JP4112142B2 - 伸縮継手装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震および地盤の不同沈下などによる各建物間の相対的変位を許容し、各建物の床間の空隙を塞ぐ伸縮継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的な従来の技術は、特開平9ー4198号公報に示されている。この従来の技術では、相互に空隙をあけて隣接する2つの建物の各床間にわたって複数のバー部材が設けられる。各バー部材の長手方向一端部は、一方の床上にボルトによってそのボルトの軸線まわりに角変位可能に連結される。また各バー部材の長手方向他端部は、合成ゴムまたは軟質合成樹脂などの弾性材から成る間隔保持体を挟んで相互に間隔をあけてワイヤを挿通して結束された状態で、他方の床上に移動可能に載置され、さらに長手方向両端部間の中央部もまた、上記の長手方向他端部と同様な間隔保持体を挟んだ状態でワイヤによって結束されている。このような各バー部材は、長手方向両端部が各床の床面上に乗載された状態で支持されているため、前記長手方向両端部には、相互に離反するにつれて下方に傾斜する傾斜面が形成されている。このような伸縮継手装置によって、各建物が相対的に近接および離反する方向の変位を許容し、各建物間の空隙を塞ぐことができるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の伸縮継手装置では、各床間にわたって設けられる複数のバー部材は、各床の床面上に長手方向両端部が乗載されるので、一方の建物から他方の建物へ移動する通行者が各床面よりも突出した各バー部材につまずきやすく、歩行の妨げになるおそれがある。特に、病院においては、患者搬送用ベッドおよび医療機器を搭載した台車などの移動に際して、上記のように各バー部材が各床面から突出していると、その突出量がたとえ2〜3mmと僅かであっても、前記患者搬送用ベッドによって搬送中の患者に衝撃を与えるという不具合が生じる。また前記医療機器を搭載した台車を前記各床面から突出した各バー部材上を不用意に通過させると、前記台車上の医療機器に衝撃力が作用して故障するおそれがある。このように各床面に対して段差があると、その段差が僅かであっても通行時に不具合が生じ、段差のない伸縮継手装置が従来から所望されている。
【0004】
本発明の目的は、隣接する建物の各床面間を、各床面に対して段差を生じることなく各建物間の相対的変位を許容し、かつ各建物間の空隙を塞ぐことができるようにした伸縮継手装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、空隙をあけて隣接する2つの建物の各床に、縁材が平行にそれぞれ固定され、
各縁材には、各縁材と交差する方向に傾斜して配置され、長手方向一端部は一方の縁材に移動可能にかつ角変位可能に支持され、長手方向他端部は他方の縁材に角変位可能に支持されるリンク手段が設けられ、
前記リンク手段には、各縁材間にわたって各縁材と平行に、かつ相互に隙間をあけて櫛歯状に配置される複数の踏桟が、前記リンク手段に対して回動可能に支持され、
各踏桟の上面は、各床の床面とほぼ同一平面を成すことを特徴とする伸縮継手装置である。
【0006】
本発明に従えば、隣接する2つの建物間には空隙が存在し、各建物の各床には縁材が平行にそれぞれ固定される。各縁材には、各縁材と交差する方向に傾斜してリンク手段が設けられる。このリンク手段の長手方向一端部は、一方の縁材に移動可能にかつ角変位可能に支持される。またリンク手段の長手方向他端部は、他方の縁材に角変位可能に支持される。このようなリンク手段には、各縁材と平行に、かつ相互に隙間をあけて櫛歯状に配置される複数の踏桟が各縁材間にわたって回動可能に支持される。こうして各縁材に設置された各踏桟の上面は、各床の床面とほぼ同一平面を成す。