JP4111267B2 - 杭穴の築造方法、掘削ロッド及び掘削ヘッド - Google Patents

杭穴の築造方法、掘削ロッド及び掘削ヘッド Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、杭基礎の築造において、所要形状の杭穴を予め掘削し、その杭穴内へ既製杭を押し入れ、沈設する場合等に使用する杭穴の築造方法、この築造方法に使用する掘削ロッド及び掘削ヘッドに関する。
【0002】
即ち、杭穴掘削時の掘削、掘削土の攪拌・練付け等による杭穴内壁の形成、杭穴の築造などのいわゆる杭穴掘削工事に適用できるものであり、本発明の目的は、杭穴内壁の品質向上、安定化による施工方法の最適化、標準化ができ、掘削作業の総合的な経済性向上及び掘削土という産業廃棄物の減少においても従来より高い効果を得ることである。
【0003】
また、本発明は、杭穴掘削工事において、杭穴内に埋設される既製杭と杭穴壁との摩擦力の発揮が重視される杭穴軸部の施工において、その仕上がり品質を確保することができる技術であり、特に、施工地盤の地質が、崩落し易いあるいは非常に粘性が高く内壁の形成が困難な場合に顕著な効果が期待できる。
【0004】
従って、本発明は、杭穴掘削完了して杭穴造成後に既製杭を埋設するいわゆる先掘工法、既製杭の中空部を挿通した掘削ロッドの先端の掘削ヘッドにより杭穴を掘削しながらその既製杭を埋設するいわゆる中掘工法のいずれにも適用できる杭穴造成技術であり、杭穴内壁の掘削、練付け、攪拌等に関連する杭穴の練付方法及び掘削方法であり、またその際に使用する掘削ロッドに関するものである。尚、先掘工法においては、既製杭の埋設に代えて、鉄筋篭などの他の構造体を埋設する杭穴に対しても適用できる。
【0005】
【従来の技術】
(1) 従来、杭基礎において既製杭を沈設する場合には、先ず、杭基礎築造予定地点で、杭打ち機に掘削ロッドを設置し、掘削ロッドは、杭打ち機のオーガー(定電圧でモーター回転数固定)により回転しながら、掘削ロッドの下端部の掘削ヘッドで掘削していた。
【0006】
(2) 杭穴の穴壁と既製杭の間に杭周固定液を充填する場合、掘削ヘッドの上方に攪拌棒及び練付ドラムを取り付けた掘削ロッドを使用して、杭穴穴壁の崩落を防止すると共に掘削土の排出量を削減する方法がとられていた。即ち、所定杭穴に見合った掘削径の掘削刃で、杭穴を掘削すると同時に、掘削ロッドの攪拌棒及び練付ドラムを回転させながらその掘削土を砕き、その掘削土を杭穴軸部内壁に練付して杭穴を形成していく方法がとられていた。
【0007】
また、掘削作業は、その施工地点の地盤の土質の強度(硬さ軟らかさ)によりオーガーへの電源負荷が変化するので、その負荷に応じてその電源容量範囲内で掘削ロッドの挿入速度(下降速度)を適宜調整して掘削していた。この場合、一般に、掘削地点の土質の強度に応じて、掘削装置を使い分け、その電源容量の範囲内でできる限り早く掘削するという主に施工効率(施工速度)の視点で施工される傾向があった(特許文献1)。
【0008】
(3) また、掘削に際しては、通常、掘削ロッドを駆動するオーガーの電源を定電圧とし、一定回転数(出力による2種類の切替えができる)を利用し、その電源容量の範囲内で出来る限り速い掘削速度(回転速度と下降速度)で工事をしていた。
【0009】
また、従来の先行掘りの掘削ロッドでは、練付ドラムを攪拌棒の上側に位置させ、練付ドラムは、同一高さに2つ、部分円柱状(または部分円筒状)の練付部を、円周面が外側に向くように配置し、杭穴の内壁を掘削径とほぼ同一寸法で擦ることができるような形状に形成していた。
【0010】
また、拌部は拌・混合を主な目的として使用されていた。
【0011】
(4) また、従来の中掘工法においては、既製杭の中空部を挿通する掘削ロッドの先端に掘削ヘッドが連結され、例えば、掘削ヘッドは揺動方向を切り替えて掘削径を変更できる掘削アームを使用したものが提案されている(特許文献2)。この掘削ロッドでは、掘削アーム先端の掘削刃で杭穴を掘削しつつ、掘削アーム上部の練付棒で掘削土を杭穴穴壁に練付けながら、既製杭を埋設していく掘削方法を採っている。このような中掘工法でも、掘削土の排出速度を速めて、掘削速度を上げる、即ち、上記の先掘工法と同様に、掘削ロッドの回転速度及び下降速度を主とした視点で、掘削ヘッドの改良等が行われていた。
【0012】
(5) また、ここで、従来の杭穴掘削内容を細かく分析してみると、杭穴となる地盤に、掘削刃を直接当てて、溝状に掘削し、同時に、溝と溝の壁部に当たる残部の地盤は崩す等の方法を併用しながら杭穴を形成していた。すなわち、杭穴内壁に関しても、掘削刃で必ずしも全面を掘削する訳ではなく、掘削していない他の地盤を同時に崩しながら掘進し凸凹の荒れた杭穴内壁面を形成し、その後、単に、掘削ヘッドの上方の練り付け部で掘削土を練り付け、崩れないように内壁を補強した杭穴を造成する杭穴施工方法が採用されていた。
【0013】
即ち、杭穴造成時、掘削速度に注力し、掘削速度、掘削刃の長さおよび回転数などの関連付けをして、掘削ヘッドを改良して一様な内壁とする杭穴掘削工法は殆ど採用されていなかった。
【0014】
【特許文献1】
特公昭57−27255号公報
【0015】
【特許文献2】
特開2001−356086号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
(1) 前記従来の技術の場合、掘削ロッドの構造、掘削地盤の強度、掘削速度などの掘削機の操作等が必ずしも適切な関係で組み合わされていないために、掘削土の練付量にバラツキが生じていた。例えば、所定深度まで掘削した後に掘削土の残量が多い場合には、掘削ロッドを引き上げる時に掘削土が邪魔になって容易に引抜くことができなかった。この場合、強引に引抜けば掘削土が多量に排出されたり、更に、杭穴に既製杭を挿入する時に土圧で逆に押し上げられたりして沈設できないなどの問題点があった。
【0017】
従って、このような問題のある掘削土の残量を減らすために、土質強度により掘削機のオペレータが個人の経験に基き掘削速度を遅くして、あるいは、杭穴掘削後、掘削ロッドを再挿入して繰返し上下動させながら回転させ、より多くの掘削土を杭穴穴壁に練り付けるように、攪拌、練り付けを繰り返す等して調整しなければならなかった。
【0018】
これは、前記のように、杭穴の掘削作業が、掘削効率すなわち掘削速度の向上を主眼にして行われており、手持ちの掘削ロッドを用いて、掘削ロッドの電源容量と掘削地点の土質強度とを勘案して、掘削機のオペレータをはじめ作業者の個人的経験に基いて、掘削土の排出速度が速くて、掘削速度の速い掘削方法が通常採用されるという施工方法に起因するものである。
【0019】
言い換えれば、掘削装置と掘削速度との関係については、充分に考慮されていなかったことによるものである。即ち、杭穴壁表面の形成品質の視点から見ると、掘削作業者が設定する掘削速度に掘削ロッド構造及びオーガーなどの掘削装置の能力とが必ずしも一致していない作業環境において、掘削作業者が適宜判断して掘削速度を調整して杭穴を掘削し、各掘削現場において、掘削速度に応じて掘削装置の掘削刃を最適化し、あるいは練り付けドラムおよび攪拌棒等の軸方向の長さを最適化すること等までは充分配慮されていなかった。
【0020】
従って、杭穴壁の品質をより向上させる視点に立って、掘削刃、練付ドラムや攪拌棒等の掘削ロッドの構造、掘削機の操作等とを併せて、杭穴施工方法を標準化し、ある程度の掘削速度を確保した上で、掘削時の掘削残土量、掘削土排出量、掘削作業時間などのバラツキを少なくし、掘削土の総排出量を低減し、安定化することが期待されていた。特に、杭穴の掘削速度が早く設定できる、土質強度が弱い軟弱地盤において特に必要とされていた課題であった。
【0021】
(2) また、従来の杭基礎では、かかる状況でも品質的に満足されていたが、最近は、下端部に効率良くせん断力が伝搬できるように形成された突起を保有する既製杭を、従来より大径で、所定寸法形状の拡底根固め部に埋設して従来の約2倍の高支持力を発現する杭基礎が開発され、杭穴に充填されているソイルセメント層も高固化強度で安定した確かな高品質の管理が要求されて来た。
【0022】
従って、大径寸法の拡径部を有する杭基礎等においては、高鉛直支持力の品質の安定化及び更なる支持力増加のためには、杭穴内壁のより一様な形成及び掘削土の確実・安定した練り付けによる高支持力に適応した杭穴を造成することが必要となって来た。特に、地質が粘性土等の堅い地盤の掘削においては、掘削土が大きな塊状となり掘削土の粉砕化が容易でなく練り付けも安定せず、掘削速度が遅くなると共に排出土の増加などが問題でより精緻な掘削方法への改良が必要であった。即ち、各杭穴毎及び個人差のばらつきを減らすと共に、高品質の基礎を安定に造成する掘削工法が必要であった。
【0023】
また、掘削速度を上げるために掘削土の排出が主目的で、練り付けが十分でない掘削方法が行われている中掘り工法、あるいは通常練り付けが行われていない拡底根固め部造成等の場合には、特に、掘削時の杭穴内壁の形成方法、掘削土の粉砕、排土等の改良が必要であった。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、掘削ロッドの構成要素である攪拌手段の形状、配置、練付手段の形状寸法、掘削刃の形状寸法及びオーガー等装置、更には掘削ロッドの掘削速度(掘削ロッドの挿入速度)等の関係を適正化し、効率的に、かつ品質的により確かな杭穴を築造すると共に、廃棄物としての掘削土のより少ない杭穴掘削工事を実現することにある。
【0025】
即ち、この杭穴の築造方法の発明は、掘削ロッドの先端の掘削ヘッドで、杭穴を掘削しながら、または掘削が完了した後、前記掘削ロッドの練付手段の練付部で、掘削土を前記杭穴の穴壁に練り付けながら杭穴を築造する方法であって、前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、回転数をN( r.p.m.)とし、前記練付手段の同一高さで、軸対称に配置される練付部の個数をn(個)、練付部の軸方向の長さをL(cm)とするとき、
v/N≦L×n
を満たすように、掘削ロッドの下降速度v及び/または回転数Nを操作して杭穴を練り付けながら築造することを特徴としている。
【0026】
また、他の杭穴の築造方法の発明は、掘削ロッドの先端の掘削ヘッドの掘削手段で、杭穴を掘削する方法であって、前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、回転数をN( r.p.m.)とし、前記掘削手段の同一高さで軸対称に配置され、掘削径に対応する杭穴壁掘削用の掘削刃の個数をn(個)、杭穴壁掘削用の掘削刃の軸方向の長さをL(cm)とするとき、
v/N≦L×n
を満たすように、掘削ロッドの下降速度v及び/または回転数Nを操作して杭穴を掘削しながら築造することを特徴としている。
【0027】
また、前記各杭穴の築造方法の発明において、杭穴の穴壁の総ての部分を、「掘削刃が複数回繰り返して杭穴壁を掘削できるように」及び/または「いずれかの練付部が複数回繰り返して杭穴壁を練付られるように」、掘削ロッドを制御することを特徴とする杭穴の築造方法である。また、杭穴の穴壁の総ての部分を、「掘削刃が少なくとも1回以上杭穴壁当接して掘削できるように」及び「いずれかの練付部が複数回繰り返して杭穴壁を練付られるように」、掘削ロッドを制御することを特徴とする杭穴の築造方法である。
