JP4111539B2 - 膵島新生に関与するingapタンパク質 - Google Patents
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Description
ランゲルハンスの膵島は、体内でインスリンを産生する唯一の器官である。しかしながら、それらは、限られた産生能力しか有さない。この限られた再生能力が、哺乳動物に真正糖尿病を発病させ易くしている。かくして、内分泌学の分野において、真正糖尿病の症状を予防又は改善するために、ランゲルハンス島の再生を刺激できる物質についての必要性が存在する。
膵島細胞再生の1つのモデルは、シリアンゴールデンハムスターの膵臓をセロハンで包むことを包含する(1)。膵臓をセロハンで包むと、上皮管から起こると考えられる新たな内分泌細胞の形成が誘発される(2〜4)。当該技術分野では膵島細胞再生を司る因子を同定及び単離する必要性が存在する。
発明の要旨
本発明の目的は、膵島細胞新生に関与する哺乳動物タンパク質又はそのポリペプチド部分の調製物を提供することである。
本発明の他の目的は、膵島細胞新生に関与する哺乳動物タンパク質をコードするDNA分子を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、哺乳動物INGAP(膵島新生関連タンパク質)タンパク質の調製物を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、膵島細胞新生に関与する哺乳動物遺伝子を検出するためのヌクレオチドプローブを提供することである。
本発明の目的は、哺乳動物からのINGAP遺伝子を単離する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、INGAPタンパク質と特異的に免疫反応性である抗体調製物を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、INGAPタンパク質を製造する方法を提供することである。
本発明の目的は、真正糖尿病を治療する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、膵島細胞を培養で増殖させる方法を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、ポリカーボン殻内に被包された膵島細胞の寿命を伸ばす方法を提供することである。
本発明の目的は、哺乳動物における膵島細胞の数を増加させる方法を提供することである。
本発明の目的は、トランスジェニック哺乳動物を提供することである。
本発明の他の目的は、遺伝子操作された哺乳動物を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、糖尿病の危険のある個々の哺乳動物を同定する方法を提供することである。
本発明の目的は、哺乳動物からのサンプル中のINGAPタンパク質を検出する方法を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、単離した膵島細胞が細胞自滅を回避できるように処置する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、膵島細胞移植を受けている哺乳動物を処置する方法を提供することである。
本発明の目的は、β始原細胞の分化を誘発する方法を提供することである。
本発明の目的は、β始原細胞を同定する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、膵臓内分泌不全症を患っている哺乳動物を治療する方法を提供することである。
本発明の目的は、INGAPの発現を調節するためのアンチセンス構築体を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、膵島細胞症を治療する方法を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、哺乳動物INGAPタンパク質を検出するキットを提供することである。
本発明の目的は、膵臓不全症の治療のための医薬組成物を提供することである。
本発明のこれら及び他の目的が、以下に記載する1又はそれを越える態様により与えられる。
1つの態様においては、哺乳動物INGAPタンパク質の調製物が提供される。この調製物は、他の哺乳動物タンパク質を実質的に含まない。
他の態様においては、単離したDNA分子が提供される。このDNA分子は、哺乳動物INGAPタンパク質をコードする。
本発明の更なる他の態様においては、哺乳動物INGAPタンパク質の調製物が提供される。この調製物は、
セロハンで包むことにより哺乳動物膵臓細胞を誘発してINGAPタンパク質を発現させ;そして
前記INGAPタンパク質を前記誘発哺乳動物膵臓細胞から精製する
方法により作られる。
本発明の更なる他の態様においては、ヌクレオチドプローブが提供される。このプローブは、配列番号:1に示した配列の少なくとも20の連続したヌクレオチドを含む。
本発明の他の態様においては、哺乳動物のINGAPタンパク質の調製物が提供される。この調製物は、他の哺乳動物タンパク質を実質的に含まない。INGAPタンパク質は、哺乳動物の膵臓をセロハンで包むことで誘発可能である。
本発明の更なる他の態様においては、哺乳動物からINGAP遺伝子を単離する方法が提供される。この方法は、
配列番号:1に示した配列の少なくとも10の連続したヌクレオチドを含む1又はそれを越えるオリゴヌクレオチドを前記哺乳動物のゲノミックDNA又はcDNAにハイブリダイズさせ;
前記1又はそれを越えるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする前記ゲノミックDNA又はcDNAからDNA分子を同定する
ことを含む。
本発明の更なる他の態様においては、単離したcDNA分子が提供される。このcDNA分子は、
配列番号:1に示した配列の少なくとも10の連続したヌクレオチドを含む1又はそれを越えるオリゴヌクレオチドを前記哺乳動物のゲノミックDNA又はcDNAにハイブリダイズさせ;
前記1又はそれを越えるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする前記ゲノミックDNA又はcDNAからDNA分子を同定する
方法により得られる。
本発明の他の態様においては、抗体が提供される。この抗体は、哺乳動物INGAPタンパク質と特異的に免疫反応性である。
本発明の更なる他の態様によれば、哺乳動物INGAPタンパク質を製造する方法が提供される。この方法は、
哺乳動物INGAPタンパク質をコードするcDNAで形質転換された宿主細胞を準備し;
該宿主細胞を栄養培地中で培養して該INGAPタンパク質を発現させ;そして
該該宿主細胞又は該栄養培地から該INGAPタンパク質を採取する
工程を含む。
本発明の更なる他の態様によれば、哺乳動物INGAPタンパク質を製造する方法が提供される。この方法は、
