、原稿載置面2から突出するように設けられている。この場合、遮光リブ22がフォトセンサ21を遮ることとなり、原稿無しを検知する。一方、原稿が原稿載置面2に挿入し載置された場合、原稿により突出部5が原稿載置面2内に押し込まれる。この場合、遮光リブ22はフォトセンサ21を遮らず、原稿有りを検知する。
【0068】
また、図7(a)(b)に、可動検出部25における突出部5の形状の他の一例を模式的に表す図を示す。この図7に示すように、略三角形の形状である突出部5に存在する斜面5a、5bの両方を緩やかに形成することも可能である。このように回転支点24と反対側の斜面5aを緩やかに形成することにより、図7(a)(b)に示すように、例えば、原稿トレイ11に対して、原稿が回転支点24と反対側から挿入し載置される場合でも、原稿と突出部5の斜面5aとが接触し、突出部5は確実に原稿載置面2内部に押し込まれる。したがって、原稿トレイ11に対して、原稿が回転支点24と反対側から挿入し載置される場合でも、確実に原稿を検知することができる。なお、突出部5の側面5cに原稿が接触した場合、突出部5は原稿載置面2内部に押し込まれることはない。さらに、突出部5の斜面5a、5bとを接している頂点部分に原稿が接触した場合も、突出部5は原稿載置面2内部に押し込まれることはいうまでもない。
【0069】
また、突出部5の形状は、上述した略三角形に限られるのものではなく、原稿または用紙と接触することにより原稿載置面2内部に押し込まれる形状であればよく、例えば、半円形であってもよい。さらに、突出部5は、直線で構成される多面体である必要はなく、緩やかな曲線で形成された形状であればよく、例えば、緩やかな曲線で構成された略三角形の形状であってもよい。
【0070】
また、突出部5は、図1、図2(a)(b)に示すように、原稿搬送方向(図2(a)中の矢印Y方向)に対して略平行にならないように、かつ略垂直にならないように設けられている。すなわち、図2(a)、図7(a)に示すように、突出部5の有する斜面5a、5bと原稿載置面2とがそれぞれ略接する領域(点)を5a’、5b’とすると、上記領域(点)5a’と5b’とを結んだ直線の方向(すなわち、突出部5の長手方向)が、原稿搬送方向に対して略平行とならず、かつ略垂直とならないように設けられている。なお、本実施の形態における突出部5の設置角度Aは20度である(図2(a)参照)。
【0071】
これにより、例えば、原稿搬送方向に垂直な方向(図2(a)中の矢印X方向)から原稿を挿入し載置した場合、あるいは、原稿搬送方向(図2(a)中の矢印Y方向)から原稿を挿入し載置した場合でも、原稿は突出部5の側面5cに衝突することなく、斜面5b(または図7の構成であれば、斜面5aまたは5b)と接触することになり、突出部5は原稿によって確実に原稿載置面2内部に押し込まれる。これによって、原稿や原稿検知センサ20の破損が回避できるとともに、確実に原稿を検知することができる。
【0072】
以下に、突出部5の設置角度Aの設定について説明する。図10(a)は、原稿を原稿載置面2に平行な方向(図10(a)中の矢印Q方向)から手で挿入した場合に、突出部5に発生する力を力学的に示している図である。
【0073】
図10(a)に示すように、原稿から突出部5に加わる力Fは、分力F1とF2となる。分力F1は、突出部5を回転移動させる力となる。また、分力F2によって、原稿が突出部5と接触しながら滑り、突出部5を原稿載置面2内部に押し込むことになる。この滑りが生じる条件は、下記の数式(1)の通りである。
【0074】
【数1】
Figure 0004112390
【0075】
ここで、突出部5の斜面5bの傾斜角Bを小さくすれば、F2/F1が大きくなる。ところで、突出部5を回転させる力F1は、可動検出部25に備えられる重り23を適切に設定すれば、小さな力で回転可能にできる。
【0076】
また、図10(b)は、原稿を原稿載置面2に対して平行で、かつ原稿搬送方向(図10(b)中の矢印Y方向)に対して垂直な方向(図10(b)中の矢印X方向)から手で挿入した場合に、突出部5に発生する力を力学的に示している図である。なお、突出部5の設置角度をAとする。
【0077】
この場合、図10(b)に示すように、原稿から突出部5に加わる力Fpは、分力FaとFbとなる。分力Faは、突出部5を側面から押付ける力となる。また、分力Fbによって、原稿が突出部5と接触しながら滑り、突出部5を原稿載置面2内部に押し込むことになる。この滑りが生じる条件は、下記の数式(2)の通りである。
【0078】
【数2】
Figure 0004112390
【0079】