【0028】
また、掘削ロッドの回転及び下降により、掘削ヘッドの掘削刃で、杭穴壁に螺旋状の凹凸溝を並列して形成し、続いて、前記掘削ヘッドの上方に位置する均し手段で、前記凹凸溝間の穴壁を整形して、杭穴を造成する杭穴の築造方法である。また、均し手段は、該均し手段の同一高さにおける、均し手段の個数をn(個)、均し手段の上下方向の長さをL(cm)とするとき、
v/N≦L×n
を満たすように、掘削ロッドの下降速度v及び/または回転数Nを操作して杭穴を掘削しながら築造することを特徴とする杭穴の築造方法である。また、均し手段で、掘削土を上方に揚げると共に掘削土を撹拌する杭穴の築造方法である。
【0029】
また、掘削ロッドの発明は、杭穴壁と当接できる練付部を同一高さで軸対称に配置される複数箇所有する練付手段を取り付けてなる掘削用ロッドであって、予め設定した前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、回転数をN( r.p.m.)とし、練付手段の同一高さでの練付部の個数をn(個)とし、練付部の軸方向の長さをL(cm)とするとき、
L≧v/(n×N)
を満たすように、各寸法を設定したことを特徴としている。
【0030】
また、前記掘削ロッドにおいて、練付手段の練付部は、杭穴壁に沿った部分円筒状の外周面からなる練付基部と、該練付基部の上下端に連設して、前記練付基部より小径の掘削土導入用の傾斜部を形成して構成し、掘削ロッドの外面で、前記練付手段の下方に、該練付手段より小径の攪拌手段を放射状に突設したことを特徴としている。また、練付手段を練付ドラムとし、ロッド本体に固定した取付部に、着脱自在または放射方向に移動自在に、練付部を取り付けて構成したことを特徴とする掘削ロッドである。また、先掘工法に使用する掘削用のロッドであって、練付部の軸方向長Lを、20〜40cmの寸法範囲で形成したことを特徴とする掘削ロッドである。また、中掘工法に使用する掘削用のロッドであって、練付部の軸方向長Lを、12〜40cmの寸法範囲で形成したことを特徴とする掘削ロッドである。
【0031】
また、他の掘削ロッドの発明は、杭穴壁と当接できる掘削刃を同一高さで軸対称に配置される複数箇所有する掘削手段を取り付けてなる掘削用ロッドであって、予め設定した前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、回転数をN( r.p.m.)とし、杭穴壁の掘削用の掘削刃の同一高さでの練付部の個数をn(個)とし、杭穴壁の掘削用の掘削刃の軸方向の長さをL(cm)とするとき、
L≧v/(n×N)
を満たすように、各寸法を設定したことを特徴としている。
【0032】
また、掘削ヘッドの発明は、杭穴壁と当接できる掘削刃を同一高さで軸対称に配置される複数箇所有する掘削手段を取り付けてなる掘削ロッド用の掘削ヘッドであって、前記掘削刃の上方に、板材を斜めに突設してなる均し手段を取り付けて、前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、回転数をN( r.p.m.)とし、杭穴壁と当接する前記均し手段の同一高さでの個数をn(個)とし、杭穴壁の前記均し手段の鉛直方向の長さをL(cm)とするとき、
L≧v/(n×N)
を満たすように、各寸法を設定したことを特徴としている。
【0033】
また、前記において、掘削ロッドに接合できるヘッド本体に揺動自在の掘削アームを取り付けてなり、該掘削アームの掘削刃は、斜め下方かつ外側に刃先を向けて取り付けてあり、該掘削刃の下側の角を鋭角状に形成し、該下側の縁が水平面と掘削方向で点状に接するように形成したことを特徴とする掘削ロッド又は掘削ヘッドである。
【0034】
この発明の杭穴の築造方法および掘削ロッドのいずれも、先掘、中掘のいずれの工法にも適用できる。
【0035】
前記における「同一高さ」とは、掘削手段で掘削し、または練付する場合、対象とする掘削手段の領域または範囲の高さ方向(杭穴深さ方向)の長さ成分をいう。
【0036】
また、前記における練付手段とは、例えば、掘削ロッドの中間部に部分円筒状の練付ドラムその他の練付治具を指す。
【0037】
また、掘削ロッドの下方に位置する掘削ヘッドに形成される練付機構も含まれる。例えば、掘削ヘッドをヘッド本体に揺動する掘削アームを取り付けて構成し、掘削アームの中間部に練付板、練付棒等の攪拌手段等を突設して構成することもできる。
【0038】
また、中掘工法では、ロッド本体に折り畳み式の練付装置を設け、折り畳んで中空杭に収容して、中空杭の下端から拡開して、杭穴壁の練付ができるような構成の練付手段とすることもできる。
【0039】
これらの場合でも、杭穴壁に接触して、杭穴を練り付けする機能を有する部分である練付部の掘削ロッドの軸方向(垂直方向)の長さをLとする。
【0040】
また、前記における掘削ロッドの下降速度v(cm/min)、回転数N( r.p.m.)とは、掘削ロッドを取り付ける杭打ち機のオーガーの下降速度、回転数と、夫々同値である。
【0041】
また、一般に、掘削刃の機能として、通常、最初に地面に当たり先行して杭穴内部を掘削する中央部用の掘削刃と、掘削すべき杭穴の穴径の外周に沿って回転する杭穴壁の掘削用の掘削刃とがある。従って、前記における杭穴壁掘削用の掘削刃とは、後者の役割を担う掘削刃を指す。ただし、掘削ヘッドの外周に位置する掘削刃では、両機能を同時に満たすように構成される場合もある。
【0042】
また、より形状・品質の安定した杭穴を掘削・造成するためには、杭穴内壁の掘削に関しては、杭穴内部(中心部等)の地盤の掘削方法と変えて、所定地盤で全面洩れ無く掘削刃で直接に所定寸法に掘削する掘削方法を採用することにより解決する。詳述すると、杭穴の外周の内壁部分は全面一様とし、中心部等の内部は必ずしも全地盤を掘削せず崩しながら掘削するという異なる掘削・造成方法を採用する。勿論、杭穴内部の地盤も洩れなく掘削すればより高品質な杭穴が造成できることは同一技術思想の延長として当然であるが、この方法の採否は、所要品質及び経済性の視点から選択されるべき事項である。
【0043】
即ち、杭穴内壁を掘削刃で全面直接に掘削し、内壁全面に一様な杭穴を形成するので、通常数10m以上掘進する長い寸法の杭穴軸部の掘削工程においては特に重要な技術となる。
【0044】
具体的には、少なくとも、掘削ロッドを押し込む掘削速度、掘削装置のオーガーの回転速度および掘削刃の軸方向長さ寸法等を適切に組合せることにより、杭穴内壁を全面一様に洩れなく掘削し、杭穴内壁の一様な安定した掘削面を形成し、掘削土の寸法形状をも一定とさせることができる。
【0045】
従って、先行掘り工法、中掘り工法及び各種場所打ち工法などに、また、杭穴軸部掘削及び根固め部等の拡径部などにも共通して利用できる技術であり、練り付けも安定化させ、より一様な杭穴掘削内壁面の形成、掘削土の排出性改善、及び抗穴内の掘削土混合物(ソイルセメント層)の品質安定化等を改善することができる技術である。
【0046】
更に、本発明の築造方法または掘削ロッドで、掘削に特徴がある発明と練り付けに特徴がある発明とを、適宜組合せて杭穴内壁を形成することにより、さらに安定した品質及び高性能な杭穴を造成及び排出土の少ない施工をすることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(1) 通常の先行掘りにおいては、前記問題を解決するための本発明の掘削ロッドの練付ドラムは、中空掘削ロッドの外周で、同一高さに少なくとも2個一組の練付部を有し、練付部が軸対称の位置に配置される。また、練付ドラムの両練付部の最大外径は、杭穴掘削径と略同一寸法とし、杭穴穴壁を擦ることができるような形状としている。
【0048】
また、この練付ドラムの下側(掘削ヘッド側)には攪拌板等の攪拌手段を配置し、練付前に掘削土を確実に粉砕・攪拌し、さらに練付ドラムへ押込み易いように形成されている。
【0049】
また、掘削ロッドの先端部に形成され杭穴を掘削している掘削ヘッド部にはその掘削ロッドの中空部より通じた給水口が設けられ、掘削時に掘削補助として使用する水、または、掘削土と混合する所要のセメントミルクなどが、掘削、粉砕、充填層形成等の目的に応じて所定量適宜注入できるようになっており、これらの攪拌・混合された掘削土を回転する練付ドラムで杭穴内壁に練り付けている。
【0050】
(2) 本掘削ロッドにおいては、
掘削時の掘削ロッド回転数をN( r.p.m.)、
掘削速度(掘削ロッドの押込み速度)をv(cm/min.)、
練付ドラムの各段における同一高さの練付部の数をn(個)、
練付ドラムの軸方向の長さをL(cm)とする時、
練付ドラムが杭穴の内壁の少なくとも全面に掘削土を練り付けるよう互いに関係付ける。
【0051】
従って、練付ドラムの練付部の軸方向長さ寸法L(cm)は、
L≧v/(n×N)
なる関係を少なくとも満たすように形成し掘削する。
【0052】
また、掘削速度が通常より速くて前記関係式を満たす練付ドラム長Lが調達できない時は、掘削速度v(cm)は、
v≦L××N
なる関係を少なくとも満たすように調節しながら施工することとする。
【0053】
また、練付ドラムを有する掘削ロッドでの攪拌手段は、土壌改良での攪拌と異なり練り付けの準備工程として、掘削土の塊を粉砕し練付ドラムの練付面に掘削土を送り込むことが補助機能としてより必要である。従って、攪拌板の軸方向(鉛直方向)の幅は比較的狭く軸に直角な方向(水平方向)の幅は広くして強度を高めて切り刻むのに適した形状とし、かつ攪拌板外径は、掘削土を杭穴内壁の周辺部に押付け、練付ドラムの練付部へ掘削土を供給するために、該ドラムの掘削土導入傾斜部より小径寸法としており、取り付け位置は、掘削ロッドの練付ドラムの下側すなわち掘削ヘッド側に形成している。掘削土が練付けされずに、ドラムの上方より落下する場合もあるので、ドラムの上側にも同様の攪拌手段を設けることが望ましい。練付ドラムを複数多段に装着する場合においても、撹拌手段は、同様に上下に設けることが望ましい。
【0054】
(3) また、中掘工法では、使用する掘削ロッドの細部の構造は、先掘工法とは異なるものを使用するが、中掘工法においても、先掘工法と同様の趣旨の掘削ロッドを使用し、同様の関係式を適用することができる。即ち、練付手段として、掘削ロッド上の「練付ドラム」の代わりに、掘削ヘッド等に形成された「練付棒」等の練付部の軸方向の長さ寸法Lに関して同様に、関係式を満たすように取り扱えば、本発明の目的を達成することができる。
【0055】
(4) 掘削ヘッドの押し込み速度(掘削速度)v、掘削ヘッド(掘削刃)の回転数N、同一掘削ヘッドでの掘削刃の軸方向の全長寸法L、同一掘削ヘッドでの掘削刃本数nとするとき、掘削刃の軸方向の長さ等に関しては、練り付け同様に、杭穴外周(内壁)全面を少なくとも1回、掘削刃で掘削するために、下記の関係式を満たすように互いに関係付ける。
【0056】
L≧v÷(n×N)
L:掘削刃の軸方向長さ(m)
v:掘削ヘッドの押込み速度(m/min)
n:掘削ヘッドでの内壁用掘削刃数(個)
N:掘削ヘッドの回転数( r.p.m.)