配列番号:1に示した配列の少なくとも10の連続したヌクレオチドを含む1又はそれを越えるオリゴヌクレオチドを前記哺乳動物のゲノミックDNA又はcDNAにハイブリダイズさせ;前記1又はそれを越えるオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする前記ゲノミックDNA又はcDNAからDNA分子を同定する方法により得られるDNA分子を含む宿主細胞を準備し;
該宿主細胞を栄養培地中で培養して該哺乳動物INGAPタンパク質を発現させ;そして
該該宿主細胞又は該栄養培地から該哺乳動物INGAPタンパク質を採取する
工程を含む。
本発明の他の態様によれば、糖尿病の哺乳動物を治療する方法が提供される。この方法は、糖尿病の哺乳動物に治療有効量のINGAPタンパク質を投与して膵島細胞の増殖を刺激することを含む。
本発明の他の態様によれば、膵島細胞を培養で増殖させる方法が提供される。この方法は、
膵島細胞を増殖させるためにINGAPタンパク質を培地中に供給し;そして
INGAPタンパク質を含む前記培地中で膵島細胞を増殖させる
ことを含む。
本発明の他の態様によれば、ポリカーボン殻内に被包された膵島細胞の寿命を伸ばす方法が提供される。この方法は、被包された膵島細胞にINGAPタンパク質を、前記膵島細胞の生存率又は生存時間を伸ばすのに十分な量で加えることを含む。
本発明の他の態様によれば、哺乳動物における膵島細胞の数を増加させる方法が提供される。この方法は、INGAPタンパク質をコードするDNA分子を哺乳動物の膵臓に投与することを含む。
本発明の他の態様によれば、哺乳動物における膵島細胞の数を増加させる方法が提供される。この方法は、INGAPタンパク質を哺乳動物の膵臓に投与することを含む。
本発明の他の態様によれば、トランスジェニック哺乳動物が提供される。この哺乳動物は、第2哺乳動物のINGAP遺伝子を含む。
本発明の別の態様に従えば、非ヒト哺乳動物が提供される。哺乳動物は、該哺乳動物のINGAP遺伝子の挿入または欠失突然変異を含むように遺伝子工学的に処理されている。
本発明の別の態様に従えば、糖尿病のリスクを有する個々の哺乳動物を同定する方法が提供される。この方法は、個々の哺乳動物の試料のINGAP遺伝子における突然変異を同定することを含み、該突然変異は該遺伝子によりコードされるINGAP蛋白質に構造的異常性を引き起こすか、または該INGAP遺伝子発現の低下または抹消につながる調節欠陥を引き起こす。
本発明の別の態様に従えば、哺乳動物からの試料中のINGAP蛋白質を検出する方法が提供される。この方法は、該試料を哺乳動物INGAP蛋白質に対して特異的に免疫反応性である抗体調製物と接触させることを含む。
本発明の別の態様に従えば、哺乳動物の単離された膵島細胞を処置して該細胞のアポプトシスを回避する方法が提供される。この方法は、単離された哺乳動物の膵島細胞を、他の哺乳動物蛋白質から実質的に精製された、該単離された膵島細胞の生存率を増加させるのに十分な量の哺乳動物INGAP蛋白質の調製物と接触させることを含む。
本発明の別の態様に従えば、膵島細胞の移植を受けた哺乳動物を処置する方法が提供される。この方法は、哺乳動物INGAP蛋白質の調製物を膵島細胞の移植を受けた哺乳動物に投与することを含み、ここで該投与工程は、該移植の前、間もしくは後に実施される。
本発明の別の態様に従えば、β細胞始原細胞の分化を誘導する方法が提供される。この方法は、β細胞を含む膵管細胞の培養物を、他の哺乳動物蛋白質を実質的に含まない哺乳動物INGAP蛋白質の調製物と接触させて、該β細胞始原細胞の分化を誘導させることを含む。
本発明のさらに別の態様においては、β細胞始原細胞を同定するための方法が提供される。この方法は、膵管細胞の集団を哺乳動物INGAP蛋白質と接触させ;そして該INGAP蛋白質が特異的に結合する細胞を該集団中から検出することを含む。
本発明の別の態様に従えば、膵臓内分泌不全を有する哺乳動物を処置する方法が提供される。この方法は、膵臓内分泌不全に苦しむ哺乳動物から単離されたβ細胞始原細胞を含む膵管細胞の調製物を、他の哺乳動物蛋白質を実質的に含まない哺乳動物INGAP蛋白質の調製物と接触させて、該β細胞始原細胞の分化を誘導し;そして該処置された膵管細胞を該哺乳動物中に自家移植することを含む。
本発明の別の態様に従えば、哺乳動物INGAP遺伝子のアンチセンス構築物が提供される。この構築物は、プロモーター、ターミネーターおよび哺乳動物INGAP遺伝子からなるヌクレオチド配列を含み、該ヌクレオチド配列は該プロモーターと該ターミネーターとの間にあり、該ヌクレオチド配列は該プロモーターに関して反転されており、このことにより該プロモーターからの発現の際に元の哺乳動物INGAPmRNAに相補的なmRNAが生成される。
本発明の別の態様に従えば、膵島細胞症を処置する方法が提供される。この方法は、膵島細胞症を有する哺乳動物に上述のアンチセンス構築物を投与することを含み、このことにより該哺乳動物のβ細胞の過剰増殖が阻害される。
本発明の別の態様に従えば、哺乳動物からの試料中の哺乳動物INGAP蛋白質を検出するためのキットが提供される。このキットは、哺乳動物INGAP蛋白質に対して特異的に免疫反応性である抗体調製物;および哺乳動物INGAP蛋白質の少なくとも15個の連続するアミノ酸の配列を含むポリペプチドを含む。
本発明の別の態様に従えば、膵臓機能不全を処置するための医薬組成物が提供される。この組成物は、薬学的に許容しうる希釈剤または担体中の哺乳動物INGAP蛋白質を含む。
本発明の別の態様に従えば、医薬組成物が提供される。この組成物は、哺乳動物INGAP蛋白質の少なくとも15個の連続するアミノ酸の配列を含むポリペプチドの調製物および薬学的に許容しうる希釈剤または担体を含む。
本発明のこれらのおよび他の態様は、膵島細胞新生を刺激または阻害する手段を当該技術分野に提供する。真性糖尿病の発症の診断方法もまた本発明により提供される。
図面の簡単な記載
図1。ハムスターINGAPのヌクレオチド配列およびコードされる未成熟蛋白質の推定配列。非コード配列は小文字で表され、ポリアデニル化シグナルには下線が施されている。
図2。INGAP、ラットPAP−I(PAP−I)(18)、ヒトPAP/HIP(PAP−H/HIP)(10、11)、ラットPAP−III(PAP−III)(9)、ラットPAP−II(PAP−II)(8)、ラットReg/PSP/リソスタチン(Lithostatine)(REG/LITH)(13、15)およびDrickamerによりC型レクチンのすべてのメンバーに見いだされた不変モチーフ(Drickamer)(12)のアミノ酸配列の比較。6個の保存的システインはアスタリスクにより示され、INGAP中の2個の推定上のN−グリコシル化部位は下線および太字で示される。
図3。対照および包まれた(wrapped)ハムスター膵臓からの膵臓組織におけるINGAPおよびアミラーゼ遺伝子発現のノザンブロット分析。30gの熱変性させた全RNAを、1.2%アガロース、0.6%ホルムアルデヒド/MOPS変性ゲル上で電気泳動することにより分離し、ナイロン膜に移した。膜は747bpのハムスターINGAPcDNAプローブ(我々の研究室においてクローニングした)(A)、1000bpのラットアミラーゼcDNAプローブ(Chris Newgard(Dallas,Texas)により寛大に供与された)(B)、およびRNAの一体性および負荷の対照として18Sリボソーム24量体合成オリゴヌクレオチドプローブ(C)とハイブリダイズさせた。
