JP4111802B2 - 結合光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は結合光学系に関するものであり、更に詳しくはレーザーダイオードの接合面に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光を、効率良く光ファイバーに結合させるための結合光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザーダイオードから出射したレーザー光を光ファイバーに結合させる手段として、ボールレンズ,非球面レンズ,GRINレンズ等が従来より知られている。例えば、特許文献1では非球面レンズを用いた結合方式、特許文献2ではGRINレンズを用いた結合方式、特許文献3では軸非対称なレンズと軸対称なレンズとを組み合わせた結合方式が提案されている。また特許文献4では、光ファイバーの先端部を加工してアナモルフィックレンズ作用を持たせることにより、楕円モードフィールドを軸回転対称なシングルモード光ファイバーに効率良く結合させる結合方式が提案されている。レーザーダイオードの接合面に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光のビーム整形に関しては、ビーム形状を円形にしてコリメートする光学系が特許文献5,6で提案されている。また特許文献7では、十字型に配置したシリンドリカルレンズでビーム整形を行う光学系が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開1995−159657号公報
【特許文献2】
特開1994−160672号公報
【特許文献3】
米国特許第6026206号明細書
【特許文献4】
特開平8−5865号公報
【特許文献5】
特開平8−304699号公報
【特許文献6】
特開平6−274931号公報
【特許文献7】
米国特許第5973853号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1,2記載の光学系は、軸対称な光学系を用いてレーザーダイオードからの光を光ファイバーに結合させている。通常のレーザーダイオードでは、その接合面に平行な方向の発散角が接合面に垂直な方向の発散角と比較して小さくなってる。それに対応して、レーザーダイオードの発光端面から離れた位置での強度分布(far field pattern)は、接合面に垂直な方向に長い略楕円形を成している。非球面レンズやGRINレンズといった軸対称な光学系で、レーザーダイオードからの出射光を光ファイバー入射端面に結像させると、結像点における強度分布が光学系の結像倍率分だけ拡大されて、接合面に垂直な方向に長い略楕円形となる。
【0005】
一般に、光ファイバーは軸対称であり、そのモード分布は円形である。レーザーダイオードから単モード光ファイバーへの結合効率(つまりレーザー光の利用効率)を考えた場合、結合効率(η)は以下の式(ef)で表される。
η=|∬f・gdXdY|2/[∬f・f*dXdY∬g・g*dXdY] …(ef)
ただし、レーザー光の進行方向をZ軸方向とする直交座標系(X,Y,Z)において、X軸方向はレーザーダイオードの接合面に平行な方向、Y軸方向はレーザーダイオードの接合面に垂直な方向であり、fは光ファイバー入射端面の集光スポットでの複素振幅分布、gは光ファイバーのモード分布であり、添字*が付されたものはそれぞれの複素共役を示している。
【0006】
この式(ef)は重ね合わせ積分と呼ばれ、集光スポットの複素振幅分布と光ファイバーのモード分布とが似ているほど、結合効率(η)が高いことを示している。したがって、特許文献1,2に記載されているように、軸対称光学系を用いて楕円形状の分布を持つレーザーダイオードから円形モード分布を持つ光ファイバーへの結合を行った場合、集光スポットが略楕円形であり光ファイバーのモードが円形であるため、重ね合わせを大きくして結合効率を上げるには限界がある。
【0007】
この問題を解決するために、軸非対称の光学系で集光スポットを略楕円形状から円形に近づけて、結合効率を向上させる方法が知られている。例えば特許文献3で提案されているように、レーザーダイオードと軸対称レンズとの間に軸非対称なレンズを配置すれば、光ファイバー入射端面での集光スポットを円形に近づけることが可能である。また特許文献4で提案されているように、光ファイバーの先端部を加工してアナモルフィックレンズ作用を持たせると、楕円モードフィールドを軸回転対称なシングルモード光ファイバーに効率良く結合させることが可能である。
【0008】
特許文献3記載の光学系では、軸対称レンズに加えてビーム整形用の軸非対称レンズが必要となるので、全体として光学部品が2部品必要となる。したがって、部品コストと各部品の調整コストが共に増加することになり、全体としてコスト高になるという問題がある。また、特許文献4記載の加工方法を採用すれば、他の光学系が必要ないので部品コストを低減することができる。しかし、光ファイバー先端に配置されるレンズの焦点距離が非常に短いので、誤差感度が高いという問題がある。例えば、組み込み時の誤差による結合効率の低下度合いが大きく、また、使用時の温度変化によるレーザーダイオードと光ファイバーとの相対位置誤差のズレによる結合効率の低下度合いが大きく、結果として高い結合効率を確保することは困難である。
【0009】