【0057】
また、Lが事前に固定されている、あるいは変更できない場合には、
v≦L×(n×N)
のように速度vで掘削することにより、装着されている内壁用掘削刃及び回転数等の掘削装置に見合う掘削速度となり、杭穴内壁の全面を確実に掘削、造成できる。
【0058】
練り付けドラム等の練り付けの発明に比べて掘削刃の場合の違いは、掘削刃の数が通常4〜6枚と多く形成され各掘削刃の用途が異なっており、杭穴内部の掘削用、及び、杭穴内壁掘削用とに区分けされていることである。
【0059】
(5) 先掘り工法での掘削ロッド1での掘削刃について(図5、図6):
【0060】
掘削ロッド1に装着された掘削ヘッド36の最下端部には、杭穴軸部を掘削する固定掘削刃39、39が6枚形成されており、掘削装置のオーガーの動力が掘削ロッド1の回転によりそのまま伝達され、杭穴50を回転掘削する。その掘削刃39の中2枚の掘削刃39A、39A(最も外側に位置している)は杭穴の軸部穴壁51の掘削径に対応する最大外径部すなわち内壁掘削用であり、その他の4枚はその内側の位置で、杭穴内部の掘削及び掘削土の粉砕を分担するものである。ここで、掘削刃39Aによる掘削については、前記(4)の項の「L」を掘削刃の刃先39aの軸方向の長さ「L21」に置き換えて、関係式を満たすよう「L21」を設定すれば、杭穴軸部全面が掘削された杭穴が得られる。これら掘削刃39Aは数10mの杭穴軸部の穴壁51及び掘削土の品質にかかわる部分であり、具体的には、築造される基礎杭の軸部の摩擦支持力、水平耐力及び掘削土の排出等にかかわる。
【0061】
杭穴壁51を出来る限り全面掘削することが最も品質上安定しており最適であるが、建造物の要求品質、地盤品質等により経済的にも最適な掘削刃寸法と掘削速度等を適宜組合せ掘削すること、あるいは、全面掘削しないで、掘削部と非掘削部の割合を所望の値に固定して掘削することも可能である。
【0062】
また、拡大掘削刃55は、杭穴の拡底部52掘削用であり、軸部掘削より大径寸法の掘削で軸部掘削と異なる2枚の刃先を形成しておりその軸方向寸法L22である。 掘削刃の長さL22として、
22≧v÷(n×N)
を満たす寸法の掘削刃56を使用し、掘削工法に関しても、
v≦L22×(n×N)
を満たすよう施工する。回転数Nは掘削ロッド1の回転数でオーガーの機種及び操作により適宜選択でき、練り付けと全く同様である。
【0063】
拡底部(拡底根固め部)52は、通常、先端支持力として基礎杭の鉛直支持力の主要部分を負担しているため全面一様な掘削が望ましい。拡底部52内に充填するセメントミルクなどの層の均一な品質を確保するためにも、杭穴軸部の穴壁51以上の内壁の仕上がり品質を確保すると共に粉砕された掘削土の形状・寸法が一様であることが必要である。よって、特に高支持力の杭基礎の場合には、地盤の地質・強度なども考慮し杭穴軸部より遅い掘削速度vでの掘削が望ましい。
【0064】
また、拡底部を杭穴軸部(杭穴下端部に形成しない場合)の中間に形成する場合でも要求仕様によっては同様に造成することが望ましい。
【0065】
(6) 先掘り、中掘りに使用される揺動式掘削ヘッドでの掘削刃(図1、図2、図9):
【0066】
掘削刃41を揺動する掘削アーム40の先端に形成し、その掘削アーム40を装着した掘削ヘッド36と一体となって回転し掘削する方式で、掘削ヘッド36の回転方向に基き揺動拡径して所定の掘削径寸法で掘削する。
【0067】
揺動する掘削アーム40は2本で、その先端に掘削刃41、41が各3本形成されており、その両端の刃先が杭穴壁の掘削・形成に使用されており、掘削ロッド1の回転方向により掘削アーム40の揺動方向が異なり、拡開径を変化させている(図1(a)(b))。その一方が小径の杭穴軸部の穴壁51掘削用で、他方が大径の拡底部(拡底根固め部)52等の拡径部掘削用とに使い分けしている。
【0068】
先ず、杭穴軸部掘削に関しては、掘削刃41の内、両側に位置する掘削刃の軸部掘削用の刃先の軸部方向寸法をL21とする。L21としては、式
21≧v÷(n×N)
を満たす寸法の掘削刃を使用し、掘削工法に関しても式、
v≦L21×(n×N)
を満たすよう施工する。回転数は掘削ロッド1の回転数Nでオーガーの操作により適宜選択でき、練り付けと全く同様である。また、拡底部の掘削に関しても、軸部掘削と同様に、掘削刃の軸部方向寸法をL22と置き換えて前記の関係を満たすようにすれば、全面一様な掘削が可能である。
【0069】
尚、掘削刃の刃先の軸方向の長さL21、L22は、軸部用L21と拡径用L22で掘削角度に合わせて形状・寸法等を調整することが望ましい。
【0070】
(7) また、先掘り工法で、杭穴の軸部の中間部に拡径部を形成する構造の杭穴の場合には、その拡径部は通常、先端支持力と併せて、杭基礎の支持力の一部を負っている。従って、その中間の拡径部での掘削方法は、拡底部52での掘削と同様に、軸部と拡径部とで掘削速度v、回転数Nなどを切り替え、拡径部は軸部より緻密で一様な杭穴の掘削・造成とすることが望ましい(図示していない)。
【0071】
【実施例1】
図1〜図5に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0072】
[1]掘削ロッド1の構成
【0073】
この発明の掘削ロッド1は、中空部4を有するロッド本体3の下端に、掘削ヘッド36を取り付けて構成する(図1)。ロッド本体3は、上端に連結凸部5、下端に連結凹部6を形成し、上下に必要長さだけロッド本体3を連結できるようになっている(図1、鎖線図示3)。
【0074】
ロッド本体1の中間部外周に、練付ドラム10、10が固定され、練付ドラム10の下側に攪拌板30、30が取付けられている。
【0075】
また、掘削ヘッド36は、ヘッド本体37の上端部に、連結凸部38が形成され、下端部に固定掘削刃39、39が取り付けてある。また、ヘッド本体37の両側に、先端部に掘削刃41、41を設けた掘削アーム40、40が揺動自在に取り付けてある(図1)。また、この掘削ヘッド36の下端中央部に注水口(図示していない)があり、掘削しながら掘削ロッド本体3の中空部4を通じて外部から水及びセメントミルクなどを所要量適宜注入出来るようになっている。
【0076】
尚、図1中7は、掘削ロッド1を継ぎ足す際等に、掘削ロッド1を地上付近で保持する為のリングであり、攪拌機能も併せ持っている。
【0077】
[2]練付ドラム10の構成
【0078】
(1) 練付ドラム10は、ロッド本体3に固定された取付部11に、ピン48で練付部17を取り付けて構成する。取付部11、11は、ロッド本体3に対して軸対称な位置に二箇所に設け、夫々に練付部17が取付けられる(図3)。
【0079】
(2) ロッド本体3の外周に、縦に(軸方向に)配置した2枚の固定板12、12を放射状に突設して固定する。両固定板12、12は、角θ(θ=約90度)の角度で配置され、両固定板12、12間で、上端部、下端部及び中間部に、横方向に配置した扇形状の支持板13、13、14を嵌挿固定し、支持板12、12の基端縁(小径側)は、ロッド本体3の外面に固定される。支持板13、13、14には上下に連通する透孔15が穿設されている。以上のようにして取付部11を構成する(図3(a)(b))。
【0080】
また、取付部11において、両固定板12、12の外側(支持板13を固定しない側)には、角θの空隙部28、28が形成される。角θ=90度、とした場合、空隙部28の角θも約90度に形成され、練付部を取り付ける部分と空隙部28とは、ほぼ、1:1 の比率で形成される。
【0081】
この空隙部28により、掘削中に、掘削土(泥土)やセメントミルクなどが杭穴内を上下に通過できる。従って、練付部で杭穴壁への練付で溢れた泥土が空隙部28を通って下方に逃げることができ、練付量とその圧力のバランスが取れ、練付速度上、望ましい比率となっている。
【0082】
また、同じ練付部と空隙部28との比率1:1で、分割数を変えて、例えば、角θ=45度、角θ=45度として、練付部と空隙部28とを4つづつ設けてもほぼ同じ効果が得られる(図示していない)。
【0083】
(3) 支持板13、13間に嵌挿され、凹内面18aがロッド本体3の外周面に沿って配置できるように、外周と同一曲率(半径)または若干大きな曲率(大径)で形成された屈曲板(部分円筒状)18を構成する。屈曲板18の凸外面18bの両側に、固定板12、12の内側に沿って配置できる縦板19、19を固定する。縦板19、19の上下に被せるように、扇形状の横板20、20を固定する。横板20の基端縁(小径側)20aは屈曲板18に固定されている。取付部11の中間の支持板14を挟むことができる扇形状の小横板21、21を、横板20、20間に並列し、小横板21、21の基端縁(小径側)21aを屈曲板18に、両側縁を縦板19、19に夫々固定する。両小横板間21、21間には、中間の支持板14の厚さに対応した間隙22が設けられている。横板20、小横板21には、上下に連通し、かつ支持板13、14の透孔15、15と連通する透孔23が夫々穿設されている。
【0084】
部分円筒状の基部25の上下に、導入部26を夫々連設して練付板24を形成する。導入部26の外面は、基部25側から先端27に向けて徐々に小径となるように形成され、先端27、27間が最小の外径(先端の外径)Dで形成されている。練付板24の内面を縦板19、横板20の先端縁(大径側)に固定して、練付部17を構成する(図3(a)(b))。
【0085】
前記において、基部25の長さLが、ロッド本体3の軸方向に沿った軸方向長さとなる(図3(b))。また、両錬付板24間の径Dが、杭穴の穴径に対応した練付径となる(図3(b))。
【0086】
(4) 練付部17を、取付部11の固定板12、12間に嵌挿する。続いて、上の支持板13の透孔15からピン48を嵌挿して、透孔15、15、透孔23、23を貫通して、下の支持板13の透孔15から貫通したピン48の先端部にキャップ47を取り付けて、ピン48の抜けを防止する(図3(b))。
【0087】
また、施工地盤の土質によっては、練付ドラムとして、練付部17の円弧状の練付板24を取り外した状態で、練付することもできる。即ち、縦板19の縁と土泥を押し込んだ練付面を利用して練付ドラムの代用とすることも可能である(図示していない)。
【0088】
(5) 練付部17の練付板24基部25の長さL(cm)は、
掘削時の掘削ロッド回転数をN( r.p.m.)、
掘削速度(掘削ロッドの押込み速度)をv(cm/min.)、
とした場合、
練付ドラムの同一高さの練付部の数n(個)=2、
であるので、練付ドラムが杭穴の内壁の少なくとも全面に掘削土を練り付けるためには、
L≧v/(n×N)=v/2N
となるように、設定する。
【0089】
[3]攪拌板30の構成
【0090】
攪拌板30は、ロッド本体3の軸方向の幅(厚さ)Wの平面台形状の板状で、基端31側は円弧状の凹面に形成され、ロッド本体3に固定する。先端32側は、基端31側より幅が狭く形成され、先端32側は水平方向幅Wに形成されている。攪拌板30は、掘削土塊の粉砕を容易にするために攪拌板30の軸方向幅Wは水平方向幅Wより薄くし、強度を確保しており、
≒5×W
の寸法で形成されている(図4(a)(b))。
【0091】
また、攪拌板30の基端31側に切欠き33が形成され、切欠き33に、ロッド本体3の外面に固定した軸方向の縦補強板34が貫通固定して、攪拌板30をロッド本体3に強固に固定してある。
【0092】