したがって各床面に対して段差が生じることなしに、各建物が相互に近接および離反する方向に変位しても、各踏桟は、リンク手段によって各踏桟間の各間隔を一様に減少させかつ増加させて、相互に近接および離反する方向に伸縮変位して、前記各建物間の相対的変位を許容し、かつ前記空隙を確実に塞ぐことができる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、前記リンク手段は、前記複数の踏桟を支持するリンク部材と、このリンク部材を支持する補強部材とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に従えば、前記リンク手段は、前記複数の踏桟を支持するリンク部材と、このリンク部材を支持する補強部材とを有するので、前記リンク部材と補強部材とを分離可能として、各床間の空隙内の掃除および落下物を回収するためなどの空隙を開放する必要が生じた際に、前記補強部材は各縁材に設置したままとし、リンク部材および各踏桟だけを持ち上げて、前記空隙を開放し、掃除または落下物の回収が終了した後に、前記リンク部材および各踏桟を各縁材および補強部材上に設置すればよいので、上げ下ろし作業の労力が少なくて済み、容易に空隙内の掃除および落下物の回収などの作業を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の伸縮継手装置1を示す断面図であり、図2は伸縮継手装置1の平面図である。本実施の形態の伸縮継手装置1は、空隙2をあけて隣接する2つの建物3a,3bの各床4a,4bに固定される一対の縁材5a,5bと、各縁材5a,5bに、各縁材5a,5bと交差する方向に傾斜して設けられ、長手方向一端部6a,7aは、一方の縁材5aに矢符A1,A2方向に移動可能にかつ矢符B1,B2方向に角変位可能に支持され、長手方向他端部6b,7bは、他方の縁材5bに矢符C1,C2方向に角変位可能に支持されるリンク手段8と、前記リンク手段8上に支持され、各縁材5a,5b間にわたって各縁材5a,5bと平行に、かつ相互に隙間ΔLをあけて櫛歯状に配置される複数の踏桟9とを含む。
【0010】
上記の各床4a,4bは、水平な幅方向(図1の左右方向)に間隔L1をあけて相互に対向する鉛直な各対向壁面24a,24bを有し、各対向壁面24a,24b間には、前記空隙2が介在される。前記間隔L1は、たとえば100〜500mm程度である。各建物3a,3bは、急激な地震および地盤の不同沈下などによって相互に近接および離反する方向に変位し、この変位を許容し、かつ空隙2を塞いだ状態を維持して隙間が発生しないように、各床4a,4b間にわたって本実施の形態の伸縮継手装置1が設けられる。
【0011】
前記一方の縁材5aは、その長手方向(図1の紙面に垂直方向)に垂直な断面形状が逆L字状の見切部材10aと、長手方向に垂直な断面形状が略U字状の支持部材11aと、長手方向に垂直な断面形状が前記支持部材11aよりも幅が小さい略U字状の案内部材12aとを有する。前記見切部材10aは、側壁部分13aと、上カバー部分14aとを有する。前記支持部材11aは、底板部分15aと、外側の立上がり部分16aと、内側の立上がり部分17aとを有する。また前記案内部材12aは、底板部分18aと、外側の立上がり部分19aと、内側の立上がり部分20aとを有する。
【0012】
前記見切部材10aは、支持部材11aにビス22aによって固定される。前記支持部材11aは、図示しないアンカーボルトによって床4aの水平な取付面23aに固定される。前記案内部材12aは、前記支持部材11aの底板部分18aに溶接して固定される。
【0013】
このような一方の縁材5aの見切部材10aおよび支持部材11aは、ステンレス鋼から成る成型材によって実現され、前記案内部材12aは、ステンレス鋼から成る成型形材によって実現される。また他方の縁材5bは、各床4a,4b間の中央の仮想一鉛直面21に関して、上記一方の縁材5aと対称に構成され、対応する部分には同一の数字に添字bを付し、重複を避けて説明は省略する。
【0014】
各縁材5a,5b上には、前述したように、各縁材5a,5bの図1の紙面に垂直な長手方向に対して交差する方向に角度θを成して傾斜して支持されるリンク手段8と、前記リンク手段8上に支持される複数の踏桟9とが設けられる。前記角度θは、30°〜60°に選ばれ、好ましくは45°程度に選ばれる。リンク手段8は、本実施の形態では、平行に配置される上記の2本のリンクアーム8J,8Kから成り、これらのリンクアーム8J,8Kは、後述するリンク部材41と、補助部材42とを含み、同様な構成を有する。
