JP3727204B2 - 中間免震建物対応エレベータの出入口の構造 - Google Patents

中間免震建物対応エレベータの出入口の構造 Download PDF

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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間免震建物に用いるエレベータの出入口の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
中間免震建物においては、免震機構の上層階と下層階との間で水平方向に約250mmの相対変位が生じ、したがって、エレベータはそれに対応できなければならない。しかし、従来のエレベータでは、エレベータケージを案内するガイドレールがエレベータシャフトに対して固設されており、したがって、上下層階の相対変位に伴ってガイドレールは変形し、その範囲が弾性域を越えて塑性変形を起こし、ガイドローラが外れる恐れがあった。
【0003】
そこで、上層階と下層階とで支持されたガイドレールを、ある程度の自由度を持たせて支持し、その変位に対処することが考えられる。しかし、このようにガイドレールの支持に自由度を持たせると、それに案内されるケージと出入口との間に相対的な位置のずれが生じ、出入りの困難、あるいは出入りの際に危険が生じることとなる。
【0004】
例えば、特開平9−278314号公報には、ガイドレールを滑り支持装置を介して取り付け、ガイドレールが建物の変位に追従しないように動作するエレベータが提案されている。しかし、この技術においては、ガイドレールの変位に伴う出入口の対応に関して配慮されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、中間免震建物に用いるエレベータにおいて、その上下階層のガイドレールの支持方法に自由度を持たせた場合に生じるケージと出入口との間の相対的な位置のずれに対応して出入りの困難、あるいは危険が生じることのない中間免震建物対応エレベータの出入口の構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、中間免震建物に用いるエレベータの出入口の構造において、エレベータシャフト(S)の壁面(12)に長穴(1a)が形成された取り付け部材(1)を固着し、支持部材(5)を構成する一対のアーム(3A、3B)の一端部を前記長穴(1a)に係止し、その他端部をピン(4)でガイドレール(11)に枢着し、外方に付勢されたバネ(23)を内挿し菱形形状のパンタグラフ状の案内アーム(20)の一端を、内扉(15)を有するケージ(13)の側面に固着し、案内アーム(20)の他端に設けたガイドローラ(21)を前記ガイドレール(11)に係合し、建物側の出入口(G)を形成する枠体(30)をエレベータシャフト(S)内を水平方向に変位可能に設け、該枠体(30)を前記ガイドレール(11)に連結部材(32)および連結アーム(33)により連結し、床面プレート(36)の一端部を枠体(30)に固着し、その他端部を建物床面(37)の下側に水平方向に摺動可能に挿入している。
【0007】
したがって、本発明によれば、中間免震建物の免震機構が作用してその免震機構の上下層階間に相対変位が生じた場合に、ガイドレールはブラケットによって水平方向に相対変位が可能であるので緩やかに弾性変形する。そして、そのガイドレールの変形に伴うケージと建物側出入口との相対変位は、外部扉を支持する枠体が連結材によってガイドレールの変位に追従し、また、出入口の床面プレートも連結材で連結されて枠体に追従するので、隙間を生じるようなことはなく、エレベーターの出入りは支障なく行える。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1において、エレベータシャフトSの壁面12にはブラケット10が固着されており、後記するリンク機構を介してその先端部にシャフトS内を上下方向に延びるガイドレール11が水平方向に対して変位可能に支持されている。
【0009】
また、内扉15を有するエレベータケージ13は、その側面に固着された複数の案内アーム20によって前記ガイドレール11に案内され、上下移動可能に設けられている。
【0010】
建物側の出入口Gを形成する枠体30は、エレベータシャフトS内を水平方向に変位可能に設けられており、その内部に外部扉31を支持している。そして、枠体30の両側面にはバネを内挿した菱形状のパンダグラフで構成された連結アーム33(図3参照)の一端が固着され、さらにその連結アーム33はその直角方向に連結材32によってガイドレール11側に接続されている。