攪拌板30は、同一高さに2個づつ直径対称の位置に固定され、上下に隣接する攪拌板30、30は、90度づつ位相をずらして配置されている。同一高さの攪拌板30の先端32、32間の外径Dは、練付ドラム10の導入部26の先端27より内側に位置し、最小外径Dより小径寸法で形成され、練付板24への掘削土の押し込みを容易にしている(図4(a)(b)、図3(b))。
【0093】
尚、外径D2は練付部外径D1の2分の1以上が、掘削土の周辺押し込みの点から望ましい。
【0094】
また攪拌板30は、ロッド本体3上に、ほぼ同一間隔Hを空けて上下に配置する(図1)。この間隔Hは、通常50〜100cm程度が練付性(掘削土の粉砕、押し込み)から望ましい。
【0095】
[4]掘削方法(練付方法)
【0096】
杭穴50を掘削する地盤49において、掘削ロッド1の上端の連結凸部5を、杭打ち機44の回転駆動部として機能するようにモータ46を内蔵したオーガー45に接続する。尚、所要の杭穴50が長く、掘削深度が深い場合には、掘削ロッド1、1を同様に、上下に必要本数だけ連結しながら掘削する(図5。尚、図5図示の掘削ヘッド36は、図1の構造とは異なる)。
【0097】
このオーガー45により回転させ、かつ、該掘削ロッド1を押込み速度v(cm/min)で押込みながら掘削ヘッド36により杭穴50を所定寸法で掘削する。同時に、攪拌板30で掘削土を攪拌・粉砕し、練付ドラム10により掘削土を杭穴50の穴壁51に練り付ける。
【0098】
攪拌板30及び練付ドラム10は、同じ掘削ロッド1に形成されているため、掘削ロッド1、攪拌板30及び練付ドラム10などの回転数は、オーガー45の回転数N(r.p.m.)と同一であり、オーガー45の能力により使用範囲が限られる。通常、施工されている杭穴50の穴径は40〜100cm程度で、100KVA〜250KVA程度の電源容量のオーガー45を使用し、回転数Nは13〜27( r.p.m.)程度の範囲で、回転数は必要トルクとの関係で一定の値で掘削するものが使用されている。また、掘削速度は、1つの杭基礎当たりの総施工時間の都合で、通常、1m/min.以上で掘削されている。
【0099】
ここで、杭穴掘削施工時に、練付ドラム10の練付板24の基部25の長さL(cm)の場合、
v/N≦L×n
の関係を満たすように、
掘削時の掘削ロッド回転数N( r.p.m.)、
掘削速度(掘削ロッドの押込み速度)v(cm/min.)、
を調節する。これにより練付ドラム10、10で杭穴50の穴壁51を少なくとも一回は練り付けすることができる。尚、杭穴50の穴壁51の崩壊を防止して、より安定したものとするためには、複数回練り付ける。また、粘性が高く、粉砕性が悪く、練付性の良くない(練付部17の導入部26へ掘削土が導入され難い)ような地盤の場合にも、複数回練付が必要である。
【0100】
杭穴掘削が完了したなら杭穴内にセメントミルクなどの硬化物を注入し、掘削泥土と攪拌混合し、あるいは、掘削泥土と置換して、ソイルセメントまたはセメントミルクを杭穴内に充填して、既製杭を杭穴内に沈設して、ソイルセメントなどが固化した後、基礎杭を構成する(図示していない)。
【0101】
[5]他の実施例
【0102】
(1) 大径の杭穴の掘削・練付に使用する練付ドラム10では、練付部17の練付板24が外側に位置するような形状の練付部17を使用する(図3(a)(b)鎖線図示24)。
【0103】
(2) 前記実施例において、掘削ロッド1は、ロッド本体3の長さが10mのタイプを想定して構成したが、ロッド本体1の長さが5mの場合の構成を、図2に示す。このタイプでは、練付ドラム10は1箇所に設ける(図2)。
【0104】
(3) 前記実施例において、練付ドラム10は、取付部11の透孔15または練付部17の透孔23のいずれか一方または両方を、放射方向に長い長孔に形成すれば、取付部11に対して、練付部17を放射方向に摺動できる(図示していない)。従って、同じ練付板24(軸方向の長さL)を有する練付部17の位置を調節することにより、容易に練付径を変更できる。
【0105】
(4) 前記実施例において、練付ドラム10は、軸対称の位置に、2つの練付部17を設けたが、同一高さ位置に、1つあるいは、3つ以上設けることもできる(図示していない)。3つ以上設ける場合には、θを適宜90度より小さく設定する。また、練付ドラム10の構造も、練付効率を考慮すれば、上記構造が望ましいが、杭穴穴壁に当接できる形状であれば、ブロック状、縦棒状など他の形状構造とすることもできる(図示していない)。ただし、練付部17と空隙部28との比率は、前記実施例のように、1対1が練付効率上望ましい。
【0106】
(5) 前記実施例において、攪拌板30は、掘削土を粉砕して攪拌し、練付部に押し込む効果を考慮すれば、前記構造とすることが望ましいが、板状に代え、棒状、網状など他の形状構造とすることもできる(図示していない)。
【0107】
尚、練付部は、いずれの形状においても、基礎杭が穴壁に当たらす、容易に基礎杭の押し込みができるようにする点、および杭穴の内壁の均一性(凹凸の変動範囲)の点から、練付面の傾斜等による外径寸法上の許容範囲は1cm以内に押さえることが望ましい。
【0108】
【実施例2】
図5〜図8に基づきこの発明の他の実施例を説明する。この実施例は、実施例1と異なる掘削ヘッド36を使用した例である。
【0109】
(1) 掘削ヘッド36は、中空筒状のヘッド本体37の上端部に、連結凸部38が形成され、下端部に固定掘削刃39、39が取り付けてある(図6)。また、ヘッド本体37の周囲に、揚土用のスパイラル58、58が形成されている。また、スパイラル58の中間部に、軸57周りに回動して、放射方向(横方向)に拡開する拡大掘削刃55、55が取り付けてある(図6、図7)。
【0110】
固定掘削刃39、39は、最も外側(外周側)に位置する固定掘削刃39の刃先39aは、杭穴壁に当接して穴壁を掘削する部分が鉛直方向(ロッドの軸方向)長さL21で形成されている。また、掘削手段の数nは2つとなる。
【0111】
また、拡大掘削刃55の刃先が杭穴壁に当接して穴壁を掘削する部分の鉛直方向(ロッドの軸方向)長さL22で形成されている(図6(b))。従って、拡大掘削時の杭穴壁を掘削する掘削手段の数nは2つとなる。
【0112】
また、この掘削ヘッド36の下端中央部に注水口(図示していない)があり、掘削しながら掘削ロッド本体3の中空部4を通じて外部から水及びセメントミルクなどを所要量適宜注入出来るようになっている。
【0113】
尚、図1中7は、掘削ロッド1を継ぎ足す際等に、掘削ロッド1を地上付近で保持する為のリングである。
【0114】
(2) 以上のように形成した掘削ヘッド36をロッド本体3に連結して、この発明の掘削ロッド1を構成する(図1、図2参照)。ロッド本体1は、前記実施例1と同様構造の練付ドラム10、攪拌板30、が取り付けてある(図3、図4)。尚、攪拌板30の先端32には先端縦板35が形成されている(図4(a)(b)鎖線図示35)。先端縦板35を形成することにより、拌巾の増強及び周辺部への押し込み等で有効である。
【0115】
(3) この掘削ヘッド36を取り付けた掘削ロッド1も実施例1と同様に、先掘の工法に使用する。
【0116】
実施例1と同じ杭打ち機44のオーガ45に、掘削ロッド1を取り付けて、杭穴軸部を掘削する(図5)。この際、実施例1と同様に、施工現場における試験あるいは地質データ(ボーリングデータ)等の結果から施工条件として、施工前に設定される。掘削時の掘削ロッド回転数をN( r.p.m.)、掘削速度(掘削ロッドの押込み速度)をv(cm/min.)として、練付ドラム10の練付板24の基部25の長さL(cm)とする場合、
L≧v÷(n×N)
の関係を満たすように、Lの寸法を調節する。これにより練付ドラム10、10で杭穴50の穴壁51を少なくとも一回は練り付けすることができる。尚、施工前に長さLが固定されていたり、予定より掘削性が良い場合等は、
v/N≦L×n
となるように、v、Nを調節することにより容易に全面練付ができる。また、杭穴50の穴壁51の崩壊を防止して、より安定したものとするためには、複数回練り付けするように設定することもできる。
【0117】
(4) また、掘削時においては、最も外側の固定掘削刃39、39の刃先39aは最も外側の軌跡(杭穴外周)を通り、杭穴壁を所定の径で形成する。この際、固定掘削刃39の刃先39aの刃先の長さL21、同一高さの刃先の数n=2(個)であるので、施行前に設定された掘削時の掘削ロッド回転数をN( r.p.m.)、及び掘削速度(掘削ロッドの押込み速度)をv(cm/min.)として、刃先の軸方法長さL21について、
21≧v÷(n×N)
の関係を満たすように、L21寸法を調節する。これにより固定掘削刃39の刃先39aが杭穴50の穴壁51を少なくとも一回は削り、同一径で整った杭穴壁を形成できる(図7)。
【0118】
(5) 掘削刃の寸法変更ができない状況で掘削する場合には、
V/N≦L21×n
を満たすように、v、Nを調節して、掘削ロッドを操作すれば、少なくとも1回は固定掘削刃39で杭穴壁51を直接に掘削して、かつ杭穴壁51を練付ドラム10で均すので、均一で、品質の良い杭穴を形成できる。
【0119】
(6) また、掘削ロッド1を逆転して、拡底掘削刃55、55を開き、杭穴の拡底部52を掘削する(図7、鎖線図示52、55)。この際、拡大掘削刃55の刃先の長さL22、同一高さの刃先の数n=2(個)であるので、事前に設定された掘削時の掘削ロッド回転数をN( r.p.m.)、
掘削速度(掘削ロッドの押込み速度)をv(cm/min.)とした場合、杭穴軸部掘削と同様に、
22≧v÷(n×N)
の関係を満たすように、
L寸法を調節する。これにより拡大掘削刃55の刃先が杭穴50の拡底部の穴壁を少なくとも一回は削り、同一径で整った拡底部52の杭穴壁を形成できる(図7)。
【0120】
また、刃先の長さL22が変更できないときは、L22を固定して、
v/N≦L22×n
となるようにv、nを調節する。
【0121】
(7) 従って、杭穴の軸部、拡底部の全体をもれなく掘削して練り付けすることができ、かつ掘削土の粉砕も均一形状化できる。よって、掘削土の総量も安定し、よりソイルセメント層等の杭穴充填物の品質も安定し、施工条件及び杭穴品質の安定した確かな杭穴を築造できる。
【0122】
(8) 続いて、杭穴掘削が完了したなら杭穴内にセメントミルクなどの硬化物を注入し、掘削泥土と攪拌混合し、あるいは、掘削泥土と置換して、ソイルセメントまたはセメントミルクを杭穴内に充填して、既製杭を杭穴内に沈設して、ソイルセメントなどが固化した後、基礎杭を構成する(図示していない)。
【0123】
(9) 従来の杭穴の掘削は、掘削ロッドの最下端に位置する鉛直方向に突出した複数の固定掘削刃を、掘削ロッドと共に回転させて、掘削することに重点がおかれていた。上記実施例のように掘削と練付とを考慮した掘削刃の構成を採用すれば、杭穴軸部の掘削においても、同様に、適用できる。特に、杭打ち機(掘削機)のオーガーの回転数能力が数十回( r.p.m.)程度の杭穴掘削の場合には、特に効果が大きく、施工地盤に関して、掘削し易く掘削速度が速くなり易い、いわゆる崩落し易い地盤においては、特に有効である。また、粘性が高く粉砕性が悪く練付性の良くない(練付部17の導入部26へ掘削土が導入され難い)ような地盤の場合にも複数回練付が掘削土の粉砕及び練付部による押し込み等の点で効果的である。
【0124】