ここで、Fb/Fa=tanAとなるので、突出部5の方向の角度Aを大きくすれば、Fb/Faが大きくなる。また、上記の角度Aを15度とした実験において、突出部5は機能した。すなわち、角度Aが15度であれば、原稿を原稿載置面2に対して平行で、かつ原稿搬送方向(図10(b)中の矢印Y方向)に対して垂直な方向(図10(b)中の矢印X方向)から手で挿入した場合に、突出部5は原稿によって確実に原稿載置面2内部に押し下げられる。このため、原稿や突出部5が損傷することなく、原稿を確実に検知することができる。なお、角度Aが15度の場合、Fb/Faは0.27となる。(参考:テフロン(登録商標)どうし、またはテフロン(登録商標)と鋼鉄の摩擦係数は、0.04である。)
また、分力Fbについては、突出部5の傾斜面の角度を緩くすれば、小さな力で検出可能にできる。(参照:上記、図10(a)の説明。)
また、図10(c)は、原稿を原稿載置面2に対して平行で、かつ原稿搬送方向(図10(c)中矢印Y方向)に対して平行な方向(図10(c)中矢印S方向)から手で挿入した場合に、突出部5に発生する力を力学的に示している図である。ここでも、突出部5の設置角度をAとする。
【0080】
この場合、図10(c)に示すように、原稿から突出部5に加わる力Fpは、分力FcとFdとなる。分力Fcは、突出部5を側面から押付ける力となる。また、分力Fdによって、原稿が突出部5と接触しながら滑り、突出部5を原稿載置面2内部に押し込むことになる。この滑りが生じる条件は、下記数式(3)の通りである。
【0081】
【数3】
Figure 0004112390
【0082】
ここで、Fd/Fc=1/tanAとなるので、突出部5の設置角度Aを小さくすれば、Fd/Fcが大きくなる。
【0083】
以下に、突出部5の設置角度Aがどの範囲であれば、原稿を原稿載置面2に対して平行で、かつ原稿搬送方向(図10(b)中の矢印Y方向)に対して垂直な方向(図10(b)中の矢印X方向)から手で挿入した場合、および原稿を原稿載置面2に対して平行で、かつ原稿搬送方向(図10(c)中矢印Y方向)に対して平行な方向(図10(c)中矢印S方向)から手で挿入した場合に、突出部5が適切に機能するか否かを調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0084】
【表1】
Figure 0004112390
【0085】
なお、このときの実験条件は、用紙サイズ:A4、用紙枚数:2枚、64g/m2、突出部5の材質:ABSである。また、表中の○は良好、×は不良を表している。
【0086】
上記表1の結果から、原稿搬送方向に対し、原稿検知センサ20の可動検出部25における突出部5の設置角度を、15度〜75度とすることが好ましいことがわかる。これは、設置角度Aが小さすぎると、原稿搬送方向に垂直な方向(本体の手前側など)から、原稿を原稿検知センサ20に当てたとき、原稿検知センサ20の突出部5を押し下げる力が弱くなるためである。一方、設置角度Aが大きすぎると、原稿搬送方向(原稿が本体の左右方向など)から、原稿を原稿検知センサ20に当てたとき、原稿検知センサ20における突出部5を押し下げる力が弱くなるためであると考えられる。
【0087】
また、図2(a)(b)に示すように、原稿検知センサ20の可動検出部25における突出部5を、原稿ガイド3における最小定型サイズ幅の範囲内に配置することが好ましい。すなわち、一対の原稿ガイド3が最小サイズ時の位置にある場合、その一対の原稿ガイド3の間に可動検出部25を設けることが好ましい。これにより、確実に最小定型サイズ幅の原稿の有無や原稿サイズを検知可能になる。なお、上記最小定型サイズ幅以上の幅の原稿は、原稿ガイド3の設定可能な最大サイズ幅より小さければ、すべて検知可能になることはいうまでもない。
【0088】
また、原稿検知センサ20の突出部5を、原稿トレイ11における原稿載置範囲(原稿載置面2)の中央部分から外して設置することが好ましい。例えば、画像形成装置110の正面にユーザーが立って、ユーザーから見て原稿搬送方向が左右方向になる場合、原稿検知センサ20の突出部5を原稿の中央より奥側に配置すれば、原稿の中央または手前を手で持って、原稿トレイ11に原稿を挿入し載置する場合でも、ユーザーの手と突出部5とがぶつかりにくくなる。したがって、ユーザーがケガすることを防止できる。
【0089】