特許文献7に記載されているように、十字型に配置したシリンドリカルレンズで行うビーム整形は、近軸領域では成立するが、大きなNA(numerical aperture)を持つ光学系の場合には、その発散角が大きいために収差が発生してしまう。したがって、良好な結合効率が得られないという問題がある。この問題を解決するにはアナモルフィック非球面を用いるのが有効であり、アナモルフィック非球面を用いることによって大きなNAにおいても良好な収差補正が可能となる。
【0010】
アナモルフィック光学系を用いた例として、いわゆるビーム整形光学系が知られている。例えば特許文献5,6記載のビーム整形光学系では、レーザーダイオードの接合面に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光を、アナモルフィックレンズを用いてコリメートさせている。レーザーダイオードの接合面に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光を軸対称光学系でコリメートすると、コリメートされたレーザー光の強度分布は、レーザーダイオードの接合面に対して垂直な方向に長い略楕円形となる。これに対し、アナモルフィック光学系を用いたビーム整形光学系を用いれば、上記略楕円形状を円形に近づけることができる。円形に近づいたコリメート光を非球面レンズ等の軸対称光学系で集光して光ファイバーに結合すると、集光スポットが円形に近いため高い結合効率を実現することが可能である。しかしながら、特許文献5,6記載の光学系を用いて結合を行うには、アナモルフィックなコリメート用レンズと軸対称な集光用(結合用)レンズとの2部品が必要になる。このため、調整コスト,部品コストともに増加することになるという問題がある。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、レーザーダイオードの接合面に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光を効率良く、しかも少ない部品点数で光ファイバーに結合させることの可能な結合光学系を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明の結合光学系は、レーザーダイオードの接合面に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光を単一モードファイバーに結合させるための結合光学系において、レーザーダイオードと単一モードファイバーとの間に位置するパワーを持った光学素子が、アナモルフィック非球面を有する1枚のアナモルフィックレンズのみであり、更に以下の条件式(1A'),(1B'),(2),(3"),(4A)及び(4B)を満足し、前記アナモルフィックレンズが以下の条件式 (7) 及び (8) を満足し、以下の条件式(9A)及び(9B)を満足するか、又は条件式(9C)及び(9D)を満足することを特徴とする。
1.5<|MH|<5.0 …(1A')
2.0<|MV|<10.0 …(1B')
1.0<MV/MH<5.0 …(2)
0.4<TL/(MFD×1000)<1.5 …(3")
NAH>0.05 …(4A)
NAV>0.2 …(4B)
P1H < 0 … (7)
P1V < P2V … (8)
|P1H|>0 …(9A)
|P2H|>0 …(9B)
|P1V|>0 …(9C)
|P2V|>0 …(9D)
ただし、
MH:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の結合光学系の結像倍率、
MV:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の結合光学系の結像倍率、
TL:結合光学系の全長(レーザーダイオードの発光端面から単一モードファイバーの入射端面までの距離)、
MFD:使用波長における単一モードファイバーのモード径(1/e振幅の全幅)、
NAH:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
NAV:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
P1H:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の物体側面(光入射側面)の近軸パワー、
P1V:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の物体側面(光入射側面)の近軸パワー、
P2H:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の像側面(光出射側面)の近軸パワー、
P2V:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の像側面(光出射側面)の近軸パワー、
である。
【0013】
第2の発明の結合光学系は、上記第1の発明の構成において、更に以下の条件式を満足することを特徴とする。
NAH > 0.07 … (4A')
NAV > 0.3 … (4B')
ただし、
NAH :レーザーダイオードの接合面に平行な方向の結合光学系の物体側 ( 光入射側 ) の開口数、
NAV :レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の結合光学系の物体側 ( 光入射側 ) の開口数、