(10) 前記実施例で、掘削ヘッド36で揚土用スパイラル58に拡大掘削刃55を取り付けて構成したが、ヘッド本体37に縦方向の軸57、57を設けて、軸57周りに回動自在な拡大掘削刃55を取り付けて、掘削ヘッド36を構成して、同様に掘削することもできる(図8)。この場合にも、固定掘削刃39、39は、最も外側(外周側)に位置する固定掘削刃39の刃先39aは、杭穴壁に当接して穴壁を掘削する部分が鉛直方向(ロッドの軸方向)長さL21で形成されて、拡大掘削刃56の刃先のその長さはL22で形成されているので、同様に、施行前に予定した掘削速度をv、掘削ロット回転数をNとすると、長さL21、L22に関して、
21≧v÷(n×N)
22≧v÷(n×N)
を満たすように、形状寸法を調節すれば、整った杭穴壁を有する杭穴を形成でき、掘削土の形状寸法が均一となる掘削ができる。
【0125】
(11) また、前記実施例1の掘削ヘッド36を有する掘削ロッド1においても、掘削アーム41の最も外側に位置する掘削刃41の刃先の軸部掘削時の鉛直方向(杭穴壁に当接する)長さL21(図1(a))、拡底部掘削時の鉛直方向(杭穴壁に当接する)長さL22(図1(b))とした場合に、前記同様に、
v/N≦L21×n
v/N≦L22×n
を満たすように、掘削ロッド1を調整して掘削すれば、整った杭穴壁を有する杭穴を形成でき、効率的に掘削ができる。
【0126】
(12) 通常の掘削工事においては、掘削刃の寸法はその加工強度および経済性の問題から寸法形状が限られており、掘削刃の刃先の寸法としては5cm程度が常用され、また、練付部は、杭穴深度に対応した掘削ロッド1のロッド本体3上で任意の軸方向長さを確保し易く、練付部が大きい形状の採用が容易であるので、刃先の軸方向寸法は練付部寸法の数分の1〜10分の1程度となる。
【0127】
掘削刃も練付部同様に、いずれの形状においても、その刃先の傾斜等による外径寸法上の許容範囲は、基本的には杭の沈設可能範囲であるが、杭穴壁成形品質上から、1cm以内に押さえることが望ましい。
【0128】
従って、掘削刃の刃先の軸方向寸法が限られている実体から、杭穴内壁全面を洩れなく造成するには、掘削刃の刃先の軸方向寸法を一定として、掘削速度および掘削ロッド回転数等を調節して掘削する方法が確実である。
【0129】
また、掘削刃を考慮した杭穴全面の均質な掘削を実施すれば、練り付けは更に確実に練り付けされることも確かである。
【0130】
(13) 杭穴掘削機のオーガーとしては、従来、定電圧で掘削ロッド回転数一定の方式が実務で利用されているので、本発明の実施における調整項目としては、所定寸法の掘削刃の刃先、練り付け部を夫々装着すれば、掘削施工中には掘削ロッド回転数のレンジ切り替え及び掘削速度の制御のみで均質な所定の杭穴形成が容易である。また、最近販売されている掘削時の掘削ロッドヘの負荷に合わせて回転数が自動制御されるいわゆるインバーター方式の装置の場合においては、掘削中に回転数が非常に小さい値になり均質な杭穴が形成されないことが有り得るので、掘削中に本発明の関係式を満たすよう常に注意することが必要である。例えば、本発明の関係式を満たすように複数の項目を同時に調整制御することが必要となる場合には、現場オペレーターの掘削制御装置に、上記の関係式を自動演算する回路を装着し掘削管理項目と併せて表示することが掘削作業管理面で有効である。
【0131】
【実施例3】
[1]具体的な掘削条件での練付ドラム10の練付板24の軸方向長Lの必要寸法の計算:
【0132】
実際の各杭穴施工方法において杭穴掘削速度vとしては、掘削機の掘削能力により、一般に、
・シルト、粘土、ゆるい砂などでは、2〜10m/min程度
・かたい粘土、密な砂などでは、1〜3m/min程度
が採用されている。
【0133】
また、練付部の数nは通例の二個として具体的に所要の練付ドラム10の練付板24の軸方向長L(cm)を以下計算する。
【0134】
(1) シルトなど掘削性の良い軟弱な地盤の場合(掘削速度が速い場合)
・掘削ロッド(実務上の最少)回転数N=24 r.p.m.で、
・掘削速度vの最大値=10m/min、
が可能であるので、
L≧v÷(n×N)=10÷(2×24)
=0.20m
=20cm
により、練付板24の軸方向長Lは、実務上から20cm以上あれば良い。
【0135】
実際の掘削工事において、掘削性が良ければ掘削ロッド1の回転数Nとして大きい値を採用するので、汎用のオーガー電源の早いレンジ(馬力の小さい)の回転数の範囲は、24〜27( r.p.m.)程度であるので、その中で最も遅い(小さい)値のN=24( r.p.m.)の場合の所要の練付ドラム10の軸方向長Lが最大寸法となる。
【0136】
従って、(実務上の)掘削工事の殆ど全てに対応できる(共用できる)練付ドラム10の軸方向長Lとしては、20cm以上が望ましい寸法である。
【0137】
(2) かたい粘土などで掘削性の良くない地盤の場合(掘削速度が遅い場合)
・掘削ロッド回転数N=18 r.p.m.(実務上の最大回転数)で、
・掘削速度がv=1m/min(最小値)である時、
L≧v÷(n×N)=1÷(2×18)
=0.027m
=3cm
により、軸方向長Lとして少なくとも3cm以上の練付ドラム10が必要である。
【0138】
汎用のオーガー電源の遅いレンジ(馬力のある)の回転数の範囲は、
13〜18 r.p.m.
であるので、練付ドラムの軸方向長Lとしては、少なくとも2cm以上が必要なことが分る。
【0139】
[2]掘削(練り付け)作業での実務的な制約について
【0140】
前記[1]項の計算により、練付ドラムとして殆ど総ての地盤に対応できるようにするためには、練付ドラム10の軸方向長Lが20cm以上あれば、杭穴穴壁全面が少なくとも一回は練り付けされることが確認できた。しかし、掘削作業中に、杭穴内壁と練付ドラム10の練付部17との摩擦力および杭穴鉛直精度のバラツキにより、軸方向長Lとして50cm以上では、実際の小さい径の杭穴掘削において掘削作業効率が極端に悪くなることが多く、40cm程度に留めることが望ましい。
【0141】
従って、練付ドラム10としては、その構築現場での杭穴掘削全工事で軸方向長Lを共通にして、練付径のみの調節で対応できるようにして練付ドラムを共用するためには、練付ドラム10の練付部17の軸方向長Lを20〜40cm程度に形成することが望ましい。即ち、治具の交換、管理等の繁雑さを考えると統一する方が望ましい。また、個別に対応するとしても、練付ドラム長さとしては少なくとも2cm以上が必要である。
【0142】
[3]さらにより確実で安定な杭穴形成(練り付け)方法について
【0143】
(1) 掘削地点の地盤が非常に軟弱でゆるい等掘削性が良い場合であって、掘削速度が10m/min以上が可能で、練付ドラム10の軸方向長Lが20〜40cmでも不足する場合には、
V/N≦L×n
となるように掘削ロッド1の回転数Nを増やすか、または、掘削ロッド1の下降速度vを遅く調節することにより、杭穴穴壁の全面の練り付けが可能となり、確実な杭穴穴壁が得られ、掘削土の排出量も減らせる。
【0144】
(2) 特に、鉛直支持力として埋設する杭軸部の周辺摩擦を主として利用する場合には、杭穴軸部の穴壁の練り付け後の仕上がり状況及び、杭穴軸部における残留掘削土またはセメントミルクと混合したソイルセメント等の品質が重要であり、この場合は練付ドラムでの練付回数を、複数回にすることが有効であり、施工条件のバラツキの中で、確実に練り付けをするには、ドラムの軸方向の長さLで、少なくとも3回以上練付する作業条件を設定して、複数回にする施工方法を採用するのが得策である。
【0145】
即ち、例えば練付回数W=3回の場合は、
v=L/(W×N×n)
=L/(3×N×n)
により、算出される掘削速度(ロッドを下方に送る速度)vで調節しながら施工する方法、あるいは、この計算式を満たす軸方向長さLの練付部を使用する施工方法である。
【0146】
【実施例4】
図9等に基づきこの発明の他の実施例を説明する。この実施例は、中掘工法用の掘削ロッドの構成である。
【0147】
[1]掘削ロッド1の構成
【0148】
この実施例の掘削ロッドは、中空部4を有するロッド本体3の下端に、掘削ヘッド36を取り付けて構成する(図9)。ロッド本体3は、上端に連結凸部5、下端に連結凹部6を形成し、上下に必要長さだけロッド本体3を連結できるようになっている(図1、鎖線図示3参照)。
【0149】
ロッド本体3の外周には、ほぼ全長に亘りかつ断続的に、排土用のスパイラルが形成されている。また、ロッド本体3のスパイラルの切れ目に、攪拌バーが放射状でかつ軸対称な位置に突設されている。
【0150】
また、掘削ヘッド36は、ヘッド本体37の上端部に、連結凸部38が形成され、下端部に固定掘削刃39、39が取り付けてある。また、ヘッド本体37の両側に、先端部に掘削刃41、41を設けた掘削アーム40、40が揺動自在に取り付けてある。掘削アームの上端部に、屈曲した攪拌練付棒42が取り付けてある。また、ヘッド本体37で、掘削アーム40の回動軸付近の高さに、攪拌を兼ねた排土用の排土翼62、62が取り付けてある(図9)。
【0151】
また、この掘削ヘッド36の下端中央部に注水口(図示していない)があり、掘削しながら掘削ロッド本体3の中空部4を通じて外部から水及びセメントミルクなどを所要量適宜注入出来るようになっている。
【0152】
杭穴の軸部掘削時に、掘削ヘッド36の掘削アームを揺動させた際に、攪拌練付棒42は、ほぼ垂直に位置する練付部43を有し、練付部43の軸方向(掘削ロッド1の)の長さ寸法をL(cm)とする。この場合、同一高さでの練付部43の個数n(個)は2(個)となる。
【0153】
[2]掘削方法(練付方法)
【0154】
中掘用の杭打ち機に、中空杭64を取付けると共に、中空杭64の中空部を挿通した掘削ロッド1を取付ける(図示していない)。中空杭64の先端から掘削ヘッド36を突出させ、従来の中掘工法と同様に、掘削ヘッド36で地盤を掘削し杭穴50を形成しつつ、中空杭を杭穴50内に押し込む(図9)。
【0155】
この際、掘削ロッド1の押込み速度v(cm/min)、回転数N(r.p.m.)とした場合、掘削ヘッド36の練付部43の長さL(cm)、個数n(個)の場合、
L≧v÷(n×N)
の関係を満たすように、
掘削時の掘削ロッド回転数N( r.p.m.)、
掘削速度(掘削ロッドの押込み速度)v(cm/min.)、
を調節する。また、逆に、上記関係を満たすように、掘削ヘッド36の練付部43の長さL(cm)を調節する。
【0156】
これにより、攪拌練付棒42の練付部43で杭穴50の穴壁を少なくとも一回は練り付け及び成形をすることができる。尚、杭穴50の穴壁の崩壊を防止して、より安定したものとするためには、複数回練り付ける。
【0157】
杭穴壁へ掘削土を多数回練り付けることにより、スパイラル60での、中空杭61の中空部を通した地上への掘削土の排土量を削減できる。
【0158】
従って、中掘工法においても前記実施例1〜3の先掘工法と同様に、掘削ヘッド36の練付部43の作用により、安定した高品質の杭穴の築造ができる。
【0159】
[3]練付部43の長さL
【0160】
中掘工法を、先掘工法と比較すると、掘削装置(杭打ち機)のオーガー等は共通であって、先掘工法の練付ドラム10と同様に、練付部43の最適な長さLが算出される。
【0161】
掘削速度は、一般に先掘工法に比して、掘削装置の削能力上から遅めの値が採用されている。
【0162】
・シルト等の柔らかい地質: 2〜6m/min.