【0015】
各踏桟9は、各縁材5a,5b間にわたって各縁材5a,5bと平行に、かつ相互に隙間ΔL1をあけて櫛歯状に配置され、長手方向に垂直な断面形状は、図1の左右方向の厚みT1は4mmであり、図1の上下方向の高さHは11mmである。また図1の左右方向である幅方向一端部に配置される踏桟9aと、一方の縁材5aとの間、および幅方向他端部に配置される踏桟9vと、他方の縁材5bとの間は、各踏桟9間と同様な隙間ΔL1をあけて離間している。
【0016】
このような踏桟9は、ステンレス鋼から成るフラットバーによって実現される。各踏桟9の上面25は、各床4a,4bの床面26a,26bおよび各縁材5a,5bの上面27a,27bとほぼ同一平面を成し、各床面26a,26b間で段差が生じない連続した床表面を形成しているので、車椅子および患者搬送用ベッドなどが通過したときに衝撃が生じない。
【0017】
前記隙間ΔL1は、各建物3a,3bが相対的に近接および離反する方向に変位していない設置当初の状態で、たとえば4mmに設定されている。このような各踏桟9と上記の各リンクアーム8J,8Kとによって、複数の平行四辺形リンクを構成する。これらのリンクアーム8J,8Kは、後述するように、リンク部材41と補助部材42とを有する。
【0018】
図3は、踏桟9の具体的構成を示す側面図である。前述した各踏桟9は、一定の長さL2を有し、長手方向一端部31aの端面32aから長手方向他端部31bに向かって距離LJ1〜LJ22の各位置には、一方のリンクアーム8Jとの連結用のピン33J1〜33J22がそれぞれ設けられ、長手方向他端部31bの端面32bから長手方向一端部31aに向かって距離LK1〜LK22の各位置には、ピン33K1〜33K22それぞれ設けられる。このように各踏桟9には、一対のピン33J1,33K1;…;33J22,33K22(総称する場合には、ピン33J,33Kと記す)がそれぞれ設けられ、各一対のピン33J,33Kは、各踏桟9の下面34から垂直に突出し、相互に平行な軸線を有する。
【0019】
図4は、リンク部材41の平面図である。前述の各リンクアーム8J,8Kは、リンク部材41と、このリンク部材41が上面に固定される補強部材42とをそれぞれ有する。リンク部材41には、その長手方向両端部間にわたって複数のピン孔43a〜43vが長手方向に相互に等間隔ΔL2をあけて形成される。この間隔ΔL2は、たとえば12.5mmに選ばれる。リンク部材41は、ステンレス鋼から成り、長さL3が約270mm、幅Wが30mm、厚みT3(図1を参照)が5mmの板材である。このようなリンク部材41は、長手方向両端部に設けられる上記の各ピン孔43a,43vよりも相互に近接する1つ内側のピン孔43b,43uの軸線50,53が、前述したリンクアーム8J,8Kの矢符B1,B2方向および矢符C1,C2方向の角変位中心とされる。
【0020】
図5は、補強部材42の側面図であり、図6は補強部材42を図5の上方から見た平面図である。前記補強部材42は、ステンレス鋼から成り、長手方向両端部45a,45bには、前記リンク部材41の角変位中心に形成される各ピン孔43b,43uの各軸線50,53と同軸に軸孔44a,44bが形成される。補強部材42の長手方向両端部45a,45b付近には、長手方向両端部寄り(本実施の形態では、前記リンク部材41の長手方向両端部のピン孔43a,43vから内側に5つ目の各ピン嵌合孔43e,43r(図4を参照)に対応する位置)にピン孔46a,46bがそれぞれ形成される。
【0021】