である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施した結合光学系を、図面を参照しつつ説明する。図1〜図4に、結合光学系の第1〜第4の実施の形態にそれぞれ対応する光学構成及び光路を示す。図1〜図4において、Dはレーザーダイオード、Jはレーザーダイオード(D)の接合面、Lはアナモルフィックレンズ、Fは光ファイバー、S0はレーザーダイオード(D)の発光端面(物体面)、S1はアナモルフィックレンズ(L)の第1面(物体側面)、S2はアナモルフィックレンズ(L)の第2面(像側面)、S3は光ファイバー(F)の入射端面(結像面)である。また図1〜図4において、(A)は接合面(J)に平行な方向の光学断面を示しており、(B)は接合面(J)に垂直な方向の光学断面を示している。
【0016】
第1〜第4の実施の形態は、レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光を、光ファイバー(F)に結合させるための結合光学系であって、両面にアナモルフィック非球面を有する1枚のアナモルフィックレンズ(L)のみから成っている。ただし、レーザーダイオード(D)と光ファイバー(F)との間には、パワーを持たない光学素子(例えばガラス平板等)を必要に応じて配置してもよい。いずれの実施の形態においても、光学的なパワーを持つ光学部品が単一のアナモルフィックレンズ(L)のみという、最少の部品点数で結合光学系が構成されているため、部品コストや各部品の調整コストが最小になるという効果が得られる。したがって、各実施の形態の結合光学系を用いれば、部品点数が少なく組み立てコストが低い光ファイバー用レーザー発光部を構成することができる。これに対し、2部品以上から成る従来の結合光学系では、全体のコスト(部品コスト,調整コストとも)を抑えることは困難である。
【0017】
アナモルフィックレンズ(L)は、非球面レンズとは異なり、方向によって結合光学系の倍率や焦点距離(つまり光学的なパワー)が異なる。つまり、光軸に対して垂直な各方向について、パワー等の設定をアナモルフィック非球面で変化させることが可能である。したがって、レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向と垂直な方向とで発散角度の異なるレーザー光を、モード分布が円形の軸回転対称な光ファイバー(F)に効率良く結合させることができる。また、アナモルフィック非球面を用いると、シリンドリカル非球面を用いた場合とは異なり、いわゆるスキュウ光線に対する収差補正も良好に行うことができる。したがって、光ファイバー(F)の入射端面(S3)における集光スポットの点像の広がりを抑えることができ、高い結合効率を得ることができる。
【0018】
アナモルフィックレンズ(L)1枚という少ない部品点数で、より一層高い光学性能及び結合効率を得るには、以下に説明する条件式(1A),(1B),(2),(3),(4A)及び(4B)を満足することが好ましい。つまり、レーザーダイオード(D)と光ファイバー(F)との間に位置するパワーを持った光学素子として、アナモルフィック非球面を有する1枚のアナモルフィックレンズ(L)のみを用いるとともに、以下の条件式(1A),(1B),(2),(3),(4A)及び(4B)を満足することが望ましい。ただし、条件式(1A)及び(1B),条件式(2),条件式(3),条件式(4A)及び(4B)を、光学構成に応じて個別に満足すれば、対応する作用・効果を達成することは可能である。もちろん、光学性能,結合効率,コンパクト性,製造性等の向上を図る上で、より多くの条件式を満足する方が望ましく、条件式(1A),(1B),(2),(3),(4A)及び(4B)をすべて満足する方が更に望ましい。
【0019】
1.0<|MH|<12.0 …(1A)
1.5<|MV|<15.0 …(1B)
1.0<MV/MH<5.0 …(2)
0.3<TL/(MFD×1000)<2.0 …(3)
NAH>0.05 …(4A)
NAV>0.2 …(4B)
ただし、
MH:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の結合光学系の結像倍率、
MV:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向の結合光学系の結像倍率、
TL:結合光学系の全長{レーザーダイオード(D)の発光端面(S0)から光ファイバー(F)の入射端面(S3)までの距離}、
MFD:使用波長(λ0)における光ファイバー(F)のモード径(1/e振幅の全幅)、
NAH:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数(NA:numerical aperture)、
NAV:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
である。
【0020】
条件式(1A),(1B)は、接合面(J)に平行な方向と垂直な方向とにおける、結合光学系の好ましい結像倍率をそれぞれ規定している。通常利用可能なレーザーダイオード(D)の発散角度(半値幅FWHM)は、接合面(J)に平行な方向では5度から30度程度であり、接合面(J)に垂直な方向では30度から50度程度である。そこから計算される、レーザーダイオード(D)の発光端面(S0)でのモード径(1/e振幅の全幅)は波長にもよるが、接合面(J)に平行な方向では15μmから1μm、接合面(J)に垂直な方向では3μmから0.5μm程度である。一方、光ファイバー(F)のモード径(1/e振幅の全幅)は波長にもよるが、4μmから12μm程度である。良好な結合効率を得るためには、結合光学系を通して得られたレーザーダイオード(D)のスポット径が光ファイバー(F)のモード径とほぼ一致することが必要となる。その条件を規定したのが条件式(1A),(1B)であり、条件式(1A),(1B)の上限又は下限を超えると、良好な結合性能を得ることが困難になる。