また、浮き上がり原稿への対策について図5を用いて、以下に説明する。図5は、浮き上がり原稿への対策について模式的に説明した図である。図5に示すように、原稿の折れ等により、原稿に浮き上がり部分が生じると、原稿が突出部5と接触せず、原稿検知センサ20に検出されない場合がある。この対策として、原稿検知センサ20の突出部5の検知部を高くする(図5中の点線部分)方法があるが、この場合、より一層、突出部5の側面5cと原稿とが接触する可能性が高くなる。すなわち、より一層、突出部5の側面5cと原稿とが衝突し、突出部5が適切に機能できず、突出部5または原稿が損傷する可能性が高くなる。しかし、かかる場合でも、本実施の形態にかかる構成を用いることによって、上記の問題を回避できる。すなわち、突出部5の側面5cと原稿との衝突によって、突出部5または原稿に損傷が発生することを防止できる。また、本発明を利用すれば、従来よりも突出部5を高く設けることもできる。突出部5を高く設定しても、突出部5または原稿に損傷が発生することを防止できるためである。
【0090】
〔実施の形態2〕
本発明の用紙トレイに関する他の実施形態について、図8、図9、図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0091】
図9(a)は、用紙トレイに設けられる原稿検知センサの他の実施形態を模式的に示す図であり、図9(b)は、(a)の断面図である。また、図9(c)(d)は、図9(a)の原稿検知センサに原稿があたった場合の様子を模式的に示した図である。
【0092】
図9(a)に示すように、本実施の形態に示す原稿検知センサ20は、原稿トレイ11上に、原稿載置面2に対して水平方向に回転可能に設置されている。具体的には、原稿検知センサ20は、回転する回転円板26と、回転円板26に対して略垂直に、回転円板26から突出している突出部5とを備えている。突出部5は、回転円板26の回転中心から離れて設けられている。
【0093】
なお、本実施の形態では突出部5は、その長手方向が回転円板26の直径方向と平行になるように設けられているが、特にこれに限られるものではなく、例えば、回転円板26の直径方向に対し傾けて設けられていてもよい。
【0094】
また、図9(c)に示すように、原稿載置面2内方向からの原稿の挿入し載置により、原稿が突出部5に当たり、突出部5が押され、原稿検知センサ20が原稿載置面2上で回転する。そして、原稿挿入方向に突出部5の方向が近づき、効率よく押し下げられる。
【0095】
すなわち、例えば、図9(c)に示すように、挿入された原稿が、突出部5の側面5cに衝突する場合、通常、突出部5は適切に機能せず、突出部5は原稿によって原稿載置面2内部に押し込まれることはない。しかし、本実施の形態にかかる原稿検知センサ20によれば、挿入された原稿が、突出部5の側面5cに衝突する場合、突出部5は原稿に押されて、回転円板26が原稿載置面2上で水平に回転することになる(図9(d)参照)。そして、回転円板26が回転し、原稿が突出部5の斜面(5aまたは5b)と接触すると、原稿によって突出部5は原稿載置面2内部(回転円板26内部)に押し込まれる。したがって、原稿が原稿検知センサ20の突出部5の側面5cと衝突する場合でも、原稿または突出部5に損傷が発生することを防止することができるとともに、確実に原稿を検知することができる。
【0096】
なお、回転円板26の回転をなめらかにするため、回転円板26の下側の回転軸(回転中心)付近に、軸受け(不図示)を設けてもよい。
【0097】
また、突出部5を原稿載置面2上で所定方向(所定の位置)に復帰するように設定することが好ましい。すなわち、原稿検知センサ20における突出部5は、原稿と接触していないとき、所定の方向を向くように設定されていることが好ましい。
【0098】
具体的には、例えば、原稿載置面2が傾斜している場合、原稿検知センサ20における回転円板26に重りを付け、重りをつけた方が下側に向くことを利用し、所定方向に向かせる方法を用いることができるが、この方法に限定されるわけではない。また、重りのほかに、突出部5の位置を所定の位置に戻すための手段としては、例えば、バネ等の弾性体、またはモータ等を利用することが可能である。
【0099】
これにより、ユーザーがケガすることを回避することができる。すなわち、例えば、原稿の載置により、突出部5がユーザーから見て手前側に来ており、突出部5がそのままの状態で、再び原稿が載置される場合は、ユーザーの手が突出部5とぶつかりやすくなるという問題があるが、上記の構成によれば、この問題を回避することができる。
【0100】