好ましい態様の詳細な記載
我々はここで膵炎関連蛋白質(PAP)ファミリーの遺伝子(7−11)と著しい相同性を示す遺伝子INGAPの同定を報告する。推定される蛋白質は、Drickamer(12)により定義されたカルシウム依存性C型レクチンの炭水化物認識ドメイン(CRD)を共有する。INGAP蛋白質は膵島新生の刺激、特に膵管細胞からのβ細胞再生において役割を果たす。
哺乳動物INGAPのcDNA配列は配列番号1で与えられる。推定アミノ酸配列は配列番号2に示される。これらの配列はハムスターから単離された核酸から決定されたが、他の哺乳動物種は極めて類似したINGAP遺伝子を有するであろうと考えられる。ヒトINGAPcDNAは、配列番号1の23−268および389−609の配列を共有しており、配列の中程に120bpのギャップを含む。ヒトINGAP蛋白質の推定アミノ酸配列は配列番号2の1−83および124−174であり、配列の中程に40アミノ酸を含む。相同遺伝子は少なくとも約70%の同一性を有するであろうと予測される。より近接した種は、少なくとも約75%、80%、あるいは85%もの同一性を有すると予測される。これに対し、カルシウム依存性C型レクチンのファミリーの他のメンバーはINGAPと多くとも60%の同一性を含む。
本明細書で提供するDNA配列を用いて、宿主細胞中で遺伝子を複製するベクターを作製し、INGAPタンパク質を発現することができる。配列番号2に示すのと同じアミノ酸配列をコードするDNA配列も本発明の目的を逸脱することなく使用できる。その他の哺乳動物INGAPをコードするDNA配列も本発明で意図している。真核細胞及び原核細胞に適したベクターは当業者に公知である。転写及び翻訳制御部位の下流にある興味のあるDNAセグメントを発現させるためにいくつかのベクターを特別のデザインする。真核細胞で発現させるためのこのようなベクターの1つでは、InVitrogen Corpから市販されているプラスミドであるEBNA Hisを用いる。装填したベクターは、ヒスチジン生合成酵素の一部とINGAPとを含む融合タンパク質を生産する。原核細胞で使用するのに適した別のベクターはpCDNA3である。特定の目的に適したベクターの選択は、有用な発現制御配列などのベクターの性質や特徴の知識を用いて行うことができる。ベクターを用いて宿主細胞を安定的又は一過的に形質転換又はトランスフェクトすることができる。形質転換やトランスフェクトの方法は当業者に公知であり、特定の宿主細胞に適したものを用いることができる。トランスフェクションの目的に従って宿主細胞を選択できる。適当な原核細胞宿主は大腸菌DH5αである。適当な真核細胞宿主はアフリカミドリザル腎臓セルラインのcos7である。いくつかの目的にとっては、INGAPの正しいグリコシル化が望ましく、このような場合にはINGAPのグリコシル化シグナルを認識する適当な宿主細胞を用いるべきである。
配列番号1に示す連続配列の少なくとも10、15、20又は30ヌクレオチドを含むプローブを用いて、特定の個体又はその他の種のメンバー中のINGAP遺伝子を同定することができる。同じ種のDNA又は異なる種のDNAに対する適当なハイブリダイゼーション条件は、当業者にそれぞれ高ストリンジェンシー及び低ストリンジェンシーとして公知である。所望の用途に従って各種の形態においてこれを用いることができる。例えば、当業者に公知のサザンブロット、ノーザンブロット及びin situコロニーハイブリダイゼーションを用いることができる。プローブは典型的には少なくとも10、15、20又は30ヌクレオチドのDNA又はRNAオリゴマーである。プローブは放射性標識、蛍光標識、酵素などを含む当業者に公知の検出可能な部分で標識してもよい。プローブはその他の哺乳動物INGAP遺伝子配列由来のものであってもよい。
INGAP遺伝子はここに提供するヌクレオチド配列の情報を用いてその他の哺乳動物から単離することができる。(より詳細には、ハムスターINGAP遺伝子の単離について下記に詳述するのと同じ方法を用いて単離できる。)ここに開示するINGAPのヌクレオチド配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを哺乳動物のゲノムDNA又はcDNAとハイブリダイズさせる。便宜的にはDNAはクローンライブラリーの形である。オリゴヌクレオチドは、放射性標識又は酵素又は蛍光標識等の都合のよい標識で標識できる。プローブとハイブリダイズするDNA分子を単離する。オーバーラップするDNAセグメントを単離することによって、例えば最初に単離したDNAを連続するDNAのプローブとして同じライブラリー又は哺乳動物DNAの調製物中で用いることによって、完全な遺伝子を構築する。単離したDNAの同定の確認は、例えばセロファンラッピングに付したときの膵臓中での遺伝子発現のパターンを観察することによって行うことができる。同様に、コードされた産物の膵臓管細胞に及ぼす生物的効果も該遺伝子がINGAP遺伝子であることの同定に役立つであろう。
もしも2つのオリゴヌクレオチドが哺乳動物のゲノムDNA又はcDNAにハイブリダイズする場合には、これらを例えばポリメラーゼチェインリアクション又はリガーゼチェインリアクションを用いてDNA合成のプライマーとして用いることができる。全長遺伝子の構築及び単離遺伝子の同定の確認は上述したようにして行うことができる。
INGAPタンパク質は、本発明に従って、セロファンラッピング法によりINGAPタンパク質を発現するように哺乳動物膵臓細胞を誘導することによって単離することができる。この方法は本明細書に援用する参照文献1に詳述されている。このようにして産生したINGAPタンパク質を、例えば免疫アフィニティ法又はタンパク質精製の分野で公知のその他の方法を用いて他の哺乳動物タンパク質から精製できる。配列番号2に示すようなINGAPタンパク質のアミノ酸配列の全て又は断片を免疫源として用いて哺乳動物INGAPに特異的な抗体を産生できる。この免疫源を用いて免疫反応性抗体を同定し精製できる。モノクローナル又はポリクローナル抗体を当業者に公知の方法で作製できる。抗体は検出可能な標識又は固体支持体物質等のその他の部分と結合できる。このような抗体を用いて、哺乳動物膵臓細胞又は組換え細胞から単離したタンパク質を精製できる。INGAPタンパク質に対する特異的抗体を分泌するハイブリドーマも本発明で意図する範囲内である。
上述した宿主細胞を用いて哺乳動物INGAPタンパク質を生産できる。宿主細胞は哺乳動物INGAPタンパク質をコードするDNA分子を含む。該DNAは配列番号1に従うものであるか、あるいは上述の方法でその他の哺乳動物から単離できる。宿主細胞は、INGAPタンパク質が発現する条件下に栄養培地中で培養できる。INGAPタンパク質が宿主細胞から分泌されると、宿主細胞又は栄養培地からINGAPタンパク質を単離できる。