【0021】
上記観点から、条件式(1A),(1B)の条件範囲のなかでもより一層好ましい条件範囲を規定しているのが以下の条件式(1A'),(1B')であり、その最適範囲を規定しているのが以下の条件式(1A"),(1B")である。したがって、以下の条件式(1A')及び(1B')を満足することが更に好ましく、その最適範囲として以下の条件式(1A")及び(1B")を満足することが好ましい。
1.5<|MH|<5.0 …(1A')
2.0<|MV|<10.0 …(1B')
1.5<|MH|<3.0 …(1A")
3.0<|MV|<7.0 …(1B")
【0022】
条件式(2)は、結合光学系の方向による倍率の比、つまりアナモルフィック比の好ましい範囲を示している。通常レーザーダイオード(D)は、1.2倍から5倍程度の発散角の違いがあるので、これをモード分布が円形の軸回転対称な光ファイバー(F)に効率良く結合させるためには、同様に1.2倍から5倍程度のアナモルフィック比が結合光学系に求められる。しかし、高いアナモルフィック比を1つのレンズで実現することは難しく、製造が困難になったり、収差補正が困難になったりするために、高い結合効率を得ることができなくなってしまう。また逆にアナモルフィック比が小さいと、非球面レンズのような軸対称レンズに対してアナモルフィック光学系を用いる効果が小さくなってしまうので、高い結合効率を得ることが困難になる。そのような問題が生じないようにするための条件を規定したのが条件式(2)であり、条件式(2)の上限又は下限を超えると、良好な結合性能を得ることが困難になる。
【0023】
上記観点から、条件式(2)の条件範囲のなかでもより一層好ましい条件範囲を規定しているのが以下の条件式(2')であり、その最適範囲を規定しているのが以下の条件式(2")である。したがって、以下の条件式(2')を満足することが更に好ましく、その最適範囲として以下の条件式(2")を満足することが好ましい。
1.1<MV/MH<3.0 …(2')
1.3<MV/MH<2.5 …(2")
【0024】
条件式(3)は、結合光学系の好ましい全長を規定している。近年、結合光学系は小型化の方向に向かっており、小さな光学系ほどスペース効率の面で有利になるため好ましい。しかし、逆に小さくしすぎると、結合光学系の焦点距離が小さくなり(すなわちパワーが大きくなり)、アナモルフィックレンズ(L)の位置ズレによる結合効率の誤差感度が大きくなってしまう。結果として、結合効率が低下することになる。そのような問題が生じないようにするための条件を規定したのが条件式(3)であり、条件式(3)の上限又は下限を超えると、良好な結合性能を得ることが困難になる。
【0025】
上記観点から、条件式(3)の条件範囲のなかでもより一層好ましい条件範囲を規定しているのが以下の条件式(3')であり、その最適範囲を規定しているのが以下の条件式(3")である。したがって、以下の条件式(3')を満足することが更に好ましく、その最適範囲として以下の条件式(3")を満足することが好ましい。
0.3<TL/(MFD×1000)<1.8 …(3')
0.4<TL/(MFD×1000)<1.5 …(3")
【0026】
条件式(4A),(4B)は、接合面(J)に平行・垂直な方向における結合光学系の好ましい開口数(NA)を規定している。アナモルフィック非球面を使用する効果としては、球面やシリンドリカル非球面の組み合わせでは補正できない収差を良好に補正できるという点が挙げられる。しかし、小さなNAの結合光学系では、球面でも収差の発生が小さく問題にならない。また、結合光学系のNAが小さいと、レーザーダイオード(D)からの光をロスなく光ファイバー(F)に結合させることができないので、結合効率の低下という問題も発生する。そのような問題が生じないようにするための条件を規定したのが条件式(4A),(4B)であり、条件式(4A),(4B)の上限又は下限を超えると、良好な結合性能を得ることが困難になる。
【0027】
上記観点から、条件式(4A),(4B)の条件範囲のなかでもより一層好ましい条件範囲を規定しているのが以下の条件式(4A'),(4B')であり、その最適範囲を規定しているのが以下の条件式(4A"),(4B")である。したがって、以下の条件式(4A')及び(4B')を満足することが更に好ましく、その最適範囲として以下の条件式(4A")及び(4B")を満足することが好ましい。
NAH>0.07 …(4A')
NAV>0.3 …(4B')
NAH>0.12 …(4A")
NAV>0.4 …(4B")
【0028】
第2,第4の実施の形態(図2,図4)では、レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の結像を主にアナモルフィックレンズ(L)の光出射側面(S2)で行い、接合面(J)に垂直な方向の結像を主にアナモルフィックレンズ(L)の光入射側面(S1)で行うという構成を採用している。このタイプのアナモルフィックレンズ(L)では、主点位置が方向によりレンズの芯厚程度離れることで、結像倍率を方向によって変えることが可能となる。したがって、ビーム整形機能と結像機能の両方を達成することが可能となる。そのためには、アナモルフィックレンズ(L)が以下の条件式(5)及び(6)を満足することが望ましい。条件式(5)及び(6)を満足することにより、レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の結像を主にアナモルフィックレンズ(L)の光出射側面(S2)で行い、接合面(J)に垂直な方向の結像を主にアナモルフィックレンズ(L)の光入射側面(S1)で行うという構成を達成することができる。