・堅い粘度、密な砂等の地質:1〜4m/min.
また、シルト等の軟弱地盤では、
・掘削ロッド1の(早いレンジでの最小)回転数N=24 r.p.m.
・掘削速度の最大値v=6m/min.
が可能である。
【0163】
よって、練付部43の長さLについては、
L≧v÷(n×N)=6÷(2×24)
=0.125m
13cm
により、練付部43の軸方向長Lは、13cm以上であれば、他の施工地盤の地質にも十分対応できることが解る。また、練付部43の最小寸法(長さ)は、
≧v÷(n×N)=1.0÷(2×18)
=0.02(m)
より、少なくともcm以上が必要である。
【0164】
また、練付部43の軸方向長さLの最大長さは、杭穴壁との摩擦及び杭中空部寸法等を考慮して、掘削の作業性から先掘工法と同様であって、40cm程度が限界である。
【0165】
従って、中掘工法の場合、練付部の軸方向の長さLは、cm以上が必須で1cm〜40cmが望ましい。
【0166】
【実施例5】
本発明の実施例を、具体的掘削条件での掘削刃の刃先の軸方向長と実務上の制約の観点から説明する。
【0167】
[1] 杭穴全面洩れなく掘削刃で掘削されるためには、練り付けが全面均一に行われる条件と全く同一である。よって、掘削装置の動力が同一で、かつ、掘削ロッドが同一であるので掘削刃の刃先の杭穴軸方向(深さ方向)の所要長は、本来、練り付け部の杭穴軸方向の所要長と同一である。
【0168】
[2] 通常の先行掘り、中掘り等の杭穴掘削の実務的な検討:
【0169】
掘削刃の刃先の杭穴軸方向(深さ方向)の所要寸法は、練り付け部の杭穴軸方向所要寸法と同一で、各掘削ヘツドでの刃先寸法L21、L22も共に同一で、軸方向長が12〜40cm範囲であれば殆ど総ての施工で均質な杭穴掘削が可能である。
【0170】
しかし、掘削刃単体の刃先の軸方向長が前記の理由で5cm程度しか使用されていない実体からして、均質に掘削される掘削速度vは次の通りに制限される。
【0171】
但し、L21=L22=L=5cm、刃先数n=2(通常の形成数)とする。
【0172】
(a) 掘削性の良い地盤の例:
v≦L×(n×N)=5×(2×27)
=270(cm/min)
=2.7(m/min)
但し、実務的な掘削ロツド回転数N(最大値)=27 r.p.m.
【0173】
(b) 掘削性の良くない地盤の例:
v≦L×(n×N)=5×(2×13)
=130(cm/min)
=1.3(m/min)
但し、実務的な掘削ロツド回転数N(最小値)=13 r.p.m.
【0174】
従って、均質な杭穴掘削を行うには、従来の実務的掘削速度範囲の低い値で施工する必要がある。
【0175】
[3]実務的な掘削速度と杭穴形成方法について:
【0176】
(a) 掘削速度を限定して、掘削刃による杭穴全面の均質な掘削が行われた場合には、同時に行われる練り付け部を共通寸法の12〜40cm程度で形成しておけば、確実に全面の複数回練り付けが行われることが分る。
また、所要品質により、練り付け回数が設定されておればより安定した確かな杭穴が造成できる。
【0177】
(b) 所要品質を満たし、あるいは、崩落性の少ない杭穴成形性が良い地盤の掘削の場合には、掘削条件としては、杭穴全面を刃先で掘削することなく地層の半分のみを掘削し残り半部は崩しながら杭穴形成する、即ち、全面掘削をしないで(部分掘削状態としておいて)、その後の(杭穴上部の)練り付け部で杭穴の内壁全面を練付け成形する組合せ杭穴造成方法を採用することが品質及び経済性から無駄がなく得策である。
例えば、杭穴軸部は部分掘削し、支持力等で特に重要な部分例えば根固め部等の掘削時のみ掘削速度を遅くし上記関係式を満たすよう制御し均質な掘削を実施すること等の使い分けが望ましい。
【0178】
(c) 練り付けが殆ど実施されていない中掘り工法や各種場所打ち工法等の杭穴造成の場合には、掘削刃に関して上記関係式を満たす杭穴掘削方法を採用することが特に有効である。
【0179】
【実施例6】
これらの発明を使用して、掘削条件、練付条件の双方を考慮して、安定な高支持力が得られている実施例を示す。
【0180】
[1]施工仕様
【0181】
(1) 杭穴仕様
杭穴掘削径(軸部径):780mm
杭穴軸部長 :48m
拡底根固め部径 :1100mm
拡底根固め部高さ:2500mm
【0182】
(2)使用杭構成
上杭:円筒形状の外殻鋼管コンクリート杭
(いわゆるSC杭)
外径:700mm、杭長:44m(継ぎ杭)
下杭:下端部節付きコンクリート杭
(BF.Sパイル。三谷セキサン(株)の商標)
(杭材強度PHC杭相当)
下端の節径:750mm
下端部軸部径:600mm
上部軸部径:700mm
杭長:5m
【0183】
(3) 施工地盤と充填液:
○ほぼ全層が粘性土地盤
○地盤の強度
N値:軸部:〜25程度、
:杭先端部の平均値は32.5
○セメントミルクの充填:
軸部へ充填するセメントミルク
固化強度:20N/mm
水セメント比60%
根固め拡底部に充填するセメントミルク
固化強度:20N/mm
水セメント比60%
○充填物の混合・攪拌方法:
根固め部内でセメントミルクを注入しながら攪拌しつつ上下3往復させ均質なソイルセメントミルク層を形成した。また、軸部内でもセメントミルクを注入しながら所定深さ毎に上下往復し、拌混合させ均質なソイルセメント層を形成した。
【0184】
(4) 掘削ロッド1
掘削ヘッド36は、図1の構造を採用する。即ち、下端部に掘削ヘッド36を有するロッド本体1の中間部外周に、練付ドラム10、10が固定され、その下側に攪拌板30、30が取付けられている。掘削ヘッド36は、ヘッド本体37の下端部に固定掘削刃39、39が取り付けてある。また、ヘッド本体37の両側に、先端部に掘削刃41、41を設けた掘削アーム40、40が揺動自在に取り付けてある(図1)。また、掘削ヘッド36の下端中央部に注水口(図示していない)から水やセメントミルクなどを注入できる。掘削アーム40は2枚装着されており、掘削アームは、掘削アーム毎に3枚の掘削刃41、41が形成され、開いた状態で、各掘削アーム40で最も外周側に位置する掘削刃39の1枚づつが、夫々杭穴の内壁の掘削・形成に作用する。また、
○掘削刃の数n=2(枚)
○杭穴軸部用掘削刃の軸方向長さL21=約5cm
○根固め部用掘削刃の軸方向長さL22=約5cm
で形成されている。また、練り付けに関しては、本実施例は先行掘りであるので練り付けドラムを使用し、以下の練付部の構成である。
○ドラムの練り付け部軸方向長L=30cm 以上である。
【0185】
(5) 掘削条件:
○杭穴軸部の掘削速度v=約2m/min(平均)
(最大2.5m以下とする)
○掘削ヘッド回転数N=24 r.p.m.