INGAP及びその断片が島細胞の成長を誘導及び刺激できることが今や見いだされた。さらにこれらは、膵臓管細胞の分化を誘導し、このような細胞がアポトーシス経路を避けることができるようにすることができる。従って、INGAP、その断片、及びINGAPをコードするヌクレオチド配列を用いて多くの治療様式が可能となる。治療的有効量のINGAPを患者膵臓、単離した島細胞、及びポリカーボンシェルなどに封入した膵臓島細胞に供給する。治療目的で適当なINGAPの量は,1−150μg/kg体重又はin vitroで1−10000μg/mlの範囲である。このような投与量の最適量は日常的試験によって確認できる。哺乳動物にINGAPを投与する方法は当業者に公知であり、皮下投与、門静脈経由、局部灌流経由などを含む。
本発明に従ってINGAP供給により治療できる症状にはインシュリン依存性及びインシュリン非依存性の糖尿病、膵臓不全、膵臓障害などを含む。INGAPの発現阻害を島細胞腫の治療に用いることができる。
本発明によると、生物活性を与えるにはINGAPの小部分で十分であることが今や見いだされた。配列番号2の配列の20アミノ酸の断片、アミノ酸#103−#122が、膵臓管細胞の成長及び増殖を刺激するのに十分である。ラット腫瘍管セルライン、ハムスター管セルライン、ハムスターインシュリノーマセルライン、及びラットインシュリノーマセルラインで効果が観察された。その他の哺乳動物INGAPタンパク質の類似部分が同様の活性をもつ可能性が高い。タンパク質のこの部分は膵臓関連タンパク質(PAP)ファミリーのその他のメンバーと似ていない。これにはグリコシル化部位を含み、またタンパク質の主要抗原部位でもあるらしい。この断片を用いてマウスを免疫し、モノクローナル抗体を作製した。
INGAP発現の生理学的部位を決定した。INGAPは膵臓の外分泌部分において、腺房組織中で発現する。INGAPは管細胞又は島細胞、即ち膵臓のパラクリン部位では発現しない。セロファンラッピングによる誘導の24−48時間以内に発現が起こる。
本発明によるトランスジェニック動物は異なる哺乳動物由来のINGAP遺伝子をもつ哺乳動物である。転写制御領域をうまく選択することによって、内在性INGAP遺伝子よりも高レベルで外来遺伝子を発現させることができる。トランスジェニック動物の作製法は当業者に公知であり、そのような方法のいずれを用いてもよい。挿入、欠失又はINGAPタンパク質の構造又はINGAPの発現制御を変更するその他の突然変異を有するように遺伝子操作された動物も本発明で意図している。これらの突然変異を行う方法は当業者に公知である。
診断アッセイも本発明の意図する範囲内にある。INGAPの突然変異を血液、羊水、絨毛膜の絨毛、胚盤胞、及び膵臓細胞などのサンプル中で確認できる。このような突然変異は糖尿病の危険にさらされた個体を同定する。突然変異は、ヌクレオチド配列をINGAP遺伝子の野生型配列と比較することにより同定できる。当業者に公知のいかなる方法でこれを行ってもよく、制限断片長多型の比較、ポリメラーゼチェインリアクション産物の比較、ヌクレアーゼ保護アッセイなどを含む。あるいは、改変タンパク質を例えば免疫学的又は生物学的に同定することができる。
本発明はまた、INGAPアンチセンス構築物を、β細胞の過増殖によって特徴づけられる状態である。膵島細胞症(nesidioblastosis)の治療に使用することも意図している。アンチセンス構築物を膵島細胞症を有する哺乳動物に投与し、よって、β細胞の過増殖を抑制する。アンチセンス構築物は、典型的にはプロモーター、ターミネーターおよび哺乳類INGAP遺伝子からなる核酸配列を含む。INGAP遺伝子はプロモーターとターミネーターとの間にあり、そして、プロモーターに対して天然に発現する場合とは逆さになっている。当該プロモーターからの発現に際し、天然の哺乳類INGAPとは相補的なmRNAが産生される。
哺乳動物由来の試料中のINGAPを分析するための免疫学的方法は、例えば、INGAPの治療上の投与をモニターするのに有用である。典型的には、INGAPに特異的な抗体を試料に接触させ、そして抗体と試料中に存在するあらゆるINGAPとの結合を検出できるであろう。これは、便利には検出可能なように標識されていてもよい既知の量の標準INGAP調製物と、インキュベーション混合物をスパイクさせる(spiked)、競合結合アッセイでもよい。あるいは、INGAPのポリペプチド断片を競合因子として使用することもできる。ある特定のアッセイ形式では、ビーズ、ポリマーマトリックス、もしくはマイクロタイタープレート等の固相または支持体に抗体を結合させる。
本発明において、膵臓内分泌疾患を伴う哺乳動物の膵管細胞(pancreatic duct cells)を体内から取り出し、in vitroで処理することができる。膵管細胞は典型的にはβ細胞前駆体を含む。よって、哺乳類INGAPタンパク質の調製物による処理は、β細胞前駆体の分化を誘導するであろう。管細胞を、実質的に他の哺乳類タンパク質を含まない哺乳類INGAPタンパク質の調製物と接触させる。次いで、処理された細胞は、それらが由来した哺乳動物への自己移植として用いることができる。このような自己治療は、移植に伴う不都合な対宿主移植片反応を最小化する。
INGAPタンパク質はまた、INGAPに対する受容体を生じるそれらの細胞を同定するために用いることもできる。それらの細胞は、INGAPの生物学的作用に感受性を有するβ細胞前駆体であると思われる。放射標識、または蛍光標識等によってINGAPタンパク質を検出可能なように標識し、そして、膵管由来の細胞集団と接触させることができる。標識タンパク質に結合する細胞は、INGAPに対する受容体を産生する細胞、よってβ細胞前駆体として同定させるであろう。また、INGAPの断片もこの目的のために使用でき、さらに、混合された細胞集団から固相支持体に細胞を分離するために、固定化したINGAPを用いることもできる。INGAPは、表面への吸着、抗体、あるいは結合(conjugation)によって、固相または支持体に固定化することができる。当該技術分野において知られている他のいかなる方法を用いてもよい。
試料中の哺乳類INGAPタンパク質を検出するためのキットも、本発明によって提供される。これは、とりわけ、INGAPの哺乳動物への投与を含む治療の際にINGAPの代謝をモニターするのに有用でありうる。キットは、典型的には、哺乳類INGAPタンパク質に特に免疫反応性の抗体調製物を含むであろう。抗体は、ポリクローナルであってもモノクローナルであってもよい。ポリクローナルの場合、それらを単特異的にするためにアフィニティー精製することができる。キットはさらに、哺乳類INGAPタンパク質の少なくとも15の連続するアミノ酸を有するポリペプチドを含むであろう。ポリペプチドは、抗体への結合について試料中のINGAPタンパク質と競合させるのに使用する。好ましくは、ポリペプチドは検出可能なように標識されるであろう。ポリペプチドは、抗体が結合するINGAP部分を含むであろう。よって、抗体がモノクローナルな場合、ポリペプチドは抗体のエピトープを含むために、INGAPと首尾よく競合するであろう。また、ポリマービーズ、棒、プレート等の固相または支持体に抗体を結合させることも好ましいであろう。