【0029】
P1H<P2H …(5)
P1V>P2V …(6)
ただし、
P1H:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の物体側面(S1,光入射側面)の近軸パワー、
P1V:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向の物体側面(S1,光入射側面)の近軸パワー、
P2H:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の像側面(S2,光出射側面)の近軸パワー、
P2V:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向の像側面(S2,光出射側面)の近軸パワー、
である。
【0030】
第1,第3の実施の形態(図1,図3)では、レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の光線は、負のパワーを持つ光入射側面(S1)でいったん広げられる。一方、接合面(J)に垂直な方向の光線は、光入射側面(S1)のパワーが小さいためほとんど作用されない。したがって、光出射側面(S2)では光線の幅の差が縮まることになる。このタイプのアナモルフィックレンズ(L)では、光出射側面(S2)でそれぞれの方向のパワーを調整することにより、光ファイバー(F)の入射端面(S3)には円形に近いスポットを形成することができ、その結果、アナモルフィックレンズ(L)はビーム整形機能と結像機能の両方を達成することができる。そのためには、アナモルフィックレンズ(L)が以下の条件式(7)及び(8)を満足することが望ましい。条件式(7)及び(8)を満足することにより、アナモルフィックレンズ(L)はビーム整形機能と結像機能の両方を達成することができる。
【0031】
P1H<0 …(7)
P1V<P2V …(8)
ただし、
P1H:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の物体側面(S1,光入射側面)の近軸パワー、
P1V:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向の物体側面(S1,光入射側面)の近軸パワー、
P2V:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向の像側面(S2,光出射側面)の近軸パワー、
である。
【0032】
各実施の形態の結合光学系は、設計的には軸上のみを用いる構成になっている。したがって、すべての光学部品{レーザーダイオード(D),アナモルフィックレンズ(L),光ファイバー(F)}が正確に配置された場合には、結合光学系の軸上収差のみが結合効率に影響することになる。しかしながら、実際の組み込みにおいては、通常ある程度の誤差が発生する。つまり、結合光学系は若干偏芯した形で使用される。ある程度の偏芯量を許容した構成にするためには、軸外での光学性能を確保する必要がある。軸外の収差で大きく問題となるものは、いわゆるコマ収差である。一般に有限系の単レンズにおいてコマ収差を補正する場合、平凸レンズでは非球面を用いても補正困難である。そこで、両凸レンズを用いて非球面を付与すれば、球面収差(軸上収差)とコマ収差(軸外収差)の両方を良好に補正することができる。アナモルフィックレンズ(L)に関しても同様のことが当てはまる。したがって、軸外まで良好な光学性能及び結合効率を保持するためには、平凸ベースの光学系では不十分である。いわゆるシリンドリカル非球面やシリンドリカル面は、ある方向にはパワーを有しているが、それと直交する方向には平面と同様に作用する。このようなレンズでは、平面作用のある方向でのコマ収差の補正が困難になる。したがって、良好な結合効率を達成するためには以下の条件式(9A)及び(9B)を満足するか、又は条件式(9C)及び(9D)を満足することが好ましい。条件式(9A)及び(9B)を満足するか、又は条件式(9C)及び(9D)を満足することによって、組み込み誤差が発生しても高い結合効率を有する結合光学系を実現することができる。
【0033】
|P1H|>0 …(9A)
|P2H|>0 …(9B)
|P1V|>0 …(9C)
|P2V|>0 …(9D)
ただし、
P1H:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の物体側面(S1,光入射側面)の近軸パワー、
P1V:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向の物体側面(S1,光入射側面)の近軸パワー、
P2H:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向の像側面(S2,光出射側面)の近軸パワー、
P2V:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向の像側面(S2,光出射側面)の近軸パワー、