また、図8(a)に、用紙トレイに設けられる原稿検知センサの他の実施形態を模式的に示す。図8(b)は、図8(a)の断面図である。この図8(a)(b)に示すように、原稿載置面2上に、原稿載置面2に対して水平方向に回転可能に設けられている回転円板26に、突出部5を設置することにより、原稿検知センサ20の突出部5の方向を手で設定できるようになる。これにより、原稿検知センサ20の突出部5の設置方向をユーザーが適宜、手動設定できる。
【0101】
また、例えば、バネ等の弾性部材(不図示)を用い、原稿検知センサ20の突出部5を、上下に動くようすることもできる。
【0102】
また、図11は、用紙検知センサ35を設けた手差し給紙トレイ30を示す図である。図11に示すように、手差し給紙トレイ30は、用紙載置面32、給紙ガイド33、用紙検知センサ35を備えている。なお、用紙載置面32は上述の原稿載置面2と、給紙ガイド33は上述の原稿ガイド3と、用紙検知センサ35は上述の原稿検知センサ20と同様の構成である。すなわち、ここまで原稿検知センサ20を設けた原稿トレイ11について説明してきた動作、作用、効果は、用紙検知センサ35を設けた手差し給紙トレイ30についても適用できる。すなわち、用紙を手差し給紙トレイ30に、給紙搬送方向に垂直な方向から挿入し載置する場合、あるいは、給紙搬送方向から挿入し載置する場合でも、用紙検知センサ35の破損、あるいは、用紙の損傷を防止することができる。また、用紙検知センサ35が確実に機能するため、確実に用紙を検知することができる。さらに、用紙検知センサ35を、用紙載置面32に対して水平に回転可能に設ける場合も、上記原稿トレイ11の場合と同様に、例えば、用紙を手に持って手差し給紙トレイ30に対して挿入する場合、用紙検知センサ35は回転することになるため、どのような方向から用紙の挿入(載置)が行われる場合でも、用紙検知センサ35の破損や、用紙の損傷を防止することができる。
【0103】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0104】
【発明の効果】
本発明の用紙トレイは、以上のように、原稿または用紙を載置するための用紙載置面と、原稿または用紙を検知するために、上記用紙載置面に設けられている検知部とを備えており、上記検知部は、上記用紙載置面に対して略垂直に突出している突出部を有する可動検出部を備えている接触式の検知センサであり、上記可動検出部における突出部は、その設置方向が、原稿または用紙搬送方向に対して、略平行とならず、かつ略垂直とならないように、上記用紙載置面に設けられているという構成である。
【0105】
それゆえ、本発明にかかる用紙トレイに原稿等を、例えば、原稿等の搬送方向に垂直な方向から挿入し載置する場合、あるいは、原稿等の搬送方向から挿入し載置する場合でも、検知部における突出部の破損、あるいは、原稿等の損傷を防止することができるという効果を奏する。また、上記突出部が確実に機能するため、確実に原稿等を検知することができるという効果も奏する。
【0106】
また、本発明の用紙トレイは、以上のように、原稿または用紙を載置するための用紙載置面と、原稿または用紙を検知するために、上記用紙載置面に設けられている検知部とを備えており、上記検知部は、上記用紙載置面に対して略垂直に突出している突出部を有する可動検出部を備えている接触式の検知センサであるとともに、上記可動検出部における突出部は、上記用紙載置面に、用紙載置面に対して水平方向に回転可能に設けられているという構成である。
【0107】
それゆえ、例えば、原稿等を手に持って用紙トレイに対して挿入する場合、検知部は回転することになるため、どのような方向から原稿等の挿入(載置)が行われる場合でも、検知部における突出部の破損や、原稿等の損傷を防止することができるという効果を奏する。また、上記突出部が確実に機能するため、確実に原稿等を検知することができるという効果を奏する。
【0108】
また、本発明の用紙トレイは、自動原稿送り装置、および画像形成装置に利用することも可能である。それゆえ、検知部における突出部または原稿等が損傷することがないとともに、確実に原稿等を検知できる自動原稿送り装置、および画像形成装置を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の一形態に係る原稿トレイの構造を模式的に示す斜視図である。
【図2】(a)は、本実施の一形態に係る原稿トレイの構造を上から見た図であり、(b)は、(a)を矢印Z方向から見た図である。
【図3】本実施の一形態に係る自動原稿送り装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)(b)は、本実施の一形態にかかる原稿検知センサの構成例とその動作を模式的に示す図である。