【0011】
したがって、枠体30はガイドレール11の変位に追従し、ケージ13の内扉15と対向する枠体30の外部扉31との関係位置は一定に保たれている。
【0012】
また、枠体30に一端部が固着された床面プレート36は、その他端部が建物側床面37の下側に矢印Xで示す水平方向に摺動可能に挿入されており、枠体30の変位に伴う建物側床面と隙間が生じないように構成されている。
【0013】
図2および図3には、ガイドレール11を支持するブラケット10、およびケージ13をガイドレール11に沿って案内する案内アーム20の詳細が示されている。
ブラケット10は、シャフト壁面12に固着された取り付け部材1と、その上面の長穴1aに係止された一対の支持アーム3A、3Bと、その支持アーム3A、3B先端部にピン4で枢着されてガイドレール11を支持する支持部材5とで構成されている。そして、支持アーム3A、3Bは先端ピン枢着部を頂点aとし、取り付け部材係止点b、cを底辺とした三角形状のリンク機構に形成され、一対のバネ8、8によって定位置に保持されており、ガイドレール11の変位Lに対して取り付け部材係止点bc間距離の変化によって対応している。
【0014】
また、一端がケージ13の側面に固着された案内アーム20は、外方に付勢されたバネ23を内挿し、菱形形状のパンダグラフを形成してリンク機構が構成されており、水平方向に少なくともL/2まで変位可能であって、その先端にガイドレール11に沿って案内されるガイドローラ21が設けられている。
【0015】
ガイドレール11およびそれに案内されるケージ13は、上記のように水平方向の相対変位を許容し、建物の免震機構の作用に対応しているが、このようにケージ13が水平方向に変位すれば、建物との相対位置、特に出入口との関係位置がそのままでは変化することになる。
【0016】
図1に戻って、ケージ13が図中に鎖線で示す位置Aに変位した場合に、枠体30および内枠39aは連結材32によって、矢印X方向に対して追従し、その直角方向に対しては、連結アーム33のパンダグラフ機構で対応する。したがって、ケージ13の内扉15と外部扉31との対向位置は変化することはない。また、建物のエレベータホールと枠体30との連結部は、外枠38に沿って内枠30aが移動すると共に床面プレート36が床面37の下面を摺動して枠体30に追従するのでエレベーターの出入りを支障なく行うことができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されており、ガイドレールの相対変位に対して外部扉を支持する枠体がその変位に追従するのでケージと建物との出入口の関係位置は保持され、出入りに支障が生じることがない。したがって、ガイドレールの支持方法に自由度を持たせ、ガイドレールを緩やかに弾性変形させることができ、中間免震建物対応して安全確実に運行できるエレベータを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータ出入口の構造を示す平断面図。
【図2】ケージの案内およびガイドレールの支持機構を示す平面図。
【図3】図2の側面図。
【符号の説明】
10・・・ブラケット
11・・・ガイドレール
12・・・エレベータシャフト壁面
13・・・エレベータケージ
15・・・内扉
20・・・案内アーム
30・・・出入口枠体
31・・・外部扉
32・・・連結材
33・・・連結アーム
36・・・床面プレート

Claims (1)

  1. 中間免震建物に用いるエレベータの出入口の構造において、エレベータシャフト(S)の壁面(12)に長穴(1a)が形成された取り付け部材(1)を固着し、支持部材(5)を構成する一対のアーム(3A、3B)の一端部を前記長穴(1a)に係止し、その他端部をピン(4)でガイドレール(11)に枢着し、外方に付勢されたバネ(23)を内挿し菱形形状のパンタグラフ状の案内アーム(20)の一端を、内扉(15)を有するケージ(13)の側面に固着し、案内アーム(20)の他端に設けたガイドローラ(21)を前記ガイドレール(11)に係合し、建物側の出入口(G)を形成する枠体(30)をエレベータシャフト(S)内を水平方向に変位可能に設け、該枠体(30)を前記ガイドレール(11)に連結部材(32)および連結アーム(33)により連結し、床面プレート(36)の一端部を枠体(30)に固着し、その他端部を建物床面(37)の下側に水平方向に摺動可能に挿入したことを特徴とする中間免震建物のエレベータ出入口の構造。
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