である。
【0034】
各実施の形態に用いられているアナモルフィックレンズ(L)は、方向により曲率や形状が異なるレンズである。したがって、軸対称レンズを製造する際に用いられる研磨方式での製造は困難である。そこで、アナモルフィックレンズ(L)の製造には、成型方式を採用することが好ましい。成型方式の例としては、プラスチックを用いる射出成型法、ガラスを用いるガラスモールド法等が挙げられる。ただし、温度による性能・焦点位置変化を考えた場合、プラスチックに比べて温度変化による膨張の小さいガラスを用いたガラスモールド法が好ましい。したがってアナモルフィックレンズ(L)としては、ガラスモールドレンズを用いることが好ましい。
【0035】
以上説明した結合光学系は、楕円状に発散するレーザー光を効率良く光ファイバー(F)に結合させる用途であれば、レーザーダイオード(D)から光ファイバー(F)への光結合以外にも応用が可能である。例えば、光ファイバー(F)とは異種の光導波路から光ファイバー(F)への光結合に応用が可能である。したがって、上述した各実施の形態には以下の構成を有する発明(I)〜(III)が含まれており、その構成により、楕円状に発散するレーザー光を効率良く、しかも少ない部品点数で光ファイバー(F)に結合させることの可能な結合光学系を実現することができる。
【0036】
(I) 楕円状に発散するレーザー光を光ファイバーに結合させるための結合光学系であって、パワーを有する光学素子として1枚のアナモルフィックレンズのみを有し、そのアナモルフィックレンズの少なくとも1面がアナモルフィック非球面であり、更に以下の条件式を満足することを特徴とする結合光学系;
1.0<|mh|<12.0 …(iA)
1.5<|mv|<15.0 …(iB)
1.0<mv/mh<5.0 …(ii)
0.3<tl/(mfd×1000)<2.0 …(iii)
nah>0.05 …(ivA)
nav>0.2 …(ivB)
ただし、
mh:楕円短軸方向の結合光学系の結像倍率、
mv:楕円長軸方向の結合光学系の結像倍率、
tl:結合光学系の共役長、
mfd:使用波長における光ファイバーのモード径(1/e振幅の全幅)、
nah:楕円短軸方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
nav:楕円長軸方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
である。
(II) 前記アナモルフィックレンズが以下の条件式を満足することを特徴とする上記(I)記載の結合光学系;
p1h<p2h …(v)
p1v>p2v …(vi)
ただし、
p1h:楕円短軸方向の物体側面(光入射側面)の近軸パワー、
p1v:楕円長軸方向の物体側面(光入射側面)の近軸パワー、
p2h:楕円短軸方向の像側面(光出射側面)の近軸パワー、
p2v:楕円長軸方向の像側面(光出射側面)の近軸パワー、
である。
(III) 前記アナモルフィックレンズが以下の条件式を満足することを特徴とする上記(I)記載の結合光学系;
p1h<0 …(vii)
p1v<p2v …(viii)
ただし、
p1h:楕円短軸方向の物体側面(光入射側面)の近軸パワー、
p1v:楕円長軸方向の物体側面(光入射側面)の近軸パワー、
p2v:楕円長軸方向の像側面(光出射側面)の近軸パワー、
である。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施した結合光学系の構成を、コンストラクションデータ等を挙げて、更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1〜4は、前述した第1〜第4の実施の形態にそれぞれ対応しており、各実施の形態を表す図(図1〜図4)は、対応する各実施例の光学構成等をそれぞれ示している。
【0038】
各実施例のコンストラクションデータにおいて、S0は物体面{レーザーダイオード(D)の発光端面に相当する。}、S1はアナモルフィックレンズ(L)の第1面(物体側面)、S2はアナモルフィックレンズ(L)の第2面(像側面)、S3は結像面{光ファイバー(F)の入射端面に相当する。}であり、Ri(i=0,1,2,3)は面Si(i=0,1,2,3)の曲率半径(mm)、RVi(i=1,2)は面Si(i=1,2)のV方向{接合面(J)に垂直な方向}の曲率半径(mm)、RHi(i=1,2)は面Si(i=1,2)のH方向{接合面(J)に平行な方向}の曲率半径(mm)である。また、THi(i=0,1,2)は物体側から数えてi番目の軸上面間隔(mm)であり、アナモルフィックレンズ(L)の材質とその使用波長λ0に対する屈折率をあわせて示す。
【0039】
アナモルフィックレンズ(L)の各面(S1,S2)は、以下の式(AAS)又は(XYP)で定義される面形状のアナモルフィック非球面であり、各式中の直交座標系(X,Y,Z)において、X軸方向がH方向に対応し、Y軸方向がV方向に対応し、Z軸方向が光軸方向に対応する。各実施例のアナモルフィック非球面データを他のデータとあわせて示す(ただし数値がゼロの場合は適宜省略する。)。また、表1に各条件式の対応値とそれに関連するデータを示す{PH:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に平行な方向のアナモルフィックレンズ(L)の近軸パワー,PV:レーザーダイオード(D)の接合面(J)に垂直な方向のアナモルフィックレンズ(L)の近軸パワー}。なお、実施例2,4は条件式 (7) 及び (8) を満たしていないため、この点で実施例2,4は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