哺乳類INGAPタンパク質を含む薬剤組成物を、膵臓不全の治療に用いていることができる。あるいは、組成物は、哺乳類INGAPタンパク質の少なくとも15の連続するアミノ酸をの配列を含むポリペプチドを含んでもよい。ポリペプチドは、タンパク質の他の部分を欠いても生物学的に活性であるINGAPの部分を含むであろう。ポリペプチドは、例えば第二のタンパク質またはポリペプチドとの遺伝融合物等の、より大きなタンパク質の一部であってもよい。あるいは、例えば架橋剤によって、ペプチドを第二のタンパク質に結合させてもよい。INGAPタンパク質の適当な部分は、配列番号2のアミノ酸♯103−♯122との相同性によって、あるいは披験ポリペプチドが膵管細胞の成長および増幅を刺激する能力によって、決定することができる。当該技術分野において知られているように、活性を損なうことなく、タンパク質のいずれかの端から比較的少数のアミノ酸を除くことができることはしばしばある。従って、タンパク質の約10%までを削除することができ、そして、なおINGAPの全ての機能を本質的に提供することも本発明の範囲に意図される。ハムスターINGAPの場合、そのようなタンパク質は少なくとも130アミノ酸を含む。
薬剤組成物は、薬剤学的に可能な希釈剤または担体を含むであろう。一般に液体処方が好ましい。INGAPは異なる濃度で、または異なる剤型を用いて処方することができる。例えば、これらの調剤は、油、ポリマー、ビタミン、炭水化物、アミノ酸、塩、緩衝液、アルブミン、界面活性剤または増量剤(bulking agent)を含むことができる。好ましくは、炭水化物はモノ−、ジ−またはポリサッカライド、あるいは水溶性グルカン等の糖または糖アルコールを含む。サッカライドは、フルクトース、デキストロース、ラクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、スクロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、アルファもしくはベータシクロデキストリン、溶解性澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、並びにカルボキシメチルセルロース、あるいはこれらの混合物を含む。スクロースが最も好ましい。糖アルコールは、−OH基を有するC4−C8の炭化水素として定義され、イノシトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、グリセロールおよびアラビトールを含む。マンニトールが最も好ましい。上述された糖または糖アルコールは、単独で用いても、あるいは組み合わせて用いてもよい。糖または糖アルコールが水性調製物に溶解しうる限り、用いられる量に定められた限界はない。好ましくは、糖または糖アルコール濃度は、1.0w/v%と7.0w/v%の間であり、より好ましくは2.0w/v%と6.0w/v%の間である。好ましくは、アミノ酸は左旋性(levorotary)(L)型のカルニチン、アルギニン、およびベタインを含むが、他のアミノ酸を加えてもよい。好ましいポリマーは、2000−3000の間の平均分子量を有するポリビニルピロリドン(PVP)、あるいは3000−5000の間の平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)を含む。これらを用いる場合、凍結乾燥前または再構成後の溶液中のpH変化を最小にするために、組成物中に緩衝剤も用いるのが好ましい。ほとんどいかなる生理学的緩衝剤も使用できるが、クエン酸、リン酸、コハク酸およびグルタミン酸緩衝剤、あるいはそれらの混合物が好ましい。好ましくは、濃度は0.01−0.3モルである。界面活性剤も調剤に加えてもよい。
さらに、INGAPまたはそのポリペプチド部分を、例えば、そのサイクル半減期を延ばすために、ポリマーに対する共有結合によって化学的に修飾することができる。好ましいポリマー、並びにそれらをペプチドに結合させる方法は、米国特許第4,766,106号、第4,179,337号、第4,495,285号および第4,609,546号に示されている。好ましいポリマーは、ポリオキシエチル化ポリオールおよびポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは、室温で水に溶解性であり、以下のような一般式を有する:R(O−CH2−CH2)nO−R[式中、Rは、水素でもよく、あるいはアルキル基もしくはアルカノル基等の保護基でもよい]好ましくは、保護基は1−8の間の炭素を有し、より好ましくはメチルである。記号nは正の整数であり、好ましくは1−1,000の間であり、より好ましくは2−500の間である。PEGは好ましくは平均分子量が1000−40,000の間であり、より好ましくは2000−20,000の間であり、最も好ましくは3000−12,000の間である。好ましくは、PRGは少なくとも1つの水酸基を有し、より好ましくはそれは末端水酸基である。抑制因子上の遊離のアミノ基と反応するために好ましくは活性化されるのは、この水酸基である。
液体薬剤組成物を調製後、分解を防ぎ無菌状態(sterility)を保持するために好ましくはそれを凍結乾燥させる。液体組成物を凍結乾燥する方法は当業者に知られている。使用直前に、追加の成分を含んでもよい無菌希釈剤(例えば、リンガー溶液、滅菌水または無菌食塩水)を用いて組成物を再構成することができる。再構成後、組成物を好ましくは、当業者に公知のそれらの方法を用いて対象に投与する。
以下の実施例は、本発明の限定を意図するものではなく、先に開示されたそれを単に例示するためのものである。
実施例
実施例1
この実施例は新規な、発生学的に調節された膵臓蛋白質をコードするcDNAのクローニングおよび単離を説明する。
特有の局部的に発生された因子が島細胞発生に関係すると仮定した。最近開発されたmRNA分別デイスプレイ技術(5,6)を使用してセロファンで包んだ状態(CW)で発現された遺伝子と対照の膵臓(CP)で発現された遺伝子とを弁別的に比較したところ、セロファンで包んだ膵臓で特有の発現をするcDNAクローン(RD19−2)を特定できた。
オリゴd(T)活性化合成およびpcDNA3ベクター(インビトロゲン(Invitrogen))に結合させることによってセロファンで包んだハムスター膵臓から単離されたmRNAからcDNAライブラリーを構築した。該ライブラリーの1次組換え体数は1.2×106で、平均サイズは1.1kbであった。このcDNAライブラリーを高密度コロニー平板培養技術を使用して目的クローンについてスクリーニングした。コロニーをナイロン膜(Schleicher&Schuell)にのせてプロテアーゼK(50g/ml)で分解した。処理された膜を80℃で1時間焼き、50℃で16−18時間1−5×106cpm/mlの[32P]−dCTP(デュポンーニューイングランドニュクレアー)で標識したRD19−2プローブとハイブリダイズした。陽性のハイブリダイゼーション信号を発するコロニーを単離してノーザーンmRNA転写体とサイズ比較し、配列決定してRD19−2配列との同一性を確認した。
実施例2
この実施例はINGAPの配列をこれと相同性を分け合っている他の蛋白質と比較したものである。