前記補強部材42の長手方向一端部45aの軸孔44aには、前記回転軸線50まわりに回転自在な直円柱状の案内ローラ54と、この案内ローラ54の下に同軸に配置される球状の案内ボール55とを保持する保持具70の軸71が嵌着される。前記案内ローラ54は、一方の縁材5aの案内部材12aに、この案内部材12aの長手方向に移動可能に嵌まり込んで案内され、案内部材12aに沿って直線移動することができる。案内ローラ54の外径は、前記案内部材12aの各立上がり部分19a,20aの相互に対向する各内面間の間隔よりも僅かに小さく選ばれており、各建物3a,3bが地震または地盤の不同沈下などによって相対的に近接し、または離反したとき、各立上がり部分19a,20aのいずれか一方に摺動して円滑に、一直線方向に案内され、各リンクアーム8J,8Kへの衝撃が緩和される。
【0022】
また前記案内ボール55は、球状であるため、案内部材12aの底板部分18a上に点接触またはそれに近い微小な面積で接触し、各リンクアーム8J,8Kの長手方向一端部6a,7aを、前記案内部材12aに沿って矢符A1,A2方向に円滑に移動可能に支持することができる。すなわち案内ボール55が用いられるので、案内部材12aの底板部分18aに対するころがり摩擦が少なくて済み、前記案内部材12aに沿って容易にかつ円滑に移動することができる。このような案内ローラ54による直線性および案内ボール55による移動容易性によって、各リンクアーム8J,8Kの長手方向一端部を円滑に前記案内部分12aに沿って案内することができる。
【0023】
前記補強部材42の長手方向他端部45bには、合成樹脂から成る環状の座板47を挟んで直方体状の金属製嵌合片48がリベット49によって回転軸線53まわりに回転可能に連結される。前記リベット49の軸線方向両端部は、前記補強部材42の長手方向一端部45aの上面よりも凹んだ上部凹所51および嵌合片48の下面よりも凹んだ下部凹所52内でかしめられ、このリベット49に前記嵌合片48が軸線53まわりに回転可能に設けられている。このような嵌合片48によって、他方の縁材5bの案内部材12b内に嵌着され、各リンクアーム8J,8Kの長手方向他端部6b,7bが、前記他方の縁材5bの一定の位置で前記軸線53まわりに矢符C1,C2方向に角変位可能に保持されている。
【0024】
図7は、各踏桟9とリンク部材41との取付状態を示す一部の拡大断面図である。前述した各踏桟9を個別に示す場合には、同一の数字「9」に添字a〜vを付して、踏桟9a,9b,…,9u,9vと記す。各踏桟9a〜9vのうち補強部材42の各ピン孔46a,46bが形成される部位に配置される踏桟9e,9r(総称する場合には、踏桟9Bと記す)を除く残余の踏桟9a〜9d,9f〜9q,9s〜9v(総称する場合には、は、踏桟9Aと記す)図3に示されるピン33J1〜33J4,33J6〜33J17,33J19〜33J22;33K1〜33K4,33K6〜33K17,33K19〜33K22(総称する場合には、ピン33Aと記す)によって、リンク部材41に回動可能に連結される。
【0025】
これらのピン33Aは、各踏桟9Aのピン孔56に回動可能に嵌まり込む第1嵌合部57aと、第1嵌合部57aに同軸に連なり、第1嵌合部57aよりも大径の第2嵌合部57bと、第2嵌合部57bに同軸に連なり、第1嵌合部57aと同一径の第3嵌合部57cとを有する。第1嵌合部57aの第2嵌合部57bに連なる基端部には環状溝70が形成され、この環状溝70に各踏桟9Aのピン孔56の開口端をかしめることによって突部71を設け、各ピン33Aを各踏桟9Aに回動可能に抜止めしている。
【0026】
リンク部材41には、前記第2嵌合部57bが嵌まり込む第1嵌合孔58aと、第1嵌合孔58aに同軸に連なり、直円筒状の抜止リング59が圧入される第2嵌合孔58bとが形成される。この抜止リング59の外周面は、ローレット加工などによって粗面状とされ、第2嵌合孔58bに圧入状態で抜止めされる。抜止リング59には、前記第3嵌合部57cが圧入状態で嵌着されて抜止めされる。このようにして各踏桟9Aは、リンク部材41および各ピン33Aに対して抜止めされた状態で各ピン33Aの軸線まわりに回動可能に連結される。前記抜止リング59は、第3嵌合部57cに一体的に形成されてもよい。
【0027】