【0040】
Z=(CUX・X2+CUY・Y2)/[1+√{1-(1+KX)CUX2・X2-(1+KY)CUY2・Y2}]+[AR{(1-AP)X2+(1+AP)Y2}2+BR{(1-BP)X2+(1+BP)Y2}3+CR{(1-CP)X2+(1+CP)Y2}4+DR{(1-DP)X2+(1+DP)Y2}5] …(AAS)
ただし式(AAS)中、
Z:Z軸方向の基準面からの変位量(面頂点基準)、
CUX:X軸方向の近軸曲率(=1/RHi)、
CUY:Y軸方向の近軸曲率(=1/RVi)、
KX:X軸方向のコーニック定数、
KY:Y軸方向のコーニック定数、
AR,BR,CR,DR:円錐からの4次,6次,8次,10次の変形係数の回転対称成分、
AP,BP,CP,DP:円錐からの4次,6次,8次,10次の変形係数の非回転対称成分、である。
【0041】
Z=(C0・h2)/[1+√{1-(1+K)・C02・h2}]+Σ[C(m,n)・Xm・Yn] …(XYP)
ただし式(XYP)中、
Z:高さhの位置でのZ軸方向の基準面からの変位量(面頂点基準)、
h:Z軸に対して垂直な方向の高さ(h2=X2+Y2)、
C0:近軸曲率(=1/Ri)、
K:コーニック定数、
C(m,n):自由曲面係数、
である。
【0042】
実施例1〜3でのレーザーダイオード(D)の発散角は、波長1550nmにおいて、接合面(J)に平行な方向が10度、垂直な方向が30度(FWHM)であり、実施例4でのレーザーダイオード(D)の発散角は、波長980nmにおいて、接合面(J)に平行な方向が10度、垂直な方向が30度(FWHM)である。また、実施例1〜3での光ファイバー(F)の1/e振幅のモード径(MFD)は、波長1550nmにおいて10.5μmであり、実施例4での光ファイバー(F)の1/e振幅のモード径(MFD)は、波長980nmにおいて6μmである。
【0043】
表2に、各実施例のシミュレーションに基づく結合効率(η)を示す。シミュレーションでは、レーザーダイオード(D)と光ファイバー(F)の振幅分布をガウシアン形状として近似し、BPM(ビーム伝播法)を用いてレーザーダイオード(D)から光ファイバー(F)までの伝播を計算し、前記式(ef)を用いてスポットの複素振幅分布と光ファイバー(F)のモード分布との重ね合わせ積分により結合効率ηを得た。なお、計算には光学ソフトウェア「code V(R)」を用いた。
【0044】
《実施例1》
λ0=1550nm,NAH=0.2,NAV=0.6
【0045】
[第1面(S1)のアナモルフィック非球面データ]
KY= 860781.7123
KX= 4.422232
AR=-0.155569×10
BR=-0.271428×102
CR= 0.491116×102
DR= 0.000000
AP= 0.183705
BP=-0.302663
CP= 0.392070
DP= 0.000000
[第2面(S2)のアナモルフィック非球面データ]
KY=-0.522529
KX=-0.386804
AR= 0.103922
BR= 0.386134×10-3
CR= 0.172061×10-1
DR= 0.000000
AP=-0.526185×10-1
BP=-0.387816×10
CP=-0.668050
DP= 0.000000
【0046】
《実施例2》
λ0=1550nm,NAH=0.18,NAV=0.45
【0047】
[第1面(S1)のアナモルフィック非球面データ]
K=-4.2488×10-1
C(0,1)=-7.2447×10-4
C(2,0)=-5.5010×10-1
C(0,2)= 2.2819×10-2
C(2,1)= 2.0475×10-3
C(0,3)=-5.1695×10-4
C(4,0)=-4.5388×10-1
C(2,2)=-1.0493
C(0,4)=-6.2576×10-1
[第2面(S2)のアナモルフィック非球面データ]
K=-8.3192×10-1
C(0,1)= 5.3460×10-3
C(2,0)=-2.9069×10-1
C(0,2)= 6.1476×10-2
C(2,1)=-7.4891×10-4
C(0,3)=-4.2099×10-3
C(4,0)= 3.6052×10-2
C(2,2)= 4.2013×10-1
C(0,4)= 9.8052×10-1
【0048】
《実施例3》
λ0=1550nm,NAH=0.17,NAV=0.5
【0049】
[第1面(S1)のアナモルフィック非球面データ]
KY= 5629931.67166
KX= 13.205469
AR=-0.304524
BR=-0.491689
CR=-0.116162×10
DR= 0.000000
AP= 0.460427
BP=-0.122309
CP=-0.256277×10
DP= 0.000000
[第2面(S2)のアナモルフィック非球面データ]
KY=-0.489030
KX=-0.369341
AR= 0.120052×10-1
BR= 0.122389×10-4
CR=-0.107513×10-2
DR= 0.000000
AP=-0.151849
BP=-0.524621×10
CP= 0.641865
DP= 0.000000
【0050】
《実施例4》
λ0=980nm,NAH=0.18,NAV=0.45
【0051】