最長cDNA挿入物を有するハムスターINGAPクローンのヌクレオチド配列を決定した。図1に示すようにハムスターcDNAは、ポリ(A)尾を除く747ヌクレオチド(nt)からなり、175アミノ酸蛋白質をコードする主オープン・リーデイング・フレームを含む。このオープン・リーデイング・フレームの次は206ntの3’−未翻訳領域である。典型的ポリアデニル化信号が上記ポリ(A)尾の11nt上流に存在する。予測されたINGAP蛋白質は膵臓炎または肝臓腺癌(7−11)に伴うPAP−HIPファミリーの遺伝子および膵臓β細胞生育を促す(14)と見られ膵臓島再生に役立つReg/PSP/リトスタチンファミリーの遺伝子の両方に対してPAP構造相同性を示す。ヌクレオチド配列およびそれらの減成されたアミノ酸をハムスターINGAPとラットPAP−Iで比較したところ、コード領域で高度の相同性(ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列で各々60および58%)を示した。ハムスターINGAPの予測アミノ酸配列はPAPIIに対して45%およびPAPIIIに対して50%(PAPIIおよびPAPIIIは急性膵臓炎に伴う)、および肝細胞性肝癌に見られたHIPに対して54%の同一性を示した。INGAPはラットReg/PSP/リソスタチンに対して40%の同一性をも示した(図2)。Regは膵臓石蛋白質(PSP)(15,16)または膵臓糸蛋白質(PTP)(17)考えられている。INGAP蛋白質の予測配列のN−末端は高度に疎水性であるので蛋白質を排泄させるようにし得るシグナルペプチドの良好な候補である。PAP/HIPに類似であるがReg/PSP/リソスタチン蛋白質とは異なり、潜在性N−グリコシル化部位はINGAP配列の135位と仮定されている。INGAPに特有なのは、115位と仮定されたもう1つの潜在性N−グリコシル化部位である。2つのジスルフィド結合を有する4つの完全保存システイン類を含むDrikamerによって測定することによって、INGAPはまたカルシウム依存性(C−タイプ)動物レクチンの膜の一致した特徴と高度の相同性(12/18)(図2)を示す(12)。INGAPのアミノ末端に見られるさらに2つのシステイン類(図2)もReg/PSPおよびPAPHIPに存在する。しかし、生物学的有意性がどのようなものかは不明である。
実施例3
この実施例はセロファンー包みでのINGAPの一時的発現パターンを示す。
INGAPの一時的発現を決定するため、CPおよびCW膵臓から抽出された総RNAをノーザーンブロット分析においてハムスターINGAPcDNAクローンでプローブした。セロファン包みの1及び2日後900bpの強力な単一転写体を検出した(図3)。これは6ないし42日までに消失しCPからは存在しなかった。INGAPmRNAはCW後のみに存在するので、CW誘導膵臓島新生に伴う。PAPファミリーの遺伝子についてはINGAPの増加した発現が急性膵臓炎に伴うことはないらしい。膵臓炎の急性期の間に、アミラーゼを含む膵臓酵素をコードする大部分のmRNAの濃度は有意に減少した(16,18)。反対に、高度のINGAP発現が見られた島新生のCWモデルにおいては、アミラーゼ遺伝子発現は同時に正常より低下するよりむしろ増加し(図3)、INGAP発現は膵臓炎に伴うのではなく、むしろ島新生に伴うことを示唆している。CW1および2日後増加したアミラーゼ遺伝子発現の原因は未だ不明であり、このテーマを解明するためさらなる研究が必要である。
実施例4
この実施例はINGAP蛋白質をコードするヒトcDNAのクローニングおよび部分的配列を説明する。
ヒトポリA+RNAを正常ヒト膵臓から、Qiagenから市販のポリA+抽出キットを使用して単離した。次いで、500ngのポリA+RNAを逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)の鋳型として使用した。実験条件をパーキンエルマーからのRT−PCRキットの指示によりセットした。オリゴd(T)を逆転写のプライマーとして使用した。配列No.1においてヌクレオチド4対23および610対629に相当するプライマーをポリメラーゼ連鎖反応の特異的プライマーとして使用した。626bpPCR断片をInvitorogenからのTAクローニングキットを使用してクローニングした。ヒトクロー−ンの部分配列は配列の中間に120bpギャップを有する466bpからなる。ヒトINGAPcDNAは、ハムスターINGAPcDNA配列とヌクレオチド4−268が、配列No.1のヌクレオチド389−629が100%同一である。中間部の120bpの配列は未だ同定されていない。
実施例5
この実施例はINGAPからの合成ペプチドが島新生の促進の役割を演じ、ヒトINGAPの配列が未だ決定されない120bp断片によってコードされた少なくとも1つのエピトープがハムスターINGAPに割り当てられることを示す。
演繹されたアミノ酸104−118に相当する合成ペプチドを免疫原として使用してウサギのポリクローナル抗体を上昇させた。抗血清を次いで免疫組織化学検定においてアビジンービオチン複合体(ABC)法によって使用した。新島形成したヒト末梢島領域の細胞はINGAPに対して陽性に染色され、ヒトとハムスターINGAPが共通のエピトープを配列NO.2のアミノ酸104−118の間で分け合うことを示した。
同一の合成ペプチドを3H−チミジンのラット膵臓腫瘍導管細胞(ARIP)およびハムスターインスリノーマ腫瘍細胞(HIT)への取り込み能力について試験した。10μCiの3H−チミジン(80.4Ci/ミリモル濃度)をHamのF−12K培地で培養された約106個の細胞に加えた。24時間後、細胞を回収し溶解した。トリクロル酢酸(TCA)で核酸の分別沈殿をRosenbergらの変法により行い、3H−チミジン取り込み割合を計算した。培養物中のARIPに合成ペプチドを添加すると該合成ペプチド不存在の2.4倍の3H−チミジンを取り込んだ。この合成ペプチドは対照細胞株HITに対して何ら作用を有しなかった。この結果はINGAPが島新生を促進する役割を演じていることを示唆する。
配列表
(2)SEQ ID NO:1の情報:
(i)配列の特性:
(A)長さ:747塩基対
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直線状
(ii)分子タイプ:cDNA
(iii)ハイポセチカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(vi)起源:
(A)生物:Cricetulus
(ix)特徴:
(A)NAME/KEY:CDS
(B)位置:20..541
(xi)配列:SEQ ID NO:1:
(2)SEQ ID NO:2の情報:
(i)配列の特性:
(A)長さ:174アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:直線状
(ii)分子タイプ:タンパク質
(xi)配列:SEQ ID NO:2:
(2)SEQ ID NO:3の情報:
(i)配列の特性:
(A)長さ:175アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:直線状
(ii)分子タイプ:タンパク質
(iv)アンチセンス:NO
(vi)起源:
(A)生物:Rattrus rattus
(xi)配列:SEQ ID NO:3:
(2)SEQ ID NO:4の情報:
(i)配列の特性:
(A)長さ:175アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:直線状
(ii)分子タイプ:タンパク質
(vi)起源:
(A)生物:Homo sapiens
(xi)配列:SEQ ID NO:4:
(2)SEQ ID NO:5の情報:
(i)配列の特性:
(A)長さ:174アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:直線状
(ii)分子タイプ:タンパク質
(vi)起源:
(A)生物:Rattrus rattus
(xi)配列:SEQ ID NO:5:
(2)SEQ ID NO:6の情報:
(i)配列の特性:
(A)長さ:174アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:直線状
(ii)分子タイプ:タンパク質
(vi)起源:
(A)生物:Rattrus rattus
(xi)配列:SEQ ID NO:6:
(2)SEQ ID NO:7の情報:
(i)配列の特性:
(A)長さ:165アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(D)トポロジー:直線状
(ii)分子タイプ:タンパク質
(vi)起源:
(A)生物:Rattrus rattus
(xi)配列:SEQ ID NO:7:
Claims (72)
- 他の哺乳動物蛋白質を実質上含まない、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する哺乳動物INGAP蛋白質の調製物。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する哺乳動物INGAP蛋白質の少なくとも15の連続するアミノ酸配列を含むポリペプチド調製物。
- ポリペプチドが上記配列と第2蛋白質由来の第2ポリペプチドとの融合物である、請求項2記載の調製物。
- ポリペプチドが第2ポリペプチドに結合している、請求項2記載の調製物。
- ポリペプチドが固相支持体に結合している、請求項2記載の調製物。
- ポリペプチドが、配列番号2に示す哺乳動物INGAP蛋白質のアミノ酸番号104〜118を含み、且つ哺乳動物INGAP蛋白質の生物活性を有する、請求項2記載の調製物。
- 生物活性が膵管細胞の成長および増殖を刺激する能力である、請求項6記載の調製物。
- ポリペプチドが配列番号2に示される哺乳動物INGAP蛋白質のアミノ酸番号103番から122番を含む、請求項2記載の調製物。
- ポリペプチドが哺乳動物INGAP蛋白質の少なくとも130の連続するアミノ酸を含む、請求項2記載の調製物。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する哺乳動物INGAP蛋白質をコードする、単離されたDNA分子。
- INGAP蛋白質が配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する、請求項10記載のDNA分子。
- 請求項10記載のDNAを含むベクター。
- さらに発現制御配列を含むことによりDNAが宿主細胞中で発現される、請求項12記載のベクター。
- EBNA Hisプラスミドを含む、請求項13記載のベクター。
- 請求項10記載のDNAで形質転換された宿主細胞。
- 請求項12記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
- アフリカミドリザルの腎臓細胞cos7である、請求項15記載の宿主細胞。
- 以下の工程:
セロファンラッピングにより哺乳動物膵臓細胞がINGAP蛋白質を発現するように誘導し;そして
誘導された哺乳動物膵臓細胞からINGAP蛋白質を精製すること
により製造された、哺乳動物INGAP蛋白質であって、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する蛋白質の調製物。 - 配列番号1からなる哺乳動物INGAP遺伝子の少なくとも25の連続するヌクレオチドを含むヌクレオチドプローブ。
- 哺乳動物INGAP遺伝子が配列番号1に示された配列を有する、請求項19記載のヌクレオチドプローブ。
- プローブが検出可能なモイエティにより標識されている、請求項19記載のヌクレオチドプローブ。
- 配列番号1からなる哺乳動物INGAP遺伝子の少なくとも25の連続するヌクレオチドを含むDNA分子。
- 哺乳動物INGAP遺伝子が配列番号1に示された配列を有する、請求項22記載のDNA分子。
- 検出可能なモイエティにより標識されている、請求項22記載のDNA分子。
- 他の哺乳動物蛋白質を実質上含まない、哺乳動物の膵臓のセロファンラッピングにより誘導可能な哺乳動物INGAP蛋白質であって、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する蛋白質の調製物。
- 配列番号1に示される配列の少なくとも10の連続するヌクレオチドを含むひとつまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドを哺乳動物のゲノミックDNAまたはcDNAにハイブリダイズさせて、
ひとつまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするゲノミックDNAまたはcDNAからDNA分子を同定すること
からなる、哺乳動物からINGAP遺伝子を単離する方法。 - 2つのオリゴヌクレオチドをゲノミックDNAまたはcDNAにハイブリダイズさせ、且つこれらのオリゴヌクレオチドをポリメラーゼチェイン反応(PCR)のプライマーとして用いることにより哺乳動物からINGAPヌクレオチドを合成する、請求項26記載の方法。
- ひとつまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドが標識されている、請求項26記載の方法。
- ハイブリダイズ工程において使用される哺乳動物のゲノミックDNAまたはcDNAが分子クローンのライブラリーの形態である、請求項26記載の方法。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する哺乳動物INGAP蛋白質に特異的に免疫反応する抗体調製物。
- ポリクローナルである、請求項30記載の抗体調製物。
- モノクローナルである、請求項30記載の抗体調製物。
- 固相支持体に結合した抗体を含む、請求項30記載の抗体調製物。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する哺乳動物INGAP蛋白質に特異的に免疫反応する抗体を生成するハイブリドーマ。
- 以下の工程:
請求項15記載の宿主細胞を用意し;
宿主細胞を栄養培地中で培養してINGAP蛋白質を発現させ;そして、
宿主細胞または培地からINGAP蛋白質を回収すること
からなる、哺乳動物INGAP蛋白質の製造方法。 - 以下の工程:
請求項10記載のDNA分子を含む宿主細胞を用意し;
宿主細胞を栄養培地中で培養して哺乳動物INGAP蛋白質を発現させ;そして、
宿主細胞または培地から哺乳動物INGAP蛋白質を回収すること
からなる、哺乳動物INGAP蛋白質の製造方法。 - 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有するINGAP蛋白質を膵島細胞増殖用培地に供給し;そして