図8は、各踏桟9Bとリンク部材41と補強部材42との取付状態を示す一部の拡大断面図である。各踏桟9Bには、上記と同様なピン孔56が形成される。またリンク部材41には、上記と同様な第1および第2嵌合孔58a,58bが形成される。ピン33Bは、上記の第1〜第3嵌合部57a〜57cに加えて、前記第3嵌合部57cに同軸に連なる同一径の第4嵌合部57dを有する。この第4嵌合部57dは、補強部材42に形成される嵌合孔60にピン33Bの軸線まわりに回動可能に嵌着される。第1嵌合部57aの第2嵌合部に連なる基端部には、前述の各ピン33Aと同様に環状溝72が形成され、この環状溝72に各踏桟9Bのピン孔56の開口端をかしめることによって突部73を設け、各ピン33Aを各踏桟9Bに回動可能に抜止めしている。また抜止リング59の外周面は、ローレット加工などによって粗面状とされ、第2嵌合孔58bに圧入状態で抜止めされる。第4嵌合部57dは、後述するように、各踏桟9A,9Bおよびリンク部材41を掃除などのために補強部材42から分離する場合があるため、嵌合孔60に対して着脱可能である。なお、このピン33Bもまた、上記のピン33Aと同様に、第3嵌合部57cに抜止めリング59が一体的に形成されてもよい。このようなピン33Bによって、踏桟9Bとリンク部材41と補強部材42とが連結される。
【0028】
図9は図2の切断面線IXーIXから見た拡大断面図であり、図10は図2の切断面線XーXから見た拡大断面図である。各縁材5a,5bの各長手方向一端部6a,6b付近には、各縁材5a,5bに近接して配置される少なくともに2本の踏桟9a,9b;9u,9vを円滑に摺動可能に支持する補助支持体61a,61bが固定される。各補助支持体61a,61bは、ステンレス鋼から成る大略的に逆U字状の基台62と、基台62の上面63上にビス64によって固定される、たとえばポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン)製の摺動部材65とを有する。前記摺動部材65は、板状であり、各踏桟9a,9b;9u,9vが前記幅方向に円滑に移動可能に乗載される。このような補助支持体61a,61bによって、上述したリンク部材41および補強部材42によって支持されていない両側の踏桟9a,9b;9u,9vの長手方向両端部近傍を支持し、各踏桟9a,9b;9u,9vが上方からの荷重によって大きく撓んで変形してしまうことが防がれる。
【0029】
以上のような構成によれば、上記リンク手段8には、各縁材5a,5bと平行に、かつ相互に隙間をあけて櫛歯状に配置される複数の踏桟9が各縁材5a,5b間にわたって支持される。こうして各縁材5a,5bに設置された各踏桟9の上面25は、各床4a,4bの床面26a,26bとほぼ同一平面を成す。したがって各床面26a,26bに対して段差が生じることなしに、各建物3a,3bが相互に近接および離反する方向A1,A2に変位しても、各踏桟9は、リンク手段8によって各踏桟9間の各隙間ΔL1(図1を参照)を一様に減少および増加させて、相互に近接および離反する方向に伸縮変位し、前記各建物3a,3b間の相対的変位を許容し、かつ前記空隙2を確実に塞ぐことができる。
【0030】
また前記リンク手段8は、前記複数の踏桟9を支持するリンク部材41と、このリンク部材41を支持する補強部材42とを有し、リンク部材41は補強部材42にピン33Bだけによって着脱可能に連結されるので、前記リンク部材41にすべての踏桟9A,9Bを乗載したままで補強部材42から分離することができる。これによって各床4a,4b間の空隙2内の掃除および落下物を回収するためなどの空隙2を開放する必要が生じた際に、前記補強部材42は各縁材5a,5bに設置したままとし、リンク部材41および各踏桟9だけを持ち上げて、前記空隙2を開放し、掃除または落下物の回収が終了した後に、前記リンク部材41および各踏桟9を各縁材5a,5bおよび補強部材42上に設置すればよいので、上げ下ろし作業の労力が少なくて済み、容易に空隙2内の掃除および落下物の回収などの作業を行うことができる。
【0031】
本発明の実施のさらに他の形態として、前記リンク手段8の各リンクアーム8J,8Kは、上記の構成に限るものではなく、図2の仮想線8J1,8K1で示されるように、各一端部6a,7aが相互に近接し、かつ各他端部6b,7bが相互に離反する大略的に逆V字状に配置されてもよい。