【図5】浮き上がり原稿への対策について模式的に説明した図である。
【図6】本実施の一形態に係る画像形成装置の構造を模式的に示す図である。
【図7】(a)(b)は、本実施の一形態にかかる可動検出部における突出部の形状の他の一例を模式的に表す図である。
【図8】(a)は、用紙トレイに設けられる原稿検知センサの他の実施形態を模式的に示すずであり、(b)は、(a)の断面図である。
【図9】(a)は、用紙トレイに設けられる原稿検知センサの他の実施形態を模式的に示す図であり、(b)は、(a)の断面図であり、(c)(d)は、(a)の原稿検知センサに原稿があたった場合の様子を模式的に示した図である。
【図10】(a)は、原稿を原稿載置面に平行な方向から手で挿入した場合に、突出部に発生する力を力学的に示している図であり、(b)は、原稿を原稿載置面に対して平行で、かつ原稿搬送方向に対して垂直な方向から手で挿入した場合に、突出部に発生する力を力学的に示している図であり、(c)は、原稿を原稿載置面に対して平行で、かつ原稿搬送方向に対して平行な方向から手で挿入した場合に、突出部に発生する力を力学的に示している図である。
【図11】本実施の一形態にかかる用紙検知センサを設けた手差し給紙トレイを示す図である。
【図12】(a)は従来のデジタル複写機に設けられる原稿トレイを上から見た図であり、(b)は(a)の斜視図である。
【符号の説明】
2 原稿載置面(用紙載置面)
5 突出部
5a 突出部の斜面
5b 突出部の斜面
5c 突出部の側面
10 自動原稿送り装置
11 原稿トレイ(用紙トレイ)
20 原稿検知センサ(検知部)
25 可動検出部
30 給紙トレイ(用紙トレイ)
32 用紙載置面
35 用紙検知センサ(検知部)
110 画像形成装置

Claims (10)

  1. 原稿読み取り部に原稿を搬送する自動原稿送り装置、または画像形成部に用紙を給紙する給紙装置に設けられる用紙トレイにおいて、
    上記用紙トレイは、原稿または用紙を載置するための用紙載置面と、原稿または用紙を検知するために、上記用紙載置面に設けられている検知部とを備えており、
    上記検知部は、上記用紙載置面に対して略垂直に突出している突出部を有する可動検出部を備えている接触式の検知センサであるとともに、
    上記可動検出部における突出部は、上記用紙載置面に、用紙載置面に対して水平方向に回転可能に設けられていることを特徴とする用紙トレイ。
  2. 上記可動検出部における突出部は、その設置方向が、原稿または用紙搬送方向に対して、略平行とならず、かつ略垂直とならないように、上記用紙載置面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の用紙トレイ。
  3. 上記可動検出部における突出部は、その設置方向が、原稿または用紙搬送方向に対して、15度〜75度の角度の範囲になるように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の用紙トレイ。
  4. 上記可動検出部における突出部の形状は、略三角形であることを特徴とする請求項1または2に記載の用紙トレイ。
  5. 上記略三角形である突出部における斜面の傾斜が、緩やかに形成されていることを特徴とする請求項4に記載の用紙トレイ。
  6. 上記可動検出部における突出部のうち少なくとも1つは、上記用紙載置面における、定型サイズの用紙の最小幅の範囲内に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の用紙トレイ。
  7. 上記可動検出部における突出部は、上記用紙載置面の中央部分から外して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の用紙トレイ。
  8. 上記可動検出部における突出部の設置方向は、原稿または用紙と接触していないとき、所定の方向を向くように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の用紙トレイ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の用紙トレイを備えていることを特徴とする自動原稿送り装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の用紙トレイを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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