INGAP蛋白質を含有する培地中で膵島細胞を成長させること
からなる、膵島細胞の成長方法。 - 膵島細胞の生存率または生存時間を高めるのに十分な量の、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有するINGAP蛋白質を、ポリカーボンの殻で封入された膵島細胞に加えることからなる、ポリカーボンの殻で封入された膵島細胞の寿命を高める方法。
- 配列番号1に示される遺伝子配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する第2の哺乳動物のINGAP遺伝子を含むヒト以外のトランスジェニック哺乳動物。
- 該INGAP遺伝子が、当該哺乳動物のどの内在性INGAP遺伝子よりも高い水準で発現される、請求項39記載のヒト以外のトランスジェニック哺乳動物。
- 遺伝子工学的に操作され、配列番号1に示される遺伝子配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する当該哺乳動物のINGAP遺伝子の挿入、欠失を含むヒト以外の哺乳動物。
- 配列番号1に示される遺伝子配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する個々の哺乳動物のサンプルINGAP遺伝子における突然変異を同定し、該突然変異がその遺伝子によってコードされたINGAP蛋白における構造上の異常を起こすか、又はINGAP遺伝子の消失(デミニッシュド又はオブリタレーテッド)発現を導く調節欠損を生じるものである、糖尿病の危険がある個々の哺乳動物の同定方法。
- 該サンプルが血液サンプルである請求項42記載の方法。
- 該サンプルが羊水サンプルである請求項42記載の方法。
- 該サンプルが絨毛膜サンプルである請求項42記載の方法。
- 該サンプルが胚盤胞サンプルである請求項42記載の方法。
- 該サンプルが膵細胞サンプルである請求項42記載の方法。
- 前記サンプルを請求項30による抗体製剤を接触させることからなる、哺乳動物からのサンプル中のINGAP蛋白を同定する方法。
- 哺乳動物INGAP蛋白の少なくとも15個の連続したアミノ酸からなる所定量のポリペプチドも前記サンプルと接触させる、請求項48記載の方法。
- 該ポリペプチドが検出可能に標識されている、請求項49記載の方法。
- 前記抗体製剤が固体支持体に固定されている抗体からなる、請求項48記載の方法。
- 前記抗体製剤が固体支持体に固定されている抗体からなる、請求項49記載の方法。
- 前記固体支持体に固定されていない標識ポリペプチドを検出する工程を含む、請求項52記載の方法。
- 単離した哺乳動物の膵島細胞を、他の哺乳動物蛋白から実質上精製された、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する哺乳動物INGAP蛋白の製剤と、該膵島細胞の生存率を増加させる量で、接触させることからなる、前記細胞のアポトーシスを避けるために、哺乳動物の膵島細胞を処理する方法。
- β細胞前駆細胞からなる膵管細胞の培養物を、実質上他の哺乳動物蛋白を含まない、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する哺乳動物INGAP蛋白製剤と接触させることからなる、β細胞の前駆細胞の分化を誘導する方法。
- 膵臓内分泌不全の哺乳動物から単離されたβ細胞前駆細胞からなる膵管細胞調製物を、配列番号2に記載の哺乳動物INGAP蛋白の調製物と接触させ;ついで
この哺乳動物に、上記のように処置された膵管細胞を、自家移植することからなる、膵臓内分泌不全の哺乳動物の治療のための医薬の製造における、INGAP蛋白の使用。 - プロモーター、ターミネーター、及び配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有するアミノ酸の配列をコードする哺乳動物INGAP遺伝子から成るヌクレオチド配列からなり、該ヌクレオチド配列が、該プロモーターとターミネーターとの間に有り、該ヌクレオチドが、該プロモーターに対して逆方向であり、それによって、該プロモーターからの発現の際に、ネイティブ哺乳動物INGAP mRNAに相補的なmRNAを生産する、ことからなる哺乳動物INGAP遺伝子のアンチセンス構造体。
- 哺乳動物からのサンプル内の哺乳動物INGAP蛋白を検出するためのキットであって、
配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する哺乳動物INGAP蛋白と特異的に免疫反応性である抗体製剤;及び
配列番号2に記載の哺乳動物INGAP蛋白の少なくとも15個の連続したアミノ酸からなるポリペプチドからなる、キット。 - 前記ポリペプチドが検出可能に標識されている、請求項58記載のキット。
- 前記抗体製剤が、固体支持体に固定されている抗体からなる、請求項58記載のキット。
- 膵管細胞の集団を、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し且つ膵島新生を刺激する能力を有する哺乳動物INGAP蛋白の製剤と接触させ;次いで
該集団から、INGAP蛋白に特異的に結合する細胞を検出する、ことからなるβ細胞前駆細胞を同定する方法。 - 前記INGAP蛋白が検出可能に標識されている、請求項61記載の方法。
- 前記INGAP蛋白が固体相上に固定化されている、請求項61記載の方法。
- INGAP蛋白がヒト由来のものであり、配列番号2に示される1〜83及び124〜174のアミノ酸配列からなる、請求項1記載の調製物。
- INGAP蛋白がヒト由来のものであり、N末端からC末端への配向で、配列番号2に示される1〜83、40アミノ酸、及び配列番号2の124〜174のアミノ酸配列からなる、請求項1記載の調製物。
- INGAP蛋白がヒト由来のものである、請求項10記載のDNA分子。
- 前記INGAP蛋白が、配列番号2の1〜83及び124〜174のアミノ酸配列である、請求項66のDNA分子。
- INGAP蛋白がヒト由来のものであり、N末端からC末端への配向で、配列番号2に示される1〜83、40アミノ酸、及び配列番号2の124〜174のアミノ酸配列からなる、請求項66記載のDNA分子。
- 配列番号2の1〜83及び124〜174のアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列をコードする、請求項22のDNA分子。
- 配列番号1の4〜268、及び389〜629のヌクレオチドからなる、請求項10記載のDNA分子。
- 配列番号1のヌクレオチドの1〜46または70〜747からの、哺乳類INGAP遺伝子配列の少なくとも20の連続ヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチドプローブ。
- 配列番号1のヌクレオチドの1〜46または70〜747からの、哺乳類INGAP遺伝子配列の少なくとも20の連続ヌクレオチド配列を含む、DNA分子。
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