【0032】
本発明の実施のさらに他の形態として、前記リンク部材41と補強部材42とは、一体的に形成されてもよい。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、各縁材に設置された各踏桟は、その上面が各床の床面とほぼ同一平面を成すようにして設けられるので、各床面に対して段差が生じることなしに、各建物が相互に近接および離反する方向に変位しても、各踏桟は、リンク手段によって各踏桟間の間隔が保たれた状態で相互に近接および離反する方向に伸縮変位して、前記各建物間の相対的変位を許容し、かつ前記空隙を確実に塞ぐことができる。
【0034】
請求項2記載の本発明によれば、空隙を開放する必要が生じた際に、前記補強部材は各縁材に設置したままとし、リンク部材および各踏桟だけを持ち上げて、前記空隙を開放し、掃除または落下物の回収が終了した後に、前記リンク部材および各踏桟を各縁材および補強部材上に設置すればよいので、上げ下ろし作業の労力が少なくて済み、容易に空隙内の掃除および落下物の回収などの作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の伸縮継手装置1を示す断面図である。
【図2】伸縮継手装置1の平面図である。
【図3】踏桟9の具体的構成を示す側面図である。
【図4】リンク部材41の平面図である。
【図5】補強部材42の側面図である。
【図6】補強部材42を図5の上方から見た平面図である。
【図7】各踏桟9とリンク部材41との取付状態を示す一部の拡大断面図である。
【図8】各踏桟9Bとリンク部材41と補強部材42との取付状態を示す一部の拡大断面図である。
【図9】図2の切断面線IXーIXから見た拡大断面図である。
【図10】図2の切断面線XーXから見た拡大断面図である。
【符号の説明】
1 伸縮継手装置
2 空隙
3a,3b 建物
4a,4b 床
5a,5b 縁材
8 リンク手段
8J,8K リンクアーム
9 踏桟
10a,10b 見切部材
11a,11b 支持部材
12a,12b 案内部材
33,33a〜33v ピン
41 リンク部材
42 補強部材
43a〜43v ピン孔
54 案内ローラ
55 案内ボール
61 補助支持部材
Claims (2)
- 空隙をあけて隣接する2つの建物の各床に、縁材が平行にそれぞれ固定され、
各縁材には、各縁材と交差する方向に傾斜して配置され、長手方向一端部は一方の縁材に移動可能にかつ角変位可能に支持され、長手方向他端部は他方の縁材に角変位可能に支持されるリンク手段が設けられ、
前記リンク手段には、各縁材間にわたって各縁材と平行に、かつ相互に隙間をあけて櫛歯状に配置される複数の踏桟が、前記リンク手段に対して回動可能に支持され、
各踏桟の上面は、各床の床面とほぼ同一平面を成すことを特徴とする伸縮継手装置。 - 前記リンク手段は、前記複数の踏桟を支持するリンク部材と、このリンク部材を支持する補強部材とを有することを特徴とする請求項1記載の伸縮継手装置。
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JP36966599A JP4112142B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 伸縮継手装置 |
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JP2017203326A (ja) * | 2016-05-13 | 2017-11-16 | ドーエイ外装有限会社 | 天井用目地装置 |
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JP2017203326A (ja) * | 2016-05-13 | 2017-11-16 | ドーエイ外装有限会社 | 天井用目地装置 |
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