但し、根固め部の掘削速度は軸部より遅く半分以下とし、内壁の形状品質を向上させた。
【0186】
(6) 穴形成状況の確認:
上記の条件で地盤を掘削し、穴壁を練付し、杭穴を築造する。
まず、杭穴壁の掘削の一様性について確認する。上記掘削条件で、掘削刃の刃先長さLは関係式より、
所要掘削刃長L=v÷(n×N)
=2÷(2×24)
=0.04(m)
=4.0(cm)
従って、上述したように、刃の軸方向長さL21=5cmであり、
21/L=0.05÷0.04
=1.25(回)
となる。よって、少なくとも1回は杭穴内壁を掘削しており、ほぼ一様な杭穴が形成されていることが解る。根固め部は掘削速度を半分以下に下げたので内壁が繰り返し2.5回全面掘削され、更に一様な面となっている。
【0187】
次に、杭穴壁の練り付け性について確認する。1回練り付けに要する練り付け長Lとすると(図3(b))、前記式より、同様に、
L=v÷(n×N)
=2÷(2×24)
=0.04(m)
となる。また、掘削ロッドの練り付け部の軸方向長L=0.30mであるので、
/L=0.30÷0.04
=7.5(回)
であり、上記設定で、杭穴壁は7回以上練り付けされており、いわゆる多数回練り付けられる。
【0188】
[2]試験結果
杭穴根固め部に関しても軸部と同様に本発明による均一な掘削施工による杭穴を形成したので、拡底根固め部の先端支持力としては、載荷試験の結果、節径をDとした場合、0.1×D沈下する時の荷重として、例えば、通常の15%以上の値である、7000kN/mm以上の値が得られていることを確認した。基礎杭構造全体としての長期許容鉛直支持力は、従来の実績値(最大破壊荷重)より約10〜20%より大きな値を設定した場合でも、基礎杭構造は全く破壊せず良好であった。
また、掘削土の排出も従来方法より減っていることが認められている。
【0189】
【実施例7】
図10〜図12に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0190】
[1]掘削ロッド1の構成
【0191】
この発明の掘削ロッド1は、実施例1と同様の中空部4を有するロッド本体3の下端に、この実施例独特の掘削ヘッド36を取り付けて構成する(図1参照)。ロッド本体3は、上端に連結凸部5、下端に連結凹部6を形成し、上下に必要長さだけロッド本体3を連結できるようになっている(図1参照、鎖線図示3)。ロッド本体1の中間部外周に、練付ドラム10、10が固定され、練付ドラム10の下側に攪拌板30、30が取付けられている。
【0192】
尚、図1中7は、掘削ロッド1を継ぎ足す際等に、掘削ロッド1を地上付近で保持する為のリングであり、攪拌機能も併せ持っている。
【0193】
練付ドラム10、拌板30の構成は、実施例1と同様であるので記載を省略する。
【0194】
[2]掘削ヘッド36
【0195】
掘削ヘッド36は、ヘッド本体37の上端部に、連結凸部38が形成され、下端部に、固定掘削刃39、39が取り付けてある。また、ヘッド本体37の両側面37a、37aに、先端部に掘削刃41、41を設けた掘削アーム40、40が回転軸67を介して揺動自在に取り付けてある点で基本構造は同一であり、下端中央部に注水口66があり、掘削しながら掘削ロッド本体3の中空部4を通じて外部から水及びセメントミルクなどを所要量適宜注入出来るようになっている点でも同一の構成である(図11、図12。図1参照)。
【0196】
この実施例で使用するヘッド本体37は、掘削アームの40の揺動方向で、ヘッド本体37の下部に膨大部68が形成され、膨大部68の下縁69は掘削アームの揺動軌跡に沿って円弧状に形成され、膨大部68全体で掘削アーム40の揺動を案内できるようになっている。また、ヘッド本体37の膨大部68は、掘削アームの40の回転軸67方向(揺動方向と直角な方向)で、下方に向けて細くなるように形成されている(図11(a))。
【0197】
また、ヘッド本体37の上部で、掘削アーム40を取り付けて無い側面37b、37bに、傾斜翼70を取り付ける。傾斜翼70は、ヘッド本体37に溶接等で固定された支持板72、72に挟まれて、ボルト・ナットで、支持板72、72に固定され、着脱自在となっている。傾斜翼70は、ヘッド本体37が正回転して下降した際に螺旋状の軌跡を形成するので、左右で高さ(上下間の距離はL)を違えて取り付けてあり、2枚の傾斜翼70、70で杭穴の壁面二重に均し、より均一な杭穴を形成できるようにしてある。また、水平に対する傾斜の角度θは、35度程度に設定してあるが、地盤の硬さ、回転速度、下降速度により、20度〜50度程度から適宜選択される。
【0198】
また、傾斜翼70の先端縁71は、掘削刃41で削られる杭穴壁を均せるように、杭穴壁に沿うような曲面に形成されている。また、傾斜翼70の先端縁71の鉛直方向の長さをLとしてある。
【0199】
傾斜翼70の先端縁71の長さL(cm)の場合、個数をnとすると、
v/N≦L×n
の関係を満たすように、
掘削時の掘削ロッド回転数N( r.p.m.)、
掘削速度(掘削ロッドの押込み速度)v(cm/min.)、
を調節する。ここでは、n=1であるので、
v/N≦L
を満たすように、長さLを予め調節し、あるいは掘削速度v、回転数Nを調節すれば、効率良い掘削が可能である。
【0200】
また、掘削アーム40は中間部から下方に向け、膨大部37に沿ってヘッド本体37側に近付くように折り曲がって形成され、下端部は逆にヘッド本体37か離れるように、外方に向けて屈曲して形成されている。このような形状とすることにより、掘削径を大きくしつつ掘削ヘッド36全体の外径をできるだけ小さくすることができ、中掘工法等で既製杭の中空部に掘削ヘッドを挿通させる場合、既製杭の内壁に掘削ヘッドが接触しないようにすることができる。
【0201】
また、掘削アーム40の掘削刃41は、地盤への切れ味を良くするために、下面73側の先端74が鋭角状に尖って形成され、上面75側の先端76は鈍角状に形成され、両先端74、76を結ぶ先端線(面)77は鉛直状で上方に向けてややヘッド本体37側に傾斜して形成されている(図12)。特に、掘削後に掘削土がほぐれ易い土質(例えば、砂質土等)の場合に有効である。
【0202】
また、前記における掘削アーム40の掘削刃41の先端部(先端74、先端76、先端線77)の軌跡と傾斜翼70の先端縁71の軌跡とが略同一となるように、調節されている。即ち、掘削アーム40の正回転時の最大揺動位置に対応させて、適切な大きさ・形状の傾斜翼70を選択して取り付ける。
【0203】
ヘッド本体37に、正回転時(軸部掘削時)の掘削アーム40の最大揺動を制限するストッパー78、78、逆回転時(拡大掘削時)の掘削アーム40の最大揺動を制限するストッパー79、79を取り付けてある。また、ヘッド本体37の上端部に握り棒80、80を水平放射状に4本突設してある。
【0204】
[3]掘削方法(練付方法)
【0205】
(1) このオーガー45により、掘削ロッド1を回転数N(r.p.m.)で回転させ、かつ、該掘削ロッド1を押込み速度v(cm/min)で押込みながら掘削ヘッド36により杭穴50を所定寸法で掘削する。
【0206】
この際、掘削ヘッド36は、掘削ロッド1では、最も外方に位置にする掘削アーム40の掘削刃41aの先端74を主として、先端76、先端線77を従として、地盤を削ぐように、螺旋状に凹凸溝形成しながら、荒削り状に杭穴壁(杭穴底の外周)51を形成する(図11(b))。同時に、他の掘削刃41、ヘッド本体37の掘削刃39、39で地盤を削ぐように掘削して、杭穴底を掘削する。
【0207】
(2) 杭穴壁に形成された、螺旋状の凹凸溝は、傾斜翼70の先端縁71で、、凹凸溝を無くすように凹凸溝の土が削がれて、結果、杭穴壁51が均され、所定外径の杭穴50が掘削される。この際、
v/N≦L
を満たすように、掘削ロッド1の回転及び押し込みが制御されているので、1つの傾斜翼70の先端縁71で、杭穴壁51は、少なくとも1回均され、螺旋状の凹凸溝が確実に低減される。更に、傾斜翼70は、ヘッド本体1の両側に、高さLだけ違えて、取付けてあるので、2回均すことができる。
【0208】
また、設定された両傾斜翼70、70の高さL5を考慮して、掘削ロッド1を回転数N、押込み速度vを調節すれば、効率良い杭穴壁51の均しができる。
【0209】
このような、掘削刃41、39、傾斜翼70を組み合わせた掘削により、砂質土において、実施例1の掘削ヘッドに比べて、20%以上の掘削時間の短縮が実現できた。
【0210】
(3) また、掘削刃41、39又は傾斜翼70で削られた掘削土は、掘削アーム40、ヘッド本体3の扁平状の膨大部68、傾斜翼70等で拌されて、更に傾斜翼70で、揚土される。
【0211】
(4) 続いて、掘削土は、実施例1と同様に、掘削ロッド1の攪拌板30、練付ドラム10で、攪拌され、杭穴壁51に練り付けられ、所定深さ・外径の杭穴50を形成する。練付方法は実施例1と同様であるので、記載を省略する。
【0212】
ただし、掘削ロッド1の回転数N、押込み速度vは、掘削時の条件
v/N≦L
を満たすと共に、練付時の条件
v/N≦L
のいずれも満たすこと、杭穴の造成品質の面から有効である。
【0213】
また、この実施例では、予め傾斜翼70で杭穴壁51が均されており、更に
練付ドラム10で、均し及び練付がなされるので、より良質の杭穴壁51が形成される。逆に、それほど高い練付の質を求めない場合には、
v/N≦L
の条件を緩和させることもできる。
【0214】
(5) また、必要ならば、掘削ロッド1を逆転して、掘削ヘッド36の掘削アーム41を逆方向に揺動させ、ストッパー79、79で設定される外径で、杭穴軸部の下方又は下端部に拡大根固め部を掘削する(図示していない)。
【0215】
(6) 続いて、杭穴掘削が完了したなら杭穴内にセメントミルクなどの硬化物を注入し、掘削泥土と攪拌混合し、あるいは、掘削泥土と置換して、ソイルセメントまたはセメントミルクを杭穴内に充填して、既製杭を杭穴内に沈設して、ソイルセメントなどが固化した後、基礎杭を構成する(図示していない)。
【0216】
(7) 前記において、この掘削ヘッド36では、傾斜翼70が杭穴壁51の均しに作用をするため負担が大きく摩耗・破損し易い。従って、ボルト・ナットで、支持板72、72に固定することにより、摩耗・破損した傾斜翼70のみを取り外して、修理又は交換できる。
【0217】
また、掘削アーム40は、ストッパー78、79の位置を調節することにより、掘削径を容易に変更できる。ストッパー78で設定される杭穴の軸部径に合わせて、突出長さ(放射方向・水平方向の長さ)を選択した傾斜翼70を取り付けることができる。また、杭穴掘削径を拡大する際には、掘削径の拡大分は、突出長さの拡大分と一致しているので、傾斜翼70を杭穴掘削径に対応させることは容易である。
【0218】
また、前記の掘削ヘッド36は、この実施例の掘削ロッド本体3以外の構造のロッド本体に連結して使用することもできる(図示していない)。例えば、練付ドラム10等を有しない中掘工法用のロッド本体に使用することもできる。
【0219】
【発明の効果】
(1) この発明は、
L≧v/(n×N)
を満たすように、掘削ロッドを構成し、あるいは満たすように掘削ロッドの回転数及び下降速度を制御して練付するので、杭穴の全穴壁面で掘削土の練り付けが確実に行われ、掘削土の排出を減少させることができる効果がある。また、杭穴掘削工事の手順が標準化されることになり杭穴築造工事が安定化し、熟練技術者でなくとも高品質の杭穴を築造できる効果がある。また、掘削刃に関しても、練付部と同様に、取り扱うことにより、より一層の均質で安定化した杭穴が築造できる。
【0220】
通常の施工での杭穴造成状況は、杭穴口付近は目視で確認できるが、目視で確認できないような深度においても本発明を採用して施工すれば、掘削機のオペレータの熟練度等の個人差によるばらつきもなく、一定の均一な杭穴造成が可能であり、安心して施工できる。
【0221】