[第1面(S1)のアナモルフィック非球面データ]
K=-1.8134×10-1
C(0,1)=-6.2475×10-4
C(2,0)=-7.0487×10-1
C(0,2)=-2.6624×10-3
C(2,1)=-1.6448×10-4
C(0,3)= 2.4915×10-5
C(4,0)=-5.0880×10-1
C(2,2)=-1.2897
C(0,4)=-8.7012×10-1
[第2面(S2)のアナモルフィック非球面データ]
K=-5.5931×10-1
C(0,1)=-3.5644×10-4
C(2,0)=-2.2079×10-1
C(0,2)= 4.3433×10-2
C(2,1)=-2.7575×10-4
C(0,3)=-1.4476×10-3
C(4,0)=-1.5116×10-2
C(2,2)= 1.2700×10-1
C(0,4)= 4.6468×10-1
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、特定条件を満たした1枚のアナモルフィックレンズのみが、パワーを持った光学素子として用いられているため、レーザーダイオードの接合面に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光を効率良く、しかも少ない部品点数で光ファイバーに結合させることの可能な結合光学系を実現することができる。そして、本発明に係る結合光学系を用いれば、部品点数が少なく組み立てコストが低い光ファイバー用レーザー発光部を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結合光学系の第1の実施の形態(実施例1)を示す光学構成図。
【図2】結合光学系の第2の実施の形態(実施例2)を示す光学構成図。
【図3】結合光学系の第3の実施の形態(実施例3)を示す光学構成図。
【図4】結合光学系の第4の実施の形態(実施例4)を示す光学構成図。
【符号の説明】
D …レーザーダイオード
L …アナモルフィックレンズ(結合光学系)
F …光ファイバー
J …接合面
S0 …物体面(レーザーダイオードの発光端面)
S1 …第1面(物体側面)
S2 …第2面(像側面)
S3 …結像面(光ファイバーの入射端面)
Claims (2)
- レーザーダイオードの接合面に平行な方向と垂直な方向とで発散角の異なるレーザー光を単一モードファイバーに結合させるための結合光学系において、レーザーダイオードと単一モードファイバーとの間に位置するパワーを持った光学素子が、アナモルフィック非球面を有する1枚のアナモルフィックレンズのみであり、更に以下の条件式(1A'),(1B'),(2),(3"),(4A)及び(4B)を満足し、前記アナモルフィックレンズが以下の条件式 (7) 及び (8) を満足し、以下の条件式(9A)及び(9B)を満足するか、又は条件式(9C)及び(9D)を満足することを特徴とする結合光学系;
1.5<|MH|<5.0 …(1A')
2.0<|MV|<10.0 …(1B')
1.0<MV/MH<5.0 …(2)
0.4<TL/(MFD×1000)<1.5 …(3")
NAH>0.05 …(4A)
NAV>0.2 …(4B)
P1H < 0 … (7)
P1V < P2V … (8)
|P1H|>0 …(9A)
|P2H|>0 …(9B)
|P1V|>0 …(9C)
|P2V|>0 …(9D)
ただし、
MH:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の結合光学系の結像倍率、
MV:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の結合光学系の結像倍率、
TL:結合光学系の全長(レーザーダイオードの発光端面から単一モードファイバーの入射端面までの距離)、
MFD:使用波長における単一モードファイバーのモード径(1/e振幅の全幅)、
NAH:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
NAV:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
P1H:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の物体側面(光入射側面)の近軸パワー、
P1V:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の物体側面(光入射側面)の近軸パワー、
P2H:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の像側面(光出射側面)の近軸パワー、
P2V:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の像側面(光出射側面)の近軸パワー、
である。 - 更に以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1記載の結合光学系;
NAH>0.07 …(4A')
NAV>0.3 …(4B')
ただし、
NAH:レーザーダイオードの接合面に平行な方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
NAV:レーザーダイオードの接合面に垂直な方向の結合光学系の物体側(光入射側)の開口数、
である。
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