特に、崩落し易い地盤での施工あるいは、高支持力の基礎等で杭穴の内壁形成又は杭穴内の充填物の混合等に関して、高品質が要求されている杭基礎においては、掘削及び練り付けが全面確実に行われるので、品質の確かな杭穴内壁が形成され有効である。
【0222】
また、掘削ロッドの回転数及び下降速度を制御することにより、練付回数を容易に設定してこれを制御することができる。従って、例えば、練付回数を2回などの複数回に増加するなど、練付回数を増やせば、それだけ杭穴穴壁が安定するので、掘削作業に当たり、具体的な練付回数を設定することにより、作業基準(掘削条件)も標準化され、より品質の安定した再現性の確かな杭穴および杭基礎が造成できる。また同時に練付回数増により排出掘削土も減少させることができる。
【0223】
また、先掘工法では、練付ドラム等の練付手段の練付部の軸方向長を20〜40cmに設定することにより、特殊な場合を除き通常の地盤での杭穴掘削作業においては、練付ドラムの練付部の軸方向長を共通にできるため、掘削径に応じた練付部を設定して、杭穴径の変更・調節のみで錬付ドラムを共用することができる利点がある。従って、練付部の軸方向長を20〜40cmに設定することにより、共通の練付手段で、殆どの杭穴掘削に使用できる。
【0224】
また、先掘工法では、練付ドラム等の練付手段の練付部の軸方向長を20〜40cmに設定することにより、特殊な地盤、例えば非常に軟弱な地盤においても、掘削ロッドの掘削速度や掘削ロッド回転数を調節することにより容易に杭穴穴壁の全面への掘削土の練り付けが可能である。
【0225】
同様に、中掘工法では、一般に先掘工法より、排土抵抗が大きく、掘削速度が遅いので、練付手段の練付部の軸方向長を12〜40cmに設定することにより、同じ練付手段を使用して、殆どの杭穴掘削に適用できる。
【0226】
(2) また、この発明は、掘削手段を掘削刃とし、掘削刃の刃先の軸方向長さをLとすれば、
L≧v/(n×N)
を満たすように、掘削ロッドを構成し、あるいは満たすように掘削ロッドの回転数及び下降速度を制御して掘削するので、杭穴の全穴壁面で掘削が確実に行われ、掘削土の排出を減少させることができる効果がある。従って、前記練付の場合と同様に、杭穴壁の全面を漏れなく掘削し、形成された杭穴は一様な内壁となると共に、掘削土の粉砕形状、寸法も均一になり、練付性の向上、セメントミルクとの混合物の杭穴内充填物も均一な品質とすることができる。
【0227】
また、掘削が予定以上に難しく、回転数Nが予定外に低下した場合にも、上記関係式を満たすような掘削速度を低下させることにより均一な杭穴を造成することが可能である。
【0228】
(3) また、斜め下方かつ外側に刃先を向け、下側の角を鋭角状に形成した掘削刃と均し手段とを組み合わせた掘削ヘッドの場合、土質地盤によっては、掘削刃で螺旋状の凹凸溝で荒削りし、均し手段で杭穴壁を整形して杭穴を造成できる。従って、掘削と杭穴壁の均し、練付をバランス良く、効率的に実施し、高速で高品質な杭穴を築造できる。
【0229】
(4) よって、このように本発明の掘削手段を所定の要件として掘削した杭穴に、本発明の練付手段を所定の要件として練り付ければ、更に高品質な杭穴を築造できると共に、排土量を更に軽減できる。
【0230】
また、掘削で均一な穴壁が形成できなくても、練付部で補修する等両方法の組み合わせにより、要求仕様に合った経済的な杭基礎が造成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の練付用治具を取り付けた掘削ロッドで(a)は軸部掘削時の正面図、(b)は拡大掘削時の掘削ヘッドの正面図である。
【図2】同じく練付用治具を取り付けた他の掘削ロッドの正面図である。
【図3】この発明の練付用治具で、(a)はロッド本体を横断面した平面図、(b)は右側を破切した正面図である。
【図4】この発明の練付用治具に使用する攪拌手段で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図5】この発明の実施例の掘削ロッドを使用した掘削練付方法を説明する図である。
【図6】この発明の実施例で、他の掘削ヘッドで(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】この発明の他の実施例の掘削ロッドの掘削ヘッドの正面図である。
【図9】この発明の他の実施例の掘削ロッドの正面図である。
【図10】この発明の実施例7で使用する掘削ヘッドの軸部掘削時の正面図(背面側の掘削アームを省略してある)である。
【図11】同じく掘削ヘッドで(a)は掘削アームを垂らした状態の右側面図、(b)同じく底面図である。
【図12】同じく掘削アームの掘削刃の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 掘削ロッド
3 ロッド本体
4 中空部(ロッド本体)
5 連結凸部(ロッド本体)
6 連結凹部(ロッド本体)
9 練付ドラム
10 取付部(練付ドラム)
17 練付部(練付ドラム)
24 練付板(練付ドラム)
25 練付板の基部(練付ドラム)
26 練付板の導入部(練付ドラム)
30 攪拌板
31 攪拌板の基端
32 攪拌板の先端
36 掘削ヘッド
37 ヘッド本体
38 連結凸部のヘッド本体
39 掘削刃のヘッド本体
40 掘削アーム
41 掘削アームの掘削刃
42 掘削アームの攪拌練付棒
43 攪拌練付棒の練付部
44 杭打ち機
45 オーガー
49 地盤
50 杭穴
51 杭穴の穴壁
52 杭穴の拡底部
55 拡大掘削刃
56 拡大掘削刃の練付部
70 傾斜翼(均し手段)
71 傾斜翼の先端縁
73 掘削刃の下面
74 掘削刃の下面の先端
75 掘削刃の上面
76 掘削刃の上面の先端
77 掘削刃の先端線

Claims (16)

  1. 掘削ロッドの先端の掘削ヘッドで、杭穴を掘削しながら、または掘削が完了した後、前記掘削ロッドの練付手段の練付部で、掘削土を前記杭穴の穴壁に練り付けながら杭穴を築造する方法であって、
    前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、
    回転数をN( r.p.m.)とし、
    前記練付手段の同一高さで、軸対称に配置される練付部の個数をn(個)、
    練付部の軸方向の長さをL(cm)とするとき、
    v/N≦L×n
    を満たすように、掘削ロッドの下降速度v及び/または回転数Nを操作して杭穴を練り付けながら築造することを特徴とする杭穴の築造方法。
  2. 掘削ロッドの先端の掘削ヘッドの掘削手段で、杭穴を掘削する方法であって、
    前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、
    回転数をN( r.p.m.)とし、
    前記掘削手段の同一高さで軸対称に配置され、掘削径に対応する杭穴壁掘削用の掘削刃の個数をn(個)、
    杭穴壁掘削用の掘削刃の軸方向の長さをL(cm)とするとき、
    v/N≦L×n
    を満たすように、掘削ロッドの下降速度v及び/または回転数Nを操作して杭穴を掘削しながら築造することを特徴とする杭穴の築造方法。
  3. 杭穴の穴壁の総ての部分を、「掘削刃が複数回繰り返して杭穴壁を掘削できるように」及び/または「いずれかの練付部が複数回繰り返して杭穴壁を練付られるように」、掘削ロッドを制御することを特徴とする請求項1又は2記載の杭穴の築造方法。
  4. 杭穴の穴壁の総ての部分を、「掘削刃が少なくとも1回以上杭穴壁当接して掘削できるように」及び「いずれかの練付部が複数回繰り返して杭穴壁を練付られるように」、掘削ロッドを制御することを特徴とする請求項1又は2記載の杭穴の築造方法。
  5. 掘削ロッドの回転及び下降により、掘削ヘッドの掘削刃で、杭穴壁に螺旋状の凹凸溝を並列して形成し、続いて、前記掘削ヘッドの上方に位置する均し手段で、前記凹凸溝間の穴壁を整形して、杭穴を造成する請求項1〜4のいずれか1項記載の杭穴の築造方法。
  6. 均し手段は、該均し手段の同一高さにおける、均し手段の個数をn(個)、均し手段の上下方向の長さをL(cm)とするとき、
    v/N≦L×n
    を満たすように、掘削ロッドの下降速度v及び/または回転数Nを操作して杭穴を掘削しながら築造することを特徴とする請求項5記載の杭穴の築造方法。
  7. 均し手段で、掘削土を上方に揚げると共に掘削土を拌する請求項5又は請求項6記載の築造方法。
  8. 杭穴壁と当接できる練付部を同一高さで軸対称に配置される複数箇所有する練付手段を取り付けてなる掘削用ロッドであって、
    予め設定した前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、
    回転数をN( r.p.m.)とし、
    練付手段の同一高さでの練付部の個数をn(個)とし、
    練付部の軸方向の長さをL(cm)とするとき、
    L≧v/(n×N)
    を満たすように、各寸法を設定したことを特徴とする掘削ロッド。
  9. 練付手段の練付部は、杭穴壁に沿った部分円筒状の外周面からなる練付基部と、該練付基部の上下端に連設して、前記練付基部より小径の掘削土導入用の傾斜部を形成して構成し、
    掘削ロッドの外面で、前記練付手段の下方に、該練付手段より小径の攪拌手段を放射状に突設したことを特徴とする請求項8記載の掘削ロッド。
  10. 練付手段を練付ドラムとし、ロッド本体に固定した取付部に、着脱自在または放射方向に移動自在に、練付部を取り付けて構成したことを特徴とする請求項8記載の掘削ロッド。
  11. 先掘工法に使用する掘削用のロッドであって、練付部の軸方向長Lを、20〜40cmの寸法範囲で形成したことを特徴とする請求項8記載の掘削ロッド。
  12. 中掘工法に使用する掘削用のロッドであって、練付部の軸方向長Lを、12〜40cmの寸法範囲で形成したことを特徴とする請求項8記載の掘削ロッド。
  13. 杭穴壁と当接できる掘削刃を同一高さで軸対称に配置される複数箇所有する掘削手段を取り付けてなる掘削用ロッドであって、
    予め設定した前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、
    回転数をN( r.p.m.)とし、
    杭穴壁の掘削用の掘削刃の同一高さでの練付部の個数をn(個)とし、
    杭穴壁の掘削用の掘削刃の軸方向の長さをL(cm)とするとき、
    L≧v/(n×N)
    を満たすように、各寸法を設定したことを特徴とする掘削ロッド。
  14. 杭穴壁と当接できる掘削刃を同一高さで軸対称に配置される複数箇所有する掘削手段を取り付けてなる掘削ロッド用の掘削ヘッドであって、
    前記掘削刃の上方に、板材を斜めに突設してなる均し手段を取り付けて、
    予め設定した前記掘削ロッドの下降速度をv(cm/min)、
    回転数をN( r.p.m.)とし、
    杭穴壁と当接する前記均し手段の同一高さでの個数をn(個)とし、
    杭穴壁の前記均し手段の鉛直方向の長さをL(cm)とするとき、
    L≧v/(n×N)
    を満たすように、各寸法を設定したことを特徴とする掘削ヘッド。
  15. 掘削ロッドに接合できるヘッド本体に揺動自在の掘削アームを取り付けてなり、該掘削アームの掘削刃は、斜め下方かつ外側に刃先を向けて取り付けてあり、該掘削刃の下側の角を鋭角状に形成し、該下側の縁が水平面と掘削方向で点状に接するように形成したことを特徴とする請求項8または請求項13に記載の掘削ロッド
  16. 掘削ロッドに接合できるヘッド本体に揺動自在の掘削アームを取り付けてなり、該掘削アームの掘削刃は、斜め下方かつ外側に刃先を向けて取り付けてあり、該掘削刃の下側の角を鋭角状に形成し、該下側の縁が水平面と掘削方向で点状に接するように形成したことを特徴とする請求項14に記載の掘削ヘッド
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